平成30年1月26日
金融庁
公開買付者の社員による株式会社エヌジェーケー株式に係る内部者取引及び公開買付けの実施に関する事実の伝達に対する課徴金納付命令の決定について
金融庁は、証券取引等監視委員会から公開買付者の社員による(株)エヌジェーケー株式に係る内部者取引及び公開買付けの実施に関する事実の伝達の検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告を受け、平成29年12月18日に審判手続開始の決定(平成29年度(判)第17号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)第178条第1項第16号及び第17号に掲げる事実並びに納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおり
決定(PDF:60KB)を行いました。
記
1 決定の内容
被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。
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(1) 納付すべき課徴金の額 金19万円
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(2) 納付期限 平成30年3月26日
2 課徴金に係る金商法第178条第1項第16号及び第17号に掲げる事実
(1) 被審人(A)は、(株)エヌ・ティ・ティ・データ(以下「NTTデータ」という。)で勤務していた者であるが、平成28年2月19日、同人がその職務に関し、同社の業務執行を決定する機関が、(株)エヌジェーケー(以下「NJK」という。平成28年8月22日上場廃止。)の株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実を知りながら、法定の除外事由がないのに、上記事実の公表がされた平成28年5月10日より前の同年4月21日及び同月25日、B証券株式会社を介し、C名義で、自己の計算において、NJK株式合計400株を買付価額合計19万2100円で買い付けたものである。
(2) 被審人は、同人がその職務に関し知った、NTTデータの業務執行を決定する機関が、NJKの株式の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実を、遅くとも平成28年4月10日までに、Cに対し、上記事実の公表がされる前にNJK株式の買付けをさせることにより同人に利益を得させる目的をもって、伝達したものである。
Cは、上記事実の公表がされた平成28年5月10日より前の同年4月21日から同年5月9日までの間、B証券株式会社を介し、自己の計算において、NJK株式合計1200株を買付価額合計56万7700円で買い付けたものである。
3 課徴金の計算の基礎
2に掲げる事実につき
(1) 違反事実(1)に係る課徴金の額
ア.金商法第175条第2項第2号の規定により、当該有価証券の買付けについて、公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(677円)に当該有価証券の買付けの数量を乗じて得た額から当該有価証券の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。
(677円×400株)
-(472円×200株+488円×100株+489円×100株)
= 78,700円
イ.金商法第176条第2項の規定により、上記ア.で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、70,000円となる。
(2) 違反事実(2)に係る課徴金の額
ア.金商法第175条の2第2項第3号の規定により、当該違反行為により当該情報受領者等が行った当該買付けによって得た利得相当額に2分の1を乗じて得た額。
利得相当額とは、同条第4項第2号の規定により、情報受領者等が株券等の買付けをした場合、当該株券等の買付けについて公開買付け等の実施に関する事実の公表がされた後2週間における最も高い価格(677円)に当該株券等の買付けの数量を乗じて得た額から当該株券等の買付けをした価格にその数量を乗じて得た額を控除した額。
{(677円×1,200株)
-(460円×200株+470円×400株+471円×100株 +478円×100株+481円×200株+483円×200株)}×1/2
=122,350円
イ. 金商法第176条第2項の規定により、上記ア.で計算した額の1万円未満の端数を切捨て、120,000円となる。
(3) 上記(1)及び(2)により算定した額の合計 70,000円+120,000円=190,000円となる。
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