平成13年3月30日
金融庁

株式会社東日本銀行の産業活力再生特別措置法に基づく事業再構築計画の認定について

I .認定計画の概要

株式会社東日本銀行から提出された「事業再構築計画」について、産業活力再生特別措置法第3条第1項の規定に基づき審査した結果、同法第2条第2項第1号に規定する事業構造変更及び同項第2号に規定する事業革新を行う者として同法に定める認定要件を満たすと認められるため、3月30日付けで事業再構築計画の認定を行った。

今回認定した申請者の事業再構築計画では、営業推進体制の再構築、リストラ策の推進及び新たな管理会計の構築による収益力の強化・向上を図ること等を通じ、中小零細企業及び個人に良質な金融サービスを提供していくこととしている。

本件の認定により、増資に係る登録免許税の軽減の特例を受けることが可能となる。

II.事業再構築の実施時期

開始時期 平成13年3月~終了時期 平成15年3月

III.申請者の概要

株式会社東日本銀行

 資本金   283億円

 取締役頭取   吉居 時哉

 本社所在地   東京都中央区日本橋三丁目11番2号

問い合わせ先

金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
監督局銀行第二課
  鈴木(内3320)、松島(内3367)


様式第三

認定事業再構築計画の内容の公表

1 .認定年月日

平成13年3月30日

2.認定事業者名

株式会社東日本銀行

3.認定事業再構築計画の目標

(1) 事業再構築に係る事業の目標

○ 環境認識

当行は、昭和57年10月からスタートした第6次中期経営計画(スマイルプラン)において、地域金融機関としての存在意義を明らかにするために、現在の「豊かな町づくりに奉仕する」という経営理念を確立した。そして、店舗を中心とした狭地域の営業エリアを設定することにより、地域に対する浸透率・密着度・存在感を高める戦略を立て、大企業とのぶら下がり取引を解消し、取引層を中小零細企業(個人事業主を含む)及び個人に特化する徹底した狭地域・高密着のニッチ戦略を展開してきた。

また、店舗が首都圏に広域に点在しており、営業店ごとに地域特性・競争条件等が異なるため、営業店個々において市場性を踏まえた営業戦略を構築し営業活動にあたるとともに、本部においては店質に応じた営業戦略の方向性の提示と調整に主眼を置いている。

今後も、中小零細企業及び個人に特化し、各営業店を核とした狭地域の経済圏への浸透に重点を置く基本戦略を引き続き堅持し、首都圏の地域金融機関として独自の経営基盤を確保していきたいと考えている。そのためには、営業エリアの機動的な見直し、お得意先課行員を中心とした顧客担当制の徹底、本部の営業店のサポート体制の充実等の営業推進体制の再構築と店舗、人員、営業経費、資産の有効活用、子会社等の効率化等のリストラ策の推進及び新たな管理会計の構築による収益力の強化・向上を図っていく。

今般の新潟中央銀行の営業の一部譲り受けは小規模ながら金融再編の一環として捉えており、善意かつ健全な譲り受け取引先に対して円滑かつ十分な資金供給とサービスの提供に注力していく所存である。また、このような再編・提携には引き続き当行の基本理念・経営戦略に即しつつ、積極的に対応していく所存であるが、さらに今後は、異業種の金融業への参入・ペイオフ解禁等金融環境の変化に即応し、顧客サービスの向上やさらなる合理化・効率化を図っていく。

○ 目標

当行は、首都圏に営業基盤を有する地域金融機関として、地元地域社会の発展に貢献するため、強固な財務基盤を構築し、中小零細企業及び個人に良質な金融サービスを提供していく。

(2) 生産性の向上を示す数値目標

平成15年3月期に平成12年9月期との比較において、自己資本当期利益率を6.49ポイント上昇させる。

4.認定事業再構築の内容

(1) 事業再構築に係る事業の内容

○ 中核的事業

中小零細企業及び個人に対する金融仲介業務

○ 選定理由

当行の平成12年9月期の収益構造は、貸出金利息収入(割引料を含む)が経常収益の81%を占めるとともに、貸出金残高の93%が中小零細企業及び個人で占められている。

従って、今後も、中小零細企業及び個人に対する金融仲介業務を最重要部門と位置付け、この部門に特化し、各営業店を核とした狭地域の経済圏への浸透に重点を置く基本戦略を引き続き堅持し、首都圏の地域金融機関として独自の経営基盤を確保していきたいと考えている。

(2) 事業再構築を行う場所 株式会社東日本銀行 : 東京都中央区日本橋三丁目11番2号

(3) 事業再構築を実施するための措置の内容

別表のとおり

(4) 事業再構築の開始時期及び終了時期

開始時期 平成13年3月 ~ 終了時期 平成15年3月

5.事業再構築に伴う労務に関する事項

(1) 事業再構築の開始時期の従業員数 平成12年9月末実績 1,610人

(2) 事業再構築の終了時期の従業員数 平成15年3月末計画 1,547人 程度

(3) 事業再構築に充てる予定の従業員数 平成15年3月末計画 1,547人 程度

(4) (3)中、新規採用される従業員数 84人程度

(5) 事業再構築に伴い出向又は解雇される従業員数 出向又は解雇の予定はない


別表

事業再構築の措置の内容

措置事項

実施する措置の内容及びその実施する時期

期待する支援措置

事業構造変更

 

 

 

資本の相当程度の増加による中核的事業の拡大又は能率の向上

中小零細企業を取り巻く経営環境は、経済のグローバル化による産業構造の変化や資産デフレの懸念等により、いまだ不透明感が拭えず厳しい状況が続いている。このため、当行は、現下の激変する金融環境に備え、引き続き地元の中小零細企業及び個人に対して円滑かつ安定的に資金供給を行うため、新潟中央銀行の営業の一部譲受けを契機に、「金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律」第4条第2項に基づき、200億円の公的資金による資本増強を申請し、金融庁より承認された。これにより、財務基盤の強化が図られ、取引先に対する円滑な資金供給が可能となる。


「経営の健全化のための計画」を確実に履行することで業務の効率化が図れる。


優先株式の発行により増加する資本金

(1)

 優先株式の発行により資本金が増加する会社の名称
名 称 株式会社東日本銀行
住 所 東京都中央区日本橋三丁目11番2号
取締役頭取 吉居時哉

(2)

 増加する資本金の額
 100億円

(3)

 増加後の資本金
 383億円
租税特別措置法第80条
勧告等によってする登記の税率の軽減 

事業革新

 

 

 

第2条第2項第2号ハ

公的資金による資本増強により強固な財務基盤が構築できたことで、取引先に対する円滑な資金供給が可能となる。


金融仲介業務を通じて地域経済の繁栄に寄与するといった地域金融機関としての責務を果たすことで融資業務を拡大していく。そして、「経営の健全化のための計画」を確実に履行していくことで業務収益の拡大を実現していく。


営業エリア、顧客担当制、本部サポート体制を機能的に組み合わせた新渉外体制の推進により効率性と専門性を兼ね備えた金融サービスの提供を図る。


CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネージメント:お客様のライフステージに即した金融サービスを的確に提供するための顧客情報システム)の開発に着手し、最適の金融サービスの提供を目指す。


企業格付制度、中小企業信用リスクデータベースの活用や他業態と提携した中小零細企業及び個人向けの新商品を開発しタイムリーな対応を図る。


具体的な数値基準は次のとおりである。
平成15年3月期に平成12年9月期との比較において、業務収益1円当たりの経費を5.68%低減させる。
 

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