平成30年10月24日
金融庁
 

  「FinTech実証実験ハブ」支援決定案件の実験結果について

 金融庁では、フィンテックを活用したイノベーションに向けたチャレンジを加速させる観点から、平成29年9月21日、フィンテック企業や金融機関等が、前例のない実証実験を行おうとする際に抱きがちな躊躇・懸念を払拭するため、「FinTech実証実験ハブ」を設置しました(FinTech実証実験ハブの設置について)。
 今般、本スキームにおける支援を決定した第2号案件(平成30年3月16日公表)の実証実験が終了し、その実験結果について、お知らせします。

実験概要

(実験内容)
 以下の流れで本人確認を行いキャッシュカードを即時発行する機器(以下「本機器」という。)の正式導入に向け、顔認証技術を用いた本人確認の信頼性を確保しつつ、顧客の利便性、銀行事務の効率性の向上が図られるか等を検証。

マル1来店者の運転免許証等のICチップから顔写真データを読み取り
マル2来店者の顔をカメラで撮影
マル3顔認証技術を用い、マル1の顔写真データとマル2で撮影した顔を照合

 ※ 実験では、顧客の口座開設等自体は、銀行職員による目視での本人確認等により行ったため、現行法令に反するものではありません。


(実験期間)
 平成30年4月から9月まで

(参加金融機関等)
 大日本印刷株式会社(以下「DNP」)
 株式会社西日本シティ銀行

結果概要

 本実証実験では、本機器を複数の銀行店舗等の異なる環境に設置し、上記マル1マル3の流れで実験を実施。その結果、一部の課題は認められたものの、導入に問題はないことを確認した。結果概要は以下のとおり。

○ 本機器の設置環境(著しく設備照明が暗いなど)の影響により、誤拒否(本人を誤って拒否)が発生する場合があることが判明したため、DNP内部で追加実験を実施し、誤拒否率の大幅な低減の実現を確認した。また、誤受入(他人を誤って受入)は発生しなかったことを確認した。
 

○ 年齢性別を問わずほとんどの顧客等が途中離脱なく平均2分で本機器の操作を完了することを確認した。また、本人確認書類の真正性の確認(偽変造の有無等の確認)及び顧客と本人確認書類名義人の同一性の確認(なりすましの有無等の確認)が、本機器により問題なく遂行されることを確認した。
 

○ 一方、課題として、誤拒否発生時の対応について検討する必要があること、また、実験では、顧客が来店前にスマホ等で事前申込みを行うことを前提としたが、全ての手続きを本機器で完了させる方法も、銀行の要望等を踏まえ検討する必要があることを確認した。
 

○ なお、実験では、平成30年7月に意見募集が行われた「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令案」第6条第1項第1号ヘに規定予定の本人確認方法(ソフトウェアを使用して、本人確認用画像情報及び写真付き本人確認書類に組み込まれたデータの送信を受ける方法)を前提としており、金融庁としては、同号が求める要件や解釈を、警察庁に確認した上で提供するなどのサポートを実施した。
 

○ また、誤拒否が発生した場合の対応や全ての手続きを本機器で完了させる方法等について検討を行い、本機器の正式導入に向け準備を進める予定。
 

○ 今後、こうした新たな本人確認方法の実用化により、利用者の利便性や銀行等の生産性の向上が期待される。


※ 参考
PDF本実証実験の概要
「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令案」に対する意見の募集について(e-Govへリンク)新しいウィンドウで開きます
PDFオンラインで完結する本人確認方法(案)
申込者における実証実験結果に係るニュースリリースリンク先
https://www.dnp.co.jp/news/detail/1190395_1587.html新しいウィンドウで開きます (大日本印刷株式会社)
https://www.ncbank.co.jp/nr/images/2018/181024-1.pdf新しいウィンドウで開きます (株式会社西日本シティ銀行)

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

総合政策局 総合政策課(内線2417、2918)

企画市場局 総務課調査室(内線3911、3514)

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