企業会計審議会固定資産部会の公開草案の公表について

１減損の兆候

資産又は資産グループが使用されている営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローの継続的な赤字、使用範囲・使用方法の著しい変化（事業のリストラなど）、市場価格の著しい下落などを例示として定める。

２減損損失の認識

減損の兆候がある資産又は資産グループについて、割引前キャッシュ・フローと帳簿価額を比較して、減損損失を認識するかどうか判定する。

３減損損失の測定

帳簿価額を回収可能価額（使用価値と正味売却価額のいずれか高い金額）まで減額し、当該減少額を減損損失として当期の損失とする。

• （注）　使用価値とは、資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値をいい、正味売却価額とは、資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定される金額をいう。

４将来キャッシュ・フローの見積り

合理的で説明可能な仮定及び予測に基づいて見積もる。見積もりに際しては、資産又は資産グループの現在の使用状況及び合理的な使用計画等を考慮する。

５資産のグルーピング

概ね独立したキャッシュ・フローを生成する最小の単位でグルーピングを行うことを原則とし、管理会計上の区分、投資の意思決定を行う際の単位等を考慮して定める。

• （注）　共用資産（本社ビル、研究所等）については、原則として、共用資産に関連する資産グループを含むより大きな単位でグルーピングを行う。共用資産の帳簿価額を関連する資産グループに合理的な基準で配分できる場合には配分することもできることとする。

６実施時期等

今後、関係各方面の準備作業、企業側の受入準備が必要であり、これらを考慮して、平成17年度（2005年度）から完全実施されるよう措置することが適当である。

また、平成16年度（2004年度）について適用することを認めるよう措置することが適当である。なお、平成15年度（2003年度）の年度決算についても適用することを妨げないものとする。

実務指針は、企業会計基準委員会において作成する。

７投資不動産

原価評価を継続し、他の固定資産と同様に減損会計を適用する。