平成15年5月14日
金融庁

個人株主の育成・拡大に向けたアクション・プラン策定の要請

個人株主の育成・拡大に向けて、関係各団体(取引所、日本証券業協会、投資信託協会、全国銀行協会等)などに対し、「証券市場活性化戦略会議」(仮称)を立ち上げ、投資しやすい環境作り、市場の信頼回復のため、以下の項目について直ちに検討を行い、早急に総合的なアクション・プランを策定するよう要請する。

1. 個人による株式投資の現状及び要因の分析

個人による株式投資の現状及びなぜ株式投資が進まないのかについて更に積極的なアンケート調査及び要因分析を実施する。

2. 個人投資家の立場に立ったPRの推進

(1)  証券減税PR特別チーム(仮称)の編成

証券市場活性化戦略会議(仮称)の下に、「証券減税PR特別チーム」(仮称)を編成し、政府における「証券減税PR強化特別月間」(仮称)の活動と連携しつつ、民間による効果的なPRを検討、実施する。

(注) 政府においては、証券減税PRの取り組みとして、「証券減税PR強化特別月間」(仮称)を設定し、集中的に政府広報等を行う。

(2)  「あなたの街の証券会社」(仮称)総合ホームページの作成

日本証券業協会のホームページにおいて、証券会社の個人投資家向けサービス一覧、近隣の証券会社店舗名及び住所・地図一覧、及び株式投資説明会開催予定表一覧を掲載する。

(3)  「一目でわかる上場企業」(仮称)ホームページの作成

東京証券取引所のホームページにおいて、各上場企業の株価、発行済株式数、出来高、PER、ROE、定時株主総会の開催予定日、招集通知発送予定日等について一覧性のある形で掲載する。

3. 証券会社による個人向けサービスの向上

(1)  販売チャネルの拡大〔証券仲介業制度の積極的な活用〕

証券取引法改正案については、現在、国会審議中であるが、当該法案が成立した場合には、法案に盛り込まれている証券仲介業制度に関し、積極的な広報を行い、その活用を図る。

(2)  ラップ口座の積極的な活用

証券取引法改正案については、現在、国会審議中であるが、当該法案が成立した場合には、法案に盛り込まれているラップ口座に係る環境整備を利用し、ラップ口座の積極的な活用を図る。特に、小口投資家向けラップ口座の導入を促進する。

(注) ラップ口座とは、証券会社が、個人投資家の資産管理・運用を行い、投資アドバイス・売買執行・口座管理等についての手数料を運用資産残高に応じた報酬として一括して徴収する口座。

(3)  投資家の多様な選好に応じた投信商品の開発の促進

投資商品に係る投資家のニーズも多様であることにかんがみ、そうした投資家のニーズにきめ細かく対応した投信商品の開発を促進する。

4. 投資知識普及のための多面的取組み

(1)  証券業協会の資格試験のオープン化

日本証券業協会において実施されている証券外務員資格試験を一般に開放する。これにより投資知識の普及を図るとともに、これらの者を通じて投資知識のさらなる普及・浸透を図る。

(2)  「明日の個人投資家」に向けた株式投資説明会の全国展開

各証券団体や投資知識普及に係るNPOにおいて既に広報・普及活動を行っているが、これら各証券団体(取引所、日本証券業協会、投資信託協会等)・NPOが一致して、一層の広報・普及活動に取り組む。特に、学生向けの株式投資説明会を全国的に展開する。

(3)  投資知識普及活動を行うNPO間の連携強化

投資知識の普及を目的として活動を行っているNPO間の連携強化を図るため、「投資知識普及に関するNPO連絡協議会」(仮称)を設置する。

5. 銀行等による積極的な取り組み

(1)  銀行・証券等の共同店舗の活用

銀行・証券等の共同店舗(昨年9月解禁)について、その積極的な活用を図る。

(2)  銀行等窓口でのETF販売

銀行等のETF窓販(昨年4月解禁)について、銀行等による積極的な活用を図る。

(3)  銀行による書面取次ぎ

銀行による書面取次ぎ(昨年9月、要件明確化)について、銀行による積極的な活用を図る。

【問い合わせ先】

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
監督局証券課(内線3352)、総務企画局市場課(内線3618)

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