平成28年10月18日
金融庁
テクノホライゾン・ホールディングス株式会社株式外2銘柄に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の決定について
金融庁は、証券取引等監視委員会からテクノホライゾン・ホールディングス(株)株式外2銘柄に係る相場操縦の検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告を受け、平成28年9月28日に審判手続開始の決定(平成28年度(判)第15号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)第178条第1項第14号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおり
決定(PDF:87KB)を行いました。
記
1決定の内容
被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。
(1)納付すべき課徴金の額金414万円
(2)納付期限平成28年12月19日
2課徴金に係る金商法第178条第1項第14号に掲げる事実
被審人(A)は、株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、
(1)テクノホライゾン・ホールディングス(株)(以下「テクノホライゾン」という。)の株式につき、平成27年2月17日午前10時11分頃から同日午後2時20分頃までの間及び同月18日午前9時6分頃から同日午前10時11分頃までの間、B証券株式会社を介し、上値売り注文を大量に入れるなどの方法により、同株式の売付けの委託を行うとともに、同株式を買い付けるなどし、また下値買い注文を大量に入れるなどの方法により、同株式の買付けの委託を行うとともに、同株式を売り付けるなどして、同株式合計54万2100株の売付けの委託を行う一方、同株式合計69万7200株を買い付けるとともに、同株式合計84万200株の買付けの委託を行う一方、同株式合計69万8200株を売り付け
(2)シンフォニアテクノロジー(株)(以下「シンフォニア」という。)の株式につき、同年3月3日午前9時6分頃から同日午前9時41分頃までの間及び同月5日午前9時1分頃から同日午前9時10分頃までの間、B証券株式会社を介し、前記同様の方法により、同株式合計116万6000株の売付けの委託を行う一方、同株式合計109万株を買い付けるとともに、同株式合計118万3000株の買付けの委託を行う一方、同株式合計77万7000株を売り付け
(3)カブドットコム証券(株)(以下「カブドットコム証券」という。)の株式につき、同年4月28日午前9時1分頃から同日午後1時19分頃までの間及び同月30日午前9時0分頃から同日午後0時39分頃までの間、B証券株式会社を介し、前記同様の方法により、同株式合計38万4800株の売付けの委託を行う一方、同株式合計59万2300株を買い付けるとともに、同株式合計56万8300株の買付けの委託を行う一方、同株式合計59万8900株を売り付け
もって、自己の計算において、テクノホライゾン、シンフォニア及びカブドットコム証券各株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、前記両市場における上記各株式の相場を変動させるべき一連の売買及び委託をしたものである。
3課徴金の計算の基礎
2の別表の各違反行為に係る課徴金の額の計算の基礎は以下のとおりである。
(1)金商法第174条の2第1項の規定により、当該違反行為に係る課徴金の額は、
ア当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
及び
イ当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等又は買付け等の数量が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等又は売付け等の数量を超える場合、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金商法第130条に規定する最低の価格のうち最も低い価格に当該超える数量を乗じて得た額を控除した額、又は当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金商法第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格に当該超える数量を乗じて得た額から当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額
の合計額として算定。
(2)上記(1)で算定された課徴金の額につき、金商法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて算定。
(3)上記(2)によりそれぞれ算定した額を合計し、課徴金の額とする。
2の別表に掲げる事実につき
一.テクノホライゾン株式の取引(期間A)について
(1)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、456,200株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、459,800株であることから
ア当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(456,200株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
(310円×2,800株+311円×10,000株+313円×8,000株
+314円×10,000株+315円×44,700株+316円×58,500株
+317円×13,000株+318円×21,500株+319円×34,200株
+320円×60,000株+321円×34,500株+322円×40,000株
+323円×22,700株+324円×28,000株+325円×10,000株
+326円×15,000株+327円×15,000株+332円×28,300株)
-(309円×11,000株+310円×11,000株+312円×34,500株
+313円×15,000株+314円×30,000株+315円×21,200株
+316円×10,100株+317円×28,000株+318円×27,300株
+319円×66,200株+320円×43,300株+321円×19,700株
+322円×62,400株+323円×26,400株+324円×800株
+325円×20,000株+326円×1,000株+332円×28,300株)
= 542,200円
及び
イ当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(459,800株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(456,200株)を超えていることから、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金商法第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格(363円)に当該超える数量3,600株(459,800株-456,200株)を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額
(363円×3,600株)-(312円×3,600株)
= 183,600円
の合計額725,800円となる。
(2)金商法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、720,000円。
二.テクノホライゾン株式の取引(期間B)について
(1)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、242,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、237,400株であることから
ア当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(237,400株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
(299円×3,000株+301円×13,500株+302円×6,300株
+303円×16,000株+304円×9,100株+305円×15,000株
+306円×31,500株+307円×23,000株+308円×13,000株
+309円×4,000株+311円×7,400株+312円×6,500株
+313円×8,000株+314円×18,000株+315円×35,100株
+316円×8,000株+317円×5,000株+318円×5,000株
+319円×10,000株)
-(300円×19,000株+301円×25,000株+302円×8,500株
+303円×20,000株+304円×32,300株+305円×17,100株
+306円×13,300株+307円×600株+308円×1,000株
+309円×8,200株+310円×18,100株+311円×16,000株
+312円×20,500株+313円×27,500株+314円×6,200株
+316円×4,100株)
= 612,000円
及び
イ当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(242,000株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(237,400株)を超えていることから、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金商法第130条に規定する最低の価格のうち最も安い価格(274円)に当該超える数量4,600株(242,000株-237,400株)を乗じて得た額を控除した額
(305円×3,000株+306円×1,600株)-(274円×4,600株)
= 144,200円
の合計額756,200円となる。
(2)金商法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、750,000円。
三.シンフォニア株式の取引(期間A)について
(1)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、727,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、実際の買付け等の数量711,000株に、金商法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(250円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している当該有価証券の数量16,000株を加えた727,000株であることから
当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(727,000株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
(238円×95,000株+239円×135,000株+243円×91,000株
+244円×50,000株+246円×112,000株+249円×88,000株
+250円×149,000株+251円×7,000株)
-(236円×50,000株+238円×142,000株+239円×30,000株
+242円×80,000株+243円×50,000株+244円×11,000株
+246円×60,000株+247円×64,000株+248円×180,000株
+249円×14,000株+250円×46,000株)
= 505,000円となる。
(2)金商法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、500,000円。
四.シンフォニア株式の取引(期間B)について
(1)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、50,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、379,000株であることから
ア当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(50,000株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
(226円×50,000株)-(225円×20,000株+226円×30,000株)
= 20,000円
及び
イ当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(379,000株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(50,000株)を超えていることから、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金商法第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格(229円)に当該超える数量329,000株(379,000株-50,000株)を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額
(229円×329,000株)
-(224円×19,000株+225円×220,000株+226円×90,000株)
= 1,245,000円
の合計額1,265,000円となる。
(2)金商法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、1,260,000円。
五.カブドットコム証券株式の取引(期間A)について
(1)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、193,900株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、193,100株であることから
ア当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(193,100株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
(911円×5,000株+912円×5,300株+913円×8,800株
+914円×15,200株+916円×17,400株+917円×7,300株
+918円×22,300株+933円×800株+934円×9,600株
+935円×10,000株+936円×1,600株+937円×1,500株
+938円×900株+939円×10,600株+940円×10,000株
+941円×22,800株+942円×16,000株+943円×28,000株)
-(910円×12,000株+911円×3,200株+912円×9,000株
+913円×8,900株+914円×18,000株+915円×12,700株
+917円×200株+918円×17,300株+931円×15,000株
+933円×3,000株+934円×2,000株+935円×10,000株
+937円×13,300株+938円×13,000株+939円×9,700株
+940円×10,400株+941円×20,600株+942円×1,400株
+943円×13,400株)
= 345,800円
及び
イ当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(193,900株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(193,100株)を超えていることから、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金商法第130条に規定する最低の価格のうち最も安い価格(848円)に当該超える数量800株(193,900株-193,100株)を乗じて得た額を控除した額
(914円×800株)-(848円×800株)
= 52,800円
の合計額398,600円となる。
(2)金商法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、390,000円。
六.カブドットコム証券株式の取引(期間B)について
(1)当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、405,000株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、実際の買付け等の数量399,200株に、金商法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(897円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している当該有価証券の数量5,400株を加えた404,600株であることから
ア当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(404,600株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
(887円×7,100株+888円×14,100株+889円×10,000株
+890円×19,100株+891円×25,300株+892円×38,200株
+893円×36,500株+894円×24,100株+895円×12,000株
+896円×41,400株+897円×55,000株+898円×41,500株
+899円×4,500株+901円×100株+902円×5,500株+903円×12,100株
+904円×10,000株+905円×10,000株+906円×5,000株
+907円×10,000株+909円×4,300株+910円×6,700株
+911円×12,000株+913円×100株)
-(884円×7,200株+885円×5,800株+886円×10,000株
+887円×5,000株+888円×1,600株+889円×24,000株
+890円×32,500株+891円×8,200株+892円×36,000株
+893円×23,500株+894円×24,500株+895円×67,200株
+896円×35,300株+897円×39,300株+898円×10,000株
+899円×3,500株+900円×10,500株+901円×8,600株
+902円×19,700株+903円×100株+904円×500株
+905円×5,000株+906円×5,000株+908円×6,600株
+909円×5,000株+910円×10,000株)
= 506,600円
及び
イ当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(405,000株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(404,600株)を超えていることから、当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額から、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の買付け等についての金商法第130条に規定する最低の価格のうち最も安い価格(848円)に当該超える数量400株(405,000株-404,600株)を乗じて得た額を控除した額
(892円×400株)-(848円×400株)
= 17,600円
の合計額524,200円となる。
(2)金商法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、520,000円。
七.上記一ないし六により算定した額の合計
(720,000円+750,000円+500,000円+1,260,000円+390,000円+520,000円)
= 4,140,000円となる。
お問い合わせ先
金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局総務課審判手続室
(内線2398、2404)