平成13年2月21日
金融庁

証券会社の自己資本規制に関する内閣府令等の改正案の公表について

金融庁では、時価会計の導入等に伴う証券会社の自己資本規制の見直し等に係る内閣府令案の内容を別紙のとおり取りまとめましたので公表いたします(概要については別紙1、具体的な改正内容については別紙2をそれぞれ参照)。

ご意見がありましたら、平成13年3月6日(火)までに、氏名又は名称、住所を付記の上、郵便、ファックス又はインターネットにより下記にお寄せ下さい。電話等によるご意見はご遠慮願います。

なお、頂戴したご意見につきましては、氏名又は名称も含めて公表させて頂くことがありますので、あらかじめご了承願います。

【ご意見の送付先等】

○ 金融庁監督局証券課
郵便: 〒100-8967
東京都千代田区霞が関3-1-1 中央合同庁舎第4号館
ファックス:03-3506-6117
ホームページ・アドレス:http://www.fsa.go.jp/

(内容についての照会先)

金融庁 電話:03-3506-6000(代)
監督局証券課 自己資本:吉野(内線3352)、太田(内線3355)
分別保管:山本(内線3370)、豊永(内線3721)

ご意見の募集は終了しました。ご協力ありがとうございました。


【別紙1】

証券会社の自己資本規制に関する内閣府令等の改正案について

1. 趣旨

金融商品会計基準(時価会計)の導入に伴う有価証券の評価損益に係る企業会計上の取扱の変更に併せ、最近のBIS・IOSCO及び諸外国の動向等も踏まえ、証券会社のリスク管理機能の強化・高度化に向け、所要の見直しを行うこととする。

2. 内容

  • (1)自己資本関係

    • 「その他有価証券」の評価損益の取扱

      有価証券の評価益(ネット)が生じた場合には、その税効果調整後の全額を補完的項目(Tier2)に算入することとし、評価損(ネット)が生じた場合には、その税効果調整後の全額を基本的項目(Tier1)から控除することとする。

        現行 見直し後
      評価益 100%をTier2に算入 税効果調整後全額をTier2に算入
      評価損 100%をTier1から控除 税効果調整後全額をTier1から控除
    • 劣後ローン等

      現行規定上、劣後特約付借入金・劣後特約付社債(「劣後ローン等」)については、基本的項目の限度まで補完的項目に算入できることとされているが、銀行等と異なり、個別の上限等が定められていないことから、

      • 長短の劣後ローン等に個別の算入限度額(Cap)を設定。
      • 期限前償還については原則として不可とする。但し、自己資本規制比率の十分な達成若しくはそれ以上の資本調達等の一定の条件の下に、期限前償還を可能とする。
      • 長期劣後ローン等については、残存期間が5年以内となったものについては、自己資本規制比率算出上、20%相当額を毎年累積的に減価することとする。
  • (2)市場リスク相当額の算出方法

    • 個別法の廃止

      現行規定上の市場リスク相当額の算出方法(個別法、分解法(銀行の場合の標準的方式)、内部管理モデル方式)のうち、旧来型のリスク管理手法である「個別法」を廃止し、銀行と同様、「分解法(=Building Block 方式)」を、標準的な算出方法と位置付ける。

    • 内部管理モデル方式の取扱

      現行規定上、「内部管理モデル方式」を採用する際には、当局の承認が必要とされているが、当該モデルにより算出されたバリュー・アット・リスク(VAR)の的確性に係る報告義務や承認取消に係る規定の厳格化を図り、今後、内部管理モデルの承認を行う。

  • (3)その他

    • 新たな取引に係る規定の整備

      •  DVP取引における受渡不履行(フェイル)等に係る取引先リスクの算出方法
         証券取引に係るDVP決済の確保、決済期間の短縮化(T+1)に向け、DVP取引における受渡不履行(フェイル)等に係る取引先リスク相当額の算出方法について、新たに規定を整備する。
      •  新現先取引の導入に伴う規定の整備
         新現先取引制度の導入に伴い、取引期間中において、マージン・コールにより随時差し入れられる担保金等の自己資本規制比率算出上の取扱を明確化するほか、所要の規定を整備する。
    • 分別保管の徹底

      ペイ・オフ解禁等も踏まえ、顧客資産の分別保管状況をより的確に把握するため、自己資本規制に関する内閣府令等の改正に併せ、証券会社に関する内閣府令に基づく報告書式について所要の見直しを行う。

3. 施行時期

  • (1)原則

    証券会社の自己資本規制の見直し等については、平成13年3月31日から施行することとする。

  • (2)経過措置

    上記に掲げる事項のうち、既に補完的項目に算入が認められている劣後ローン等に対する算入限度額の適用、及び市場リスク相当額の算出方法に係る見直し(個別法の廃止)については、平成13年9月30日までの経過措置を設けることとする。

(注) 別紙2の具体的な改正内容については、法令上の観点から、文言の技術的な変更があり得る。


【別紙2】

PDF証券会社の自己資本規制に関する内閣府令(案)(PDF:90KB)

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