決済高度化官民推進会議(第1回)議事録

1.日時:

平成28年6月8日(水)10時00分~12時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

【森下座長】

それでは、定刻になりましたので、ただいまより決済高度化官民推進会議第1回会合を開催いたします。皆様ご多忙のところご参集頂きまして、まことにありがとうございます。

このたび推進会議の座長を務めることとなりました、上智大学の森下でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

初めに、池田局長及び岩原金融審議会会長よりご挨拶を頂きたいと思います。まず池田局長、お願いいたします。

【池田総務企画局長】

委員の皆様方には、本日はお忙しい中お集まりを頂きまして、まことにありがとうございます。初回の会合に当たりまして、一言ご挨拶を申し上げたいと思います。

決済業務等の高度化につきましては、金融審議会におきまして一昨年の10月に設置しました決済業務等の高度化に関するスタディ・グループ、そしてそれを改組しましたワーキング・グループにおきまして、大変充実したご審議を頂きまして、その結果を昨年12月に報告書として取りまとめて頂いたところであります。

この報告書の中でお示しを頂きましたご提言のうち、法制面の課題につきましては、関連の法案を先の通常国会に提出させて頂き、この5月25日に成立を見たところであります。また、この報告書では、決済業務等の高度化に向けたアクションプランとして、法制面以外の課題についても数多くの提言を頂いております。今後は関係諸団体の皆様のご協力等も頂きながら、このアクションプランを着実に実行していくことが重要であると考えております。アクションプランの実施状況をフォローアップし、決済業務等の高度化に向けた取り組みを継続的に進めていくために、今般、この決済高度化官民推進会議を設置させて頂いた次第でございます。

委員の皆様には、これまでもさまざまな形でご協力を頂いてまいりました。そのことに改めて感謝を申し上げますとともに、決済業務の高度化等に向けて、今後とも忌憚のないご意見を頂きますことをお願い申し上げまして、私からのご挨拶とさせて頂きます。どうかよろしくお願いいたします。

【森下座長】

ありがとうございます。続きまして、岩原金融審議会会長、お願いいたします。

【岩原金融審議会会長】

岩原でございます。皆様、本日の会議にご参集頂きまして、まことにありがとうございます。

本会議は、金融審議会決済業務等に関するワーキング・グループ報告が、決済高度化に向け、取り組みの進捗状況をフォローアップするとともに、海外の動向や決済高度化に関するイノベーションの状況等を踏まえながら、継続的に課題と行動を特定し、それらを官民挙げて実行に移していくことが必要であると述べていたのを受けて、それを実行するために設けられたものでございます。決済ワーキングの報告の中で、法改正や行政の改善を求める部分は、金融審議会の中に引き続きワーキング・グループが設けられて、検討が行われるものと承知しておりますが、これに対し、民間の実務の改善を必要とする問題を検討することが、本会議に与えられた使命と考えられます。

中には金融機関等に負担を求める課題も含まれ得ると思いますけれども、金融機関は免許事業として、決済という社会のインフラを担う役割を与えられていることから、そしてまた、フィンテックなど画期的な技術革新の中で、金融機関の金融サービス提供の競争力を維持するためにも、目先は負担になるかもしれませんが、長期的には金融機関にも利益をもたらす改革に協力をして頂きたいとお願い申し上げます。その他関係各位のご協力をお願い申し上げる次第です。

どうもありがとうございました。

【森下座長】

ありがとうございます。それでは恐縮ですが、カメラ撮影の方はご退室をお願いいたします。

それでは続きまして、事務局から、メンバーのご紹介と運営要領案のご説明をお願いいたします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

事務局を務めさせて頂きます、総務企画局信用制度参事官の佐藤でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

まず私から、推進会議のメンバーの皆様を座席順にご紹介を申し上げます。お手元に配席図をお配りしておりますが、委員の皆様方から向かって右側のほうから、あちらのほうにお座りを頂いております。

飯尾秀人様、内田貴和様、内田満夫様、翁百合様、加藤正敏様、河野康子様、古閑由佳様、小林寿太郎様、滝島啓介様、田村直樹様、委員の方ということで、1人お隣を飛ばして頂きまして、長楽高志様、戸村肇様、鳥海厳様、中野征治様、浜俊明様、林和久様、藤井文世様、前川秀幸様、牧野秀生様、山上總様、與口真三様でございます。

また、本日は、参考人及びオブザーバーとしてもご参加を頂いております。先ほどお1人飛ばしてご紹介申し上げましたが、田村委員のお隣にご着席頂いております、三井住友銀行より参考人として北谷展清様でございます。

次いで、オブザーバーの方をご紹介申し上げます。皆様方から向かって一番右側のあちらにお座りを頂いております、財務省大臣官房信用機構課、髙野課長でございます。もう1人、オブザーバーの方で、ちょうど反対側、向こうのほうにご着席を頂いております。日本銀行決済機構局決済システム課、金沢課長でございます。

また、本日はご欠席ですが、もう1人オブザーバーの方、経済産業省産業政策局産業資金課の福本課長にもご参加を頂くことになっております。本日はご都合によりまして、代理として、あちらにご着席を頂いておりますが、産業資金課の須賀課長補佐にご出席を頂いております。

なお、事務局のメンバーにつきましては、金融庁が務めさせて頂きますが、時間の都合もございますので、お手元の配席表をもってご紹介にかえさせて頂きたいと思います。

続きまして、推進会議の運営要領(案)について、ご説明を申し上げます。お手元に、右上に資料2と書いた、A4、1枚紙が配付されていようかと思います。この運営要領(案)ということで、本日、申し合わせという形にさせて頂ければと考えております。

まず、内容につきまして読み上げさせて頂きます。まず第1条、推進会議の運営としまして、決済高度化官民推進会議の議事の手続その他推進会議の運営に関しては、この運営要領の規定するところによる。第2条、推進会議は座長が招集する。座長は、推進会議が招集すべき日時が決まり次第、座長が適当と認める方法により、遅滞なく公表する。第3条、座長は、推進会議の議長となり、議事を整理する。第4条、座長は、必要に応じ、学識経験者、関係行政機関の職員その他適当と認める者の出席を求め、その意見を聞くことができる。第5条、推進会議は公開とする。前項に定めるもののほか、公開に関し必要な事項は、座長が定める。第6条、推進会議の議事録は、会議の都度作成し、公表するものとする。第7条、推進会議の資料は、公表するものとする。最後に第8条としまして、この運営要領に定めるもののほか、推進会議に関し必要な事項は、座長が定める。

以上でございます。

【森下座長】

ありがとうございました。このような進め方でよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【森下座長】

ありがとうございます。それでは案をとらせて頂きまして、今後、この要領で進めるということで申し合わせをさせて頂いたことといたしたいと思います。

それでは議事に移らせて頂きます。本日は、まず事務局から、本会議の趣旨などにつきましてご説明を頂きたいと思います。次に、全国銀行協会の田村委員より、決済高度化に向けた全銀協の取り組みについてご説明を頂き、その後、一括して討議を行います。

それでは、事務局からご説明をお願いいたします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

それでは引き続きまして、私からご説明を申し上げます。お手元に、右上に資料3と書いたA4の横紙、表紙に「事務局説明資料」と書いたものが配付されていようかと思います。1枚表紙をおめくり頂きまして、今回、決済高度化官民推進会議を設置させて頂いた背景・趣旨について、簡単にまとめております。

上の四角に書いておりますが、決済業務等の高度化は、経済の発展に大きな影響を及ぼすものであり、フィンテックの動きが進展する中、利用者利便の向上や国際競争力強化の観点から、強力に決済インフラの改革や金融・ITイノベーションに向けた取り組みを実行していくことが重要であろうと考えております。

こうした大きな背景を踏まえて、先ほど当方の局長及び岩原会長からもお話がございました、昨年末に金融審議会「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」でお取りまとめ頂いた報告においても、こうした決済業務等の高度化に向けた取り組みを、官民挙げて実行に移していくための体制の整備が課題とされたところでございます。

これを受けまして、矢印の下でございます。ワーキング・グループの報告書で示された課題、いわゆるアクションプラン、今後、どういった時間軸で、どういう項目を実行していくのか、そのアクションプランの実施状況をフォローアップし、また、決済業務等の高度化に向けた取り組みを継続的に進めるため、金融界、産業界、個人利用者、行政など、決済にかかわる幅広いメンバーの方にご参画頂いて、官民推進会議を設置したという次第でございます。

もう1枚おめくり頂きたいと思います。その次のページに、決済高度化のためのアクションプラン、先ほど昨年の報告書でまとめられたものと申し上げました。報告書自体は文章でずっと書いておるのですが、その中で、今後取り組むべき項目と、その時間軸というものを、これは事務局におきまして簡単にわかりやすくまとめたものでございます。

報告書の分野ごとに、濃い青で幾つかの大枠の分野を書いております。例えばリテール分野、金融・ITの融合に対応した決済サービスのイノベーションということで、例えば複数銀行による携帯電話による送金サービス、これを2015年度より検討を進めていく。または、ブロックチェーン技術とかオープンAPIのあり方等、これも検討を進め、しかるべきところで報告書を取りまとめていくということが、昨年提言をされております。

また、業務横断的な法体系の検討ということは、今後、時間軸をもう少し長目にとって検討を進めていくということでございます。

また、ITの進展等を踏まえた現行制度の見直しということでは、先ほど局長の挨拶の中でも触れられておりました、本年の通常国会に法案を提出いたしまして、先般、成立をしたところでございます。

それ以外、例えばホールセール分野におきまして、邦銀のCMS、キャッシュ・マネジメント・サービスの高度化とか、外為報告の合理化など、その他、電子記録債権の活用に向けて等々が、項目として挙げられております。

また、右のほうに目を転じて頂きますと、決済インフラということで、例えばXML電文への移行について、2018年ごろを目途に新システムを構築し、2020年までにXML電文に全面移行するといったことが書いております。小さい字で書いていますが、企業間送金が対象ということでございます。

そのほか、クロスボーダーでの決済環境の実現ということで、送金フォーマット項目の国際標準化等の課題が規定されております。

それ以外に、情報セキュリティのあり方、仮想通貨、ここにつきましては、先般の法案で仮想通貨に関する法制度を整備して、今後、施行を待っているところでございます。

最後に継続的取り組みに向けた体制整備ということで、先ほど申しました官民挙げての実行のための体制の整備ということで、この推進会議を立ち上げさせて頂いたということでございます。

その次のページ、3ページとあります。今申し上げましたアクションプランの中では、法制度の整備にかかわることとか、あるいは法制度の整備にかかわらない、官民挙げて実務的な視点も踏まえて取り組むべき課題というのがありまして、この決済高度化推進会議におきましては、こういった実務的な視点、あるいは利用者ニーズということも踏まえてフォローアップしていくことが考えられる主要な課題事項として、大きく十幾つの項目があろうかと思っております。

1つはXML電文への移行、2つ目が送金フォーマット項目の国際標準化、ロー・バリュー国際送金の提供、大口送金の利便性向上、非居住者円送金の効率性向上、また、携帯電話番号による送金サービスの提供、ブロックチェーン技術の活用、オープンAPIのあり方、全銀ネットの体制整備、電子記録債権の利便性向上、邦銀のキャッシュ・マネジメント・サービスの高度化、外為報告の合理化等、情報セキュリティのあり方に関する検討という、一応、主要事項として簡単に整理したものでございます。

その次のページ、アクションプランの全体像として簡単に図式化したものでございます。多岐にわたる項目がありますので、一体これはどういう意味なのかということをできるだけわかりやすくというつもりで作成した図でございます。

真ん中にオープン・イノベーションとございます。決済に携わる方というのは、銀行をはじめ金融機関、それ以外にも、フィンテック企業、IT企業等々、さまざまに考えられるところで、こういうフィンテックが進む中で、オープン・イノベーションを進めていくことによって、利用者利便の向上、また、情報セキュリティの充実ということも求められると思われます。

こういう意味で、オープン・イノベーションの中で、例えばオープンAPI、このオレンジで囲んだ部分が、大体先ほどの前のページで書いた13項目の主要課題でございます。オープンAPIとか、決済インフラを担う全銀ネットの体制整備、このオープン・イノベーションを踏まえた情報セキュリティなどが求められ、こういうことによって、例えば左側、個人も含めた利用者利便の向上ということで、例えば携帯電話番号による送金サービスの提供など、一方で、利用者利便ということは、個人のみならず、法人・企業も含まれているわけですが、右側に特出しをして、企業の生産性向上ということで書いております。

XML電文への移行によって、いろいろな企業の会計処理などをやりやすくする。また、企業が国際展開する中において、クロスボーダーでの送金、キャッシュ・マネジメントを容易にするということで、送金フォーマット項目の国際標準化とか、円送金の効率性向上等々が位置づけられようかと思っております。

さらに、真ん中の一番下にありますブロックチェーン技術の活用とかロー・バリュー国際送金。ロー・バリューに関しましては、個人にとりましても企業にとりましても関係してくるところで、さらに、ブロックチェーン技術が今後どのように活用されていくのか、多岐にわたる可能性はあるものと考えております。こういうものが、どういう利用者利便の向上につながり、生産性の向上につながるか。

いずれにいたしましても、このアクションプランに掲げられた項目、世の中の利便性なり、あるいは経済環境に大きく影響するものであると言えようかと思っております。

その次のページ、5ページをお開き頂きたいと思います。つい先般、6月2日に閣議決定されました「日本再興戦略2016」というものがございます。この「日本再興戦略2016」の中でも、大きな項目として、活力ある金融・資本市場の実現の中で、フィンテックなども踏まえて、決済業務等の高度化について触れられている箇所がございます。

青枠で囲んでおりますが、金融高度化を推進するため、企業間の銀行送金電文を、2020年までを目途に、国際標準であるXML電文に移行する。それによる商流情報の添付を進めるといったこと。さらに、4行目ぐらいにありますが、安価で急がない国際送金、ロー・バリュー送金の問題とか、情報セキュリティに留意しつつ銀行システムと連携した多様な金融サービスの創出を可能とする銀行システムのAPIの公開、そのほかブロックチェーン技術など、官民連携して検討していく旨、キャッシュ・マネジメント高度化に向けた環境整備を進め、これらの取り組みを官民挙げて推進していく体制を整備すると、ここに記載されております。

こうした背景を踏まえまして、今回、この推進会議を設置させて頂いたところでございまして、多岐にわたる検討課題がございますが、ぜひ皆様方の有益なご意見、ご議論をお願いしたいと考えております。

まず事務局からは、以上でございます。

【森下座長】

ありがとうございました。それでは引き続き、田村委員、よろしくお願いいたします。

【田村委員】

本年度の全銀協の会長行でございます、三井住友銀行の田村と申します。本日は説明の機会を頂戴し、ありがとうございます。先ほど佐藤信用制度参事官からご説明頂いた金融審報告書の提言を踏まえました、全銀協としての決済高度化に向けた取り組みについて、説明させて頂きます。

それでは資料をおめくり頂き、1ページをご覧ください。本日のご説明する内容です。最初に全体計画として、ワーキング・グループ報告書の各提言を踏まえた足元までの取組状況と今後の計画について、簡単に説明させて頂きます。その後、テーマごとの取組状況としまして、XML電文への移行、ロー・バリュー国際送金の提供、大口送金の利便性向上の3点について、説明します。

2ページにお進みください。まず、全体計画でございます。※にございますとおり、全体計画は現時点での想定であり、関係者との協議の状況等を踏まえて、適宜見直す場合がございます。

3ページにお進みください。ワーキング・グループの報告書では、利用者利便の向上、国際競争力強化を目的に、決済インフラに関する5つの改革をはじめとする13の取り組みが提言されました。全銀協では関係者と協議しつつ、これら提言を踏まえた具体的な対応について、現在、検討を進めているところです。

まず決済インフラ「5つの改革」の1点目、XML電文への移行についてです。資料の左側に報告書の提言をまとめておりますが、2018年頃を目途に、全銀システムの加盟金融機関が参加する新しいシステムを構築してサービスを開始した上で、2020年を目途に、企業間の国内送金指図について、現行の固定長電文を廃止して、XML電文に移行することが提言されました。

これを踏まえまして、資料の右側ですが、全銀協では本年2月に、全銀協を事務局、金融界、産業界、システム関連事業者、金融庁さん等をメンバーとする「XML電文への移行に関する検討会」を設置し、具体化に向けた検討を進めております。具体的な検討状況につきましては、後ほどご説明させて頂きます。

2点目は、送金フォーマット項目の国際標準化です。ワーキング・グループの報告書では、2016年度中を目途に、国内の決済インフラにおけるアルファベット表記の口座名義や、BICやIBAN、それぞれ銀行識別コード、国際銀行口座番号を指しますが、これらの採用など、利用者が送金先や金額によらず、単一の手続・システムで全ての決済を行うことを想定した場合の論点整理を行うことが提言されました。

これを踏まえまして、全銀協では、本年秋ごろを目途に中間整理を実施して、本年度内を目途に最終報告を取りまとめる計画としております。報告書の取りまとめに向けまして、現在、非英語圏諸国、具体的には欧州やアジアの国々の銀行協会に協力を要請し、各国の決済インフラにおけるアルファベット表記やBIC、IBANの採用状況や今後の計画について調査を進めております。

4ページにお移りください。3点目の国際送金におけるロー・バリュー送金の提供、その下の4点目の大口送金の利便性向上につきましては、後ほどご説明いたしますので飛ばさせて頂いて、5点目の非居住者口座に係る円送金の効率性向上について、ご説明させて頂きます。

ワーキング・グループ報告書では、外為法上の確認義務を引き続き確実に履行できるよう実務的な検討を行った上で、早ければ2016年度中に、非居住者関連の円送金を全銀システムで取扱開始することが提言されました。外為法上、居住者と非居住者の間で行われる支払い等につきましては、たとえそれが国内の円送金であっても、一定の取引に関しては、お客様に外為法上の許可を受ける義務が課されており、銀行にも、そのお客様が必要な許可を受けているかどうかについて、確認することが義務づけられております。そのため、現在、多くの銀行が、非居住者関連の円送金を外為送金として取り扱っているものと思われますが、これを提言にあるように、通常の振込と同様に全銀システムにおいて取り扱う場合、先ほど申し上げた確認義務を銀行がどのようにして履行していくのかについて、現在、会長行において検討を行っているところでございます。

その後、財務省等の関係当局と協議を行った上で、仮に了解が得られれば、ワーキング・グループ報告書に沿って、早ければ本年度中に、全銀システムにおける非居住者関連の円送金の取り扱いを可能にできればと考えております。他方で、現行の法令の解釈ではなく、法令改正等を要する場合には、その是非も含めて関係当局と打ち合わせをさせて頂きたいと考えております。

資料5ページにお進みください。金融・ITイノベーションに向けた新たな取り組みについてでございます。

6点目の携帯電話番号を利用した送金サービスの検討につきましては、我が国でも既に一部の銀行が、キャリアなどと連携して独自のサービスとして提供しているところですが、ワーキング・グループ報告書では、欧米の一部銀行が提供しているような、複数の金融機関が参加する形でのサービス提供について検討するよう提言されました。これを踏まえ、近く全銀協では、各行の関心や提供意向に関するアンケート調査の実施を予定しており、それを踏まえ、本年度中を目途に、全銀協としての取り組みの方向性を検討したいと考えております。

7点目のブロックチェーン技術の活用可能性と課題に係る検討についてです。ブロックチェーン技術は、現在、弊行を含め、さまざまな銀行において、活用可能性の研究・検討が進められておりますが、実用化に当たっては、技術面を含めてさまざまな課題が予想されます。そこで、近く実施を予定している会員各行における取組状況や課題認識などに関するアンケート調査の結果を踏まえまして、論点を洗い出した後、夏ごろを目途に、全銀協を事務局とし、IT事業者等を含む幅広いメンバーが参加した研究会を設置しまして、本年度中を目途に、課題解決に向けた提言を含めた報告を取りまとめたいと考えております。

その下の8点目のオープンAPIのあり方に関する検討につきましても、先ほどと同様にアンケート調査を実施の上、夏ごろを目途に、全銀協を事務局とし、IT事業者等を含む幅広いメンバーが参加した研究会を設置して、本年度中を目途に、課題解決に向けた提言を含めた報告を取りまとめたいと考えております。

資料6ページにお進みください。6ページからは、そのほかの銀行界における取り組みについてでございます。

9点目の全銀ネット有識者会議の運営見直しについては、現在、全国銀行資金決済ネットワーク、いわゆる全銀ネットにおいて検討を行っております。継続的な決済イノベーションのための銀行界における体制整備として、諸外国の決済システムの動向、あるいは決済サービスの高度化に向けた調査を主体的に行い、それに基づいて、有識者会議の議論を充実させる方策について検討を進めているところです。これを踏まえまして、本年度中には運営方法の見直しを行う予定でございます。

次に、10点目の電子記録債権をめぐる課題への対応についてです。ワーキング・グループの報告書では、電子債権記録機関の間で電子記録債権を移動させることができるよう所要の制度整備を行った上で、電子債権記録機関をはじめとする関係者間で早急に協議すること、及び早期にでんさいを活用したファクタリングサービスのスキームを導入すること、の2点が提言されました。

1点目の所要の制度整備については、5月25日に電子記録債権法の改正法案が成立したところでございます。これを受けまして、まず、でんさいネットにおいて、本年度中を目途にスキーム案を策定する予定でございます。それを踏まえまして、でんさいネットを含む各記録機関が、コストやお客様のニーズ等を踏まえまして、対応を検討する予定としております。2つ目のでんさいを活用したファクタリングサービスにつきましては、今年度に入り、三菱東京UFJ銀行さん等がサービスの提供を既に開始しておられます。

11点目のキャッシュ・マネジメント・サービスの高度化に向けた取り組みにつきましては、主要行を中心とした取り組み事項ですが、ワーキング・グループの報告書では、CMSの経営戦略上の位置づけ、目標水準、取り組みを明確にし、CMS高度化に向けた取り組みが進められることが重要であると提言されました。これを踏まえまして、現在、主要行を中心に、高度化に向けた取り組みが進められているところです。

資料7ページにお進みください。12点目の外為報告の合理化につきましては、関係当局を中心とした検討事項ですが、全銀協としましても、事務フロー等、実務の面から検討に参画してまいります。

最後の13点目の情報セキュリティに関しましては、金融情報システムセンターさんにおかれまして、銀行とフィンテック企業が連携する際の情報セキュリティのあり方について、今後議論が行われる予定と聞いております。全銀協としても、議論に参加していく予定でございます。

資料8ページにお進みください。ここからはテーマごとの取組状況といたしまして、まずXML電文への移行についてご説明させて頂きます。昨年の決済業務等の高度化に関するワーキング・グループからメンバーが一部変わられたこともございますので、初めに、XML電文に移行する意義について簡単にご説明させて頂きます。

資料9ページにお進みください。現在、全銀システムを通じた国内の送金指図には、電文の長さや情報量があらかじめ定められた固定長電文を使用しております。これに対してXML電文は、電文の長さや電文上のデータの位置づけ、データ間の関係を自由に設計・変更することが可能な電文形式となっており、金融業務の通信メッセージに関する国際標準規格でも、このXML電文が採用されています。

その具体的なイメージをお示ししたものが、次の10ページでございます。図の左側が現行の固定長電文のイメージですが、電文の全体の長さが120桁となっておりまして、このうち振込データに附帯可能なEDI情報は、赤の点線で囲っている半角20桁までとなっております。

これに対しまして、図の右側のXML電文では、タグと呼ばれる記号を挿入することによって、柔軟にデータの意味づけが可能になるとともに、システム上の上限の範囲で、EDI情報の桁数も大幅に拡張可能となります。これにより、振込に係る明細を電文上で確認できるようになり、受取企業の側では売掛金の消込作業の合理化が、支払企業の側では振込明細に係る受取企業からの照会対応に係る業務負担の軽減効果がそれぞれ期待されます。

次の11ページには、ご参考までに、その合理化イメージをお示ししております。これまでの流通業界及び自動車部品業界における実証実験では、受取企業側において、年間約400時間から約9,000時間の決済関連事務の合理化効果が確認されています。

12ページは、金融EDIによる企業の生産性向上のイメージをお示ししたものです。オレンジの矢印で示した金融EDIと、グレーの矢印でお示しした商流EDIを連携させることが可能になることによって、受発注から支払い、消し込みまでのプロセスが、システム上でシームレスにつながり、決済関連事務が合理化・効率化され、ひいては企業の生産性向上につながることが期待されています。

13ページにお進みください。ここからは、本年2月に、全銀協を事務局、それから先ほど申し上げた方々をメンバーとして設置しました、「XML電文への移行に関する検討会」における検討状況についてご説明をいたします。

まず、XML電文への移行スキームについてです。現在検討しておりますスキームでは、企業からXML電文を受け付ける新システムを構築し、このシステムがXML電文から固定長の電文に変換して、青い矢印のとおり仕向銀行に還元し、従来と同様に各銀行が振込を処理していく形を想定しております。金融EDI情報を含めた被仕向送金の情報については、図の右側、赤い矢印のとおり、このシステムからXML電文として、受取企業に還元されます。

なお、図の右端と左端に、マル1´、マル6´としてお示ししておりますとおり、個別金融機関が任意で自行システムを改修して、銀行が直接XML電文で送金指図を受け付ける方法についても、並行して検討を進めております。これによって、各行による独自のビジネス展開も可能にするという趣旨でございます。

14ページにお進みください。XML電文への移行対象となる取引は、上の枠囲みにございますとおり、基本的には、大量の金融EDI情報の付記が可能な、電子ファイルを用いた企業送金を想定しております。具体的には、下の囲みの1つ目のポツにございますとおり、一括ファイル伝送やインターネットバンキングのファイルアップロード、MT等の媒体による、複数の振込をまとめて振り込む「総合振込」と呼ばれるものを移行対象取引とすることを検討しております。これによりまして、正確な統計はございませんが、企業送金の8割程度がXML電文に移行するものと見ております。一方、お客様の事務負担を考えますと、大量の金融EDI情報の付記が難しい、例えばATMでの振込などについては移行の対象外です。また、消込作業が想定されない給与振込や賞与振込等につきましても対象外とする予定です。

一方、XML検討会では、大企業などから金融EDI情報を付記するよう求められた場合に、一括ファイル伝送などを使っていない中小企業や小規模事業者でも、事務負担が小さく費用も安い方法で、任意にXML電文によって金融EDIを利用できる方法について検討してほしいとのご要望がございました。15ページと16ページには、移行対象となる取引のイメージをまとめておりますけれども、これは後ほどご覧頂くこととして、17ページに、こうした要望を踏まえて、現在会長行において検討中の、中小企業、小規模事業者でも簡便にXML対応により拡張された金融EDIを利用できる方法のイメージについてお示ししております。

一般には、金融EDIを利用する際、企業のシステムで振込データを作成して、それを金融機関に送る形となりますが、そういったことをしておられない企業を対象として、新システムのインターネットバンキングに専用の画面入力ページを設けて、請求書番号等の必要な項目を個別に入力することによって、その入力内容が自動的に新システム側でXML電文に変換される仕組みを検討しております。ただし、この内容は、あくまで現在会長行において検討しているものでございますので、今後、中小企業者等と協議しつつ検討を進めて行く予定です。

また、左の吹き出しに記載しておりますが、こうした仕組みの導入には、産業界において金融EDI項目が標準化される必要があります。この点については、産業界・経済産業省さんが中心になって、金融界とも連携しつつ検討が行われる予定となっておりますので、何卒よろしくお願いいたします。

18ページをご覧ください。移行対象サービスを利用する企業において必要となる主な対応事項をまとめております。XML電文への移行時には、各企業において、主に2つの対応が必要になると考えております。

1点目は、XML電文を利用するための会計システム等のソフトウエアのバージョンアップ、あるいは入替えでございます。総合振込のデータファイルは、通常、会計システム等のソフトウエアで作成されますが、現在は、固定長電文を前提にシステムが設計されています。図の(1)の青い丸のところですが、そのシステムについて、XML電文形式で作成・取り込みができるように、各企業さんにおいてバージョンアップや入替え等の対応が必要となります。また、2点目として、一括伝送ファイルを利用する場合には、XML電文を送受信するための回線準備、通信ソフトウエアの設定変更、入替えといった対応が必要になります。

これに加えまして、19ページには、金融EDI情報を活用して決済関連事務の合理化を行う場合、すなわち先ほど申し上げた商流EDI、金融EDIを一体としてシームレスにつなげていくために必要な対応事項をまとめております。

また、次の20ページには、ここでの説明は省略させて頂きますが、先ほど申し上げた売掛金の消し込みに必要な金融EDI項目を、あらかじめ標準化する必要性についてまとめております。

お進み頂きまして21ページでございます。XML電文への移行に向けた当面の進め方について、ご説明申し上げます。銀行界としましては、2018年ごろの新システムの稼働開始、そして2020年を目途とする全面移行を念頭に置きまして、新システムに係る仕様案の検討を現在進めているところで、夏頃を目途に開発・運営コストの見積もり等を実施したいと考えております。その後、その見積もり等が出てきたところで、秋頃を目途にXML検討会を開催して、システム仕様案や企業等が費用対効果の検証に必要な費用負担イメージ等を提示し、そこでの議論の結果を踏まえて、XML電文への移行に対する銀行界としての方針を年内を目途に出したいと考えております。

XMLの説明は以上でございます。資料22ページにお進みください。次に、テーマごとの取り組み状況の2点目、ロー・バリュー国際送金について説明いたします。

23ページをご覧ください。1つ目のポツのところですが、ワーキング・グループ報告書では、企業・個人の国際的な活動が拡大する中、銀行を通じた安価な国際送金サービスを提供するため、APN、これはアジアン・ペイメント・ネットワークの略ですが、このAPNへ参加しているネットワーク事業者との接続などによるロー・バリュー送金を、相手国接続先との合意を前提に、2018年を目途に提供するということが提言されました。また、具体的な接続方法、取引手順、決済方法等について検討を行い、銀行界が他業態を含めた預金取扱金融機関に提示することを想定すると報告書で提言されました。

これを踏まえまして、全銀協では、2つ目の枠囲みのところですが、我が国からAPNに参加しておられます株式会社NTTデータ様と連携し、APN参加国を対象としたロー・バリュー送金の提供に向けた基本構想を取りまとめ、本年3月に、他業態を含めた預金取扱金融機関に対する説明会を開催したところです。この説明会には、銀行界のほか、信金、信組などの他業態も含め、約140の金融機関、210名の方々にご参加を頂きました。

その後、一番下の枠囲みのところですが、本年5月に、このスキーム案に対する各金融機関の現時点での関心有無等につきましてアンケート調査を実施するとともに、現在、スキームの実現に向けて、相手国との協議を進めているところでございます。現状、接続相手国との協議は、まず韓国を相手方に開始しておりますが、そのほかの国との協議につきましても、現在、協議ルートを含めて検討を進めているところでございます。相手国との間で具体化に向けた合意が得られれば、年内を目途に、参加意向を有する金融機関等で構成されます「ロー・バリュー送金検討会」というものを新たに設置しまして、この検討会が中心となって、詳細仕様等の検討を進めていく予定としております。

次のページにお進みください。先ほど申し上げました各金融機関における現時点での関心等に関するアンケート調査結果についてお示ししております。左下の棒グラフのとおり、ロー・バリュー送金については、189金融機関から回答がございましたが、その約9割に当たる166金融機関が、関心ありと回答されています。ただし、現時点ではまだ相手国と協議中というステータスということもあり、各金融機関の検討状況の多くは、右側の円グラフのとおり、情報収集段階というところが多くございます。全銀協としましては、相手国との協議を進め、できるだけ早期に、各金融機関において参加是非を判断できる状況にしたいと考えております。

25ページにお進みください。次は各テーマの3つ目、大口送金の利便性向上についてでございます。

26ページをご覧ください。一番上の枠囲みのところですが、ワーキング・グループ報告書では、企業のキャッシュ・マネジメントの効率化の観点から、金額の規模によらないシームレスな環境の提供が提言され、その実現方法として、全銀システムにおける送金可能桁数の拡大、または日銀ネットでの振替の活用が示されました。これを踏まえまして、全銀協で検討の結果、本年3月に、日銀ネットでの振替を活用して対応していく方針を決定し、具体的には、真ん中の枠囲みにあるとおり、個別行が自行の顧客基盤の状況などを踏まえ、日銀ネットでの振替の受付方法を一層工夫することなどにより、金額の規模によらないシームレスな取引環境を実現するとしております。この方針を踏まえまして、個別行が自行の顧客基盤の状況などを踏まえ、日銀ネットでの振替を活用した対応について検討してまいります。

27ページに、ご参考といたしまして、日銀ネットでの振替を活用した大口送金のイメージについてお示しをしております。ここでは一例としまして、銀行が金額によらず振込を受け付けた上で、100億円以上の振込を抽出して、100億円以上のものについては日銀ネットでの振替で送金するというフローをお示ししております。ただし、このフローをベースにシステム改修を行った場合、あくまで三井住友銀行個別行の場合の初期的な検討でございますが、サービスレベルの水準によって、かなりの投資が必要となる可能性がございます。今後、そのサービスレベルの具体的な内容等を、お客様のニーズ等を踏まえて検討して、取引先の企業と個別にご相談をしていきたいと考えております。

以上が、ワーキング・グループ報告書で提言された論点に対する現時点での取組状況でございます。全銀協におきましては、引き続き、ワーキング・グループ報告書の提言を踏まえまして、各テーマについて検討を進めてまいりたいと考えております。

私からは、以上でございます。

【森下座長】

ありがとうございました。田村委員のご説明について、金融情報システムセンターの小林委員より補足説明があると伺っております。それでは小林委員、お願いいたします。

【小林委員】

金融情報システムセンターの小林と申します。追加コメントをさせて頂きます。数分ではありますが、ノンペーパーでお話しさせて頂きます。よろしくお願いいたします。

ご存じのとおり、当センターでは、金融機関のコンピューターシステムの安全対策のよりどころとなる安全対策基準、以下、安対基準と省略させて頂きますけれども、を作成しております。当センターでは従来から、サイバーやクラウドといったテーマで、安対基準改定の方針を整理するために有識者検討会を開催しており、現在は外部委託をテーマに有識者検討会を開催しています。その中では、外部委託にとどまらず、安対基準適用の考え方そのものを見直しているところでして、具体的には、リスクベース・アプローチの採用、ITガバナンスの強化といった、新たな枠組みを検討しているところです。

現在の検討会は、この6月に報告書を取りまとめる予定ですが、その後には、フィンテックをテーマとして有識者検討会を開催し、フィンテックで利用される金融情報システムに対する安全対策のあり方を検討頂くことを予定しています。検討に当たっては、まずもってリスクベース・アプローチ、ITガバナンスといった、今回検討している枠組みを踏まえつつ、金融機関によってフィンテックと言われる金融サービスの提供、もしくは利用が進むようにという観点が重要かと考えています。

現在、検討会でとり上げるべき論点を整理しているところですが、いわゆるフィンテックの意味するところは多岐にわたるものですから、まず金融情報システムとして、安対基準の対象となるフィンテックはいかなるものであるか、その判定基準が必要となります。判定の結果、安対基準の対象となれば、その後はリスクベース・アプローチに従って、リスクが高い基幹系システム等の重要システムには従来の安対基準の適用を進めて頂きますし、リスクが高くないシステムには、金融機関がリスクに応じて独自に安全対策を考えて頂ければよい、つまり、必ずしも硬直的に従来の安対基準を適用する必要はないということになります。当然、ITガバナンスが適切に発揮されるということが前提にはなりますが、これはフィンテックであろうとなかろうと関係なく、そのような適用の考え方となります。

ただし、フィンテック企業におかれましては、必ずしも十分に、安全対策の実行能力、再委託先の管理能力も含みますが、これらを有していないことが想定されます。そうしますと、金融機関として、その事実をもってフィンテック業者への委託を控えるような事態も危惧されます。これに関しては、イノベーション能力を有するフィンテック業者の利用が妨げられないように、何らかの付加的な検討、付加的なルールの提供が必要ではないかと考えており、まず有識者検討会の論点としてとり上げることを予定しております。

この論点の対応については、これからの検討となりますが、既に金融情報システムを担われているITベンダーの皆様のご協力も不可欠ではないかと現時点では考えております。また、判定基準によって安対基準の対象から漏れた業務についても、利用者保護並びに競争条件の公平性の観点から、何がしかの対応を検討してまいる所存です。

こうした論点を整理すべく、現在もフィンテック関係者へのヒアリングを進めておりますが、論点の整理や対応策の検討に当たっては、繰り返しではありますが、適正な水準で安全対策が実行されることを前提としつつ、金融業務におけるイノベーションを阻害しない、あるいは促し得るような枠組みづくりとなるよう、特に留意しております。

また、先ほどご紹介のオープンAPIの検討が、我々の検討と並行して進められますので、そこへも委員として参加させて頂き、そちらの安全対策に関する論点を我々が取り込むなど、両者の検討が相乗して進められるよう努めさせて頂くつもりです。

最後に、我々の有識者検討会の運営体制ですが、本日もご参加頂いている岩原先生に座長をお願いしておりまして、座長代理には日本総研の渕崎社長にご快諾を頂いております。現在、その他の委員の選定を進めさせて頂いておりますが、その中にはフィンテック企業の代表の方にもご参加頂く予定です。何とか10月までに第1回開催にこぎつけられるよう、最終的には来年6月までには報告書を取りまとめるべく、精力的に取り組む予定でおります。

以上です。ありがとうございました。

【森下座長】

ありがとうございました。それでは、これより、皆様からご質問、ご意見をお伺いする討議の時間とさせて頂きます。どなたからでも結構ですので、ご発言をお願いいたします。いかがでしょうか。

それでは加藤委員、お願いします。

【加藤委員】

日本商工会議所の加藤です。初めて参加させて頂きます。

まず、商工会議所の簡単な説明をいたします。商工会議所は、全国で主に市の地域に515カ所あり、125万会員の事業所を有する「地域総合経済団体」です。会員事業所は、商店街の八百屋さんなどいわゆる小規模企業から、中小・中堅企業、そして東証一部上場のグローバル企業まで、規模・業種を問わず、各地区に所在する企業で構成されています。とはいえ、会員の大多数が中小企業・小規模事業者であるため、当所は、我が国経済全体の競争力強化を意識しつつも、主に「中小企業・小規模事業者の立場」で意見・提言を行っています。

今日のテーマは、「金融決済の高度化」ですが、特に当所が係わってきたのが、「XML電文への移行」です。本年2月に設置された「XML電文への移行に関する検討会」に参加させて頂きました。その検討会では、当所は、議論を進める際、ぜひ中小企業・小規模事業者の意見を受け入れて頂きたい、ということを強く申し入れさせて頂きました。というのは、大企業等の数は今、約1万社ですが、中小企業・小規模事業者数は約381万社となりますので、混乱なく対応できるようにするためには、強者の上から目線だけではなく、「弱者の目線」も極めて重要だからです。実際、「中小企業・小規模事業者への配慮」をご検討頂いていることに、感謝いたします。

この検討会に参加した当初は、XML電文への移行は、多くの中小企業・小規模事業者にとって、何か縁遠いものとか、単に負担が増えるものではないか、という印象を持っていました。ただ、議論を進めるうちに、もしかしたらXML電文への移行が、IT化が遅れていると言われている中小企業・小規模事業者における「IT化推進のトリガー」となり、「生産性向上に寄与」するのではないかと、強く意識するようになりました。特に現在、中小企業・小規模事業者は、労働力人口減少に伴い人手不足に直面しています。「業務効率化」「生産性向上」は待ったなしです。他方、IT人材の不足やコスト負担が中小企業にとってIT化のネックと言われていましたが、近年、フィンテック・ベンチャー企業等の台頭によって、「高度で安価なクラウド会計システム等」を、どんどん利用できるようになってきています。金融庁では、そのような環境を整備されているかと思います。

よって、今回のXML電文への移行を契機に、例えばクラウド会計システム等に金融EDI機能が追加されて、中小企業・小規模事業者においても、受発注から請求までの工程をシステム化し、入金消し込みの自動化を実現するような、「業務フロー全般におけるIT化」を実現することができれば、「生産性向上」ひいては我が国の「競争力強化」に大きく寄与できるのではないかと、とても期待しているところです。

ただ、中小企業・小規模事業者は、経営資源に限りがありますので、是非、「低事務負担・低費用負担で利用できる環境整備」を進めて頂ければと思います。

最後に、XML電文への移行に際し、「社会的な混乱を回避するためのコンセンサスの醸成」が必要だと思います。さらに、「金融EDIに記載する商流情報の標準化」や「オープンAPI」が必要ですので、これらを是非、強力に進めて頂ければと思います。以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。

内田委員、お願いいたします。

【内田(貴)委員】

今回から私も参加させて頂いております。三井物産財務部の内田と申します。

実務をつかさどっている面で、今のお話と関連しますが、企業におきましてもそれなりの対応が必要で、今日も資料でシステム対応ということで触れて頂いておりますが、それぞれの企業のシステムの構築の仕方は千差万別で組んでありますので、場合によっては大きな基幹システムの変更が必要となります。

本件、それによって、2020年までのロードマップみたいなものを、企業におきましては、システム開発あるいは改修のスケジュールは、かなり前広に決めていかないと、対応できない面もございますので、今後、本会議の目的にもあると思いますが、周知と、それからロードマップ的なものをより広めていって、それぞれの産業・企業レベルでの対応が容易になるようなご配慮をお願いできればと思います。

以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。いかがでしょうか。

牧野委員、お願いします。

【牧野委員】

花王株式会社の牧野と申します。私はスタディ・グループ、ワーキング・グループの委員として参画させて頂いておりました。その中で課題として列挙させて頂いたこと、提言させて頂いたことが、具体的にテーマ毎にタイムスケジュールに落としこんで、それをフォローアップできるこのような会議体ができあがったことに、金融庁の事務局の方に大変感謝を申し上げます。どうもありがとうございます。

その中でも、今、話題になっていますXML電文のところについて、一言コメントをさせて頂きたいと思います。XML電文への移行はご存じのように、理解さえすれば実現すると大きく効果が出るというのがわかって頂けると思いますが、それを理解している人が少ないがために、良いシステムはでき上がったが、企業及び銀行が積極的に取り入れないことになると、とてももったいないことになります。この仕組みをより知ってもらう等、周知徹底する、色々な機会で知ってもらう等、これらの広報活動がとても大事になってくるかと思います。 また、これを進めるにあたっては、XML電文を標準化しないといけません。業界によって標準化すべき項目が違うだの色々とあると思います。ただ、必須項目はこれ!と最低限の項目を決めて、それらについてはどの支払企業でもつけるが、任意項目を設けて、業界毎の違いはそこで持つ等、きちんとXML電文の標準化を決めていく必要があります。それらを必要な部会で色々な提案、提言も行いたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。

以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。

河野委員、お願いいたします。

【河野委員】

利用者の立場といいましょうか、国民の立場で、今回のご報告に対して、期待を込めて一言申し上げたいと思っています。

私から上の世代が国内の決済システムに対してどう思っているかというと、月曜から金曜の9時から3時までで、紙ベースでやりとりを記録し、印鑑が必要で手数料も高いという、そういう時代が長く続いたと思っています。お金の出し入れとかやりとりに関しては、正確、それから確実というのが重視されていて、日本の銀行はじめ金融機関は、本当にそれに忠実に応えてきたと思っています。一方、私の子供の世代では、既にネットバンキングは普通のことですし、現金はほとんど持ち歩いていません。それから、スマホなどの端末で、低コストでスピーディーで便利に決済を行うということに対して、ほとんど違和感がないような状況になっています。

そういったことを踏まえて、この2年間、スタディ・グループ、それから、なかなか出席できませんでしたがワーキング・グループと、金融庁さんが主導して、決済のあり方に関して、私から見ると、ものすごい力技でここまで全体像を整理されてきた、しかも具体的な対応策を示されたということをどう受けとめるかと申し上げますと、世界の潮流はずっと先にあって、ここで関係者が本気を出さなければ置いていかれてしまうという、そういう強い意思が示されたと思っています。

先ほど全銀協さんがお示しくださったロードマップですけれども、2020年に向けて、企業の皆さんとか関係する金融機関の皆さん、実際これを実行に移していくとなったら、本当に資金の面でも人材の面でも、大きな障害が目の前に立ちはだかっているという、素人目から見ても大変なことだろうとは想像しますけれども、でも、本当に恐縮ですが、スピード感というところをもう少し示して頂ければと思ったところです。

システムへの投資等が伴うので、素人の消費者が何を言っているんだというところだと思いますが、決済分野においては、先ほどから言われているように、フィンテックの波が押し寄せています。例えば中国の状況なんかもよく報道されていますし、私の消費者関係で言いますと、アフリカのケニア等では、口座を持たないで、お金のやりとりがもうできていると聞いています。携帯電話のモバイル送金サービスというのでしょうか、ショートメッセージで手続を進めたり本人確認をしたり、そういった状況が、世界の消費者、eコマースの中でもどんどん進んでいるという情報共有がされています。

決済分野においては、利便性、それからコストも考えた効率性の追求と、一番これは消費者からお願いしたいのは、先ほどもお示しくださいましたが、リスクをしっかり配慮して頂いて、安全性を担保して頂くと。そういったことを十分に行って頂いた上で、ぜひ積極的に進めて頂ければということを申し上げたいと思います。ステークホルダーの皆さんの中で、これまでこうだったとか、今、こうだからという形で既存の構造に固執すると、おそらくこのことはうまくいかないと思いますので 皆さんのベクトルを揃えるために、この官民推進会議というのが置かれたと理解しております。

最後に、今後に向けてなんですけれども、技術の進歩はすばらしいと思いますし、その進歩に足並みをそろえるといいましょうか、社会の受容、特に国民の理解、そのあたりが伴わないと、こういった技術もしっかりと根づいていかないと感じていますので、ぜひ私たち一般国民に対しても同じように情報提供して頂いて、このことがうまくいくように期待したいと思っています。

以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。ほか、いかがでしょうか。

浜委員、お願いいたします。

【浜委員】

どうも、浜です。XML電文の取り扱う新しいシステムが、2018年度をめどに構築されるということでありますが、私の理解では、各金融機関が一つずつ各銀行でシステムを構築すると、非常に時間がかかる、コストもかかるということと、あと、エンドデートを設けているのは、参加していない方がいると、なかなかXML電文の利用というのが広がらないということで、銀行の外にシステムをつくるということと移行をスムーズに進めるために、エンドデートが設けられているという理解ではおります。

18年のときに、システムがまず稼働するということでありますが、そのときに、金融機関は皆さん参加されるのかというのを確認させて頂きたいのですが、メガバンクだけが参加するのではなく、全銀に加盟している全金融機関なのでしょうか、金融機関のシステムがよくわからないのですが、そこに皆さんが参加されるのか、サービスインしたときに、利用者はどの金融機関でも利用できるのかということを、どのように今、皆さん考えておられるか、教えて頂けますでしょうか。

【森下座長】

それでは田村委員、お願いします。

【田村委員】

今の浜委員のご質問についてですが、現時点では、その点についても、今後の検討課題と考えております。

【森下座長】

よろしいですか。

【浜委員】

はい。ぜひ全銀行の参加を期待しております。

【森下座長】

ありがとうございます。ほか、いかがでしょうか。

それでは林委員、お願いいたします。

【林委員】

イオンアイビスの林と申します。今回から参加させて頂いております。我々はイオングループの経理業務を一括に引き受けているという部署でございまして、まさにこのXML電文のメリットを最大限に享受できる部署なのかなと考えています。

ただ、この資料の18ページのほうにありますように、XML電文を利用したときに、今まで送受信しているデータ量が、今までに比べて結構膨れ上がってくると。そうすると、我々のほうのシステムも負荷がかかってきますし、当然ながら送受信のところにも負荷がかかってくると。

その負荷を分散させるために、もちろん回線を増やすとかインフラ面の整備も必要だと思いますけれども、逆に銀行さんのほうで受付時間を拡張して頂けるとか、今、グローバルな時代ですので、時差の関係もありますので、できれば24時間稼働させて頂けるとか、そういうような対応というのは何か考えられているのでしょうか。

【森下座長】

田村委員、お願いいたします。

【田村委員】

今、林委員からのご質問ですが、その点についても、今後の検討課題です。基本的な考え方として申し上げると、システムのサービスレベルを上げると、その分システム投資コストが増えていくため、そのバランスをどう考えていくのかということが重要だと思っております。

その際に、銀行が負担するのか企業が負担するのかという話に最後はなってしまうのですが、この点についてはこのような場で議論するというよりは、基本的には個々の交渉事項だと思っております。日本全体として考えたときに、システム投資をした方が日本全体としてプラスになるのであれば、何らかの解決策はあると思いますが、そうではないこともありえ、いずれにしても、オールジャパンの観点で考えていくことが重要ではないかと思っております。

【林委員】

ありがとうございます。

【森下座長】

ありがとうございます。いかがでしょうか。

それでは翁委員、お願いします。

【翁委員】

私は決算業務等の高度化に関するワーキング・グループから参加しておりまして、今日、お話を伺いまして、いろいろな課題が着実に検討に入っているということを伺いまして、非常に良い方向に進んでいるのではないかと感じております。

XML電文につきましては、先ほど加藤委員が、中小企業が積極的にこういった機会を活用して取り組んでいくという姿勢になっておられるということに、非常に意を強くいたしました。日本経済全体にとって、生産性の向上というのは大きな課題になっておりますし、既に人手不足の問題は、深刻な問題となっております。そうした中で、特に中小企業の生産性向上というのは、重要な課題だと思っておりますので、そういった方向に資するような、こういった決済システムの高度化が進んでいくということは、望ましいことだと思っておりますので、ぜひこういった、全体、多くの企業が入れるような形で、この取り組みを、ロードマップをきちんと作りながら進めていって頂きたいなと感じました。

あと、ロー・バリュー送金につきましても、これだけアジアの国々と、企業も個人もいろいろな形で連携するようになってきておりまして、ニーズは非常に高いのではないかと感じております。そういう意味で、先ほどまず韓国と開始するというお話ございましたけれども、できるだけ早くいろいろな国々とネットワークが結ばれるようなことを期待しております。

また、先ほどFISCの方から、セキュリティについても、こういった新しい時代にふさわしいセキュリティのあり方ということを検討されているというお話がございましたが、全体として全ての分野にわたって、このセキュリティの問題がどう確保されているかということは重要なイシューだと思っておりますので、ぜひパラレルに進めていって頂きたいと思っております。

以上です。

【森下座長】

ありがとうございます。

鳥海委員、お願いします。

【鳥海委員】

ありがとうございます。まず、ワーキング・グループの報告書を受けて改正法案等を可決成立させて頂きましたことにつきまして、感謝申し上げる次第であります。引き続き、制度の実現・施行に向けて、よろしくお願いいたしたいと存じます。

今回、私のほうで、質問を2つと、それから要望を1つ差し上げたいと存じます。質問のほうは、全銀協様と、それから財務省様、それから要望は、ここにはおられない省庁さんだと思いますけれども、申し上げたいと思います。

まず、お尋ねの1番目は全銀協様で、プレゼンテーションの資料の中で申しますと、改革の5番目、非居住者口座に係る円送金の効率性向上というポイントでございますけれども、先ほど田村様のお話ですと、たとえ国内円送金であろうとも、居住者と非居住者の間で行われるものについては外為法上の確認義務がかかってしまうとおっしゃられたと思いますが、今回の検討はここに絞って行われるという理解でよろしいのでしょうか。

その場合、非居住者というのが例えば日本企業の海外現地法人だけれども、日本に口座を持っていて円の送金というのが起こるというような場合でしたら、素性の確認というのは比較的容易でハードルが低いのかなと思うんですが、そうではないケース、純然たる非居住者、外国の企業とかといった場合は、相対的にハードルが高くなってしまうのかなと思うのですが、その辺はいかがなのでしょうか。これが一つ。

それから今度は財務省様にお尋ねさせて頂きたいのですが、今申しました外為法上の確認義務につきましてですが、昨年のワーキング・グループの際にもお尋ねさせて頂きましたので、フォローアップになるのですが、具体的にワーキング・グループ報告書以降、検討の進捗状況について、具体的に教えて頂ければと存じます。

それから3番目、これは要望になりますけれども、外為法と並んで、決済の高度化という文脈では、犯収法の確認義務というのも重要なポイントかなと思っております。改正犯収法が10月に施行される予定でございますけれども、ここにはおられない省庁さんが主に所管されていると思うのですけれども、非居住者が絡む取引についてのご理解とか共感度が、少し足りないのかなという経験をしております。細かい話はこの場では申し上げませんけれども、顧客の本人確認ですとか実質的支配者の確認などの実務について、犯収法の運用面に関する解釈・見解は、やや硬直的なのかなと見ております。

これまで私ども、本人確認法、それからその後の犯収法以降、たびたびパブリックコメントの機会などに改善要望を出しておりますけれども、金融庁のご担当の方々にもご尽力頂いているわけですが、ほとんど前進を見ていないというのが実態でございます。今般の犯収法改正は、FATFの勧告を取り込むなど、グローバルなプラクティスに近づけるという意味での取り組みの一環だと理解しておりますので、グローバルなプラクティスと齟齬のない柔軟な運用・解釈へ向けて、ぜひ取り組んで頂きたいと存じております。

以上です。

【森下座長】

ありがとうございました。

それでは田村委員、お願いします。

【田村委員】

今の鳥海委員の1つ目のご質問についてご回答致します。現時点では行内で検討しております段階ですが、非居住者の範囲をとりあえず限定せずに検討しております。一方、今、鳥海委員からご指摘がありましたように、仮に対象を限定することによってスムーズに認められる等のことがあれば、そのあたりはフレキシブルに対応していきたいと考えております。

【森下座長】

よろしいですか。

では髙野さん、お願いします。

【髙野オブザーバー】

財務省の信用機構課長の髙野でございます。ご質問頂きました件につきまして、この会議に出席する前に国際局の担当部局に聞いたところによりますと、全銀協様の資料の協議・検討というのは進んでいるとは聞いておりますが、具体的にどこまで進んだかということにつきましては、今、手元に持ち合わせておりませんので、また機会を捉えて回答させて頂きたいと思います。

【森下座長】

ありがとうございました。よろしいでしょうか。

【鳥海委員】

よろしくお願いします。

【森下座長】

それでは、ほか、ご意見いかがでしょうか。

戸村委員、お願いします。

【戸村委員】

ありがとうございます。私もスタディ・グループとワーキング・グループに参加させて頂きまして、引き続きよろしくお願いいたします。早稲田大学の戸村です。経済学を専門としており、加藤委員と田村委員のおっしゃったことにかかわることで、会議全体の感想を申し述べさせて頂きたいと思います。

決済高度化に当たって、固定費用のかかるシステム投資というものが、トピックの大きな割合を占めると思いますが、こういうものについては規模の経済がありますので、加藤委員がおっしゃったように、大手企業のみならず、中小企業、また場合によっては個人も含むインクルーシブなネットワークの構築が、経済学上効率的だと考えられます。

ただ、さまざまなステークホルダーがそうしますと発生しますので、固定費用の負担をどのように分配するのか、それについて、田村委員がおっしゃるように個別の取引内容というのはこういう場では話せないと思いますが、大きな、田村委員がおっしゃったように、オールジャパン、社会的な観点から固定費用の負担を各ステークホルダーがどのようにしていくのかということは議論されてもよいのかなと、逆にその議論がないとインクルーシブなシステムの構築は難しいのかなと考えております。

その観点から、このようにさまざまなステークホルダーが参加するこのような会議の開催は大変意義があると思いますので、大変個人的に期待しております。よろしくお願いします。

【森下座長】

ありがとうございました。いかがでしょうか。

それでは田村委員、お願いいたします。

【田村委員】

皆様からの今頂戴したご意見等を踏まえまして、今後、しっかりと全銀協としても取り組んでまいりたいと考えております。

先ほど河野委員から、積極的に進めてほしいというご意見頂きました。私の説明内容が何か後ろ向きにとられたのかな、と少し反省しているのですが、銀行界としても、日本全体のプラスになることについては前向きに取り組んでまいりたいと考えております。

それから、加藤委員、内田委員、牧野委員からは、XML電文への移行のメリットについて、周知が重要というご意見を頂戴しました。私としても全く同感でございます。私の最初の説明の中でも申し上げたとおり、金融EDI項目だけを標準化するのではなく、商流EDI項目まで全てを標準化することによって、日本全体としての効率化が図られると思います。これは、加藤委員がおっしゃっておられたような、これから労働人口の減少の中で日本がどう生きていくのかということにも関係するように思います。

したがいまして、我々全銀協としても周知には努めてまいりますけれども、産業界におかれても、周知活動をそれぞれよろしくお願いしたいと考えています。一緒に協力しながらやっていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【森下座長】

ありがとうございます。いかがでしょうか。

古閑委員、お願いいたします。

【古閑委員】

本日、あまりお話に出なかったところなのですが、5ページの8番のオープンAPIのところです。こちら、もともとセキュリティ等の観点から、オープンAPI作業部会をと報告書のほうにもあったところですけれども、私は個人的には、このAPIのところには非常に興味があります。フィンテックがなぜ注目されているかって、いろいろな意味があると思いますけれども、技術を使うことで、ユーザーのニーズにフレキシブルに応えられるようになってきたからというところも大きいと思っています。

金融機関を複数使っていらっしゃる消費者というのはたくさんいらっしゃると思いますけれども、しかも今はネットを使って金融機関が利用されるようになってきてもいますので、例えばPFMみたいなサービスとかも登場していまして、かなりそういったものが便利に使われてきているなと思っています。そうなると、ユーザーとしては多分、APIみたいなものがどんどん出てきて、いちいち特定の金融機関に行ってログインして残高照会してとかという使い方じゃない使い方というのを望んでいるところなので、そういったサービスが出てきているんだろうと思います。もちろん、PFMは、必ずしもAPIの技術が使われていない形での提供もありますけれども、やっぱりAPIというのは非常に重要になってくるのだろうと思っております。

先ほど小林委員のほうから、ここに記載されている検討会にFISCも参画されるというお話もありましたけれども、セキュリティがどのレベルになるのかというのは結構重要なポイントかなと思っておりまして、一口にAPIといっても、いろいろな機能のものが当然あり得て、それが一律のセキュリティ基準である必要があるのかとかということもあると思いますので、ここがどのようになっていくのかというのは非常に関心があります。今日、あまりここはご説明がなかったので、もし現時点で、まだ何か進捗があって補足説明があればお願いしたいのと、仮に現時点では、今、5ページに記載頂いている内容までだということであれば、今後の動向についても随時ご報告頂けるとありがたいなと思います。

【森下座長】

ありがとうございます。

田村委員、よろしいですか。

【田村委員】

現時点においては、資料に書いてある状況でございます。これからアンケート調査を各行に実施して、課題を洗い出した上で研究会において検討を進めていく予定です。今後の状況については、適宜この会合が開かれるでしょうから、そういった場で還元させて頂ければと考えております。

【森下座長】

ありがとうございました。いかがでしょうか。

鳥海委員、お願いします。

【鳥海委員】

ありがとうございます。同じくあまり触れられていない論点としまして、全銀協さんのプレゼンテーションで、6ページにある全銀ネット有識者会議の運営見直しについて、全銀協さんにお尋ねさせて頂きたいと思います。

ご質問は、この見直しの方向性が、どのような方向性をお考えなのかということでございまして、例えば構成メンバーですとか開催の頻度ですとか、あるいは議事内容、議事要旨の事後的な公開ですとか、いろいろ選択肢があるように思いますが、どのようなことをお考えなのかを教えて頂ければと存じます。

問題意識の背景としましては、もちろん中長期的なインフラの提供のあり方というのも重要だということもございますけれども、全銀ネットの当面の運用のあり方についても検討を要するのではないかなとおぼしき論点が幾つかございまして、例えば今、全銀ネットというのは、私どもの理解では、流動性を維持するために、主要な参加行に担保を入れる義務を課していると思うのですが、場合によっては何百億円とか何千億円といったオーダーで担保を積んでいると理解しておりますけれども、基本的にJGB、国債で入れるべしということになっていると存じます。ただ、現在の金利環境ですと、むしろ現金で入れさせてもらったほうがうれしいといった要望もあるやに聞いておりまして、このあたりもぜひ検討に加えて頂くべく、この運営の見直し方法というのをどのような方向性で考えていらっしゃるのか、お尋ねさせて頂きたいと思います。

また、申しましたとおり、ことほどさように、決済と金利環境というのは、今まで以上に独立して語ることがしにくくなってきているのかなと理解しておりまして、もう一つの論点でございますCMSの高度化というのも、かつてのCMSと昨今のCMSとでは、提供する側にとっての位置づけというのが少し変わっているのではないかなという印象も持っておりますので、そういった問題意識から、お尋ねをさせて頂く次第でございます。

【森下座長】

田村委員、お願いします。

【田村委員】

今のご質問についてですが、この全銀ネット有識者会議の運営見直しについては、まさに今、検討しているところでありまして、記載以上の内容についてお答えできる状況にはございません。報告書の提言にある「ニーズの多様化、国際連携の必要性、対応の迅速性等の要請に応える継続的な取り組みを可能とする」、「銀行等による主体的な取り組みを可能にする」という趣旨を踏まえて検討していくということになると思います。

それから先ほどご意見のあった、担保として何を入れるかという点については、決済高度化とは少し離れた、すぐれてビジネスの話ですので、この場ではなく直接言ってきて頂ければと思います。

【森下座長】

ありがとうございます。いかがでしょうか。

内田委員、お願いします。

【内田(貴)委員】

電子記録債権について、ワーキング・グループの報告書がこのように提言ということで出てくるということで、済みません、不勉強で恐縮ですが、ユーザーからしますと、債権記録機関間の移動というよりは、インフラとしては、債権記録機関自身の統合といいますか、まとまっていくほうが、素人考えで非常にユーザーとしては望ましいような考えに至るのですが、将来の方向性あたりを、過去の経緯も含めて教えて頂けると助かります。

【森下座長】

よろしいですか。田村委員、お願いします。

【田村委員】

済みません、私もこの4月から見ておりますので、電子債権記録機関の統合について過去にどのような議論があったかどうかはよく承知しておりませんが、今、内田委員がおっしゃったことに関して、私の個人的な感想を申し上げますと、仮に一つの方が便利だとして、自由競争が行われているものを無理やり統合すべきか、ということかと思います。

昔から、各銀行が支払手形レスを目的にいろいろな企業との取引を拡大してきた、それが今、メガ3行の電子債権記録機関になっていて、それ以外の手形の代替に相当する部分が全銀協のでんさいになっているというのが、基本的な理解でございます。

一方、統合したほうが銀行界としても良いということになれば、当然そうした動きが出てくる可能性もあろうと思います。

【森下座長】

ありがとうございます。いかがでしょうか。

私から質問をさせて頂きたい点があるのですけれども、先ほどオープンAPIとの関係で、セキュリティに関してどういったレベルになるのかが重要ではないかとのお話があり、また、小林委員から、金融情報システムセンターでの御検討の中でリスクベース・アプローチというものがコアな考え方として検討されているというお話があったと思います。そのリスクベース・アプローチの内容として、具体的にどういったようなことをお考えになられているかという点について、お話し頂く時間もなかったと思いますので、もしよろしければ、簡単にお考えになられている方向性などについて教えて頂ければと思いますが、いかがでしょうか。

【小林委員】

FISCの小林です。今考えているリスクベース・アプローチというのは、先ほどもちょっと結論的に触れさせていただきました。これまでは我々FISCが金融情報システムの安全対策の基準をつくってまいりましたが、その対象としては、いわゆる重要な情報システム、具体的にイメージしているのは、決済の連鎖性などが懸念される、そういう情報システム、あるいは情報の機微性を持っている情報システムです。こういったものが重要な情報システムとして、分けて考える必要があるのではないかと。裏を返せば、逆にそうでない情報システムについては、重要でない情報システムとして、軽重をつけていいのではないかという考え方でございます。

これは欧米などでは数年前から主流になっている考え方のようでして、要は金融機関というのは、システム投資、あるいはリスク回避の投資というのを考えるに当たって、リスクゼロを追求すると、限りなく投資負荷というのは高まっていきます。これまでの日本の金融機関、我々FISCもその一端を担っていた部分もあるのですが、やや過度なそういう情報投資を余儀なくされてきたところがあるのではないかと。これからは、例えばそういったシステムの事故が起きた場合に、そのカバーするコスト、そことの比較考量の中で、これはシステム投資をするかしないか、そういうまさにリスクベースで考えていっていいのではないかと考えます。こういう考え方を、欧米の先進的なやり方なども参考にしながら、今、足元で導入を検討しているところでございます。

この文脈の中で、今のフィンテックといったような新しい金融情報システム、これについても、一律に適用する安対基準をつくるのではなくて、ITガバナンスといったことが前提にはなりますけれども、リスクベースで一つ一つのシステム業務を考えていいのではないかと。これは各金融機関に一義的には任されるものであるという考え方でございます。

【森下座長】

ありがとうございました。いかがでしょうか。

岩原会長、お願いします。

【岩原金融審議会会長】

あまり話題に上らなかった点についてのご質問ですけれども、全銀協の資料4の26ページのところに、大口送金の利便性向上への対応方針という項目がございまして、この中で、大口送金については日銀ネットでの振替の受付方法を一層工夫することなどによりと書かれていて、そういう方向を提言されているわけです。これは、おそらく日銀の付記電文付振替をもっと利用しやすくするということをご提案になっているのかと思いますけれども、具体的にどういうことを考えられているのか。全銀システムの送金可能桁数を拡大するより、日銀ネットの付記電文付振替を活用したほうがいいと考えられる根拠がどこにあるのか。

さらに、これは日銀に対するご質問になるのかもしれませんが、このブロックチェーン技術の利用とか、そういうフィンテックの問題は、日銀のシステムでも問題があり得るのではないでしょうか。極端に言えば日銀が仮想通貨発行するということもあり得るかもしれませんが、日銀においてもフィンテックに関してどういう検討をされているかということを教えて頂ければありがたいと思います。

以上です。

【森下座長】

それではまず、田村委員、お願いします。

【田村委員】

今の岩原先生のご質問に対して回答いたします。まず、日銀ネットでの振替の受付方法の一層工夫についてですが、27ページの図でお示ししておりますとおり、お客様から仕向銀行が受け付けるときに、100億円以上であろうと100億円未満であろうと、同じ方式で受け付けて、そこから先、銀行の中で日銀ネットと全銀システムを使い分けるということです。このお客様から受け付ける部分について、「受付方法の工夫」と表現しております。したがって、お客様にとってはシームレスに金額にかかわらず送れるという体制を実現しようというものでございます。

それからもう一つ、なぜ日銀ネットになったのかという点については、大きく2つ理由がございます。一つは、大口の決済は日銀ネット、小口の決済は全銀システムというのが基本的な考え方としてあると思います。もう一つは、全銀システムを改修すると、全銀システムの改修だけでは済まずに、仕向銀行、被仕向銀行の全てが桁数を改修しなければならなくなって、全体としてのコストがかなり増えてしまう可能性があるということです。そういう2つの理由から、この日銀ネットの活用という方法をとることにしたものでございます。

【岩原金融審議会会長】

今でも1億円以上は日銀ネット経由で決済しているわけですよね。それが100億を超えた分について日銀ネットで決済するというのは、さっきご質問したのと同じですけれども、付記電文付きという形をとるということでしょうか。

【田村委員】

付記電文付きです。

【岩原金融審議会会長】

付記電文付きの形をとると。

【田村委員】

はい。

【岩原金融審議会会長】

わかりました。どうもありがとうございます。

【森下座長】

それでは金沢さん、よろしいですか。

【金沢オブザーバー】

日本銀行の金沢でございます。ご質問頂きましたビットコインをはじめといたします仮想通貨の動向、また、その技術基盤となっておりますブロックチェーン技術、分散型元帳の技術、これらにつきましては、決済を含め幅広い分野で応用ができるのではないかということで、私どものほうでも非常に注目しております。特にブロックチェーン技術、分散型元帳の技術につきましては、中央銀行の業務に将来的に活用していくことも排除せずに、私どもとしても検討してまいりたいと思っております。

一方で、中央銀行が仮想通貨、デジタル通貨を発行する場合、あるいは日銀ネットをブロックチェーンの技術のようなものを使って置きかえていく場合につきましては、現段階では、技術的に越えていかなければいけない課題というのも、少なくないということかと認識しております。

通貨や決済インフラについては、利用者の方々の信頼を維持できるかどうかということも非常に重要だと思いますので、こうしたイノベーションの可能性とのバランスにも注意しながら検討を進めてまいりたいと思っております。

【森下座長】

ありがとうございました。いかがでしょうか。

山上委員、お願いします。

【山上委員】

オープンAPIについてなんですが、先ほども散発的にいろいろ皆様方がご発言なさっているかと思うんですが、まずFISCにおけるセキュリティの検討のスケジュールが、有識者検討会が10月ぐらいを目途になさって、その結論といいますか、報告書が、来年6月ぐらいがめどと伺ったかと思っております。

一方で、全銀協さんのほうでオープンAPIのあり方に関する作業部会が、2016年度中に報告取りまとめという形で、多少の時間差はあるように見えますけれども、先ほどもセキュリティを全て一律に考えるわけではなくてというご発言もあったかと思いますが、多分にAPIの議論を進めていこうとすると、誰が金融機関で、誰が第三者としてサービスを提供する人で、要はTPPが誰でPSPが誰なのかという議論が前提としてある程度認識されていかないと、セキュリティの議論もなかなかかみ合わない部分があるのかなと思うことがあります。そうだとしますと、事務局さんにご準備頂いた、決済高度化のためのアクションプランの業務横断的な法体系の検討というのが、現時点ではまだ検討としかなっていないので、このあたりをどのぐらいのタイムスパンで合わせていくというのが考えられないと、ばらばらな検討が個別に進んでしまって、なかなかかみ合わないのではないかということも想定されます。これは逆に座長にお伺いしたほうがいいのかもしれませんが、どのぐらいのタイムスパンでお考えでしょうか、という点についてお願いします。

【森下座長】

ありがとうございました。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

今、山上委員からご質問頂きました業務横断的な法体系の検討というところは、これは昨年の金融審議会で、さまざまな観点から議論を頂いたものと思っております。私の記憶に残っているところ、印象に残っているところとしましては、フィンテックなどが進む中で、決済のさまざまな業務が、大分似たような形態となり、従来大分分断的に考えていたものが、横断的になっていると。一方で、そのスピードとか影響度はよく考える必要があり、フィンテックがオンゴーイングで進んでいるということを、どう捉まえていくのかという視点もあります。

一方で、欧州では決済サービス指令、また、それがPSD2として発展しつつあり、昨年の審議の段階では、たしか、まだ提案がなされているだけで、成案にはなっていなかったと思いますが、その後、欧州議会で成立をして、たしか再来年の1月ぐらいまでに各国が国内法を整備するという段階に入っていると思っております。

今段階で、この業務横断的な法体系を、我が国において、どういうタイムスパンで、どういうところに焦点を当てて検討を進めていくのかというのを、具体的なイメージは必ずしも持ち合わせてはいないところですけれども、ITの進展とか、あるいはいろいろなサービスが各国でも行われ、日本でもそれに類似したものが入ってくるとなると、それにふさわしい法体系の枠組みが必要であると思っておりまして、したがいまして、明確な答えにはなっていませんけれども、世の中の進展におくれることのなく、この法体系の議論は進めていきたいと思っております。

その中で、この法体系の検討と、今おっしゃいましたオープンAPIや、オープン・イノベーション全体のあり方も含めて、私ども金融庁、事務局としても、齟齬が生じないように、十分留意していきたいと考えております。

【森下座長】

お願いします。

【池田総務企画局長】

佐藤参事官がお答えしたとおりですけれども、基本的なスタンスとして、12月の報告書で横断的法制の整備という大変大きい課題をご提言頂いていて、これについては金融庁としても着実に取り組んでいく必要があると考えておりまして、前回ご議論頂いた法改正事項の成立が、この5月25日だったので、ついこの前のことだったので、次の法制面での検討ということは、なお今、準備している最中でありますが、私どもとしては、早々に新しい検討の場を金融審議会に設け、検討に着手をしていきたいと思っています。

そのときに、横断的法制の整備ということ自体は大変大きいテーマで、我々としては、全体的な構想というものはしっかり持って、その大きい方向性を絶えず念頭に置いて法制の整備を進めていくことが大事だと思っていますが、具体的に大きいゴールに向けて、どういう手順で具体的な法制を整備していくかというのは、必ずしも単年度で全てがつくりおおせるものでもないかなと思っていますので、しっかりとしたグランドデザインのもと、着実に法制の整備を継続的に進めていくことが大事かなと。

そういうことをしていきますと、横断的法制という大変大きいゴールに向けての歩みとあわせて、現実には足元で、ただいまありましたように、フィンテックというような急速な動き、あるいは決済をめぐるいろいろな環境の変化という中で、多分、法制面にかかわる新しい課題というのが絶えず出てくるであろうと思っていまして、そうしたものは、横断的な法制とは別個にというか、並行してタイムリーに検討していく姿勢が必要であると考えていまして、金融審議会で今後設置させて頂くであろう検討の場では、そうした足元の課題についても臨機応変に対応できるような体制をつくっていく必要があるのかなと考えています。

したがって、何か山上委員のほうからあったように、金融庁が思い描いているスケジュールがあって、それに世の中が合わせていくというよりは、むしろ世の中のほうはどんどん進んで頂いて、私どものほうができるだけそれにおくれないように、法制の整備もしっかりタイムリーにやっていくと、そういう姿勢で臨んでいきたいと考えていますので、金融審議会でのそういう検討と、こういう実務的な検討と、あと、金融庁としては、別途、フィンテックの関係の皆さんともいろいろな会議を設けさせて頂いていますが、その辺が一体となって全体の動きがうまく回っていくように取り組んでいきたいと思いますので、ぜひ今後ともご支援頂ければと考えています。

【森下座長】

ありがとうございました。よろしいでしょうか。

それでは、ほかにご意見がございませんようでしたら、以上で討議を終わらせて頂きたいと思います。皆様、本日は活発なご議論を頂きまして、まことにありがとうございました。本日頂きましたご意見も踏まえまして、次回以降も引き続き検討していきたいと思います。

それでは最後に、事務局のほうから連絡がございましたら、お願いいたします。

【佐藤総務企画局信用制度参事官】

それでは事務局から、今後の進め方・スケジュールなどについて、簡単にご説明申し上げたいと思います。

今後の推進会議の進め方ですが、当面は四半期に1回程度を基本とし、ただ、必要があれば適宜開催ということにさせて頂きたいと考えております。次回の日程につきましては、皆様方のご都合をお聞きして、ご都合を踏まえた上で、後日、事務局よりご案内をさせて頂きたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

事務局からは、以上でございます。

【森下座長】

それでは、どうもありがとうございました。以上をもちまして、本日の会議を終了させて頂きます。ありがとうございました。

―― 了 ――

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