平成25年8月6日
金融庁

明治機械株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、証券取引等監視委員会から、明治機械(株)に係る有価証券報告書等の虚偽記載に係る検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告新しいウィンドウで開きますを受け、平成25年6月19日に審判手続開始の決定(平成25年度(判)第10号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)178条1項2号及び4号に掲げる事実並びに納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおりPDF決定(PDF:178KB)を行いました。

決定の内容

被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。

  • (1)納付すべき課徴金の額金8,271万円

  • (2)納付期限平成25年10月7日

課徴金に係る金商法178条1項各号に掲げる事実

  • (1)課徴金に係る金商法178条1項4号に該当

    被審人明治機械(株)(以下「被審人」という。)は、その発行する株式が東京証券取引所市場第二部に上場されている会社であるが、被審人の子会社管理態勢の不備等により、被審人の子会社における架空伝票の作成や原価管理システム上での不正な原価の付替えにより、仕掛品を過大に計上していた。また、当該子会社では、取引先の代理店や物流を委託していた運送会社に対して、架空の受領書や注文書の作成を依頼し、その結果、被審人は架空の売上を計上するなどしていた。

    これらの結果、被審人は、関東財務局長に対し、下表のとおり、重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券報告書及び四半期報告書(以下「開示書類」という。)を提出した。



開示書類 虚偽記載
提出日 書類 会計期間 財務計算に
関する書類
内容(注) 事由
1 平成20年
6月27日
第133期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書 平成19年4月1日~平成20年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
連結経常損益が▲563百万円であるところを172百万円と記載
連結当期純損益が▲929百万円であるところを▲487百万円と記載
・仕掛品の過大計上
・のれんの過大計上
・架空売上の計上
連結
貸借対照表
連結純資産額が5,965百万円であるところを8,114百万円と記載
2 平成20年
8月14日
第134期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成20年4月1日~平成20年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が5,947百万円であるところを8,094百万円と記載 ・仕掛品の過大計上
・のれんの過大計上
3 平成20年
11月14日
第134期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成20年7月1日~平成20年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が5,860百万円であるところを7,966百万円と記載 ・仕掛品の過大計上
・のれんの過大計上
4 平成21年
2月13日
第134期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成20年10月1日~平成20年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が5,439百万円であるところを7,605百万円と記載 ・仕掛品の過大計上
・のれんの過大計上
5 平成21年
6月26日
第134期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書 平成20年4月1日~平成21年3月31日の連結会計期間 連結
損益計算書
連結経常損益が▲573百万円であるところを▲163百万円と記載
連結当期純損益が▲1,098百万円であるところを▲688百万円と記載
・仕掛品の過大計上
・のれんの過大計上
・架空売上の計上
連結
貸借対照表
連結純資産額が4,558百万円であるところを7,118百万円と記載
6 平成21年
8月14日
第135期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成21年4月1日~平成21年6月30日の第1四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が4,690百万円であるところを7,212百万円と記載 ・仕掛品の過大計上
・のれんの過大計上
7 平成21年
11月13日
第135期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成21年7月1日~平成21年9月30日の第2四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が4,345百万円であるところを6,564百万円と記載 ・仕掛品の過大計上
・のれんの過大計上
8 平成22年
2月15日
第135期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成21年10月1日~平成21年12月31日の第3四半期連結会計期間 四半期連結
貸借対照表
連結純資産額が4,572百万円であるところを6,622百万円と記載 ・仕掛品の過大計上
・のれんの過大計上
9 平成24年
2月13日
第137期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書 平成23年4月1日~平成23年12月31日の第3四半期連結累計期間 四半期連結
損益計算書
連結四半期純損益が369百万円であるところを550百万円と記載 ・売上原価の不計上

(注) 金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失であることを示す。

  • (2)課徴金に係る金商法178条1項2号に該当

    被審人は、平成21年9月18日、第134期有価証券報告書及び第135期第1四半期報告書を組込情報とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年10月6日、300個の新株予約権を1,504,741,200円(新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を含む。)で取得させ、もって重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた。

課徴金の計算の基礎

2の(1)の表に掲げる事実につき

  • 番号1

    平成20年法律第65号による改正前の金融商品取引法(以下「旧金商法」という。)172条の2第1項本文の規定により、被審人の第133期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書に係る課徴金の額は、

    被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(145,804円)

    3,000,000円

    を超えないことから、3,000,000円となる。

  • 番号2、同3、同4及び同5

    旧金商法172条の2第1項本文及び2項前段の規定により、被審人の第134期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第134期第1四半期報告書」という。)、同事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第134期第2四半期報告書」という。)、同事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第134期第3四半期報告書」という。)及び同事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(以下「第134期有価証券報告書」という。)に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

    被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(539,350円)

    3,000,000円

  • を超えないことから、

    第134期第1四半期報告書、第134期第2四半期報告書及び第134期第3四半期報告書については、それぞれ3,000,000円の2分の1に相当する額である1,500,000円

    第134期有価証券報告書については、3,000,000円

    となるが、第134期第1四半期報告書、第134期第2四半期報告書、第134期第3四半期報告書及び第134期有価証券報告書が、いずれも第134期事業年度に係るものであることから、旧金商法185条の7第2項及び平成20年内閣府令第79号による改正前の金融商品取引法第六章の二の規定による課徴金に関する内閣府令61条の2の規定により、3,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分することとなり、

    第134期第1四半期報告書、第134期第2四半期報告書及び第134期第3 四半期報告書に係る課徴金の額は、それぞれ

    3,000,000×1,500,000/(1,500,000+1,500,000+1,500,000+3,000,000)

    =600,000円

    第134期有価証券報告書に係る課徴金の額は

    3,000,000×3,000,000/(1,500,000+1,500,000+1,500,000+3,000,000)

    =1,200,000円

    となる。

  • 番号6、同7及び同8

    金商法172条の4第2項前段の規定により、被審人の第135期事業年度第1四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第135期第1四半期報告書」という。)、同事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第135期第2四半期報告書」という。)及び同事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(以下「第135期第3四半期報告書」という。)に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

    被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額

    第135期第1四半期報告書 230,026円
    第135期第2四半期報告書 254,710円
    第135期第3四半期報告書 175,355円

    6,000,000円

    を超えないことから、

    第135期第1四半期報告書、第135期第2四半期報告書及び第135期第3四半期報告書については、それぞれ6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円

    となるが、第135期第1四半期報告書、第135期第2四半期報告書及び第135期第3四半期報告書が、いずれも第135期事業年度に係るものであることから、金商法185条の7第6項及び金融商品取引法第六章の二の規定による課徴金に関する内閣府令61条の3の規定により、6,000,000円を個別決定ごとの算出額に応じて按分することとなり、

    第135期第1四半期報告書、第135期第2四半期報告書及び第135期第3四半期報告書に係る課徴金の額は、それぞれ

    6,000,000×3,000,000/(3,000,000+3,000,000+3,000,000)

    =2,000,000円

    となる。

  • 番号9

    金商法172条の4第2項前段の規定により、被審人の第137期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書に係る課徴金の額は、

    被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の6を乗じて得た額(90,402円)

    6,000,000円

    を超えないことから、6,000,000円の2分の1に相当する額である3,000,000円となる。

  • 2の(2)に掲げる事実につき

    金商法172条の2第1項1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の4.5に相当する額が課徴金の額となることから、

    平成21年9月18日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、

    1,504,741,200円×4.5/100=67,713,354円

    について、金商法176条2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、67,710,000円

    となる。

    以上により、納付すべき課徴金の額は次のとおりとなる。

    3,000,000円+600,000円+600,000円+600,000円

    +1,200,000円+2,000,000円+2,000,000円+2,000,000円

    +3,000,000円+67,710,000円

    =82,710,000円

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局総務課審判手続室(内線2398、2404)

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