平成25年5月27日
金融庁

株式会社ジー・テイストに係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、証券取引等監視委員会から、(株)ジー・テイストに係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告新しいウィンドウで開きますを受け、平成25年4月23日に審判手続開始の決定(平成25年度(判)第2号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下、「金商法」といいます。)178条1項2号及び4号に掲げる事実並びに納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおりPDF決定(PDF:161KB)を行いました。

決定の内容

被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。

  • (1)納付すべき課徴金の額金1億145万円

  • (2)納付期限平成25年7月24日

課徴金に係る金商法178条1項各号に掲げる事実

  • (1)課徴金に係る金商法178条1項4号に該当

    被審人は、その発行する株式が大阪証券取引所ジャスダック市場に上場されている会社であるが、被審人は、過去に子会社であった関連会社の支配を再度獲得して子会社とした際の資本連結手続において、同社に対する過去の投資損失等を適切に反映させず、のれんを過大計上するなどした結果、東北財務局長に対し、下表のとおり、重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券報告書及び四半期報告書(以下「開示書類」という。)を提出した。



開示書類 虚偽記載
提出日 書類 会計期間 財務計算に
関する書類
内容(注) 事由
1 平成21年
8月14日
第51期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成21年4月1日~平成21年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期
連結貸借対照表
連結純資産額が3,703百万円であるところを4,683百万円と記載 ・のれんの過大計上
2 平成21年
11月13日
第51期事業年度第2四半期会計期間に係る四半期報告書 平成21年4月1日~平成21年9月30日の第2四半期累計期間 四半期
損益計算書
四半期純損益が▲1,136百万円であるところを▲181百万円と記載 ・抱合せ株式消滅差損の過少計上
3 平成22年
2月12日
第51期事業年度第3四半期会計期間に係る四半期報告書 平成21年4月1日~平成21年12月31日の第3四半期累計期間 四半期
損益計算書
四半期純損益が▲952百万円であるところを▲22百万円と記載 ・抱合せ株式消滅差損の過少計上
4 平成22年
6月24日
第51期事業年度会計期間に係る有価証券報告書 平成21年4月1日~平成22年3月31日の会計期間 損益計算書 当期純損益が▲612百万円であるところを292百万円と記載 ・抱合せ株式消滅差損の過少計上

(注) 金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失であることを示す。

  • (2)課徴金に係る金商法178条1項2号に該当

    • 平成21年8月14日、第51期第1四半期報告書を組込情報とする有価証券届出書(第1回及び第2回新株予約権付社債)を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年8月31日、新株予約権付社債を1,650,000,000円で取得させた。

    • 平成22年10月4日、第51期有価証券報告書を組込情報とする有価証券届出書(第2回新株予約権証券)を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年10月21日、20個の新株予約権を101,135,700円(新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を含む。)で取得させた。

    • 平成22年10月4日、第51期有価証券報告書を組込情報とする有価証券届出書(第3回新株予約権付社債)を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年10月21日、新株予約権付社債を200,000,000円で取得させた。

    • 平成22年10月4日、第51期有価証券報告書を組込情報とする有価証券届出書(第4回及び第5回新株予約権付社債)を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年10月21日、新株予約権付社債を170,000,000円で取得させた。

課徴金の計算の基礎

2の(1)の表に掲げる事実につき

  • 番号1、同2、同3及び同4

    金商法172条の4第1項本文及び2項前段の規定により、被審人の第51期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第51期第1四半期報告書」という。)、同事業年度第2四半期会計期間に係る四半期報告書(以下「第51期第2四半期報告書」という。)、同事業年度第3四半期会計期間に係る四半期報告書(以下「第51期第3四半期報告書」という。)及び同事業年度会計期間に係る有価証券報告書(以下「第51期有価証券報告書」という。)に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

    被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

    第51期第1四半期報告 200,772円
    第51期第2四半期報告書 293,014円
    第51期第3四半期報告書 282,845円
    第51期有価証券報告書 263,209円

    6,000,000円

    を超えないことから、

    第51期第1四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円

    第51期第2四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円

    第51期第3四半期報告書については、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円

    第51期有価証券報告書については、6,000,000円

    となるが、第51期第1四半期報告書、第51期第2四半期報告書、第51期第3四半期報告書及び第51期有価証券報告書が、いずれも第51期事業年度に係るものであることから、金商法185条の7第6項及び金融商品取引法第六章の二の規定による課徴金に関する内閣府令61条の3の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分することとなり、

    第51期第1四半期報告書に係る課徴金の額は

    6,000,000×3,000,000/(3,000,000+3,000,000+3,000,000

    +6,000,000)

    =1,200,000円

    第51期第2四半期報告書に係る課徴金の額は

    6,000,000×3,000,000/(3,000,000+3,000,000+3,000,000

    +6,000,000)

    =1,200,000円

    第51期第3四半期報告書に係る課徴金の額は

    6,000,000×3,000,000/(3,000,000+3,000,000+3,000,000

    +6,000,000)

    =1,200,000円

    第51期有価証券報告書に係る課徴金の額は

    6,000,000×6,000,000/(3,000,000+3,000,000+3,000,000

    +6,000,000)

    =2,400,000円

    となる。

  • 2の(2)に掲げる事実につき

    金商法172条の2第1項1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の4.5に相当する額が課徴金の額となることから、

    • 平成21年8月14日提出の有価証券届出書(第1回及び第2回新株予約権付社債)に係る課徴金の額は、

      1,650,000,000円×4.5/100=74,250,000円

    • 平成22年10月4日提出の有価証券届出書(第2回新株予約権証券)に係る課徴金の額は、

      101,135,700円×4.5/100=4,551,106円

      について、金商法176条2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、4,550,000円

    • 平成22年10月4日提出の有価証券届出書(第3回新株予約権付社債)に係る課徴金の額は、

      200,000,000円×4.5/100=9,000,000円

    • 平成22年10月4日提出の有価証券届出書(第4回及び第5回新株予約権付社債)に係る課徴金の額は、

      170,000,000円×4.5/100=7,650,000円

    となる。

    以上により、納付すべき課徴金の額は次のとおりとなる。

    1,200,000+1,200,000+1,200,000+2,400,000+74,250,000+4,550,000

    +9,000,000+7,650,000

    =101,450,000

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局総務課審判手続室(内線2398、2404)

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