平成14年4月12日
金融庁検査局

投資信託委託業者・投資顧問業者に係る検査マニュアル(案)について(投信・投資顧問検査マニュアルワーキンググループとりまとめ)

金融庁検査局では、検査官が投資信託委託業者・投資法人・投資顧問業者を検査する際の手引書(マニュアル)を整備するため、昨年9月、「投信・投資顧問検査マニュアルワーキンググループ」を設置し、これまで14回に及ぶ検討を行なってきたところですが、今般、具体的なマニュアル案を内容とする「投資信託委託業者・投資顧問業者に係る検査マニュアル」の案(以下、「検査マニュアル案」という。)を取りまとめました。

今後、当局において、「検査マニュアル案」に基づき、更に具体化に向けての作業を進め、投資信託委託業者・投資顧問業者に係る検査マニュアルを検査官宛の通達として発出することとしておりますが、それに先立ち、「検査マニュアル案」の内容を公表(概要及び詳細は別添参照)し、外部のご意見をお伺いすることといたしました。

つきましては、ご意見がありましたら、平成14年5月13日(月)までに、氏名又は名称、住所を付記の上、郵便、ファックス又はインターネットにより下記にお寄せ下さい。電話等によるご意見はご遠慮願います。

なお、頂戴したご意見につきましては、氏名又は名称も含めて公表させて頂くことがありますので、あらかじめご了承願います。

【御意見の送付先】

金融庁検査局総務課
〒100‐8967 東京都千代田区霞が関3-1-1 中央合同庁舎第四号館
ファックス:03-3506-6118
ホームページ・アドレス:http://www.fsa.go.jp/

【内容についての照会先】

金融庁検査局
高桑(tel:03-3506-6151)、篠田(tel:03-3506-6152)

ご意見の募集は終了しました。ご協力ありがとうございました。


投資信託委託業者・投資顧問業者に係る検査マニュアル(案)について
(投信・投資顧問検査マニュアル・ワーキンググループとりまとめ)

金融庁では、検査官が投資信託委託業者・投資法人・投資顧問業者を検査する際の手引書(マニュアル)を整備するため、昨年9月、「投信・投資顧問検査マニュアルワーキンググループ」を設置し、検討を進めてきたところであるが、今般、検査マニュアル案を取りまとめ、公表することとした。

概要

  • 1. 目的

    投信・投資顧問業者に係る検査マニュアルを整備・公表することにより、金融庁の検査・監督機能の一層の向上を図るとともに、投信・投資顧問業者の自己責任に基づく経営を促し、透明な金融行政の確立、投資信託制度・投資法人制度及び投資顧問業の発展に資する。

  • 2. 基本的考え方

    投信業者・投資一任業者は、認可制であり、受託者としての責任があることに鑑み,これらに対する検査は、公益及び投資者保護の観点から、

    • (1)法令遵守状況及び法令等遵守態勢を把握するとともに、

    • (2)これにとどまらず、リスク管理態勢、特に運用リスクの管理態勢の確認検査にも重点をおくこととしている。

    なお、投資法人については、その資産の運用管理は投信業者によって行われること、また、投資助言専業者については、届出制であることから、法令遵守状況及び法令等遵守態勢の把握に重点をおいている。

  • 3. 対象範囲

    本検査マニュアル案は、国内に営業拠点を置く投資信託委託業者・投資顧問業者及び投資法人に対する検査において用いることを予定している。

    • (注)本パブリックコメント終了後、頂いたご意見を踏まえ所要の作業を行い、速やかに検査官宛の通達として発出したうえ、必要な周知等を経て本年10月1日以降実施する検査より適用することを予定している。

  • 4. 各チェックリスト案のポイント

    本検査マニュアル案では、(1)投信業者・投資一任業者編、(2)投資法人編、(3)投資助言業者編の3部構成として、各々チェックリスト等により、検査を行う際のチェック・ポイントを示している。

第1編 投信・投資一任業者

  • I . 法令等遵守

    • (1)法令等遵守態勢の確認検査用チェックリスト

      本チェックリストでは、取締役や監査役に求められている役割を明らかにしているほか、コンプライアンスを実現するための施策等を明記し、取締役等のコンプライアンスに対する自覚を求め、コンプライアンス重視の企業風土が醸成されることにより、投信・投資一任業者が証券市場のアクセスの担い手としての社会的責任が発揮されることを促している。

      具体的には、法令遵守態勢強化のため、コンプライアンス・マニュアルの策定状況、その実施状況及び問題が生じた場合の処理状況を確認するなどのチェック項目を設けた。

      特に、投信・投資一任業者によるディスクロージャーが投資家の投資判断を決定する基礎となることから、適正なディスクロージャーの確保が図られているかについて確認するため、又、投信業者による適切な直接募集業務(インターネット取引によるものも含む)の確保が図られているかについて確認するためのチェックリストをそれぞれ設けた。

      • 「ディスクロージャーに関する法令等遵守態勢の確認検査用チェックリスト」
      • 「直接募集に関する法令等遵守態勢の確認検査用チェックリスト」
      • 「電子証券取引に関する法令等遵守態勢の確認検査用チェックリスト」
    • (2)運用の適正性確保のための態勢の確認検査用チェックリスト

      適切な運用管理態勢が構築され、信託財産等の適正な運用を確保するための施策が整備されているかを確認するためのチェック項目を設けた。具体的には、発注先の選定に当って利益相反の防止が図られているか、運用の再委託先等の選定・管理が適切に行われているか、取引執行コストが適切に管理されているか、株主議決権は適切に行使されているか、等について確認することとした。

      また、不動産運用の特殊性に鑑み「不動産等の運用管理態勢の確認検査用チェックリスト」を別途設けた。

  • II . リスク管理態勢

    • (1)リスク管理態勢の確認検査用チェックリスト(共通編)

      投信・投資一任業者が、各種リスクの特性を理解した上で適切なリスク管理体制を整備しているかを確認するためのチェック項目を設けた。

    • (2)運用リスク管理態勢の確認検査用チェックリスト

      受託者としての責任の観点から信託財産等の運用に当たり、適切なリスク管理が確保されているかを確認するためのチェック項目を設けた。具体的には、信託財産等の運用に係るリスクとして、市場リスク、信用リスク、取引先リスク、流動性リスク、不動産投資リスクを定め、それぞれのリスク管理の状況について確認することとした。

      特に、不動産投資リスクについては、不動産運用の特殊性に鑑み「不動産投資リスク管理態勢の確認検査用チェックリスト」を別途設けた。

    • (3)事務リスク管理態勢の確認検査用チェックリスト

      基準価額を算出するための適切な管理態勢が確保されているかを確認するためのチェック項目を設けた。また、投信・投資一任業者の事務の多くが外部委託されている現状に鑑み、外部に委託している業務が適切に管理されているかを確認することとした。

    • (4)システムリスク管理態勢の確認検査用チェックリスト

      自社システムの開発・運用体制の整備状況や災害等に備えたコンティンジェンシープランの策定状況、外部委託先に関する管理態勢が整備されているかなどを確認するためのチェック項目を設けた。なお、インターネット取引による直接募集に対応するため「電子証券取引に関するリスク管理態勢の確認検査用チェックリスト」を別途設けた。

第2編 投資法人

法令等遵守態勢の確認検査用チェックリストのポイント

投資法人における役員会及び執行役員・監督役員に求められる役割、コンプライアンスを実現するための施策等を記載し、コンプライアンスの遵守態勢の整備状況・機能発揮状況を確認するためのチェック項目を設けた。

第3編 投資助言業者

法令等遵守態勢の確認検査用チェックリストのポイント

投資助言業者におけるコンプライアンスを実現するための施策等を記載し、コンプライアンスの遵守態勢の整備状況・機能発揮状況を確認するためのチェック項目を設けた。

なお、投資一任業者が投資助言業務を行う場合についても本チェックリストが適用される。


検査マニュアル(案)

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