経済価値ベースのソルベンシー規制等に関する有識者会議(第8回)議事要旨及び資料

議事要旨

1.日時:

令和2年2月13日(木)10時00分~12時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館 12階 共用第2特別会議室

3.場所:

第8回会合では、構成メンバー等に加え、下記2名がオブザーバーとして参加

 岸本 巌   ライフネット生命保険株式会社 執行役員 数理部長
 百瀬 由美子 アニコム損害保険株式会社 取締役専務執行役員

                             (敬称略・五十音順)

4.議事内容:

冒頭、事務局による資料説明(資料①)、宮本オブザーバーによるプレゼンテーション(資料②)が行われた。続いて、以下のような議論が行われた。

  •  ○ 資料①p.9のタイムラインについて、2022年に線を引いたことで、これからのアクションプランが明確になったほか、2025年まで時間がそれほどあるわけではないことも鮮明になった。例えば、内部モデルの審査とか妥当性検証などの態勢整備には非常に時間を要するため、本会議である程度の方向性が固まれば、技術的な論点はできるだけ速やかに当局で準備を進め、2022年までにある程度しっかりとした形にすることが重要である。
  •  ○   経済価値ベース規制を導入すると、アクチュアリーの役割が一層重要になるが、アクチュアリーのガバナンスは非常に難しく、海外ではアクチュアリーのミスジャッジが保険会社の倒産要因となった事例も見受けられる。アクチュアリーの判断は専門家以外には分からない部分もあるため、アクチュアリーの専門知識を尊重しつつ、如何に確固としたガバナンスを構築するかが重要なテーマだと思う。
  •  ○ 資料①p.13において、検証機能のリソースの問題に言及されているが、保険会社において、リスク管理の柱である負債の十分性を検証できないので外部に委託するということはあってはならないことだと思う。また、前回会議で他のメンバーからも発言があったように、妥当性検証の最終的な拠り所は当局であるため、当局においても負債の十分性を検証する態勢・リソースを整えていく必要がある。保険会社がしっかりとした検証のできる内部態勢を作ることが重要だが、内部態勢には限界があるため、外部のアクチュアリーが検証する態勢を構築することも必要であり、最後に当局がそれを見て検証するという、何段階かの検証体制が必要だと思う。
  •  ○ 資料①p.3に「リスク係数水準の調整やリスク区分の細分化」について検討していくということが書かれているが、そのほかに(ICSでは考慮されていない)長期損害保険が漏れているのではないか。
  •  ○ 資料①p.4の「単体規制等に係る調整」については、日本国内で活動する海外グループ会社等にも影響するため、今後検討すべき重要な論点だと思う。
  •  ○ 資料①p.8のMCRの計算手法について、PCRと抜本的に異なるものを作ってしまうと、PCRには抵触しないもののMCRに抵触するなど、妙なことが起こる恐れもあるため、計算上の除外項目を設ける等の差異はあるかもしれないが、一定の一貫性は必要だろう。
  •  ○ 資料②に関して非常に賛同する部分が多い。従来の方法よりも大変になることは比較論ではその通りだと思うが、自社商品の将来キャッシュフローがどうなるか、ルールで定められたものさえ計算できれば経営陣やステークホルダーが納得するということは本来的にはないはずである。経済価値ベース規制を導入する目的として、保険会社のリスク管理の高度化に資するとの意見があるが、妥当性検証もその一環であり、非常に大変でリソースが必要であるが、全てを外部に丸投げするにはいかず、2025年のタイムラインに向けて、必要な部分は外部の力も借りながら内製化を目指していく必要があると思う。
  •  ○ 資料②p.16に「経営陣とのコミュニケーションツールとしての活用も期待される」とあるが、現状活用されていないのであれば問題であり、意識改革を図るためにも、経済価値ベース規制を導入することを明確に示し、前に進めていくことが重要だと感じた。
  •  ○ 資料①p.3に「検討過程の透明性を高める観点からは、ある程度詳細な情報を公表していくことが必要か」とあるが、出てきた数値がマーケットでどう受け止められるかは重要であり、教育的な側面も含め、今後検討すべきだと思う。また、外部検証を行う上では、規制の出来上がる過程でどういう議論があり、どういう考え方に基づいたのかが重要になる。保険会社だけでなく、外部検証者など本規制と関わりのある方々も含め、一定程度情報シェアしながら進めていくことが、本規制を上手く導入する上では重要である。そうした点も含め、どの範囲で、どの程度の情報を公表していくかは今後検討していく必要がある。
  •  ○ MCRについて、他のメンバーからも発言があったように、経済価値ベースが実態を表し、それに基づいてPCRが設定されるのであれば、MCRもその延長線上で設定されるほうが実態を表すとの側面はあると思う。一方で、実際の破綻となると、簿価ベースで作成された決算書が影響するため、時価ベースのMCRと比較のベースが違うこととなる。そうした中で、法的な破綻ではないが、MCRに抵触してランオフなどのその前段階での規制対応を考えた時に、簿価ベースの数値と時価ベースの数値との間で上手く機能するかというのは気になる点である。
  •  ○ MCRについて、資料①p.9のタイムラインにおいて、2022年までの間に「フィールドテストを通じ、PCRとMCRを同一の計算手法に基づいて決定した場合の有効性、妥当性を検証」とあるが、この過程では、MCRがPCRの延長というだけではなく、それ以外の方法とも比較・検討した上で、残りの2022年以降で精緻化を行わなければ、タイムラインが間に合わなくなる可能性があると危惧する。
  •  ○ 資料①p.13の「検証機能の独立性」について、会計監査の世界でも独立性、その中でも精神的独立性が一番重要である。同頁に「アクチュアリーのプロフェッショナリズムへの期待」とあるのがそれと近いものである。一方で、精神的独立性は目に見えず保証できるものがないため、それを担保する意味でも会計監査のフレームワーク上は外見的独立性(経済的なものも含めた重要な関係性を持っていないこと)が重要とされる。経済価値ベースの数字を経営だけでなく、第三者であるマーケットや規制で使う場合にも、(同じ理由で)外見的独立性も重要になると思う。計算を行う人、チェックする内部の人、更にそれを外部検証する人と、複層的に妥当性を担保する必要があり、特にプリンシプルベースで計算結果に幅があるとなると、バイアスがかからないような仕組み作りは重要だと思う。
  •  ○ 資料①p.14に「IFRS任意適用社では、IFRSの会計監査をベースにした効率的な検証ができないか」とある。一定程度可能性はあると思うが、やはり任意適用ゆえの限界はあると思う。どれだけの会社がIFRSを適用するかとの側面もあるし、IFRSを適用したとしても連結決算のみが対象となり、単体財務諸表に会計監査人が意見を出すことはおそらくない。一定程度効率的にするのであれば、仕組みとして単体財務諸表まで外部検証を求めることを考慮しなければ、あまり効果的ではないと思う。なお、欧州のソルベンシーⅡでは、実際に外部検証を制度化している国も多数存在するほか、最近のICSの動向を踏まえ、現在外部検証を導入していなくても今後導入する方向で検討する国もあると聞く。外部検証の重要性は浸透してきていると考える。
  •  ○ 妥当性検証について、保険負債をどう計算するかとのデザインについては日本アクチュアリー会で、関係者ともある程度シェアしつつ作成することが現実的である。実際にデザインに基づき運用がなされているかという点については、外部検証者は細かい部分まで分からない面もあるかもしれないが、一定程度外部の目を入れることで、数値の妥当性を担保するとの二段構えは重要だと思う。
  •  ○ 経済価値ベースの保険負債を計算することは、見えないことを見える化する、透明化である。監査法人も含めたマーケットが、その保険会社を見て、どれくらいリスクがあるか、そのリスクに対する適切な態勢整備や対応策を行っているのか、また、消費者から見た場合、自分の買った保険のリスクがどれくらいで、それに見合ったリターンとなっているかなど、特に長期保険の場合は今まで不透明であったため、情報開示の中で見える化することが重要である。加えて、外部であるマーケットが適切に判断できる材料が提供されているか、そうした部分を軸足にしなければ、投資家や消費者にとっては、単に複雑なものを提供しただけになってしまう。つまりは、外部のガバナンスが重要である。
  •  ○ 契約者保護のために導入される指標となると、あまりテクニカルな数字を開示されても契約者は理解できない。第3の柱の論点だが、例えば、東日本大震災やリーマンショックと同じようなことが起きた時にESRがこれくらい確保されているから大丈夫であるなど、契約者に分かりやすい開示の視点も含め、今後検討すべきだと思う。
  •    ○ 他のメンバーからも意見があったが、資料①p.14の効率的な検証について、ガバナンスに関しては既存のものを一定流用できると思うが、IFRSの会計監査は幅があり、高度な専門性が必要とされる分野であるため、そのまま使えるかというと色々な議論があると思う。また、レベル感の問題もあり、例えば、M&Aで経済価値ベースの保険負債を精査しようとすると、セカンドオピニオンではないが、専門家の意見を別途求めるのが一般的である。加えて、会計との関係では、ソルベンシーⅡの事例では、ソルベンシーⅡとIFRS17は似ているが異なる部分もあり、最近のEIOPAのレビューでは保険負債の統一化に向けた検討が断念されている。特に手法や前提条件などは目的に応じて適切なものを使い分ける必要がある。更に、IFRSは任意適用かつ連結決算が対象であるため、利用できる会社が限定的との話があるが、現状でもEVの公表の有無は会社により分かれており、EVで使用する手法を経済価値の計算で使用する例は結構ある。EVや内部モデルの構築には相当程度専門知識が必要であり、定期的に外部検証を行う会社もあると思うため、そうしたものを効率的に活用することも考えられる。IFRSを任意適用する会社は、経済価値の仕組みをIFRSにフィードバックするなど、両方で活用できるようにすることで効率性を確保するとの考え方もあると思う。
  •  ○ 資料①p.7の「MCRの位置付け」について、他のメンバーからも意見があったように、MCRが本来あるべきESRの制御を邪魔するものであってはならない。ソルベンシーⅡではMCRに関して強靭性や客観性の要件を求めており、日本でもMCRで強い行政命令を発することができるということになると、やはり何らかの強靭性や客観性の要件は必要だと思う。
  •  ○   MCRをPCRベースで考えた場合、非常に個別性の高いPCR、あるいは内部モデルとなっているPCRをベースにMCRという強い行政命令の根拠として実効性を持ち得るかとの議論もあると思う。
  •  ○ 資料②p.13において、ガイダンスを作成する上で個別性か統一性かとの論点があるが、個別性を広く扱ってしまうと、内部モデルの判断基準と重なってしまう可能性があると思う。
  •  ○   経済価値を計算するときに、何故それを自社のベストエスティメイトと考えたかのアクチュアリーの見解は必要であり、ホワイトリストの例示に留まらず、何らかのチェックポイントのようなものは必要だと思う。
  •  ○ 資料②p.8において、日本特有の事情として、金利が挙げられているが、日本のイールドカーブの状況は欧州との対比でも決して特異なものではない。あまりそこが特別とは考えず、欧州の事例も参考にしながら検討していくのが良いと思う。
  •  ○ 妥当性検証について、ガイダンス作成の推奨は検証を行う立場からは大変有難い。実際に欧州の投資家から聞かれるのは保険負債の妥当性であり、特に手法に関してである。数多くの手法がある中で、何故この手法を選択したかは自社の検証だけでは担保できず、外部の知見に頼らざるを得ない部分もあり、ガイダンスを作成する上でもこの点は限界としてあると思う。
  •  ○   第3の柱について、消費者に分かりやすい単純なもの、との意見もあったが、欧州ではソルベンシーⅡに関する詳細なレポートは消費者ではなく投資家が見ている。保険というものはそもそも難しく複雑なものであるため、その複雑さを前提に説明せざるを得ず、投資家が満足するような開示は必要だと思う。欧州でも開示を多少簡素化する動きがある一方、資本の変動要因や感応度などの重要な部分については、共通の切り口でより詳細に開示すべきとの議論がある。
  •  ○ 妥当性検証に関するガイダンスについて、多少具体的な形で良いものと悪いものを設定するとの意見には賛成である。そうしたものがあれば、仮に内部モデルで計算していても外部からは信用しやすくなる。例えば、金利についてはマッチングプレミアムも考慮するのだろうが、上限に関するガイドラインを設け、それが当局資料で開示され、保険会社の数値を見ることができるというのが重要だと思う。
  •  ○ 今後、経済価値ベースが主流になれば、EVレポートをやめる会社も出てくるだろうが、そうした場合、保険負債の計算方法やディスクロージャーの仕方など、経済価値ベースの資本比率に関する説明は非常に重要であり、一定複雑なものとなっても我々が理解するよう努力しなければいけないと思う。
  •  ○ MCRは経済価値ベースで行うべきだと思う。生命保険会社の場合、JGAAPはあまりに実態と乖離しているため、現行の破綻法制を見直すことも避けられない方向かと思う。
  •  ○ 資料①p.5に、「政策措置や経過措置は2022年以降に本格的に検討を行う」とあるが、IAIGとなる会社の場合、国内規制と国際規制は一致することが望ましいため、2022年を待たずに検討を開始し、ICSの中での実現を目指すべきだと思う。それ以外の「第1の柱に関する今後の検討の進め方」には基本的に賛同するが、この検討が、国内規制と国際規制が異なることを前提に検討するものではないことを確認させていただきたい。
  •  ○ 妥当性検証について、保険数理機能に関してはICPにかなり詳細も含め規定されていると理解している。そのため、国内でこうあるべきとの議論は重要だが、まずはICPに関しては基本的に従う必要があり、仮に単体に関しては現行の保険計理人制度が一定ICPを満たしていると考えるのであれば、まずはグループベースに関する検討が必要と思う。他のメンバーから外部検証との話もあったが、まずは保険会社としては、ICPを踏まえ、保険数理機能について、社内でどのような確認態勢を整備するかも含めしっかりと準備していかなければならないと理解している。
  •  ○ 本日の議論は、外部にどう見せるかの手前の段階として、正しい線の引き方、どういう数字に対して線を引くべきかとの原則・考え方及びルール決めの段階だと思う。言い換えれば、現在活用する数値では社内でも社外でも保険会社が大丈夫かどうか見えにくいため、それをクリアにする段階ということ。他のメンバーから懸念点として挙げられた、外部にどう見せるかも重要な論点であるが、第3の柱のテーマ回で議論すべき内容だと思う。また、過去のストレスシナリオの活用など、契約者に分かりやすい開示というのも良い視点だと思う。結果であるESRの数値がまずあって、詳細に見たい人には、その裏にある計算の基礎が細かく見ることができるとのステップを作ることが考えられるが、そこを両立させるための工夫が必要かと感じた。
  •  ○ 中小規模の保険会社の問題として、ペット保険市場は保険料ベースで毎年2桁台の成長を遂げており、単独の保険商品として市場規模は十分な規模に達していると思うが、現在のフィールドテストではペット保険は個別種目が設定されておらず、保険料リスク係数が35%の「その他」の項目に含まれている。「その他」の項目には、原子力・風水害などのリスクの高い商品群が含まれているが、ペット保険は人間の健康保険制度と似ており、利用限度額や利用回数にも上限を設けているため、ハイリスクには当たらず、ペット保険に対し多額の自己資本を求める形となっている。実際に過去の損害率実績を基に自社の内部モデルで算出すると、保険リスク係数はフィールドテストよりも低い水準となるため、新規制においては、フィールドテストを通じて各社の実態を把握した上で、標準モデルの中にペット保険区分を新たに設けるなど、リスク特性や個社特性を踏まえた制度を検討すべきである。
  •  ○ 中小規模の保険会社は、取扱商品が限られるため、全社平均と比べリスク特性に偏りがあると思う。例えば、解約失効リスクの場合、商品性や解約返戻金の有無でリスク特性は異なるが、それを一律の係数で計算してしまうと実態と合わなくなるため、配慮は必要だと思う。また、内部モデルを使用する考え方もあるが、リソースの問題が悩ましい。新規制下ではアクチュアリーの需要は増加すると考えられるが、人材の確保がより難しくなると思う。妥当性検証についても同様であり、会社の規模やリスクの複雑性に応じた一定の配慮を検討すべきだと思う。
  •  ○ 妥当性検証について、歴史が証明しているのは、内部検証には限度があるということ。会社が上手くいっているときは良いが、難しい局面に陥った時に、内部検証態勢の独立性を維持するのには限度がある。また、外部検証の独立性にも限度があるため、最後の拠り所は当局になると思う。当局がそれぞれの検証態勢の限度を理解した上で、監督する必要があり、検証を行う重みは非常にあるため、当局の態勢整備が重要である。
  •  ○ 外部検証と言っても、アクチュアリーが複数居れば考え方もそれぞれ異なる。また、外部専門家も一定程度複数社を見ている部分はあるが、他社の実務事例を知ることは相応にハードルがあるため、全社を見ることのできる立場の当局から、各段階でフィードバックする必要があると感じた。
  •  ○ 経済価値の考え方は非常に難しいため消費者も勉強しなければいけない。本会議での議論を通じて感じているのは、ディスクロージャーを見える化・透明化することで、何か新しい産業や会社が生まれてくるのではないかということ。
  •  ○ 資料②p.13のガイダンスの個別性と統一性について、個別性を意識するのはペット保険も同じだが、個別性というレンジをどこまで広げるかとの議論と内部モデルをどう考えるかの議論は常に背中合わせにあり、その意味では、内部モデルをどうするかはガイダンスにおける個別性の幅が決まってからの順序になるのではないか。内部モデルを先に決めてしまうと、標準モデルにおけるガイダンスの幅の定義が難しくなると思う。
  •  ○ 他のメンバーからも意見があったが、内部モデルは個別性の反映と非常にリンクしている。例えば、ペット保険に関してもある程度の規模があれば、一定発生リスクも収束し、変動リスクも把握できると思うが、ペット保険には小規模な会社も多く、そうした会社で果たして同様のレベルまで収束しているかとの懸念もある。もしバラツキがあるのであれば、ペット保険用のテーブルを作ることが本当に妥当か検討の余地がある。バラツキへの対処の仕方として、1つの汎用テーブルを作るのか、内部モデルで対応するのかがあるが、まずは、そもそもテーブルのカバー範囲はどうあるべきかを検討した後で、内部モデルでそれ以外の範囲をカバーするなど、考え方の順番も含め、検討の余地があると感じた。
  •  ○ 今日参加いただいた国内の中小社等については、金融庁で対話を行いつつ、手法の調整等を検討していくことでよいのではないかと思う。少し細かい論点だが、日本でも再保険会社が積極的に業務を行っているため、再保険会社の集中リスクやオペリスクが大きく計算されている点も重要な論点だと思う。自然災害が増加しており、損害保険会社も再保険が活用できないと困るため、個別の対話が必要である。再保険会社の多くが欧州に所在し、ソルベンシーⅡ規制に従い業務を行っているため、そうした会社と対話することは我々にも参考となり、日本の再保険のキャパシティー確保という点でも重要だと思う。
  •  ○ 再保険会社だけでなく国内元受会社においても、グループ全体でのリスク管理や最適化の観点からグループ内再保険を行っており、単体規制の中で予期せざる大きなキャピタルチャージが発生すると、グループ全体のリスク管理で問題が発生することにもなるため、実態を踏まえた対応や調整を今後検討すべきである。
  •  ○ 妥当性検証について、本日の議論で感じたのは、最終的な拠り所としての当局の役割が重要であると同時に、リソースの問題があるのではないかということ。更に、当局だけではなく、大切な主体は経営者であり、経営者が使えないものを算出しても意味がないため、経営者が使えるものというのが、モデルや数値の妥当性にとって肝要な点だと感じた。
 

以上
 

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