決済高度化官民推進会議(第8回)議事録

1.日時:

令和元年12月23日(月) 16時00分~17時30分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 金融庁共用第一特別会議室

 

【森下座長】
 それでは、ただいまより決済高度化官民推進会議の第8回会合を開催いたします。皆様、ご多忙のところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本会議は、平成27年12月の金融審議会「決済高度化ワーキング・グループ」の報告書で示された13項目のアクションプランの実施状況を官民連携してフォローアップすることを主な目的として、平成28年6月より開催されているものであります。
 本日は、まず新たにご参加いただく委員のご紹介をいただいた後、事務局より資料2に沿って「決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ」に関して決済法制に係るこれまでの議論について、ご紹介いただきます。その後、全国銀行協会 萩原委員より資料3に沿ってフォローアップ項目に係る取組みについて、ご説明をいただきます。そして、電子決済等代行事業者協会 瀧委員、全国銀行協会 萩原委員より資料4に沿って銀行と電子決済等代行業者との間の契約締結に向けた取組みについて、ご説明をいただくという流れで進めさせていただきます。
 なお、会議の円滑な進行のため、各委員による1回のご発言は、恐縮ですが、3分を目安としていただきますよう、よろしくお願いいたします。
 初めに、新たにご参加いただく委員・オブザーバーについて、事務局よりご紹介をお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 事務局でございます。まず、委員の人事異動等に伴いまして委員の変更がございましたので、ご紹介申し上げます。
 富士通リース株式会社の浜俊明委員に代わってご参加いただきます富士通株式会社の青井孝之委員でございます。

【青井委員】
 青井でございます。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 続きまして、全国信用協同組合連合会の内田満夫委員に代わってご参加いただきます飯國健一委員でございます。

【飯國委員】
 飯國でございます。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 次に、オブザーバーの変更についてご紹介申し上げます。
 財務省大臣官房信用機構課長の井口裕之オブザーバーでございます。また、経済産業省経済産業政策局産業資金課長の呉村益生オブザーバーでございます。
 資料1が新しいメンバーの名簿になっておりますので、後ほどご確認いただければと存じます。
 なお、本日は、ご都合によりまして花王株式会社の牧野秀生委員がご欠席となっており、代理で花王グループカスタマーマーケティング株式会社CTC流通システムコラボグループ部長の斎藤和志様にお越しいただいております。

【斎藤委員代理】
 斎藤です。よろしくお願いします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 また、本日、参考人といたしまして全国銀行協会の小川幹夫様。

【小川参考人】
 小川でございます。よろしくお願いいたします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 同じく全国銀行協会の高橋恭兵様にお越しいただいております。

【高橋参考人】
 高橋でございます。よろしくお願いいたします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 事務局からは以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 続きまして、事務局より決済法制に関するこれまでの金融審議会の議論について、ご紹介をお願いいたします。

【岡田企画市場局信用制度参事官】
 信用制度参事官の岡田でございます。資料2に基づきまして決済法制、それから、金融サービスの仲介法制について、主な点をご説明いたします。
 まず、経緯を申し上げますと、もともとこれは2017年11月に金融審議会総会におきまして、金融担当大臣から機能別横断的な金融規制の整備など情報技術の進展その他、我が国の金融を取り巻く環境変化を踏まえた金融制度の在り方について検討を行うことという諮問がなされ、それを受けて金融審議会の「金融制度スタディ・グループ」が設置されたところでございます。そのスタディ・グループで、まずはその後の審議を経まして2018年6月19日、昨年の夏前ですが、金融機能の分類、それから、各機能において達成されるべき利益をまとめた中間整理というものを公表いたしました。この中間整理は、金融規制の全分野に関するものだったわけでございますが、その後、昨年の秋以降の検討、スタディ・グループの続きの検討の中で、とりわけ決済の横断法制、それから、金融サービス仲介法制について検討が進められて、今年の7月にスタディ・グループとしての報告書で決済法制と金融サービス仲介法制についての基本的な考え方というものを取りまとめいただきました。
 その後、細かな具体的な制度設計ということで9月以降、金融審議会のワーキング・グループを設けまして、そこで引き続きの議論をお願いして、先週18日に、当該ワーキング・グループの会合で今からご紹介することを内容とする報告書案について取りまとめがなされまして、20日に金融庁のホームページで報告書について公表させていただいたところでございます。
 経緯は以上のようなものなのでございますが、まず決済につきましては、資料2の1ページ目の上の方に図がございますが、これが現行の制度の姿でありまして、銀行というのは送金、いわゆる決済と貸付と預金、いずれもやるということで、免許制で相応に規制は重いのでございますが、送金の金額などについては特段の制限はございません。
 他方で、大体10年前に導入された、新たに設けられた資金移動業という制度がございます。こちらは登録制で比較的銀行に比べますと参入規制も緩やかで、色々かかっている日頃の規制についても銀行とは比べものにならないぐらい軽いのですが、1件当たりの送金額の上限は100万円ということになっておりまして、この金額について、かねてから規制緩和で送金上限額を外してほしいという要望が業者の間から強かったところでございます。それにつきましてスタディ・グループ以来色々議論をした結果が下にございまして、大きく3つの類型に分けて、今後、制度整備を図っていくのが適当ではないかということになっております。
 まず、1件当たり100万円を超える送金のところにつきましては、新たに認可制を導入した別の類型としてつくって制度整備していくことが適当ということになっております。
 その背景には、やはりこの100万円を超えて色々な送金というのをやるということになっていきますと、企業間決済などにも利用されていくということが想定されますところ、その決済の履行が確保されない場合に資金の受け手が資金繰りに窮するなどの社会的、経済的影響が大きいのではないかといったこと。また、金額が大きいと、それに応じてマネーロンダリング対策やテロ資金供与対策の重要性も相対的に高まるということもございますので、従前の登録制のもとの資金移動業者ということではなくて、認可制を新たに導入して、実際に行われる送金業務のビジネスの状況を見ながら、金融庁、監督当局としてリスクベースでより適切なモニタリング・監督ができるという枠組を整備する必要があるという考え方に基づくものであります。したがいまして、認可制のもとで今申し上げましたマネロン・テロ資金供与対策、それから、システムが停止したりした場合に決済がとまるということの影響が大きいので、システムリスクの管理、それから、セキュリティ対策、そういったものについて、今まで以上にこの類型に関してはよく見ていくということでございます。
 あともう1つは、金額を1回当たり100万円超の送金をするということになりますと、今、現状の資金移動業者がやっている、いわゆるチャージといいますか、送金の準備行為としての資金の受け入れ、預かりということをやっておりますが、その金額もどんどん膨らんでいくという可能性がありますので、この新たに設ける、高額類型の資金移動業については、この図にありますとおり、具体的な送金指図がある場合のみ利用者から資金を受け入れて、直ちに送金すること。
 あと、着金の場合も技術的に必要がある以上の場合は、すぐに外に、具体的には多くの場合、銀行預金に払い出すということだと思いますけれども、そういうことをお願いして、この新たにできる高額類型の資金移動業者のアカウントに送金の必要を超えて長期にわたって資金が滞留することを防いでいく、そういう仕組みを想定してございます。
 それから、現行類型と書いていますが、今まで1回当たり100万円まで送れるというものにつきましては、基本的に今既に色々な業者さんが色々なサービスを展開されているということで、そういったエコシステムなどにも配慮して現行の枠組を維持するということを基本にしてございます。ただ、資料のただし書きでございますが、100万円までしか送れないのに実態としまして調査したところ、1口座で10億円がたまっていたり、そういう少し極端に大きな額が入っていて、そういったものというのはちょっとどうなのかという議論もございまして、利用者から預かった資金が100万円を超える場合には、その送金との関係性というのを業者で確認する。送金と無関係な資金を滞留させている、預かっているということであれば、払い出しを求めていくというようなことを今後、業者にそういった対応というのをお願いしていくというのを予定しております。
 ただ、逆に言いますと、例えば500万円預かっていたとしても、それがその後、100万円の送金を5回直ちにやる予定があるので、今、500万円預かっているのであるということであれば、まさに送金の準備行為としての預かりにほかならないので何ら問題ないというようなことなのだと思います。そのあたりのことを今までより少し業者の方できちっと確認してもらっていくというようなことを今回の制度改正で措置していくことを想定しています。
 あともう一つは、少額類型の創設というものがありまして、これは規制緩和でございます。従前の資金移動業者は、今話題になった送金のために預かるお金の100%を保全する義務を負っております。保全というのは具体的には、法務局への供託、それから、信託会社、信託銀行への信託、あるいは銀行等との保全契約、保証契約を締結するということで、破綻した場合にきちっとその金額が確保されるというようなことになっているわけでございます。他方で、そうした法務局への供託にせよ、保証契約にせよ、信託にせよ、それぞれ取り戻しに非常に時間がかかるといったことで、事実上、資金を二重に用立てなければいけないというようなことがあったり、あるいは、それぞれ信託とかの保全契約のコストがかかったり、あるいは保全契約については相手方の銀行から見た場合の信用リスクの観点から金額に制限があるといったようなことがありまして、非常に保全というのは大事なことなのですけれども、一定のコストになっているというようなことであります。
 これにつきまして、少額、チャージ額の最大額というのは数万円以下だという念頭でございますが、利用者から預かった資金について、そうした供託などの既存の保全方法にかえて分別した預金での管理というものを可能とするということも審議会の報告書で書いておりまして、今後、制度化していく予定でございます。これによって低コストで使い勝手がいいサービスというのが、今、キャッシュレスということで色々なサービスが出ていますが、そういったサービスの提供というのが、よりやりやすくなるというようなことを期待してということでございます。そのほかに下に※印がありますが、実質的に個人間送金を行うサービス、スマホでの割り勘アプリのようなものが登場しておりまして、これは収納代行という形でやっているというようなことで、資金移動業の登録を受けないという形でサービスが提供されている事例が存在したようなことがございますが、こうしたものにつきましては、今回の議論で整理して、仮に収納代行の形をとっていても、こういう割り勘アプリのような類型のものについては、資金移動業の規制対象となることを明確化するということでございます。
 あるいは、それ以外にも先ほど申し上げました保全方法で、信託、法務局への供託、銀行との保証契約と現状3種類あるのですが、信託だけは他の2つのやり方と組み合わせてやることができない。例えば、100保全する必要がある場合に、あまり変動しない50部分は法務局への供託とか信託でやって、変動する部分は信託ですみたいな組み合わせができればいいのですけれども、信託だけは組み合わせて使ってはいけないことになっていますので、そのあたりについても今回、制度を整理させていただいて、併用の道を拓くというようなことも予定してございます。
 以上が決済法制の概要でありまして、決済そのものではないのですが、同じくワーキング・グループで議論して関連しますのでご紹介させていただくと、金融サービス仲介法制というものについても、ワーキング・グループで提言をいただいております。これは何かと申しますと、銀行、証券、保険色々な金融サービスというものがあって、それを利用者との関係においてオンライン環境、例えばスマホで、ワンストップで提供できるような、そうしたことを実現していくのにやりやすくするような新たな仲介業制度というのをつくっていくというものであります。ポイントは2つで、上の四角囲いにありますが、1つ目が、登録1回で銀行、証券、保険全ての分野での仲介を可能にするということ。それから、2つ目が、今の既存の代理店その他の銀行代理業、金融商品仲介業、保険代理店というのは、それぞれ銀行、証券、保険の金融機関に所属するという建て付けになっておりますが、そうしたものを求めないで複数の金融機関とつなげて商品、サービスの比較を容易にしていく、こういうようなことを趣旨とするような制度でございます。
 ポイントを資料の右の方の1、2、3というところで簡単にご紹介したいと思うのですが、ポイント1で今申し上げた所属制ということで、現行の色々な仲介制度というのは金融機関が仲介業者に対する指導・監督義務を負って、また、仲介業者が利用者に与えた損害の賠償についても金融機関が負うということなのですが、今回は所属制というのを求めないということで、そういう賠償責任も負わないし、指導・監督義務も負わない。言ってみれば、両者がパートナーとして連携・協働していくというような新たな仕組みであるということでございます。
 ポイント2で、他方で、そういう今までの所属制をとらない代わりの利用者保護上の措置として3つございまして、この中の②というのが賠償を求められたときの資力確保のための保証金の供託というのを義務づけるということと、①、③はどちらかというとリスクを減らすという観点ですが、①が利用者資金の受け入れを禁止する。保険料とか投信の販売価格、売買価格の金額みたいなものを受け取らない。直接にお金は保険会社とか銀行とか証券会社に払ってもらうということでございます。それから、③は取扱可能な商品というのはあまり複雑なものではなくて、高度な商品説明を要しないものに限定していくことで、説明義務などの場面をめぐってのトラブルを防ぐというようなことがございます。
 それから、ポイント3というのが、共通規範と分野別の規範というのをそれぞれ組み合わせて適用するということで、横断的な仲介業なので、共通する規範については、当然、全般にかかるのですけれども、証券特有、保険特有、銀行特有のルールについては、そういう証券を扱うとき、保険を扱うとき、銀行サービスを扱うときに限定して適用していくというような、いわばアクティビティベースでの制度づくりというのを今後具体化していくということでございます。
 本件についてのご説明は以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 事務局からご説明いただきました内容について、ご意見やご質問がある方は、どなたからでも結構ですのでご発言をお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、また後ほど他の議案のときにでも結構ですので、ご発言がないようでございましたら、続きまして、全国銀行協会 萩原委員よりフォローアップ事項に関する取組み状況について、ご説明をお願いいたします。

【萩原委員】
 ありがとうございます。全国銀行協会の萩原でございます。それでは、資料3-1に沿いまして、ご説明をさせていただきます。
 2ページをご覧ください。今回、フォローアップとなります決済高度化施策の一覧でございます。本日は、このうち重点項目、黄色の色塗りの項目でございますが、こちらについて、順次ご説明をさせていただきます。なお、7番のオープンAPIにつきましては、別のコマでのご説明といたします。また、重点項目ではございませんが、14番の情報セキュリティ対策の推進につきましては、FISCから資料3-2という形で資料をいただいておりますので、後ほどご覧いただければと思っております。
 それでは、最初の項目、4番のXML電文への移行につきまして、説明させていただきます。5ページにお進みください。まずは利用状況でございます。全銀EDIシステム(ZEDI)のサービス提供金融機関数は、予定どおり92行から102行に増加し、インフラは整ってきたと考えております。しかしながら、左上のグラフ、ZEDIの利用明細件数は依然として低位となっております。その下の折れ線グラフは、全銀システムの振込件数に占めますZEDIの取引件数の割合を示したものでございますが、こちらをご覧いただいても普及してきているという状況にはとてもなっていない状況でございます。
 それでは、これは何もしなかった結果かといいますと、そういうわけではございません。右側に今年度の取組み施策を図示させていただいております。普及させるためのアプローチ指標として3つの仮説、すなわち、1つ目、サプライチェーンモデル、これは取引の川上でございます大企業から攻めることで導入推進ができるのではないかと考えた仮説でございます。2つ目、地域モデル、これは地域ごとに利用見込みの企業を発掘しまして、実利用につなげ、それを横展開しようというものでございます。3つ目が業界団体モデル、これは各業界ごとに金融EDIの標準フォーマットをつくっていただければ導入が進むのではないかと考えた仮説でございます。この3つの仮説にのっとった活動に加えまして、ZEDIを活用した会計ソフトをつくっていただくメーカーであるベンダーの支援と、それを実際に取引先企業に販売していく金融機関の支援も実施いたしました。さらに、EDI情報の利活用を促すべく研究会活動も実施しております。
 それでは、その結果はどうだったのか。下の6ページをご覧ください。ここにはそれぞれの取組みをPDCAに分けて一覧にしております。ここでは特にC、checkの部分、すなわち施策の評価について説明させていただきます。冒頭のサマリーをお示ししてございますが、3つの仮説モデルにつきましては、業界団体モデルでは、業界ごとに標準化を図るのではなく、業界横断的なフォーマットを求める声が大きいということが判明いたしました。サプライチェーンモデルでは、システム改修はタイミングがポイントである。すなわち、会計制度が変わるときにあわせてZEDIを導入する方がやりやすいですとか、金融EDI情報の入力負担は大きいということが判明しました。地域モデルでは、地域セミナーでのアンケートが次の施策立案に有効であることがわかっております。そのほかにも販社である金融機関に対して行ったZEDIの利用促進のための説明会ですとか、ソフトウェアベンダーの開発担当者交流会について、その有効性は確認できました。これらを継続することで導入促進につながると期待しております。
 こうした結果を踏まえた次のアクション、今後の取組みについて、ご説明いたします。7ページをご覧ください。これまでの活動から得られました改善点を踏まえて、今後の重点施策は4つとしております。右側に概要をお示ししておりますが、①S-ZEDIの推進強化でございます。これは業界団体モデルを実施する中で業界横断的なフォーマットの方がよいというご意見が多かったことを反映した施策でございます。②制度対応(会計ソフトの変更必要時)に向けた活動でございます。これはサプライチェーンモデルで得られたヒントであるシステム改修のタイミングをとらえた提案を行うためのものでございます。③主要な商流EDIとの連携強化、これは支払い企業の金融EDI入力負担を軽減するための施策でございます。これに加えて新たな川上仮説といたしまして④国・地方自治体への働きかけを行ってまいります。右下にお示しのとおり、国庫金の支払い件数は年間3億円もございます。これがZEDIにつながれば大きな波及効果が期待できるのではないかと考えております。
 なお、こうした重点施策を通じて得られた成果は、地域モデルの説明会で横展開することといたします。この下の8ページには金融EDI情報の利活用に関する研究会の報告書の概要をまとめてございます。本日は時間の関係で説明は割愛させていただきますが、後ほどご覧いただければ幸いでございます。
 10ページをご覧ください。こちらは参考資料でございますが、ZEDIの利用促進に向けた新しい周知ツールを紹介しております。今年度はリーフレットと動画を作成しております。このうち先週金曜日にYouTubeにリリースしたばかりの動画をここでご披露させていただきます。全5種類を続けて流します。それぞれ約30秒、全部で3分ほどの内容でございます。それでは、モニターをご覧ください。

(動画視聴)

【萩原委員】
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、次のテーマでございます手形・小切手機能の電子化につきまして、ご説明させていただきます。12ページをご覧ください。まずは現在の進捗状況でございます。
 手形・小切手機能の電子化では、全国手形交換枚数を5年で約6割、電子的な方法に移行するとの目標を立てております。これは具体的には全国手形交換枚数を年間で616万枚ずつ削減するという目安になります。今年の削減数は370万枚、達成率で言いますと、60%と目安対比で言うと未達となる見込みでございます。ただし、過去のトレンド、すなわち2013年から2018年の6年間の平均削減枚数である308万枚は超過しております。したがいまして、会員銀行の取組みにより一定の効果があったと推定はしております。なお、手形機能の電子化のメルクマールとなりますでんさいの発生記録件数の増加幅は、2015年以降頭打ちとなっている状況にございます。
 それでは、続きまして、今年度の活動の概要を次の13ページでご説明いたします。まず、手形機能の電子化でございますが、でんさいへの移行に向けまして、従前の3つのアプローチ、①未導入企業、いわゆる様子見企業への対応、②実利用企業の移行率向上に向けた対応、③でんさいを事業会社に提案する金融機関の推進体制向上に向けた対応を継続してまいりました。具体的には左の表にお示しした4つの施策でございます。次に小切手機能の電子化でございますが、インターネットバンキングでの振込への移行に向けまして、広報ツールを作成し、会員銀行へ配付したほか、会員銀行の取組み状況の調査を行い、右側の中ほどの表にお示しのような好事例の共有を図ってまいりました。また、今後の有効な移行施策を作成するための事前準備といたしまして、セミナー参加企業に対する調査を実施しております。
 それでは、これらの施策をどのように評価しているのか、下の14ページでご説明いたします。具体的には、下の表のチェック欄にお示ししております。手形・小切手機能の電子化の活動は一定の効果があったと認識しておりますが、でんさいの発生記録請求件数の増加幅が頭打ちになっていることからも、まだまだ推進力は足りないと認識しております。また、手形・小切手機能の各々の電子化に向けた取組みの課題も判明してまいりました。手形機能の電子化であるでんさいの推進には、中小企業へのアプローチが必要と考えております。表の中央右側に吹き出しで表を記載しておりますが、でんさいの契約率は中小企業が明らかに低位となっております。小切手機能の電子化につきましては、小切手の利用用途について、いま一度再調査して、電子化のネックになっている部分をあぶり出した上で打ち手を考える必要があるものと考えております。
 なお、これまで手形機能と小切手機能の電子化のみについて、ご説明してまいりましたが、手形交換には定額小為替証書や株式配当金領収書といったその他証券がございます。これらの機能の電子化について、関係者にヒアリングをしてみましたが、現行の利用に強いニーズがございまして、一朝一夕には電子化を進めることが難しいことが判明しております。
 これらの評価を踏まえたそれぞれの今後の打ち手につきまして、15ページからご説明をさせていただきます。まず、手形機能の電子化でございます。中小企業にアプローチする必要があるのですが、中小企業は数も多く、金融機関が1社1社セールスをするという、いわゆるプッシュ型ではなく、より効率的、網羅的に接触できるようWebサイトの充実化などのオンライン施策、いわゆるプル型で誘引してくる施策を実施していく予定でございます。これにあわせて、従来からの企業向けセミナーなどのオフライン施策につきましては、利用件数増加の効果が効率的に見込めます中堅企業以上ですとか、建設、卸売業などにターゲットを限定した上で継続してまいります。
 16ページで小切手機能の電子化の今後の打ち手について、説明させていただきます。今回実施しましたでんさいネット主催セミナー参加企業の調査の結果を左側に円グラフでお示ししております。ご覧いただきますとおわかりいただけるかと思いますが、いずれの用途もインターネットでの振込が可能なものでございました。要するに電子化移行のネックが判明しなかったということでございます。ただ、この調査のサンプル業種は製造業、卸売業、建設業が中心でございまして、偏りがあったことから再調査が必要であると考えております。
 再調査の前に小切手帳発行冊数の上位を占めます港湾運送業事業を営む企業に予備調査を実施しましたところ、小切手が特殊用途、ターミナル・ハンドリング・チャージ、略してTHCと呼ばれる用途で多数利用されている実態が判明いたしました。その概要を右側にお示ししてございます。THCは海運会社が港で荷物の積み込み、または荷物の引き揚げを行う際、港湾荷役に課金いたします料金でございまして、コンテナ1つ、B/L1枚に対して1枚の小切手が振り出されております。こうした用途に対しては、ZEDIが活用できないかなど代替策を検討する必要がございます。このような電子化のネックになっている特殊用途がほかにないか、今後、再調査を実施する予定でございます。
 続きまして、その他証券機能の電子化の今後の打ち手について、17ページをご覧ください。左下のグラフのとおり、手形・小切手機能の電子化が進む一方、その他証券については2013年度以降、大きく増減しておらず、全国手形交換枚数に占めます割合は年々増加している状況にございます。いわゆる根雪状態になっています。5年で6割の削減を目指すためには、ここの削減も重要なテーマなのですが、その他証券の大半を占めます定額小為替証券及び株式配当金領収書につきまして、関係先にヒアリングを実施した結果、右側の表でお示ししたとおり、利用者側に一定のニーズがあり、抜本的な削減が難しいことが判明しております。現状、ここの解決の糸口は見つかっておりませんが、引き続き、関係者間で協議し、代替策を検討してまいります。
 それでは、次のテーマ、税・公金の収納・支払いの効率化につきまして、19ページからご説明いたします。こちらの分野の取組みは、下の表とおり、まだプランの段階の施策が大層でございます。現在、「税・公金収納・支払いの効率化などに関する勉強会」の下部に実務者級の2つのワーキング・グループを設置し、利便性の向上、効率化に向けた課題の解決方法などについて、検討しております。年度内に報告書を取りまとめて公表する予定としております。ここでの提言を踏まえて実行フェーズに移る予定でございます。
 なお、地方税共通納税システムの稼働を踏まえた対応につきましては、20ページでご説明させていただきます。地方税共通納税システムは、本年10月1日にサービス提供が開始されております。このシステムを利用可能な銀行は左下にお示しのとおりですが、全国の銀行で9割を超えておりますので、このシステムを利用したい事業会社の方にご迷惑をおかけするような事態にはならないと考えております。次のステップとしましては、実際に利用していただく事業会社を増やすことになります。まず、3月決算法人などの申告・納税などに向けまして周知広報をすることがポイントと認識しております。銀行界では積極的な周知広報活動を開始しております。
 さて、これまでZEDI推進、手形・小切手機能の電子化、税・公金の収納・支払の効率化という3つの分野について、ご説明してまいりましたが、これらは全て事業会社の経理業務でございまして、周知広報を行うにしてもばらばらで行うよりも、ワンパッケージで行うほうが効率的と考えております。
 こうしたワンパッケージの取組みにつきまして、22ページでご説明させていただきたいと思います。全銀協では左下にお示しのとおり、経理業務の電子化、効率化の取組みをワンパッケージで説明するポータルサイトを本年10月に開設しております。11月末までの約2カ月間のアクセス件数は約6,500件、まずまずの滑り出しだと思っております。また、本年10月には日本CFO協会が主催いたしますCFOセミナーにおいて、全銀協の決済高度化の取組みを紹介し、参加者の7割の方から参考になったという回答をいただいております。また、企業の生産性向上につながるデジタルツール活用の推進を目的とした企業向け説明会を主要8都市で開催中でございます。既に開催したセミナーでのアンケートを踏まえ、次の打ち手を考えております。
 23ページをご覧ください。セミナーで行いましたアンケートの結果を左側にまとめております。要約いたしますと、各サービスの認知度は相応にございますが、その内容を知らない方が多い。ただし、セミナー後、各サービスの具体的な内容・活用方法をご理解いただいた後は、関心度が相応に高まることがわかりました。ここからサービス内容の周知広報とこれらのサービスが長時間労働解消、生産性向上に資するということのPRが重要ではないかという仮説を立案しております。全銀協といたしましては、この仮説に基づき、インターネットを活用した効率的な広報活動を展開していく予定でございます。また、企業の生産性向上にはオールジャパンの体制でのマーケティングアクションが不可欠と認識しております。今回、主要8都市で開催中でございます企業セミナーは、金融庁、中小企業庁、NTTデータと共同して実施しているものでございますが、引き続き、このような一体的な取組みをしてまいりたいと考えております。
 それでは、次のテーマ、金融機関におけるキャッシュレス化の推進につきまして、25ページをご覧ください。左の円グラフのとおり、2019年上半期、1月から6月におけます都市銀行などのキャッシュレスによる払い出し比率は52.7%となりました。これは2018年下半期の47.5%と比較して5.2%比率が上昇しております。銀行のキャッシュレスの取組みは、進展傾向にあるものと推定しております。
 なお、26ページにはオールバンクのスマホ決済サービス「Bank Pay」の提供状況について、お示ししております。全国の預金取扱金融機関で利用できるデビットカード、J-Debitを運営しております日本電子決済推進機構は、本年10月31日にJ-Debitのスマホ版でございますBank Payのリリースを開始いたしました。まずは利用者のスマホで店頭のQRコードを読み取るMPM方式から先行して一部地域でのサービスを開始しております。来年春には利用者がスマホに表示したQRコードを加盟店が読み取るCPM方式のサービス提供を開始するほか、企業独自のアプリを通じましてBank Payで決済できる加盟店Payサービスの開放などサービスを拡大予定でございます。こうした顧客目線でのサービスを拡大することでキャッシュレス化の推進に貢献していく所存でございます。
 長くなりましたが、私からの説明は以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 全国銀行協会 萩原委員からご説明いただきました内容について、ご意見やご質問がある方は、どなたからでも結構ですのでご発言をお願いいたします。
 加藤委員、お願いします。

【加藤委員】
 日本商工会議所の加藤です。詳細なご説明、まことにありがとうございます。今ご説明があった資料3-1について、発言をいたします。
 5ページ以降、ZEDIに関し、PDCAについて非常に詳しいご説明をいただきました。その積極的な取組みに敬意を表します。日本商工会議所としましては、全国銀行協会、全銀ネット等と連携しながら、ZEDIやでんさいの普及に向けて、まずは各地商工会議所に対し、役員会などの諸会議でのチラシの配付や、全国銀行協会等主催セミナーのPR、先ほどのZEDIポータルサイトのPRなどを推進しています。また、支援する側の責任者である中小企業相談所長に対し、秋の9ブロックでの所長会議でも、重ねてZEDIのリーフレットを用いてPRを呼びかけました。
 ただ、ご存知のとおり、ZEDIやでんさいは、ITを使います。やはり中小企業にとって、IT化というのは結構、心理的にもハードルが高いので、引き続き、IT化の推進についても、粘り強く対応します。
 次に、7ページの今後の活動に関する①S-ZEDIの関係です。もともとS-ZEDIは、中小企業とりわけ小規模事業者がZEDIに簡便に対応できるようにということで、全国銀行協会主催の「XML電文への移行に関する検討会」でお願いして、作っていただいたものです。その際に必要な標準項目については、9ページに記載されていますが、経済産業省、中小企業庁にお願いして、平成28年12月に取りまとめていただきました。ありがとうございました。関係者の1人として、「S-ZEDI」や「S-ZEDIに搭載されている標準項目」が、中小企業以外でも役立ちそうだということで、とてもうれしく存じます。
 また、③主要な商流EDIとの連携強化の記載があります。ZEDIと、その前工程である商流・受発注EDIとの連携が、大変重要です。一連の商流・金流のバックオフィス業務がIT化・データ連携されると、生産性が飛躍的に向上します。本件、経済産業省、中小企業庁がIT導入補助金や中小企業共通EDIの実証実験等を実施されており、関係するITサービスの提供や利用が、どんどん増えることを期待しています。
 最後に、地方税共通納税システムにつきましては、まさに生産性向上に大きく寄与しますので、普及を期待します。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 それでは、戸村委員、お願いします。

【戸村委員】
 今いただいたご説明、直接関連するところではないのですけれども、金融機関におけるキャッシュレス化の推進という点について、少し広い視点からコメントさせていただきたいと思います。
 数年前に「キャッシュレス・ビジョン」というものが出されて、それは社会全体のパイについてのサービスレベルでのビジョンではよかったと思うのですけれども、そろそろキャッシュレス・ビジョン2が必要かなと思っておりまして、その際には、キャッシュレス・ビジョンは小売りレベルの話が中心だったと思うのですけれども、今後はやはり決済システム全体への視野、特に銀行の勘定系システムの設置費用をどのように回収するかまでを視野に入れて施策を考えないといけないなと思ってご説明を聞きました。
 あと、キャッシュレス社会を実現するときにシステム費用が結構主な費用になると思うのですけれども、それは固定費用ですので、現在、事業者で検討されているように従量制の課金が主だと思うのですけれども、個人的には効率的な在り方でないと思うので、キャッシュレス・ビジョン2というようなことを検討する機会があれば、課金のあり方も議論されるとよいと思いました。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 ほかのご意見、ご質問いかがでしょうか。岩原委員、お願いします。

【岩原委員】
 まず最初に、全銀協から大変詳細なご説明、ありがとうございました。
 詳しくご説明いただいた中の手形・小切手機能の電子化のところで、16ページでTHCの問題をご説明いただいたと思いますが、これは多分、船荷証券と交換で小切手を交付するという習慣があることから、その同時履行、引換給付を担保するために小切手が使われているということではないかと考えたのですけれども、そうだとすると、なかなか振込で代替するというのは難しいような気もしまして、そこら辺、どのような工夫があり得るかということを教えていただきたいというのが第1点。
 あと、今説明いただいた4点以外のことをご質問してもよろしいですか。

【森下座長】
 はい。では、まず、その点について、いかがでしょうか。

【萩原委員】
 まさにTHCのところにつきましては、もう少し調査しないといけないと思っております。ご指摘のような同時履行というものもあるかと思いますが、16ページの注釈小さい字で恐縮でございます。航空貨物につきましては、共通プラットフォームなどがあって、振込や外国送金などにて対応というふうにもございます。同じようなことが本当にできないのかというようなことは、もう少しちゃんと調査、掘り下げて調べてから検討してまいりたいと思います。ご指摘、ありがとうございます。

【森下座長】
 それでは、続いてよろしいですか。

【岩原委員】
 よろしいですか。

【森下座長】
 はい。お願いします。

【岩原委員】
 今日のご説明の枠外の問題になるかもしれないのですけれども、最初の2ページのところの11番の大口送金の利便向上というところで、他行宛の日銀ネット振替があまり利用されていないというご説明がございました。資料で申しますと、35ページでしょうか。35ページに日銀ネット振替があまり利用されていないということが書かれています。この日銀ネット振替というのは、いわゆる日銀ネットの付記電文付振替のことでしょうか。そうだとすると、この日銀ネットの付記電文付振替というのは、銀行顧客のためにいわば全銀システムと同じような送金サービスを提供できるはずのものです。それなのに、なぜこれだけ利用が少ないのか。逆に言えば、このわずかな利用というのは、どういう利用のされ方をしているのかということを教えていただきたいと思います。
 海外で見ますと、全銀システムのようなタイプの全ての金融機関が参加する民間の電子決済システムがないせいだと思いますが、日銀ネットと同じような中央銀行のネットワークシステムであるアメリカのFedwire、あるいはヨーロッパのTARGETなどでは、利用の半分以上がいわゆる日本的に言えば付記電文付の顧客のための送金に使われているわけで、十分経済合理性がある利用の仕方だと思います。それなのになぜ日本ではそれほど使われないのか。考えてみれば、全銀システムも現在では1億円以上の大口取引は日銀ネットを通して最終的にLSF口座で決済しているわけですから、同じことをわざわざ全銀システムを経由してやっているということになっているわけで、経済的な合理性として一体どちらのほうが合理的なのか。私、実務を知りませんので、そういうことを教えていただきたいと思います。
 このようにいわば今あることが当然と思われて使われている決済の在り方というのは、前提になっているものを変えてみると、色々変わってくるのではないか。今日ご報告いただきましたような現在ある全銀システム等の既存のシステムを前提に非常に緻密な努力は必要でありますが、同時に、現在非常に大きくネットの環境とか、経済の環境とかが変わって決済が大きく変わっていくときに、そういう前提となるシステムそのものについて考え直してみることも必要ではないかなという気がします。ここの議論の外になるかもしれませんが、例えば今、全銀システムへのFinTech事業者の接続が独禁法との関係で問題になっているそうですが、考えてみれば、FinTech事業者、資金決済業者が中央銀行に口座を持つことができれば、日銀ネットに参加して付記電文付振替により全銀システムに参加したのと同じサービスが提供できるはずであります。
 もっと過激なことを考えますと、中央銀行がデジタル通貨を発行して、そして全ての人や企業が中央銀行に口座を持って決済をすれば、銀行や資金決済業者を介さないでも決済サービスが提供できるし、決済リスクもないという世界になるはずです。ただ、一方、そういうことをすると大変な問題も起きると思います。一国の通貨の供給の在り方とか、経済の在り方に計り知れない影響を与える。例えば、銀行による信用創造などもなくなるわけですから、そういった世界が本当にいいのかといったことは十分考える必要があります。ただ、既に海外の中央銀行ではデジタル通貨の発行を検討、あるいは、実行しようとしているところもあるわけで、そういうことも考えておく必要はあると思います。以上であります。
 もう一つ聞きたいことがありまして、33ページに新銀行間決済プラットフォームにおけるRTGSの課題がある。課題が発見されたということが書かれていますが、具体的にどういう課題が見出されたのか教えていただければと思います。

【森下座長】
 ありがとうございます。
 今、ご質問として2点あったと思うのですが、大口送金の件と新銀行間決済プラットフォームの件。あと、その他、岩原委員からお話のあった点についても、コメントがあれば、お願いいたします。

【小川参考人】
 岩原委員、ありがとうございます。
 前者についてなのですけれども、私どもZEDIの普及などの関係で大企業を訪問いたしまして、あわせてこの大口送金につきましても、ニーズの確認をいたしております。ただ、その中では具体的に強くこういう用途のためにこれを使うのだというお話を伺うことがほぼなくて、ある意味、今ある制度を前提に企業の側でもお考えいただいているようで、こういったものができると大きく便利になるなという話は、私どものほうで聞いている限りはあまり聞こえてこなかったというところになります。したがって、岩原委員がおっしゃるとおり、今の制度に適応してお考えいただいているというのはあろうかと思います。
 岩原委員のご指摘と少しずれてしまうかもしれませんけれども、私ども全銀システムを運営しております全銀ネットでは、今後の全銀システムの在り方などについて、色々と勉強をさせていただく場も設けておりますので、岩原委員がおっしゃるとおりで、今ある制度を前提とするのではなく、新しいやり方というのを色々な観点を踏まえて勉強していきたいと思います。
 2点目のブロックチェーンの実証実験の課題についてなのですけれども、私どもで研究した中では、今ある技術の中では性能が十分ついてこられないような部分があるですとか、取引が増加した場合に遅延する部分が出てきてしまうですとか、あと、セキュリティ対策の面で十分できるかどうかというところについては課題を見出したということでございまして、今後さらに勉強していきたいと考えております。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 岩原委員。

【岩原委員】
 今申し上げたような過激なことを伺いましたのは、そもそも全銀システム自体が非常にコストがかかるもので、大変な資金をかけて銀行界はその更新をやってきているわけですが、今、銀行を巡る経済環境が激変し、銀行以外の資金決済サービスを提供する人たちが現れているときに、全銀システムが今までどおりの形で更新を繰り返してコストをかけていくことが、本当に決済システム全体のコスト・パフォーマンスから考えて最適なのかということを、考える必要があるのではないかという問題意識があったためです。

【森下座長】
 あとはよろしいでしょうか。それでは、中谷委員、お願いします。

【中谷委員】
 全銀協から決済高度化に関する取組み状況について大変わかりやすいご説明をいただき、まことにありがとうございました。
 資料3-1の24ページ以降に金融機関におけるキャッシュレス化の推進について記載があり、その中で26ページには、銀行がQRコード決済に本格的に乗り出すという説明がありました。これは、ユーザーとって選択肢が増えるものですから、歓迎しております。先にこの分野に乗り出した事業者の立場からしますと、銀行との間で公正な競争環境、事業環境が確保されることで、キャッシュレス社会の進展に一層貢献できると思っております。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 翁委員、お願いします。

【翁委員】
 今日のご説明、ありがとうございました。ここで議論しているのは、官民推進会議ということですので、官の方の役割もかなり大事なのかなという印象を受けました。例えば、ZEDIにつきましては、ご説明がございましたけれども、国庫金などを送金するときに、こういったものを活用するということを自治体や国が進めていくということが課題になると思いますし、あと、定額小為替証書というのは、自治体がやっているものですが、これはもうマイナンバーとか、そういうものを活用して、できるだけデジタルな方向に持っていくというようなことを国として推進していくということをやっていけば、こういったことが可能になっていくと思います。また、ゆうちょ銀行がやっているビジネスで、こちらの効率化、ビジネスの効率化にもつながる話だと思いますので、やはり民間と同時に官も色々と、ぜひ力を入れて、この色々な施策を取り組んでいただきたいと思っております。
 それと、先ほど岩原委員がデジタル通貨の話をされたのですけれども、やはり国際的な環境を見ていますと、中国とかスウェーデンとか、そういった中銀のデジタル通貨というような議論がもう既に出始めておりますので、そういったことも視野に入れながら、どういうふうに考えていくかということも含めて、こういった議論を展開していくということは大事だと私も思っております。
以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 河野委員、お願いいたします。

【河野委員】
 ご報告、ありがとうございました。
 私は消費者の立場で参加させていただいておりますので、先ほど全銀協がご発表くださいました内容で言えば、半分はB to Bの話であるものの、残りの部分は、私にも関係があることとして伺っておりました。この間、全銀協を中心に日本の金融システムを世界の潮流に遅れのないようにということでさまざま取り組んでいただいて、そのことに関しては、深く感謝申し上げたいと思います。
 お伝えしたいことが2点ございまして、1点目は、システムや法改正も含めて前進はしたのだけれども、活用といいましょうか、運用のところでやや停滞感があるというところに関しまして、私も先ほどの翁委員のご意見に大いに賛同するところでございます。やはり民の世界だけでは理解や共感の広がりや、加えてコストの問題もありますので、なかなか主流になるというところまでは行かないと思います。ぜひ官の部分で、先ほど翁委員も指摘されましたけれども、国庫金の支払いですとか、地方税共通納税システムの活用ですとか、定額小為替ですとか、私たちの暮らしの中に結構染みついてしまった旧来のやり方というのも大きく変えていくというか、そこの先頭に国、それから、自治体を含めた行政機関が立っていただきたいというのが1点目です。
 それから、2点目はキャッシュレスの推進です。この間、さまざまなサービスが本当に林立しています。消費者側からすると、利便性というのが目先に来るわけです。それに消費税増税に伴う国の応援等もありますので、一見、キャッシュレスが進んだような気にはなっておりますけれども、それが本質なのかどうかというところが非常に疑問に思っております。キャッシュレスというのは、あくまでも手段として社会に実装されたものですけれども、何となくそれが目的化してしまうというふうな状況になっているのではないかと思っております。ぜひそのあたりを整理していただいて、社会の中で本当に使える手段になっていただきたいと思っております。今後淘汰が始まるかもしれません。そのときに本当に知識の乏しい一般ユーザーに被害が及ばないようにということで、ぜひしっかりとした対応をしていただきたいと思います。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。国に対しても要望ということで、翁委員と河野委員からいただきました。ありがとうございました。
 宮澤委員、お願いします。

【宮澤委員】
 ウェルネットの宮澤でございます。キャッシュレス決済の多くはスマホを使うケースがありますけれども、ここで今、普及のために問題になると思われるのは個人認証の問題、なりすましをどうやって防止するかという問題と不正の検出、それから、不正を検出したときにどのような対応をするかというところが大きな課題ではないかと思います。この課題を解決していかないと被害者が出るというようなことがありますから、大きな問題になるだろうと思っております。具体的に申し上げますと、過日、ラグビーのワールドカップがありましたが、これのチケットの転売サイトが非常に大きな問題になっていました。主催者は転売チケットでは入れませんという宣言をしておりまして、でも、決済ができてしまう。そこで相当な人がこれを購入して買えなかったというトラブルがネット上でも大きな事件となっていたわけでございます。
 私もその際にカード会社に連絡をして、これは使えないということになっていて、法制化もされているのに、なぜこれが決済できるのかということについて聞いたわけですけれども、決済の取り消しはいたしませんということで一歩も引かないという状況でございます。それから、さらに消費者庁に私は連絡をしてみました。そうしたら、ホームページには消費者庁としては、これは気をつけてくださいということが書いてあるのですが、お電話申し上げましたら、これ以上のことはできません、そういう権力はありません、権限がありませんということを言われました。来年はワールドカップではなくてオリンピックがありますが、おそらく同じことが発生する危険が極めて高いのではないかと思います。
 そこで、こういう不正に対する対応は全体として官民一体となってやっていく必要があると思っておりまして、例えば、具体的には不正、これはおかしいと思ったサイトは遮断をするとか、決済業者に通達して決済ができない措置をとるとか、あるいは、その金額を保全するとかいうような対策をスピーディーに、かつ窓口を集約して行うということは必ず求められるのではないかなと思います。これらに関しましては、それぞれの事業者がやるというよりは、事業者の判断も迷うこともあろうかと思いますので、しかるべく機関がそれを集約してスピーディーに対応するということが求められると思いますので、ぜひここで皆さん、今後のその機関の設立ですとかいうものに期待をしたいと思います。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 色々と貴重なご指摘をいただきました。ありがとうございました。まさに官民が、それぞれ色々な今後の活動をしていく、検討をしていく上でプラスになるご指摘など多々あったかと思いますので、今後に活かしていただければと思います。
 それでは、ほかにご発言がないようでしたら、続きまして、銀行と電子決済等代行業者との間の契約締結に向けた取組みの状況につきまして、電子決済等代行事業者協会 瀧委員、全国銀行協会 萩原委員よりご説明をお願いいたしたいと思います。それでは、まず、瀧委員、お願いいたします。

【瀧委員】
 電子決済等代行事業者協会の代表理事を務めております瀧でございます。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日、お話しする前提としまして、来年の5月末までの間にAPIを基本線としまして、例外的にはスクレイピングも許容しながら、金融機関と電代業の間の個別契約を進める必要があるというタイムラインの中でやっております。本日は、そういった状況のご支援を賜りたいというところでお話をさせていただく次第でございます。
 まず、1ページ目は金融庁の資料を拝借しているところ、かつ、9月末時点でAPI以外の事業者も含んだ統計ですが、現状をご説明させていただきます。電代業者は登録で言うと60社以上がおりますが、できれば全ての銀行とつなぎたいという要望を持っている会社が少なく見て8社、多く見ると十数社ぐらいいるものと捉えております。その9月末時点での契約状況は、1ページ目の右上に記載されておりますけれども、大体9月末時点で10行以上と契約できているのが5業者、複数行契約しているのが3業者で、大体8業者ではあるのですけれども、この中で一番多かった数字が35というところですので、残り130まで埋めていきませんと、この中の事業者は会計ソフト事業者や家計簿アプリ事業者ですので、同じようなサービス品質を保てなくなってしまう状況が発生します。したがって、契約を円滑に進めて、誠実に協議していくということが喫緊の課題となっております。
 2ページをお開きください。APIは本来、ATMや店舗といった、もともと金融機関が自ら提供されているチャネルに加えて存在する、外部に向けたチャネルであると捉えております。現状の電代業のスコープは、この表では左側の軸で、データを参照することであったり、振込の代行をするところが主眼ではありますが、海外も含めますと下段のように与信のAPIであったり、本人確認のAPIがあるわけでございます。ただ、現状は電代業で業務を営む事業者は、これまでの経緯もあり参照系のプレイヤーがほとんどです。この辺りが契約の中心になっていますが、ただ、ATMで記帳だけとか、残高照会だけをやるというのは付加価値が限定されている感じにはなってしまいますので、より多くの機能が利用されるような世界を求めて、下段の更新系の世界を頑張っていくべきと考えている次第です。
 3ページでございます。外部にAPIを開く意義を申し上げますと、非金融業の方が機動力のあるサービス開発ができるからという点に尽きるかと思っております。記事を引用しておりますけれども、APIを活用して認知症の患者のお子さんがその口座を見守ることができるであるとか、消費増税と軽減税率の対応に対して便利なサービスを提供できるとか、社会課題の解決もニッチとして攻めていく事業者が出てくる、多様なサービスが出てくることで、金融の利便性が上がるということがあります。
 4ページですけれども、APIは金融機関のデジタライゼーションの一丁目1番地だと考えております。やはり、周りのエコシステムに利便性を求めつつも、当面は残高照会のみの協業であると、どうしてもパイが限られてしまう。今後の話を考えていくと、より便利な銀行サービスを色々なプレイヤーが展開できるようにするためにも、金融機関に加えて電代業自身も非常にちゃんと投資をしていくという発想のもとに立っております。今、ある種色々な我慢が強いられるフェーズでもあるというのが正直なところと思っております。
 5ページですが、現状、この残りたくさんの契約を各社が結んでいく必要がある中で、全銀協、地銀協、第二地銀協のご支援を大変いただいているところでございます。色々なご調整を賜りながら、ベストエフォートでの契約交渉の進展がみられております。ただ、そのベストエフォートを尽くしたからといって、必ず全部間に合うというわけでもありませんので、そこには細心の注意が必要と考えております。個別の契約の中でどうしても時間がかかってしまう点というのを3つほど記載しています。1つ目は、各行でたまに手続が異なるとか、最近は契約書のひな形は大分使われるようにはなってきたのですけれども、システム監査に金融機関ごとに差異があるケースに対して、何らか共通化を図るような努力をしているというところです。2つ目は、本来、金融機関の中だけで使われる想定のデータが外に出てくることに関しては、色々な各行のお考えがありますというので、ここもまた大きな論点になります。3つ目は、個人や法人が最終的にデータの使用を行う際にも手数料が発生するケースが出てきております。エンドユーザーは電子決済等代行業という言葉はまず知りません。したがって、ご自身に対して、データの利用に関してコスト転嫁が起きる可能性というのを周知することも結構難しいというところがありまして、そこに対しては特にB to Bのサービスだとお金をいただいているケースが多いのですけれども、B to Cのサービスの場合は色々な丁寧なコミュニケーションが必要だなとも思っている次第でございます。
 そういう混乱を招かないコミュニケーションが来年の5月末に向けては非常に必要になってくるのかなと思っております。ただ、軒並みロジスティカルにできることはベストエフォートで進んでおりますし、私どもも参照系からの先の世界を業として実現していくことが何よりも重要だと思っておりますので、その点に関してご報告申し上げる次第でございます。
 以上でございます。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 では、続きまして萩原委員、お願いします。

【萩原委員】
 それでは、資料4-2に沿いましてご説明をさせていただきます。
 1ページをご覧ください。最初にオープンAPIに対します銀行界としてのスタンスでございますが、全邦銀137行中、信託機能の提供ですとか、債権の管理回収を専門とする7行を除きまして、130行が導入を表明しております。このことからもおわかりいただけるかと思いますが、極めて前向きにとらえている次第でございます。特に銀行と電代業者とのAPI連携というのは、金融界における初の試みでございます。API連携はお客様のデータを安心・安全にやりとりし、お客様の利便性を追求していくことができる手法でございまして、銀行と電代業者との間だけにとどまらず、今後さらに広げていくべき手法だと認識しております。その意味でも、ここでつまずくわけにはいきません。ただ、初めての試みであることから、すんなりと進んでいるわけではございませんで、さまざまな課題に直面していることも事実でございます。
 私どもといたしましては、契約締結期限でございます来年5月末の時点でお客様に混乱が生じることがないよう、そういうことは絶対に避けなければならない、そういう認識のもと、この大命題のもとタイムラインを意識しながら、出てきたネックを電代業者と双方で1つ1つ解決していくことが肝要と考えております。全銀協といたしましては、従前より本件議論に主体的に参加しまして、個別行のオープンAPIに向けました取組みを支援してまいりました。具体的には右側にお示しのとおりでございます。もちろん、経済条件のように独禁法の制約がございまして、全銀協としてタッチできない課題もございますが、本年度上期以降、白抜き文字の下に下線を引かせていただいているような、こちらのような対応も行ってきているところでございます。
 それでは、本年度実施してきたネック解消施策について、簡単にご説明させていただきます。2ページをご覧ください。本年7月、全銀協主催で銀行と電代業者の連携・協働に係る環境整備に関する説明会、こちらを東京と大阪の2カ所で開催いたしました。これは本年6月に全銀協が会員各行にアンケートを取りました。そこで出てきた課題、問題点、悩みについて確認をしましたところ、電代業者との接点を持てていない銀行が相応にございまして、電代業者との連携・協働の具体的な事例ですとか、電代業者が提供するサービスの内容及び利用者のメリットを詳しく知りたいという意見が寄せられたことから開催したものでございます。当時は電代業サイドにも交渉しなければならない銀行が数多くなる中、マンパワー不足でなかなか接点が持てないという課題もあると伺っておりました。この説明会においては、一方通行のプレゼンにとどまらず、参加いたしました121行と電代業者10社におきまして積極的に名刺交換ですとか、意見交換なども行っていただき、効率的な顔合わせ、相互理解につながる会になったと認識しております。
 また、右下にお示しのとおり、11月には地銀協、第二地銀協主催で各行の担当役員向けに電代業者との意見交換会を開催し、一層の相互理解に努めているところでございます。こうした取組みによりまして、銀行と電代業者とのコミュニケーションは格段に改善し、前向きな話し合いができる素地がつくられているものと認識しております。
 3ページにお進みください。足元の取組みをご説明させていただきます。先ほどの瀧委員のご説明にもございましたが、11月に金融庁が9月末時点の契約締結状況を公表いたしました。それを見ますと、交渉を進めているものの、1社ともまだ契約に至っていない銀行が相応にございました。9月末時点ですので、その後、一定の進捗はあるものと思われますが、API連携の場合、システムの接続テストも実施しなければなりませんので、5月末という契約締結期限を踏まえますと、スケジュール的にタイトになってきている事実は認識しなければならないと考えております。そこで、喫緊の課題、それは左側にお示しの大きく2つでございます。1つ目は、電代業者のセキュリティチェックが進んでいないこと。2つ目は、API接続が実務的に間に合わない場合のコンティンジェンシープランという場合の2点でございます。
 こうした課題の解決策としまして、右側2つ目の四角のところにお示ししておりますが、全銀協、地銀協、第二地銀協でスクレイピングに係る契約を検討する場合の留意事項、こちらを取りまとめたほか、3つ目の四角にございますとおり、システムベンダーを巻き込んで電代業者のセキュリティチェック代行スキームというものを考案いたしました。このスキームは、参加する複数、十数行もしくは十数行以上の銀行分のセキュリティチェックをシステムベンダー1社が代行するというスキームでございますので、電代業者、銀行双方にとってスピードアップと負担軽減の効果が期待できると考えております。今月6日には、こうした内容を説明するため説明会を開催しております。全銀協といたしましては、冒頭お話ししましたとおり、API連携推進の意義をしっかり認識し、今後のAPI連携の発展のためにも電代業協会と密に連携をとりながら、最後まで個別行のフォロー、サポートをしてまいる所存でございます。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 色々な課題はあるものの、ベストエフォートベースで銀行も電子決済等代行業者もご尽力をいただいているということだったかと思いますけれども、何かご質問、あるいはご意見ございましたら、いかがでしょうか。お願いいたします。

【加藤委員】
 日本商工会議所の加藤です。オープンAPIについて、まず、国がIT化・クラウド化を進めている中、それに呼応して、商工会議所では、生産性向上対策や10月1日の消費税軽減税率対策等として、中小企業とりわけ小規模事業者においては、高度なITというよりは、まずクラウドサービスということで、「クラウド会計」と「モバイルPOSレジ」と「キャッシュレス決済」の導入・活用を推進しているところです。
 特に「クラウド会計」は、人手不足時代の中、バックオフィス業務の効率化に極めて重要です。また、拡張性が高く、ネットバンキングに加え、先ほどのZEDIなどとのデータ連携も、とても期待が大きいです。その際、オープンAPIが極めて重要ですが、今までお話があったとおり、果たして契約締結の期限が来年5月末までの中、金融機関と電代業者との間で、本当に契約締結が間に合うのかと心配しています。全ての契約が締結されないと、例えば、中小企業がこれまでクラウド会計等で活用していた金融機関のデータが見られなくなり、利用者である中小企業が困ることになります。
 したがって、ぜひ来年6月以降、困る中小企業が1社も出ないような着実な対応が必要です。皆様のご尽力に期待していますが、やはり、まずは制度創設者である金融庁におかれては、これまでもリーダーシップを発揮しているかと思いますが、さらにしっかり発揮していただきたいと思います。その上で、金融機関と電代業者とが連携して、とにかく来年5月末までに、必要な対応をしていただくことが大事だと思います。
 万が一、間に合わず、困る中小企業が1社でも出るということであれば、金融庁におかれては、来年5月末の期限の繰り下げを、ぜひ検討していただきたいと思います。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。

【岡田企画市場局信用制度参事官】
 金融庁でございます。まさに制度所管官庁でもありますし、全銀協、電代業者と日常的に連絡をとって、先ほど来、説明のあったようなことに金融庁としてもできるだけのサポート、それから、何か困るような、ユーザーの方で起きないようにということに努めてまいりたいと考えております。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 それでは、鳥海委員、お願いいたします。

【鳥海委員】
 ありがとうございます。今、瀧委員と萩原委員のお話を伺いまして、このAPI接続のペースが当初期待していたほどはスムーズには進んでいないというふうに伺いました。前半で全銀協がご用意いただいた資料の中にも一覧表で英国のPaymが苦戦しているとか、あと、北欧も含めて収益的にはなかなか厳しい、苦戦しているといった情報が盛り込まれておりましたので、日本における本格展開というのもなかなか楽観は許されないのかなと受けとめているところでございます。API接続を通じて、これはたしか瀧委員がおっしゃっていた言葉だと思いますけれども、Win-Win-Winという関係が実現できるはずだということをどこかの機会でおっしゃっていたと思うのですけれども、すなわち、お客様にとってはユーザー体験の向上であり、金融機関にとっては収益機会の増加につながるはずだということだと思います。
 そういう意味では、接続先の金融機関のこれまでの体験、評価、あるいはこれからの期待はどうなのか。それから、もちろん、お客様の体験、評価、期待はどうなのか、この辺がやはり鍵なのかなと思っている次第でございます。つまり、お客様から、どうしておたくの金融機関、銀行は接続していないのですかといった声が寄せられるような環境をどのようにつくることができるかといったところが鍵なのではないかなと思います。そういう意味では、先ほど瀧委員の説明資料の中で少し触れられておりました、個人のお客様向けだと思いますけれども、高齢者の口座の見守りサービス、こういったものというのは高齢化が加速していく我が国の社会では極めて重要なサービスであることは、もう間違いがございませんので、この辺りをてこに、ぜひこのAPI接続のペースアップが図られることを期待したいと思っております。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 戸村委員、お願いいたします。

【戸村委員】
 数点コメントさせていただきたいと思います。前提としてオープンAPIは社会的な有用性のポテンシャルが高い施策だと思います。それを前提にしたコメントなのですけれども、ただ、API接続サービスがコスト面から付加価値を生むのかどうかは政府としての把握が必要だと思っております。付加価値をざっくりと経済学的に定義しますと、電代業者が利用者に課金できる料金とベンダーと銀行の中間サービス費用の差です。付加価値がない場合に電代業者とベンダーの中間にいる銀行が費用負担をしてサービス提供しろというのは継続が難しいと思うので、あまり良策だとは思わないです。
 そのような場合、なぜ付加価値が出ないのかボトルネックの洗い出しが必要だと思います。もう少し細かい点になるのですけれども、API接続の課金で難しいのは、個人については、銀行側のインターネットバンキングへの課金ができていないというところにあると思います。そうすると、API接続に課金しようとしても、利用者はそのような場合、潜りの業者、今回のマネーフォワードのような業者ではなくて潜りの業者にパスワードを預ければインターネットバンキング経由でAPI接続類似のサービスを受けられるので、そうするとAPI接続料金と現行のインターネットバンキング使用料金の間に大きな差をつくれないことを前提にして話した方が話が早く進むのではないかなと思って伺っておりました。そう考えると、今後のオープンAPI推進にはインターネットバンキングの有料化の検討も必要かもしれないと思います。
 あと数点ですけれども、API接続が、今、色々な理由で付加価値を生まないといった場合はスクレイピングでの接続の許容で付加価値が出るかどうか検討することは必要かなと思います。加藤委員から期限の繰り下げという話もありましたけれども、そういうことになるのかもしれませんが、Webスクレイピング、原始的な技術ですけれども、付加価値が出ればいいので、付加価値の点検が必要だと思います。最後、契約締結プロセス全体の標準化ができれば望ましいと思います。
 最後に1点だけ。公的デジタル通貨の話が出たので一言言いたいのですが、公的デジタル通貨というと中銀という話になりますけれども、別に中銀でなくてもよくて、例えば、我が国ですと、交通系ICが公的なデジタル通貨になってもおかしくありません。したがって、広い視野でこのトピックについては検討するのが望ましいと思います。
 以上です。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 中谷委員、お願いします。

【中谷委員】
 オープンAPIに対する銀行界の取組みとAPI接続の進捗状況と課題についてご説明いただきました。我々は、全銀協と電代業協会の取組みを強くサポートしたいと思っています。ぜひ契約締結完了時までのみならず、それ以降も両者が協働した取組みを進めることによって、さらにこのようなよい取組みが進み、本来の目的が達成できるようになると思います。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 河野委員、お願いします。

【河野委員】
 ご報告、ありがとうございました。オープンAPIに関しましては、技術とデータを上手に組み合わせることで、これまでにない新たなサービスが提供されるのではないかと消費者からも期待をしているところでございます。それで、本流ではないと先ほどのご報告にはありましたけれども、社会課題の解決に資するということで言えば、SDGsのさまざまな目的の達成のためにも、こういった分野での円滑なデータ利用というのは、今後とても役に立つのではないかと思っております。それで、ここから先は私のような知識のない者の受けとめなのですけれども、この間、FinTechということでさまざまな技術が金融サービスの中に入ってまいりました。
 その表層の変化というのと本当の目的というのがどんなふうになっているのかというのを改めて今日の先ほどご報告で考えてみたのですけれども、データ利用における信頼性と、その効果に対する期待度ということを考えますと、キャッシュレス化が進んでいて、スマホ決済等でさまざま集められているビッグデータにしてもデータの集積というか、収集には間違いないわけです。オープンAPIでは、これまで私たちが信頼してきた銀行システムの中に入っている確実なデータを活用していくということで、そちらでのイノベーションということであるとするならば、私たち社会の中で生きていく人間にとって、とても期待できるものではないかと思っています。
 例えば、人生100年時代への備えをどう考えるか。そういうふうなところへのアプローチですとか、先ほど新聞記事で出ていたような高齢化対策として成年後見等がこれからかなり増えていく中での金融の資産活用ですとかコントロールですとか、そういったものに関しまして、同じデータを利用するにしても、どういうデータを利用するのか、どういう出所のデータを利用するのかというところで私たちユーザーにとってみても、そこは大きく期待度が変わるところでございます。ぜひ今色々と課題ができていると伺っておりますけれども、現状の、先ほどお話になったスクレイピングよりはオープンAPIの接続の方がはるかに安全度は高いと理解しておりますので、この仕組みが、期限までに円滑に進みますように消費者側からの期待を込めて発言させていただきます。

【森下座長】
 ありがとうございました。
 本日は活発なご議論をいただきまして、ありがとうございます。また、関係の皆様には本当に大変なご尽力をいただきまして、ありがとうございます。各委員の皆様から今後につながる貴重なご意見を数多くいただいたかと思います。官民協力して本日いただいたご意見を活かして、また次回の会議までに大きな進展が得られるよう、ぜひ引き続きのご尽力をいただけますと幸いでございます。
 それでは、最後に事務局より、ご連絡事項などがありましたら、お願いいたします。

【尾川企画市場局信用制度参事官室企画調整官】
 次回の会合の進め方ですとか具体的な日程等につきましては、改めて事務局よりご案内させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

【森下座長】
 それでは、以上をもちまして本日の会議を終了させていただきます。どうもありがとうございました。
 
―― 了 ――

 

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