平成24年11月26日
金融庁
アイティメディア株式会社株式に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の決定について(3)
金融庁は、証券取引等監視委員会から、アイティメディア(株)株式に係る相場操縦に係る検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告を受け、平成24年10月12日に審判手続開始の決定(平成24年度(判)第26号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)178条1項14号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおり
決定(PDF:155KB)を行いました。
記
1決定の内容
被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。
(1)納付すべき課徴金の額金42万円
-
(2)納付期限平成25年1月22日
2課徴金に係る金商法178条1項14号に掲げる事実
被審人(A)は、東京証券取引所マザーズ市場に上場されているアイティメディア株式会社の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成22年2月18日午前9時12分ころから同年3月5日午後1時30分ころまでの間、5取引日にわたり、B証券株式会社を介し、あらかじめ意思を通じた上で直前約定値より高値で自己の売り注文とCの買い注文とを対当させたり、買い最良気配値より下値に複数の買い注文を発注して下値を支えるなどの方法により、自己の計算において、同株式合計20株を買い付ける一方、同株式合計10株を売り付けるなどし、もって、同株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、同市場における同株式の相場を変動させるべき一連の売買をしたものである。
(別表)
取引年月日 | 売付株数 | 買付株数 |
---|---|---|
平成22年2月18日 | 2 | 7 |
平成22年2月19日 | 0 | 0 |
平成22年2月22日 | 2 | 2 |
平成22年2月23日 | 0 | 0 |
平成22年2月24日 | 0 | 0 |
平成22年2月25日 | 0 | 0 |
平成22年2月26日 | 0 | 0 |
平成22年3月1日 | 4 | 0 |
平成22年3月2日 | 0 | 0 |
平成22年3月3日 | 2 | 1 |
平成22年3月4日 | 0 | 0 |
平成22年3月5日 | 0 | 10 |
合計 | 10 | 20 |
3課徴金の計算の基礎
金商法174条の2第1項の規定に基づき、当該違反行為に係る課徴金の額は、
(1)当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
及び
(2)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等又は買付け等の 数量が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等又は売付け等の数量を超える場合、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金商法130条に規定する最低の価格のうち最も低い価格に当該超える数量を乗じて得た額を控除した額、又は当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金商法130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格に当該超える数量を乗じて得た額から当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額
の合計額として算定。
別表に掲げる事実につき
(1)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、10株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、実際の買付け等の数量20株に、金商法174条の2第8項及び金融商品取引法施行令33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(28,000円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している当該有価証券の数量10株を加えた30株である
ことから、
イ当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(10株)に係るものについて、 自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
(27,780円×1株+27,980円×1株+28,400円×1株+28,500円×1株
+29,690円×1株+30,000円×1株+30,500円×2株+30,900円×1株
+31,000円×1株)
-(28,000円×10株)
= 15,250円及び
ロ当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(30株)が当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(10株)を超えていることから、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金商法130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格(49,700円)に当該超える数量20株(30株-10株)を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額
(49,700円×20株)
-(27,980円×1株+27,990円×1株+28,000円×5株+28,100円×2株
+29,500円×1株+30,150円×5株+31,000円×5株)
= 406,580円の合計額421,830円となる。
(2)金商法176条2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、420,000円となる。

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