決済高度化官民推進会議(第5回)議事録

1.日時:

平成30年6月11日(月) 16時00分~18時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

 

【森下座長】     

 それでは、定刻になりましたので、ただいまより決済高度化官民推進会議第5回会合を開催いたします。皆様ご多忙のところご参集頂きまして、まことにありがとうございます。

 本会議は、2015年12月の金融審議会決済高度化ワーキング・グループの報告書で示された13項目のアクションプランの実施状況をフォローアップし、決済業務等の高度化に向けた取組みを継続的に進めることを目的として、2016年6月に設置されたものであります。また、昨年6月に開催いたしました第3回会議以降、全国銀行協会から、新たにご提案頂いた手形・小切手の電子化、及び、税・公金収納・支払の効率化についても、フォローアップしております。

 本日は、こうした取組みの進捗状況、また今後の取組みの方向性について、議論を進めてまいりたいと考えております。

 初めに、新たにご参加頂く委員、オブザーバーと、本日、参考人としてお越し頂いている方について、事務局よりご紹介をお願いいたします。


【井上総務企画局信用制度参事官】 

 事務局を務めさせて頂いております金融庁信用制度参事官の井上でございます。

 今回、ご参加頂いております各協会の会長行、会長会社の交代に伴いまして、委員の変更がございましたので、ご紹介申し上げます。

 まず、三井住友カードの木原眞一委員にかわってご参加頂きます三菱UFJニコスの正木秀人委員でございます。


【正木委員】 

 正木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。


【井上総務企画局信用制度参事官】 

 続きまして、三菱UFJ銀行の林尚見委員にかわってご参加頂きます、みずほ銀行の望月昭人委員でございます。


【望月委員】 

 望月でございます。よろしくお願いいたします。


【井上総務企画局信用制度参事官】 

 また、委員の異動に伴いまして変更がございましたので、ご紹介申し上げます。 まず、金融情報システムセンター(FISC)の志村秀一委員でございます。


【志村委員】 

 志村でございます。よろしくお願いいたします。


【井上総務企画局信用制度参事官】 

 続きまして、ヤフー株式会社の妹尾正仁委員でございます。


【妹尾委員】 

 妹尾でございます。よろしくお願いいたします。


【井上総務企画局信用制度参事官】 

 なお、本日はご都合により、栃木銀行の猪俣佳史委員がご欠席となっており、かわりまして栃木銀行事務システム部執行役員事務システム部長の栗原弘一様にお越し頂いております。


【栗原委員代理】 

 栗原でございます。よろしくお願いします。


【井上総務企画局信用制度参事官】 

 また、本日、参考人といたしまして、全国銀行協会事務・決済システム部長の相澤直樹様、みずほフィナンシャルグループ、デジタルイノベーション部長の阿部展久様、中小企業庁経営支援部技術・経営革新課長の師田晃彦様、財務省国際局調査課外国為替室長の菊地渉様にお越し頂いております。


 事務局からは以上でございます。


【森下座長】 

 ありがとうございました。  続きまして、議事に移らせて頂きます。

 本日は、全国銀行協会から、アクションプランに掲げられた13項目と手形・小切手の電子化、及び、税・公金収納・支払の効率化等に関する取組みの進捗状況についてご説明を頂き、その後、中小企業庁より、中小企業の受発注業務などのIT化に関する中小企業庁の取組状況について。財務省より、外為法に基づく「支払又は支払の受領に関する報告書」のオンライン報告の改善について。金融情報システムセンターより、オープンAPIに関するFISCの取組みについて。事務局より、オンラインで完結する本人確認について、ご説明頂き、その後、討議を行いたいと考えております。

 それでは、まず全国銀行協会、望月委員より、決済高度化に向けた全銀協の取組状況について、ご説明をお願いいたします。


【望月委員】 

 ただいま座長からご紹介を賜りました全国銀行協会企画委員長を務めております株式会社みずほ銀行常務執行役員の望月でございます。

 お手元の資料、右肩、資料1となっております「決済高度化に向けた全銀協の取組状況」をお手元にご用意ください。こちらの資料に従いまして、ただいまの取組状況につきまして、ご報告をさせて頂きたいと存じます。

 まず、1ページに目次がございます。先ほど座長からありましたように、本日は、まず2015年12月の金融審議会、決済高度化ワーキング・グループ報告書における主要13項目の取組状況につきましてご報告をした後、全銀協から追加的な課題として設定いたしました手形・小切手機能の電子化、並びに税・公金収納・支払の効率化の取組状況、最後に、個別のトピックといたしまして、リテール分野におけるキャッシュレス化の推進の方向性につきまして、ご参考としてご報告をさせて頂くものであります。

 それでは3ページをご覧ください。こちらが、2015年12月のワーキング・グループ報告の提言を踏まえました13の論点を、中央に取組状況、右側にその進捗という形で、一覧に取りまとめたものでございます。関係省庁や産業界の皆さんのご協力も賜りながら取組みを続けてまいりました結果、各項目ともに着実に進捗してきているものと認識しております。改めまして、この場をお借りし、ご関係の皆様方に御礼を申し上げさせて頂きたいと思います。

 各項目の具体的な取組状況、進捗状況等につきましては、次のページ以降でご説明をさせて頂きたいと存じます。

 4ページをご覧ください。左側に報告書の提言、右側に黒四角で取組状況、白四角で今後の計画・課題という形でまとめさせて頂いております。

 まず、XML電文への移行についてであります。2018年12月のサービス開始に向けまして、現在、全銀EDIシステムの開発を手がけているところであります。本件につきましては、幅広い企業において利用が進むことが鍵と認識しておりまして、今後の課題として、その普及活動に注力してまいります。

 具体的には、横棒の1つ目でありますが、企業の利用促進に向けた、各商工会議所などと連携いたしました説明会の開催や、移行に関する検討部会の開催などを行うとともに、横棒3つ目にあります中小企業などのXML電文作成をサポートする簡易XML作成機能の提供に向けた準備などを手がけておりまして、本件につきましては関係省庁、産業界と引き続き連携をさせて頂きながら、しっかりとした普及活動に取り組んでまいりたいと考えております。

 続きまして下段、送金フォーマット項目の国際標準化についてであります。

 企業あるいは銀行向けのアンケート結果によりまして、受取人名をアルファベット表記とした振込につきまして、一定のニーズがあるということが確認できておりまして、この検討を始めているところでございます。具体的には、2019年度からの取扱開始を念頭に、対象とする振込業務の特定や、必要な関連諸規定の改定など、課題の洗い出しを行っているところでありまして、スケジュールをしっかり置いた上で、対応を進めてまいりたいと考えております。

 おめくり頂きまして、5ページ、項番3つ目が、国際送金における「ロー・バリュー送金」の提供についてであります。本件につきましては、大きく2点の状況変化がございましたので、ご報告いたします。一番上段にありますように、APN-HUBを活用したロー・バリュー送金の実現に向けまして、APN参加国と調整を行ってきたところでありますが、1点目といたしまして、本年6月を予定しておりましたAPN-HUBの稼働が延期となり、現在、時期調整中であります。

 2点目は、資金決済がAPN-HUBの仕様策定の対象外となることが本年4月に決定したため、決済通貨を含みます資金決済方法を送金相手国との間で個別に協議して決定していくことが必要となりました。現在、フィリピン・タイ・韓国の3カ国と、個別に協議を進めているところであります。

 今後の課題といたしましては、本件は個別にシステム開発などが必要になる可能性もあり、コストなども総合的に勘案した上で、低コスト送金の実現につながるかを見極めながら、検討会として方針を決定していく予定でございます。

 続きまして、項番4番目、大口送金の利便性向上につきましては、昨年12月にご報告させて頂きましたとおり、大口送金は、日銀ネット振替を活用して対応する方針を既に決定し、対応完了済みの案件でございます。今後の課題といたしましては、最下段にございますように、大口送金の日銀ネット振替の利用を調査した後、次回の決済高度化官民推進会議におきまして、状況のご報告をさせて頂きたいと存じます。

 6ページ、5つ目の課題は、非居住者口座に係る円送金の効率性向上についてでございます。これにつきましても、昨年度のこの場所でご報告をさせて頂きましたとおり、全銀システムで行われた場合におきましても、外為法に基づく適法性の確認義務が果たされていることが確認できれば、資金返却を不要とする改善を既に実施し、対応を完了しております。本件につきましても、その浸透状況を調査した後、次回のこの場におきまして、ご報告をさせて頂きたいと考えております。

 続きまして、項番6番、携帯電話番号を利用しました送金サービスの検討についてでございます。こちらにつきましては、現在、2つのサービスの検討が進んでおります。

 まず1点目は、3メガ並びに富士通が共同して取り組んでおりますP2P送金のプラットフォームについてであります。1月から3月に実証実験を実施いたしまして、ブロックチェーン技術を用いた個人間送金につきまして、技術的に実現可能であることを確認いたしました。

 今後の課題でございますが、次のステップとして、今年度中に一般ユーザーを含む形で実証実験を行う予定であります。ユーザーからの意見やニーズを踏まえた上で、スピード感持って取組みを進めてまいりたいと考えております。

 2つ目は、47行が参加しております「内外為替一元化コンソーシアム」の取組みであるMoney Tapの開発についてであります。2017年3月の実証実験を経まして、現在は開発が完了した状況で、住信SBIネット、スルガ、りそなの3行が先行して、この夏を目処に順次一般向けのサービスを開始する予定でございます。2018年度内には、参加行を5行から10行程度まで拡大する計画で進めているところでございます。

 続きまして、7ページをご覧ください。7つ目の課題は、ブロックチェーン技術の活用可能性と課題に関する検討についてでございます。こちらにつきましても、取組みとしまして大きく2点、ご報告をさせて頂きます。

 1点目は、全銀協が設置いたしましたブロックチェーン連携プラットフォームを活用した実証実験についてであります。本人確認事務の共同化とでんさいに関するブロックチェーン技術の適用可能性について検証を実施し、いずれもブロックチェーン上で基本的な機能を再現可能であることを確認いたしました。本件につきましては、この6月中に結果の公表を予定しております。また、このプラットフォームのさらなる利用促進に向けまして、会員銀行向けの説明会を6月に開催致しました。

 2点目は、3メガ並びに保険・物流・商社の貿易関連企業14社が参加する「貿易情報関連基盤実現に向けたコンソーシアム」の取組みでございます。貿易取引事務の電子化に向けた取組みにつきまして、業界横断で課題抽出や実証実験などを実施いたしました。本件につきましては2018年度中に、引き続き関係省庁等も含めまして、協議を継続してまいりたいと考えております。

 続きまして、項番8番、オープンAPIのあり方に関する検討についてであります。ご案内のとおり、今月より改正銀行法が施行されまして、オープンAPIの制度がスタートされました。金融機関あるいは電子決済等代行業者などのオープンAPIの取組みをサポートすべく、全銀協といたしましては大きく2点に取り組んでおります。1点目が、API連携に関する契約締結事務の効率化を図るために、「オープンAPI推進研究会」の場を通じまして、契約書の条文例を策定し、6月1日付で中間的な整理案という形で公表させて頂きました。

 また、2点目は、FISCに設置されました「金融機関におけるオープンAPIに関する有識者検討会」におきまして、API接続チェックリストの試行版の見直しに向けた議論をこの6月から開始しております。確定版の策定に向けて、しっかりとラップを刻んでまいりたいと考えております。

 続きまして、8ページをご覧ください。全銀ネット有識者会議の運営見直しについてであります。全銀ネット有識者会議につきましては、2016年度に運営見直しを行って以降、全銀ネットの役員会あるいは検討部会と有機的に連携させることで、継続的な決済高度化に向けたPDCAの軸として活用しております。2018年1月には、上段に記載のようなテーマにつきまして、議論をさせて頂きました。全銀ネット有識者会議での議論を踏まえ、今後、下段にございますように、10月にはモアタイムシステム、いわゆる全銀システムの稼動時間拡大、12月には全銀EDIシステムの稼動を予定しております。次回の会議は2019年1月を予定しておりますが、決済高度化に関する諸外国の状況やFintechの活用状況、利用者の具体的ニーズなどにつきまして、調査・研究なども実施し、報告をさせて頂く予定であります。こうした形で、全銀ネット有識者会議の運営を高度化しているところであります。

 続きまして、項番10番、電子記録債権を巡る課題への対応についてであります。こちらにつきましては、2017年3月に、でんさいネットと各行記録機関が、互いの間で電子記録債権を移動可能にすべく取組む旨の最終方針を既に決定しておりまして、現在、システム開発と業務規程の改正に向けた検討を進めております。2019年度以降、順次リリースができるような形で、現状進めているところでございます。

 続きまして、9ページ、CMSの高度化に向けた取組みについてでございます。こちらは全銀協全体の取組みというよりは、個別行としての取組みということになりますが、資料編にも記載させて頂いている通り、各銀行におきまして、多様な企業ニーズに応えるべく、新規サービスのリリースによるプロダクツ・ラインナップの拡充、既存商品の機能拡張といったことを継続的に取り組んでいるところであります。

 その後にあります項番12番、外為報告の合理化につきましては、この後、財務省から、項番13番の情報セキュリティに関する取組みにつきましては、FISCからご説明がございますので、この場での説明は割愛をさせて頂きたいと思います。

 続きまして、オールジャパンでの手形・小切手機能の電子化、並びに税・公金収納・支払の効率化についての取組状況をご説明申し上げます。

 11ページをご覧ください。昨年12月、全銀協が事務局となりまして、「手形・小切手機能の電子化に関する検討会」を立ち上げ、これまで3回の開催を行ってきております。利用実態の調査などを踏まえまして、電子化に向けた課題を整理し、対応策などを現在検討しているところでありまして、今後、2回程度の会合を予定しております。6月から7月にかけ中間報告を、11月から12月にかけ最終報告を取り纏めるべく、現在、記載の検討会構成メンバーの方々と協働しながら進めているところであります。

 続きまして、12ページがこれまでの検討の状況でございます。一部おさらいになりますが、左上にありますように、手形・小切手の果たしてきた役割・機能、こうした歴史的なものもしっかりと踏まえた上で、左下にありますように、昨今のテクノロジーなども踏まえながら、利用シーンにおいてどのような効率化ができるか。こうした観点から現在検討を進めております。

 実際、右側にありますように、手形・小切手の流通量につきましては、年々減少傾向にございまして、平成28年につきましては、ピーク時の約10分の1まで減少が進んでいるところであります。

 こうした利用実態なども踏まえまして、今後の電子化の方法については、13ページの左側にありますように、約束手形は電子記録債権、小切手等はEBによる振込といった既存の決済手段を活用した電子化シフトを想定しながら、現在検討を進めているところであります。

 具体的には、利用者へのアンケートなども行いながら、現在、詳細検討を行っているところでありますが、今後の課題として、右側に6点ほど挙げさせて頂いております。手形・小切手の利用実態をしっかりと把握した上で、電子化によるコスト削減効果の試算。振込等を活用した既存の商品における利便性の向上や、導入支援施策の検討。また、項番4にありますように、特にここは重要だと思っておりますが、電子化がなかなか難しい取引先への対応をどのようにしていくのか。そして、項番5にありますように、今までご説明しましたXML電文への移行など、他の決済高度化の取り組みとしっかりと連動させること。その上で、項番6にありますように、電子化のスケジュールをしっかり引いていく。こうしたことが、今後の検討課題として必要と思っております。

 本件につきましては、中小企業あるいは小規模事業者の実態も十分踏まえた上で、きめ細かく、かつ丁寧な対応策を検討する必要があると考えておりまして、電子化スケジュールにつきましても、年内に取りまとめを行っていきたいと考えております。

 続きまして、税・公金につきまして、14ページでご説明申し上げます。本年3月に、全銀協が事務局となり、「税・公金収納・支払の効率化等に関する勉強会」を左下に記載のメンバーで立ち上げまして、これまで2回の勉強会を開催し、実態の把握と利用者利便の向上・効率化に向けた課題についての検討を進めてございます。今後、3回程度の会合を予定しておりまして、2019年3月までには、報告書という形で取りまとめたいと考えております。本日は、この中から取組みといたしまして2点、状況をご報告いたしたいと思います。

 15ページをご覧ください。1点目につきましては、地方税の共通納税システムの導入についてであります。既存の地方税の申告システムでありますeLTAXと連携することで、全地方団体向けに申告税の電子納付が可能となる枠組みでございます。これにより、納税者は複数の地方団体向けの地方税を一括して納税可能になるということでございます。2019年10月の稼働を予定しており、現在、開発を進めているところでございます。

 2点目は16ページでございます。こちらは納税者向けの周知ツールで、「暮らしのデジタル化ガイド(仮)」のご紹介でございます。金融機関の窓口などでお待ちのお客様に、より便利な納付方法があることをご案内するためのツールでございまして、現在、関係省庁とも連携させて頂きながら、作成を進めているところであります。掲載項目につきましては、第一編で、具体的な納税シーンや税・公金の納付方法等をご紹介することに加え、第二編では、セキュリティ対策、その他の暮らしに役立つマイナポータル等のデジタルサービスもご紹介することにより、広く国民のデジタル・リテラシーの向上に資していきたいと思っております。

 最後に、リテール分野におけるキャッシュレスに関する推進の方向性につきまして、個別テーマということで、ご報告をさせて頂きたいと思います。

 18ページをご覧ください。キャッシュレス化につきましては、利用者の利便性の向上、あるいは人手不足や高齢化も見据えた生産性の向上、データ利活用による新たな付加価値の創出といった経済社会全体に大きなメリットをもたらす、日本にとって重要な取組みと認識しております。現金社会と言われてきました日本の慣習を変えていくためには、図の左側、青い部分にありますクレジットカードや電子マネーといった既存のキャッシュレス手段の利便性を高め、さらなる普及拡大を図ることに加えまして、右側の緑色の部分でありますスマホデビットやデジタルコインといった先進技術も活用した、既存手段にはない強みを持つ新たなキャッシュレス手段を提供することにより、利用者が幅広い決済手段の中から、好みやシーンに応じて選択できるような世界をつくり出すことが、極めて重要と考えております。

 この分野につきましては、銀行界はこれまで、競争原理のもとで多様なニーズに応えるサービスを拡充し、キャッシュレス化を推進してきた側面がございますが、過度なサービスの乱立を回避するためにも、競争ではなく、協働とのバランスが必要な局面に入ってきていると認識しております。

 そうした観点から、19ページでございますが、新たなキャッシュレス方式がそれぞれ持つ強みを最大化するために、銀行界の中でどこが協働できる領域かといったことについての議論を進めさせて頂いているところであります。

 例えば図の中段、利用者と加盟店のタッチポイントとなるプラットフォーム領域は、3メガ中心に現在検討を進めておりますQRコード決済の仕様・規格の統一など、利用者がより多くの店で同じように使えるシンプルな支払手段を実現するために、極力、銀行間で連携を図っていく分野と考えておりまして、経産省や産業界の皆様などとも緊密に連携してまいりたいと考えております。

 また、図の下段はインフラの領域となります。先進技術の取込みという側面もありますが、決済手段の間のよりシームレスな交換や、あるいはデータ利活用の柔軟性・拡張性を妨げない決済インフラを実現するために、協働すべき領域では連携を図ってまいりたいと考えております。

 一番上段にありますサービス領域につきましては、利用者への付加価値を最大化する観点から、それぞれの金融機関が創意工夫で開発をし、サービスを競うという考え方が必要かと思いますが、現在、プラットフォーム領域、インフラ領域の協働につきましては、議論を進めているところであります。

 20ページには、現在の代表的なキャッシュレス手段をまとめた表をつけさせて頂きました。例えば、スマホを利用したキャッシュレス手段につきましては、特性として、加盟店にとってはQRコードなどで端末コストが抑制でき、加盟店の広がりが期待される点、あるいは利用者にとっては、スマートデビットという仕組みは即時口座決済のデビット機能をスマホで活用できるという利点がございます。デジタルコインといった新しい取組みにつきましては、チャージの範囲内で利用することによって、より安心感があったり、あるいは払戻が現金で可能ということで、交通系電子マネーよりも高額の利用も期待できるという利用者にとっての特性と加盟店にとっての特性がございます。

 既存手段にはない特性を持つこうしたキャッシュレス手段も提供しながら、さまざまなニーズに対応していくことが、銀行界としても必要と考えております。

 以下、22ページ以下は、今ご説明しました件のアペンディクスをつけさせて頂いておりますので、この後、質疑応答などの場で活用させて頂ければと思っております。

 本日、13項目と手形・小切手機能の電子化、税・公金支払・収納の効率化、キャッシュレス化につきまして、ご報告をさせて頂きました。決済高度化の要になるインフラの構築につきましては、ある程度、時間を要するものもございますが、生産性あるいは日本の競争力向上という観点からは、待ったなしのテーマと認識しております。業界として統一的に対応する取組み、個別行単位でサービスを競いながら対応する取組み、各々がございますが、いずれもスピード感を持って、関係省庁や産業界の皆様とも緊密に連携を取りながら、対応させて頂ければと考えております。

 私からの説明は以上になります。ありがとうございました。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 続きまして、中小企業庁、師田参考人より、中小企業の受発注業務などのIT化に関する中小企業庁の取組み状況について、ご説明をお願いいたします。


【師田参考人】 

 ご紹介頂きました中小企業庁技術・経営革新課長の師田でございます。資料2に基づきまして、中小企業の受発注業務などのIT化に関する取組み、ご説明をさせて頂きます。

 1枚おめくり頂きまして、1ポツ、29年度の補正予算の4.0億円という予算を頂きまて、金融機関から提供される決済情報と、企業間でやりとりされる商流情報を一括して実施するような実証事業を進めていくという形で、本年度の事業を進めてございます。29年度の補正ですので、実際は30年度、まさに今年度実施をしているところでございまして、現在、国から民間企業等ということで、公募の結果、NTTデータ経営研究所に入って頂きまして、実際にこのプロジェクトを進めているところでございます。

 おめくり頂きまして2ページ目、この実証事業の目標、大きく3つございます。まず1つ目が、受発注から決済までをデータ連携させるアプリケーションを開発するということでして、昨年度、我々、受発注の電子化、EDIのプロジェクトというのを実証してまいりまして、実際に企業が発注して、受注して、納品をしてというところまでを電子化するプロジェクトというのを実証してきたんですけれども、今般、金融EDIが本年度、12月からスタートすることに伴いまして、さらにこれを受発注から消込まで一気通貫でやれるシステムを開発するということで考えてございまして、これができるアプリケーションを開発するということが、1つ目の目的でございます。これ、ポイントは中小企業、ご承知のとおり、必ずしもITリテラシーが高いわけではございませんので、彼らでもわかりやすいようなシステムをちゃんと作り、その表面に立つアプリケーションをちゃんとわかりやすいものにしていこうということで、考えているものでございます。これを開発して実証するのが、1つ目の目標でございます。

 2つ目が、異なるシステム間を連携させる共通インフラの実証ということでございます。EDIは、世の中にさまざまなシステムがございまして、いわゆるサプライチェーンごとにそれぞれシステムが違ってきている。そのシステム間の連携をするということが、現実できてこなかったわけですけれども、今回、金融EDIとの連携を機に、EDIプロバイダ同士の連携を実施するという仕組みを実証したいと考えているものでございます。詳細は後でご説明いたします。

 目標3つ目としましては、金融EDI連携の普及と導入支援の体制を検討するということでございます。

 おめくり頂きまして3ページ目、まず1つ目の目標でございます。これ、受発注から決済までをデータ連携させるということです。下の図をごらん頂ければと思います。発注企業と受注企業がそれぞれ、今までは電話とかファクスでやりとりをしていたわけですけれども、これを昨年度、平成28年度の補正事業を使いまして、商流EDIのところの実証を行いまして、この仕様をまとめてきたということを取り組んでまいりました。本年度は、金融EDI、ZEDIが今年の12月から開始することを踏まえまして、発注から記帳、消込までを全部、一気通貫で実施するということを実施いたしまして、さらにこれを一つのアプリケーションで実施するというものを実証したいと考えているわけでございます。具体的には、これに取り組む事業者さんを今、公募してございまして、4件程度選定した上で、実際にそのアプリケーションを開発していくということを考えているところでございます。

 おめくり頂きまして、次に目標2であります。この図がちょっと複雑なんですけれども、取引先ごとに、それぞれEDIのシステムというのは異なってございます。それぞれの中小企業が個別のシステムに対応しようとしますと、違うサプライチェーンごとにそのシステムを入れなければいけないので、非常にコスト高になるという状況がございます。今までは、これをなかなか仲介する仕組みがなくて、今回、ZEDIとの連携というところに共同利用システムというのをかませることによりまして、異なるEDI間のデータも連携できるようなシステムができないかということで、こういうものの検証したいと考えてございます。これが動けば、将来的にはZEDIにつながる前段階の受発注についても、このシステムを介しながらつながっていくことで、中小企業全体のEDIの進展につながるのではないかと考えてございまして、この取組みを進めてまいりたいというのが、目標の2つ目でございます。

 それからおめくり頂きまして、この3つ目はいわゆる普及でございます。ここに書きましたのは、全国10カ所でやるマッチングイベントでして、ちょうど明日、東京のベルサール東京で開催するんですけれども、こういった中小企業向けのITマッチングイベントを全国10カ所で開催してまいります。この中でもセッションを設けまして、「受発注が!決済も!人手不足を救うプラス『つなぐIT』」というタイトルで、中小企業の方々にわかりやすく、このEDIシステムのメリットを訴えることで、経営者の方々にこれを活用して頂くということを進めていきたいと思っております。

 それから、ここには書いてございませんで、それ以外でチラシを3枚ほどお配りさせて頂いております。例えば今年度、IT導入補助金というのを措置させて頂きまして、こういう資料なんかも入れてあると思います。平成29年度補正で500億円の予算を頂きまして、中小企業の方々がIT導入をする際に上限50万円で2分の1の補助をするという制度も活用しながら、実際に中小企業がITを導入して、それをさらに金融EDIにつなげていけるような、EDIを普及する前段のIT化についての支援を進めているというものでございます。

 おめくり頂きまして最後、6ページ目でございます。スケジュールですけれども、7月ごろにはモデルプロジェクトの選定をしまして、実証を開始し、12月のZEDIのサービス開始に伴いまして、ZEDIを使った実際の金融の取引をさせて頂いて、今年度中には、その成果をまとめていきたいということで考えてございます。

 こういった取組みを通じまして、全銀協さんでやられているZEDIの普及を我々のほうからも後押ししたいと考えているところでございます。

 私からは以上です。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 続きまして、財務省、菊地参考人より、外為法に基づく「支払又は支払の受領に関する報告書」のオンライン報告の改善について、ご説明をお願いいたします。


【菊地参考人】 

 財務省で外為法を担当しております菊地でございます。平素より外為法関連のご報告を頂くなど、所管行政にご理解、ご協力を賜りまして、まことにありがとうございます。

 さて、前回、第4回の会合におきまして、外為報告の合理化の方向性に関しまして、ご説明をさせて頂きました。その後、頂戴したご提言、企業等の関係者のご意見を踏まえつつ、合理化の実施に向けた省令の手当て等、所要の準備を進めてまいりました。本日は、外為法令等に関する合理化の具体的な実施状況、今後の見込み等をご説明させて頂きたいと思います。

 お手元の資料3、6月8日付の報道発表をごらんください。こちら、表題が「外為法に基づく『支払又は支払の受領に関する報告書』のオンライン報告について改善します」というものでございます。こちらにおきまして、①から⑤の改善等をお示ししております。

 ①は、オンライン報告の提出期限を10日から20日に延長するものでありまして、ご報告を頂く際の時間的な余裕をさらに伸ばすというものでございます。

 ②は、オンライン報告では、全ての取引銀行を通じた支払等をまとめて、1つのファイルで報告が可能となるという内容でございます。こちらの①と②に関しましては、実施予定日7月1日を予定しています。

 ③は、書面の一括報告を行うには、財務省への通知が必要でございますけれども、オンライン報告では通知を不要としまして、こちら6月8日から即日実施ということにいたしました。

 ④は、オンライン報告の入力方式をExcelテンプレート入力方式に切り替える合理化でございます。こちらは今、準備中でございまして、本年9月の導入を目指しております。

 ⑤は、支払等報告書以外の報告書でも、従前よりオンライン報告は可能でありましたところ、今回の機会を捉えまして、改めてお知らせするものでございます。

 おめくり頂きまして、もう一枚の資料をごらんください。パソコンと人物の図柄をあしらったパンフレット形式のものでございます。先ほどの報道発表の①から⑤の内容をまとめたものでございまして、オンライン報告、電子報告の推進につながるよう、関係する皆様方でご活用頂くことを企図しております。

 本件の改善内容は、6月8日に財務省のホームページに掲載いたしましたことに加えまして、各業界団体様宛てに関係書類を送付しております。各方面で、こちらの改善等、また浸透が進みまして、電子報告の推進、外為報告の合理化に結びつくことを期待しております。

 最後に、外為報告の合理化や電子報告の推進のため、引き続き対外広報に財務省としては務めてまいりますともに、今後とも不断の見直しの検討を行ってまいる所存でございますので、外為報告に関しましてご理解頂けますよう、引き続きお願いを申し上げる次第でございます。

 以上です。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 続きまして、金融情報システムセンター、志村委員より、オープンAPIに関するFISCの取組みについてご説明をお願いします。


【志村委員】 

 金融情報システムセンター(FISC)の志村でございます。

 本日は、オープンAPIに関するFISCの取組みについて、ご説明させて頂ければと存じます。資料の4をご用意ください。

 まず、これまでの取組みといたしまして、FISCにおきましては一昨年から、「金融機関におけるFinTechに関する有識者検討会」、あるいは「API接続先チェックリスト ワーキンググループ」、これらを通じまして、オープンAPIにおける安全対策のあり方を提言し、これを推進してまいりました。

 さきの有識者検討会におきましては、総体的な安全性を確保しつつ、金融機関とFinTech企業といった関係者の負担を軽減するため、金融機関はFinTech企業とあらかじめ合意した内容に従って共同で統制を行うといった、両者が協調した取組みが重要であるとの提言を頂いております。

 こうした提言も踏まえまして、金融機関とAPI接続先とが、互いの安全対策の実施状況を適切に把握するためのコミュニケーションツールといたしまして、「API接続チェックリスト(試行版)」を作成し、昨年6月に公表しております。

 チェックリストの公表後、約1年が経過いたしますけれども、銀行とAPI接続先の双方におきまして、当該チェックリストが活用され始めており、チェックリストを使っておられるユーザーの皆様からは、現在の「試行版」に対するご意見や改善要望を頂いている状況でございます。

 こうした状況下、このチェックリストをより多くの関係者の方々に、またより一層、有効に活用して頂くために、ユーザーのご意見、ご要望や、FISCにおいて本年3月に全面改訂を行いました安全対策基準の内容なども踏まえまして、チェックリストの確定版を策定することが必要と考え、本年6月に有識者検討会を立ち上げております。また、チェックリストの改訂内容を具体的に検討する場としましては、この検討会のもとにワーキンググループを設置しております。

 この取組みは、まさにこの6月から開始されたばかりではありますけれども、システムの安全性を確保しつつ、オープンイノベーションの成果を最大限享受するということを念頭に、またチェックリストの利用者にとって利用しやすいものとなるよう、これから有識者検討会及びワーキンググループにおきまして、議論を進めていく予定としております。

 以上、簡単ではございますが、私からの説明とさせて頂きます。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 続きまして、FinTech時代のオンライン取引研究会において議論されておりますオンラインで完結する本人確認について、事務局よりご説明をお願いします。


【森総務企画局企画課調査室長】 

 企画課調査室の森と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私のほうからは、オンラインで完結する本人確認について、ご説明申し上げたいと思います。

 資料の5をご覧頂きたいと思います。資料5の1枚目をご覧ください。一番上の背景と書いた部分の箱の矢印の部分でございます。金融機関等に本人確認義務を課す犯罪収益移転防止法では、非対面での本人確認の方法として、顧客から身分証写しの送付を受け、顧客宅に転送不要郵便を送付する方法等を規定してございます。

 しかし、この方法につきましては、顧客の利便の観点、これは郵便を送るということで、日時がかかるということでございますし、本人確認の実効性の観点からも、問題があるのではないかという声がございます。

 それで、1枚目の一番下の箱でございますが、このため、金融庁では昨年、金融機関、FinTech企業、関係省庁とともに、FinTech時代のオンライン取引研究会を設置し、オンラインで完結する本人確認方法について、マネロン対策の実効性と利便性の両面に配意し、メンバー外の団体等にも意見照会を行いつつ、検討を行ってまいりました。

 具体的に考えられる案につきましては、2枚目をご覧頂きたいと思います。いずれも諸外国の例を参考に4つ書いてございます。1つ目が、インターネット上のビデオ通話を利用して、顧客から身分証の提示を受ける方法でございます。その下、2番目が、顧客から身分証と顧客の顔の画像の送信を受ける方法でございます。続きまして3番目でございますが、顧客から身分証の送付を受け、預貯金取扱金融機関またはクレジットカード会社に顧客情報を照会する方法でございます。最後に4番目が、顧客から身分証の送付を受け、顧客名義の口座に少額を振り込み、顧客にその振込内容を確認する方法。

 以上、4つの方法の追加につきまして、警察庁さんに要望いたしまして、調整を行ってまいりました。調整の結果、現在、警察庁さんにおかれまして、犯罪収益移転防止法の施行規則の改正に向けた詰めの作業が行われているところでございまして、近々、パブリックコメントが開始される見込みでございます。各金融機関の皆様におかれましては、ご自身のビジネスモデルやマネロンポリシーに合致するというようなことであれば、新たな方法をご活用頂ければというふうに考えております。

 私からの説明は以上でございます。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 それでは、これより討議の時間とさせて頂きたいと思いますが、討議にあたっては、本日配付されております、資料6に記載しております「討議いただきたい事項」を適宜ご参照頂ければと思います。

 なお、討議を始める前に、私から一言申し上げさせて頂きます。本会議は、2016年6月からこれまでに計5回開催してきましたけれども、この間、革新的技術を活用したFinTechの急速な拡大によって、環境が大きく変化しています。本日は、こうした技術革新、金融サービスをめぐる環境変化などを踏まえ、決済高度化に向け、今後の課題を考えていく上での参考とすべく、議論させて頂きたいと思っております。活発なご意見を頂ければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、どなたからでも結構ですので、ご発言をお願いいたします。

 加藤委員、お願いします。


【加藤委員】 

 日本商工会議所の加藤です。

 ご説明ありがとうございました。私のほうから何点か発言させて頂きます。あと、質問もさせて頂きます。

「発言の1点目」は、「XML・ZEDI」についてです。先ほどのご説明にありましたとおり、「普及・周知」が非常に重要だと存じます。私どもも、資料23ページに記載がありますが、微力ながら「説明会の開催」や「チラシ配布」などについて、協力をさせて頂いております。また、先ほどご説明がありました「簡易XML・S-ZEDI」については、2年前のXML検討会で私どもからお願い申し上げて、今回開発して頂いたということになろうかと思います。おって、チラシができれば、周知をしてまいります。

 ただ、普及・周知は、私どもだけでは力不足です。ここで全銀協さんと金融庁さんに質問させて頂きます。前回の会議で、私は5点申し上げました。1点目、地元の金融機関が講師となって、地元で、商工会議所とかその他様々な組織で説明してもらうほうがよい。2点目、各業界団体や所管する府省庁を巻き込む必要があるのではないか。3点目、中小企業等経営強化法に基づく事業分野別推進機関が策定する事業分野別指針に、金融EDIを盛り込んでもらったらどうか。4点目、政府におけるさまざまな府省庁連絡会議等で周知依頼をすることが大事である。5点目、初期コスト・利用コストの両面で、低コストが大事である。

 以上を踏まえて、まず全銀協さんに4点、質問させていただきます。1点目は、全ての金融機関でZEDIの講師派遣ができるようになるのはいつごろか。2点目は、業界団体や所管する府省庁の巻き込みについての取組状況はどうか。3点目は、事業分野別指針への金融EDIの盛り込みについての取組状況はどうか。4点目は、初期コスト・利用コストはどれぐらいになるのか。特にコストについては、企業にとっては重要ですし、システム改修が必要な企業にとっては、コストがわからないと、なかなか前に進めないのではないかなと思います。

 続いて、金融庁さんに1点質問で、政府の府省庁連絡会議等での対応について、どのようになっているのかです。

 次に、「発言の2点目」は、「手形・小切手の電子化の検討」についてです。前回も申し上げましたが、中小企業関係3団体の連名で、昨年12月の第1回の検討会合で意見陳述をさせて頂きました。それ以降、全銀協さんには、真摯にご検討を頂いておりまして、大変感謝を申し上げます。今後の検討については、先ほどの資料でもさまざまな課題が提示されていましたが、私どもは中小企業の立場から意見を申し上げさせて頂きますので、引き続きのご対応をよろしくお願いします。

 最後の「発言の3点目」は、「キャッシュレス決済」についてです。前回、キャッシュレスを阻む3つの壁として、1つ目が「決済利用料」、2つ目が「決済端末代」、3番目が「売掛金の入金までのタイムラグ」ということを申し上げました。最近、先ほどご説明がありましたが、さまざまな動きがございます。また、6月7日の日経新聞の報道によれば、「加盟店が支払う手数料を1%未満に抑え、普及に弾みをつけたい考え」と報じられております。このような形で、今後も様々な動きが出てくるかと思います。より多くの中小企業・小規模事業者が、「キャッシュレス決済を活用できるような画期的な環境整備」を、ぜひお願いしたいと思います。

 あと最後に、言い忘れました。中小企業庁さんからお話がありました「受発注EDIと金融EDIの連携」は、生産性向上にとても重要だと思いますので、引き続きの対応をお願いできればと思います。以上です。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 それでは、全銀協さん、お願いします。


【相澤参考人】 

 相澤でございます。最初に4点、XMLについてご質問を頂きましたので、そちらからお答えをさせて頂きます。

 先ほどご覧頂きました23ページの下の段で、日本商工会議所さんと連携させて頂いて、各地の商工会議所で説明会を開催中であるということを書かせて頂いております。ご質問は、全ての金融機関が講師派遣をできるのは、いつごろになるかということでございます。全ての金融機が講師を派遣できる状態が整う時期については、一概に申し上げることはできないわけでありますけれども、この全銀EDIシステムの普及推進に向けて、金融機関向けの意見交換会合を設置するなど、体制整備、対応力の底上げに今、努めているところでございます。既にご対応頂いた金融機関も一部ございますけれども、全体的な底上げを図っていきたいというふうに思っております。

 加えまして、先ほどから申し上げておりますけれども、チラシに続く新たな周知ツールの作成とかメディアの活用等、本年12月の稼動を見据えまして、企業様に対する周知広報を一層進めていきたいと考えてございます。この取組みにあたりましては、全銀協と金融機関が連携しながら、効果的かつ効率的に進めてまいりたいと思います。

 2点目のご質問でございます。既に商流EDI標準を策定している業界団体を中心に、当該業界内における金融EDIの標準化を促進しながら、企業の利用につなげていきたいと考えてございます。

 また、全銀EDIシステムのデータを活用いたしました電子領収書発行サービスが、広く利用されますように、本年5月には情報処理事業者向けに策定いたしました手引きを、会計ソフトウエアベンダー等、情報処理事業者が所属する業界団体に周知いたしまして、情報処理事業者によるこういったサービスの提供を促していきたいと考えております。

 また、先ほどの中小企業様からのプレゼンにもございましたように、中小企業・小規模事業者決済情報管理支援事業が実施されまして、その中で、決済情報と商流情報を一気通貫で連携させる仕組みが、検討されているということでございますので、全銀EDIシステムとの連携の実証も予定されておりますので、全銀ネットといたしましても、引き続き連携協力をしてまいりたいと考えております。

 そのほか、こういった説明会につきましては、金融庁様、経産省様、中小企業庁様にもご登壇を頂いておりますし、金融庁様のホームページへの周知チラシの掲載とか関係当局とは、これまでも適宜、連携を行っているところでございますけれども、今後もさらに連携を強めていきたいと考えております。

 3点目、事業分野別指針についてでございます。前回、加藤委員からご助言を頂いたわけでございますけれども、今日この場で、目立った進展のご報告ができない状況にございます。引き続き、経済産業省様、中小企業庁様と連携しながら、取組みを進めてまいりたいと考えております。

 4点目、コストのお話でございます。まず、手数料の話になろうかと思います。手数料につきましては、各金融機関の経営判断に属するということでございますので、全銀協としてお答えはできませんが、一般論として申し上げれば、取引のボリュームが増えてくれば、1件当たりのコストは相対的に下がってくるということかと思いますので、普及が進めば、企業様としてもメリットを享受できるのではないかと考えてございます。

 一方、初期コストでございます。これも、個々の企業様が利用されているソフトウエアとか、構築されているシステムによっても、区々ということでございますので、一概には申し上げられませんけれども、先ほどご説明をさせて頂きました簡易ツールといったものを無償で提供する予定とさせて頂いております。こういったものも活用頂くということで、ソフトウエアの購入とか、あるいは会計システムの改修なく、XMLファイルの作成ができるようにさせて頂きますので、全銀EDIシステムの利用に必要な導入のコストを、軽減することができるのではないかと考えてございます。

 とりあえず最初に頂いた4点については、以上でございます。


【森下座長】 

 よろしいですか。それでは、事務局、お願いします。


【井上総務企画局信用制度参事官】 

 加藤委員から、政府内の連携についてご質問頂きました。当庁ももちろん幹部等の講演中心に、地方等も含めて、中小企業の方向けのご説明の機会頂いたときには、本件についてPRさせて頂いておりますし、もちろん経済産業省、中小企業庁とは連携させて頂いております。あとは日本銀行にも支店レベルでPRに努めて頂いて、サポートして頂いているということでございます。

 正式な形での政府内の府省庁の連絡会議というのは、設けておりませんけれども、ご趣旨を踏まえながら、関係省庁とも連携して、PRに努めてまいりたいと思います。


【森下座長】 

 よろしいでしょうか。ありがとうございました。

 それでは、ご意見いかがでしょうか。河野委員、お願いします。


【河野委員】 

 ご報告、ありがとうございました。2015年末に方向性が示されて、2年半で、先ほどご報告頂きましたように着実に対応が進んでいるということは理解できたところです。

 ただ、私たち一般消費者が今回の対策の恩恵を受けられるのは、まだまだ先になるのではないか、関係者の方々の努力の後で、私たち一般消費者が、利便性も含めて、恩恵を享受できるのではないかなと感じました。

 2つ、今日ご報告頂いたところ全般に関しますが、申し上げたいと思っています。

 1つ目は、施策のスピード感と協働ということについてでございます。FinTechというカテゴリーで語られる多くの金融システムの変化の内容を、私たち一般消費者が理解できているかというと、まだまだ不十分だと思っていますが、一方で、情報通信技術の発達と、そうした機能を活用するスマホのような機器の普及によって、これまでの日本の金融システムというのは安全で強固で信頼に足るものですが、一方で、利便性という意味では、かなり制約のあるシステムなんだなということで、消費者の間でも、ストレスと疑問を感じ始めているのが事実でございます。

 例えば銀行ATMなどが整備されていない開発途上国では、一足先にスマホを活用した金融サービスが主流になっていると聞いていますし、国内でも、人手不足や効率化による従来のシステムの縮小等が報道されています。そういったことが現実味を帯びているときですから、FinTechの今回示されているようなさまざまな活用策というのは、待ったなしだというふうに感じています。

 今回のように、国が率先して向かうべき方向を示して頂いているので、対策は進んできているということはわかりましたけれども、素人ながら、対策のスピード感に対して、前回も申し上げたとおり、危機感を抱いているところでございます。

 最近の例えば仮想通貨取引の問題などを拝見していますと、対策が実態に追いついていないのではないかというふうに思わざるを得ません。金融決済の分野でも、競争は当然必要だと思いますけれども、国際競争という部分で競争に負けないようにすべきで、国内の事業者や一般国民の利便性を高めるために、ぜひ関係者の皆さん、力を合わせて取り組んで頂きたいと思いますし、プラットフォームとなるその土台部分に関しましては、できる限り早急に制度構築を進めて頂きたいと思っています。

 それから2つ目は、広報、周知、それから教育ということで、今後に向けてのお願いでございます。システムや制度の構築においては、まだ今のところ、さまざまな検討の場に利用者側の参加者というのは、いないのではないかと思っておりまして、例えば一般の利用者側としては、積極的にデジタルネイティブの世代の意見を取り入れて頂いて、無駄のない、効率的で安全な制度になるように努めて頂ければと思っております。ある年代以上ですと、今のシステムを理解して、そこに積極的にコミットするということは難しいと思いますので、デジタルネイティブの世代、ここにいらっしゃる皆さんからは、発言として信頼できない世代かもしれませんが、その世代の意見を入れて頂くことが重要だと思います。

 それから、FinTechが主流となる時代を生きる次世代に向けての金融教育を学校や社会でしっかり行って頂いて、決済の高度化がもたらすであろう利便性だけに着目することなく、真っ当な金銭感覚を身につけるための準備ということを、意識的に今から行って頂きたいと思っております。

 以上です。


【森下座長】 

 貴重なご意見ありがとうございました。よろしいですか。

 それでは、ほかにご意見、ご質問、いかがでしょうか。鳥海委員、お願いします。


【鳥海委員】 

 私からは、金融庁さんからご説明がございましたオンラインで完結する本人確認について1点、コメントを申し述べたいと存じます。

 先ほどご説明頂いた中では、主に個人のお客様を想定した、オンラインで完結する本人確認を念頭に置いていらしたようなんですけれども、他方、法人の顧客についても、オンラインで完結する本人確認の必要性があるように思います。

 この点につきましては、昨年9月から内閣官房におきまして、法人設立手続オンライン・ワンストップ化検討会というものが開催されて、先月5月に提言がまとめられております。この提言の中では、現状のように金融機関が登記事項証明書を徴求することに替えまして、登記情報の提供サービスを閲覧することによって、法人の本人特定事項を確認することを認めるべきであるとしています。

 こうしたサービスは、我が国では国税庁や一般財団法人民事法務協会などによって提供されているようですが、海外に目を転じますと、海外では既にこうしたオンラインベースの法人登記情報提供サービスが、一般的に活用されております。例えばシンガポールのような法域では、既にハードコピーでの証明書を発行していないケースもありまして、こうしたケースでは、日本における現行の本人確認方法は、対日進出や取引を行う際の障害の一つとなっております。外国の企業の対日進出や投資を通じた日本経済の活性化の観点からも、関係各位の間で、法人についてのオンラインで完結する本人確認について、ぜひご検討を進めて頂く必要があるのではないかと考える次第でございます。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 よろしいですか。お願いします。


【森総務企画局企画課調査室長】 

 どうもありがとうございます。ご指摘のとおり、法人においても、オンラインで完結する本人確認について、ご要望があるということは承知しております。触れて頂きました内閣官房の提言書を踏まえて、一定の手当ては今後なされる予定ではございますけれども、ご要望として承りたいと思います。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 いかがでしょうか。戸村委員、お願いします。


【戸村委員】 

 ありがとうございます。4点、意見を申し述べさせて頂きたいと思います。

 まず最初に、今回ご報告のあった紙ベースの手形・小切手と、でんさい振込のコストについては、全銀協さんのほうで、たたき台となる具体的な数字を試算して頂き、ありがとうございました。今後の議論の助けになると思います。今後は、こういったコストの違いが手数料の違いというような、利用者にとっての直接的なインセンティブに転化されていくことが望ましいと思います。

 また、でんさいについては、顧客企業やそのサプライヤーの囲い込みに使うことが可能な仕組みになっていると思うので、手形発行企業側が囲い込みの懸念を持っていないかどうか、実態把握調査で明らかになるとよいと思います。もし、そのような実態がある場合は、今後予定されているでんさい記録機関の相互接続において、でんさいによる囲い込みが難しい形になると、でんさいへの移行の後押しになるのではないかと思います。

 次に、今回ご報告のあったリテール分野のキャッシュレス化への取組みに関連した点についての、これは質問ではなくて意見なんですけれども、キャッシュレス化の推進には、やはり消費者や店舗が払う決済手数料の低減が鍵になると思います。これは加藤委員のご発言のとおりだと思います。そう考えますと、今後は、関係省庁が決済手数料データの収集をしていくことが望ましいと思います。この点については以前も申し上げたとおりなので、恐縮ですけれども、決済手数料データと電子決済利用額データの両方がないと、現在、政府が推進しているキャッシュレス化政策をきちんと評価することは難しくなるのではないかと思います。

 最後、2点なんですけれども、最後に、これまでの決済高度化の取組みについて、どう思うかというご質問がありますが、これについては、多くの成果が出たように思います。今後については、小売・卸売取引双方でのキャッシュレス化と、税・公金収納、外為報告のような行政関連の決済事務の電子化を推進していくことが、継続的な課題になるように思っております。

 こちらは個人的な思いで恐縮なんですけれども、我が国は財政危機の真っただ中におりますので、決済高度化を通じて、中長期的には納税事務が自動化され、公平で漏れのない徴税が、納税者に負担のかからない形で実現するような方向性になるとよいと思っております。

 これは最後の点なんですが、今後の課題のもう一つとしては、中央銀行が電子的なリテールの決済手段を提供するのかどうかも、今後の決済高度化の議論の射程に含めるのが望ましいと思っております。中央銀行が発行するリテール向け決済手段については、扱いが容易な物理的な現金であれば、利用者側のミスと中央銀行のミスの境界が、誰にでもはっきりとわかりますが、電子的決済手段の場合は、そうはいかないと思いますので、我が国においては、利用者側のミスであっても、公的機関である日本銀行にクレームが集まりがちになるおそれがあるように思っております。そうしますと、技術的な問題以外の消費者との関係性といった部分で、日本銀行が家計に直接、電子決済サービスを提供するのは、なかなか難しい部分も出てくるのではないかと感じております。

 このように考えますと、電子決済等代行業者や資金移動業者など、民間決済サービス事業者を通じてのサービス提供も視野に入れた検討が必要になってくると思いますが、そのようなオプションも含めて検討するということになると、金融制度全体の設計図にかかわる問題になると思います。ですので、電子リテール決済における中央銀行の役割については、決済システム全体の高度化と一体として議論していくというアプローチのほうが、最善策を見出す上では効率的であるように思います。

 以上、意見、恐縮ですけれども、以上です。


【森下座長】 

 ありがとうございました。よろしいでしょうか。

 それでは、ほかの方、ご意見、ご質問いかがでしょうか。

 それでは、岩原会長。


【岩原金融審議会会長】 

 手形・小切手電子化について詳細な検討を進めて頂いて、非常に感謝しております。

 全国銀行協会において、手形・小切手機能の電子化に関する検討会を開かれて、先ほどご紹介のあったような詳細な検討をされていると理解しております。

 その際に、たしか昨年の12月18日に全国銀行協会から、第1回「手形・小切手機能の電子化に関する検討会」の資料を出されていて、そこには目標時期を設定して、手形・小切手制度の見直しや、その電子化を実現することを検討するというように書かれていたと思うのですが、一部の理解に、この目標時期というのがいわばエンドデートであって、その時期が来れば、銀行は一斉に手形や小切手の取り扱いをやめるという意味での時期の設定だという理解もあったようでありますが、現在の検討において、そのようなことをお考えになっているのかどうか、その点を伺いたいと存じます。


【森下座長】 

 お願いします。


【望月委員】 

 ご質問ありがとうございます。それでは、私からご説明をさせて頂きたいと思います。

 手形・小切手機能の電子化につきましては、先ほど11ページ、12ページ、13ページで、今の概況をご説明させて頂きました。本件を進めるにあたりまして、極めて重要なことは、1つは事業者側の利便性向上に資するような枠組みにすることにより、日本企業の生産性を上げていくといった観点。2つ目は、事業者並びに銀行も含めまして、インフラコストを削減することにより、社会的なコストを下げる点。そして3つ目、大事なのは、移行にあたり対応が難しいとお考えの方々にどのように対応していくのか。こうしたことにしっかりと取り組んでいく必要があろうかと思います。

 私どものところでアンケート等を取っている中におきましても、移行の利便性について関心を示される一方で、移行についての難しさをおっしゃられる方々がいらっしゃることも事実でございまして、本件の検討にあたりましては、電子化への対応が困難な方が少なからず存在するということも踏まえた上で、丁寧に進めていく必要があろうかと思っております。

 今後、具体的なスケジュールとゴールイメージを出していくわけですけれども、今と同じ規模や方法とは限らないかもしれませんが、電子化が困難な方々にとって、どのような代替策を残していくのかについては、重要な検討の課題の一つだと思っております。この点については、しっかりと議論した上で、次回以降、この場でもご報告をさせて頂きたいと考えております。


【森下座長】 

 よろしいですか。


【岩原金融審議会会長】 

 一般論としてはよくわかります。確かに手形・小切手の利用がどんどん減って、さらに電子的なでんさい、あるいは振込等で、手形・小切手が代替されて、実際、デジタルデバイドのような方にとっても、もう手形・小切手はそんなに使わない。なくなっても大して困らないということになれば、いわば手形・小切手が自然死を迎えて、使われなくなる。そのように進めば、社会全体の効率性にも寄与すると思います。そうではなくて、一定のニーズがあって、使う人もいるところで、利用が少なくなっているので、銀行としては、そういう部門を設けておくことがコスト的に合わなくなってきたので、もう取り扱いをやめるというようなことをある時点で行うということを考えておられるのかどうか。もう少し具体的にご説明頂ければ、ありがたいと思います。


【望月委員】 

 業界として、現時点で、ある一定の時限を決めまして、そのタイミングで完全なゼロを目指すといった形のものを決めているわけではございません。ただ、将来のことですから仮定の話になりますが、一部の金融機関におきまして、事業戦略の中で、紙の手形・小切手の取り扱いを自ら行わずに、他行にご利用が流れていく、といった戦略をとられる金融機関は出てくる可能性はあるかと思いますが、一律でというようなことを今、決めているという事実はないというのが現状でございます。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 それでは、ほかの委員の皆様、いかがでしょうか、浜委員、お願いします。


【浜委員】 

 どうもご説明ありがとうございます。

 決済高度化については、XML化等の今までこういうような取組みをして頂いたもので、かなりでき上がっているというか、前に進んだなという感じはしています。ただ、これをどのように使っていくかというところが、今後の課題であると思います。企業の中でも、企業間で、うまく情報のやりとりができるのかとか、民と官の間でやりとりができるのかという若干の不安があります。自治体においてはまだまだ、企業においても、この状況を把握している人と、どういう対応をとればいいかということがわかっている人が、少ないのではないかというのが、今、実感しております。

 なので、周知活動というところは続けてやっていかないといけないとは思うのですが、自治体においては、自主性みたいなところがあって、皆さんそれぞれでルールをつくってやられているところがあると。それが足かせになって、なかなかそのルールを変えてというところになると難しくなって、前へ進まないというところもあるのではないかと思っております。

 ですので、自主性という意味だと、ルールは自治体に任せてというところもあったりするかもしれませんが、できれば指針のようなものを出して、当然、民もやるのですが、民も官もというところで、前へ進めていければならないと思います。その点、よろしくお願いいたします。

 それと、使い方という意味だと、電子記録債権とか手形・小切手の電子化というところもそうだと思うのですが、コストダウンが先に立ってしまって、電子化をすることのメリットと、いまだに紙、手形・小切手を出されている人たちのこだわりというか、本質的なやめない理由がよくわかりません。変えていく必要があるなら、本質的なところを深掘りして、変えていくような取組みとか活動ということをしなければ、なかなか変わるというふうには思いません。

 当然、電子にすれば、印紙代がなくなるということで、コストダウンというのは明らかですが、電子記録債権の普及が全然進んでいないということは、そういうことなのではないかなと思います。

 あと、最近のキャッシュレス化について、我々の想像以上のスピードで進んでいますが、銀行さんもかなりの取組みをされていると思います。スピード感的には、メガバンクであろうが、ベンチャーであろうが、皆さん同じようなスピード感で、こういうのは取り組んでおられるのでしょうか。


【森下座長】 

 よろしいですか。お願いします。


【望月委員】 

 1点目は手形のところのお話で、貴重なご示唆を頂きました。コストの削減だけではないというお話を頂いたと思います。先ほど少し触れさせて頂きましたが、私ども、ついぞ電子化というと、コスト削減が前面に立つようなところもありますが、本質的には手形振出人、あるいは受取人の一般利用者の方々の利便性を向上することによって、日本企業全体の生産性の向上に資していくような枠組みが必要であろうと思っています。その上で、事業者並びに銀行も含めて、インフラコストが下がることにより、社会的なコストが下がっていくということを目指していきたいと考えております。

 それから、電子化への移行がなかなか難しいという方々、実は私どもも利用者へのアンケートもとらせて頂いております。紙の手形や小切手を、印紙の軽減や効率化もあるのでやめたいと思っている利用者が相当程度の割合いらっしゃることが確認される一方で、やめられないという方々の声もございました。事由をもう少し深掘りして検討していく必要がありますが、商慣習からやめられないといった声とか、特に規模の小さい事業者ほど、紙のほうが扱いやすい、紙をやめたくない、という意向もございます。

 したがって、電子化の利便性に関する啓蒙や導入支援が、極めて重要であろうと思っておりますので、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。

 それから2点目のキャッシュレスにつきましては、ご指摘のとおり、技術革新が大きく進んでいく中で、国内だけではなく、海外のキャッシュレス手段との競争・競合も進んでいるところでして、ご示唆頂いたとおり、スピード感につきましては、大いに上げていかなければならないと強く認識しております。キャッシュレス化につきましては、具体的なスケジュール感も含め、検討を進めていくところでございまして、全銀協として、あるいは3メガバンクとして、今、明確なもの持っているわけではございませんが、一方で、インバウンド需要の取込みという観点も踏まえますと、2020年の東京オリンピック・パラリンピックというのは、一つ大きな契機といったものになり得るのではないか、海外の事例なども踏まえ、大いに意識していく必要があるのではないかと考えています。

 仮にそのように考えますと、キャッシュレス手段を導入するにあたっては、インフラの構築に加えまして、利用者や加盟店を含め、広く啓蒙・浸透させていくことも必要かと考えられますので、残された時間はそう多くはなく、一層気を引き締めて、スピード感を持って取り組んでまいりたいと考えております。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 山上委員、お願いします。


【山上委員】 

 ご報告、大変ありがとうございました。コメントを少し申し上げたいと思います。3ページの一覧表をお示し頂いたんですが、それに基づいて少し申し上げます。

 2016年6月に協議会ができてから、丸2年たつわけなんですけれども、世の中のイノベーションのスピードは、それ以降、格段にスピードアップしているイメージがあります。しかも13個の課題が、個別に存在するだけでなく、横につながり始めているような実態もあるのかなと感じています。

 例えばシンガポールやタイで、国中の金融機関が業界横断的にP2Pの銀行口座を動かす決済方法を導入してきています。まず、個人間の送金からスタートするんですけれども、第二弾として法人の送金もモバイルでできるようにしてみたり、さらにはクロスボーダーの送金まで取り込もうとするような動きさえ、今出てきています。同時に、本人認証の新しい手段としてもこのモバイル送金が活用されようとしています。つまり、この一覧表で行きますと、6番が、3番とか8番とかいろんなものとつながり始めている実態があります。

 そのときに、今日頂いた資料の中でも、競争領域とか協働領域といったような分け方の紙があったかと思いますが、結果的に新しい決済方法を導入することによりまして、従来までの競争と協働の線引きのところが、技術革新とともに変化しているような実態も、うかがい知れます。

 これらを主導しているものが、シンガポールや英国などではペイメントカウンシルという、政府の中の関係者及び実業界や大学の先生など、色々な方がお集まりになって検討とルール作りをする実行機関でもあるわけなんですけれども、その団体が、国を代表して国益を優先するような観点で、活動しているのかなと思っております。

 私のコメントはこの後なんですけれども、2年がたちました。この会合名の英文名はペイメントカウンシル・オン・ファイナンシャル・イノベーションでありまして、残念ながらそのペイメントカウンシルは、モニタリングを中心にやっているわけでありますけれども、もう少し先行事例を研究したり、日本としての意見を代弁するような機能を備えていく必要があるのかなというふうに感じておりまして、コメントとして申し上げたいと思います。

 さらに現在、横断的な金融法制の議論も進んでおられるように見受けられるんですが、多分そういったところとも、リンケージなども関係してくるのではないかなと個人的には感じております。

 以上であります。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 いかがでしょうか。牧野委員。


【牧野委員】 

 XML電文への移行について、コメントさせて頂きます。仕組みの構築、企業への浸透等、いろいろ進めて頂き、実際今年の12月に稼働するという当初計画通りに進められており、その点、大変感謝申し上げます。その事前テストということで10月に計画されており、それに参加するためには、一企業として抱えている課題が2つありますので、その2つについて共有させて頂ければと思います。

 まず、全銀協様の資料24ページのところで、金融EDI情報というのがありますが、こちらに記載の通知番号等が具体的にXMLのどのタグに正式に繋がるのかという仕様がまだ決まっていません。これが決まらないことにより、企業がXML電文移行の対応を自社システムで行おうとしてもそれができないというのが一つ目の課題です。全銀協の集まりの際それはできるだけ早急に公表して頂けるとは聞いておりますが、これがないと企業側としては何も始められないという状況です。正式タグの公表を早急にお願いしたいというのが1つ目の課題です。

 2つ目の課題は、全銀協が金融EDIの情報欄をS-ZEDIという仕組みで簡易なXML変換ツールを策定していると聞いております。これはとても良いことで支払い情報を決める際の最低標準項目と捉えることが出来るからです。一方で、業界区分を設けてその業界ごとに項目を決定してよいということになっています。例えば花王グループでは、流通様や他の業種とも取引しております。流通様との取引情報は流通BMSという仕組みの中で金融EDI情報は実は固定長で進めるという方針が決まり、それで進めて行くと。

 一方で、他業界への支払い情報はXMLで進めるとした場合、そういった両方併存することが本当にシステム的に問題がないか等具体的に確認していく必要があると思っております。そうしないと念願の仕組みが動き出しても花王グループでは参加できないというおかしなことが起こってきます。今回は花王グループの事例としてお話ししましたが、このようなことが他社様におかれましても具体的に進めようとした場合、影響が出てくると思い、細かい視点ではありましたが、あえてこの場で2つの課題を共有させて頂きました。全銀協様他、関係者と具体的に解決していきたいと思います。

 以上です。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 相澤参考人、お願いします。


【相澤参考人】 

 今のご意見というか、ご質問も含めだと思うんですけれども、まず、商流のEDIについて、既に業界ごとに、ある程度の枠組みが今、ある業界もございます。何もないところからつくるということであれば、いろいろと工夫があるのかもしれませんけれども、今あるものを尊重するというのが前提になってこようかと思いますので、全銀協といたしましては、業界の区分を管理するということを考えてございます。その業界の区分を見れば、どの業界のルールでそれがつくられているのかが、わかるようにしていこうということでございます。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 それでは、與口委員、お願いします。


【與口委員】 

 2点ほどご質問させて頂ければと思います。いずれも全銀協さんの資料に関してのご質問です。

 1点目、全銀協さんの資料の中の20ページ目に、代表的なキャッシュレス手段の特性ということで、一覧表をおつくり頂いておりますが、この中で一番下のところにQRコードの決済で、デジタルコインの右側のほうで、デジタルコインについては、チャージの範囲で利用、払戻とか譲渡が可能というようなお話になっておるんですけれども、デジタルコインの仕組みということをあまり理解しておりませんので、もしかしたら皆様はご存じなのかもしれないんですけれども、このデジタルコインの法的な位置づけというんでしょうか、枠組みというようなものが、どのような形のもので構成されて、こういうようなことになるのかということを教えて頂けるとありがたいというのが1点目です。

 それから、資料の27ページ目で、携帯電話番号の送金の関係で、今、メガ3行でお取り組みだというようなものとか、あるいは28ページ目で、同じく携帯電話番号の送金で、Money Tapのほうでやられている資料をつけて頂いておるんですけれども、この辺の、1つは速度感というんでしょうか。特にMoney Tapのほうは、もう既に夏から実用化といいますか、一般でスタートするということのようでございますけれども、もう一つのほうのメガ3行でやられる個人間の送金サービスというのは、いつごろ実用化をされようということをめどに動かれているのかということと、一方で、365日24時間、送金ができるような仕組みというのをおつくりになられようとしているというふうにお聞きしておりますので、そういう意味では、あくまでも個人のP2Pの関係で、この携帯番号の送金というのは構成されているんだろうというふうに理解はしているものの、その辺のすみ分けというんでしょうか。いわゆる銀行の本来の送金と、このP2Pの携帯電話番号送金のあたりのすみ分けというんでしょうか、その辺あたりを少し教えて頂けるとありがたいなというふうに思っております。


【森下座長】 

 それでは全銀協さん、お願いします。


【阿部参考人】 

 参考人の阿部から回答させて頂きます。

 まだ決まっていない部分も多分にありますが、まず1つ目のご質問、20ページの表中のデジタルコインの「チャージの範囲で利用し払戻・譲渡可能」というのは、いわゆる資金移動業のライセンスを持った形での電子マネーや、銀行が本体でやるケース、当然銀行は為替ができますので、いずれもあり得るということです。具体的な提供の形態は決まっていないですが、それらを想定した記載でございます。

 それからMoney Tapの話と3メガ送金の話でございますが、6ページをご覧下さい。3メガの取組みにつきましては、望月委員からのご報告のとおり、まず今年度、一般ユーザーまで対象を拡大して、実証実験をやるということでありますが、その後、2019年度以降に、この実証実験も踏まえて、ローンチするか否かの検討を進めてまいりたいというのが、スケジュール感になります。

 最後にすみ分けについてですけれども、きれいにここからここまでが全銀システムでということよりは、新しいサービスをご理解いただき、ユーザーが使いやすいサービスを使い分けていくということになると思っております。全銀システムが、極めて高い安全性と信頼性に裏打ちされたネットワークである一方、より簡便で新しいテクノロジーを使ったP2P送金のインフラについては、銀行口座との連携も含めまして、おのずとすみ分けがなされていく流れになっていくかと思いますので、現時点で、きれいなすみ分けが整理できているわけではないということは、お含み頂ければと思います。

 私からは以上です。


【森下座長】 

 ありがとうございます。

 いかがでしょうか。正木委員、お願いします。


【正木委員】 

 よろしくお願いします。全銀協様のご説明の中で、リテール分野におけるキャッシュレスに触れられておりましたが、我々のビジネスに直結しておりますので、一言申し上げさせて頂きます。

 現在、民間消費支出の約2割がキャッシュレスと言われており、これを今後7年間で4割、将来的には8割といった目標も公表されております。この推進に向けては、クレジットカード(後払)のみでなく、プリカ(前払)、デビット(即時払)等の様々な事業者が協働した取組みなくして、目標の達成は、非常に厳しいのではないかと考えております。

 リテール分野のキャッシュレス推進における阻害要因のひとつとして決済端末が高い、加盟店手数料が高い、とよく言われます。全銀協様が20ページにお示しの「加盟店にとっての特性」「利用者にとっての特性」について、加盟店にとっての特性は、今のように非常に議論のポイントになりやすいですが、利用者にとっての特性ということにもフォーカスされている点に非常に共感いたしました。一例で申し上げますと、複数の支払手段を具備したコンビニ様ですら、いまだ現金決済比率が半分以上という状況があります。

 この状況に鑑み、キャッシュレスの推進については、店舗でのインフラ整備に加え、利用者の目線(消費者の認知、経験、利用意識の向上等)を含めたこの両輪が回ってこそ、初めて達成できるものではないかと考えております。

 思い返せば、我々の多くが、物心ついたときから、現金を中心とした支払いが身に付いており、そこから生まれる現金信仰やこの習慣を変えたくないという現状維持バイアスと言われるものを打ち破るために、リテールキャッシュレス決済には、「簡単」「安心」「便利」といったメリットを出せるような仕掛けが必要ではないかと考えております。

 加えまして、コンビニ様以外にも、様々な決済シーンで、キャッシュレス利用可能店舗でありながらも、多くの方が現金でお支払いされている現状がございます。多くの消費者が決済シーン毎に、どんな心理で現金決済に至ったかについて、弊社が加盟しております日本クレジットカード協会のほうで、消費者インサイト調査をさせて頂く予定です。海外の先進事例調査も含めまして、機会がありましたら、ご報告させて頂ければと存じます。

 私からは以上です。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 翁委員、お願いします。


【翁委員】 

 ご説明ありがとうございました。最初に2つ質問をした後で、コメントをさせて頂きたいんですが。

 1つは、オンラインで完結する本人確認ということで、ご説明を頂いたわけでございますが、これと7ページのブロックチェーン技術を活用した本人確認業務の共同化の今、検証されていると思うんですが、こことの関係について、ちょっと教えて頂きたいと思います。

 それからもう一つは、同じ全銀協の7ページの、その下にあります貿易情報連携基盤実現に向けたコンソーシアムということで、貿易取引に関してブロックチェーン技術を使った実証実験を実施されていることを書かれておられますが、今、どういうふうな評価で、どのぐらい実現可能性があるのかということについて、ちょっとお伺いしたいので、後で教えて頂ければと思います。

 コメントといたしましては、2015年12月から、このように産業界、金融界、それから行政も、全体でこういったことを進めてきておりまして、これ自体は一つ一つ進んでいるものもございますし、こういった形で進めていくということは、非常に重要な取組みだと思っております。

 一方で、皆様からご指摘がありましたように、決済の高度化というのは、グローバルにはスピーディに進んでおりまして、日本も本気でやっていかないと、スピード感に負けてしまうのではないかということで、しっかりとこれからも進めていく必要があるというふうに思っております。

 全国銀行協会の3ページのところにあります1から13につきましては、2015年12月時点では、こういった項目でやっていこうということで、整理ができたものと思うんですけれども、今、2年ちょっと過ぎまして、進んでいるものと、対応済みのものと、なかなかうまくいっていないものがあったり、これ以外に新しい動きが出てきているものがあったり、それから技術という切り口で切っているものもあれば、サービスという切り口で切っているものもありまして、複数のところにまたがっているものもあったりして、一回これ少し整理をして考えていくということも必要かなというような印象を持っております。

 それから、先ほど全国銀行協会様のほうからご説明があったように、競争領域と協調領域ということが、とても難しいけれども、重要な課題かなと思っておりまして、もちろん各事業者は、付加価値の向上のために徹底的に競争して、よりよいサービスを提供していくという必要がある一方で、決済の分野というのはネットワーク効果も非常に大きいので、どの分野まで協調していくのかという視点に立って、ほんとに業界横断的にいろいろな標準化とかそういったことを議論していくという部分が、どうしても必要になってきているというふうに思っています。

 それは、先ほど山上委員からもありましたように、技術革新が進むに連れて、その領域というのも変わってくる部分があると思うんですけれども、いずれにせよ、どこが協調できるのか。協調できる部分について、どこまで全体で進めていけるのかという視点に立って、決済の高度化について、業界横断的にこれからも議論をする場というのを続けていくということが、重要ではないかと思っております。

 あと、この議論をするときに非常に重要なのは、利用者視点だと思いますので、利用者、事業者や消費者の方も含めて、議論ができる場というのが非常に重要かなと思っております。

 以上でございます。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 それでは、ご質問頂いておりましたけれども、まず事務局のほうからお願いします。


【森総務企画局企画課調査室長】 

 どうもありがとうございます。

 先ほど私のほうからご説明申し上げましたオンラインで完結する本人確認というのは、個々の金融機関で、非対面で本人確認をしなければいけないときに、今は身分証の写しを送ってもらって、その写しに書いてある住所に郵便を送るという形が主に使われておりますが、そこで時間がかかってしまいますので、オンラインで完結するような汎用性のあるやり方が追加できないかということで、先ほどご説明したような4つの方法を入れようということでございます。

 ご指摘の全銀協さんの資料の7ページ目に書いてございます本人確認事務の共同化ということにつきましては、現状、今申し上げましたように個別の金融機関で取引をするときに、それぞれで本人確認をやるわけでございますけれども、犯収法では、例えばA銀行さんで本人確認が終わっていて、銀行Bがあって、本人確認をA銀行に委託してあるということであれば、B銀行で本人確認をするときに、A銀行で本人確認してあるということを確認すればよいという制度がございます。この共同のブロックチェーンの技術でやる本人確認の枠組みの中で、どこかで本人確認をやっていれば、他の枠組みに参加している金融機関で新しく取引をしようとするときには、もともと一回本人確認をしたところに、本人確認が済んでいるということの確認をすることで、効率化していけないかということでございます。

 繰り返しになりますが、先ほど私のほうからご説明したのは個々の非対面の本人確認のやり方で、郵便もやってもいいですけれども、郵便以外の方法も入れましょうということ。一方で全銀協さんの資料の中にあるのは、本人確認を共同化して、一回どこかで本人確認をしていれば、お互い委託し合って、どこかで本人確認したことを使うといいますか、本人確認が済んでいるということを確認するということで、本人確認が終わるということで、効率化できないかという取組みでございます。

 以上でございます。


【森下座長】 

 ありがとうございました。お願いします。


【望月委員】 

 全銀協からKYCと、貿易コンソーシアムについて少し補足をさせて頂きたいと思います。

 今、金融庁からご説明がありましたように、KYCに関する取組みにつきましては、3メガとコンサルティングファームが中心となり、ブロックチェーン・プラットフォームを活用しまして、本人確認事務の共同化ができないかということであります。銀行間で本人確認情報を共有化することに関し、改ざん等に対する信頼性が高いブロックチェーン技術を活用することについて、実証実験を進めてきたところであります。検討結果につきましては、近日中に公表を予定しておりますが、本人確認情報の共有化にブロックチェーン技術を適用可能であることにつきましては、PoC、いわゆる概念検証レベルで今、確認を終えた段階ということになっております。

 今後といたしまして、こうしたブロックチェーン技術に限らず、KYC情報の共有化の実用化可能性を実務面から広く探っていくことについて、そのベネフィットやニーズを踏まえ、全銀協傘下で研究を始めようとしているところであります。日本のKYC実務に馴染むのか、馴染むとするとあるべきスキームはどういうものなのかといったことを研究することは、ひとつ検討課題としてあり得るであろうということで、今、進めているところであります。

 それから、貿易コンソーシアムにつきましては、ご案内のとおり、貿易取引は輸出業者あるいは輸入業者のみならず、銀行、保険会社、船会社、通関会社といった多くの関係者が、国をまたがって情報の授受を行っております。現在、これを紙、ファクスやPDFでやっているため、やりとりに大変な時間を費やしたり、あるいは同時性がないといったことで、生産性向上の妨げになっているという状況であります。

 こうした観点から、貿易取引事務の情報を電子化し、ブロックチェーン技術等を活用して、関係者間で同時期に共有するためのプラットフォームを構築し、効率化を目指すべく対応しておりまして、既に十数社の企業が参画をし、実証実験を行っているところであります。これにつきましても、実用化に向けたステップを、こうした場でもご報告させて頂きたいと思っております。

 それから、先ほど翁委員からありました協働と競争の領域は、極めて重要なポイントだと考えております。先ほど18ページから19ページにかけまして、今までどちらかというとサービス競争といった部分が前面に立っていたところから、19ページにありますように、プラットフォーム領域やインフラ領域の部分につきまして協働領域を作っていくことにより、スピードアップと、基準の統一による日本全体への浸透を考えているところであります。

 ただ、この部分につきましては、どこかでリジッドに線が引かれ、協働・競争となるものではなかなかございません。多くの関係者がおりますので、銀行界のみならず、産業界とも十分協議をしながら、できる限りスピード感を持った上で、どこが協働領域にできるのかという観点で、速やかに検討を進めていく必要があると考えております。

 私からは以上です。


【森下座長】 

 ありがとうございました。いかがでしょうか。

 それでは、内田委員、お願いします。


【内田(貴)委員】 

 企業の財務の立場から3点ほど。

 今、XML電文の移行についての周知と、それから利用拡大の支援については、指摘があったとおりですから、それをぜひお願いしたいと思っています。

 それから今、話題になりました貿易取引実務の電子化ですが、これ、さまざまな取組みが過去から行われてきているのは事実でありまして、今もいろんな実証実験が海外勢も含めて行われています。なかなかそれが実務面で普及しないというところでありますけれども、今日、資料にもございます法的な論点や海外当局との連携など、おそらく民間だけの取組みではなくて、官民での推進ということで、今後の進捗に大いに期待をさせて頂けたらと思っています。

 最後に、今日、外為関連の報告についてのオンライン報告について、一定の改善を図って頂きまして、現場での負担軽減につながるものと理解しております。外為法関連の報告は、内容も非常に複雑で多岐にわたりまして、実務上は作業負担が大変大きいところでございます。自社単独での取組みには限界もある一方で、産業界全体としては、効率化に大きな効果があると思いますので、今後も実務レベルでの要望等をきめ細かく聴取を頂きまして、可能なことは積極的に改善に向けて取り上げて頂ければと希望したいと思います。

 以上です。


【森下座長】 

 ありがとうございました。

 滝島委員。


【滝島委員】 

 ありがとうございます。まず、本日は資料ありがとうございました。大変勉強になりました。

 私のほうからは資料5、オンラインで完結する本人確認について、意見を2点ほど述べさせてください。

 まず1点目なんですけれども、この取組みについては、利用者としても、またこういったサービスを手がける会社としても、ぜひ進めて頂きたいなと思う一方で、こういった本人確認が導入できた暁には、クレジットカードの3Dセキュア同様の、何か不正とか詐欺が発生したときのチャージバックリスクの所在を明確にできればなと考えておりますので、ぜひこういった検討の中で、考えてもらえればと思っております。

 あわせて、同じ資料5の中、細かい言葉のところにちょっとひっかかるような意見で、大変申しわけないんですが、この「FinTechビジネスに支障をきたしているとの指摘もある」というこのFinTechビジネスのところについてなんですが、おそらく、これからいろいろと生まれてくるであろう、スマホとかそういったものを使った金融サービスだということかと思いますが、例えばこういった非対面取引における本人確認については、このFinTechビジネスの適用範囲では、例えばですけれども、電子マネーのようなものも含めてはいかがかと思っています。

 その理由としましては、本年2月に警察庁が発表しています平成29年の特殊詐欺検挙状況等についてということが報告されておりますが、その中で、平成29年においては、一言でいうと、電子マネーを使った特殊詐欺が増えているということが、報告されていると認識しています。これは私の私見ではありますけれども、こういった電子マネーを使った特殊詐欺についても、非対面取引で行われていて、そこに本人確認を何らかの形で入れることによって、防げたものもあったのではなかろうかと考えております。また、それでもなお発生したものについては、先ほど1点目で触れさせてもらったとおり、チャージバックリスクがどこにあるかというところまで踏み込んで、検討してもらえばなと考えております。

 以上です。


【森下座長】 

 ありがとうございました。いかがでしょうか。

 妹尾委員。


【妹尾委員】 

 全銀協様の資料、7ページ目のオープンAPIのあり方に関して、1点、ご質問させて頂きます。先日、API利用契約の条文例の策定、公表頂いたと思いますが、こちらについて、位置づけとか、どういった効果が期待されているかというところをお伺いしたいと思います。その位置づけによっては、今後さらに、弊社のような会社とか、銀行やFinTechベンチャー以外のプレーヤーの方にもご意見を伺って、さらに内容を深めて頂きたいと思います。

 また、全銀協さんの資料の19ページのキャッシュレス化についてです。先ほどから競争領域と協働領域のお話が出ています。やはりプレーヤーがかなり広くなっていますので、できるだけ幅広い皆さんに議論に参加を頂いて、どういったところをしっかり競争していくのか、また、一体となって進めていくところはどこなのかというのは、プレーヤー自体も、かなり幅広に考えて頂けるとありがたいなと思っているところでございます。


【森下座長】 

 ありがとうございます。

 お願いします。


【望月委員】 

 オープンAPIにつきましては、6月1日から施行されました改正銀行法におきまして、努力義務が課されたわけでありますけれども、現時点で、全銀協の会員行のうち129行が導入する方針を既に公表させて頂いているところであります。このオープンAPIを通じまして、優れた技術やサービスを持つFintech事業者と銀行がしっかりと協働し、オープンイノベーションを推進していくことによって、多様な金融サービスを提供していこうという趣旨だと理解しておりますが、一方、この改正銀行法の中では、サービス開始にあたり、銀行とAPI接続先の事業者との間での賠償責任の分担、あるいは情報の安全管理措置を含む契約の締結といったことも求められております。

 これをそれぞれが相対でやっていきますと、目線合わせや解釈の問題なども起きかねないということもございまして、全銀協におきまして、外部専門家も交え、契約内容の論点を整理し、中間報告という形で、API利用契約の条文例を6月1日付で公表させて頂きました。また、先ほどFISCからのご報告頂いた通り、API接続チェックリストの見直しを頂いているということであります。API利用契約の条文例は、中間整理ということで公表しておりますので、今後、事業者の方々からのご意見等々も踏まえ、さらにブラッシュアップをした上で、最終版にしていきたいと考えております。こうしたことにより、オープンAPIに関する契約がスムーズに進んでいき、日本全体のオープン・イノベーションの後押しになるようなサポートという形で、取組みを進めているところであります。

 このあたりの改定内容、今後の議論の内容などにつきましても、改めてこうした場などでも共有をさせて頂きたいと思っております。


【森下座長】 

 よろしいでしょうか。


【長楽委員】 

 先ほど委員の方から、ネットで利用できるサーバ型電子マネーが架空請求等詐欺に悪用されているということで本人確認の話がありましたが、このサーバ型電子マネーを悪用した架空請求等詐欺被害の防止のために、関係業界、金融庁・警察庁等において様々な取組みが行われている旨申し述べさせて頂きます。


【森下座長】 

 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

 本日は、本当に活発なご議論を頂きまして、また、大変貴重な有意義なご意見を頂きまして、まことにありがとうございました。本日頂きましたご意見も踏まえまして、事務局において、今後の決済高度化の進め方について整理して頂き、改めてお諮りすることとしてはどうかと思いますので、各委員におかれましては、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

最後に、事務局のほうから連絡などがございましたら、お願いいたします。


【井上総務企画局信用制度参事官】 

 次回以降の会合の進め方や具体的日程等につきましては、座長とご相談させて頂きまして、改めて事務局よりご案内させて頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 事務局からは以上でございます。


【森下座長】 

 以上でございます。どうもありがとうございました。

 それでは、以上をもちまして、本日の会議を終了させて頂きます。ありがとうございました。

── 了 ──

 

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