平成14年6月25日
金融庁

「経済財政運営と構造改革に関する基本方針 2002」(「基本方針第2弾」)(金融庁関連部分)について

この1年、政府は「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」(13年6月26日閣議決定)を起点として広範な構造改革を推進するとともに、景気・雇用情勢に適切に対応してきました。今後は、これまでの成果の上に立ち、経済などの改善傾向をさらに確実なものとし、国民が将来を安心できる確固とした経済社会を構築するために、新たな段階に歩を進める必要があります。14年6月25日に閣議決定された「経済財政と構造改革に関する基本方針2002」は、改革の第2段階を明らかにする、いわば「基本方針第2弾」です。

「基本方針第2弾」には、主な金融庁関連の施策として、

  • ○  不良債権の最終処理と企業再生の促進
  • ○  金融システムの安定の確保
  • ○  証券市場の構造改革の推進
  • ○  中期ビジョンのとりまとめ

などが盛り込まれています。

(参考)○ 「経済財政運営と構造改革に関する基本方針 2002」(全体版)新しいウィンドウで開きます
経済財政諮問会議答申を受けた「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」(閣議決定)についての内閣総理大臣の談話(平成14年6月25日)新しいウィンドウで開きます
当面の経済活性化策等の推進について-デフレ克服の取組加速のために-[政府・与党合意事項](平成14年6月17日)新しいウィンドウで開きます

【お問い合わせ先】

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局政策課(内線3182)
〒100-8967 東京都千代田区霞が関3丁目1番1号 中央合同庁舎第四号館
ホームページURL:http://www.fsa.go.jp/


経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002 (金融庁関連部分)

第2部 経済活性化戦略

2. 6つの戦略、30のアクションプログラム

  • (3)経営力戦略

    政府は、起業や企業経営の刷新を図る制度整備やリスクマネー供給の円滑化をはじめとする市場環境整備を迅速に行う。一方、民間金融機関においては、プロジェクト・ファイナンス、債権流動化等、リスク管理手法の多様化に取り組む。

    (起業の促進・廃業における障害の除去)

    起業に伴うハードルとリスクを低くし、起業活動を活性化することにより、経済の新陳代謝を活発にする。

    • 法務省において、債務不履行の場合の取立て範囲について、検討、見直しを進めるとともに、関係府省において、起業の促進・廃業における障害の除去という目的実現の観点から個人保証のあり方の検討、見直しを進める。

    (企業・産業の再編、経営のあり方)

    環境変化や製造や製品の特性に応じて、企業再編、海外生産、ダウンサイジング等経営体制のあり方を変えていく必要がある。

    • 金融庁は、今後の我が国金融システムをより強固なものとするため、主として地域金融機関を念頭において、合併等を促進する施策を早急に取りまとめ、これにより、収益性の改善等による経営基盤の一層の強化及び中小企業金融の円滑化を図る。

    • 金融庁は、平成14年度、取引所等を通じ証券市場の退出基準を厳格化する。

    (直接金融市場の整備)

    企業活動における変革を支え、起業・創業を活発化させるためには、リスクマネーを供給する直接金融市場の活性化が不可欠である。また、直接金融市場を通じた投資家のガバナンスが、優れた経営者を選ぶ力となり、企業の経営刷新力を拡大する。

    • 金融庁は、四半期開示に向けた取組みを強化するとの観点から、取引所等に対し、その進め方等を明らかにする行動計画の策定を、6月中に要請する。

    • 金融庁は、株式投資単位の引下げについて取引所等を通じ企業側に一層の推進努力を求める。

    • 金融庁は、平成15年度から、株式公開前の資金調達円滑化のため、適格機関投資家の範囲の拡大等を行うことにより、私募市場を活性化する。

    • 金融資産課税の見直しを検討する。


第5部 経済財政の姿と15年度経済財政運営の基本的考え方

2. 平成14年度及び15年度の我が国経済

  • (2)デフレ対応をはじめとする当面の経済財政運営

    • ア.不良債権処理等、金融面での課題

      「基本方針」以降、銀行を経由する間接金融の健全化に向けて、不良債権の最終処理と企業再生を促進するため、特別検査やRCCによる不良債権の時価買取り等の施策を講じてきた。不良債権処理については、市場規律や厳格な資産査定の下、オフバランス化の具体的な処理目標(原則1年以内に5割、2年以内に8割目途)、信託を含むRCCの機能の積極的な活用をはじめとして、「より強固な金融システムの構築に向けた施策」(4月12日)を推進するなど、累次にわたる施策に則った処理を一層徹底する。こうした不良債権処理の状況を的確に把握するとともに、債権等の流動化や証券化の促進を図る。なお、中小企業等の経営実態に応じた検査の運用確保の観点から、金融検査マニュアルの具体的な運用例を早急に公表する。

      また、金融機関の不良債権問題と企業・産業の過剰債務問題とは一体的解決が図られなければならない。このため、企業の再建・整理、産業再編等による産業サイドの構造改革を進める。

      これらの取組みにより、構造改革の集中調整期間終了後の平成16年度には不良債権問題の正常化を図る。

      さらに、金融機関の競争力・収益性の向上等を促す観点から地域金融機関の合併の促進等を図るとともに、本年4月のペイオフ解禁を踏まえ、引き続き、適切な監督等を行うことを通じ、預金者に信頼される金融システムの安定の確保に万全を期す。

      他方、預貯金中心の貯蓄優遇から株式・投信などへの投資優遇への金融のあり方の転換を踏まえた直接金融へのシフトに向けて、個人投資家の証券市場への信頼向上のためのインフラ整備など、証券市場の構造改革を一層推進していく。

      活性化された経済を支える活力ある金融システムの確立に向けた金融の将来像を展望する観点から、金融庁において中期ビジョンを早急にとりまとめる。同ビジョンの検討においては、我が国金融業の経営基盤の強化や経済を支える健全な中小企業に対する資金供給の円滑化についても留意する。

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