平成14年2月25日
金融庁
株式会社北陸銀行の産業活力再生特別措置法に基づく事業再構築計画の認定について
1.認定計画の概要
株式会社北陸銀行から提出された「事業再構築計画」について産業活力再生特別措置法第3条第1項の規定に基づき審査した結果、同法第2条第2項第1号に規定する事業構造変更及び同項第2号に規定する事業革新を行う者として同法に定める認定要件を満たすと認められるため、2月25日付で事業再構築計画の認定を行った。
2.事業再構築の実施時期
開始時期 平成14年2月~終了時期 平成16年3月
3.申請者の概要
株式会社北陸銀行
資本金 1,208億円
取締役頭取 犬島伸一郎
本店所在地 富山市堤町通り1-2-26
問い合わせ先
金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
監督局銀行第二課 堀本(内線3391)、横山(内線3366)
様式第三
認定事業再構築計画の内容の公表
1.認定年月日
平成14年2月25日
2.認定事業者名
株式会社北陸銀行
3.認定事業再構築計画の目標
(1) 事業再構築に係る事業の目標
新たなリテール戦略モデル(アルプスモデル)を導入し、リテール業務に係る商品・チャンネルから審査プロセス・事務プロセス体制といったサプライチェーン全体を抜本的に見直し、営業力の強化、業務の効率化を実現する。
(2) 生産性の向上を示す数値目標
平成15年度に平成12年度との比較において自己資本当期利益率が6.87%改善すると見込んでいる。
4.認定事業再構築の内容
(1) 事業再構築に係る事業の内容
○ 中核的事業
中小企業、特に小規模企業・個人事業者、個人に対する金融仲介業務、ならびにそれらの業務から派生する金融サービスの開発・提供等
○ 選定理由
北陸三県地域のリーディングバンクとして、利益率の高い北陸三県の中小企業・個人に対する金融仲介業務を最重要部門と位置付け、「アルプスモデル」の確立により新たな金融商品・サービスの開発・提供をすることで、中小企業向貸出・消費者ローンを増強し安定的な収益確保を図るため。
(2) 事業再構築を行う場所
富山市堤町通り1-2-26
(3) 事業再構築を実施するための措置の内容
別表のとおり
(4) 事業再構築の開始時期及び終了時期
開始時期 平成14年2月~終了時期 平成16年3月
5.事業再構築に伴う労務に関する事項
(1) 事業再構築の開始時期の従業員数
平成13年9月末 3,610人
(2) 事業再構築の終了時期の従業員数
平成16年3月末 3,050人
(3) 事業再構築に充てる予定の従業員数
平成16年3月末 3,050人
(4) (3)中、新規採用される従業員
280人程度
(5) 事業再構築に伴い出向又は解雇される従業員数
出向及び解雇の予定はなし
別表
事業再構築の措置の内容
措置事項 |
実施する措置の内容及びその実施する時期 |
期待する支援措置 |
事業構造変更 |
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資本の相当程度の増加による中核的事業の開始、拡大又は能率の向上 |
1 |
.中小零細企業を取り巻く経営環境は、産業構造の変化や資産デフレの懸念等により、未だ不透明感が払拭されず、厳しい状況が続いている。このため、当行は、中小企業、特に小規模企業・個人事業者、個人の皆さまへのより一層の安定的かつ円滑な資金供給に役立て、地域リーディングバンクとしての使命を果たすために、平成14年2月に39,134,550,000円の第三者割当増資による自己資本の増強を実施する。 |
2 |
.増資により調達した資金は、中小企業・個人向け新戦略(「アルプスモデル」)の確立等に活用することにより、提供商品・チャネル・審査プロセス・事務プロセスを再構築し、小規模企業・個人事業者、個人のお取引先への一層円滑な資金供給が可能となる。 |
(1) |
第三者割当による普通株式の発行により資本金が増加する会社の名称 |
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名 称:株式会社 北陸銀行 住 所:富山市堤町通り1丁目1番26号 取締役頭取:犬島 伸一郎 |
(2) |
増加する資本金の額 19,567,275,000円 |
(3) |
増加後の資本金 140,409,528,663円 |
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租税特別措置法第80条 勧告によってする登記の税率の軽減 |
事業革新 |
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第2条第2項第2号ハ |
(商品の構成又は提供に係る役務の構成の相当程度の変化) |
・ |
利益率の高いスモールビジネス層への融資・個人への融資の増強を図るため新商品の拡充を実施する。 |
・ |
開発新商品を業務再構築期間中に約1,500億円販売することにより、具体的な数値基準として、新商品による役務の業務収益の合計額が経常収益に占める割合を4%にまで引上げる。 |
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13/3月期 |
16/3月期 |
新商品の業務収 益の経常収益に 占める割合 |
0.0% |
4.2% |
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(商品の販売若しくは役務の提供の著しい効率化ならびに新たな需要の相当程度の開拓) |
・ |
従来充分に営業活動・サービスが行き届いていなかった小規模企業・個人事業者、個人のお客さまに「最適なサービスを効率的に提供すると同時に、当行の収益増強を図るため、リテール業務にかかるサプライチェーン全体(商品・チャネル・審査プロセス・事務プロセス)を見直し、一体的管理を実施する。(「アルプスモデル」の導入) |
・ |
こうした戦略を実施するため、店舗稠密地域を中心にエリアを設定し、各エリア毎に店舗の役割を明確にします。各エリアは、(1)エリア全体を総括しフルバンキング機能を提供する中核店 (2)エリア店・出張所 (3)新しいタイプの店舗である「ほくぎんローンプラザ」「ビジネスプラザ」で構成し、一体運営による営業活動を展開する。 あわせて、インターネットバンキングの機能拡充・(株)イーネットとの提携によるコンビニATM サービスの開始など無人チャネルの整備を実施する。 |
・ |
従来、すべての案件を人的審査により対応してきたが、小規模企業・個人事業者、個人のお客さまへの融資審査を自動審査化することにより、クイックレスポンス体制を構築する。また、一定の小口案件の自動審査化により、一般事業性融資に対する人的審査の質を高め、分析・コンサルティング機能の強化により、事業者の皆さまの様々な課題に取り組む融資管理体制を目指す。 |
・ |
小型店(エリア店・出張所)のバック事務・ローン債権管理事務等を集中することにより事務の効率化・堅確化を目指す。 |
・ |
具体的な数値基準として、事業再構築期間中の当該役務に係る売上高の伸び率を過去3事業年度の伸び率比15ポイント引上げるとともに、平成16年3月期に平成13年3月期との比較において、業務粗利益1円当たりの経費を5.0%低減させる。 |
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10~12年度 |
13~15年度 |
新商品に係る 売上高伸び率 |
▲6.8% |
+9.4% |
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13/3月期 |
16/3月期 |
業務粗利益1円 あたりの経費 |
58.4% |
53.4% |
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上記の個々の施策については、試行的取り組みも実施しながら平成14年度中の「アルプスモデル」の完成を目指す。このモデルの導入により平成15年度業務純益485億円を目指すとともに134支店、行員3,050人によるスリムで強靭な経営体質を築くことが可能となる。 |
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