平成29年3月14日
金融庁
株式会社クロス・マーケティンググループ株式外1銘柄に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の決定について
金融庁は、証券取引等監視委員会から、(株)クロス・マーケティンググループ株式外1銘柄に係る相場操縦の検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告を受け、平成28年11月24日に審判手続開始の決定(平成28年度(判)第27号金融商品取引法違反審判事件)を行い、以後審判官3名により審判手続が行われてきましたが、今般、審判官から金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおり決定(PDF:100KB)を行いました。
記
1 決定の内容
被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。
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(1) 納付すべき課徴金の額 金423万円
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(2) 納付期限 平成29年5月15日
2 事実及び理由の概要
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(1) 課徴金に係る金商法第178条第1項各号に掲げる事実(以下「違反事実」という。)、法令の適用及び課徴金の計算の基礎は、別紙のとおり(なお、課徴金の計算の基礎となる事実については、被審人が争わず、そのとおり認められる。)。
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(2) 被審人(A)は、違反事実(1)の違反行為期間等について争う旨の主張をしているところ、本件審判手続に提出された関係各証拠によれば、被審人は、平成27年5月28日から同年7月6日までの4期間にわたり、(株)クロス・マーケティンググループ(以下「クロス・マーケティング」という。)株式及び(株)スペースシャワーネットワーク(以下「スペースシャワー」という。)株式について、(ア)高値注文を出して約定させながら他の投資家の高値の買い注文を誘って株価を上昇させる、買い上がり買付けと称される方法、(イ)すべてを買い付ける意思のない買い注文を、最良買い気配値やその下値付近に出し、他の投資家からの買い注文を誘い込む、見せ板と称される方法で、各株価を高値に吊り上げる取引を行ったものであると認められる。このような本件各取引の取引態様などを踏まえると、被審人は、違反事実に記載のとおり、株式の売買を誘引する目的をもって、同株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、同株式の相場を変動させるべき一連の売買及び委託を行ったものと認められる。
(別紙1)
1 違反事実
金商法第178条第1項第14号に該当
被審人は、株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、
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(1) クロス・マーケティングの株式につき、平成27年5月28日午前10時56分頃から同年6月2日午前9時18分頃までの間、4取引日において、B証券株式会社を介し、直前の約定値より高指値の買い注文を発注して株価を引き上げたり、下値買い注文を大量に入れるなどの方法により、同株式合計22万3200株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計9万6600株を買い付ける一方、同株式合計9万6600株を売り付け、
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(2) スペースシャワーの株式につき、同年6月5日午前9時0分頃から同日午前9時36分頃までの間、同月17日午前9時0分頃から同日午前9時30分頃までの間及び同年7月6日午前9時13分頃から同日午前10時41分頃までの間、B証券株式会社を介し、前記同様の方法により、同株式合計12万8200株の買付けの委託を行うとともに、同株式合計4万1000株を買い付ける一方、同株式合計3万8500株を売り付け、
もって、自己の計算において、クロス・マーケティング及びスペースシャワー各株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、前記各市場における前記各株式の相場を変動させるべき一連の売買及び委託をしたものである。
(別表)
1.クロス・マーケティング | (単位:株) | |||||||
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違反行為期間 |
証券会社 |
委託株数 |
売買株数 |
||||
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(始期) |
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(終期) |
売付 |
買付 |
売付 |
買付 |
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平成27年5月28日 午前10時56分19秒 | ~ | 平成27年6月2日 午前9時18分26秒 | B証券 | 0 | 223,200 | 96,600 | 96,600 | |
合計 |
0 | 223,200 | 96,600 | 96,600 |
2.スペースシャワー | (単位:株) | |||||||
|
違反行為期間 |
証券会社 |
委託株数 |
売買株数 |
||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
(始期) |
|
(終期) |
売付 |
買付 |
売付 |
買付 |
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期間A | 平成27年6月5日 午前9時0分14秒 | ~ | 平成27年6月5日 午前9時36分45秒 | B証券 | 0 | 33,900 | 14,600 | 11,600 |
期間B | 平成27年6月17日 午前9時0分53秒 | ~ | 平成27年6月17日 午前9時30分27秒 | B証券 | 0 | 40,600 | 15,100 | 12,100 |
期間C | 平成27年7月6日 午前9時13分0秒 | ~ | 平成27年7月6日 午前10時41分59秒 | B証券 | 0 | 53,700 | 8,800 | 17,300 |
合計 |
0 | 128,200 | 38,500 | 41,000 |
(別紙2)
2 課徴金の計算の基礎
1の別表に掲げる事実につき
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一.クロス・マーケティング株式の取引について
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(1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、96,600株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、96,600株であることから、
ア 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(96,600株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
(524円×600株+546円×3,900株+547円×1,800株+548円×1,200株
+550円×6,200株+551円×1,300株+552円×2,100株+553円×800株
+554円×2,100株+555円×2,000株+556円×1,700株
+557円×1,200株+559円×200株+560円×9,300株+561円×6,000株
+562円×1,300株+564円×53,500株+565円×1,400株)
-(514円×900株+515円×11,300株+516円×900株+517円×17,200株
+518円×15,400株+519円×1,300株+520円×8,700株
+521円×3,400株+522円×5,900株+524円×8,600株+526円×100株
+527円×900株+528円×2,000株+529円×1,600株+530円×2,600株
+531円×400株+532円×1,300株+533円×3,800株+535円×2,300株
+538円×200株+539円×600株+540円×1,300株+542円×3,900株
+543円×2,000株)
= 3,609,900円
及び
イ 当該超える数量が0株であることから、0円
の合計額3,609,900円となる。
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(2) 金商法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、3,600,000円となる。
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二.スペースシャワー株式の取引(期間A)について
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(1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、14,600株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、実際の買付け等の数量11,600株に、金商法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(474円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している当該有価証券の数量3,000株を加えた14,600株であることから、
ア 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(14,600株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
(500円×5,000株+501円×3,400株+502円×5,000株
+503円×1,200株)
-(474円×3,800株+475円×300株+476円×200株+477円×400株
+478円×800株+479円×1,100株+480円×1,400株+481円×400株
+482円×100株+484円×200株+485円×4,700株+490円×1,200株)
= 301,100円
及び
イ 当該超える数量が0株であることから、0円
の合計額301,100円となる。
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(2) 金商法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、300,000円となる。
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三.スペースシャワー株式の取引(期間B)について
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(1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、15,100株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、実際の買付け等の数量12,100株に、金商法第174条の2第8項及び金融商品取引法施行令第33条の13第1号の規定により、違反行為の開始時にその時における価格(482円)で買付け等を自己の計算においてしたものとみなされる当該違反行為の開始時に所有している当該有価証券の数量3,000株を加えた15,100株であることから、
ア 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(15,100株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
(489円×4,100株+490円×100株+491円×1,200株+492円×200株
+493円×800株+494円×100株+500円×7,900株+501円×700株)
-(482円×3,700株+483円×100株+484円×1,300株+488円×1,300株
+489円×500株+490円×8,200株)
= 128,200円
及び
イ 当該超える数量が0株であることから、0円
の合計額128,200円となる。
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(2) 金商法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、120,000円となる。
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四.スペースシャワー株式の取引(期間C)について
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(1) 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量は、8,800株であり、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量は、17,300株であることから、
ア 当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量(8,800株)に係るものについて、自己の計算による当該有価証券の売付け等の価額から、自己の計算による当該有価証券の買付け等の価額を控除した額
(509円×2,000株+510円×6,800株)
-(486円×500株+488円×400株+489円×5,200株+493円×900株
+494円×200株+495円×300株+496円×100株+497円×1,200株)
= 168,000円
及び
イ 当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の買付け等の数量(17,300株)が、当該違反行為に係る自己の計算による有価証券の売付け等の数量(8,800株)を超えていることから、当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の売付け等についての金商法第130条に規定する最高の価格のうち最も高い価格(509円)に当該超える数量8,500株(17,300株-8,800株)を乗じて得た額から、当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額を控除した額
(509円×8,500株)
-(497円×600株+500円×800株+504円×7,100株)
= 49,900円
の合計額217,900円となる。
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(2) 金商法第176条第2項の規定により、上記(1)で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、210,000円となる。
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五.上記一.ないし四.により算定した額の合計
3,600,000円+300,000円+120,000円+210,000円
= 4,230,000円となる。
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総務企画局総務課審判手続室
03-3506-6000(代表)(内線2398、2404)