令和3年12月24日
金融庁
 

  「FinTech実証実験ハブ」支援決定案件の実験結果について

 金融庁では、フィンテックを活用したイノベーションに向けたチャレンジを加速させる観点から、平成29年9月21日、フィンテック企業や金融機関等が、前例のない実証実験を行おうとする際に抱きがちな躊躇・懸念を払拭するため、「FinTech実証実験ハブ」を設置しました(FinTech実証実験ハブの設置について)。
 今般、本スキームにおける支援を決定した第5号案件(平成30年11月8日公表)の実証実験が終了し、その実験結果について、お知らせします。

実験概要

(実験内容)
 本実証実験では、小売店に隣接した場所に設置された小銭を投入することができる装置(以下、「おつり投入ボックス」という。)にユーザーが小銭を投入することによって、買い物の際に生じたおつり等をそのまま投資に回せるおつり投資サービス(以下、「本おつり投資サービス」という。)を提供し、当該サービスにおけるオペレーションが適法かつ適正に遂行できるかを検証。

(実験期間)
 令和2年2月から4月まで

(参加金融機関等)
 TORANOTEC株式会社
 TORANOTEC投信投資顧問株式会社
 GMOペイメントゲートウェイ株式会社
 株式会社セブン銀行
 株式会社ポケットチェンジ

結果概要

 本実証実験では、以下の流れで本おつり投資サービスを提供し、オペレーションに問題が生じなかったことを確認した。

  1. ユーザーは、アカウント認証を行った上でおつり投入ボックスに小銭を投入する。
  2. ユーザーは、自己の端末のアプリ上で、おつり投入ボックスに投入した小銭(以下、「投入金」という。) を投資資金に回す承認(以下、「投資承認」という。)を行う。
  3. 投資承認の締め日として定められた所定の日(以下、「承認締め日」という。)に、ユーザーの投資承認が確定する。
  4. 承認締め日の経過後、資金移動業者であるGMOペイメントゲートウェイ株式会社(以下、「GMO-PG」という。)は、各ユーザーが承認した金額を、投資信託委託会社であるTORANOTEC投信投資顧問株式会社(以下、「TORANOTEC投信」という。)に送金する。
  5. TORANOTEC投信は、GMO-PGから受領した金銭を運用する。


 本実証実験の過程で、金融庁から、以下の点を回答した。

  • TORANOTEC投信が投入金を顧客分別金信託の必要額として認識する時期を承認締め日とする整理は妥当と考えられる。
  • 適切なオペレーションの下、本実証実験において実施された方法によって本おつり投資サービスが実施されるのであれば、投資ファンドの勧誘行為は介在していないと考えられる。
  • 事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係、資金移動業者関係)に基づき、適切なオペレーションの下、本実証実験において実施された方法によって本おつり投資サービスが実施されるのであれば、GMO-PGによる資金移動業の外部委託先の管理について、資金決済法の観点から特段の問題はないと考えられる。

 一方、課題として、多数のおつり投入ボックスを設置した場合における、管理体制の構築方法や機器の不具合が生じたときの対応方法等を検討する必要があることを確認した。

 今後、こうした投資の日常化・一般化を狙ったサービスの実現により、貯蓄にとどまらない、安定的な資産形成の取組みの促進等が期待される。
 

 ※ 参考
  PDF本実証実験の概要
 

  お問い合わせ先

 金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

 総合政策局  総合政策課(内線2417、2917)

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