平成13年6月5日
金融庁

「投資信託及び投資法人に関する法律施行令等の改正案」に対するパブリックコメントの結果について

金融庁では、標記政令案等について、5月10日(木)から5月24日(木)にかけて公表し、広く意見の募集を行いました。御意見を御提出いただいた皆様には、政令案等の検討に御協力いただきありがとうございました。

本件に関して、お寄せいただいた主なコメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方は下記のとおりです。

指数の指定

コメントの概要 コメントに対する考え方
 施行令第八条第二号イにおいて、「多数の銘柄の価格の水準を総合的に表すものとして金融庁長官が指定するもの」として株価指数を規定しているが、

(1) 4指数を指定する趣旨は何か。

(2) 他の株価指数についても広く認めるべき。

(1) 株価指数の指定に当たっては、市場の適切な価格形成や相場操縦防止の観点から、指数が相当数の銘柄により構成されること、特定銘柄の影響を過度に受けないこと等が必要であると考えられ、また、例えば、先物取引の対象となっているもの(もしくは先物取引の対象となることが予定されているもの)等、投資家に広く普及した指数とすることが適当であるとの判断から、現時点において4つの指数を指定するものです。

(2) 外国株指数を含む、他の株価指数の取扱については、(1)に述べた考え方に沿って、今後、状況に応じて検討して参ります。

設定

コメントの概要 コメントに対する考え方
 施行令第八条第二号イにおいて、「株価指数の変動率に一致させることを目的として」とあるが、「一致させる」としている趣旨は何か。完全法だけではなく最適化法でも可能か。  この規定の趣旨は、投資信託財産中の株式の構成比率が株価指数における株式の構成比率と完全に一致することを求めるものではなく、「変動率」を一致させることを求めています。
 従って、投資信託委託業者が指定する現物株式(=各銘柄の株式)が施行令第八条第二号の規定を満たすものであれば、その組み合わせの方法の選択(いわゆる完全法か最適化法か)は、投資信託委託業者に委ねられるものと考えています。
 施行令第八条第二号イにおいて、「株価指数に採用されている銘柄の株式に対する投資として運用する」とあるが、実際の投資信託の運用に際しては、

(1) 連動する現物株式の組み合わせに対する投資以外に発生しうる金銭相当部分について、株価指数に一致させることを目的として運用する観点から適当と考えられる範囲において、有価証券指数等先物取引や株式の貸付等を行うことが可能か。

(2) 銘柄入替等により株価指数構成銘柄以外の株式を一時的に取得・保有する状況があると思われるが、そのような場合法令上問題とならないと解して良いか。

(3) 銘柄入替が発表された後、株価指数に組み入れられることが予定されている銘柄について、その実施前にあらかじめ設定に必要な現物株式に組み入れることが可能か。

(1) この投資信託は、株価指数に採用されている銘柄の株式に対する投資として運用されることが予定され、実際にも当該銘柄の株式に対する投資が行われることが原則ですが、運用上何らかの要因により金銭相当部分が生じる可能性があることも考えられます。そうした例外的に発生する金銭相当部分については、一口あたりの投資信託財産の変動率を株価指数の変動率に一致させることを確保する観点から、当該投資信託の目的に沿った内容で有価証券指数等先物取引等を行うことも可能であると考えます。

(2) 銘柄入替等の運用者の責めに帰さない要因による、投資信託財産における株価指数構成銘柄以外の株式の一時的な取得・保有については、直ちに法令上問題とはならないと考えます。

(3) 一口あたりの投資信託財産の変動率を株価指数の変動率に一致させることを確保する観点から適当と考えられる場合には、株価指数に組み入れられることが予定されている銘柄をあらかじめ現物株式に含めることも可能であると考えます。

 施行令第八条第二号ロにおいて、株式以外の金銭による設定も可能か。  受益者間の公平性確保の観点から、株式以外の金銭による設定を行うことはできません。
 施行規則第七条第二項第一号において、「募集に応じるものが発行した株式」については金銭により代替することが可能とされているが、証券会社が募集の取扱を行う場合、募集に応じる者は取扱証券会社の発行する株式について金銭による代替が求められていないと解して良いか。  この規定は、ETFの設定が商法上の自社株取得の制限に抵触することのないよう設けられたものです。その趣旨は、ETFの募集に応じる者の発行する株式又は親会社の発行する株式のみについて金銭による代替を可能とするものであって、証券会社以外の者が募集に応じる場合には、募集の取扱を行う証券会社の株式について金銭による代替を可能とするものではありません。
 施行規則第七条第三項第一号について、「一定口数の受益証券を単位として」とあるが、受益証券と現物株式の差額に相当する金銭も併せて設定する必要が生じることから連動性が欠けるおそれがあるため、現物株式を単位として設定することとすべきではないか。  株価指数との連動性の確保等の観点から、ご指摘を踏まえ、株価指数に連動するものとして投資信託委託業者が指定する「各銘柄の株式」を単位として設定することとするよう、施行規則案を修正します。

交換 等

コメントの概要 コメントに対する考え方
 施行令第八条第二号ハについて、同号ロと異なる規定振りとなっているが、同号ロの「設定に必要な現物株式」と同号ハの「交換により取得する現物株式」は異なるのか。  設定に必要な現物株式はその運用の対象とする株式の構成比率に相当する比率により構成されるため、設定に必要な現物株式と交換される現物株式は原則として一致します。ただ、現実には、銘柄入替のため構成銘柄を入れ替える途上にある場合など、投資信託財産の内容が設定に必要な現物株式の内容と完全に一致しない可能性があることから、交換の際には「当該投資信託財産に属する株式」について「投資信託財産に対する持分に相当するものとの交換を行う」こととしているものです。
 施行規則第七条第五項について、受益証券の交換に際し、受益証券と現物株式の評価額の差額相当分については現金によって行うことも可能とすべきではないか。もしくは投資信託財産内の株式をもって調整すべきではないか。  受益証券の交換の際、差額相当分について現金によって行うことも可能とする場合には、交換に備えて現金を準備しておく必要があり、一口あたりの投資信託財産の変動率を株価指数の変動率に一致させることが求められていることと相反する結果が生じること等から、適当でないと考えます。一方、投資信託財産内の株式をもって調整すべきとの指摘については、投資信託財産を構成する株式の構成比率を変更しない場合においては、可能であると考えます。
 償還時における取扱の規定がないが、施行令第八条第二号ハに準じた取扱いが求められると解するのか、金銭による償還が可能か。  償還時における取扱については、施行令第八条第二号ハに規定する交換に準じた取扱いが求められます。

その他

コメントの概要 コメントに対する考え方
 施行令の改正により導入される投資信託について、その商品性が類似するものであって外国で組成された投資信託については、投資信託及び投資法人に関する法律に規定する外国投資信託として解するべきと考えるがどうか。  施行令の改正により導入される投資信託に類するものとみなされる外国投資信託は、金融庁長官が指定する株価指数に連動する外国投資信託に限られます。

その他関連規定関係

コメントの概要 コメントに対する考え方
 施行令の改正により導入される投資信託の受益証券について、株券等の保管及び振替に関する法律に基づく保管振替の対象とするため、同法第二条第一項の規定に基づく指定を行うべき。  取引所に上場されている投資信託の受益証券は、株券等の保管及び振替に関する法律第二条第一項の規定に基づく告示(平成13年3月29日)により既に保管振替の対象に指定されています。

今回、多数のコメントを頂戴いたしました関係上、上記「コメントの概要」は、主だったものについて、同種のコメントをまとめさせて頂いた上で掲載させていただいております。

内容についての照会先

金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
総務企画局市場課 木股(内線3611)、川村(内線3622)

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