金融仲介の改善に向けた検討会議(第8回)議事要旨

議事要旨

1.日時:

平成29年4月24日(月曜日)13時00分~14時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館 13階 共用第1特別会議室

3.議題:

(1)地域金融機関のモニタリングの状況について
(2)表彰制度の基本的な論点について

4.議事内容:

事務局から、「地域金融機関のモニタリングの状況」及び「表彰制度の基本的な論点」について説明した後、以下のような議論が行われた。

(1)地域金融機関のモニタリングの状況について

  •  ○ 地域金融機関は、有価証券運用への収益依存度が高いにも関わらず、限られた人員で運用を行っている。大手地銀でも、取締役会や経営陣に有価証券運用経験者が1人もいない銀行があり、大きな損失を回避するためにも、有価証券運用経験者をどのように確保するかも経営の大事なポイントだと思う。
  •  ○ 同じ地域の複数の金融機関を同時にモニタリングすると、地域金融機関の競合状況などが非常に分かりやすい。いろいろな県で実施して欲しい。

  •  ○ 地域金融機関にとって本当の意味での経営戦略が必要な時期が来たと実感している。顧客に対してどのような付加価値を提供できるのか、競争に勝つために何をするのか、それを実現するためにはどのような組織能力が必要なのかなど、当局においても、地域金融機関との議論や対話の中で是非確認して欲しい。

  •  ○ 地域金融機関は、極めて少ない運用担当職員で多数・多額の投資信託やファンド投資を行っており、それぞれの投資リスクについて理解ができていない実態がある。実際、運用リスクについて、通り一遍の議論はできるが、深い議論、例えば、グローバルな環境変化、為替の問題や政治的な問題などを踏まえた議論を求めても、定型的なやりとりしか出てこない。
  •  ○ 地域金融機関は、必要な人材をコストをかけて外部から採用する必要があるとの認識が低いと感じる。有価証券運用に限らず、コンサルやシステム関係の専門人材は、現在は内部で育成しても間に合わない。地域銀行においては、人事が硬直的になっているため、外部人材を登用して内部の人材を鍛えてもらうというカルチャーがなくなってしまっているのではないか。雇用を柔軟にして、必要な人材を好待遇で迎えられるようにすべきである。

  •  ○ 地域のトップバンクは、収益の確保が難しくなったからといって、信金・信組の営業範囲に進出するのではなく、自分達のコア顧客である中堅・中小企業に対する付加価値提供で稼げるようにしなければいけない。そのための手段が事業性評価ではないのか。事業性評価は、顧客の真のニーズを拾い上げるためのツールの1つであり、それを実践できる組織にするためには、現在、支店が行っている業務の一部廃止や、事務効率を改善させるシステムの導入などを戦略として採り入れる必要がある。銀行にとって、短期的にはコストなので抵抗があるかもしれないが、そうやっていかないと、今の状況は脱せないと感じている。

  •  ○ 現状において、明確に経営の方向性を決められない地域金融機関の経営陣については、このまま経営を任せてよいものか疑問を感じることがある。

(2)表彰制度の基本的な論点について

  •  ○ 金融仲介の取組みの持続性・継続性について、公平性・公正性を確保した審査を行う必要がある。表彰制度が形骸化しないよう、納得感のある仕組みを構築しなければならない。

  •  ○ 応募については自薦を原則とし、各金融機関に自身の取組みを誇示してもらい、応募数が多い場合には、客観的な方法で絞り込めば良いのではないか。例えば、地元の税理士・会計士、観光連盟など、色々な利害関係者の話を聞くと、金融機関の取組みが本物かどうか見えてくるだろう。
  •  ○ 組織的・継続的な取組みではなく、プロダクトや個別のサービスを表彰してしまうと、金融機関は1、2件の案件に取り組んで満足してしまう可能性がある。
  •  ○ 表彰候補となった取組みが営業現場の行動にどの程度浸透しているかについても確認する必要がある。

  •  ○ 受賞金融機関が表彰制度をビジネス上利用できるよう、工夫した方がよいのではないか。表彰の名称や専用のロゴなどを工夫して、例えば、受賞したことを名刺に印刷したり店頭に掲示したりといった営業ツールに使えるようになればよいと思う。
  •  ○ 選考プロセスに、財務局を関与させるのがよい。財務局の金融仲介に係る監督力の向上のためにも、例えば、選考の審査委員会に同席させるなどしたらよいのではないか。
  •  ○ 経営トップが関与していなくても、各部署が行っている良い取組みがあれば、金融機関内の適切な意思決定プロセスを経ることを要せずに応募できるようにしてはどうか。

  •  ○ 表彰された取組みが一過性で終わらないための施策を考えておく必要がある。表彰された取組みの継続性の確保という観点から、審査の目線や要件などをしっかり決めることが重要である。
  •  ○ 組織的・継続的な取組みについて、トップマネジメントがどの程度高い意識を持っているかは確認する必要がある。また、表彰された取組みを実践している担当部等の職員のモチベーションが向上するような仕組みにすることが重要である。

  •  ○ 取組みの持続性を審査するためには、各地域金融機関の仕組みを検証する必要があるが、仕組みの評価は金融機関の表面的な記載振りに左右されてしまいがちなので、作文合戦となるおそれがある。まずは、金融機関の個別案件を評価して、その取組みが組織的・継続的かについてはネガティブチェックにする方が、結果的には、表彰による取組みの持続性の確保に繋がるのではないかと思う。

  •  ○ 取組みが組織的・継続的であるかを判断するのは難しいため、プロダクトや個別のサービスを見て表彰することもあり得るのではないか。ただ、組織的な仕組み自体を評価すると作文合戦になるおそれがあるため、純粋にプロダクトや個別のサービスの内容、そして、その受け手である顧客の声を基準に選定するのも良いと思う。
  •  ○ 総合評価だけではなく、個人賞、法人賞などに区分することも、選択肢としてあるのではないか。

以上

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総務企画局地域金融企画室

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