決済高度化官民推進会議(第7回)議事録

1.日時:

令和元年6月24日(月) 16時00分~18時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

 

【森下座長】
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより決済高度化官民推進会議第7回会合を開催いたします。皆様、ご多忙のところ、また、足元の悪い中、ご参集頂きまして、まことにありがとうございます。
 まず冒頭、1点お願い事項を申し上げます。この会議につきましては、記者以外の方々も含めまして、動画や静止画の撮影、録音は禁止させて頂きたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
 本会議は、平成27年12月の金融審議会・決済高度化ワーキング・グループの報告書で示された13項目のアクションプランの実施状況をフォローアップし、決済業務等の高度化に向けた取組みを継続的に進めることを目的として平成28年6月に設置されたものであります。
 また、平成29年6月に開催いたしました第3回会合以降、全国銀行協会から、新たにご提案頂いた「手形・小切手機能の電子化」及び「税・公金収納・支払の効率化」についてもフォローアップしております。
 そして、今年1月に開催いたしました第6回会合において、フォローアップ項目の見直しを行い、新たに「金融機関におけるキャッシュレス化の推進」をフォローアップ項目に加えるとともに、重点的に取組みを進めるべき事項を設定したところであります。
 本日は、これまでの取組みの進捗状況、今後の取組みの方向性について、議論を進めてまいりたいと考えております。
 初めに、配付資料の確認と新たにご参加頂く委員、オブザーバーと本日参考人としてお越し頂いている方について、事務局よりご紹介をお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 事務局でございます。最初に配付資料の確認をさせて頂きます。議事次第と座席表のほか、資料1から資料7までお配りしております。なお、資料4につきましては、枝番がありまして、資料4-1と4-2、また、資料6につきましても、資料6-1から6-6までお配りしております。過不足等ございましたら、事務局までお知らせください。
 続きまして、各協会の会長行・会長会社の交代等に伴いまして、委員の変更がございましたので、ご紹介申し上げます。
 まず、全国銀行協会の望月昭人委員に代わってご参加頂きます、萩原攻太郎委員でございます。

【萩原委員】
 萩原です。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 続きまして、三菱UFJニコス株式会社の正木秀人委員に代わってご参加頂きます、株式会社ジェーシービーの市川卓委員でございます。

【市川委員】
 市川でございます。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 続きまして、福岡銀行の田上裕二委員に代わってご参加頂きます、常陽銀行の五來雄二委員でございます。

【五來委員】
 五來でございます。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 続きまして、京葉銀行の大島浩司委員に代わってご参加頂きます、名古屋銀行の服部悟委員の代理でお越し頂いている名古屋銀行の伊藤宏嘉様でございます。

【伊藤委員代理】
 伊藤でございます。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 また、委員の人事異動等に伴いまして委員の変更がございましたので、ご紹介申し上げます。
 公益財団法人金融情報システムセンターの志村秀一委員に代わってご参加頂きます、小池信夫委員でございます。

【小池委員】
 小池でございます。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 続きまして、ヤフー株式会社の妹尾正仁委員に代わってご参加頂きます、中谷昇委員でございます。

【中谷委員】
 中谷でございます。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 続きまして、ウェルネット株式会社の滝島啓介委員に代わってご参加頂きます、宮澤一洋委員でございます。

【宮澤委員】
 宮澤でございます。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 次に、オブザーバーの変更についてご紹介申し上げます。日本銀行決済機構局決済システム課長の臼井智博オブザーバーでございます。

【臼井オブザーバー】
 臼井でございます。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 資料1が新しいメンバーの名簿になっておりますので、後ほどご確認頂ければと存じます。
 なお、本日は、ご都合によりまして、三井物産株式会社の内田貴和委員がご欠席となっておりまして、代理で三井物産株式会社財務部企画業務室長の中野広海様にお越し頂いております。

【中野委員代理】
 中野です。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 また、本日、参考人といたしまして、まだお見えになっておりませんが、中小企業庁経営支援部技術・経営革新課長の師田晃彦様。みずほ銀行デジタルイノベーション部次長の齋藤直紀様。

【齋藤参考人】
 齋藤です。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 三菱UFJ銀行執行役員デジタル企画部長の大澤正和様。

【大澤参考人】
 大澤です。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 りそな銀行決済事業部長の横山智一様。

【横山参考人】
 横山です。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 ゆうちょ銀行コーポレートスタッフ部門経営企画部担当部長の表邦彦様。

【表参考人】
 表でございます。お願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 三井住友フィナンシャルグループリテール企画部副部長の大橋務様。

【大橋参考人】
 大橋でございます。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 全国銀行協会事務・決済システム部長の小川幹夫様。

【小川参考人】
 小川でございます。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 全国銀行協会委員会室の高橋恭平様。

【高橋参考人】
 高橋でございます。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 以上の皆様にお越し頂いております。
 事務局からは以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。続きまして、議事に移らせて頂きます。本日は、まず全国銀行協会及び金融情報システムセンターより、フォローアップ項目に関する取組みの進捗状況についてご説明を頂き、その後、「オープンAPIの利活用の推進」に関して、銀行とフィンテック企業との連携に関する取組みについて、全国銀行協会及び電子決済等代行事業者協会より、それぞれ5分程度ご説明を頂き、その後、「XML電文への移行」に関して、EDI連携基盤整備に関する実証について、中小企業庁より5分程度ご説明を頂きます。
 続きまして、「金融機関におけるキャッシュレス化の推進」に関して、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、りそな銀行、ゆうちょ銀行、常陽銀行より、各行のキャッシュレス化の取組み等について、それぞれ5分程度ご説明頂き、その後、討議を行いたいと考えております。
 それでは、まず全国銀行協会 萩原委員より、決済高度化に向けた取組み状況について、ご説明をお願いいたします。

【萩原委員】
 全国銀行協会で企画委員長を務めております三井住友銀行の萩原でございます。本日は、説明の機会を頂きまして、ありがとうございます。
 全銀協では、決済高度化に向けまして、関係省庁及び産業界のご協力も賜りながら、鋭意取り組んでいるところでございます。しかし、まだまだ緒についたばかりとか、進捗がおもわしくないという項目も散見されます。その意味では、努力が足りない、アイデア出しが不十分といった面もあろうかと存じます。
 本日は、実態をしっかりとご説明させて頂き、委員の皆様からのご指導を頂戴したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、資料2に沿ってご説明させて頂きます。資料をおめくり頂き、2ページをご覧ください。フォローアップ項目は14項目、そのうち重点項目は5項目でございます。このコマでは、重点項目のうち赤枠囲みの4項目について、ご説明させて頂き、「オープンAPIの利活用の推進」につきましては後ほど説明させて頂きます。
 それでは、最初の項目、「XML電文への移行」につきまして、ページをおめくり頂き、5ページ、こちらからご説明させて頂きたいと思います。
 5ページは、これまでの取組みと今後の活動のポイントでございます。
 ZEDI(事務局注:全銀EDIシステム)は、昨年12月25日、サービス開始となりました。まずはZEDIを提供する金融機関が一定数ございませんと、ご利用頂く企業の皆様の利用シーンが限定されてしまいますので、サービス開始前から参加金融機関を一定数確保することに努めてまいりました。その結果、92行でスタートし、今年度中には103行まで増える予定でございます。
 こうなりますと、ZEDI参加金融機関の為替取引量は、全体の85%を占めることになりますので、ご利用頂くに当たってのインフラは一定程度整いつつあると認識しております。
 ただ、これで十分ではございませんので、引き続き参加金融機関の確保に努めてまいります。
 なお、実際の利用状況は、左下の棒グラフのとおり、かなり限定的でございます。企業の利用意向をヒアリングしてみますと、「同業他社の導入実績を様子見」と回答される会社が多くございます。そもそも送り手と受け手の双方が利用しませんと効果が出ませんので、このような回答もごもっともという面があるかと存じます。
 ただ、ここは乗り越えなければいけません。ある程度利用企業が増えてくれば、加速度的に普及すると思いますので、まさに産みの苦しみの時期と認識しております。
 企業が導入に至るプロセスは、ざっくり考えても6段階あるのではないかと思っております。
 1つ目は、まずZEDIを認知して頂くこと。2つ目は、メリットを理解、実感頂くこと。その上で3つ目でございますが、社内で予算取りの稟議、承認を頂き、4つ目として、システム改修、事務手続の改定、5つ目として、テスト、6つ目が本番ということでございます。
 このようにかなりのステップを踏んだ上で導入に至る必要があります。私どもとしましては、ZEDIのサービス開始前は、まず1つ目である認知度向上、特に一般認知度向上の施策に注力してまいりましたが、今年度は、資料右側にございますような施策、すなわち、「業界団体モデル」、「サプライチェーンモデル」、「地域モデル」といった企業のつながりを意識した上で、より個社にメリットを実感頂くという方針で活動を進めてまいりたいと考えております。
 次の6ページをご覧ください。先ほどの3つのモデルによる取組みのほか、ここにお示しのように、利活用のユースケースや事例収集のための調査研究会、右側、中小零細企業への普及に大きく寄与して頂ける市販の会計ソフトへの取込みを企図しました交流会も継続して進めてまいります。
 次の7ページをご覧ください。これらの取組みに加えまして、今年度、全銀協に新たな研究会を設置いたしました。ZEDIの情報を活用した新サービスの調査研究をしてまいります。
 ZEDIについては以上でございますが、PDCAサイクルで言いますと、本件は、まだまだPlanからDoにかけて、もがいている状況でございます。まずは、自ら考えたプランをしっかりと実行、Doを行いまして、その効果を見極めながら次の施策を考えてまいりたいと存じます。
 本日、資料7で議論頂きたい項目が挙げられていますが、ZEDIの普及は、その項目の1つでございますので、後ほどご指導頂ければ幸いです。
 それでは、次のフォローアップ項目、「手形・小切手機能の電子化」に移らせて頂きます。ページをおめくり頂き、9ページをご覧ください。
 これまでの取組みと今後の活動のポイントでございます。昨年末に報告書をまとめ、完全電子化に向けた中間目標といたしまして、5年で約6割削減というのを掲げることといたしました。
 左下の棒グラフにお示しのとおり、2018年の全国手形交換枚数は5,137万枚ですので、これを約3,000万枚削減し、約2,000万枚にするのが目標でございます。過去のトレンドから見ますと、約3,600万枚まで削減される予定ですので、この差、約1,600万枚が努力分となります。
 この削減の進捗管理につきましては、右側のグラフ、全国手形交換枚数とでんさい(事務局注:電子記録債権)の発生記録件数でモニタリングしてまいりたいと考えております。
 具体的な電子化の施策につきましては、次のページ、10ページでご説明いたします。報告書では、冒頭囲みにございますとおり、電子化に向けて4つの施策を提言しております。具体的には、左下の表にお示しのとおりでございます。全銀協ではこれらの施策の実施状況を確認し、毎年調査報告書として公表することとしております。
 右側は、手形機能の電子化施策でございます。4つの施策を踏まえまして、でんさいネット未導入企業への対策、実利用企業の利用率向上という企業向けの施策に加えまして、でんさいネットの勧誘を実際に行います金融機関向けの施策を実施してまいります。
 次のページ、11ページには、手形機能の電子化のメリットをまとめたチラシをお示ししております。後ほどご覧頂ければと存じます。
 12ページにお進みください。交換枚数のうち約5割を占めております小切手機能の電子化についての取組みでございます。小切手機能の代替はEB(事務局注:Electronic Banking(インターネットバンキングやファームバンキングの総称))による振込と考えております。手形のでんさいネットへの切替えは、既にPDCAでいうところのDoの段階ではございますが、小切手の場合は、まだPlanの段階でございます。小切手は手形に比べ、電子化のメリットを訴求しにくい面がございます。手形の場合は、金額が大きい場合も多く、印紙代の節約メリットですとか、現物管理の軽減、消込作業の簡便さなど、メリットを実感しやすいものですが、小切手の場合は、特に零細企業において、少額のものも多く、コストメリットを実感しがたく、また、その手軽さゆえに、電子化の必要性を感じないユーザーが相応にいらっしゃることも事実でございます。
 そこで、もう少し小切手のユースケースを把握し、その上で電子化のメリットの訴求策を考えていきたいというところでございます。
 なお、右側には、個別行の事例ではございますが、店頭やATMでの少額振込のEB移行を企図しました「パソコンバンクWeb21〈ライト〉」をご紹介しております。機能を絞り込み、初期設定や操作を簡単にしたほか、月額手数料を無料とすることによりまして導入ハードルを下げております。本年4月からサービスを提供しておりますが、既に約2万社の契約を頂いておりまして、利用者から一定の評価を得ております。こうした取組みが増えることで小切手機能の電子化が進むものと考えております。
 それでは、次のテーマ、「税・公金収納・支払の効率化」についてでございます。14ページをご覧ください。
 このテーマは金融界だけで推進できるものではなく、まさに官民で推進するテーマでございます。そこで、2018年3月より官民のメンバーで勉強会を組成し、検討を進めてまいりました。その成果としまして、本年3月に勉強会の調査レポートを取りまとめ、課題の洗い出し、その対策を公表しております。
 具体的には、左下の図のとおりでございます。今年度は、ここの対策欄にお示しのとおり、これを短期的な取組みと中長期的な取組みに分けて推進してまいります。
 まず中長期的な取組みでございますが、右下の表のとおり、これまでの勉強会の下に2つのワーキング・グループを設置しまして、各々2つずつの対策を具体化するべく官民の実務者により検討してまいります。
 短期的な取組みの具現化につきましては、次のページ、15ページをご覧ください。まず左側、「暮らしのデジタル化ガイド」を作成いたしました。今回の調査レポートで行ったアンケートでは、そもそも税・公金の支払いにおいて電子納付の方法を1つも知らないという個人及び個人事業主の方は、全体の1割弱いらっしゃいました。また、電子納付の方法の理解不足の方も相応にいらっしゃることから、漫画を使ってわかりやすく解説するツールを作成したものでございます。
 次に、右側は、本年10月に稼働開始を予定している地方税共通納税システムでございます。本システムにより、一度の手続で複数の自治体への納税が可能になるなど、企業の納税実務の効率化が図れるものと期待されております。
 それでは、次のテーマ、「金融機関におけるキャッシュレス化の推進」につきまして、17ページからご説明させて頂きます。
 キャッシュレス化の推進は、個別行対応が基本でございます。後ほど個別行のプレゼンがございますので、ここでは全体感をご説明いたします。
 前回会合からお示ししております給与振込口座からの払出しに占める口座振替、振込の割合は、2018年度通期で48.8%となりました。その右に下半期の比率を参考値としてお示ししておりますが、こちらは46.7%でございました。
 これだけ見ますと、上半期よりもキャッシュレス化が後退したかのように見えますが、日銀が公表しております通貨流通高、これを見ますと、毎年12月末に通貨流通量、すなわち現金が大幅に増加しております。先日の10連休前にも同様の動きが見られましたが、長期の休暇前に現金の引出しが多く行われるものと考えられ、これはいわば季節要因と考えております。
 18ページをご覧ください。オールバンクで推進しておりますデビットカード「J-Debit」を活用したスマホ決済「Bank Pay」でございます。これは、お客様がBank Payアプリを利用することで、対応しております1,000以上の金融機関、どこの金融機関の口座からでも直接支払いができるサービスでございます。
 冒頭囲みの2つ目のところにお示しをしておりますが、①小売企業などへの機能開放、②既存の「銀行Pay」によるスマホ決済サービスとの間での加盟店の相互開放、これらに向けた検討によりまして、企業と消費者双方の利便性向上を図ってまいります。
 私からの説明は以上でございます。この後のページには、重点項目以外のフォローアップ項目につきましてまとめております。本日は説明を割愛させて頂きますが、後ほどご覧頂ければと存じます。

【森下座長】
 ありがとうございました。続きまして、金融情報システムセンター 小池委員より、安全対策基準の改訂等についてご説明をお願いいたします。

【小池委員】
 金融情報システムセンターの小池と申します。改めて、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日、当センターからは、資料3の上段の安全対策基準第9版の改訂と、下段にございますシステム監査基準、どちらも本年3月に当センターから公表したものです。この2つにつきまして、簡単ではございますが、ご説明させて頂きます。
 まずは上段、安対第9版改訂についてでございます。昨年3月にこれまでの安対を大改訂いたしまして、リスクベースアプローチの考え方を取り入れた安対第9版を発刊いたしましたが、その際、幾つか取り込み切れなかったものがございました。継続検討課題として残しておりまして、今回、その全部ではないのですが、まずは、急ぐものを対応いたしまして、本日ご説明いたします安対第9版改訂というものを作っております。
 改訂のポイントは、資料でお示ししている4つになります。1つ目は、継続検討課題として見直したもの、例えば、設備基準としては、顔や静脈などのバイオメトリックス認証を追記いたしました。ほかにも、IoTに関するリスクの対応として、外部ネットワークの接続に関する不正アクセスリスク等、その予防策に関しまして追記しております。また、情報セキュリティにつきましては、例えば、脆弱性が指摘されておりますSSL、これに関する記述を見直したりしております。
 そのほかにも、それぞれ書いてある項目が一体何を参照して書かれているのかということで、例えば、この項目は米国のNISTのフレームワークを参照しているですとか、経済産業省のガイドラインを参照しているですとか、読み手に一体何を参照して書かれているのかというのがわかるような追記をしております。
 2つ目のパスワードにつきましては、NISCのガイドラインなどに対応したものでございまして、定期変更に関する記述を安対から削除しております。
 3つ目のスマートデバイスにつきましては、持ち運びが便利な反面、紛失ですとか盗難といったリスクがございますので、これらについて追記しました。ほかにもQRコード決済につきましては、技術的な安全対策として、例えば、不正利用が疑われる場合のQRコード決済の停止などを例示として記述を加えております。
 4つ目は、NISCの安全基準等策定指針(第5版)との差分を埋める作業をしております。
 続きまして、下段でございます。システム監査基準の発刊についてでございます。ご存知のとおり、これまで当センターからは「システム監査指針」というものを発刊しておりましたが、本年3月にその名称を「システム監査基準」に変えて内容を大きく刷新しております。
 ご承知のとおり、近年、フィンテックというか、ITが経営上の戦略や課題と不可分一体となっておりますので、このような状況において、システム監査の側面からも、こういった経営戦略ですとか経営課題をしっかり支援していこうということでございます。そのためには、システム監査人が準拠すべき基準を明確にして、監査の品質そのものを向上させる必要がございまして、今回の発刊となっております。
 ポイントは資料に記載のとおり3つございます。1つ目は、ITガバナンスをシステム監査の対象とすること。そして、監査の主体を、これまでの内部監査人から、監査役ですとか外部の監査人をも含めるということでございます。
 2つ目は、システム監査の原則、そして、その原則を踏まえて、監査人がシステム監査を実施するための行動規範となる基準、この原則と基準をしっかり指定していることでございます。
 3つ目は、国内外の最新ガイドラインを踏まえた監査のフレームワークを見直しているということでございます。幾つかの項目、例えば、ITガバナンスですとか、サイバーセキュリティ、外部委託、クラウドといった項目におきまして、監査における個別論点ですとかチェックポイントを新たに記載しております。
 本日は、安対第9版の改訂とシステム監査基準につきまして、ざっくりとした概要のご説明になりましたけれども、金融機関の方々には、もう少し詳しくご説明する機会を、この7月から8月にかけまして、当センターが全国主要都市12カ所で全国説明会を開催しまして、これらの2つの普及と推進を行う予定にしております。
 当センターからは以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。続きまして、「オープンAPIの利活用の推進」について、全国銀行協会 萩原委員及び電子決済等代行事業者協会 瀧委員よりご説明をお願いします。まずは、萩原委員より、ご説明をお願いいたします。

【萩原委員】
 それでは、オープンAPIにおける銀行界の取組みにつきまして、資料4-1を用いまして説明させて頂きます。
 本件は、重点フォローアップ項目の1つでございますし、来年には、2018年に施行されました銀行法等の一部を改正する法律で定められた猶予期限、すなわち、銀行と電代業とが接続契約を行うための猶予期限が到来しますので、今が大事な時期であるということは私どもとしても十分認識をしております。
 最終的には、個別行と電代業者各社との相対のお話ではございますが、全銀協としては、従前より主体的に議論に参加し、個別行のオープンAPIの推進に向けた取組みを支援してまいりました。今後もそのスタンスに変わりはございません。
 それでは、1ページをご覧ください。最初に、これまでの経緯を簡単におさらいさせて頂きます。オープンAPIの推進の段階は大きく4段階に整理できると考えております。
 第1段階は、制度整備の時期でございます。全銀協では、検討が始まった当初から、その利活用に向けた施策づくりの議論に主体的に参画してまいりました。
 第2段階は、銀行の体制整備の時期でございます。2017年5月に銀行法が改正されまして、銀行に対し、API導入の体制整備の努力義務が課されてからは、個別行において、API接続に対し前向きに導入を検討してまいりました。その結果、資料の黄色の背景でハイライトをしておりますとおり、本年3月末時点では、130行がAPI導入の方針を表明済み、うち95行が導入済みとなっております。すなわち、95行については、API接続を実現しているか、いつでも接続できる準備ができている状態になっております。
 第3段階は、第2段階と重複しますが、連携の枠組み作りの時期でございます。具体的には、次の2ページをご覧ください。ここにお示しのとおり、フィンテック事業者と協働の上、契約条文例や電文仕様標準など、ベースとなる各種文書を取りまとめてまいりました。また、足元ではこれらの文書の英訳も行いまして、汎用性を高めてきております。
 1ページにお戻りください。最後は、第4段階でございます。第4段階が、まさに今でございます。オープンAPIビジネスの発展の時期で、銀行とフィンテック事業者の連携が、Win-Winとなる事例も出てまいりました。そのような事例につきまして、3ページをご覧ください。
 こちらは、フィンテック事業者と銀行が、APIで接続、連携をしている事例をフィンテック事業者のサービスごとにまとめたものでございます。右側の列には金融機関側のメリットも記載させて頂きました。
 具体的な連携の事例を次の4ページで、1つご紹介をさせて頂きます。こちら、私ども三井住友銀行のアプリがマネーツリーの家計簿アプリと連携した事例でございます。SMBCのスマホアプリをお使いの方は、ほかの金融機関との取引データもマネーツリー経由で把握することができ、右にお示しのような画面で家計簿管理ができるということになりました。
 この連携がWin-Winな点といたしましては、SMBCサイドは、自らだけでは提供し難い他行情報も取り入れた家計簿機能をSMBCアプリに追加することによりまして、利用者数の拡大や利用頻度の増加が期待できる点でWinでございます。一方のマネーツリーサイドにつきましては、SMBCアプリを通じて自社会員の増強ができる点でWinだと考えております。
 本アプリは、本年3月にリリースをしたのですが、SMBCアプリのアクティブユーザー数の伸び率が、それまでの月と比べまして3月は一気に高まりました。利用者のニーズを捉えることができた連携だと考えております。
 5ページをご覧ください。今後に向けた対応でございます。冒頭申し上げましたが、法律で求められております接続に係る契約締結の猶予期限が来年に到来します。その意味では、2ポツ目にございますとおり、全銀協といたしましては、足元は個別銀行と電代業者との契約締結を促進するべく支援に注力してまいります。既に会員銀行にアンケートをとっておりまして、現在集計中でございます。ここで出てきた課題をいかに解消できるか、電代業協会の皆様とともに知恵を絞ってまいりたいと存じます。
 例えば、矢印のところの括弧書きで書かせて頂いておりますが、例えば、まだ1社とも契約締結をしていない銀行などを対象に勉強会ですとか説明会を開催するとか、記載はございませんが、電代業者と個別銀行で集団見合いのような場を提供することができないかなど、アイデア出しを行っているところでございます。
 いずれにしましても、利用者、電代業者、銀行がWin-Win-Winの関係にならなければビジネスが持続いたしませんので、全銀協としても、そのような関係を構築できるようサポートしてまいりたいと存じます。
 私からの説明は以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。続きまして、瀧委員より、ご説明をお願いします。

【瀧委員】
 電子決済等代行事業者協会の代表理事を務めております瀧でございます。よろしくお願い申し上げます。
 資料4-2をご覧ください。1枚おめくり頂きまして、2ページでございます。まず、この協会のご説明をさせて頂くと、現状、電代業という登録の範疇でいうと12社が所属している協会でございます。うち2社は、APIを利用しない電代業ですので、10社がAPI契約を今まさに進めているというところでして、1行とだけAPI契約をするというよりは、10行とか、私、マネーフォワードの人間ですが、マネーフォワードで多分今40行ぐらいの契約をどんどんしているということで、来年に向けて、銀行の単位ですと、あと90行ぐらいを残していろんな契約作業を進めているというところでございます。
 この観点については、全国銀行協会といろいろとスムーズに契約がうまく進んでいくように努力をしています。猶予期間を過ぎたタイミングで契約ができていないと、日本中の個人事業主の確定申告や、中小企業の決算・税務申告の自動化が滞ります。来年はそういった変化を迎える年でございますので、ここについて協調していくというところは大変重要な点であることを強調するとともに、ご協力に感謝申し上げる次第でございます。
 2ページにございますのは、そういった観点の大もとになるのですけれども、私どもの協会の中で、いつもAPIの価値というのは進化論で捉えているところがございまして、その発展度に沿ってお伝えできればと思います。
 3段階ございます。1つ目が、いわゆる参照系と言われる世界に近いところですけれども、ユーザーが自己の情報を手元に置くことができるという価値です。これは当たり前のように見えて、例えば、マネーフォワードでやっている実験で例を申し上げますと、高齢者が自分の通帳の残高を記帳しに行くのが困難で、インターネットバンキングを使うことも難しいときに、例えば、ご家族の方と一緒に残高が確認できるようなアプリなどが、どこの金融機関でも提供されているわけではありません。それでも、窓口やATM、インターネットバンキングといった金融機関の自己チャネルでなかったとしても、情報が必要なときに、好ましい形で使えるように、情報の価値を還元するのは重要なことだと捉えています。
 2つ目は、その先の世界でありますけれども、本当のWin-Win関係が生まれていくのは、更新系の世界なのだろうと思っております。わかりやすく表現すると、APIは未来のATMであると考えています。仮に日本から現金がなくなった世界を考えたときには、今までは繁華街にATMがありますが、インターネット上で人が集まり商いが起きる場所にAPIが寄り添っている状態をつくるのが大事であるということでございます。
 そして、3つ目、非常に重要なところでして、今回、会員企業に金融機関から受けているフィードバックをアンケートで収集したところ、シンプルな答えが出てまいりました。それはオープンAPIのさまざまな取組みをしている中で、銀行の内部におけるイノベーションの捉え方が変わりつつあるという点でございます。今この瞬間も、ユーザーは激しく変わり続けているわけでございまして、1~2年後というのはフィンテック企業でも正直予期できない変化があるわけです。しかし、そういう変化に対して、金融機関自らがどういうサービス設計を考えるかという点において、APIの事業者といろいろやりながら視点が変わってきたというところがございまして、そういう点について、ご説明できればと思います。
 3ページをご覧ください。電子決済等代行業側にとってのメリットは、金融機関が既に築き上げてきたインフラの中で、信用が既にある状態のサービス群の中に自らの商流を置くことができる、ここに尽きるものだと思っております。これは大きい電代業者でも小さい電代業者でも同じでございまして、金融機関が各地域において信用力をずっと培ってきた中で、そのサービス基盤の中で、自分たちのソフトウェア価値を発揮できるというところに尽きており、こちらのWinは、実は非常に明確です。
 金融機関側に何をどうやってお戻しできるのかというので、灰色の矢印の先にもございますけれども、例えば、通帳が要らなくなるビジネスを創れるので、印紙税が軽減できるという非常にわかりやすい事例もあれば、先ほど三井住友銀行の例にもございましたように、他行口座のデータを自行の中で使えることになります。これは資産管理のみならず、例えば、融資であるとか、マルチバンキングであるとか、そういったところにも使えますというのが出てくるわけでございます。
 ただ、もうちょっと先の世界でいうと、3ページ、下側の灰色の矢印の先ですけれども、例えば、会計帳簿を月次で銀行員の方とやり取りするときの頻度が上がることそのものが、モニタリングを容易にしていくとか、銀行の側にも自己情報の還元のさらなる還元というのがあるというふうに申し上げておりまして、そうすると、例えば、従来であれば提供し得なかったような小さい会社に対しても、融資などのサービスを届けることがもっと現実的になるというのがございます。
 4ページは、若干割愛いたしますけれども、個人のところで参照系に続いて更新系があると何があるかというと、口座の活性化でございます。データが連携し始めて、例えば、おつり貯金のサービスを使い始めたりする中で、今まで動かなかったようなユーザー動態が見られるようになります。それは動かなかったお金が動くだけではなくて、貯蓄の先にあるものであれば、iDeCoとか、NISAへの誘導とか、そういう話が出てくるわけでして、動かなかったお金が動くというのが、個人側ではよく見られております。
 法人側の方は、情報がいろいろな融資に使われるようになり、地域金融機関の融資のプログラムに、例えば、クラウド会計のデータを連携させるとか、そういったことは、2、3年ぐらい前から進んでいることでございまして、かつ、今後を考えますと、地域を越えた地域金融機関の融資というのが、このチャネルによって可能になっていくと思っております。そういう意味では、「決済等機能」と書いていますけれども、融資とか、本人確認とか、そういった用途でも、APIというのはどんどん進んでいく余地というか、動きが見られていますので、そういったところが価値となるのではないかと思っております。
 最後、5ページでございますけれども、個人も法人も、単純に、参照系や更新系の機能に代表されるような、銀行機能の外部利用ではないところに発想が至り始めたということが、非常に重視していることでございます。やはり、イノベーションは、リアルでもITの世界でも、お客様に接しているところでしか最終的には生まれないところもありますので、そこのスピード感に慣れてくる銀行員の方々が出てきたというのが実感としてございまして、この点が一番大事ではないだろうかと思っております。
 また、法人向けのところですと、単純にAPIを使っている外の方に、例えば、ビジネスマッチングであったりとか、コンサルティング事業者が生まれ始めたりしております。クラウド会計を使って、この銀行のために地域を支えているんだみたいなコンサルの方が出てきたりしていますし、あとは、小さい例ですけれども、フィンテック企業にも出向というのが最近出ておりまして、マネーフォワードも何人か今まで受け入れていますけれども、こういうことなのだろうなと感じています。やはり、人材が全体として高度化していくこと自体が、一番重要なWinの要素なのではないかと考えている次第でございます。
 発表は以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。続きまして、「XML電文への移行」について、中小企業庁 師田参考人より、ご説明をお願いします。

【師田参考人】
 中小企業庁の師田でございます。資料5に基づきまして、中小企業の受発注業務などの電子化に関するご報告をさせて頂きます。
 1ページでございます。ご承知のとおり、中小企業においては、請求、支払い、消込みといった作業を手作業で行っている方が多いということで、これを昨年12月に稼働しましたZEDIを活用して、受発注から決済までの一連の業務をつなぐというEDIの実証事業を平成29年度の補正予算を使って、平成30年度に実施をさせて頂いたというものでございます。
 2ページでございます。このプロジェクトは、全部で4つのモデル実証を採択させて頂きまして、プロジェクト幹事法人というのが、いわゆるITベンダーです。ここに発注企業、受注企業、さらには金融機関にも、それぞれ個別にご参加を頂きまして、実際に受発注をした後、その請求、支払い、消込みといった一連の作業を電子化するという実証事業に取り組ませて頂いたものでございます。
 3ページをご覧頂ければと思います。ちょっと数字がたくさんあって恐縮ですけれども、要は、発注企業も受注企業も非常に生産性が上がりました。受発注や消込みなどに要する時間が6割とか5割ぐらい削減されたということで、非常に生産性の向上に役立ったという実証結果が得られたというものでございます。
 4ページでございます。平成29年度、平成30年度の実証事業を受けまして、3ポツのところ、「つなぐITコンソーシアム」というものですけれども、特に実証事業に参加したITベンダーを中心に、まさに共通EDIを全体で普及させていくということを目的としまして、「つなぐITコンソーシアム」という任意団体を結成したということでございます。この中で、実際にEDIの仕様の共通化や普及啓発に向けて、さまざまな取組みを進めていくということでございます。
 5ページと6ページは、今年度以降の取組みとして、中小企業庁としましては、こういったITツールを導入する補助金を用意してございます。5ページは、ものづくり補助金というもので、今年度当初は、複数の企業がデータを連携しながら取り組むものに対し補助金を出すというものを用意していまして、こういったもので、例えば、EDIの普及などを後押しできるのではないかなと考えております。6ページは、IT導入補助金でして、個別の企業がITツールを入れるときの導入補助金というのを実施しているものでございます。
 7ページでございます。以上のような形で実証事業が成功裏に終わり、さらには今後、普及させていくということですけれども、今後の取組みということで、今回、4つのモデル事業をやったのですけれども、この中の2つが実際に参加メンバーを中心に、ものづくり補助金の活用を検討しながら、普及拡大を進めていくということで、受発注、決済業務の電子化というのは確実に進んでいくのだろうと考えているところでございます。
 一方で、幾つか課題もあると思ってございまして、例えば、実証事業ではZEDIとの接続にファームバンキングを使わせて頂いたのですけれども、インターネットバンキングでも、つながっていくような形をとりたいということでありますが、実際に、先ほど全銀協のお話にもありましたけれども、法人向けAPIをまだ提供しておられない銀行もいらっしゃるということでございます。また、金融機関がそれぞれAPIを提供されても、ITベンダー側も、それぞれ金融機関と契約を締結しなければいけないということで、金融機関とITベンダーの数が増えれば、契約の数が指数関数的に増えていくということになりますので、事務の負担軽減をしていくことが必要なのではなかろうかということでございます。3つ目としては、金融機関が実際にこれを使った後に、さらに金融機関が取引先に対し、こういった受発注等の電子化というものをお勧め頂くと、全体として生産性が上がってくるということで、この取組みを進めていければと考えてございます。
 実証のときには、全銀協及び金融機関に大変ご協力頂きまして、例えば、モデル契約の条文例を提示して頂くなどにより、実際にこのプロジェクトが進んでいったところではございますので、さらに関係者間で連携をさせて頂きながら、中小企業の受発注業務等の電子化、生産性の向上というものに取り組んでいければと思っているところでございます。
 私からは以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。続きまして、「金融機関におけるキャッシュレス化の推進」について、みずほ銀行、全国銀行協会、三菱UFJ銀行、りそな銀行、ゆうちょ銀行、常陽銀行より、ご説明をお願いします。まずは、みずほ銀行 齋藤参考人より、ご説明をお願いします。

【齋藤参考人】
 みずほ銀行デジタルイノベーション部の齋藤と申します。よろしくお願いいたします。資料6-1をご用意ください。2ページ目からご説明いたします。
 本日は、弊社のキャッシュレス化に向けた取組みをご紹介いたしますが、まず最初にキャッシュレス化の全体感として、国内最終消費支出のうち、左側のキャッシュレス決済の端末等を既に導入されている対応済みの加盟店、その右側のまだそういった対応が済んでいない加盟店、一番右側の口座振替・振込等で対応されている部分があります。ピンク色の現金の部分から左下に伸びる矢印は、キャッシュレス決済を使えるが使っていないという状態の部分、右下に伸びる矢印は、キャッシュレス決済を使えなくて使っていない部分となっています。 この両方それぞれに課題があり、前者に関しましては、少額決済では利便性との観点から現金を使ってしまうとか、クレジットカード利用に関しては、どうしても使い過ぎ不安があるという利用者の方もいらっしゃると思います。こういった課題への対応としては、左側にありますように、電子マネーと非接触端末でワンタッチで支払うような利便性や、弊社のアプリケーションで言えば、みずほWalletというスマートフォン上で完結できるサービス、それからデビットカード等があります。後者の、そもそもキャッシュレス決済のための環境が整っていない店舗の課題である、ランニング・イニシャルのコストがかかってしまうことに対しては、QRコード決済が1つの対応のラインナップになります。そこで、今回はJ-Coin Payをご紹介させて頂きたいと思います。
 3ページにお移りください。弊社で進めていますJ-Coin Payサービスは本年3月にリリースをしたものでございます。画面は非常にシンプルな設計になっておりまして、まず画面右下の「チャージ」、「口座に戻す」ボタンですが、預金口座とのシームレスなやり取りができるということで、チャージというボタンを押し、金額を入力して、オーケーを押せばチャージがすぐにでき、それをいつでも口座に戻せます。こうして、スマホ上にチャージをしたデジタル通貨は、画面左上の「送る」ボタンで、いつでもどこでも無料で送金ができます。あるいは、画面右上の「送ってもらう」ボタンで、例えば、飲み会の精算とかで幾らくださいといった形で請求ができるようになっています。最後に、画面左下の「支払う」ボタンは、加盟店で決済をするということです。お金に関する「送ってもらう」、「支払う」のような基本的な機能を、できるだけシンプルなインターフェースで、誰にでも使いやすくご用意しております。
 4ページにお移りください。こうしたサービスのご提供に至った背景としては、これまでさまざまな事業者が、決済サービスに参入してきている中で、銀行界としても、存在意義の低下等、非常に危機感を持っております。これからは銀行界として、今後拡大が見込まれるQR決済サービスの提供を通じ、右下に記載のとおり、決済情報を使ったデータビジネスの足掛かりにしていきたいと思っております。
 5ページにお移りください。J-Coin Payのポイントは、自社に閉じたサービスにしていないということです。左側に記載のとおり、これまでは、ともすると銀行の自前主義的なアプローチが多く、その場合、商品・サービスをそれぞれの銀行がゼロから作らなければなりません。それでは業界としては、効率性に無駄が出てきます。これに対して、右側に記載のとおり、今回のJ-Coin Payのサービスは、各行の口座をベースに、弊社が用意したJ-Coin Payサービスをオープンなプラットフォームとして、多くの金融機関にご利用頂くことで、サービスの一元化を実現することとしています。ゆくゆくは各銀行のチャネルを活用して、全国規模で加盟店、個人ユーザーの拡大を図り、巨大なプラットフォームにしていけるのではないかと考えております。各銀行のユーザーの間でも、相互接続性を持たせることでお互いに送金し合えるようにすることで、利用者の利便性の向上につながれば、さらに利用は広がっていくのではないかと見ております。
 6ページに記載のとおり、こうしたサービスを使って、我々としては、5年後に向けて、ご覧の数字を目標として持っており、既に70の金融機関にご賛同頂いております。これは前のページで申し上げたような金融機関としての危機感であったり、こういった方針にご賛同頂いている金融機関が多くいらっしゃると我々は理解しております。加盟店数に関しましては、今まさに拡大を進めているところですが、各銀行のネットワークを活かし、前倒しで、この数字にとどまらず広げていきたいと考えており、そういった取組みを通じてユーザー数も増やしていきたいと考えております。J-Coin Payを日本一のブランドに育てていきたいというのが我々の思いです。
 最後、7ページになりますが、「送る」、「支払う」という基本機能・基盤作りの先に我々が描いている「将来の姿」について、少しお話させて頂きます。「送る」、「支払う」といった基本機能は、この図でいうと一番左側の濃いピンク色の部分ですが、これによるサービスの広がりは、個人、法人、その他、いろいろあると思っています。例えば、個人で言えば、飲み会の幹事であっても、いろんなイベントの集金であっても、お金のやり取りにたどり着く前に、スケジュールの調整だったり、予約だったり、連絡だったり、精算の処理だったり、いろいろなアクションがあり、それらをワンストップで処理できれば、一層利便性は高まります。法人の場合も同様です。例えば、個人への請求・集金の1つに学校の給食費があります。現金を封筒に入れて連絡袋に入れて子供に持たせて、先生がそれを集めているケースも少なくないのではないでしょうか。これにJ-Coin Payを活用することで、回収の確認までデジタルで瞬時に終わらせることができます。先生は、空いた時間を教育に使えるようになるでしょう。こういった形で、現金ではできなかったことをできるように、ないしは、時間がかかっていたことを時間がかからないようにしていきたいと考えております。当然これは、J-Coin Payだけではなく、その他の決済サービスもそうですが、さまざまなサービスが、よい意味で競争していく中で、こういった世界観を作っていきたいと思っております。利用者が空いた時間をより生産的なことに使えるようにすることで、金融機関に限らない、個人、企業、加盟店、全てのステークホルダーに対してキャッシュレス化のメリットを提供していきたいと考えております。
 以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。続きまして、全国銀行協会 萩原委員より、ご説明をお願いします。

【萩原委員】
 それでは、資料6-2でございます。ここでは、三井住友銀行の役員の立場でご説明をさせて頂ければと思います。
 おめくり頂きまして、2ページでございます。先ほど、みずほ銀行のお話にもありましたけれども、我が国の決済市場について、お示しをしております。左側と右側がもう既にキャッシュレスになっている部分、真ん中の現金決済と書かれておりますところが、これからキャッシュレス化を進めていかなければならないマーケットでございます。
 ここには2つのマーケットがありまして、下の方、現金決済しかできないお店、上の方が、既にカード決済とかはできるけれども、現金で決済されているところでございます。
 それぞれにネックがあるということだと思います。下の現金決済しかできないお店の場合のネックは何かというのは、主な理由は事業者サイドによるもので、こちらの下のところに「キャッシュレス化に向けた課題」というところにお示ししておりますが、①決済端末が複数必要だとか、②決済端末が高いというような、いわゆる初期導入の課題があると思います。
 一方で、上の部分、すなわち、キャッシュレス決済は既にできるのだけれども、現金決済が行われているマーケットという部分につきましては、利用者サイドの理由が大きいのではないかと考えております。こちらも、下のところの利用者というところに書いてありますけれども、現金だと使い過ぎないだとか、管理が簡単である。また、お財布の中に少額しか現金を入れておかなければ、万一、紛失したり盗難に遭ったりした場合でも被害が少なくて済む、そういうユーザーの心理的な要因もございます。
 もちろん、事業者サイドが現金決済を望むというケースもあるかと思います。それは現金決済であれば、加盟店手数料がかからず、その分が得になるというようなことがあるかと思います。これはある意味正しいのですけれども、実はその部分につきましては、現金の管理コストですとか、キャッシュレス決済であれば活用できるデータの利活用という効果について、しっかりと私どもがお伝えできていない面があるのではないかと考えております。
 特に、課題の③、事業者のところの③で書かせて頂きましたが、対面とネットで売上データが一元管理できていないという点は、対面販売とネット販売を行っている事業者からは、随分お聞きするメニューでございます。
 私どもは、これらの課題をクリアすることでキャッシュレス決済の推進を図ることとしております。
 次の3ページをご覧ください。私どものSMBCグループのキャッシュレス戦略は、一言で言えば、利用者、事業者双方のサービスをレベルアップしまして、包括的なソリューションを提供するというものでございます。
 資料の右側、利用者向けには、SMBCと三井住友カードのモバイルアプリをリニューアルしております。例えば、先刻申し上げた、使い過ぎ不安ということに対応するべく、安心・安全という機能で書かせて頂きましたが、デビットカードの支払い限度額を設定できる機能を追加したほか、先ほど少しお話しましたけれども、家計簿管理をしやすくするような連携なども行っております。
 今後は、こちらに書いてある便利、お得というようなサービスとしまして、各種プラスチックカードのモバイル化ですとか、グループ共通のポイントの導入などに取り組んでいく方針でございます。
 事業者向けには、資料の左側に記載のとおり、次世代決済プラットフォームを構築することで対応していきたいと思います。こちらにつきましては、次の4ページでご説明いたします。
 次世代決済プラットフォームにつきましては、図の③にございますとおり、三井住友カード、GMO、VISAが協働して構築するものでございます。ネットでの取扱いがナンバーワンであるGMOとリアル店舗での取扱いがナンバーワンである三井住友カードが同じプラットフォームに載ることで、図の②のとおり、先刻課題で申し上げました、対面とネットで売上データが一元化されていないという点を解決いたします。
 また、図の①のとおり、多様な決済手段に対応しましたオールインワンの決済端末を導入することで、複数の端末を店頭に置くのは大変だというような課題も解決してまいりたいと思います。
 次の5ページをご覧ください。最後に、キャッシュレス手段を未だ導入されていない事業者をターゲットとしました取組みを説明させて頂きます。こちらは、三井住友カードの資本業務提携先でありますアメリカのSquare社との協働でございます。具体的には、事業者のスマホやタブレットにSquareのアプリをインストールしますと、それとSquareのリーダーとを連携すれば、すぐにキャッシュレス決済ができるという手軽なサービスでございます。導入コストも既存の決済端末に比べてリーズナブルに設定しておりますし、キャッシュレス導入のハードルは十分引き下げられたものと考えております。
 右側は、先ほどご説明しましたアプリのリニューアル画面を参考にお付けしたところでございます。
 私からの説明は以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。続きまして、三菱UFJ銀行、大澤参考人より、ご説明をお願いします。

【大澤参考人】
 三菱UFJ銀行デジタル企画部の大澤と申します。どうぞよろしくお願いします。
 本日、私からは、MUFGのキャッシュレス化に向けた取組みについてということで、MUFG Walletとトークナイゼーション、それから、MUFGコインと新決済ネットワークについて、少しお話をさせて頂ければと思っております。
 最初、1ページ目でございますけれども、左側、MUFG Walletに関しましては、典型的には、デビットカード、クレジットカードといったもの、プラスチックカードの世界に加えて、スマホで決済が完結できるものをきちっと出していこうと、先ほどご説明のあったBank Payは金融機関の横断的な取組みですけれども、そういったいわば非競争領域のところに取り組むとともに、個別の金融機関としても、ウォレット、独自のサービスを出していこうと考えているものでございます。
 一部のデビットカードから今年度の上期にリリースをして、その後、下期に、ほかのデビットカードですとか、ポイントカード、あるいはBank Payが始まれば、それも同じウォレットの中に入れていくというような世界を想定しております。
 また、これと連動しておりますけれども、右側のトークンリクエスタ代行事業ということで、まさにスマホのようなデバイスの中にデビットカード、クレジットカードの番号そのものを保存するわけにはいかないという事情もありますので、右側にございますとおり、VISAですとか、マスターカード、JCBといったブランドに対して、トークンをリクエストする業務がございますけれども、ここの代行をTIS社とともに進めておりまして、近時、急速にこの辺りの数が増えてきているということを認識してございます。
 次に2ページ目のMUFGコインでございますけれども、構想を公表してからかなり時間が経っていますけれども、一方で、今申し上げたようなデビットカードをスマホに入れていくというような世界に加えて、J-Coin Payと同じような形で、キャッシュでは表現できない価値のあるデジタル通貨の世界というのは、やはりあるだろうと考えておりまして、競争領域の一部として取り組む価値はあると考えております。また、金融機関としてのデータ利活用のあるべき姿を検証していくためにも、何とかリリースにこぎ着けたいと考えております。
 ただ、ページ右上にございますとおり、かなり新興の決済事業者も多々出てきているということでございますので、ユーザーフレンドリーなUI/UXを実現することはもちろんですけれども、使える加盟店の数ですとか、ユーザーの方にお届けできるお得な内容、それから、金融機関目線での安心・安全なサービスと、こういったものが揃って初めて新興の決済事業者と伍していけるようなサービスになるということなので、これらをどういった座組みで実現するのが一番効果的かということに関しまして、検証を続けているというのが足元の状況でございます。
 また、右下にございますとおり、カラードコインサービスということで、いろんな事業者、いろんな金融機関に使ってもらえるような形で、一部裏側に入るということも想定してございます。
 それから、3ページ目は、新決済ネットワークということで、新しいペイメントのネットワークの世界をつくろうということで、米国のインターネット大手、コンテンツデリバリーのAkamai社と共同でGlobal Open Network、通称GO-NETという会社を近時立ち上げております。この中で、新型のブロックチェーンを活用したペイメント基盤を作っておりまして、今、システム開発の最終段階で、何とか来年の上期にはサービスを開始したいと考えております。
 この新型ブロックチェーンでは、大量処理ですとか、高可用性、改竄への高耐性といったものを実現しまして、あわせて、Akamai社のエッジサーバーを使うことから、サイバーセキュリティの観点でも、非常に堅牢なものを作っていこうと考えております。
 最後、4ページ目に書かれているような形で、従来の決済手段を用いている事業者の方々に加えて、新たなIoT決済の中でも、ご利用頂くことによって、社会全体のネットワークのインフラコストを下げていくことによりまして、全体としてのキャッシュレス化のコストを下げていこうということで、キャッシュレス化の推進に貢献していきたいと考えているものでございます。
 私からは以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。続きまして、りそな銀行、横山参考人より、ご説明をお願いします。

【横山参考人】
 りそな銀行の横山です。資料6-4になります。りそなグループのキャッシュレス化への取組みについて、ご説明をさせて頂きます。
 1ページ目をお願いします。りそなグループでは、表にありますとおり、2017年10月のりそなデビットカードの商品リニューアルをはじめ、キャッシュレス化に資するさまざまな施策を進めてまいりました。本日は、2018年11月のりそなキャッシュレス・プラットフォームと2019年2月のりそなウォレットアプリを中心にご説明させて頂きます。
 2ページ目をお願いします。当社が提供するりそなキャッシュレス・プラットフォームは、グループの法人取引先のIT化、キャッシュレス化の支援を通じまして、経営課題解決にお役に立ちたいということを出発点としたサービスでございます。
 キャッシュレス化の進展とともに、法人取引先は、さまざまな経営課題に直面しております。多様な決済手段の登場による社員の研修負担の増加、あるいは、レジ回りの複雑化、レジ改修費の負担や資金負担の増加など、中小企業を中心としたりそなグループの法人取引先は約50万社ありますけれども、少子高齢化に伴う生産性向上が喫緊の課題となっております。キャッシュレス・プラットフォームは、こうした法人取引先、加盟店の経営課題をワンストップで解決するサービスとして提供しております。
 3ページ目をお願いします。この図は、りそなキャッシュレス・プラットフォームの全体を示しております。真ん中にある銀行が、右上にあります法人のお客様、加盟店に対して、決済機能、手段を提供する加盟店サービス、提携ウォレットサービス、りそなウォレットサービスの3つのサービスがございます。また、左上の個人のお客様に対して、提携ウォレットアプリ、りそなウォレットアプリを提供します。銀行は、法人のお客様に対して決済コストが削減できるサービスを提供しまして、法人のお客様は、削減した決済コストを原資に個人のお客様にクーポン等でお得な提供をして頂き、個人のお客様に便利にご利用頂くものとなっています。銀行、法人のお客様、個人のお客様、それぞれ三方にメリットがあるサービスでございます。
 4ページ目をお願いします。法人のお客様に提供する3つのサービスの1つが加盟店サービスであります。これはクレジットカードをはじめとした主要な決済方法にオールインワンで対応可能な決済端末を無償で提供しまして、VISA、マスターの手数料等も低水準で提供いたします。
 5ページ目をお願いします。利用できる決済手段は、主要な国際ブランドを網羅しておりまして、IC、磁気の取扱いに加え、非接触決済、日本のタイプFに加え、海外のタイプA、Bにも対応しております。Suica等の交通系電子マネーや流通系電子マネー、アリペイ、ウィーチャットペイや提携ウォレットやりそなウォレットなどのQRコード決済にも対応しております。
 6ページ目をお願いします。提供する端末は、据え置き型、モバイル型のマルチ決済端末を導入費用無償で提供しております。
 7ページ目をお願いします。2つ目の提携ウォレットサービスは、会員カードやポイントカード機能と各種決済機能を兼ね備えた加盟店独自の提携ウォレットアプリを導入費用無償で加盟店に提供します。手数料はクレジットカードよりも安い1.5%程度となっております。
 8ページ目をお願いします。提携ウォレットアプリでは、前払いのプリカをはじめ、銀行口座からの即時決済や独自の後払い機能、ブランドデビットやクレジットの登録も可能で、複数の決済機能が利用できます。会員管理、購入履歴、ポイント管理、クーポンやおつり貯蓄など、多彩な機能がありまして、加盟店のお客様の優良顧客の囲い込みに利用できるものとなっております。
 9ページ目をお願いします。3つ目のりそなウォレットサービスは、りそなグループの口座をお持ちの個人のお客様と法人取引先を結ぶ新しいマルチデジタルウォレットとしております。
 10ページ目をお願いします。アプリの機能は、提携ウォレットアプリと同様でございますが、りそなグループで口座をお持ちの個人のお客様を法人取引先の店頭へ送客することが期待できます。
 11ページ目をお願いします。りそなキャッシュレス・プラットフォームは、3つのサービスによりまして、法人取引先である加盟店のさまざまな経営課題がワンストップで解決できるサービスでございます。加盟店やその従業員、加盟店のお客様にとって、三方よしのサービスとしております。
 12ページ目をお願いします。今後のテクノロジーの進化や環境の変化に伴いまして、新たなニーズやサービスが今後出てきた場合にも、API連携等でさまざまな機能が追加できるようになっておりまして、柔軟性と拡張性を備えたサービスとしております。
 13ページ目をお願いします。駆け足になりましたけれども、10月から始まるキャッシュレス・消費者還元事業では、りそなグループは、関連会社をはじめといたしまして、グループを挙げて取り組んでおります。A型兼B型事業者といたしまして、りそなデビットカードやりそなウォレットをはじめとした消費者向けサービス、右側のりそなキャッシュレス・プラットフォームによる加盟店向けサービスの提供によりまして、グループを挙げてキャッシュレス化に貢献してまいりたいと考えております。
 説明は以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。続きまして、ゆうちょ銀行、表参考人より、ご説明をお願いします。

【表参考人】
 ゆうちょ銀行経営企画部の表でございます。本日、私からは、ゆうちょ銀行におけるキャッシュレス化に関する取組みについてご説明したいと思います。
 昨今、スマホの普及やIT技術の発展、これを背景にしまして、さまざまな業界におきまして、特に決済サービスの開発が注力されているというふうに認識しているところでございます。
 その中で、当行といたしましても、新しいイノベーションを積極的に活用しながら、資料の2ページになりますが、ここに例示してございます、さまざまなお客様の多様なニーズに対応できるような良質な金融サービスを提供することが重要ではないかと考えております。
 この良質な金融サービスの1つといたしまして、今年5月に、スマホを活用した決済サービスであるゆうちょPayを導入した次第でございます。
 続きまして、ゆうちょPayの取組み、意義についてご説明したいと思いますので、3ページをご覧ください。まず年齢を問わず幅広いお客様にスマホならではの手軽で便利なサービスを実現してまいりたいと考えております。
 また、左下になりますけれども、キャッシュレス化につきましては、地域経済の活性化や企業の生産性向上につながるという認識のもと、私どもとしても、積極的に取り組むことによって、新しい社会的価値の創造に貢献してまいりたいと考えております。
 さらに、右下、これは当行の観点になってしまいますけれども、運用環境が厳しい中で、バランスシートによらない新たな収益源となるような事業に育てることによって、先ほどのりそな銀行と同じような表現になってしまいますが、三方よしの新たなビジネスモデルの展開を目指してまいりたいと考えているところでございます。
 続きまして、4ページをご覧ください。今申し上げた3つの視点から、ゆうちょPayがご提供できる価値について、ご紹介したいと思います。
 まずユーザーとなるお客様の視点からは、利便性に加えまして、全国津々浦々にあります郵便局を活用して、対面での丁寧なサポートを通じて、お客様に安心して使って頂けるような、そういった環境をご提供できるのではなかろうかと考えております。
 また、企業の視点からは、ゆうちょ口座を使って頂いております1億人以上のお客様、これを潜在的なお客様として、新規顧客の獲得につなげて頂くことも可能ではないかと考えております。
 そして、当行の観点ではございますけれども、金融機関にとって基盤とも言うべき口座を活性化して頂くことによって、将来にわたって、お客様とのリレーション強化につなげてまいりたいと考えております。
 次の5ページをご覧ください。ここでは、ゆうちょPayのサービスの概要について、ご紹介させて頂ければと思います。
 ゆうちょPayは、銀行口座直結の決済サービスになりますので、事前にクレジットカードの登録などがなくても、店頭での支払いや家に届く払込票の支払いもできるキャッシュレスサービスをご提供していきたいと考えております。
 それにあわせまして、右下に書いてございますが、キャッシュカードはなくてもお金を引き出すことができるキャッシュアウト機能も同時に提供することによって、普段から生活口座として使って頂いております、ゆうちょ口座をお財布代わりに使って頂ける、そういった新しい便利を実感して頂けるのではなかろうかと考えております。
 また、左上になりますが、ゆうちょPayと同じシステムを導入している銀行Pay参加銀行とお互いの加盟店を共有することによって、銀行や地域の垣根を超えた決済サービスを実現してまいりたいというふうにも考えております。
 最後になりますけれども、6ページ、ゆうちょPayの目指す姿について簡単に触れさせて頂ければと思います。
 ゆうちょPayは、2019年度、今年開始いたしましたが、3年後の2021年度には、利用者数を1,000万人まで拡大してまいりたいと考えております。
 私どもとしては、ゆうちょPayを通じて、幅広いお客様に安全・安心かつ便利な決済サービスを提供して、次世代のキャッシュレス社会におきましても、引き続きご利用頂けるような、そういった社会の構築に貢献してまいりたいと考えております。
 私からの説明は以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。続きまして、常陽銀行、五來委員より、ご説明をお願いします。

【五來委員】
 常陽銀行の五來でございます。当行は地銀の立場として、地域のキャッシュレス化という観点から、取組みをご紹介いたします。
 2ページになりますが、まずキャッシュレス化に取り組む背景・目的につきまして、改めて言うまでもございませんが、消費者の利便性向上、店舗事業者の生産性向上、そして、当行の収益並びに効率化効果、この三方よしということを実現することで地域経済の活性化を図るというところにあります。
 先日、茨城県の大洗という港にクルーズ客船が入港いたしまして、海外の旅行客が焼き物で有名な笠間というところに訪れたということがありました。その際に、キャッシュレス決済ができるお店がほとんどなくて、かなり商機を逸してしまったというお話を聞いております。
 一方で、10月の消費増税に向けて、個人経営を含めた中小の小売店、飲食店などから、どうしたらいいかわからないというような声も多く聞こえてきています。
 当行では、軽減税率への対応と消費者還元の活用といった店舗事業者のニーズに対して、国の補助金等を活用しつつ、推進していく方針でおります。
 店舗事業者向けのソリューションとして提供しているのが、資料3ページに記載の各サービスです。クレジットカードからQRコード決済まで、当行とカード子会社、さらには提携先の決済事業者等が提供するサービスも含め、幅広いラインナップを揃えております。
 今までもカード子会社によりましてクレジットカードの加盟店開拓、これはずっと従来から行ってまいりましたが、これにQRコード決済やモバイルPOSレジなどのものを加えまして、既存のサービスをリバンドリングしたのがこのソリューションでございます。店舗事業者が導入すべきサービスは、事業規模、顧客層、客単価などによって、お店ごとに異なっておりますので、それらをヒアリングした上で、各サービスのメリット、デメリットに照らして、最適なサービスを導入頂くというのが当行のスタンスです。
 ページをおめくり頂きまして、このソリューションを構築するに当たってのポイントは、決済手段を選ぶのは消費者であるという原理原則に立ちまして、銀行都合で特定のサービスを推すのではなく、フラットな見せ方で店舗事業者の選択肢を用意するという点です。カード子会社経由で提供可能な決済サービスのほか、QRコード決済の事業者とも加盟店紹介業務で提携を結び、関心のある店舗事業者を取り次いでおります。特にQRコード決済は、今後、決済事業者との提携を拡大していくとともに、オールバンクで提供しますBank Pay等につきましても、積極的に推進していく予定でおります。
 最後に、5ページをご覧ください。当行では、店舗事業者向けの啓発とコンサル活動の一環としてセミナーを開催しております。世の中の動きとか、当行の取組みなどをお知らせして、店舗事業者のアクションを促すのが目的です。資料には、今年1月から6月6日までの開催を記載しておりますが、その後も継続的に開催しております。当行が提携する決済事業者にも登壇頂いているほか、5月からは、決済事業者との商談会を併設いたしまして、相談や申込みを多数受け付けております。
 参加者の関心は非常に高いのですが、キャッシュレス、消費者還元事業に関する認知、理解がまだまだ不足しているという印象であります。店舗事業者にとってのビジネスチャンスでもあり、当行としてもさらなる周知に努めていく方針でございます。
 常陽銀行からは以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。それでは、これより皆様からご質問、ご意見をお伺いする討議の時間とさせて頂きます。討議の先立ち、事務局提出の資料7をご覧ください。本日は、こちらに記載のある「XML電文への移行」、「オープンAPIの利活用の推進」、「金融機関におけるキャッシュレス化の推進」を中心に、時間は限られておりますけれども、活発なご意見を頂ければと思いますので、よろしくお願いいたします。どなたからでも結構ですので、ご発言をお願いいたします。鳥海委員、お願いします。

【鳥海委員】
 瀧委員からございましたご説明について、確認させて頂きたいと思うのですけれども、資料で申しますと、資料4-2の3ページ、Win-Win-Winの関係について、金融機関にとってどのようなWinがあり得るのかという話の中で、他行の情報と連携することによって融資等につなげるといったようなフレーズをお聞きしたように思うのですけれども、APIの接続契約の基本形は、あくまでも利用者が自分の口座情報を横断的に見られるということであって、金融機関も基本的に見られないし、電代業者も見ることはできないということだと理解しておりますけれども、契約の作り方によっては、利用者にA行の情報をB行に開示してよろしいかとか、あるいは、A行に対しては、他行に開示されることもありますとか、そういった特約みたいなものを盛り込むということはあり得るのでしょうか。

【瀧委員】
 端的に申し上げますと、通常の個人情報保護法におけるやり取りと同じものを想定して頂ければと思っていまして、しっかりと許諾等の手続を踏まないと、データが第三者に渡ることはございません。
 一例として、マネーフォワードで提供しているマネーフォワードクラウド資金調達で申し上げると、幾つかの銀行から集めてきた入出金データを使って会計帳簿を作ります。それを使って、例えば、弊社ですと、福井銀行のローンのプログラムに申し込むときに、ユーザーに、このデータを福井銀行にお渡ししてよろしいですかという許諾は別途、当然ですけれども、頂戴いたしますので、そういう意味では必ずどこかの段階で明示的な許諾を取りますというのがお答えです。
 もう一歩踏み込んでお答えすると、このデータを最初からこの銀行に渡しますという体裁で契約を結ぶことがあります。またも弊社のサービス事例で恐縮ですけれども、マネーフォワードfor○○銀行というサービスは、もともと利用規約においてデータの第三者提供先の中に、その銀行にもこのデータを共有しますという許諾を、明確にスイッチでオンにしないとサービスの利用が開始できない形にしています。一般化していえば、事後的に同意を取るパターンもあれば、事前の利用開始の時点で明確に同意を取るパターン等々ございます。どちらにせよ、データを渡しますよというときには、当たり前のことですけれども、金融データというセンシティブな対象ですので、そこはわかりやすく同意を取るということをやっている次第でございます。

【森下座長】
 それでは、中谷委員、お願いします。

【中谷委員】
 ヤフーの中谷です。何点かお願いごとを含めたコメントをさせて頂きたいと思います。まず1点目でございますけれども、オープンAPIの利活用についてです。キャッシュレス化の推進、これはキャッシュレス比率を2025年6月までに4割程度と、今の倍にするということになっています。これを推進する中にあって、QRコード決済などの多様な決済手段の普及というのは当然重要でございますけれども、その上で事業者が競い合っていくことになります。その競い合う基盤として、ユーザーの銀行口座と決済サービスとの間の接続コストが低いこと、つまり、チャージコストが低いことが非常に望ましいのですが、実際はどうも違うようでございます。むしろ逆のパターンがあるようで、ある金融機関では、口座から電子マネーアカウントにチャージする際の振込手数料を数倍にするということがあります。実際に我々が経験したのは、約6倍に引き上げるような動きで、キャッシュレス化の阻害要因になってしまうのではないのかと懸念しています。トラディショナルな口座振替の代わりに、まさに銀行法改正の趣旨であるオープンAPI接続、つまり、リアルタイム口座振替のAPI化が進めば、コストが下がる可能性は高いのですが、中小企業庁からもご指摘がございましたとおり、各銀行と電代業者との間の調整というのはなかなか進んでおらず、特に更新系の契約締結は進んでいない状況であります。そういう点で言うと、資料7にあります、我が国のキャッシュレス化の推進に当たり、金融機関に期待することは何か、まさにここの部分については、リアルタイム口座振替のAPI化というところは非常に重要で、進めて頂きたいと思っています。
 2点目ですけれども、1点目と関わることではありますが、給与のデジタルマネー払いということについて、政府の規制改革推進会議などで検討されてきたと思います。これについては、オンライン、オフラインでのユーザーの利便性の向上、あるいはフィンテック事業の発展の観点から非常に歓迎すべきことであり、厚労省の担当であるということはわかっているのですが、早期の実現に期待をしているところです。現在の決済サービスは最終的に銀行口座からの入出金が必要であります。したがって、先ほど申し上げましたけれども、一方的な手数料の引上げ問題のようなことも起こりますので、2019年度できるだけ早期に結論及び措置をすべきであるという規制改革推進会議の第5次答申に沿った議論を期待しております。当然、利用者保護の観点から、供託金規制でありますとか、資本金規制というのは必要でありますけれども、過度に厳しい要件にならないように、合理的な範囲内でということをお願い申し上げたいと思います。
 3点目でございますけれども、これはこの会議全体の問題意識とも関連しているのではないかと思いますが、一国二制度についてです。健全な形で我が国における決済の高度化が進むようにするためには、1つの国に2つの制度がないようにする必要があります。例えば、最近アメリカのフェイスブック社が、仮想通貨リブラ、暗号資産と言った方がいいのかもしれませんけれども、暗号資産で決済できるサービス圏を広げていくという構想が発表されました。そもそもリブラが暗号資産と言えるかどうかは別として、我々の経験からしますと、海外事業者が展開するサービスに日本の法制度がうまく適応できていない場合が散見されます。他の分野においてあったように、租税が捕捉できないということが仮にあった場合について言うと、日本の既存の金融機関、あるいはフィンテック事業者は、ともに競争上劣位に置かれます。また、我が国の規制が及ばないということは、利用者保護の観点からも問題です。このような点について、金融庁にしっかりした目配せ、ウオッチをお願い申し上げます。
 最後でございます。マネロン対策でございます。これは一種の問題提起というか、ご提案ですけれども、今年、FATFの対日第4次審査を控えておりまして、マネロン・テロリズムファイナンシング対策というのは、我が国にとって非常に重要な課題と考えておりまして、事業者にとっても、しっかり態勢整備をしていくというのは当然のことであります。
 他方、本人確認はユーザーにとって手間がかかるため、新しいサービスの利用をためらう要因になっているということも事実でございまして、また、事業者にとっても、多大なコストをかけています。おそらく銀行の方が私どもより、よくご存知だと思います。
 マネーロンダリング業務に精通した人材の不足というのも実際問題としては深刻です。そういう観点からすると、質を落とさず効率性を上げるという意味で、一旦厳格な本人確認を行えば、その結果を企業グループ間で共有できる、いわゆる本人確認のワンストップ化というものが実現できれば、問題は相当程度解決するのではないかと思っています。最初に本人確認を行う事業者は、金融サービス事業者、クレジットカード事業者に限る必要はなく、例えば、携帯電話事業者でもいいと思うのですけど、本人確認という意味で横串で考えるということも、今後は必要になってくるのではないかと思います。特に、ICTが発達し、ネットワーク化が進んでいるので、昔のようなペーパーベースの考え方ではなく、デジタル化された本人確認というのは重要だと思います。
 当然、これをやっていくに当たって、各事業者は、個別にマネロン対策、反社排除のための民間データベースを利用する契約をしているわけですが、社会全体で見ると、多大なコストになっていると思います。例えば、必要な態勢整備等を行った事業者、あるいは、そういった事業者の団体、例えば、預金保険機構などは既にできていると思いますけれども、そういった団体に限っては、警察庁や都道府県警察が有している暴力団情報を直接照会できるようにして、その上で、事業者間でマネロンリスクの高い顧客情報を共有できるようにする。そういった効率がよくて実効性の高いマネロン対策を進めるための議論も将来的にしていければと思っています。
 今、申し上げたことは、部分最適よりも全体最適を考えることが重要ではないか、ということです。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。それでは、河野委員、お願いします。

【河野委員】
 ご報告とそれからご説明ありがとうございました。一般消費者として、ただいまのご報告等に関しまして、幾つか申し上げたいと思っております。
 1点目が、金融機関におけるキャッシュレス化の推進に関してです。2025年にキャッシュレス比率4割程度を目指すという国の方向性が示されておりまして、今年10月に予定されている消費税の引上げに際しても、キャッシュレスのギアを一段上げるために、キャッシュレス決済を利用した場合は、ポイント還元等で痛税感の緩和を図るなど、さまざまな場と機会を捉えて国民や中小事業者の皆さんに行動変容を促しているということは実感として感じております。
 また、さまざまな決済手段が次々と出てきまして、昨年末から大きなキャンペーンを張ってアピールしている状況を見ますと、消費者にとってみると、選択肢は増えたと思う一方で、こうした似たような名前のサービスが林立するのは、消費者にとって本当にメリットなのかどうかというのをはかりかねているところでございます。この機を逃さずに事業者が消費者を囲い込むための方策であり、利用者から見て本当に信頼に足る安全な決済手段かどうかというのは、よくわからないというのが本音でございます。決済において、一番重要なものは、信用、信頼という点だと思っておりますけれども、その点の不安がぬぐえない状況です。
 先ほどキャッシュレス化に関しまして、みずほ銀行から常陽銀行まで、さまざまな取組みをご紹介頂いたのですけれども、手段の品質といいましょうか、質がどの程度なのかがよくわかりません。安全で安心で便利だというご説明でしたが、一方で、当然そこにはリスクがあるはずですけれども、皆様、リスクに関しては、ほとんど触れられておりませんでした。スキームは、全体が似たような、三方よしという形で、消費者、利用者の皆さんには損はさせませんよというご提案なのですけれども、信頼とか信用ということに対して、ご説明からは具体的に確たるものを得られなかったということを申し上げたいと思います。
 最終的に、このように多種多様なサービスが乱立してきますと、自分の暮らしに本当にフィットするサービスを選ぶというよりは、目先のポイント還元などの利得性に目を奪われて、次々に乗り換えてしまうなど、本当に制度のブラッシュアップにつながるかというと、そこが大変危惧するところであって、安定した決済につながっていかないような気がしております。長い間、堅牢で強固な金融システムに慣れ切って、安心・安全志向が強く、中には銀行に預けるよりも自分の目の届く自宅に現金を置くことを選ぶ世代が、まだまだ残っている中で、国民の大半が社会の流れに抗うことなくキャッシュレスに移行できるかというと、結構課題といいましょうか、これから乗り越えなければいけないものが多いと感じています。
 税金をはじめ公金等の納入においては、全国でまだら模様であり、取り扱う自治体の理解と決断にかかっていると思いますけれども、キャッシュレス化を進めるに当たって、誰が全体最適化の司令塔となるのか、司令塔となってくれるのかという点がとても気になるところであります。競争の部分と連携の部分、そこの差異がちょっと見えにくいという感じがしました。
 次に、オープンAPIの利活用の推進に関して、利用者側といいましょうか、消費者としての危惧を申し上げたいと思います。各種取組みが進んでいる中で、現状の課題解決につながる省力化とか効率化に加えて、シナジー効果による新たなサービスの誕生が期待できるとすると、ぜひ頑張って頂きたいと申し上げておきます。
 一方、さまざまなネットワークが成立して、代理で決済が進んでいくときに、何か不具合が起こった場合、誰が責任を取ってくれるのか、そこに見通せないリスクがあり、そのことが消費者とすると、とても不安に思います。責任の分担や補償の在り方など、しっかりとした仕組みを作ってほしいと思っているところなのですけれども、サービスそのもののセキュリティへの不安とそこで蓄積されていく個人情報の取扱いへの不安に対して、関係者の皆様には、ぜひ説明責任を果たして頂きたいと強く思っています。
 最後に、その他ですけれども、これはお願いです。デジタル難民となりやすい高齢世帯に対する金融アクセスをどう保障するか。時代の流れから一人も取り残すことがないように配慮が必要だと思います。
 また、3年後に迫っている成年年齢の引下げによって、18歳でクレジット契約を結べるようになりますが、その世代は効率化と利便性を受け入れやすいデジタルネイティブの世代であり、逆に金融が持つリスクに対する金融教育というのが根本から必要であります。社会の基盤である金融サービスを利用する全ての世代に対しての均一な情報リテラシーの提供、金融リテラシーの向上というのを、できれば政府の責任で図っていって頂きたいと思っております。
 長くなりましたけれども、消費者の意見でございます。以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。それでは、戸村委員、お願いします。

【戸村委員】
 手短に4点ほど意見を申し述べさせて頂きたいと思います。1点目のキャッシュレス化の推進についてですけれども、日本のキャッシュレス化というのは、河野委員がおっしゃったように、たくさん事業者が入っているというのが海外に比べて特徴になっていると思うのですけれども、そのような中で課題は何かというと、店舗も含め、事業者がたくさんいて、一方でインセンティブがうまく方向づけられずに衝突しているような状況が生じていると思います。店舗への決済手数料は、端的な例だと思っております。この点では、決済事業者がキャッシュレス化で生まれる利益をうまく分け合うことも必要だと思うのですけれども、もちろん、パートナーとなる事業者が、それぞれ株式を持ってジョイントベンチャーを作るのが1つのやり方だと思いますけれども、このような利益の切り分けが必要な中で、特に銀行の業務範囲規制が障害にならないようにすることが必要であるように感じております。やはり、銀行というのは大きなプレーヤーなので、特に配慮が必要だと思っております。この点については、もちろん銀行等高度化子会社がありますけれども、非金融サービスから始めて、決済サービスは後で入ってくるような事業展開もあると思うので、留意が必要であるように感じております。
 2点目は、オープンAPIについてですけれども、銀行からも電代業者からも、それぞれ前向きな報告があってよかったと思うのですけれども、やはり利用者が接続するプラットフォームを誰が提供するのかという話がどうしてもあると思うので、難しい課題だなとも感じて聞いておりました。それでも、やはり社会的なパイを考えれば、推進ということになると思うのですけれども、そうすると、預金者の情報は預金者のものであるという理念がまず必要であって、これは現在の銀行法でも体現化されていると思いますけれども、その上で銀行側にオープンAPIの努力義務の履行をしてもらうという現状の方策が現実的な対応だと思っております。
 ただ、その留意点としては、銀行のシステム費用がきちんと回収されない形になると元も子もないので、課金モデルのガイドラインのようなものが事業者団体間で作成されるのが望ましいのではないかと思って聞いておりました。この点は、現場の事業者の方は重々承知だと思うのですけれども、必要があれば行政的なサポートも必要なトピックだと思います。
 3点目は、資金移動業について、今、規制改革の議論になっておりますけれども、主要な決済サービスの提供者となった暁には、やはりオープンAPIの要請が出てくるのだろうと思います。
 4点目については、こちらも規制についての議論の感想ですけれども、事業者から、当然のことながら、現場の知見というものがたくさん出てきて、それはすばらしいことだと思います。その中で、リスクについて言及されることがあるのですけれども、資金の保全との関係等について、そういった際にリスクがないのか、あるいは事業者として、利用者がリスクを負うべきと考えておられるのか、そちらをはっきりされると今後議論が進めやすくなると思うので、感想として申し述べさせて頂きます。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。それでは、加藤委員、お願いします。

【加藤委員】
 日本商工会議所の加藤です。すばらしいご説明をありがとうございました。私からは、資料7に基づき、まず「XML電文への移行(金融EDI)」について、申し上げます。
 商工会議所においては、今年度も、引き続き「金融EDIの周知」を図りたいと思います。その際、「手形・小切手機能の電子化」との関係もありますので、「電子記録債権」もあわせて説明したらどうかと提案し、現在、全国銀行協会と連携しながら、商工会議所の各種会議等の場で周知を図るべく対応をしているところです。
 金融EDIの普及策について、電子記録債権を利用している企業が、もしかしたら金融EDIと親和性が高いのではないのかと推測をしております。既になさっているかもしれませんが、そういった企業を重点ターゲットにされたらどうかと思っています。
 また、サプライチェーンの親事業者や地域の中核的な企業が利用を開始すると、取引先企業への波及効果が出るのではないかと思っています。
 他方で、金融EDIの導入などは、いわゆる商取引の変更になります。発注者、受注者双方の合意が必要になりますので、両方に働きかける必要があります。悩ましいのは、金融EDIについて、手間がかかる発注者、いわゆる支払人よりも、受注者、いわゆる受取人の方が、自動消込み等のメリットを大きく受けるという特性があります。したがって、お互いさまであるということを、どう醸成できるかが課題だと思います。
企業においては、構造的な人手不足が続く中で、「生産性向上」が重要になります。そうすると、金融EDIの手前である「受発注EDIの普及」もとても大事だと思います。そして、先ほど中小企業庁から説明がありましたが、「受発注EDIと金融EDIとの連携」が、極めて重要になると思います。
 また、「オープンAPI」や「安価に利用できるネットバンキング」も重要だと思います。
 そういう意味で、先ほど三井住友銀行のサービスの例が出ていましたが、私も常々、法人のネットバンキングの固定費や変動費の利用料引下げについて申し上げてまいりましたが、そのようなサービスが提供されてきたということは、すばらしいと思っています。
 続いて、「キャッシュレス化」についてです。今、全国の商工会議所では、短期間ながらも、500回以上の「キャッシュレスセミナー」を開催し、さらに最近では「キャッシュレス決済事業者とのマッチングイベント」を行い、具体的にキャッシュレス化が進むように対応しています。その際、政府の「キャッシュレス・消費者還元事業」、いわゆる5%ポイント還元制度の周知も行っています。あわせて、10月に始まる消費税の軽減税率対策の「レジ補助金」も説明をしています。
 その中で、中小企業においても、だんだんキャッシュレス化への関心が高まってきていると感じています。ただ、前から「中小企業におけるキャッシュレス化の3つの壁」と申し上げていますが、「手数料」と「端末代」、「入金までのタイムラグ」について、どうやってこの壁を下げるかというのが重要だと思います。今回の政府のキャッシュレス・消費者還元事業において、「手数料」と「端末代」は、下がりますが、来年6月には本事業は終わりますので、中小企業は、それ以降はどうなるのか、と非常に心配をしています。
 なお、スマホを使ったキャッシュレス決済は、単にキャッシュレス化ができるということだけでなく、事前注文・決済による待ち時間なしの商品の受け渡しなど、付随するさまざまなサービスが出てくることを期待しています。
 最後に、「税・公金収納・支払の効率化」について、今、さまざまな動きがあるようですが、企業の業務効率化・生産性向上に大きく寄与しますので、さらなる進展を期待しています。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。それでは、瀧委員、お願いします。

【瀧委員】
 ちょっとAPIとは絡まないところについて、ご発言いたします。XML電文のところですけれども、私も、かなり以前ですけど、全銀協に呼ばれて、どうやったら中小企業に使われていくのだろうかというところでインプットさせて頂いた記憶がございます。こういったものを中小企業がどうやって使うようになるのか、もしくは、加藤委員からも先ほどありましたけれども、発注者が大企業であるときに、そういった人たちに頼みづらいということがあります。これは、ある種周知のところでもございますので、どうやったら本当にエンハンスされるのかというのはすごく大事な観点かと思っている次第でございます。全銀協の資料2の5ページに、ZEDIの利用件数がございますけれども、おそらく利用会社数でいうと、それほど多くなくて、1社当たりの利用が非常に多いのだろうなというふうにも思っています。件数は少なくてもいいと思いますので、零細な企業でも、こうやって使えるんだといった事例を、実験的でもいいので、増やしていけるようなイニシアティブをやっていけるといいのかなと思っております。
 このようなインフラを作ることは大変なことだと思っていますし、かつ、それをちゃんとローンチして公式にオープンしていることは本当にすばらしいことだと思っております。ただ、ベンチャーの世界では、プロダクトは出すだけでは価値がなくて、プロダクトマーケットフィットがあって初めて意味があるのだとよく言われます。そういう意味では、ユーザーの声をしっかり聞きながら、この場合の利用者の方々から、どんな声が出ているのかとか、そういったところを丁寧にやっていければというのが1つ目でございます。
 あと、もう1つが、キャッシュレス化の話でございまして、本日、各銀行から、いろいろな取組みについて、ご発表頂いたところでございますけれども、よく海外の方と話していて、例えば、インドとかシンガポール、タイ、米国では、基本的に少額の銀行間送金というのは無料ですぐできるというのが1つの冷徹な事実でもあります。結局のところ、以前は、いろいろな簡易、迅速、安心、安価な個人間送金の実現というのが、もう少し表のほうに捉えられていたと思うのですけれども、本日ですと、全銀協の資料2の22ページにはございますけれども、やはり、これが実現されるのかというのが、おそらく後世から見たときの唯一の政策目標になるのだと思っております。異なる銀行の間で無料でお金が送れる状態、飲み会の精算がそれで可能になっているという状態が、我々がいつも接しているお客様が、おそらく普通に望んでいるところだと思いますし、それがないが故に、さまざまなことが起きているのだということも申し添えておければ思っております。
 決して簡単なことではないとは思うのですけれども、やはり取引が特定のネットワークに閉じないことが重要です。銀行間の摩擦のないインターオペラビリティと言うのがいいのかもしれないですけれども、そういったことというのが、まだまだ途上にあることが、あまり本日発言として出ていませんでした。我々どもも何らかの貢献をしたいと思っていますし、非常に重要なテーマだと思っているということを申し添えておきます。
 以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございます。それでは、山上委員、お願いします。

【山上委員】
 本日は色々な角度からご意見を頂いて、大変勉強になりました。先ほど中谷委員からご発言があったフェイスブックのリブラの件ですけれども、そのニュースが世の中に出てきたときに、私はEBAdayというユーロバンカーズアソシエーションの年次の会合に出席するためにスウェーデンに出張しておりまた。たまたまその初日にリブラのホワイトペーパーが出てきたのですけれども、その場ではそれが話題になっておりました。ただ、スウェーデンのSwishというナショナルPtoPのペイメントを運営しているCEOの発言が満場の拍手を呼んでおりました。彼女の発言とは「Swishとはスウェーデンで80%以上の国民が使うブランドとして普及している簡便なPtoPの決済インフラです。それがオープンAPIで色々な業界のサービスと結びついている状況がスウェーデンにある限り、多分フェイスブックは入って来られないだろう」という内容でした。これはまさに今、瀧委員がおっしゃった、決済手段のインターオペラビリティの重要性を指摘したものであり、私はまさに、これだなという思いを強くして戻ってきた次第であります。本日、瀧委員がおっしゃったこと、それから、河野委員から頂いたお話、インターオペラビリティというものが、キャッシュレスを進める上でも、銀行の決済サービスを国民の皆さんに使って頂く上でも、大事ではないかと思っております。全銀協の資料2の中にあったBank Payという統一スキーム、これをきちんと普及していくことが大事なのだろうと思っておりますし、それとともにオープンAPIというのが受け入れられるような状況というのが本当に作られていくという、この2点セットが非常に重要なのだろうと思っています。インターオペラビリティという言葉でつながっていくということが大事なのだなということを、改めて本日気付かせて頂きました。
 以上です。

【森下座長】
 それでは、翁委員、お願いします。

【翁委員】
 ご説明ありがとうございました。私も、皆様と少し重複いたしますけれども、3点ほど申し上げたいと思います。1つ目のXML電文への移行の観点につきましては、中小企業庁からご発表がございましたけれども、商流と金融をEDI連携することによって、生産性がこういうふうに向上しているという、そういったことがどんどん周知されていくということが、基本的に重要なことだと思っております。
 今の日本企業、中小企業の課題は生産性の向上ということでありますし、もちろんコストの面でもそうですし、同時に付加価値のアップという観点でも、こういったものを活かしていくということが非常に重要だと思います。また、銀行にとっても、こういったZEDIをいかに活用して、企業に対して新しい提案をしていくということが、これからの1つの重要な収益源になり得ることだと思っておりますので、もちろん銀行単独では、または全国銀行協会単独ではうまくいかないかもしれませんので、官民全体で進めていく必要はあるのですけれども、個々の銀行にとっても非常にメリットのあるものということで、さまざまな取組み、サプライチェーンの、先ほど全銀協からご説明がありましたけれども、いろんな研究会をされておられますけれども、そういうものがうまく有機的につながっていくようにして、ぜひZEDIが広がっていく方向で一段と進めて頂きたいと思いました。多くの方が入れば入るほど、ネットワークというのは価値を持ちますので、そういった観点から、ぜひ今後、一層のご尽力を各方面でお願いできればと思います。
 それから、キャッシュレス化とオープンAPIについては、今、瀧委員や山上委員がおっしゃったことと私も全く同じ印象を受けておりまして、各銀行は非常にすばらしい取組みをしておられますけれども、やはりインターオペラビリティが重要であると思います。これは前回も出たことでございますけれども、それが確保されていくということが非常に重要なのではないかなと思っております。ここもネットワーク外部性というのが、非常に重要になってくるということだと思っておりますし、諸外国の最新の動向なども官民推進会議で少しご紹介頂いてもいいと思うのですけれども、やはり欧州や東南アジアというのは、オープンAPIにしても、キャッシュレスについても、非常に大きく進んでおりますので、そういう動向も見ながら、日本として何をしていくべきなのかということを考えていく必要があるのではないかと感じました。
 それから、もう1つは、非常に細かい点なのですけれども、資料2の9ページのところで、小切手とか手形の話があったのですけれども、9ページの全国手形交換所における交換枚数のところで、定額小為替というのが、引き続きずっと使われています。これは郵政の話なのですけれども、結構、地方自治体とか、そういったところが定額小為替で送ってくださいというふうに求めるケースがすごく多くございます。これは根雪のようにあるのですが、こういったところについても、ぜひ取組みを、これは自治体側からもそうだと思いますし、郵政からもそうなのだと思います。ゆうちょ銀行になると思うのですけれども、こちらについても、ぜひキャッシュレス化を進めて頂きたいと思っています。先ほどのご発表で、何もコメントがなかったので、お願いしたいと思います。

【森下座長】
 ありがとうございます。大分時間が限られてきましたけれども、牧野委員、お願いします。

【牧野委員】
 事業会社の立場で3つコメントさせて頂きます。まず1つ目は、XML電文への移行のところですが、弊社も遅ればせながら、支払先向けでZEDIへの対応を7月末からやっていくということを決定して今進めております。総合振込の全てについて実施していく予定ですので、今後、例えば、花王と取引している取引先は活用して頂ければと思います。
 現在、花王グループでは、全銀協の方で用意している標準フォーマットであるS-ZEDIで対応しています。先ほどの全銀協の資料2の5ページのところで、業界団体モデルという形で展開していこうということで7団体にご説明されているとは思うのですけれども、ぜひとも金融EDI、XMLの良さを活用した展開を要望したいと思っています。
 具体的に言うと、企業はいろんな形で取引をしているため、業種に応じて、個社ごとにシステムをアドオンしていくということは実質的に不可能なので、XMLの良さを最小公倍数的に、進めていければいいのかなと思っています。全銀協においては、その辺りを対応して頂ければありがたいと思っています。
 あとは、いついつまでに完了したいという目標を持っていれば、企業もより前向きになると思いますので、それは金融庁か全銀協か、わからないですけれども、そういったターゲットデートというのを、ある程度示して頂けたらありがたいなというのが1点目の話です。
 2点目は、資料2の15ページ、税・公金収納・支払の効率化のところですが、地方税共通納税システムは、とてもいい仕組みだと思っていまして、eLTAXといった形で全国展開できるというのはとてもよいと思っています。ただし、e-TAXもそうなのですけれども、実は、納税義務が発生した会社のみが納付することができるという仕組みで、例えば、花王は、国内関係会社が二十数社あるのですけれども、その資金は、全て社内CMSで日々、本社に吸い上げています。そうしますと、子会社の支払いは、オンビハーフで、いつも花王本社が支払っているという形を実施しています。そうやって考えたときに、eLTAXやe-TAXでやろうとしても、実は、できるのは花王本社だけというようなことになりますので、もし可能であれば、そういうオンビハーフの支払いができるであるとか、SSC(事務局注:シェアードサービスセンター)の会社でも支払いできるであるとか、そういったこともご検討頂ければありがたいなと思っています。
 3点目は、暗号資産の話ですけれども、これは個人的な夢みたいなことですが、例えば、グループ内で暗号資産を持って、国内の関係会社間とか海外とか、子会社取引が多々あるのですが、そういったところで為替差益、差損が生じるということがありますので、暗号資産で、例えば、花王コインなどを作って、それで為替損益が発生しない、もしくは最低限になるというようなことができれば、我々だけではなく、いろんな会社でも、そういったことを導入したいと考えられるのではないのかなというふうに、夢のような話ですけれども、思っています。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。では、鳥海委員、簡潔にお願いします。

【鳥海委員】
 まず、先ほど中谷委員からご発言がございました点で、マネロン対策等については、私どもも全く同感でございまして、質を落とさずに効率を上げるというのは、まさにおっしゃるとおりで、ワンストップという言い方が適切かどうかわからないのですけれども、例えば、同じ金融グループの中に属する銀行と証券会社とか、特定事業者として、それぞれが別個に確認しておりますけれども、この辺りも横串を通して確認できるようになれば、非常に効率が上がるのかなと思っています。同じように、国内拠点、国外拠点も、二度手間になっておりますので、その辺りについても、ぜひ効率化が図られるとよろしいのかと思っております。また、少し異なる論点としましては、現在、スクリーニング等で大量に生じているフォールス・ポジティブ、こういった辺りについても、今後、規制の見直し等をご検討頂くというのも重要な論点かと思っております。
 申し上げたいのは、今のポイントに若干関連する話題ですけれども、預金口座の開設ですとか、国際送金に際しての本人確認手続について、私どもの問題意識を述べさせて頂きたいと存じます。本日プレゼンテーション頂きました前向きな高度化に比べますと、どちらかというとレガシー問題というふうに聞こえるのかもしれないのですけれども、フィンテックですとかイノベーションを本格展開する上では、再確認しておいたほうがよろしいのではないかと存じまして、本日は象徴的なポイントを1点だけ述べさせて頂きまして、ぜひとも次回までに関係機関でご検討、整理して頂くようお願いしたいと存じております。
 なお、本日は、これ以上細かい論点に踏み込むつもりはございませんので、特段資料を委員の方々に配付して頂くこともお願いしてございませんので、また、私の発言に対して、この場で何か回答を求めているわけでもございませんので、あらかじめ申し上げたいと思います。
 具体的にどういう問題かと申しますと、皆さんご存知のとおり、今年4月から特定技能という新たな在留資格に基づいて外国人の労働者を受け入れる制度がスタートいたしており、今後5年間で最大35万人ほど来日、就労することが見込まれております。これに伴いまして、外国人の労働者への給与の支払いですとか、生活口座の開設、それから、本国向けの国際送金などが発生いたします。もっとも、給与の支払いが現金払いというケースも多いのですが、従来、技能実習生などの事例では、給与の未払いなどの問題のある待遇も散見されましたところです。このため、入出金の実態把握に資するように、極力、口座開設を円滑化する方向で、関係省庁、それから金融業界が連携しているものと存じております。
 口座を開設する場合の担い手は、預金取扱金融機関ですけれども、口座を設けずに国際送金をするだけであれば、担い手としては、預金取扱金融機関だけではなくて、資金移動業なども想定されるところです。
 外国人が口座開設ですとか国際送金をする際に、事業者には本人確認義務が課されております。原則的には、犯収法でも外為法でも等しく3要件、すなわち、氏名、住所、生年月日を確認することで本人確認が尽くされるものです。これに加えて、外為法においては、居住性という概念がございまして、預金契約や送金の当事者が、居住者なのか、非居住者なのかを区別することが求められております。我が国に住所を有すれば居住者で、有しなければ非居住者、簡単に申しますと、このように外為法の第6条において規定しております。ただし、区別が明白でない場合とか、判定が困難である場合というレアケースについては、昭和55年の大蔵省通達、蔵国第4672号というものがございまして、具体的な対応としては、在日の期間が6ヵ月以上あるか、あるいは勤務実態があるか、こういったことを追加的に確認すべしと規定しております。
 もっとも、外国銀行支店とか邦銀の実務の現場を見ますと、本来レアケース対応であるはずのこの蔵国をあたかも本則、一般的な対応であるかのように位置付けているのではないかと思われる節がございます。すなわち、外国人が口座開設に際して、在留カードを示して、記載された住所によって居住者であることが明らかであるにもかかわらず、このような追加確認を行わなければならないと理解している節がございます。申すまでもなく、口座開設に際して、無用なハードルを設ければ、口座開設が円滑に進みませんし、給与の現金払いからの移行や誘導がスムーズに進まないかもしれません。何よりも、今後、外国人との共生社会を築いていくという政府の方針ともマッチしていないようにも思います。
 さらに、邦銀や外銀など伝統的な金融機関でも、こうした実務において日々呻吟しているのですけれども、犯収法とか外為法のもと、資金移動業者にも等しく規制が課されているはずですので、こうした蔵国に基づく追加確認作業にどこまで実態として取り組んでおられるのかは存じませんけれども、万一、外国人に対して一様に追加確認しなければならないのであれば、今後の決済の高度化ですとか、フィンテックを活用したイノベーションにも足枷となるおそれがあります。
 まとめますと、もちろん、マネロン対策の観点から、各金融機関が法令ではなくて、あくまでもリスクベースの取組みとして、さまざまな追加的な管理措置を設けて実施することには全く異論はございませんし、私どもの協会の会員である外銀支店でも、そのように取り組んでおりますけれども、リスクベースの体制作りの前に、まず法令の要件、要請を正確に理解して金融機関の現場に落とし込んでいくことが必要ではないかと存じております。
 今後は、こうしたレガシー問題についても、金融庁、財務省、私どもを含めた金融業界団体、それからフィンテック事業者の皆さんなど、関係者の間で意識合わせをして、次回の推進会議までに取り組んで頂く必要があるのではないかと存ずる次第です。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 本日は、活発なご議論を頂きまして、また、有意義なご意見を頂き、まことにありがとうございました。本日頂きましたご意見も踏まえまして、次回以降も決済業務等の高度化に向けた取組みを進めてまいりたいと思いますので、各委員におかれましては、引き続きよろしくお願いいたします。
 最後に、事務局から連絡等がございましたらお願いいたします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 次回の会合の進め方ですとか、日程につきましては、改めて事務局よりご案内させて頂きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。

【森下座長】
 どうもありがとうございます。
 それでは、以上をもちまして本日の会議を終了させて頂きます。ありがとうございました。
 
―― 了 ――

 

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日本にある金融関係国際機関
金融安定理事会(FSB)
バーゼル銀行監督委員会(BCBS)
証券監督者国際機構(IOSCO)
保険監督者国際機構(IAIS)
その他

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