平成30年6月29日

金融庁

証券決済リスク削減に向けた市場関係者の取組の進捗状況について

「金融・資本市場に係る制度整備について」(平成22年1月21日金融庁、以下「制度整備」)では、先般の世界金融危機において認識された重要な課題の一つとして、「国債取引・貸株取引等の証券決済・清算態勢の強化」が盛り込まれました。これを受け、市場関係者において、証券決済リスク削減に向けた各取組の実施時期・実行期限等を定めた工程表の作成や、工程表に沿った検討・対応が進められてきたところです。

金融庁としては、市場関係者による、かかる工程表の作成や、工程表に沿った取組は、我が国市場全体の決済リスク削減の進展につながるとともに、ひいては、我が国金融システムの安定に資すると考え、今後も、工程表に沿った取組の実施を支援することとします。

本年6月29日時点の進捗状況は以下のとおりです。

1.国債取引

(1)経緯

「制度整備」による要請を踏まえ、平成22年6月29日、日本証券業協会、(株)日本国債清算機関(現在の(株)日本証券クリアリング機構、以下JSCC)及び信託協会により、「国債取引の決済リスク削減に関する工程表」(以下「国債工程表」)が作成・公表されました。その後、上記3者をはじめとする市場関係者において検討が進められ、平成22年12月以降定期的に進捗状況が公表されているところです。

 

(2)進捗状況

昨年6月以降、更に検討を重ねた結果、今般、各種の対応・合意がなされてきたところであり、これを反映して更新された「国債工程表」が、本日公表されました。その主な変更点は以下の通りです。

○  決済期間の短縮化

  • 日本証券業協会の「国債の決済期間の短縮化に関する検討WG」において、平成29年8月4日、「総合運転試験(RT)に関する『実施手順書』」(改訂版)を取りまとめた。また、日本証券業協会では、平成29年10月から平成30年3月にかけて総合運転試験を実施し、市場参加者やインフラ機関等において国債取引の決済期間の短縮(T+1)化等を想定した取引についてシステム及び作業上の問題がないことを確認した。
  • 平成30年5月1日から国債取引の決済期間を短縮(T+1)化した。
 

    ○    清算機関の利用拡大

  • JSCCは、平成30年5月1日に国債取引の決済期間の短縮(T+1)化対応のシステムを稼働し、銘柄後決めレポ取引及び物価連動国債の債務引受を開始した。同月におけるJSCCの一日当たりの債務引受金額は54兆円、国債の取引に占める清算機関の利用の割合は61%であった。国債取引の決済期間の短縮(T+1)化実施後も、引き続き国債取引における清算機関の利用の更なる拡大を図っていく。

 

※ 「国債工程表」の本体については、下記の各機関のウェブサイトをご覧ください。

日本証券業協会新しいウィンドウで開きます
信託協会新しいウィンドウで開きます
(株)日本証券クリアリング機構新しいウィンドウで開きます

2.貸株取引

「制度整備」による要請を踏まえ、平成22年12月に(株)証券保管振替機構、(株)ほふりクリアリング及び市場関係者(証券会社、日本証券金融、信託銀行)により構成される貸株取引専門部会より、「貸株取引に係る決済リスク削減に関する工程表」(以下、「貸株工程表」)が作成・公表されました。なお、今回更新は行われておりません。

※ 「貸株工程表」の本体については、下記の機関のウェブサイトをご覧ください。

(株)証券保管振替機構新しいウィンドウで開きます

お問い合わせ先

金融庁総務企画局市場課

03-3506-6000(代表)(内線2696、3970)

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