平成13年2月6日
金融庁

ラボ・アジア証券会社東京支店に対する行政処分について

  • 1.  ラボ・アジア証券会社東京支店に対する証券取引等監視委員会による検査の結果、以下の法令違反行為が認められたことから、行政処分を求める勧告が行われた(平成13年1月26日付)。

    • (1)有価証券の売買その他の取引に関し、虚偽の表示をする行為

      平成11年9月22日、複数の顧客に債券を販売する際、取引額の多い特定の顧客に対し、取引単価に他の複数顧客が負担すべき分を含めた経過利子相当額を含んでいるにもかかわらずその事実と異なる説明を行って、当該取引単価を提示することにより、虚偽の表示を行った(証券会社の行為規制等に関する内閣府令第4条第1号)。

    • (2)利益に追加するため財産上の利益を提供する行為

      平成11年9月22日、複数の顧客に債券を販売する際、一部の顧客について適正な取引単価より低い取引単価で販売することにより、当該一部顧客に対し、約850万円の財産上の利益を提供した(外国証券業者に関する法律第14条第1項)。

  • 2.  ラボ・アジア証券会社東京支店に対する当庁による検査の結果、以下の法令違反行為が認められた。

    • (1)自己資本規制比率の維持義務違反

      自己資本規制比率は持込資本金を基に算出することとされているが、ラボ・アジア証券は資本金を国内に持ち込んでいなかったため、同比率が100%を下回るものと認められる(外国証券業者に関する法律第20条)。

    • (2)資産の国内保有不足

      非居住者に対する債務以外の負債に相当する資産を国内において保有するとの規定に反し、同資産の保有不足額が発生している(外国証券業者に関する法律第19条第1項)。

    • (3)兼業業務の承認等に係る違反行為

      ラボ・アジア証券において、以下のような兼業業務を行っていたと認められるが、兼業に係る承認を得ることなく、また、届け出も行わないまま、このような行為を行っていた(外国証券業者に関する法律第14条第1項)。

      • クレジット・デリバティブ取引の媒介

      • 金融先物取引

      • 金銭の貸借の媒介

      • 金銭債権の売買業務

      • 他の事業者の経営に関する相談に応じる業務

    • (4)外務員の無登録営業

      外務員登録を受けていない職員に国債の引受業務や仕組債の販売行為を行わせていた(外国証券業者に関する法律第32条)。

    • (5)役員の変更届出の未提出

      役員の就任又は退任による変更に際し、外国証券業者に関する法律第4条第1項第3号の変更届出書が変更後2週間以内になされていない(外国証券業者に関する法律第12条第1項)。

  • 3.  以上のことから、本日、ラボ・アジア証券会社東京支店に対し、以下の行政処分を行った。

    • (1)平成13年2月7日から同年3月8日までの間、東京支店の全ての業務(但し、顧客取引の結了のための取引、取扱った仕組債の解体のための取引及び顧客資産の返還等業務は除く。)の停止。

    • (2)責任の所在を明確化すること。

    • (3)顧客資産を速やかに返還し、円滑な支店閉鎖に尽力すること。

問い合わせ先

監督局証券課 TEL 03-3506-6000
課長補佐山本(内線3370)
証券業第4係長   横尾(内線3356)

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