平成17年2月15日
金融庁

証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(案)、証券取引法の審判手続における参考人及び鑑定人の旅費及び手当に関する政令(案)、証券取引所及び証券取引所持株会社に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令(案)、取扱有価証券に関する内閣府令(案)および証券取引法第七十九条の三及び第百十六条に規定する最終の価格がない場合にこれに相当するものを定める内閣府令(案)に対するパブリックコメントの結果について

金融庁では、証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(案)、証券取引法の審判手続における参考人及び鑑定人の旅費及び手当に関する政令(案)、証券取引所及び証券取引所持株会社に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令(案)、取扱有価証券に関する内閣府令(案)および証券取引法第七十九条の三及び第百十六条に規定する最終の価格がない場合にこれに相当するものを定める内閣府令(案)について、平成16年12月3日(金)から12月27日(月)にかけて公表し、広く意見の募集を行いました。その結果、4の個人・団体より47件のコメントを頂きました。ご意見をご提出いただいた皆様には、改正案の検討にご協力いただきありがとうございました。

本件に関してお寄せいただいた主なコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方は以下のとおりです。

【内容についての照会先】

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
総務企画局市場課(内線3680・3620)


コメントの概要とコメントに対する金融庁の考え方

コメントの概要 コメントに対する考え方
 取引態様の事前明示義務(証券取引法第38条)の適用除外となる範囲について、非居住者については、機関投資家、非機関投資家に係わらず、すべてを適用除外にしていただきたい。  適格機関投資家等については、有価証券に対する投資に係る専門的知識及び経験を有することから適用除外とするものであるが、適格機関投資家に該当しない非居住者一般については有価証券に対する投資に係る専門的知識及び経験を有するものとはいえないことから、適用除外とするのは適当でないと考えます。
 証券取引法第38条ただし書において規定される適格機関投資家等からの同意は、必ずしも書面で得る必要はなく、口頭での同意でもよいか。書面での同意が必要とのことであれば、参考モデルを示す等により、必要とされる記載事項を示していただきたい。  証券取引法第38条ただし書において規定する適格機関投資家等からの同意については、法律上、書面による同意であることを求めるものではありません。
 証券取引法第40条で規定する「取扱有価証券」が、日本証券業協会の指定するグリーンシート銘柄だけを指すことを明確化していただきたい。  証券取引法第40条で規定する「取扱有価証券」は、日本証券業協会が指定するグリーンシート銘柄制度を想定したものですが、日本証券業協会の規則上、そのことを明確化する予定としております。
 日本証券業協会のグリーンシート制度においては、従来より、グリーンシート銘柄の取引を初めて行う顧客に対し、グリーンシート銘柄の取引の仕組みや投資に当たってのリスク等について分かりやすく記載した説明書を交付することとしている。
 今般、証券取引法第40条の改正により、取扱有価証券の売買その他の取引に係る契約を締結しようとする際、あらかじめ取引の概要等を記載した書面を顧客に対し交付することとされたが、この書面の交付は従来からグリーンシート制度において交付することとしてきた説明書を交付することで足り、この説明書とは別に証券取引法第40条に規定される書面を交付する必要はないことを確認したい。

(参考)日本証券業協会「店頭有価証券の売買その他の取引に関する規則」(公正慣習規則第2号)第34条第1項「取扱会員及び当該取扱会員が証券仲介業務の委託を行う特別会員は、グリーンシート銘柄の取引を初めて行う顧客に対し、グリーンシート銘柄の性格、取引の仕組み、当該取扱会員におけるグリーンシート銘柄の取引方法、グリーンシート銘柄に関する情報の周知方法、グリーンシート銘柄への投資に当たってのリスク等について分かりやすく記載した説明書を交付し、これらについて十分に説明しなければならない。」

 ご指摘の説明書が、グリーンシート銘柄の取引の概要、その他証券会社に関する内閣府令第28条第2項に規定する損失の危険に関する事項及び顧客の注意を喚起すべき事項を記載したものであれば、それを交付することで証券取引法第40条第1項第1号に関して、当該説明書の交付で足りることとなります。
 なお、証券取引法第40条第1項では、顧客がグリーンシート銘柄について取引を行うのが初めてであるか否かに係わらず、証券会社に関する内閣府令第28条第3項で定める期間内に取引の概要等を記載した書面を交付していない場合には、改めて交付する必要があります。
 証券会社の行為規制等に関する内閣府令第4条第3号において、「受託等」とは、「(証券取引)法第42条第1項第5号に規定する受託等をいう」とされており、「媒介、取次ぎ、又は代理の申込みを受けること」を指す。したがって、自己勘定による売買は本条本号による規制対象には含まれず、専ら証券取引法第42条第1項第9号による規制の対象となると考えてよいか。  そのような理解で結構です。
 いわゆる「一本値返し」に係る注文を顧客から受け自己勘定において執行を行った場合について、結果として証券会社の行為規制等に関する内閣府令第4条第3号並びに証券取引法第42条第1項第9号に定める「相場を変動させ、又は固定し」にあたるとされたとき、その実質が顧客の委託注文であることに鑑みて本条本号の適用となるのか、あるいはその形式が自己勘定による取引であることに鑑みて証券取引法第42条第1項第9号の適用となるのか、ご教示願いたい。  具体的なケースによりますが、いずれにせよ、証券会社の行為規制等に関する内閣府令第4条第3号か証券取引法第42条第1項第9号のいずれかの違反に該当する可能性があると考えます。
 「相場を変動させ、又はくぎ付けし、固定し、若しくは安定させることを知りながら」とあるが、受託に際しての証券会社の善管注意義務はどの程度まで及ぶと考えるべきか。一般に受託した注文の執行の結果、発生した数量とその時々の流動性等の相関により、どのような場合でも当然にある程度の相場の「変動」又は「固定」等は発生するが、どの程度の相場の「変動」又は「固定」等が許容されるのかは当該条文からは不明である。一般に、結果として発生する相場の変動又は固定といった現象から証券会社の受託責任を問うことは、受託者としての証券会社の責任を徒に拡大させ、結果として市場仲介者としての証券会社の役割を萎縮させることにつながりかねないため、本条本号の改正に際しては、適切かつ明確な基準を持ったガイドラインを置くことが必要であると考える。  コメントを踏まえ、証券会社の行為規制等に関する内閣府令第4条第3号に「実勢を反映しない作為的なもの」という文言を追加し明確化します。
 なお、違反の対象となる行為の具体的な態様(時間軸や変動の度合い)は、ケースの個々の事情によって異なりますが、いずれにせよ、禁止の趣旨は、従来の証券会社の行為規制等に関する内閣府令第4条第3号と同様、人為的・意図的に相場を形成するための注文を防止することにより、市場における自然の需給に基づく公正な価格形成を確保することとであり、その様な規制の趣旨の観点から判断することとなります。
 「変動」、「くぎ付け」、「固定」、「安定」の特定において、ここで前提としているのはどれくらいの時間軸を前提としているのか。
 「相場を変動させ」とは、一般にどの程度の変動を指すのか。
 「くぎ付けし、固定し、若しくは安定させる」とあるが、この違いは何か。
 「相場を変動させ、又はくぎ付けし、固定し、若しくは安定させることを知りながら」とあるが、
 委託注文の執行に係るミスにより、相場を結果的に変動させたような場合、(例えば5万株を発注すべきところ、誤って50万株を発注してしまった場合)「知りながら」には該当しないと解してよいか。  具体的なケースの状況によりますが、御指摘のような意図せざる注文の執行により、相場が結果的に変動してしまった場合は、通常は該当しないと考えます。
 委託注文に係るVWAP等の執行においてシステムを使用して執行を行っている場合、システムの誤作動等システムに係るエラー等により、相場を結果的に変動させたような場合、(例えば1000株ずつ数十回に分けて発注すべきところを誤作動により一回で50万株を発注してしまったような場合)「知りながら」には該当しないと解してよいか。
 顧客の委託注文において、一定のトレーディング・ストラテジーあるいはヘッジ取引などの経済合理性を持った取引であって、マーケット・インパクトにも十分に配慮した上で受託し執行を行ったが、結果的に相場を変動させてしまったような場合については、「知りながら」には該当しないと考えてよいか。  「マーケット・インパクトにも十分に配慮した上で受託し執行を行ったが、結果的に相場を変動させてしまったような場合」あるいは「特に機関投資家顧客等からの委託注文が一定のトレーディング・ストラテジーあるいはヘッジ取引などの経済合理性を持った実需に基づく委託注文であると一般に考えられる場合」の具体的な状況にもよりますが、いずれにせよ、禁止の趣旨は、従来の証券会社の行為規制等に関する内閣府令第4条第3号と同様、人為的・意図的に相場を形成するための注文を防止することにより、市場における自然の需給に基づく公正な価格形成を確保することであり、その様な規制の趣旨の観点から判断することとなります。
 本条本号の適用においてはどの程度の相場の「変動」又は「固定」等が許容されるのかが不明であるが、一般に、受託した注文の執行の結果、発注した数量とその時々の流動性等の相関により、当然にある程度の相場の「変動」又は「固定」等は発生する。またこの発生の可能性は受注時に想定し得る場合もあるし、その執行の結果想定を超える場合もあり得る。従って、現実には、特に機関投資家顧客等からの委託注文が一定のトレーディング・ストラテジーあるいはヘッジ取引などの経済合理性を持った実需に基づく委託注文であると一般に考えられる場合、証券会社はその注文の受託に当たり、その都度確認することは不要であると考えてよいか。
 平成15年12月24日に公表された金融審議会金融分科会第一部会報告では、最良執行義務は「価格のみならず、コスト・スピード・執行可能性などさまざまな要素を総合的に勘案して執行する義務」と明記されているが、証券会社が、顧客からの証券の売買を執行する際、顧客からの市場の指定がない場合に、流動性の最も高い市場で売買を執行するとした場合、このような執行方法は最良執行義務を果たすものと考えてよいか。  ご指摘のとおり、「最良の取引の条件」であるかは、価格のみならず、コスト・スピード・執行可能性などさまざまな要素を総合的に勘案して決定されることとなります。
 現在のわが国の証券市場の状況に鑑みれば、執行可能性を重視し流動性の最も高い市場で執行することも「最良の取引の条件」で執行する方法の1つに該当しうるものと考えます。
 証券会社が単元未満株式の売買取引に係る注文について、顧客の了承の上で流動性の最も高い市場の価格を参考に取引した場合、このような方法は最良執行義務を果たすものと考えてよいか。  その旨を最良執行方針等に記載していれば、問題ありません。
 最良執行義務は努力規定であることを明示していただきたい。  証券取引法第43条の2第1項は、「定めなければならない。」、第2項は、「公表しなければならない。」、第3項は、「執行しなければならない。」、第4項、第5項は、「交付しなければならない。」と規定しており、これらは努力義務を規定したものと解することはできません。
 顧客が証券会社が最良と判断する市場以外の市場を指定した場合、当該指定に係る市場において証券会社が執行することは最良執行を果たすものと考えてよいか。  顧客から市場について別途の指示がある場合には当該顧客の指示を優先する旨、最良執行方針等に記載があれば、問題ありません。
 証券会社が、証券会社の行為規制等に関する内閣府令第1条第1項第2号に規定する一任契約を結んで行う取引については、意思決定は証券会社にあることから、必ずしも最良執行方針に従わなくても、当該一任契約に反していなければ問題ないか。  同号に規定する取引一任契約において市場その他執行方法を顧客が指定しない場合、証券会社は最良執行方針等に従って執行する必要があります。
 証券会社の行為規制等に関する内閣府令第1条第1項第3号に規定する取引については、価格以外の条件は顧客の指示に基づくものとされていることから、約定結果が最良執行方針等とは異なる執行方法であっても問題ないか。また、同項第4号から第6号までに掲げる行為についても同様と解してよいか。  証券会社の行為規制等に関する内閣府令第1条第1項第3号に規定する取引において、売買の別、銘柄及び数について顧客の同意がある場合(市場その他執行方法について顧客の指示・同意はない場合)、証券会社は最良執行方針等に従って執行する必要があります。
 証券会社の行為規制等に関する内閣府令第1条第1項第4号乃至第6号に規定する取引にあっても、証券会社は最良執行方針等に従って執行する必要があります。
 事務上のケアレスミスやシステムトラブルによって、未執行や執行内容相違等が生じ、その結果として最良執行方針等に沿わない執行となったとしても、最良執行義務違反に問われることがないことを確認していただきたい。  システム上のやむを得ない中断等が生じた場合には、最良執行方針等で定めるものと異なる市場で執行することがありうる点につき最良執行方針等に記載があれば、問題ありません。
 しかしながら、単なる事務上のケアレスミスやシステムトラブルにより最良執行方針等に従った執行ができないことは証券取引法第43条の2第3項に違反することとなります。
 株式累積投資等、すべての顧客に対して特定の方法での執行が提供され、かつ、その特定の方法によることが取引約款等により顧客に対してあらかじめ明らかにされている取引については、最良執行義務の適用範囲に含めるのはなじまないので、適用除外としていただきたい。  顧客にとっての一覧性の観点から、株式累積投資等、特定の取引方法によることが取引約款等に顧客に対してあらかじめ明示されている取引については、当該約款等に従って執行する旨を最良執行方針等に記載すれば足り、最良執行方針等を作成すべき義務の適用を除外するのは適当ではないと考えます。
 通常、「端株」、「売買単位未満株」の売買等は証券取引所では行われておらずわずかに証券会社が相対で取り扱っているに過ぎない。さらに取り扱っている証券会社ではその売買情報等を開示していないことから、他の取引との比較は事実上不可能となっているため、最良執行方針等を定める義務の適用除外としていただきたい。  これらの売買等については、証券会社に通知される証券取引所等での売買成立価格を参考に適正な価格水準を判断することが可能であり、かかる合理的な価格にて相対取引を行う旨の記載をなすことができるのであるから、最良執行方針等を作成する義務の適用除外とするのは適当でないと考えます。
 最良執行義務の対象を上場株券等に限定していただきたい。  店頭売買有価証券、取扱有価証券についても、上場株券等と同様、執行を行う場(市場)が複数存在し、選択の余地があることから、最良執行義務の対象とすることが適当と考えます。
 証券取引法施行令第16条の2第1項第1号イで規定される「上場株券等」には、「法第2条第1項第9号に規定する外国又は外国法人の発行する証券又は証書で株券、新株引受権証書又は新株予約権証券の性質を有するもの、法第2条第1項第7号に規定する外国投資信託の受益証券及び法第2条第1項第7号の2に規定する外国投資証券」(以下「外国株券等」という。)は含まれないことを確認させていただきたい。
 また、仮に証券取引法施行令第16条の2第1項第1項第1号イで規定される「上場株券等」に外国株券等が「上場株券等」に含まれることとされる場合であっても、外国株券等の外国有価証券市場に取り次ぐ取引(国内証券取引所の指定する決済会社に預託されている外国株券等ではなく、証券会社の現地保管機関に保管されている外国株券等の外国有価証券市場における売買)については、(1)通常は内外証券取引所間の時差も存在し、同時点で複数市場が選択可能な状況にはないこと、(2)国内証券取引所に上場している外国株券等であって、かつ、証券会社の現地保管機関に保管されている外国株券等を国内証券取引所において売却しようとする場合には、制度上、証券会社はあらかじめ顧客からの指示に基づき、国内証券取引所の指定する決済会社に保管替えを行った後でなければ、当該国内証券取引所での売り注文を受けられないことから、最良執行義務の適用除外としていただきたい。
 証券取引法施行令第16条の2第1項第1号イで規定される「上場株券等」には外国株券等が含まれていない点ですが、外国株券等についても最良執行義務の対象とするのが妥当であることから、これを含む文言に修正します。
 ご指摘の(1)及び(2)の点も、証券会社の現地保管機関に保管されている外国株券等の外国有価証券市場における売買について、最良執行義務の適用除外とする理由として十分ではないと考えます。
 証券取引法施行令第16条の2第2項において、「銘柄ごとに」最良執行方針等を記載して定めることとされているが、この「銘柄ごとに」の表現を削除していただきたい。  顧客が、注文した銘柄についてどの市場その他どのような取引方法で執行されるのか認識しうることが顧客保護の観点から重要であり、「銘柄ごと」の表現を削除するのは適当ではないと考えます。
 「銘柄ごとに」の表現が削除されないとしても、この「銘柄ごとに」の解釈としては、必ずしも個別銘柄名を列挙して個別の最良執行方針等を示すことのみを指すのではなく、顧客が発注する注文が個別にどのように取り扱われるのか分かる最良執行方針等であることで事足りるとされるべきである。  必ずしも個別銘柄名を列挙して最良執行方針等を記載しなくとも、顧客が、注文した銘柄についてどの市場その他どのような取引方法で執行されるのか認識しうる形で記載されていれば足ります。
 証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第1項に規定される「見やすいように掲示する方法」とは、具体的にはどのように掲示することを指しているのか。  証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第1項(原案修正後第2項)は、顧客がなるべく容易に最良執行方針等を知ることができるようにする規定であり、証券会社としては、例えば、本店において(営業所等において注文を受ける場合は営業所等においても)顧客の目につきやすい位置に読みやすい形で掲示するなど、顧客が容易に最良執行方針等を知ることができる形で掲示することが考えられます。
 証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第1項第1号に規定される「その他の場所」には、証券会社が委託した証券仲介業者の営業所やシステムを含むのかどうか、確認したい。  証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第1項(原案修正後第2項)第1号に規定する「その他の場所」には、証券会社が委託した証券仲介業者の営業所やシステムは含まれないものと考えます。
 また、証券仲介業者の営業所やシステムでの最良執行方針等の公表について、以下の場合、どのように取り扱う必要があるのか、確認したい。
(1) コンビニエンスストアー等に設置してある情報機器を通じて注文を受付ける場合は、当該機器の周辺に委託元の証券会社の最良執行方針等が掲示されていることが求められるのか。あるいはシステム的に説明を行うことを求めるか。  証券仲介業者を介して注文をなす顧客に対しては、所属証券会社から証券取引法第43条の2第4項に従って最良執行方針等を記載した書面が交付されることとなりますが、上記のとおり、証券仲介業者の営業所やシステムは「その他の場所」(証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第1項(原案修正後第2項)第1号)には含まれないため、証券仲介業者たるコンビニエンスストアーに所属証券会社の最良執行方針等を掲示することは義務付けられません。また、最良執行方針等の内容の説明についても義務とはなっておりません。
(2) 「自動送信」にあたるものと想定される証券アンサーでの最良執行方針等の公表には長い時間を要する結果、顧客に多額な電話料の負担を強いることになるし、また、証券アンサーだけで取引をする顧客はほとんど無いことから、別の方法で当該顧客が最良執行方針等を知ることができる場合はそれによることができ、その場合は証券アンサーでの公表措置は必要ないことを確認したい。  証券会社が証券アンサーの方法で最良執行方針等を公表する場合に関しては、ご指摘を踏まえ原案を修正し、自動送信以外に顧客の求めに応じて郵送する等の方法を規定いたします(証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第1項(原案修正後第2項))。
(3) コールセンターは、現在支店として認識されているが、ここでの掲示または閲覧の方法はどのようにすればよいのか。電話をしてくる顧客に対して、電話で説明をするとした場合、「電話代金が無駄になる」とのクレームが出ることも予想されるが、この場合、どのように公表すればよいか。  証券会社が、同社のコールセンターで注文を受ける場合、証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第1項(原案修正後第2項)は最良執行方針等を電話で説明することまでも義務付けるものではなく、当該コールセンターにおいて、最良執行方針等を見やすいように掲示する方法又は最良執行方針等を閲覧に供する方法を採れば足ります。
(4) 法第43条の2第4項の規定に基づき、顧客に対し、最良執行方針等を記載した書面を交付(電子交付も含む。)した場合にあっては、当該書面の交付をもって、当該顧客については法第43条の2第2項で規定する公表がなされたという理解でよいか。また、全顧客に対して、書面の交付を行っている状況である場合、公表を省略することができるということでよいか。  顧客への最良執行方針等の交付義務(証券取引法第43条の2第4項)と最良執行方針等の公表義務(同条第2項)とは、別個の義務を構成するものであり、最良執行方針等の交付義務を果たした顧客との関係で最良執行方針等の公表義務を果たしたことにはなりません。また、既存の全顧客に対して最良執行方針等を記載した書面を交付したからといって(潜在的な顧客も念頭においた)最良執行方針等の公表を省略することはできません。
(5) 電子媒体において公表する場合には、例えば、メニュー上の最良執行方針へのリンクを張る等顧客が操作することによって最良執行方針が参照できる画面構成になっていれば、必ずしも、顧客が最良執行方針等を見なければ発注できない画面構成になっていなくてもよいか。  そのような理解で結構です。
(6) 第43条の2第2項の公表については、顧客の目に触れる状況が整備されていれば足り、顧客がそれを見たことを確認したり記録を残したりする必要がないという理解でよいか。  そのような理解で結構です。
 最良執行方針等を公表する方法について、証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2では、本店又は営業所等において最良執行方針等を見やすいように掲示する方法又は閲覧に供する方法が規定されている。インターネットを通じて閲覧可能なウェブページに最良執行方針等を公表する方法は、当然これと同様の効果があるものと考えられるため、当該方法は認められるべきものと考えている。
 したがって、行為規制府令第10条の2第2号に定める「最良執行方針等を自動送信する方法」は、インターネットを通じて閲覧可能なウェブページに最良執行方針等を公表する方法を含むと考えて相違はないか。
 インターネットを通じて公衆が閲覧可能なウェブページに最良執行方針等をアップロードする方法は「自動送信」が想定する方法に含まれます。
 証券取引法第43条の2第4項に従って交付する書面に記載する最良執行方針等は、同条第2項に従って公表する最良執行方針等を要約したものでよいか、要約するに当たって省略してはならない内容は何かについて、確認したい。  証券取引法第43条の2第4項に従って交付する書面には、最良執行方針等を要約又は省略することなく記載する必要があります。
 信託銀行から特定金銭信託等信託財産(投資顧問が運用につき指図する場合を含む。)に関して注文を受注する際は、証券取引法第43条の2第4項に規定する「最良執行方針等を記載した書面」は、当該信託財産を管理している信託銀行に対して交付しておけばよいか。  そのような理解で結構です。
 取次ぎに関しては、注文を受注する前の段階では顧客を特定できないことから、当該取次ぎを行ってきた者に対して当該書面を交付することでよいか。  そのような理解で結構です。
 証券会社が、自社において登録している顧客の住所宛に書面を発送すれば、証券取引法第43条の2第4項の「交付」を行ったこととなることを確認したい。  証券取引法第43条の2第4項の「交付」は、当該顧客の住所が、証券会社が合理的な方法により登録しているものであれば、当該住所に発送すれば足りると考えます。
 最良執行説明書の記載事項を規定した証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第4項第3号の「その他執行の方法」は具体的に何を指すのか。  「その他執行の方法」(証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第4項(原案修正後第5項)第3号)としては、「証券会社が相対取引を行った」、「他の証券会社に取り次いだ」などの記載が考えられます。
 証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第5項では、「最良執行説明書」の交付期限について、「20日以内」とされているが、例えば、投資顧問からの注文等は非常に大量の注文となるとともに、データは紙伝票で管理されているため、最良執行説明書の作成は手作業になる(場合によっては、説明書の枚数が数千枚になることも予想される。)。そのような場合は交付までの期間が20日では困難であることから、機関投資家の大量の注文に関しては、顧客の同意が得られれば最良執行説明書の交付までの期間を延長できることとされたい。  最良執行説明書の交付期限(証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第5項(原案修正後第6項))につきましては、ご指摘の点を踏まえ原案を修正し、適格機関投資家から同意を得た場合を例外として規定することとします。
 証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第5項に規定する「最良執行説明書」の交付期限の「20日以内」は、顧客からの求めを証券会社が受理した日から、証券会社が最良執行説明書を発送又は発信した日までを算定するという解釈でよいか。  そのような理解で結構です。
 ある1つの執行について、顧客から重複して、証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第4項に規定する「最良執行説明書」の交付を求められたとしても一度交付すればよく、複数回の交付は必要ないと考えてよいか。  そのような理解で結構です。
 証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第4項に規定する「最良執行説明書」は、記載を求められている事項が一枚にまとまっている必要はあるのか。注文伝票等、記載すべき事項が含まれる既存の書類の写しを綴り合せることで作成して構わないか。  証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第4項(原案修正後第5項)は、最良執行説明書について特に書式を指定するものではありませんが、最良執行説明書の交付の義務付けの趣旨が執行の結果について投資家に理解できるようにするものであることから、同項に従って記載されるべき事項が含まれる既存の書類の写しが大量に亘り、同項に従って記載されるべき事項の発見が一般人にとって困難であるような記載方法は避ける必要があります。
 証券会社から委託を受けて証券仲介業務を行う登録金融機関にも、原則として最良執行義務は適用になっているが、実際には、上場株券等に関する証券仲介業務を行う場合への適用が規定されていない(証券取引法施行令第17条の4)。
 しかし、証券会社から委託を受けて証券仲介業を行う登録金融機関等は、実際に顧客と対面し顧客からの注文を受け付けることとなることから、当該委託を行う証券会社が定めた最良執行方針等の公表、書面の交付については、登録金融機関が直接義務を負うこととされたい。
 なお、登録金融機関は、同じ「上場株券等」の中でも、投資信託の受益証券(ETF等)及び投資証券(REIT=不動産投資信託等)については直接に最良執行義務が適用となるが、これらと株券との整理の違いについて、確認したい。
 投資信託の受益証券及び投資証券については、株券とは異なり、登録金融機関が直接に執行するため、最良執行方針等の作成義務の適用対象と整理しておりました。
 しかしながら、一般の証券仲介業者が証券仲介業を行うのと異なり、登録金融機関が行うのは証券業である(例外的に認められるものに過ぎないにせよ)との整理に基づき、原案を修正し、証券会社から委託を受けた登録金融機関が証券仲介業務を行う場合についても、最良執行方針等の作成義務の適用対象とすることとしております。
 登録金融機関による「書面取次ぎ」における最良執行方針の公表その他の手続きの義務は、当該登録金融機関が負うこととされたい。  書面取次ぎ(証券取引法第65条第1項ただし書)は、金融機関が登録を受けて行うものではなく(証券取引法第65条の2第1項、第65条第1項ただし書参照)、書面取次ぎについては、法律上、最良執行義務が課せられないこととされております。
 証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第1項に定められる最良執行方針の掲示等は、金融商品の販売等に関する法律施行令第10条に定められている金融商品販売業者等による金融商品の販売等に係る勧誘に関する方針(以下「勧誘方針」という。)の公表方法に倣っていると推測される。
 今回の最良執行方針等の公表等の義務は、証券仲介業を行う者には直接適用されないと整理されているが、証券仲介業の場面における証券仲介業を行う者と委託証券会社との間の関係で、金融商品販売法上の勧誘方針の公表義務と最良執行方針の公表等の義務とでは、直接適用を受ける者が同じという整理なのかどうかについて、確認したい。
 証券仲介業者は、最良執行方針等の作成義務の適用対象とはなりません。
 なお、証券会社の行為規制等に関する内閣府令第10条の2第1項(原案修正後第2項)に定められる最良執行方針の公表の方法は、ご指摘のとおり、金融商品販売業者等による勧誘方針の公表の方法と類似のものとしておりますが、そのことは、勧誘方針の公表義務を負う主体と最良執行方針の公表義務を負う主体までを同一のものとするものではありません。

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