「企業のリスクマネジメントの高度化に向けた検討会」(第1回)議事要旨及び資料

議事要旨

1.日時:

令和7年12月10日(水曜)14時00分~16時15分

2.場所:

オンライン

3.議事内容:

  • (1)事務局説明(資料1

     検討会の趣旨・目的、足元の環境の変化、本検討会の進め方等
  • (2)日本損害保険協会からの発表(資料2

     企業を取り巻くリスクの多様化と連鎖化、企業のリスクマネジメント高度化の必要性、損保業界が目指す方向性、損保会社の具体的な取組事例等
  • (3)コカ・コーラボトラーズジャパンからの発表(資料3

     リスクマネジメント体制、リスクマネジメントの取組、リスクマネジメントの課題等
  • (4)旭化成からの発表(資料4

     リスクマネジメントの課題と対応、企業側から見た日本の損害保険市場の状況等
  • (5)ボストン・コンサルティング・グループからの発表(資料5

     海外におけるリスクファイナンス事例、リスクファイナンスを通じた企業の競争力強化等
  • (6)意見交換

     (1)から(5)の説明や発表を踏まえ、意見交換を実施した。
     意見交換においては、日本企業では、リスク把握・評価・分析や人材育成を更に発展させる余地があり、保険キャパシティ縮小や国際基準との乖離が課題となっているといった意見が出た。また、保険とリスク管理の連携強化、代替リスクファイナンスの活用、経営層への動機付けや金融機関の意識改革への期待についての意見も出た。概要は以下のとおり。
    • (日本企業のリスクマネジメントの現状と課題)
      • 日本企業は、リスクの把握・評価・分析が企業文化として十分に成熟していないと指摘されることがある。
      • また、工場の老朽化や熟練工の減少による人材不足が事故増加を招き、その結果、保険料が高騰している。
      • さらに、企業から損害保険会社へ正確なリスク情報が提供されていないことや、保険購入が総務部で事務的に扱われるケースが多いことも問題である。
    • (保険キャパシティと代替リスクファイナンス)
      • 直近2~3年で保険キャパシティは大幅に縮小している。また日本の保険料水準は海外より依然低廉であり、日本企業は更なる保険料上昇を覚悟する必要がある。
      • こうした状況に日本企業が対応するためには、リスク移転及び保有手段の多様化が必要であり、海外直接付保やキャプティブ活用のための規制緩和も検討するべきではないか。
      • さらに、保険に限らず、キャットボンドなど他のリスクファイナンス手法の検討も重要である。
      • しかし、こうした日本企業の動きに対し、保険会社の協力姿勢には濃淡があり、全面的な支援を得ることは課題となっている。
    • (人材育成と企業文化改革)
      • リスクマネジメントは本来企業の成長投資とは両輪の関係にあるが、専門人材の配置は欧米企業に比べて進んでおらず、特に、国内外においてグローバルに活動している企業においては専任者の設置や学習機会の提供、更なる人材流動化が必要である。
      • また、政府による啓蒙活動を通じて「リスク管理=経営管理」という認識を浸透させることも重要である。
      • さらに、リスクマネジメントの高度化には経営層への動機付けやインセンティブが必要である。
      • 加えて、日本では利益保険への加入率が低いものの、経営コミットメントに関する利益保険や事業継続を目的とする保険など、目的に応じた保険活用を広めることも重要である。
    • (国際基準との乖離)
      • 日本の安全基準は国際基準と乖離しており、消防法などの国内基準は海外保険市場の要求水準より低いのが現状である。また、この乖離を是正することで、グローバル市場での保険調達が容易になる。
    • (保険とリスクマネジメントの連携)
      • 現状では、全社的なリスクマネジメントと保険リスクマネジメントが分断されている企業も多いとの声もある。一部企業では、グローバル保険プログラムを「リスクセンサー」として活用し、情報収集・報告の仕組みを構築している事例もあり、保険プログラムを単なるリスクファイナンス手段としてだけではなく、グループ全体のリスク情報の統合、全社リスクマネジメントへの活用も視野に入れるべきである。
    • (企業・保険会社双方の課題)
      • 企業側では、リスクマネジメントを成長投資と捉え、早期対応や説明責任の仕組みを整えることが必要である。また、TCORなどのリスク指標などを用いて保険による効果をいかに定量的に提示していくか議論できると、リスクマネジメントの横展開に向けた肝になるのではないか。
      • 一方、保険会社側では、保険料の適正化による収益性・キャパシティの改善や、新種リスクへの対応が求められる。
    • (金融機関の役割)
      • 融資先の保険カバー状況への意識は低く、特にLBO融資や沿岸地域への融資では保険や災害耐性を重視することが大切である。金融機関の意識改善にも期待したい。

以上

資料

資料1
事務局説明資料(PDF:547KB)
資料2
日本損害保険協会資料(PDF:1,025KB)
資料3
コカ・コーラボトラーズジャパン資料(PDF:484KB)
資料4
旭化成資料(PDF:1,258KB)
資料5
ボストン・コンサルティング・グループ資料(PDF:1,114KB)

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