平成14年8月28日
金融庁

有価証券の空売りに関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)の概要の公表について

金融庁では、「証券市場の改革促進プログラム」(本年8月6日公表)に基づき、信用取引の価格ルール導入のための「有価証券の空売りに関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令(案)」の概要を別紙のとおりとりまとめましたので公表します。

これについてご意見がありましたら、平成14年9月9日(月)17時00分までに、氏名又は名称及び住所を付記の上、郵便、ファックス又はインターネットにより下記にお寄せ下さい。ただし、電話によるご意見はご遠慮願います。

なお、お寄せいただいたご意見につきましては、氏名又は名称も含めて公表させていただくことがありますので、あらかじめご了承願います。

【ご意見の送付先】

〒100-8967  東京都千代田区霞が関3-1-1 中央合同庁舎第四号館
金融庁総務企画局市場課
FAX:03-3506-6251
ホームページ・アドレス:http://www.fsa.go.jp

【内容についての照会先】
金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局市場課 課長補佐 佐藤(内線3609)係長 佐藤(内線3613)

ご意見の募集は終了しました。ご協力ありがとうございました。


別紙)

有価証券の空売りに関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(案)の概要について

1. 目的

本年8月6日公表の「証券市場の改革促進プログラム」に基づき、信用取引等(信用取引(証券会社が顧客に信用を供与して行う有価証券の売買その他の取引)及び証券会社が自己の計算による空売りを行う取引のうち、証券金融会社から証券取引所又は証券業協会の決済機構を利用して借り入れた有価証券をもって決済する取引をいう。)について、空売りの価格ルール(証券取引所又は証券業協会が直近に公表した価格(以下「直近公表価格」という。)以下の価格での空売りを禁止。ただし、価格の上昇局面における当該直近公表価格での空売りは可。)の対象とする。

ただし、従来から適用除外とされているものとの関係や米国における取扱い等を踏まえ、一定の類型の取引については、空売りの価格ルールの適用除外とする。

2. 概要

  • (1)有価証券の空売りに関する内閣府令(以下「空売り府令」という。)第3条(取引所有価証券市場において空売りを行う場合の価格ルールの適用除外)及び第4条(店頭売買有価証券市場において空売りを行う場合の価格ルールの適用除外)中、「信用取引」及び「証券会社が自己の計算による空売りを行う取引のうち、証券金融会社から証券取引所又は証券業協会の決済機構を利用して借り入れた有価証券をもって決済する取引」を削除し、これらの取引についても空売りの価格ルールの対象とする。

  • (2)以下の取引について、新たに空売りの価格ルールの適用除外とする。

    • 個人投資家等の行う信用取引

      証券取引法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(これに類する外国法人を含む。)に該当しない個人投資家等の行う信用取引。ただし、売付け1回あたりの数量は、証券取引所又は証券業協会の定める売買単位の50倍以内とする。(空売り府令第3条・第4条)

    • 顧客の実需を背景とした売付け

      • ア)顧客の所有する株券を取引所有価証券市場における出来高加重平均価格(VWAP(=Volume Weighted Averaged Price))で買取る契約を結んだ証券会社がヘッジ目的のため、当該取引所有価証券市場において自己の計算により同一銘柄の株券の空売りを行う取引(いわゆるVWAPギャランティー取引及びVWAPターゲット取引の事前ヘッジ)。ただし、一定の算式等による取引手法が定められていること及び特別の勘定により管理されていることを必要とするとともに、終日VWAP、前場VWAP及び後場VWAPに限る。(空売り府令第3条)

      • イ)マーケットメイカーである証券会社が、最良気配を提示している他のマーケットメイカーに自己の計算により空売りすることにより、顧客の売付注文の最良執行を可能とする取引。(空売り府令第4条)

    • 裁定・ヘッジ取引

      • ア)新株予約権付社債券、新株予約権証券、新株引受権証書、預託証券及び交換社債券と対象株券間の裁定・ヘッジ取引(空売り府令第3条・第4条)

      • イ)合併期日及び合併比率が確定・公表されている場合に、当該合併比率を用いて行う合併会社と被合併会社の株式間の裁定取引(空売り府令第3条・第4条)

      • ウ)同一の株価指数を対象とした別銘柄のETF間の裁定取引(空売り府令第3条)

    • つなぎ売り

      • ア)以下の方法により対象株券を取得することが確定している場合に、対象株券を実際に取得するまでの間に行う対象株券と同一銘柄の株券の売付け(空売り府令第1条・第2条)

        • 交換社債券の交換請求

        • 他社株券償還特約付社債券の株式償還決定

        • 転換株式の転換請求

        • 株式分割・合併等による新株の割当

        • 募集・売出しの申込み

        • 発行日取引による買付け

      • イ)以下の事情により、売付け後遅滞なく当該有価証券を提供できることが明らかでない場合に行う売付け(空売り府令第1条・第2条)

        • 名義書換請求

        • 大券の受渡供用株券への分割請求

        • 毀損・汚損株券の新券引換請求

        • 商号変更が行われた会社の株券に係る新商号の株券への引換請求

    • その他、証券取引の円滑な流通の確保のために必要な以下の取引

      • ア)店頭売買有価証券市場における取引のためのシステム稼動時間外における店頭登録銘柄の売付け(空売り府令第2条)

      • イ)マーケットメイカーである証券会社が、自己の気配を他のマーケットメイカーの出す最良の買付け気配に近付けるために当該他のマーケットメイカーに対して行う空売り(空売り府令第2条)

      • ウ)ETF及び上場投資信託の円滑な流通確保のために証券会社が売付けの注文と買付けの注文を継続的に行う場合の当該売付けの注文に基づく取引(空売り府令第1条)

(注) 空売り府令第1条及び第2条は明示・確認義務の適用除外規定であるが、第3条第1号及び第4条第1号により、第1条及び第2条に掲げられた取引は価格ルールについても適用除外となる。

3. 施行時期

本パブリックコメント終了後、現行内閣府令の必要箇所を改正し、速やかに施行する。

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