経済価値ベースのソルベンシー規制等に関する有識者会議(第6回)議事要旨及び資料

議事要旨

1.日時:

令和元年12月20日(金)13時00分~14時40分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館 12階 共用第2特別会議室

3.議事内容:

冒頭、事務局による資料説明(資料①及び資料②)が行われた。続いて、以下のような議論が行われた。

  •  ○ 資料①p.2のタイムラインは非常にイメージが合うものだと思う。今後スケジュールを検討する上での大事な視点として、経済価値との整合性が低いと指摘されている実質資産負債差額規制や基礎利益に基づくものの見方等について、どうフェードアウトしていくか考える必要があると思う。また、規制対応以外の部分で、例えば第2の柱で、経済価値ベースの制度導入に向けた準備をどう進めているか、どのように社内のKPIを切り替えて行動していくかなどについて、保険会社との対話を進めることを明確にしていくと、保険会社側も動きやすくなるのではないか。
  •  ○   MOCEを純資産から控除するにもかかわらず、リスクとしてもカウントするというのはおかしいとの意見があるが、市場整合的に考えた場合はおかしな議論だと思う。例えば、社債の価値を計算する際、将来の期待キャッシュフローは単に無リスク金利ではなく、社債を保有するリスクに見合う対価も含めたスプレッドを考慮し割り引いて計算する。つまり、リスクに見合う対価を考慮し価値を計算することと、それを保有するリスクを考慮することは、同時に対応するのが普通であり、ダブルカウントではないとみるのが市場整合的には正しいと思う。
  •  ○ MOCEの計算方法について、個人的にはパーセンタイル法には賛成しかねると思っている。資本コスト法の場合は、1年経過すると1年分のリスクがなくなり、期待値通りのシナリオが実現した場合には資本コスト相当のリターンを得るという計算になり、資本・リスク・事後的なリターンの関係がはっきりしていると思う。一方で、パーセンタイル法であれば、何が要求されているのか、何のためのリスクを取る対価なのかという点が分からないため、テクニカルな論点であるが、一度整理しておいた方が良いと思う。
  •  ○ 資料①p.13の政策的な措置について、(株式リスクに係る)対称リスク調整をしてはどうかとの意見があるが、レギュラトリー・アービトラージに繋がる可能性がある。仮に導入するとした場合は、これは政策的な措置であるということを明示し、第2の柱で使うべきものではないということを明確にしておく必要がある。また、そもそも第1の柱に導入するかどうかについても慎重な議論が必要だと思う。
  •  ○ MOCEについて、日本の生保会社は諸外国と比べ保険期間の長い商品が多いとの特徴があるため、資本コスト法とパーセンタイル法で相当差が出ている。パーセンタイル法は、米国におけるキャッシュフローテストの枠組みなど、実際に使用されているケースもあり、どちらが絶対的に正しいというものでもないと思うが、最終的には何か決着はしなければいけない。第1の柱では、ICSに準じてパーセンタイル法を採用するとの考え方もあると思うが、その際にICSがパーセンタイル法だから(内部管理においても)それでいいのだと思考停止になるのはどうか。資本コスト法はM&Aでは使われている手法であるが、第三者移転という観点も踏まえながら、保険会社各社が今後考えていくべきところが失われないような制度にすべきだと思う。
  •  ○ 所要資本について、過去実績のカリブレーションに基づくリスク係数を使うことは分かりやすい手法であるが、一方で、温暖化や医療技術の進歩などの過去に実現していないアンノウン・ノウン・リスクに関しては、何らかの構成要素として織り込み、予め対応していくとの観点は忘れないよう注意しなければいけない。
  •  ○ ICSは連結ベースの指標であるが、本会議では基本的には単体ベースの評価手法としての規制導入を検討していると理解している(もちろん連結ベースをどうするかとの問題はあると思うが)。ソルベンシーⅡでも連結基準と単体基準では一定特殊な配慮等をしているが、グループ会社に依存しているリスクについては、何らかの評価基軸を追加で考えなければならないと思う。
  •  ○ 政策的な措置について、2025年の規制導入に際し、保険会社が一斉に株式の売却や超長期債の購入といった行動をスタートさせた場合、相応のマーケットインパクトが生じる可能性がある。保険会社との対話を進めるのか、あるいは経過措置を入れるのが良いのかは分からないが、こうした意図せざる影響についても一定程度見ていかなければならないと思う。また、先ほどメンバーからプロシクリカリティの話が出たが、これに関しては対称リスク調整等とは別に、危険準備金や価格変動準備金などの現行制度との親和性も踏まえながら考えていく必要があると思う。
  •  ○ 資料①p.2のタイムラインについて、保険会社としても準備を進めるためにこうした形でスケジュールを明確化することは非常に望ましいものと思う。一方で、2025年(の規制導入)を一旦の前提とする場合でも、国際的な議論の動向を踏まえ、適用の決定を行う2~3年前に改めて検討を行うとの共通認識があることが望ましいと思う。また、2024年に基準の最終化とあるが、ここから開始したのでは、システムなどの組織面の対応が間に合わないため、改めて検討を行うタイミングを明示することは、保険会社が組織変更や大規模な投資を判断するという意味では、非常に重要なものだと思う。
  •  ○ 2025年の姿として、米国も含めICSがグローバルに統一されるケースと、アグリゲーションという形のものが同等性で繋がるケースの両方があり得ると思うが、基本的には前者を前提に議論をすることが必要だと思う。本会議で基準として必要なものが明確化された時は、ICSにおいてしっかりと実現されるよう日本として働きかけることが必要なのではないか。ICS version2.0では、一定保険会社の意見が考慮されたのは事実であるが、まだまだ見直すべき部分が多々あるというのが(保険会社側の)共通認識である。
  •  ○ 標準モデルについて、資料①p.7の「第1の柱での監督措置の柔軟性等と合わせて検討していく必要がある。」との考え方はその通りだと思うが、経済価値ベースの指標は開示されることとなるため、政策的措置も含め、まずは可能なものについてはESRの計算に入れるべきだと思う。
  •  ○ 割引率に関して、ICSではミドルバケットの適用要件が緩和され、(資産・負債のキャッシュフローが)部分的にのみマッチングしている場合にもスプレッドの上乗せを認められているが、実際にこれがどのようにワークするか、ミドルバケットにどれだけのものが入ってくるのか等の詳細はまだ分からない状況である。また、株式はキャッシュフローが確定しないため、トップ・ミドルバケットの適格資産として含めない取扱いになっていると想定するが、基本的に株式には高い流動性があり、負債のキャッシュフローに合わせて流動化することも可能であるため、一定程度は適格資産として認めるべきだと考えている。
  •  ○ 市場整合的に考えるのであれば、MOCEは負債評価に入れるべきとの意見はその通りだと思うが、規制全体をどのように組み立てるかとの考え方もあると思う。保険会社側からは、(MOCEを負債評価に入れた場合には)リスクを二重に負担させるのではないかとの議論が非常に根強くあり、MOCEの役割や機能に関してしっかりとした議論がなされなければ、MOCEに関しては負債ではなくマージンとして認識すべきだと思う。手法についての詳細な議論がここで必要だとは思わないが、ICSのパーセンタイル法では、非金融リスクについては要求資本において計測期間1年の99.5%VaR(200年に1度のリスク)をカバーした上で、生保の場合にはMOCEにおいて計測期間1年の85%VaR(6~7年に1度のリスク)をカバーする構造になっている。
  •  ○ 税効果に関して、資料①p.7以降の標準モデルの検討に関する論点に挙げられていないが、所要資本における回収可能性評価はかなり保守的になっており、非常に影響が大きな論点だと理解する。所要資本の税効果については、所要資本に対する税の損失吸収可能性が過度に保守的な取扱いであり、バランスを欠いていると思う。
  •  ○ タイムラインに関して、事務局資料は今までの論点を非常に分かりやすく整理頂いていると思う。ここで重要なのは、2024年の基準の最終化が基本となるということである。保険会社の方の意見を聞いていると、実際にシステム対応などで2年程度は要するため、正式な計算開始は2026年とするのが適当だと思う。また、2024年までのフィールドテストに合わせて、監督カレッジが重要な意見交換の場になると思うので、そこでの知見を使うことも明示する方が良いと思う。更に、新たな規制について、消費者や市場参加者への教育や理解を深め、周知に努めることも重要であり、それも明示すべきである。また、改めて感じたのが、2024年にICSを予定通り完成させることが大事だということ。国際基準は与えられるものではなく皆で作っていくものであり、日本当局の代表がIAISでリーダシップを取り、日本及び世界のために、ICSを予定通り2024年に完成させることがとても重要だと思う。
  •  ○ いずれ経済価値ベースの規制は導入されるものであるため、(保険会社の立場からも)ICSを待つということではなく、ICSを変えていくことが必要だと感じている。保険会社の中でも色々な意見があるが、そこはワンボイスとなるよう調整しIAISに働きかけていきたい。
  •  ○ 資料①p.2においては、具体的なタイムラインやそれに合わせたタスクが整理されており、非常にイメージが分かりやすいものと思う。第1の柱を検討する上では、計算ロジックの理論的な妥当性の観点、それをどう実現していくかとのフィージビリティーの観点、更には、実施した場合にどのような影響があるかとのインパクトスタディーとの観点、それぞれが重要だと思う。このうち、インパクトスタディーに係る記載がないため、明確に記載する方が良いと思う。また、2024年の基準の最終化に当たっては、フィールドテストを通じた論点やこれまで出た様々な論点をきちんと潰した上でゴーサインを出すのが通常だと思うが、今回の案だとそれがどの段階でどのように行われるかがよく分からない。論点の潰し込みを行う手順は非常に重要だと思う。
  •  ○ 実際に規制を導入するとなると、規制のデザインが有効に機能していることを担保する仕組み、つまりは適切な適用や運営との観点が重要になる。妥当性検証態勢について、欧州のソルベンシーⅡでは、多くの国が外部検証を実施しているほか、EIOPAの報告書でも、外部検証の有効性が報告されている。計算ロジックが妥当でも、そこにインプットされた前提条件やデータが正しくなければ、算出された結果は正しくないこととなるため、その妥当性を考える上では、独立した第三者の目は非常に重要だと思う。今後、独立した第三者の検証について検討する上では、リソースのほかにも、フレームワークや依るべき基準を作る必要があり、それには一定程度時間がかかる見込みであることも考慮するのが望ましいと思う。
  •  ○   MOCEについて、資料①p.9において、所要資本から控除しないとの記載があり、先ほど他のメンバーからそれが妥当とのご意見もあったが、私の理解としては、MOCEを負債に計上する一方で、所要資本からMOCEを控除しない場合、MOCE分も更に適格資本でカバーしないといけなくなるため、二重になるのではないかとの意見が業界の主張だと思う。個人的には妥当性を合理的に説明できるのであれば良いと思うが、ICSを見てもその辺りの説明はないため、ICSと同様にするのであれば、根拠を明確にした上で議論した方が良いと思う。手法については、パーセンタイル法では単年度のリスク量で判断するイメージになるが、保有する商品の保険期間の長さに応じて、会社により平均デュレーションが異なる可能性があるが、それがパーセンタイル法で適切に反映できるかという点は検討の余地があると思う。
  •  ○ 政策的な措置について、どちらかというと恒久的な措置としてのイメージがあるが、一方で、規制導入時の経過措置としても今後のフィールドテストを通じて検討してはどうか。また、資料①p.13に記載の「監督介入措置に一定の柔軟性を持たせる」とのやり方のほか、政策的な措置に係る影響額について(開示の中で)注記するとのやり方も考慮の余地があると思う。数値は公表されるとひとり歩きするほか、営業の現場では規制上の数値も比較対象の1つになっていると思うので、フィールドテスト等を通じて、数値を公表することがマーケットにどのように受け止められるのか、場合によっては誤認を与えかねないのではないかとの観点も含め、経過措置や政策的な措置の必要性や使い方については慎重に検討する必要があると思う。
  •  ○   資料①p.7に、ICSの基本的な構造は共通として今後進めていく、とあるが、それは「ICSと国内基準が同じ計算システムで運用できるレベルのもの」という意味合いだと理解しており、そこが異なると、システム対応が根本的に異なってしまうため非常に大きな差異となる。
  •  ○ 国内規制における必要な修正について、連結と単体の差異はよく見ておいた方が良いと思う。例えば、子会社株式は連結財務諸表には記載されないが、単体の財務諸表だと資産側に記載される。つまり、ICSをそのまま国内の単体基準に入れる場合、ICSでは想定していないものが財務諸表に記載されることとなるため、テクニカルではあるが、その取扱いは必ず議論しなければいけない論点だと思う。
  •  ○ 国内の保険会社の実績データに基づきリスク係数のカリブレーションを行うことについては、それはそれで良い一方で、例えば、ICSではリスク係数20%のものが日本の基準では10%が正しいということになった場合には、ICSに働きかけていくことが必要だと思う。
  •  ○   資料①p.2のタイムラインについて、色々な形で論点が切り分けられており、保険会社として準備を進めるという点で非常に良い一方で、2020年から2024年の基準の最終化までの4年間のどこかで中間ラップを刻んだ方が良いと思う。例えば、2022年にもう1度有識者会議を開催するなど中間地点を定め、それに向けて残る課題を整理し基準化に向かっていく、とのプロセスを明確にする方が良いと思う。
  •  ○ 今回タイムラインが示されたことは非常に重要な前進であり、これにより、あるべき姿に向けた正しい準備が保険会社各社で進むことを期待する。他のメンバーからもご発言があったように、保険会社が経済価値ベース規制にフィットするようなKPIにスムーズに移行できるかが重要な課題であり、実質資産負債差額規制の問題に加え、基礎利益についても検討することが必要ではないか。生命保険会社の経営におけるKPIは基礎利益の比重が非常に高いが、基礎利益を追求する経営と経済価値ベースの考え方にフィットする経営には平仄が合わないところがある。経営者目線に立つと、基礎利益は非常にコントロールがしやすく、ヘッジ付外債の収益に為替コストを反映しないことを利用すると、経済的実態に伴わない補正が可能となり好都合であるが、基礎利益という指標がより経済的実態を反映するよう、早めに見直すべきだと思う。
  •  ○ 資料①p.10に記載のとおり、基金については、相互会社にも配慮し、満期10年以上のもののTier1 Limited への算入が認められている。真の経済価値ベースで資本を評価した場合、こうしたハイブリッドキャピタルと呼ばれるものは、相互会社基金であれ劣後債務であれ、基本的に自社のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のプロテクション買いとシニアデットの組み合わせとなるが、経済価値としての資本への貢献は、CDSの含み益部分しかない。将来的に真の経済価値的なリスク管理が相当程度進展した状態では、適格資本にハイブリッドキャピタルは入ることはないと思うため、足元で期間の長いハイブリッドキャピタルを調達することは、将来的に(経済価値の観点からは)無駄になる可能性もある。なお、誤解がないように申し上げたいのは、ハイブリッドキャピタルを適格資本に入れることに反対している訳ではなく、経済価値で考えた場合、ハイブリッドキャピタルの条件はもっと緩和することが理論的に主張できるのではないかということ。保険会社に期間10年以上のものを発行させ、この低金利環境下で高いスプレッドを払わせる必要性はない。実際に経済価値ベース規制を安定的に運営していく上で、相互会社基金などのハイブリッドキャピタルの調達は一定必要であるため、適格性の条件については今後検討すべきだと思う。
  •  ○ タイムラインについては、欧州の議論を必ず注視すべきであり、重要な観点として、レベルプレイングフィールドの問題がある。1つの例として、補外開始点の設定があり、当該年限の債券のマーケットにおける厚みと流動性がポイントになる。欧州では、残存期間30年の厚みと流動性が20年よりも高いにも関わらず、補外開始点は20年が適用されている。現在、EIOPAでは延長に向けた検討が進められており、今後我が国で制度設計をしていくに当たっても、欧米の主張などの背景を見ながら、検討すべきだと思う。
  •  ○ 保険会社の実績データに基づくリスク係数の導入について、現在各社の内部管理では経済価値ベースの指標を経営に使っており、相互会社の配当水準の妥当性の検証にも活用されているが、それはリスクと保有契約価値が整合することで初めて可能となる。一方で、これまでのフィールドテストでは画一的なリスク係数が使用されており、こうした配当水準の妥当性の検証が行えない状況である。新たな規制のもと、契約者配当の充実を図るためには内部モデルが必須となるが、内部モデルの承認には、相当の時間と労力を要するため、標準的手法自体への各社の実績データに基づくリスク係数の導入を検討すべきだと思う。
  •  ○ タイムラインにおいては、今後の準備期間の中でワーキンググループなどの形立ったものを立ち上げ、そこに必要な専門家や実務家を入れ、検討を進めていくということをしっかり示すことが重要だと思う。
  •  ○ 改善取組期間について、低金利環境下では、将来のリスクがどのタイミングで発生するかを見ておかなければ、将来20年後、30年後のリスクであっても、割引率次第では手前に計算されてしまうため、そうしたものも考慮しながら、改善取組期間等を決めていかなければならないと思う。
  •  ○ リスク係数については、設定根拠が分からないものをそのまま使うというのは保険会社にとっての納得感がないため、考え方がしっかり分かるよう整理する必要があると思う。
  •  ○ 保険負債の妥当性検証については、その目的や必要性をきっちり打ち出して行く必要があり、手法の例示のほか、その手法を使用するのであれば、作成者や検証者の身分が保証され、妥当であることが証明されるとの運営側の明確さも合わせながら考えなければならないと思う。
  •  ○ MOCEについて、先ほどからパーセンタイル法なのか資本コスト法なのかとの議論があるが、いずれの方法でもしっかりとした手法を使えば、適切にリスクマージンの評価はできるものと考える。先ほど他のメンバーからご指摘があったように、ICSのパーセンタイル法では、生命保険会社のデュレーションの長い部分が上手く反映されないのではないかという点はあると思うが、MOCEは保険負債にカウントすべきではなく、マージンとして見るべきだという議論がある中、(現在のICSの仕様は)ある程度の綱引きの結果出来た部分もあると思うので、最終的にICSで実現するとの視点も含め、今後議論する必要があると思う。
  •  ○ 保険負債の価値にリスクマージンを入れるか入れないかという話は、昔からある伝統的な議論である。IAISでは過去コーナーストーンペーパーというものが出されており、当時から続く経済価値の思想は、保険契約の価値を清算価値ではなく移転価値で整理するもの。ソルベンシーⅡの思想もSCR(PCR)では移転可能性が考慮されており、本会議の議論がPCRをベースにするのであれば、負債にMOCEを入れることは別段おかしいものではないと思う。
  •  ○ 規制をICSになるべく揃えたいとの気持ちはあるが、何らかの政策的・政治的な理由でICSが最終合意できないような事態が生じた場合でも、我々としてある程度議論が整理されているのであれば、2024年の基準の最終化、2025年若しくは2026年からの計算開始というのは、かなりの蓋然性で、強い思いでやるということで考えるべきである。
  •  ○ 経済価値ベースの規制が導入されると、相応に市場に影響があるということを認識しているのであれば、むしろ早めの準備を促すようなことが必要だと思う。規制導入が条件付きであると、現場で経済価値ベースのKPIを導入したいと考えている方々が前に進めなくなる危険があると思う。経済価値ベース規制を導入するために何をすべきかをもう少し前広に考えていく必要がある。保険会社に対して強く促していく方策がなければ、いつまで経っても難しいからできない、インパクトがあるからできない、との話になってしまい、ひいては、保険会社のリスク管理の高度化が遅れることにも繋がってしまう。
  •  ○ 2025年からの規制導入を原則としてタイムスケジュールを作るのが妥当だと思う。日本として経済価値ベースは大事であるため、2025年から導入することを合意し、日本が他国と協力しICSの2025年の最終合意を目指す、もし必要が生じた場合はその時に調整すれば良いと思う。
  •  ○ 2025年の規制導入というタイムスケジュールが出たことはとても分かりやすく良いと思うが、思ったより時間がないなというのが正直な感想である。例えば、第1の柱を検討する上では、様々な立場の保険会社の実務担当者の方からも広く情報を集め、議論を重ね数字を決めていくような形でなければ、時間がないのではないかと感じた。また、この本会議でどこまで決めて、どこまでの枠組みを提示していくのかを整理した方が良いと感じた。
  •  ○ 時間はタイトかもしれないが、これまで我々は何度も議論を重ね、方向性も見えてきている。もう少し具体的なタイムラインを定める必要はあるが、個人的には2025年には達成できるものだと感じており、保険会社においても、数回のフィールドテストを通じてかなり予行演習ができているのではないか。また、どこかでフィールドテストという名称を変えることも、実施に向けて進んでいるとの危機感も出て良いのではないか。
  •  ○ フィールドテストで保険会社は数値を提出しているものの、実際に規制となると、データガバナンスの問題のほか、様々な投資をしなければならないため非常にコストがかかることになる。投資を始める時期が重要となるが、これまで手法や係数の変更が繰り返されて来たため、会社により違いはあるかもしれないが、基本的には手作業で作業している状況である。
  •  ○ タイムラインについて、IAISでは2023年にインパクトスタディーを実施する予定であるが、もう少し実施時期は早い方が望ましいと思う。インパクトスタディーの結果を踏まえ、問題なければ導入するというのが自然であり、その意味でも、2022年か2023年にインパクトスタディーを実施した上で、大きな影響はないということを確認するとのステップがある方が望ましいと思う。
  •  ○ 妥当性検証については、今回のフィールドテストで初めて保険会社も保険負債の検証レポートを作成した状況であり、実際に作成して初めてガバナンスの不足やシステム化すべき点などに気づいた面もあると思う。数字が出来ていることと、実際に開示できるかという点については、今後議論を進めていかなければいけないと思う。
  •  ○ 計算は出来ているという点について会社により濃淡はあると思う。大規模な会社は相応のリソースがあるかもしれないが、中小規模の会社は、現在の提出期限でもギリギリであり、尚且つ外部リソースも使わないといけない社もあるため、そうした中小規模の会社も含め、どこまでやらせるのか、提出時期はどうするかなど、実施までにはまだまだ課題があると思う。
  •  ○ 保険会社側が内部管理で使用するモデルはシステム化が随分進んでおり、それほど時間がかからず経済価値ベースの数値は算出できる。一方で、フィールドテストはこれが永続的となるか分からないため、手作業などで対応をしているのが実情である。やはり基準が最終化された後でなければ、ガバナンスや人、システム投資などの決断のタイミングは難しく、そのタイミングをしっかり見極められるものを上手くタイムラインに示すやり方で進めて頂ければ良いと思う。
 

以上
 

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 Tel 03-3506-6000(代表)(内線3405、3496)

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