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金融庁
平成14年8月2日

14年3月期における不良債権の状況等(ポイント)

1.不良債権(金融再生法開示債権)の状況

  • (1)14年3月期の状況

    14年3月末の全国銀行の金融再生法開示債権残高は43.2兆円であり、13年3月末の33.6兆円に比べ+9.6兆円の増加。これは、厳しい経済情勢の下、貸出条件緩和債権の判定基準の厳格化により要管理債権が増加したことや、特別検査の実施を踏まえ市場のシグナルをタイムリーに反映した資産査定が進んだこと等によるもの。要管理債権及び危険債権がそれぞれ大幅増加となったものの、最もリスクの大きい破産更生等債権については、積極的なオフバランス化が行われたこと等から、▲0.3兆円の減少。

    (注)リスク管理債権の状況については表4を参照。

    (参考)14年3月期における金融再生法開示債権の増減要因

  • (2)これまでの推移

    金融再生法に基づく資産査定が導入された11年3月期以降の全国銀行の金融再生法開示債権残高の推移をみると、13年3月期までほぼ横這いで推移してきたものの、14年3月期には上記の要因により大幅に増加しており、11年3月期と14年3月期とを比較すると、33.9兆円から43.2兆円と+9.3兆円の増加となっている。その内訳をみると、不良債権のうち比較的リスクの小さい要管理債権が、貸出条件緩和債権の判定基準厳格化等により逐年増加し、6.2兆円から16.5兆円と金融再生法開示債権全体の増加を上回る増加(+10.3兆円)となっている。これに対し、危険債権は、足元、上記のように特別検査の影響等により増加しているものの、破産更生等債権は、積極的なオフバランス化が進められたことを反映して着実に減少している。

2.個別貸倒引当金の状況

14年3月末においては、全国銀行の個別貸倒引当金対象債権(金融再生法開示債権のうち危険債権及び破産更生等債権、リスク管理債権のうち延滞債権及び破綻先債権)は4兆円程度増加したものの、個別貸倒引当金の残高は7.9兆円と、13年3月末の7.2兆円と比べ+0.7兆円の微増に止まった。これは、個別貸倒引当金対象債権の中でもより高率の引当が必要な破産更生等債権(破綻先債権)が減少し、相対的に要引当率が低い危険債権(延滞債権)が増加したこと等によるものと考えられる。

3.不良債権処分損の状況

14年3月期における全国銀行の不良債権処分損(不良債権の処理に伴う損失)は9.7兆円と、前年同期と比べ+3.6兆円の増加。

連絡・問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
監督局総務課 大城、筑紫(内線3313)


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