平成13年4月6日
金融庁
だいしん信用組合及び加賀信用組合に対する金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分について
1. 本日、だいしん信用組合及び加賀信用組合の各組合より、預金保険法第74条第5項に基づき、それぞれ「その財産をもって債務を完済することができない」状況にある旨の申出があった。
2. 当該申出及び各組合の財務状況を踏まえ、本日、預金保険法第74条第1項に基づく金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分をするとともに、同法第77条に基づき、だいしん信用組合については金融実務家の小林嘉明氏及び弁護士の山腰茂氏を、加賀信用組合については金融実務家の松田典次氏及び弁護士の川本藏石氏をそれぞれ各組合の金融整理管財人として選任し、併せてこれら金融整理管財人に対し同法第80条に基づき各組合に係る業務及び財産の状況等に関する報告の提出並びにその経営に関する計画の作成及び提出を命じたところである。
3. 今般の措置により、だいしん信用組合及び加賀信用組合の代表権、業務の執行並びに財産の管理・処分権は金融整理管財人に専属することとなり、各組合は金融整理管財人の下で上記の経営に関する計画に従った適切な業務運営に取り組むこととなる。
また、資産劣化防止の観点から、本日、各組合に対し、協同組合による金融事業に関する法律第6条第1項において準用する銀行法第26条に基づく業務改善命令を発したところであり、各組合においては、この命令を踏まえ、適切な業務運営を行っていくことが求められる。
4. 金融整理管財人に対しては、だいしん信用組合及び加賀信用組合の受皿金融機関を極力早期に見い出すことを期待しており、当庁としても金融整理管財人を最大限支援してまいる所存である。
また、金融整理管財人による管理が終了するまでの間は、全国信用協同組合連合会よりだいしん信用組合及び加賀信用組合の預金払戻し等業務の継続に必要な資金が供給されることとなり、だいしん信用組合及び加賀信用組合が受皿金融機関等へ営業譲渡等を行う際には、預金保険機構が資金援助を行うこととなっている。
5. このような枠組みの下で、だいしん信用組合及び加賀信用組合の預金等の負債は全額保護され、期日通り支障なく支払われるとともに、善意かつ健全な借手への融資も継続されることとなっているので、利用者におかれては心配されることなく、冷静な対応をお願いしたい。
【問い合わせ先】
金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
監督局総務課 金融危機対応室
だいしん信用組合の概要
1. 本店 石川県加賀市大聖寺南町ト36番地1
2. 理事長 西出 忠夫(にしで ただお)
3. 業容(12年3月末)
(1) 預金量 | 177 | 億円(189/291) | |
(2) 貸出金 | 130 | 億円 | |
(3) 自己資本比率 | 6.20 | % | |
(4) 組合員勘定 | 660 | 百万円 | |
(うち出資金) | 369 | 百万円 | |
(5) 店舗数 | 5 | 店舗 | |
(6) 常勤役職員 | 44 | 人 | |
(7) 組合員数 | 4,042 | 人 |
4. 沿革
- 昭和8年4月保証責任大聖寺町信用組合として設立
- 昭和38年6月大聖寺信用組合に名称変更
- 昭和59年10月 だいしん信用組合に名称変更
加賀信用組合の概要
1. 本店 石川県加賀市片山津温泉乙36番地5
2. 理事長 矢田 松太郎(やた まつたろう)
3. 業容(12年3月末)
(1) 預金量 | 119 | 億円(214/291) | |
(2) 貸出金 | 69 | 億円 | |
(3) 自己資本比率 | 4.83 | % | |
(4) 組合員勘定 | 282 | 百万円 | |
(うち出資金) | 153 | 百万円 | |
(5) 店舗数 | 3 | 店舗 | |
(6) 常勤役職員 | 32 | 人 | |
(7) 組合員数 | 3,178 | 人 |
4. 沿革
- 昭和28年1月 片山津町信用組合として設立
- 昭和32年6月 加賀信用組合に名称変更
- 昭和35年5月 本店を現在地に移転