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別紙
四半期報告書の作成・提出に際しての留意事項について
(平成20年6月第1四半期版)
金融商品取引法の施行に伴い、(1)企業内容等の開示に関する内閣府令(以下「開示府令」という。)及び(2)財務諸表等の監査証明に関する内閣府令(以下「監査証明府令」という。)が改正され、また、(3)四半期財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(以下「四半期財務諸表等規則」という。)及び(4)四半期連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(以下「四半期連結財務諸表規則」といい、「四半期財務諸表等規則」と合わせて「四半期財務諸表等規則等」という。)が新設されています。これらの改正に伴い、平成20年4月から四半期報告制度が実施されています。
以下において、四半期報告書の作成・提出に際しての留意事項について説明します。
I . 四半期報告制度
1. 対象会社
四半期報告制度の対象となる会社は、有価証券報告書を提出しなければならない会社のうち、 i )株券、 ii )優先出資証券、 iii )外国の者が発行者である i )又は ii )の有価証券の性質を有するもの、 iv )有価証券信託受益証券で i )から iii )までの有価証券を受託有価証券とするもの、 v )預託証券で i )から iii )までの有価証券に係る権利を表示するものについて、上場又は店頭登録している会社(以下「上場会社等」という。)となります。
なお、有価証券報告書を提出しなければならない会社については、上場会社等以外の会社であっても、任意に四半期報告書を提出することができます。
ただし、特定有価証券に係る有価証券報告書の提出会社には四半期報告制度は適用されず、任意であっても四半期報告書を提出することはできません。
2. 提出義務
事業年度が3月を超える場合には、当該事業年度の期間を3月ごとに区分した期間ごとに四半期報告書を提出しなければなりません。ただし、当該事業年度の最後の期間(第4四半期)については、四半期報告書の提出は義務付けられておりません。
また、半期報告制度は四半期報告制度に統一されるため、中間期に当たる第2四半期は、半期報告書に代えて第2四半期報告書の提出が必要となります。
なお、任意で四半期報告書を提出した会社は、その後は引き続き四半期報告書を提出しなければならないものと考えられます。
3. 提出期限
四半期報告書の提出期限は各四半期終了後45日以内とされています。
また、特定事業会社については、第2四半期報告書についてのみ第2四半期終了後60日以内とされています。
(注):特定事業会社とは、 i )銀行法に定める銀行業、 ii )銀行法に定める銀行持株会社の業務に係る事業、 iii )保険業法に定める保険業及び少額短期保険業、 iv )保険業法に定める保険持株会社及び少額短期保険持株会社の業務、 v )信用金庫法に定める全国を地区とする信用金庫連合会(信金中央金庫)の業務に係る事業を行う会社 をいいます。
4. 開示内容
四半期報告書の記載内容は、開示府令に新設した四半期報告書の様式(内国会社については第四号の三様式、外国会社については第九号の三様式)に具体的な記載内容が定められています。
四半期報告書の記載内容は、投資者の投資判断に資する十分な情報を提供するという観点から、基本的には半期報告書の記載項目とほぼ同様のものとなっていますが、一方で、四半期報告の迅速性・適時性という要請等を考慮し、以下のような内容となっています。
(1)主要な経営指標等の推移
「経理の状況」が四半期連結財務諸表のみの記載となるため、「主要な経営指標等の推移」についても連結ベースの情報(四半期連結財務諸表を作成していない場合は、単体ベースの情報)の記載とし、当四半期連結会計期間・前年同四半期連結会計期間、当四半期連結累計期間・前年同四半期連結累計期間及び最近連結会計期間に係る主要な経営指標等の推移を記載することとしています。
(注):四半期連結財務諸表は、平成20年4月1日以後開始する連結会計年度から適用されることになります。したがって、適用初年度である今回の四半期報告書においては、前連結会計年度に係る四半期連結財務諸表に関する記載は不要です。
(2)事業の内容、関係会社の状況
当四半期連結会計期間において、重要な変更・異動等があった場合に記載することとしています。
(3)経営上の重要な契約等
当四半期連結会計期間において、重要な組織再編成等が行われることが、業務執行を決定する機関により決定された場合等に記載することとしています。
(4)財政状態及び経営成績の分析
「財政状態及び経営成績の分析」について記載することとし、半期報告書の記載事項である「業績等の概要」、「対処すべき課題」及び「研究開発活動」については、「財政状態及び経営成績の分析」にまとめて記載することとしています。
(5)設備の状況
「主要な設備の状況」及び「設備の新設、除却等の計画等」については、「設備の状況」にまとめて記載することとし、当四半期連結会計期間において、主要な設備に重要な異動等があった場合に記載することとしています。
(6)大株主の状況
基本的に第2四半期報告書においてのみ記載することとしています。
ただし、第1四半期又は第3四半期において、大量保有報告書の写しが送付されたこと等により大株主の異動が明らかとなった場合には、第1四半期報告書又は第3四半期報告書においてその旨を注記することとしています。
(7)役員の状況
前事業年度に係る有価証券報告書の提出日後、四半期報告書の提出日までの役員の異動を記載することとしています。
(8)経理の状況
○四半期連結財務諸表
「経理の状況」における財務諸表は、基本的に四半期連結財務諸表(四半期連結貸借対照表、四半期連結損益計算書及び四半期連結キャッシュ・フロー計算書)のみの記載としています。
これらの財務諸表については、その種類によって、また、四半期によって作成するものが異なりますので、様式の記載上の注意に従い記載して下さい。
i ) 四半期連結貸借対照表
「当四半期連結会計期間」に係るものと「前連結会計年度」に係る「要約連結貸借対照表」の記載が必要です。
ii ) 四半期連結損益計算書
「当四半期連結会計期間」に係るものと「前年同四半期連結会計期間」に係るもの、「当四半期連結累計期間」に係るものと「前年同四半期連結累計期間」に係るものの記載が必要です。
「連結累計期間」とは、その連結会計年度の期首から当該四半期連結会計期間の末日までの期間をいいます。
また、当四半期連結会計期間が第1四半期連結会計期間である場合は、「当四半期連結会計期間」と「前年同四半期連結会計期間」に係る四半期連結損益計算書の記載は不要です。
さらに、提出会社が特定事業会社であって、当四半期連結会計期間が第3四半期連結会計期間である場合、記載は不要です。
iii ) 四半期連結キャッシュ・フロー計算書
「当四半期連結累計期間」に係るものと「前年同四半期連結累計期間」に係るものの記載が必要です。
(注):四半期連結財務諸表は、平成20年4月1日以後開始する連結会計年度から適用されることになります。したがって、適用初年度である今回の四半期報告書においては、前連結会計年度に係る四半期連結財務諸表の記載は不要です。
なお、四半期連結財務諸表を作成していない場合は、四半期財務諸表(四半期貸借対照表、四半期損益計算書及び四半期キャッシュ・フロー計算書)を記載することになりますが、取扱いは四半期連結財務諸表と同じです。
また、四半期連結貸借対照表では、流動資産のその他に区分しているもので、資産の総額の100分の10超又は区分掲記することが適切な場合に区分掲記することとされ、四半期連結損益計算書では100分の20超又は区分掲記することが適切な場合に区分掲記することとしています。
このような取扱いは、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産、流動負債、固定負債等においても概ね同様です。
四半期連結キャッシュ・フロー計算書は、利害関係者の判断を誤らせないと認められる範囲内で、様式を集約して記載することができること、また、「小計」の記載を省略することができることとしています。
○注記事項
i ) 四半期連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項等の変更に関する注記
連結の範囲に関する事項その他四半期連結財務諸表作成のための基本的となる重要な事項については、変更を行った場合にその旨及び理由の記載が必要です。
また、それに加え、第2四半期以降に自発的に会計処理の原則及び手続を変更した場合の注記、更に、前連結会計年度に自発的に重要な会計処理の原則及び手続を変更した場合における翌連結会計年度の四半期における注記が求められています。
ii ) 簡便な会計処理に関する記載
四半期連結財務諸表作成の一般原則において、年度の会計処理原則への準拠が規定されていますが、例外として適時性の観点から簡便的な会計処理が認められており、これらの簡便な会計処理を適用した場合にはその旨及びその内容の注記が必要となります。
iii ) 四半期財務諸表の作成に特有の会計処理に関する注記
四半期特有の会計処理(原価差異の繰延処理、後入先出法における売上原価修正及び税金費用の計算)を採用した場合にはその旨及びその内容を 注記することとなります。
iv ) セグメント情報の注記
四半期連結財務諸表規則様式第1号、第2号及び第3号に定めるところにより記載します。四半期独自の規定としては、企業結合や事業分離その他の理由により、事業の種類別セグメント情報に係るセグメント別の資産の金額に著しい変動があった場合は、その概要の記載が必要となります。
v ) 有価証券に関する注記、デリバティブ取引に関する注記
会社の事業運営において重要なもので、かつ、前連結会計年度末に比して著しい変動が認められる場合には一定の注記が求められています。
vi ) ストック・オプションに関する注記
当四半期連結会計期間にストック・オプションを付与した場合に一定の注記をする必要があります。また、条件変更を行った場合には、その変更内容の注記が求められています。
vii ) パーチェス法を適用した場合の注記、持分プーリング法を適用した場合の注記、共通支配下の取引等の注記、共同支配企業の形成の注記
当四半期連結会計期間において、企業結合等が行われた場合に一定の注記が求められます。
なお、「パーチェス法を適用した場合」の注記で、当連結会計年度開始の日で企業結合が完了したと仮定した場合の当四半期累計期間に係る四半期連結損益計算書に及ぼす影響の概算額の注記について、監査証明を受けていない場合には、その旨を注記する必要があります。
viii ) 継続企業の前提に関する注記
四半期連結決算日において、継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況が存在する場合には、一定の注記が求められます。当該注記には、「当該事象又は状況を解消又は大幅に改善するための経営者の対応」が含まれます。
ix ) 一株当たり純資産額等の注記
a) 一株当たり純資産額の注記
当四半期連結会計期間末及び前連結会計年度末における一株当たり純資産額の注記が求められています。
b) 一株当たり四半期純損益金額等の注記
当四半期連結会計期間及び当該四半期連結会計期間における四半期連結累計期間に係る一株当たり四半期純利益金額又は四半期純損失金額及び当該金額の算定上の基礎の注記が求められています。
x ) 株主資本等に関する注記
a) 発行済株式に関する注記、自己株式に関する注記、新株予約権等に関する注記
当四半期連結会計期間末の発行済株式総数、自己株式の種類毎の自己株式数等の注記が求められています。
b) 配当に関する注記
当四半期連結会計期間における四半期連結累計期間において行われた配当について、配当財産が金銭の場合には、配当金の総額、一株当たり配当の総額等の注記が求められています。
c) 株主資本の金額に著しい変動があった場合の注記
株主資本については、株主資本等変動計算書の開示は求められておりませんので、株主資本の金額に、前事業年度末に比して著しい変動があった場合には主な変動事由の注記が求められています。
○特定事業会社
特定事業会社については、第2四半期の四半期報告書に中間財務諸表及び中間連結財務諸表の記載が求められます。この関係から、四半期連結損益計算書は、第2四半期及び第3四半期においては、非監査の財務情報として「経理の状況」の「その他」に記載することとされています。
II . 四半期連結財務諸表等に関する監査証明
四半期連結財務諸表及び四半期財務諸表には公認会計士又は監査法人による監査証明(四半期レビュー)が必要とされています。
また、四半期連結財務諸表又は四半期財務諸表の監査証明は、実施した公認会計士又は監査法人の四半期レビュー報告書により行うこととなっていますので、これらを四半期報告書に添付願います。
III . 確認書の提出
四半期報告書を提出する場合には、当該四半期報告書の記載内容が、金融商品取引法令に基づき適正であることを確認した旨を記載した確認書を、当該四半期報告書に添付するのではなく、併せて提出することが必要とされています。
四半期報告書に係る確認書の記載内容は、開示府令に新設した四半期報告書有価証券報告書に係る確認書の様式(内国会社については第四号の二様式、外国会社については第九号の二様式)を準用しています。
IV . XBRLの導入
XBRLの導入に伴い、平成20年6月6日付で四半期財務諸表等規則等が改正されています。この改正による実質的な内容の変更はありませんが、財務諸表等の体裁が変更され、新様式では、四半期貸借対照表及び四半期連結貸借対照表の構成比、四半期損益計算書及び四半期連結損益計算書の百分比の記載は不要となっています。