英語版はこちら新しいウィンドウで開きます

平成17年9月21日
金融庁

フィリピン・ナショナル・バンク東京支店に対する行政処分について

I .命令の内容

銀行法第47条第2項、第3項及び第26条第1項に基づく命令

  • 1. 法令等遵守にかかる内部管理態勢(人的構成と体制の構築を含む。)を以下の観点から構築すること。

    • (1)法令等遵守(コンプライアンス)に取り組む経営姿勢及び経営責任の明確化

    • (2)法務・コンプライアンス機能の構築・整備

    • (3)役職員の法令諸規則に対する理解と遵守の徹底、並びに、法令遵守意識の醸成・向上

    • (4)フィリピン・ナショナル・バンク マニラ本店による当行東京支店及び名古屋出張所(以下、「当支店等」という。)の統括管理機能の見直し・強化を含んだ内部管理態勢、並びに、システム管理態勢の整備

    • (5)金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律に基づく本人確認義務、及び、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第54条に基づく疑わしい取引の届出義務を的確に履行する態勢の整備・強化、並びに、疑わしい取引の謝絶・届出及び疑わしい取引の届出対象となった取引等の解消に向けた管理・監視にかかる態勢の構築

    • (6)法令諸規則に則った適正な業務運営・管理を確保するために行う監査体制・方法等の抜本的な見直し、並びに、実効性ある監査の実施、及び、監査後のフォローアップの実施

  • 2. 法令違反を含む、下記 II .処分の理由、並びに、検査結果通知及び報告命令に記載された事項にかかる問題等の原因となった役職員の責任の所在の明確化。

  • 3. 上記1.及び2.並びに、検査結果通知及び報告命令に記載された事項にかかる業務の改善計画(改善計画を着実に実施するための行内の管理態勢の整備及び実効性確保にかかる責任の分担の明確化を含む。)を平成17年10月21日までに提出し、直ちに実行すること。

  • 4. 上記3.の実行後、当該業務の改善計画の実施完了までの間、平成17年12月末を第一回目とし、以後、3ヶ月毎に計画等の進捗・実施及び改善状況をとりまとめ、翌月15日までに報告すること。

  • 5. 上記3.の実行後、当該業務の改善計画を実施完了し、上記4.の報告義務を解除するまでの間は、銀行法第47条の2に規定する従たる外国銀行支店の新規設置等を行わないこと。

II .処分の理由

  • 1. 当庁の今般の立入検査(平成17年6月16日通知)において、当支店等では、銀行法第47条の2(従たる外国銀行支店の設置等)の規定に基づく内閣総理大臣の認可を受けずに、外国人(主にフィリピン人)が集まる旅行代理店における海外送金・外国為替業務にかかる無認可営業、並びに、教会及び付属施設、雑貨店等における同規定に違反するおそれのある営業を行い、また、当行本店がフィリピン国内で発行する富くじを当支店等にて販売するなど、法令を逸脱する法令違反営業等が認められていること。

  • 2. 当支店等では、本人確認義務及び疑わしい取引の届出義務の適正な履行、並びに、実際に問題となった顧客・取引等の謝絶・解消に向けた取り組みについて、昨年より当庁の注意喚起を受け、また、銀行法第24条第1項及び第48条に基づく報告徴求を通じて、当支店等の事務・内部管理態勢の問題点の洗い出しと改善への取り組みが具体的に指示されていたにもかかわらず、適切に対応せず、所要の改善を怠っていた事実が認められていること。

    特に、海外への疑わしい資金の持ち出し・送金を行っている個人等であることを支店経営陣が当該者及び関係者等を通じて確認しながら、疑わしい取引の届出後も、当庁の指摘を受けるまで、当該者が当支店等に持ち込む取引等を謝絶することなく反復・継続して受け付けるなど、犯罪収益を収受するリスクのある取引を長期間受け付けていたこと。

  • 3. 支店長及び副支店長等の役職者の業務上の責任分掌や報告体制が適正でなく、当支店等の主要業務である外国為替・送金業務等がコンプライアンス担当責任者の監視・監督から分断される体制となっていること。また、コンプライアンス担当責任者や内部監査担当責任者を配置しているが、形式的であり、法令違反の営業等を抑止できない問題が認められ、当行本店が実施する当支店等の内部監査も営業実態やシステム運用・管理を含む業務運営上の基本的な問題等を適正に検証できない監査が行われていること。

  • 4. 当庁では、当行東京支店より、銀行法第47条の2に規定する従たる外国銀行支店・出張所の新設にかかる認可申請の相談・申し出を受け付けていたが、今般の当庁の立入検査により、申請書類の記載及びヒアリング時の説明内容に反して、上記2.及び3.が明らかとなり、さらに、システム導入状況・管理体制等についても当支店等の実態と著しく異なる事実が判明し、仮に当庁が指摘を行わなければ、当行東京支店には監督当局に対して虚偽の申請を行って支店等の営業所の認可を受けようとするコンプライアンス・リスクが認められたこと。

本件に関する問い合わせ先

金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
監督局銀行第一課(内線3751、3398)

サイトマップ

ページの先頭に戻る