金融仲介の改善に向けた検討会議(第13回)議事要旨

議事要旨

1.日時:

平成30年3月30日(金曜日)10時00分~11時40分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館 12階 共用第2特別会議室

3.議題:

「地域金融の課題と競争のあり方」について

4.議事内容:

事務局による「地域金融の課題と競争のあり方」の説明に続いて、以下のような議論が行われた。(○:メンバーの発言)

  •  ○ 競争政策のパラメータは、現在の競争を前提として寡占度を測るというものだけでなく、競争の軸そのものを多元化する、変えていくというパラメータもあると思う。後者の方は、産業政策的な色彩が強いため、金融庁が判断すべきである。
  •  ○ 長崎県内の地域銀行の経営統合は、競争制限的な側面はあるかもしれないが、圧倒的に競争促進的な側面が強い。加えて、仮に競争制限的な側面があるとしても、金融庁というモニタリング権限を持った官庁によってコントロールすることができる。これらの点において、一般の競争政策とは大きく違っている。是非、金融庁には、この経営統合に際して、当事行から厳格なコミットメントを取り付け、これをしっかりモニタリングすることを通じ、望ましい競争のあり方を促進していただきたい。
  •  ○ 産業政策的に言えば、今回、地域金融の競争政策において新しいツールができた。更に言えば、他の産業、インフラ的な産業についても同様のことが将来起こるはずであり、その時にも同じ議論が生じると思われるが、本件は、競争政策の新たな次元の扉を開くものになると思う。
     
  •  ○ 競争政策のあり方については、相当考え方を変えていかないといけない。競争政策が従来型であるがゆえに、むしろ消費者にとって不利益が生じたり、競争制限的になったりするのではないかと心配していた。今回の議論は非常に画期的であり、こうした議論をもっと打ち出してもらいたい。
  •  ○ 金融に限らず、サービス業一般、物売りについても本質的には同じことがいえる。サービスというものがあって、それを顧客に満足してもらうというところから立脚して、ビジネスが成立するようにしていかなければならない。
  •  ○ 結局のところ、質の良いサービスを提供することである。顧客に満足して選び続けてもらうことが1にして10であり続けるようにするにはどうしたらよいかである。こういうサービスをしたので、顧客がお金を気持ちよく払ってくれてリピーターになってくれるというレンジの中で一番高いところを提案するというのがフィーの本質であり、金利でも同じことが言える。そこにどれだけ早くシフトできるか。ここがポイントであり、あまり競争政策は重要ではないのではないか。
  •  ○ 消費財を売っているようなところでの競争環境は別かもしれないが、それ以外のもの、例えば、高額品であったり、その物を買うことにより付加価値が付いてくるもの、無形のもの、金融もそうであるが、これらは、本質的に競争政策という議論にはなじまない。いかに質の高いサービスを提供し、気持ちよくリピーターになってくれる程度のお金をいただくというサイクルを持続させることが軸ではないか。
     
  •  ○ 金融機関は、金融庁による検査・監督の下にあり、合併等についても、金融庁による審査とモニタリングを受けるので、そこできめ細かく中身を見ることが、重要なポイントである。
  •  ○ 長崎県は、信金・信組のネットワークが全くと言っていいほどなく、地域銀行以外に広く地域金融の受け皿となるところがない。長崎県内の地域銀行同士が経営統合することにより当事行が県外資本になる。限りなくメガバンクに近い県外地域銀行が株主となるので、そのような株主の下で、いかに調和のとれた経営を行うことができるかが要求される。こういった状況の中で、金融庁は、難しい審査・モニタリングが求められる。
  •  ○ 地元企業の立場で考えてみた場合、一番懸念することは、ミドルリスク層を面倒見てくれるかどうか。二番目は、過疎地へのコミットメントがあるかどうか。三番目は、顧客である事業者に対して経営改善や事業再生を行ってくれるかどうか。この3つの重要な視点について、金融庁による審査・モニタリングでしっかりと見ていってもらいたい。
     
  •  ○ 人口減少により世の中が変わっていく中で、地域金融における競争政策を従来どおりのシェア論で考えることはいかがなものか。
  •  ○ 金融庁というモニタリング機関があるため、統合後のビジネスモデルを金融庁がしっかりと審査し、モニタリングしていくべきである。
  •  ○ シェア論については、今の時代においては、県内・県外という考え方でなく、隣接していれば同じ経済基盤として考えることもでき、行政単位に縛られる必要はないのではないか。特に金融仲介については、一つの地域内で考える必要はない。
     
  •  ○ この問題は決して金融機関に限られず、他の産業にも関わる問題である。未曾有の人口減少下において、この最先端の社会的・経済的課題にどう対峙していくか。日本は世界に先駆けて対応していくべきである。
  •  ○ 世界的なIT企業に対する公正取引委員会の対応等を見ていると、物売りに対するのと同じ対応をしている印象がある。そう思うと、今回の問題は、公正取引委員会だけで解決できるレベルを超えてしまっているのではないか。
  •  ○ 合併・買収等の案件を進めている中で、常々不自然に感じているのは、公正取引委員会も含めて各省庁等は共通して消費者の福利増大に資するかどうかという観点で審査をしているにも関わらず、各々が別々の法体系で無関係に審査を行っていることである。このようなことが続くと、今後様々な分野において「合成の誤謬」のような事態が生じうる。そのようなことにならないよう、このような問題に対し、政府全体でどのように対応していくかを議論してほしい。
  •  ○ 公正取引委員会は、いわゆる三条委員会として独立性が高く、準司法機関的な位置付けであるが、アメリカの司法省は、そこまで独立性が高い機関でなく、政府部門の一部局という位置付けで、各省庁との連携・議論を図っている印象がある。
     
  •  ○ 金融分野だけではなく、日本全体の中での競争政策のあり方を政府全体で検討する必要があると問題提起したことに意味がある。これを具体化し、実現していく必要がある。
  •  ○ 長崎県は、長崎・佐世保への人口集中等により、雲仙・島原や離島において更に急激に人口が減っていく。このような中で、従来どおりに貸出シェアで独占・寡占を問うのではなく、むしろ多元的な競争をどう実現していくか、地域の安定的なインフラをどう確保していくのかが、非常に重要である。これらを金融庁にモニタリングしていただきたいが、モニタリングの内容が非常に問われることとなるので、金融庁の中でよく議論してほしい。
  •  ○ 今後の競争を促進する上で金融庁には大事な役割を担っていただきたい。また、今回の議論を契機に、総合的な競争政策のあり方を政府全体で議論してほしい。
     
  •  ○ 公正取引委員会が考えている選択可能性は、現時点でどうかという視点が強い。10年くらいの期間で考えた場合の、顧客の広い意味での選択可能性を維持するという観点が重要。
  •  ○ 地方自治体は制度融資という手段も持っているので、協力することにより、より実効的な監督もできるのではないか。
     
  •  ○ 本件は立法で対応することも視野に入れるべきではないか。
     
  •  ○ 適切な競争を実現する観点からは、借り手企業の側から金融機関に対して、自分の会社の内容についての情報提供といった積極的な働きかけも重要ではないか。
     
  •  ○ 貸出額シェアのみで金融機関の市場支配力を見るのはよくないという意見がある。諸外国においても、銀行の競争政策については、貸出額シェアなどの伝統的な分析だけでは十分でないという指摘がある。これらの点も踏まえて、議論していくことが重要である。
  •  ○ 現在、金融機関の経営統合に対する審査は、公正取引委員会と金融庁が各々独立して行っており、海外でのやり方と異なっている。競争政策を政府全体で検討するのと同時に、公正取引委員会と金融庁との間のやり方について何か一定のルールを設ける必要があるではないか。いつまでも議論が収束しないと、その間に地元経済が衰退してしまうし、金融機関の体力もなくなってしまう。この問題は、政府全体で受け止めてほしい。

以上

 

お問い合わせ先

監督局地域金融企画室

 Tel 03-3506-6000   (代表) Fax 03-3506-6174   (内線2553、2591)

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