決済高度化官民推進会議(第6回)議事録

1.日時:

平成31年1月29日(火) 10時00分~12時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

 

【森下座長】
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより決済高度化官民推進会議第6回会合を開催いたします。皆様、ご多忙のところご参集頂きまして、まことにありがとうございます。 
 本会議は、2015年12月の金融審議会決済高度化ワーキング・グループの報告書で示された13項目のアクションプランの実施状況をフォローアップし、決済業務等の高度化に向けた取組みを継続的に進めることを目的として、2016年6月に設置されたものであります。また、2017年6月に開催いたしました第3回会議以降、全国銀行協会から、新たにご提案頂いた手形・小切手機能の電子化及び税・公金収納・支払の効率化についても、フォローアップしております。
 本日は、これまでの取組みの進捗状況、今後の取組みの方向性について、議論を深めてまいりたいと思います。
 初めに、配付資料の確認と、新たにご参加頂く委員、オブザーバーと、本日、参考人としてお越し頂いている方について、事務局よりご紹介をお願いいたします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 事務局でございます。
 最初に、配付資料の確認をさせて頂きます。議事次第と座席表のほか、資料1から資料5まで資料をお配りしております。なお、資料4につきましては、資料4-1から4-4まで枝番を振ってお配りしておりますので、ご留意頂ければと思います。過不足等ございましたら、事務局までお知らせください。
 続きまして、オープンAPIも議題となっておりますので、今回より一般社団法人電子決済等代行事業者協会の瀧俊雄代表理事に新たに委員としてご参加頂いております。

【瀧委員】
 瀧でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 また、各協会の会長行の交代に伴いまして、委員の変更がございましたので、ご紹介申し上げます。
 まず、千葉銀行の高津典生委員に代わってご参加頂きます、福岡銀行の田上裕二委員でございます。本日は代理で、福岡銀行、山中満夫様にお越し頂いております。
 続きまして、栃木銀行の猪俣佳史委員に代わってご参加頂きます、京葉銀行の大島浩司委員でございます。本日は代理で、京葉銀行、本村直也様にお越し頂いております。
 次に、オブザーバーについて、新たにご参加頂く方をご紹介申し上げます。財務省大臣官房信用機構課の中澤亨課長でございます。資料1が新しいメンバーの名簿になっておりますので、後ほどご確認頂ければと思います。
 なお、本日はご都合によりまして、一般社団法人日本クレジット協会の與口委員がご欠席となっており、代理で一般社団法人日本クレジット協会の業務企画部長の大平充洋様にお越し頂いております。
 また、一般財団法人日本消費者協会の河野委員がご欠席となっております。
 本日、参考人といたしまして、全国銀行協会事務・決済システム部長の相澤直樹様、イオンアイビス(株)ITソリューション開発本部長の小林謙太郎様にお越し頂いております。
 事務局からは以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 続きまして、議事に移らせて頂きます。
 本日はまず、事務局より、本推進会議のフォローアップ項目の見直し案についてご説明頂き、その後、全国銀行協会から、アクションプランに掲げられた13項目と手形・小切手機能の電子化及び税・公金収納・支払の効率化等に関する取組みの進捗状況についてご説明を頂くことにしたいと思います。また、その後、XML電文への移行に関する取組状況について、全国銀行協会、富士通株式会社、花王株式会社、イオンアイビス株式会社よりそれぞれ5分程度ご説明頂き、その後、討議を行いたいと考えております。
 それではまず、事務局より本推進会議のフォローアップ項目の見直しについてご説明をお願いします。

【岡田企画市場局信用制度参事官】
 おはようございます。信用制度参事官の岡田でございます。
 前回の会議におきまして、皆様方から項目の整理についてご指摘を頂きましたが、今般、関係者のご意見も踏まえまして、事務局としての項目見直し案をお示しさせて頂いております。
 資料2をご覧頂ければと思います。こちらの項目見直しに当たりまして、従前、13+2の15個の項目が並んでいましたが、今回、理念・目的ごとに大括り化いたしまして、それぞれ大括り化したものに合わせまして区分けして、それぞれの施策、取組みの位置づけの明確化を図ることとしております。
 具体的には、資料2の右側でございますが、「小口決済の利便性向上」、「外国人労働者・留学生、海外向けサービス等の向上」、「企業における業務効率化・生産性向上」、「オープン・イノベーションによる新しい決済の実現」、「キャッシュレス・ペーパーレスの推進」、「決済が高度化する社会に向けた環境整備」という6つの形に区分けをしてはどうかということでお示ししております。
 また、今回新たに追加したのは、赤字の「金融機関におけるキャッシュレス化の推進」という項目、これは後ほどご説明しますが、こちらも含めて、黄色で塗りつぶしております5つの項目を重点的に取り組む項目としてはどうかということでお示しさせて頂いております。
 時間の関係もありますので、今、申し上げた重点的に取り組むとした5つの項目について、簡単に説明させて頂きます。
 まず、一番上の「XML電文への移行」でございますが、こちらにつきましては、ご承知のとおり、全銀協が中心となって昨年12月に全銀EDIシステムが稼働したところでございます。それで、今後につきましては、まず、何よりも全銀EDIシステムを導入した企業のベストプラクティスを蓄積しまして横展開、周知活動を実施していくことが大事かと思います。あわせまして、経済産業省、中小企業庁と連携しまして、中小・小規模事業者等への支援を実施していくこと、また、全銀協、全銀ネットにおいて、引き続き周知活動を実施する。さらには、全銀協等におきまして、今後、全銀EDIシステムのデータを活用したトランザクション・レンディングなどを検討する研究会を設置し、銀行業界における活用を研究、検討していく、そういった取組みを行っていくことにしております。
 それから、2つ目でございますが、「オープンAPIの利活用の推進」ということでありまして、金融機関とフィンテック企業とのオープン・イノベーションを推進する仕組みとして、昨年6月に銀行法等の一部改正が施行されたところです。全銀協及びFISCに事務局となって頂きまして、関係者の方々、各界からご参画頂いて、銀行法に基づくAPI利用契約の条文例、また、API接続チェックリスト等が策定、公表されたところであります。
 こうした取組みがなされているところですが、今後、引き続き、全銀協等において金融機関の取組みをフォローアップして頂き、本日新たに、電代業協会から瀧委員もご参加頂いているところですが、この電代業協会等と連携して、API活用による利便性の高いサービス等の普及に向けた取組みの検討・推進をしていくこととしております。
 それから、「手形・小切手機能の電子化」につきましては、検討会が開かれて、その最終報告が昨年の12月に公表されたところであります。最終報告では、今後5年間で約6割が電子的な方法に移行することとされ、その達成に向けて、周知強化、利便性向上、導入支援、経済効果の改善、具体的には手数料の見直しということだと思いますが、そういったことを行っていくこととされております。全銀協において、引き続き、そういった取組みのフォローアップを行っていく予定としております。
 続いて、「税・公金収納・支払の効率化」でございます。こちらにつきましては、地方税電子化協議会と全銀協において、地方法人税2税、法人事業税と法人住民税ですが、それと個人住民税の特別徴収について、共通納税システム導入に向けた連携体制を構築しておりまして、地方税共通納税システムが今年の10月に稼働する予定と聞いております。
 また、全銀協が事務局となって「税・公金収納・支払の効率化等に関する勉強会」が行われておりまして、今年の3月頃を目途に報告書の取りまとめを予定しております。
 今後、勉強会で整理された課題の解決に向けた取組みをフォローアップしていくほか、税・公金納付の利便性の向上、具体的には納付手段の多様化、クレジットカード、コンビニ収納、ペイジー等について、関係省庁、日本銀行等と連携して推進していくことになっております。
 最後に、今回新たに追加で提示させて頂いています、「金融機関におけるキャッシュレス化の推進」でございます。これは経緯がございまして、政府の未来投資戦略におきましては、キャッシュレス比率を現状の約2割を2027年までに4割程度まで上げていくということを目標として掲げておりますが、ここでのキャッシュレスというのは、クレジットカード、デビットカード及び電子マネーによる決済額というのがキャッシュレスだということとされています。他方で、我が国の事情としましては、銀行を中心とした口座振替、振込といったキャッシュレス手段が従前から存在しているというところであります。
 こうした中で、昨年11月、金融審議会の金融制度スタディ・グループにおきまして、キャッシュレス決済についての参考指標として、3メガバンクにご協力頂きまして、金融庁において、3メガバンクの給与受取口座等から、口座振替等を含む出金状況がどうなっているかということを資料として公表させて頂いたところでございます。このとき取りまとめた計数を今後、全銀協においてフォローアップして頂くということを考えております。
 また、次回会合に向けまして、当該計数、現在、3メガバンクということですが、その対象金融機関を拡大したり、さらには、金融機関のキャッシュレス化に向けた取組状況、今後の方針についてプレゼンして頂くことも検討していきたいと思います。詳細につきましては、後ほど全銀協の望月委員にご説明頂けると聞いております。
 最後に、金融庁といたしましては、社会全体のキャッシュレス化が進展していくことを期待し、また、できる支援をしていきたいと思っていますので、今回のこの指標を今後、定期的にフォローアップしていくことで、その一助になればと考えているところです。
 私からは以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 続きまして、全国銀行協会、望月委員より、決済高度化に向けた全銀協の取組状況について、ご説明をお願いいたします。

【望月委員】
 全国銀行協会で企画委員長を務めております、みずほ銀行常務執行役員の望月です。
 お手元の資料3、「決済高度化に関する取組状況について」をご用意ください。
 1ページが目次となります。本日は、まず最初に、銀行界が取り組んでおります決済高度化の全体感についてご報告した後、主要項目の具体的な取組状況、そして最後に、その他の項目につきましても幾つかポイントを絞ってご報告いたします。
 3ページに決済高度化の取組みの全体像をお示ししております。オープン・イノベーションなどの決済高度化の基礎となる分野の検討や全銀システムの利便性向上などのインフラの整備、また、これらを前提とした個人向けの小口決済から企業向けまでのさまざまな決済サービスの利便性向上、そして、こうした高度化をコスト構造面の改革だけではなく、新たな付加価値の創造につなげていくことが鍵であり、キャッシュレス化を通じたデータの利活用は特に重要なテーマの1つと考えております。
 続きまして、4ページをご覧ください。キャッシュレス化を通じたデータ利活用に関しましては、「付加価値創造の好循環」を確立することが重要だと考えています。プレーヤー間の協調的競争、すなわち、互いの魅力を競い合うことでサービスの質の向上を図るとともに、オープン・イノベーションや規格の標準化などの分野では協働することで、銀行やフィンテック企業、事業会社全体でキャッシュレス化を一層進めていく、これが現在のステージと捉えています。
 そして、その先には蓄積した豊富な決済データの利活用があります。決済データ単独ではなく、さまざまな金融データと掛け合わせ、さらにそれらを加工することで高付加価値化することができれば、金融・非金融を有機的につないだシームレスなソリューションの提供につなげられる可能性が広がります。そして、その高い付加価値を利用者が実感できれば、キャッシュレス決済サービス自体の利用価値も向上し、キャッシュレス化の一層の拡大につながっていくと考えます。
 このように、キャッシュレス決済サービスの拡充とデータ利活用の高度化により、「付加価値創造の好循環」の確立を目指していきたいと考えています。
 続きまして、5ページをご覧ください。日本には諸外国と異なる固有の特徴があり、キャッシュレス化の推進に当たりましては、これらの特徴を踏まえたサービスの提供と国民の理解を得ることが不可欠だと考えています。3メガの個人給与受取口座等の払出しの内訳をお示ししておりますが、55%が口座振替や振込などを含むキャッシュレスによる払出しとなっております。この指標を口座振替・振込を反映したキャッシュレス化の状況を示す比率の1つとして、銀行による具体的な取組状況とあわせてフォローしてまいりたいと考えており、算出の対象銀行につきましても拡大を検討してまいりたいと思います。
 続きまして、6ページをご覧ください。決済手段ごとの主な利用金額帯に関する利用者向けアンケートの結果をお示ししております。各決済手段の特徴に応じて利用金額帯に差が見られますが、銀行振込・口座振替は、クレジットカードと並んで高額決済での利用が多い結果となっております。
 スマホなどによる新しい決済サービスの利用意向を見ますと、若年層を中心にオープンな姿勢が広がりつつある一方、セキュリティ面の不安などを理由に、依然として利用に消極的な層が存在していることも事実です。さまざまな事業者が提供する利便性の高いキャッシュレス決済サービスの拡充は、キャッシュレス化の推進に不可欠な一方で、こうした安全性志向の強い層のニーズを捕捉し、キャッシュレス化の裾野を広げていくことも重要です。この点において、銀行の決済基盤が持つ堅牢性をベースに貢献できることが多いと考えており、その観点から3点、銀行システムの24時間稼働などのインフラ面の高度化、既存のキャッシュレス決済サービスのさらなる利便性の向上、そして、銀行による新たな決済サービスの積極的な提供を進めてまいります。フィンテック企業や事業会社、そして、我々銀行が各々の特徴を活かして、多様な利用者のニーズを捉え、キャッシュレス化の裾野を拡大していきたいと考えています。
 続きまして、7ページをご覧ください。昨年10月にモアタイムシステムをリリースし、24時間365日のリアルタイム送金を実現しました。今後もサービス提供金融機関を順次拡大してまいります。
 また、8ページにありますように、先月12月25日には全銀EDIシステムをリリースいたしました。本件につきましては、後ほど詳細をご報告いたします。
 10ページには、決済高度化の取組状況の一覧をお付けしております。このうち、赤枠で囲んでおります主要な取組項目4点について、具体的な取組状況をご報告いたします。
 12ページはXML電文への移行についてです。先ほども触れましたとおり、昨年12月に全銀EDIシステム、愛称ZEDI(ゼディ)をリリースいたしました。これにより、振込データに支払明細情報などを添付することができるようになり、従来、手作業で行っていた売掛金の消込作業など、企業の決済事務を抜本的に効率化するための基盤を整備いたしました。今後もサービス提供金融機関を順次拡大してまいります。
 13ページをご覧ください。XML電文への移行に関しては、利用企業の輪ができるだけ広がることが鍵であり、周知活動が極めて重要です。全銀協では、ZEDIのリリースに向け、リーフレットや動画を作成し配布・放映するとともに、企業向け説明会を、各地商工会議所のご協力も頂きながら、全国47全ての都道府県で開催するなど、周知活動に努めてまいりました。
 14ページをご覧ください。今後は、引き続き周知活動を実施するとともに、中小企業庁とも連携し、受発注から入金消込みまでの一連の業務を自動化する実証実験を実施中であるほか、サービス提供金融機関のさらなる拡大も進めてまいります。また、取引情報分析に基づくトランザクション・レンディングなど、金融EDI情報の活用策の研究も進めていく予定です。これらを通じ、ZEDIのさらなる利用促進を目指してまいります。
 16ページをご覧ください。オープンAPIに関しましては、2018年6月の改正銀行法施行を踏まえ、さらなるオープンAPIの利用促進を目的に、3点、API利用契約の条文例、電文仕様標準、API接続チェックリストを昨年12月までに順次公表いたしました。今後は、これらの利用状況を引き続きフォローアップしていくとともに、オープンAPIを活用したサービスの普及に向けた取組みを金融庁と協働して進めてまいります。
 18ページをご覧ください。手形・小切手機能の電子化につきましては、検討会での検討結果を報告書として取りまとめ、12月に公表いたしました。
 19ページにありますように、電子化による効果・影響について定量面も含む検証を行い、利用者・金融機関全体ではコスト削減効果が見込まれる一方で、一部の利用形態におきましては、電子化がコストの増加につながり得ることを確認いたしました。
 20ページをご覧ください。コスト削減効果の検証や利用者アンケートから、電子化が進んでいない要因を洗い出した上で、電子化推進のための対策として、周知強化や利便性向上、導入支援、そして、経済効果の改善策などを例示しております。
 今後の取組方針をまとめたのが21ページとなります。こうした検証結果などを踏まえ、検討会の報告書におきましては、「全面的な電子化を視野に入れつつ、5年間で全国手形交換枚数の約6割が電子的な方法に移行することを中間的な目標として設定し、手形・小切手機能の電子化をより一層推進するべきである」ことを提言いたしました。今後、全銀協が事務局となりまして、検討会メンバーの協力も得ながら、年1回調査報告書を作成し、電子化推進状況のモニタリングを行ってまいります。
 続きまして、23ページをご覧ください。税・公金収納・支払の効率化に関する勉強会におきましては、納付者、自治体などの収納機関、金融機関それぞれにおける税・公金納付の実態調査を実施いたしました。今後、それらの結果を踏まえた課題の明確化と効率化のアイデアに関する議論に入ってまいります。
 24ページは納付者の実態調査結果です。納付者向けアンケートによりますと、現在でも税・公金納付の大宗は紙で行われていること、その背景として、「電子納付は納付実感が得られない」、あるいは、「操作が面倒」、「紙の領収書が欲しい」などの心理的な理由があることがわかりました。
 25ページをご覧ください。左側は自治体などの収納機関における納税環境の整備状況です。口座振替、コンビニ支払の普及が進んでいる一方、クレジットカードによる納付やPC・スマホ・ATMなどで納付可能なペイジーの普及は、いまだ一部にとどまっております。
 また、右側は金融機関の実態調査ですが、窓口業務全体に占める税・公金収納事務の割合は1割から3割程度という回答が多く、現金や紙の収納済通知書などの取扱い、延滞金・督促料の確認などを含めまして、多くの金融機関において、税・公金収納業務の効率化が課題認識されているという結果であります。
 なお、効率化に向けましては、口座振替の推進のほか、自治体などの収納機関側の協力が重要との声も多く聞かれました。
 26ページをご覧ください。以上の実態を踏まえた上で、今後の取組みについて、短期的な取組みと中長期的な取組みに分けて考えております。
 まず、短期的な取組みとしては、さまざまな納付チャネルなどをご紹介する「暮らしのデジタル化ガイド」を作成し、金融機関窓口での配布やウェブサイト等への掲載などの周知活動を3月から始めたいと考えています。
 また、中長期的な取組みに向けて、勉強会でこれまで行ってきた実態調査の結果と、それらを踏まえた税・公金収納の課題、その解決に向けたアイデアを勉強会の調査レポートとして3月までに取りまとめる予定です。
 最後に、その他の項目につきましても、幾つかポイントを絞ってご報告いたします。
 28ページは全銀協ブロックチェーン連携プラットフォームにおける取組みについてです。現在、富山第一銀行のデジタルコインに関する実証実験と、全銀ネットの実証実験を行っております。全銀ネットの実証実験においては、現在、日次バッチ処理となっている小口送金の銀行間決済に関し、ブロックチェーン上の専用デジタル通貨を用いて即時グロス決済を実現するための仕組みについて、技術的な検証を行っております。
 続いて、29ページは貿易事務の電子化です。貿易事務の電子化については、コンソーシアム参加事業者間の取引の一部について、実際に電子化を導入する初期サービスを2019年度に開始する予定です。そのサービスリリースに向け、業務フローやデータ入力項目、API仕様の整理などの初期サービス内容の設計をはじめとして、必要な検討を進めているところです。
 30ページをご覧ください。コンソーシアムには船会社、荷主である商社など、各業界が参加しておりますが、銀行界も分科会を設置して、手作業では非効率なドキュメントチェックの自動化などに関する具体的な設計を進めております。引き続き、2019年度の初期サービス開始に向けた具体的な検討を進めてまいります。
 続いて、31ページをご覧ください。ロー・バリュー国際送金についてです。足元、ネット銀行や資金移動業者による低価格な国際送金サービスが出揃いつつある状況です。
 32ページをご覧ください。APN-HUBを活用したロー・バリュー送金スキームを検討しておりますが、現在、当初からの環境変化を踏まえた方針の再検討を行っているところです。具体的には、APN-HUBでは資金決済が標準化の対象外となったことや、マネロン・テロ資金供与対策の観点からバルク送金が不可能となり、従来の海外送金と同等の体制構築が必要なため、本スキームで低価格なサービスを提供可能かどうか、引き続き検討を行った上で、改めてご報告をさせて頂きます。
 最後に、33ページの携帯電話番号送金です。ご案内のとおり、リアルタイムな銀行口座との連携により、決済機能を併せ持つP2P送金サービスが数多く登場してきております。多くの国民が多様なP2P送金サービスのラインナップからニーズに応じて選択し、利用できる環境が整備されつつあり、今後はこれらの利用促進が課題と認識しております。
 銀行による取組みとしては2点、1点目はMoney Tapを昨年10月にリリースしました。今後もサービス提供銀行の拡大とともに、機能追加の検討を続けていきます。
 もう一点、3メガと富士通でプロジェクトを進めておりました。このプロジェクトにつきましては、足元のP2P送金サービスの広がり等を踏まえ、中止を決定いたしました。もっとも、銀行として、安心・安全で利便性の高い個人間送金や決済サービスの基盤構築が重要との認識は変わらず、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
 決済高度化に関する銀行界の取組状況の報告は以上となります。
 冒頭に申し上げましたとおり、キャッシュレス化をはじめ決済システムの高度化は、生産性向上など日本社会の課題解決と発展の足腰になるものと考えております。決済を取り巻く環境の変化は早く、対応すべき事項は動的に変わっていきますが、それらを的確に捉えて課題設定し、スピード感を持って対応していかなければなりません。全国銀行協会全体としての取組みに限らず、各種コンソーシアムや個別銀行の取組みを含めまして、銀行界として、関係省庁・産業界などのご協力も賜りながら、引き続き決済高度化に努めてまいります。
 報告は以上となります。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 続きまして、XML電文への移行に関する取組状況について、全国銀行協会 相澤参考人、富士通株式会社 浜委員、花王株式会社 牧野委員、イオンアイビス株式会社 小林参考人の順に、それぞれ説明をお願いいたします。
 まずは、相澤参考人より説明をお願いします。

【相澤参考人】
 全銀協の相澤でございます。お手元の資料4-1をご覧頂きたいと思います。
 1ページにございますとおり、昨年12月25日に全銀EDIシステム、愛称ZEDI(ゼディ)と呼んでおりますけれども、こちらが稼働を開始いたしております。この概要について、ご説明をさせて頂きます。
 2ページをご覧ください。こちらは企業の経理業務におけます売掛金等の消込みの現状を示しております。現状は、企業間における取引の支払いは、その多くが複数の商取引の代金を合算して振込で行われておりまして、受取企業において認識している売掛金と、実際の入金金額が合わないケースがございます。その場合、受取企業におきましては、営業担当や商品の発注元である支払企業に照会をする必要が生じるなど、売掛金の消込業務に多大な時間とコストがかかるほか、支払企業におきましても、受取企業からの照会対応の必要が生じております。
 3ページをご覧ください。ZEDIは、この企業間の振込電文を金融取引における次世代の国際標準でございますXML電文へ移行いたしまして、デジタルデータでありますEDI情報の拡充に対応するためのシステムでございます。このZEDIを利用することによりまして、支払企業から受取企業に振込を行う際に、さまざまなEDI情報、具体的には、支払通知番号ですとか、請求書番号などを添付できるようになります。
 4ページをご覧ください。こちらには、その期待効果を示してございます。この振込電文に添付されましたEDI情報を活用することで、受取企業においては、消込業務の効率化、また、支払企業におきましても、受取企業からの問合わせ対応の負担軽減を実現することができます。一般財団法人流通システム開発センターが実施した共同実証の結果報告によりますと、EDI情報の活用によりまして、受取企業の入金消込等に係る事務負担が6割減少したということでございます。
 このように、ZEDIを利用することにより、支払企業と受取企業の双方におきまして、経理業務の効率化と生産性の向上を実現することが可能になります。
 5ページをご覧ください。EDI情報の応用的な活用方法といたしましては、ほかにも、例えば、受取企業が受領いたしました振込入金通知等のデータを電子領収書として利用することが考えられます。これによりまして、支払企業、受取企業の双方にとってコストの削減が図られます。
 また、金融機関から企業の皆様にコンサルティング機能ですとか提案活動、ビジネスの将来予測や業界動向の分析、取引情報分析による小口融資等のさまざまなサービスの提供が可能になると考えております。
 6ページをご覧ください。ここでは、企業の皆様がZEDIを利用頂くに当たりまして、必要となる対応を簡単に記載しております。現在、ファームバンキング又はインターネットバンキングを利用している企業の皆様には、ZEDIに対応した通信ソフトですとか会計ソフトのバージョンアップ等が必要になります。また、現在、ATM、銀行窓口、ファクシミリなどで振込を行っている企業の方々の場合は、まずはZEDIに参加している金融機関が提供するファームバンキング又はインターネットバンキングの導入が必要になります。
 7ページをご覧ください。右側にありますとおり、稼働当初におきましては、全銀システムに加盟している銀行144行のうち、個人顧客がメインの金融機関ですとか、資産管理がメインの金融機関を除きました121行の76%に当たる92行がサービスを提供しております。これに加えまして、準備が整い次第、サービス提供を始める金融機関があるため、ZEDIの参加金融機関は今後も拡大してまいります。
 私ども銀行界といたしましては、ZEDIを通じて企業の皆様の経理業務の効率化と生産性向上のお手伝いをしていきたいと考えております。これからもたくさんの企業の皆様にZEDIを利用して頂けるよう、関係省庁・産業界と連携をいたしまして、さらなる普及、利用促進に向けた取組みを継続してまいりたいと考えております。
 ご説明は以上となります。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 続きまして、富士通株式会社 浜委員よりご説明をお願いします。

【浜委員】
 金融EDIにつきまして、弊社の対応状況を報告させて頂きます。お手元の資料4-2で説明させて頂きます。
 ZEDIは12月25日のスタートに向けて、準備段階でテストの環境を提供して頂きました。そこで、弊社は昨年8月及び10月に総合運転試験に参加いたしました。2度の試験においては、送受信いずれも問題なく接続できることを確認しています。
 では、支払い及び入金、また、周知活動等、それぞれのシーンに分けて対応状況を説明いたします。
 資料の2段目です。支払いです。2度のテストと並行し、9月から経費システムの改修に取りかかりました。11月末に改修が完了しました。システム改修後、システムから出された支払データを接続テストした上で、本番スタートする見込みです。本年1月にスタートする見込みでしたが、ちょっとまだテストができておりませんので、テストでき次第スタートする予定になっております。
 なお、金融EDIの項目につきましては、S-ZEDIの項目を利用しております。
 次に、入金です。入金は明細を受信し、金融EDIの項目のパターンを確認する予定です。こちらも支払いのほうとあわせまして、間もなくスタートする予定にしております。
 送られてくるEDI項目は複数のパターンが考えられますので、ある程度データが蓄積された時点で消込マッチングのシステム対応を考えております。
 最後に、周知活動です。昨年9月、1カ月間に発行した請求書に、全銀協から頂きました周知用のチラシを同封いたしました。発送先は約1万社です。目的は、ZEDIが12月にスタートすることの周知及びS-ZEDIというツールが提供されることの周知、これに合わせて活用を頂くようにというお願いをいたしました。これは受取りのほうです。入金頂く場合のケースです。
 弊社からの支払いにつきましては、弊社からXML形式に切りかえていることと、EDI項目にセットする項目を取引先にアナウンスしてまいります。取引先に認識してもらわなければ有効活用頂けないので、こちらもあわせてやっていこうと考えております。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 続きまして、花王株式会社 牧野委員よりご説明をお願いします。

【牧野委員】
 花王株式会社の会計財務部門の管理部長の牧野と申します。進捗状況についてご説明させて頂きます。
 1ページ目を開いて頂けますでしょうか。花王グループの場合は、ERPシステムとしてSAP社のシステムを使っております。この状況をまずご説明させて頂きます。
 SAP社は、ここの赤枠にありますように、ZEDI対応をして頂いておりまして、XMLファイルの作成、取込機能に対応したツールを標準で出して頂いています。これは標準機能なので、無料です。ただ、金融EDIの情報項目部分は、やはり各社対応が必要ということで、これは有料で追加開発を、弊社において有料で対応したという状況です。
 2ページ目を開いて頂けますでしょうか。システムの対応状況ですが、先ほどの富士通の浜委員と同じように、我々もZEDIの総合運転試験に昨年10月末に参加させて頂きました。それは3ページ目に少し載せてありますが、2取引先について、銀行は三井住友銀行のご協力を頂いて、テストは無事完了しました。基本的には富士通と同様、S-ZEDIの項目にて対応いたしました。
 2ページ目に戻って頂きます。現在の状況ですが、まだ一部システム修正を行っています。また、それと並行して銀行と契約諸手続を進めております。今の予定ですと、2月末にグループ内送金を実行して、3月中旬から外部振込を行っていく予定です。3月の中旬に振込させて頂くのは数社に限って、まずトライアルでやっていこうというふうに考えております。
 4ページ目を開いて頂けますでしょうか。現状の課題として考えているのは、①、②の2点です。①は、先ほどの1ページ目のところで話をさせて頂いたような金融EDI情報の情報項目などを自社用に追加開発するなど、システムの開発費用を支払企業側が負担しないといけないこと。あと、ZEDIの使用手数料ですが、この仕組みを開発する当初から、この価格設定はどうなるのか?といろいろな議論があったと思うのですが、先週末、某銀行から頂いた情報によると、弊社の場合、ほぼ通常の総合振込と同じような価格で進めていけるというふうに聞きました。弊社の場合、これは解決です。よって、まずは、数社で始めますが、その後は、可能な限り全ての総合振込について、ZEDI経由でやっていこうと弊社グループでは決めたところでございます。そうすることによって、花王グループのお取引は、ZEDIを使った業務の効率化の実感を早いうちに味わって頂けるのではないかと思っております。花王グループの受取りの方も、随時試していく予定です。
 ②ですが、今、金融EDIの情報欄について、弊社はまず、S-ZEDIを使ってスタートしていきますが、例えば、我々はメーカー及び卸ですが、小売店に、時にお支払いするリベートが実はこのS-ZEDIには登録できません。そのためには、もう少し拡張性のあるものが必要だと思っています。次ページに記載しているように、「例えば」というふうに記載させて頂いたのですが、2016年12月に経産省と中企庁に出して頂いた40項目、5ページ目のこういった項目について、XMLのタグ化を決めて頂ければ、より標準化された形でより多くの企業の今後の運用がスムーズになると思っています。
 以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 続きまして、イオンアイビス株式会社、小林参考人より説明をお願いいたします。

【小林参考人】
 イオンアイビスの小林でございます。イオングループのシステム開発の責任者をやっております。弊社はまだ対応が遅れておりまして、今後の対応についてご説明したいと思います。
 1ページ目は、全体のシステムの絵を描いております。私ども小売業が対応する部分では、主に卸との買掛金の支払いデータ、それから、先ほど花王からも少しありましたリベートを取引先のほうから振り込んで頂く情報、この2つが今回のシステムの対象になります。現在の検討状況としましては、富士通とシステムを介して、各卸・取引先とデータを連携するというような形で検討を進めているところでございます。
 現在、基本は流通BMSという形で、小売業が卸・取引先と受発注の情報、それから、請求、入金までの情報をデータで連携しておりまして、これにさらなる追加として、入金情報をデータで連携するという形を、2014年から検討を開始しておりまして、いよいよこれを実装に向けて、今後対応していくという形で進めております。
 次の2ページ目ですが、私どもが取り組むに当たって、大きく課題となるものを書き出しております。リベートの入金データについては、下に書いてありますとおり、イオングループで約30社以上の対象企業がありまして、各社の商品部と卸・取引先で締結されたリベート契約に対して、リベートの情報と卸・取引先からの入金のデータを連携させて、マッチングをかけるという形をつくらなければならないというところです。したがって、卸・取引先との連携をどういう形で進めていくかが課題となっています。流通BMSについては、卸との受発注のデータというのが基本になっておりますので、卸・取引先のほうで、連携の仕掛けをつくって頂かなくてはならないというところもありまして、卸・取引先にどのような形でシステムを構築して頂くのかがリベートに関する大きな課題になっています。
 それから、売掛金が卸等と私どもの商品代金の支払データの連携になります。ここについては、現状も流通BMSでデータが連携しておりますので、さらなるデータの追加という形で対応できると考えております。今後は、利用料について、どういう形で負担、あるいは、請求していくかといったところを検討しなければならないことが大きな課題になっております。
 ①、②ともメーカー、お取引先、事業会社に対してのそれぞれのメリットをどのようにとらえていくのか、こういったものをこの後、社内で検討した上で対応していかなければならないと考えております。
 それ以降、スケジュールとして、XML電文とは直接的には関係ないのですが、私どもがシステム化していく上で、1つ大きな課題となっておりますのが、小売業全体、流通業全体の問題になっています消費税の対応です。これが今、我々システム会社にとっては大きな課題になっておりまして、こちらのほうにかなり時間を割いているという状況でございます。私どもイオングループは、本年10月の消費増税を行う前に、本体価格化といいまして、現在は全部マスターから何から税込価格でデータをつくっております。これを切り離して本体だけで動かすという形を今年3月に、やろうと思っています。レシートを含めた表示情報を全部本体価格化した上で、システム化、その後10月を迎えるという形を考えておりますので、ここに今、力を入れざるを得ない状況でございます。
 また、10月以降の増税については、今、複数税率への対応が話題になっておりますイートインなど、こういった対応がまだ決定していない部分が多くありまして、そこの論議を進め、システムの対策というのを考えた上で、10月を迎えなければならないという大きな問題があります。
 最後に、4ページ目で、簡単にそういったスケジュールを書いておりますが、消費税、それから、もう1つ大きな課題として割賦販売法の対応というのがありまして、改正割賦販売法が2020年3月に施行されますので、こちらの対応も今、並行して進めております。
 それから、ここには記載されておりませんが、QRコードといった新しい支払手段、こちらについても、レジの対応や会計システムの対応というのをこの後、2019年度は大きな課題として取り組まなければいけないということもありまして、全銀EDI等の取組みが、若干遅れているというのが私どもの現状でございます。
 以上で発表を終わります。

【森下座長】 
 ありがとうございました。
 それでは、これより皆様からご質問、ご意見をお伺いする討議の時間とさせて頂きますが、本日ご欠席の河野委員から事前にコメントを頂戴しております。資料5として配付しておりますので、ご覧頂ければと思います。
 それでは、改めまして、討議の時間とさせて頂きます。活発なご意見を頂ければと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 どなたからでも結構ですので、ご発言をお願いいたします。
 岩原委員、お願いします。

【岩原委員】
 事務局及び各業界の方々から大変丁寧な説明を頂きました。ありがとうございます。
 まず、全銀協からのご報告の中で、手形・小切手機能の電子化につきましては、この紹介頂いております報告書の内容は、非常に穏当なものと思います。以前は銀行における手形・小切手の取扱いの廃止とか、手形交換所の廃止といったような、かなりドラスティックな案も検討されたようでありますが、この報告書に書かれた方向は非常に穏当と思われますので、これを着実に実行して頂きたいと思います。
 次に、2番目に、それに関連して、電子記録債権は手形機能の代替として期待されており、確かに利用が伸びてはおりますが、手形の利用が減少したほどには電子記録債権の利用は伸びておりません。この原因については、先日の日経新聞の記事等、いろいろな問題が指摘されているところでありますので、なお一層、電子記録債権が利用されるよう、銀行界等において努力して頂きたいと思います。
 それから、3番目に、決済に関する多くの問題の背後にあるものが、決済サービスを提供しております銀行のシステムがかなりコストが高いという問題があると思います。全銀システムなどでは、システムの更改、新しいバージョンに入るときに非常に巨額の数百億円といった費用がかかると聞いておりますし、その他、外為等に係る部分等を含め、行内システムもかなりコストがかかるものになっております。そういったものに関するコストを削減していくということを期待したいと思います。当然それは銀行自身が一番よくわかっているとは思いますが。
 一方で、CMSにつきましては、外銀のシステムに比べて日本のシステムはいまひとつという感じがしておりまして、そういうところに対する投資をきちんとやって頂きたいと希望します。
 なお、例えば、安価な国際送金サービス等が金融機関以外の者によって提供されるようになっておりますが、そういう新しい銀行以外の者による送金サービス等について、マネーロンダリングの規制等、銀行におけるサービスと同様のきちんとした規制が行われているのかという問題もあるように思います。そういう点も制度の整備をして頂きたいと思います。
 また、無権限取引などにおける損失補償についても、そういう新しいサービスにおいて、銀行同様、きちんとした制度の整備を図っていく必要があると思います。そういう意味で、銀行が提供するサービスと、レベルプレイングフィールドが図られるようにしていく必要があると思います。
 今の問題に関わるのですが、キャッシュレスがなかなか進まない一番大きい理由として、全銀協資料の6ページに挙げられているのがセキュリティに不安があるからということであります。最近、千葉大学の青木教授が論文で指摘されておりますが、セキュリティの不安に対しては、セキュリティシステムをより健全なものにしてもらうということとともに、万が一、そういう無権限取引などが行われたときの補償がきちんとされて、利用者が安心して使えるようにするということが必要であろうと思います。
 現在は、日本の法制上は、法律でその点の整備が図られているのは偽造カード等に関する預貯金者保護法による、偽造カードと盗難カードだけであります。それ以外の資金移動については、無権限取引がされたときの法制が整備されておりません。銀行に関しては、平成20年の全銀協申合わせで通帳取引やインターネットバンキングについて、申合わせを行っておりますが、なお十分でないと思います。特に、オンライン専用銀行などは、インターネットバンキングに関する補償について、かなり各行で取扱いがまちまちであるとも報告されております。
 それ以外にいろんな決済方法があるわけですけれども、そういうものに対する補償の制度、無権限取引の際に利用者が安心できるような手当が十分されていないと思います。例えば、クレジットカードなどは、従来、約款である程度の保護を図っておりますが、しかし、その約款も、例えば、暗証番号を使ったクレジットカードの利用の際には、その救済の保護の対象にしないという約款になっておりますし、特に、新しく生まれてきているスマホ決済などにおいて無権限取引がされたときに、利用者がどれだけ保護されるのか、その点が非常に不安が大きいと思います。QRコードなどを利用した決済でも、無権限取引がされたときに利用者がどのような保護を受けられるのかといった点について、制度整備を図って、安心して利用できるようにしていかないと、日本ではなかなか利用が進まないのではないかと思いますので、そういった点の制度整備をぜひ図って頂きたいと思います。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。前半の電子記録債権その他について、望月委員のほうからいかがでしょうか。

【望月委員】
 岩原委員から5点ご指摘を頂いたと認識しております。
 1点目の手形・小切手機能の電子化に向けた着実な推進、2点目の電子記録債権の利活用の促進、これらは表裏の関係にあると思っております。手形機能の電子化の1つの方法が電子記録債権であり、利用者の皆様への周知・活用促進にしっかりと取り組み、銀行界全体として着実に電子化を進めていきたいと考えております。また、産業界の皆様のご理解も頂く必要がございますので、そうした連携もしっかりととらせて頂きたいと思っております。
 また、3つ目は、銀行が抱える決済サービスのインフラの重さゆえにコストが高いのではないかとの趣旨のお話を頂きました。全銀システムにつきましては安全・堅確な運営を心がけているところでありますが、その強みといたしましては、1973年の稼働開始以来、45年間にわたって運用時間中に停止をしたことが一度もないという極めて高い安全性・信頼性、そして、国内のほぼ全ての金融機関の口座につながっており、法人・個人を跨いだ経済主体がすべからく利用可能な網羅性といった点が挙げられると思います。その一方で、これらの維持にコストがかかっていること、あるいは、システムリスクの観点から、あらかじめ定めた更改時期以外に追加開発がしにくいといった問題があるのも事実であります。技術革新がこれだけ進み、金融への異業種参入も広がっている中、前例にとらわれることなく、機動的に対応していかなければならないと考えています。
 その観点では、本日は説明を割愛いたしましたが、全銀ネットにおいて外部有識者との意見交換を定期的に行っており、全銀ネットの在り方や決済インフラの高度化に向けた議論を引き続き深めていきたいと思っています。
 それから、もう1つ大事なこととして、マネロンや利用者保護の問題と、特にセキュリティに不安を感じておられる層を念頭に置いた補償の整備についてもご提言を頂きました。これは銀行だけではなく、金融に参入しているフィンテック業者にも共通して言えることだと思いますが、やはり利用者の利便性と保護は両輪で成し遂げなければならないと考えております。銀行におきましては、堅牢なシステムと堅確な事務体制に加え、厳格な本人確認等を通じたマネロン・反社会的勢力の排除などに多大なシステムとインフラコスト、そして人的コストもかけながら安全性の維持に努めております。昨今のサービスの中には、その点について応分の負担をすることなくサービスを提供している、いわば銀行の口座に乗っかるような形のサービスが出てきているのも事実だと思っており、受益者負担の在り方も含めて、課題が残っているものと思っております。
 また、補償の話につきましては、利用者の方々に安心して使って頂ける、鍵となる要素の1つであろうかと思います。この点につきましても、今後しっかりとご意見を拝聴していきたいと思っております。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 ほかのご意見はいかがでしょうか。
 瀧委員。

【瀧委員】
 このたびから参加させて頂きました、電子決済等代行事業者協会の瀧と申します。どうぞよろしくお願いします。
 初の参加ということもございまして、今までやや部外者として見てきたところから、今回からある意味、当事者としてもご意見させて頂く立場として、全体のお話を1つと、3点ほどご意見をさせて頂ければと思います。
 まず全体像として、各種のアジェンダに対する進捗を見る会議にはなっている中ですが、決済の高度化に資するツールや変化が、実際にどれぐらい使われているのかといった、KPI化の観点での話が出てくると、最終的な制度のユーザーとしての評価がしやすくなるのではないのかなと思っている次第でございます。
 その上で、3点のうち1つ目が、全国銀行協会からございましたAPIに関するところでございまして、もともと2年前の政府目標で80行という開放のところは、おそらく銀行単体でも128行が昨年9月の統計ベースでは予定されておりますし、そこは達成されているというふうにも言えるのですが、来年5月末までの、移行期間において、マネーフォワードも該当しますけれども、全ての銀行に向けて、従前と同じようなサービスを提供するためには、APIの契約をするか、もしくは、契約のもとでスクレイピングを実施するかが必要となります。マネーフォワードは現状、実績値で32行との接続をやっと終えているというところでございまして、来年半ばまでにあと100行いけるのか、加えて、JAとか信金とかとも一括での契約事務があります。弊社はかなり大きい部類になりますが、電代業はリソースも少ない事業者が多いものでございますが、そういった事業者も、とはいえ、ユニバーサルにAPIを接続したいという要望もございます。接続に向けた負荷を下げるためにも、さまざまな整備が必要であり、引き続きいろいろな場で全銀協とも調整していければと思っております。
 2点目はZEDIでございます。本日もご紹介を頂戴しましたけれども、中小企業の現場で、これってどう使われるのだろうかというのが非常に昔から、なかなか模索がずっと続いているところかと思っております。
 そもそも、アップデート前の、例えば20桁の固定長のEDI情報というのがどれぐらい本当は使われているべきだったのかとか、どれぐらい使われていたのかの実感がございません。マネーフォワードも、自社への請求の支払いを行ったり、請求書のサービスを出していますけれども、このEDI情報を使おうと思ったことがなかったというのが、経理担当者や、開発担当者の意見です。やること自体は先進的なものと思うのですが、それがどこまで本当に使われているのかが、通常の企業経営だと問われるのかなと思っております。今回のケースでいうと、大手の企業では自社のエコシステムの中でEDIは使われるものだと承知しているのですが、中小企業が、例えば、自分たちが下請で上流の会社に対してこういうのを入れてくださいというのは非常に言いづらいところもある中で、それをどうやって実体化していくのかは、まさにこういった会議が決めていくべきことではないのかと思います。従前からそういったことを考えておりましたので、やや部外ではございますけれども、指摘をさせて頂きます。
 3点目はキャッシュレスでございまして、おそらく2つ大事な課題があると思っております。岩原委員もご指摘になった消費者の保護であるとか、安心の提供というところでは、本日朝の日経にもございましたけれども、例えば、高齢者がどういう形でキャッシュレスの世の中で生きていくのかという検討が、私は足りないというふうにいつも思っております。高齢者の場合、資産運用であったりとか、後見制度をどうするといったテーマが多いのですが、決済についての議論が少ないと感じています。NFCのカードを高齢者の方がピッとやってバスに乗る光景は結構見られている反面、それで、セキュリティ上不安なのかとか、あんまりちゃんとした調査がないのかなとも思っていまして、キャッシュレス決済を重要なトレンドとしてウォッチしていくのであれば、技術的観点で弱者に近い層でちゃんと使われるのかという観点が大事だと思っているのが1つでございます。
 最後でございますけれども、P2Pの送金手段というのが、例えば、タイであったり米国であったりスウェーデンですと、異なる銀行間の口座での送金が基本的に24時間無料で行えるという期待値がございまして、さまざまな前払式や資金移動の手段もある中で、銀行口座間の振替というのが最終的な解になっているところもございます。ここも、やはりこういう会議の場であるなり、もしくは、公的にこれだというのを決めないのであれば、民間のサービス間競争を促進していくというのが大事かと思っております。おそらくスウェーデンとタイは国主導でやっていて、米国の場合はVenmoとZelleが競争したようなイメージでございますので、そういう未来像の中で、本当にP2P送金が使われるのかというところを最終的に視野に置くことが必要なのかなと思っております。
 従前の55%の統計もございますように、KPIは最初の統計がこれでいいのかという議論もなかなかあるところではございますので、最初はハードに定めることも難しいかもしれないですが、そうやっていくと、今はやりのファクトフルな検証になっていくかなと思いますので、そういったところを、この協会としても何らか貢献していければと思っています。
 長くなりました。以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。今の瀧委員のお話については、よろしいですか。
 それでは、翁委員、お願いします。

【翁委員】 
 今、瀧委員おっしゃったことと少し関連する話で、私も少しキャッシュレスの実態について調べたのですが、日本のキャッシュレスというのは、消費者にとってはクレジットカードなどが中心に進んでいるということもありまして、所得階層が高い人ほどキャッシュレス化しており、所得階層の低い人ほどキャッシュレス化が進んでいないとか、大きな地域差があるということ、それから、特に進んでいないのは公的サービスや個人間送金で、やはり根強い現金志向があって、やはり安心・安全志向というのが強いという状況がアンケート調査、今やっているのですが、そういう状況が見えてきております。
 その意味でも、私も、ご指摘がありましたように、消費者の不安解消、セキュリティ面も含めて重要だと思いますとともに、やはりITリテラシーや金融リテラシーというものを教育面で取り組んでいくべき必要があるのではないかというふうに思っております。
 それから、個人間送金につきましても、瀧委員もおっしゃいましたが、スウェーデンなどはSwish、e IDと携帯電話番号がうまく結びついていて、セントラル・アドレッシングのシステムができていて、インフラとして活用できるようになっている。一方で、競争していくのか、協調でやっていくのかということは検討していかなければならないのですが、日本としては個人間送金のP2Pシステムを構築していくことは非常に重要だと思っております。今日の金融庁からの一番最初のところにも書いてございますけれども、そこで大事なのは、インターオペラビリティということだと思います。送金システムですので、やはりネットワークでございますので、こういったことをどういうふうに確立していくかということを考えていく必要があると思っております。
 また、東南アジアなどでも非常にこういった仕組みが大きく進んでおりますので、国際的な動きもよく踏まえながら、こういったP2P送金システム、どういうふうにつくり上げていくのかということについて、議論が必要かと思っております。
 それから、ZEDIにつきましては、昨年ようやくスタートいたしまして、参加金融機関もこれからどんどん増えていくということでございますし、また、周知も進めていくということでございますが、やはりこれが中小企業に活用されていくということが非常に重要でございます。また、これが生産性の向上につながっていくということを目指して、金融機関もそれをうまく活用していくということが求められていると思います。ZEDI等についてもオープンAPIでいろいろと連携していくことによって、さまざまなサービスを付加していくことを展望してやって頂きたいと思いますし、また、銀行業にとっても、そういったものを活用して、今、トランザクションのデータの検討会があるというふうに聞いておりますが、どういった付加価値の高いサービスを中小企業などに提供できるかということを考えて活用できるように、より進化させて頂くことが必要かと思っております。
 最後に、オープンAPIにつきましても、今のこととも関連しますけれども、単にオープンAPIをやりますということだけでなく、どういうビジネスモデルにしていくのかということが基本的に重要だと思っておりますし、どういうビジョンを描いて金融機関がオープンAPIに対して取り組んでいくのか。顧客のニーズに合ったサービスを提供していくという方向で、より一層活用されていく方向に全体として取り組んでいくことが必要ではないかと思っております。
 以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 山上委員、お願いします。

【山上委員】
 まず、事務局の皆様に決済高度化の目的をより明確に整理して頂いたということに御礼を申し上げたいと思います。
 私からは、新たに金融機関のキャッシュレス促進が特に昨年から言われるようになり、それに付随して幾つか思うところがありまして、全体で3点ほど申し上げたいと思います。
 まずは、今、翁委員からもお話し頂いたのですが、モバイル決済のインターオペラビリティという話です。最近、特にキャッシュレスというキーワードが普及してきたということもあって、さまざまな決済手段が出てきたと思っております。しかしながら、決済手段にはインターオペラビリティというのがない。インターオペラビリティを非常に簡単に申し上げると、Aという決済手段からBという決済手段に対して送金することができないということになるのかなと思います。確かに、選択肢は増えたと思うのですが、そもそもそういうサービスが提供されるのは、事業者の方々がお客様を囲い込みたいという思いの延長線上にあるのだろうと思うのですが、今後もそういった傾向がますます強まっていくのだとすると、利用者から見て、果たして利便性があるのだろうか。さっきイオンの小林参考人もおっしゃっていましたけれども、それを受け入れる加盟店側も結構な対応を強いられるとすると、本当にインターオペラビリティがない決済がたくさん出てくるということは、この国にとって望ましいのかなというふうに思うところもありまして、やはり規模が重要な決済手段の中で、どれもうまくいかなくて、サービスをやめましたということがないようにするためには、やはり何らかの国としてのインターオペラビリティに関する方向性が示されるべきなのではないかなと思っております。
 2点目は、リアルタイム決済の基盤の普及ということについてです。
 まず、モアタイムシステムができて、さらにその上にZEDIが組み合わされることによって、いろんなサービスができることで、銀行決済サービスがより社会的なインフラとして機能するような環境になってきつつあるという認識をしております。その点、非常に前向きに評価しています。ただ、将来のことを考えますと、eコマースのようなものがより普及したり、社会全体が接続していくということを考えたりした場合に、新しい環境において、リアルタイム決済基盤というものがより使われるようになるためにはどうしたらいいのかなとずっと思いを馳せるわけであります。ただ、私はZEDIの営業を頑張ってくださいと申し上げているわけではなくて、これからすごくたくさんの決済サービスが出てくるという場合に、国の決済システムの安定性という観点から見た場合、銀行が提供するリアルタイム決済基盤というのが広く使われるようになるということが非常に重要なことだと思いますし、やがては規模の利益でコストも下がっていくだろうと考えた場合には、その恩恵をより広く社会全体に普及させていくということ自体が必要なのではないかと思うわけであります。これにはいろんな手段があると思いますので、これについても方向性の検討が必要になってきているのではないかなと思います。
 最後は、ロー・バリュー送金についてでございます。これについては、2015年12月の決済業務等の高度化ワーキング・グループの資料を改めて見てみたのですが、銀行を通じて安価な国際送金を提供するという形で書かれておりました。そこから見ると、ノンバンクの方とか電話会社だとか、いろいろな業界の人たちがサービスを提供する。岩原委員がおっしゃったように、必ずしもアンチマネロン的にセーフなのかというと、なかなか難しい面はあるのだろうと思いますけれども、今後、出入国管理法を改正したり、東京オリンピックなど外国人が増えることを考えると、いろんなハードルがあるのは理解したのですが、環境は異なるかもしれないけれども、諸外国で、先ほどもご案内頂いたように、いろんな工夫がなされた上で実現しているようなものもあるやに聞いておりますし、昨年の終わりだったと思いますけれども、欧州で域内のP2P送金を実現させた仕組みの中に何らかのヒントがあるやにも思いますので、ぜひ当初の目的を完遂して頂くということで、活動の継続を要望したいと考えております。
 私からは以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 ほかはご意見いかがでしょうか。
 戸村委員、お願いします。

【戸村委員】
 ありがとうございます。2点ほどコメントさせて頂きたいと思います。
 まず第1に、キャッシュレス化の指標についてコメントをしたいと思いますけれども、従来のキャッシュレス化の指標は、店舗側への入金データに基づく指標だったと思いますけれども、それに並行して、今回の全銀協の資料3の5ページ目にあるように、消費者側の出金データに基づく指標も使って複層的にキャッシュレス化の度合いを測っていくのがよいと思います。この点は、翁委員が以前おっしゃられたことと同意見ですけれども、改めて確認させて頂ければありがたいと思います。
 コメントの2つ目としては、キャッシュレス決済における決済代行について、個人的な素人的な印象で恐縮ですけれども、申し上げさせて頂いて、その後に、事務局への提案を申し上げたいと思います。
 最近、キャッシュレス決済に参入する事業者については、QRコード方式の採用が多い印象がありますけれども、沖縄を除く各都道府県で20年ほど前に2,000円札が普及しなかったという経緯を振り返りますと、ほんの少しでも不便があると、消費者はその支払手段を使ってくれない、少なくとも日本においてはそのような傾向があると思いますので、現金の使用が大きく不便にならない限りは、少し手間がかかるQRコード決済がそれほど普及しないこともあり得ると思っております。
 一方、非接触型決済においては、店舗に置かれるカードリーダーが決済代行事業者の情報処理サービスと一体としてパッケージ販売されるのが普通だと思いますけれども、そうしますと、新しい非接触型決済手段が登場しても、決済代行事業者と連携しない限りは、小売店舗に置いてあるカードリーダーでは読めないということになるのではないかと思います。もし、このような市場慣行が存在して参入障壁になっているがゆえに、新規参入事業者についてはQRコード決済の採用が増えているということがあるのであれば、寡占の問題が生じているということになりますので、キャッシュレス化の見通しに懸念も生じると思います。また、今、申し上げた寡占的な状況とは真逆の状況として、決済代行事業者が乱立する結果、類似の機能を持つ決済情報処理システムの開発費や維持費が重複的に発生し、結果として、店舗側が支払う手数料が高止まりする可能性もあると思います。
 今、申し上げたのは2つの可能性ですけれども、寡占にしろ過当競争にしろ、キャッシュレス化の推進のボトルネックとなるような市場構造が決済代行業に存在しないかどうかを確認して、必要な施策があれば行っていくとよいと思います。決済代行がキャッシュレス推進協議会の守備範囲なのか、この会議の守備範囲なのか、少々わかりかねるところもありますけれども、事務局におかれましては、今、申し上げたような市場構造の確認を検討課題として取り上げるのが妥当かどうか、ご検討頂ければ幸いです。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。

【岡田企画市場局信用制度参事官】
 事務局といたしましても、ご指摘のような、現在、確かにさまざまな決済事業者が出てきて、それぞれのサービスを競っている状況だと思います。一方で、国とか公的機関がその中のどれか、これがいいんだというふうに決めると、往々にして当たらないということもあると思いますので、他方、戸村委員、あるいは、ほかの委員の方からご指摘頂いたようなこともありますので、引き続き、市場、実際に起きていることを見て、日本のこういった決済、利用者、加盟店といった関係者との関係で、何か大きな問題にならないかというのは引き続きフォローしていきたいと思います。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。加藤委員、お願いします。

【加藤委員】
 まず、金融EDIについて申し上げます。
 昨年12月25日の全銀EDIシステム(ZEDI)の稼働に対し、関係者の皆様のご労苦に心から敬意を表します。日本商工会議所は、2016年2月に設置されたXML電文の検討会に参画し、特に中小企業の活用に向けた意見を申し上げてまいりました。また、周知にも協力をさせて頂いておりましたので、稼働は感慨深いものがございます。
 検討会では、特に中小企業でも使いやすくするために、低事務負担・低利用負担ということを申し上げ、特に、「EDI項目の標準化」や「中小企業向けの簡易なシステム」の必要性を申し上げました。そうしたところ、標準項目を搭載した「S-ZEDI」をご用意頂きましたことに、改めて感謝を申し上げます。
 ご存知のとおり、今、中小企業の最大の課題の1つが「人手不足」です。これから「働き方改革」に向け、本年4月からの年次有給休暇5日間取得義務や、来年4月からの中小企業における長時間労働規制等に対応すると、従業員の労働時間が減りますので、業務プロセスの見直しや「IT化などの業務効率化」・「生産性向上」に取り組む必要があります。今回のZEDIやS-ZEDIは、「業務効率化」・「生産性向上」の一助になると思います。今後は、周知や活用の推進が重要です。
 他方、今年10月に、消費税の税率引上げと軽減税率の導入が控えています。記帳・会計やレジ・決済において、8%と10%の複数の税率に区分する必要があります。中小企業は、記帳・会計のIT化として「クラウド会計」等、レジ・決済のIT化として「タブレット型のモバイルPOSレジ」等、そして、キャッシュレス・消費者還元事業に対応するための「キャッシュレス決済」に対応することが、業務効率化に有用だと思います。商工会議所は、これらを「会計・決済のIT化3点セット」として、推進を始めたところです。これらが、オープンAPI等と連携しながら、ZEDIの普及に役立つことを期待しています。
 あわせて、「手形・小切手機能の電子化に関する検討会」で議論がありました電子記録債権やネットバンキングの活用促進も重要だと思います。全国銀行協会の音頭で、今後、「ZEDIと電子記録債権とネットバンキングの3点セット」で、ぜひ概要説明や活用事例などを分かりやすくPRして頂ければ、相乗効果が出るのではないかと思います。私どもも、周知につきまして、引き続き協力をさせて頂きます。
 なお、3つのツールの手数料については、各金融機関で違うと思いますが、ぜひ利用しやすくなるような環境整備を期待します。
 また、金融EDIと受発注EDIとの連携も重要ですので、中小企業庁と連携して頂き、中小企業の生産性が大いに向上することを期待します。
 最後に、税・公金収納・支払の効率化について、以前、ご意見を申し上げましたが、さらなる進展を非常に期待しています。
 以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。全銀協の方から、何かございますか。

【相澤参考人】
 今、ご指摘を頂きましたZEDIと電子記録債権とネットバンキング、セットでの周知、これは非常に重要だと思っておりますし、やはりどう活用するのかという具体例、成功例とかそういったものを交えながら、具体的に企業の胸に響くようにご説明をしていくのが重要だと思っております。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 ほか、いかがでしょうか。妹尾委員、お願いします。

【妹尾委員】
 ヤフーの妹尾でございます。まず、事務局の皆様の資料2のほうで、右側のほうに丁寧にまとめて頂いて、ありがとうございました。非常にわかりやすくなったのかなと思っております。
 ただ、先ほどほかの委員の皆様からもご指摘があったように、個々の小項目と中項目で並べて整理頂いているかと思いますけれども、さらに上段のところで、WHYの部分、なぜそれをやるのかという点が非常に重要かなと思っております。お客様や国民にとって何が便利であり、何が安全なものであるか、その先にどのような社会を目指していくのか、という観点を意識しながらこの議論を進めて頂ければなと思います。その際には、別の委員からもご指摘があったように、KPIであるとかKGI、数字を追いながら、社会に対しても、個々の考え方や個別に進めて頂いている施策がどのように受け入れられ、浸透しているかというのを測りながら、検証を繰り返しながら進めていくというのが大事かなと思っております。
 その観点で、キャッシュレスの推進に関してコメントをさせて頂きますと、全銀協からも資料で、例えば給与振込預金口座からのその後の口座振替等のご発表頂きましたけれども、今、例えば、電子マネーでの企業の支払いの可能性なども議論されています。キャッシュレスの推進といったときに、これまでの仕組みの前提自体が変わってくるようなこともこれから社会の中で動いてくるかなと思っていますし、新しい事業者というのは、そういった社会の変化に応じて、しかも、既存の社会とのバランスをとりながら参入してくることが必要になってくるかなと思います。例えば、当時でいえば、給与を現金で払っていたところから口座振込になったことは「キャッシュレス」だったと思いますが、現在、口座振込はある程度一般的になってきたと思います。これからの10年、20年先を見たときには、電子マネーであるとか、また違った形で給与を得ていくという世界もあるのかなと思いますので、そういった世界を見据えながら議論を進めて頂ければと思っております。
 もう1つはセキュリティの問題でして、我々もいろいろな新しい取組みをさせて頂いている中で、反省と十分注意をしながら進めている面がありますけれども、新しいテクノロジーによって、これまでとは違う形でのセキュリティの確保、安全性の確保、利便性を損なわない形で安全性を提供するということもできるようになってきている、または、そういったものが生まれてきている面もあると思います。そういった新しいテクノロジーにもご配慮頂きながら、議論を進めて頂けるとよいのかなと思っています。新しく決済の領域に入らせて頂く事業者としては、先ほど発表を頂いた全銀協や金融庁のご意見を伺いながら、何がベストな選択肢なのかというのを検討していきたいと考えておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。どのような観点からでも構いません。
 望月委員、お願いします。

【望月委員】
 幾つかご質問、ご意見も頂いておりましたので、少しだけ言及させて頂きたいと思います。
 決済サービスの提供に当たりましては、先ほども申し述べましたように、利用者の利便を損なわない、あるいは、イノベーションを促進していくといった観点と、安心・安全、マネロンへの対応、あるいは情報管理における堅確性といった利用者保護の観点、これらをしっかりと両立させていくことが必要だと思っています。その中でも、特にマネロンにつきましては、皆様ご案内のとおり、本年、日本がFATFの第4次相互審査を受けることになっておりますが、これは銀行に限った話ではありません。銀行以外の決済事業者も含め、日本全体として態勢整備が求められております。全銀協といたしましても、マネロン・テロ資金供与対策の重要性につきまして、利用者の方々も含めてしっかりと周知しながら、利用者利便・イノベーションの側面を損なうことなく、安心・安全との両立を目指して、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
 それから2点目に、ZEDI等の活用、特に中小企業における利用促進というお話もございました。昨年12月25日にサービスローンチをしましたが、やはり重要なのはネットワーク効果だと思っております。大企業を中心に導入企業が増え、それにより取引先である中小企業に裾野が広がり、そこからまた別の取引先である大企業にといった形でネットワーク効果を実現していくことにより、自転車と同様、最初の漕ぎ出しは重いかもしれませんが、一度流れに乗れば利活用が広がっていくものと考えております。大企業につきましては、取引金融機関との接点の中で、また中小企業につきましては、そうしたアプローチに加え、これまでもご協力を賜っております全国の商工会議所との協調関係により、ネットワーク効果が発現されるよう、しっかり取り組みたいと思っています。
 3点目がキャッシュレスについてです。この点につきましては、やはり競争と協調という言葉が委員からもありました。サービス領域におきましては、徹底的にお客様のことを考えて競争をし、そのベースにあるインフラ、プラットフォームにつきましては、できる限りコストを下げたり、あるいは、同じ枠組みで利用者が使えるように協調していくといったことが極めて重要だと思っています。現在、サービスそのものが黎明期で、乱立というご指摘も受けましたけれども、必ずや利用者利便と安心・安全を両立したサービスが生き残っていくと考えており、そのためにもサービス提供者として質の高い競争を行うとともに、インフラ・プラットフォーム領域につきましては、できるだけ協調していく、そうした動きを銀行界としてもリードしてまいりたいと思っております。本日は全銀協の立場ですので、個別行のサービスについては言及いたしませんでしたが、既に新聞、あるいは、ホームページなどでもありますように、みずほ銀行では、銀行間のオープンな共通プラットフォームとして「Jコイン構想」も議論しており、そう遠くない将来にローンチすべく取り組んでおりますので、またぜひ皆様方からご示唆、ご指導を賜れればと思います。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 あとはいかがでしょうか。
 私から何点かお伺いしたいこと、あるいは、申し上げたいことがございますけれども、まずは、事務局から具体的なご提案として、項目を見直そうというご提案があったかと思います。新しいものも取り入れて、新たな状況に合わせて組み換えるというようなご提案があったと思いますけれども、そのこと自体については、委員の皆様、ご承認頂く、ご賛同頂けるという理解で、それはよろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 あと、本日いろいろなご意見をお伺いした中で、私自身も確かにそうだなと思ったようなことが幾つかございます。
まず、実際にどれだけ使われていくのかが重要とのお話がありました。せっかくいろんなアイデアなどが出てきていますので、実際にどれだけ使われてきているのかということについて、正確に市場の状況ですとか利用の状況というのを把握するとともに、実際に使っていくに当たり何か具体的な障害があるのであれば、それを忌憚なくお互いに意見を交換し合っていくというようなことが大事なのかなと思います。
 例えば、APIなどにつきましては、契約のひな型ですとかいろいろな指標などが整ったというお話もございましたので、今後、いろいろな障害を乗り越えて、実際に使われていくということもあるといいなと思いますし、ZEDIなどにつきましても、中小企業庁、あるいは、その他の関係の団体の方々からのご協力があって、本当に実際に使ってもらえるような環境をどう整えていくのかということにみんなで知恵を出し合っていくということが非常に重要なのかなと思います。
 あと、討議の冒頭で岩原委員から無権限の取引などについての話があったかと思います。これは、私もしっかりと考える必要があると思っていまして、海外の法制などにおいても、重要なポイントとして手当がなされているところです。このようなことに関しては、今、決済の法制などについて、別途、金融庁でもご議論されていると思いますので、そういった中でも、視野を広げて、あるべき決済法制のために必要なルールは何かということを議論していくことが重要なのではないかと思います。
 あと、マネーロンダリングが非常に重要だというご指摘もありました。このマネーロンダリングに関しては国際的な注目というようなこともあると思いますし、せっかく新しい前向きな動きが進んでいるところで、日本は決済の分野でマネーロンダリングがガタガタであるということが仮に出てしまいますと、これからの前向きな動きというものに水を差すことにもなりかねないと思います。そういう意味では、今のうちから、できる取組みはしっかりとやっていく、目線を上げて対応していくということが、銀行業界に限らず、全体として決済に関わる業界として必要なのではないか、そのようなご指摘があったかと思いますけれども、ぜひその点は、関係の業界の方々にご尽力を頂ければと思いますし、これはおそらく利用者も理解をする必要がある点であると思いますので、そういった点について、理解を深めていくことが非常に重要なのではないかと思います。
 もう1つ、キーワードとして、インターオペラビリティというお話があったと思います。確かに、いろいろなものが相互に融通できない、それしか使えない、お互いに交換して使えないというものが乱立するというような環境は、決してユーザーフレンドリーではないのかなと思います。そのような状態になっている理由としては、ビジネス上の要因ですとか、いろいろな要因もあるのかと思いますけれども、日本として何かいいものをつくっていこうといったときに、インターオペラビリティというのが一つ課題であるということがこの会議の場で問題として提起されましたので、それをうまく前に進めていけば、よりよい決済環境を利用者に提供できるのではないかという点について、皆さんご賛同頂けるのであれば、ぜひそういった点について、次回の会議までにいろいろ取り組んで頂けると非常にありがたいと感じております。以上、少し私から感じたことなどを申し上げさせて頂きました。
 本日は活発なご議論を頂き、また、有益なご意見を頂き、まことにありがとうございました。本日頂きましたご意見も踏まえまして、次回以降も決済業務等の高度化に向けた取組みを進めてまいりたいと思いますので、各委員におかれましては、引き続きよろしくお願いいたします。
 最後に、事務局の方から連絡等がございましたら、お願いいたします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】 
 次回の会合の進め方ですとか具体的な日程につきましては、改めて事務局よりご案内させて頂きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。

【森下座長】
 どうもありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、本日の会議を終了させて頂きます。ありがとうございました。
 

── 了 ──

 

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