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「企業のリスクマネジメントの高度化に向けた検討会」(第3回)議事要旨
議事要旨
1.日時:
令和8年3月24日(火曜)15時30分~17時00分
2.場所:
オンライン
3.議事内容:
(1)事務局説明
本検討会の報告書案、報告書概要案(2)意見交換
(1)の事務局説明を踏まえ意見交換を実施した。意見交換においては、報告書案の修正に関する意見のほか、企業の取組の現状と取組の促進、外国保険会社との関係、海外の保険会社との関係、海外直接付保とキャプティブについての政策的な検討、機関投資家への情報開示、機関投資家の視点、今後の対応についての意見が出た。概要は以下のとおり。- (報告書案の修正に関する意見)
- 企業内代理店の役割に関する記述の見直し
企業内代理店は主に国内保険を扱っており、グローバルプログラムの海外証券には関与していないケースが多い。そのため、役割の観点で記載の仕方を再検討した方が良い。
- キャプティブから再保険への移転に関する実態
制度上は再々再保険へのリスク移転が可能でも、現実には日本企業の場合はアンダーライティング情報の不足や防災設備の不十分さなどからキャパシティ不足でも再保険が付かないケースがあり、キャプティブにリスクが残りやすい。現状に即した修正が必要である。
- リスク転嫁手法の位置づけの明確化
海外で紹介される複数のリスク転嫁手法は汎用的ではなく限定的なもので、本流はグローバル・スタンダードとしての保険組成にある。この点を冒頭で明確にしたうえで、個別手法を紹介する構成が適切である。
- 企業内代理店の役割に関する記述の見直し
- (企業の取組の現状と取組の促進)
- 日本企業ではリスク委員会の設置やERM導入が進む一方、把握したリスクと保険によるリスク移転が結びつかず、経営陣の理解も不十分なケースが多い。実態が伴う運用となるよう、経産省や金融庁による後押しが期待される。
- 企業が多様なリスクファイナンス手段を活用できる環境整備や、保険リスクマネジメントを企業全体のリスクマネジメントの中核として位置づけることが重要である。制度が整っても企業側の意思・体制が伴わなければ効果が出ないため、保険を単なる購買業務と捉える意識を改めるなど、企業内部の意識改革が不可欠である。
- (外国損害保険会社との関係)
- 一部の外国損害保険会社から出ている意見としては、仮にキャパシティがあっても保険のカバーを提供出来ない理由として、データやサーベイレポートの不足、あるいは工場設備が国際基準と異なるといった点があがっている。例えば、日本ではスプリンクラー設備が一般的ではないなど、海外の基準との違いが引受の妨げになるケースもある。本検討会や今後の活動を通じて、企業のリスクマネジメント文化が国際基準に近づきリスクファイナンスが利用しやすくなることを期待している。
- (海外の保険会社との関係)
- 海外保険会社との対話では、引受判断は必ずしもビジネスライクではなく、企業側が背景や取組を直接説明することが信頼構築や引受拡大につながる。日本企業に不利な点があっても、自主的なリスク対策を示すことで理解を得られる場合がある。人間関係を含む丁寧なコミュニケーションが重視され、企業が自らリスクを語り、対等に交渉する姿勢が重要である。
- (海外直接付保とキャプティブの政策的な検討)
- 企業向け損害保険の引受会社が限られるため、損害保険の調達が難しくなっており、海外直接付保やキャプティブなど代替手段の重要性が高まっている。
- 海外直接付保に関する金融庁の取組について、日本の損害保険市場の現状を踏まえると、日本企業のリスク管理が国際基準に追いつくまでの間は海外の損害保険会社による引受が難しいケースもあるため、企業側がグローバル・スタンダード化してから、法規制の検討を進めるべきではないか。
- (機関投資家への情報開示)
- 企業のリスクに関する情報開示は、企業側のインセンティブとなり投資家にとっても有益である一方、企業の規模やリスク特性が大きく異なるため、形式的に開示を強化すると誤解や混乱を招く可能性がある。特に保険料のような数値は免責金額や保険条件など契約条件が異なるため単純数値比較には適さない。
- IRなどによる積極的な情報開示は企業内部の議論を促す効果がある一方、形式的な報告が目的化しないよう配慮が必要。キャプティブなどの制度を整備する際も、制度利用自体が目的とならないよう留意すべきである。この点において、保険会社やブローカーが企業のリスクマネジメントの向上を支援する役割を果たすことが望ましい。
- (機関投資家の視点)
- 投資家の視点では、企業を取り巻く多様なリスクについて、個別対応にとどめず、経営戦略や意思決定プロセスにどのように統合するかが重要だと考えている。また、リスクマネジメントは守りの施策にとどまらず、中長期的な企業価値向上につながる点は、投資家との対話においても重要な視点であると認識している。ただし、リスク対応や管理手法は業種やビジネスモデル、経営環境によって大きく異なるため、各企業が自らの特性に応じて柔軟に取り組むこと、そしてその内容が適切に開示されることが重要と考えている。投資家としても、画一的な対応を求めるのではなく、企業が自らのリスクをどのように認識し、それを経営にどのように統合しているか等の対話を重視してまいりたい。こうした取組が企業のレジリエンス強化や資本市場の活性化につながるものと考えられる。
- 検討会で共有された、欧米における資本市場の規律や株主との対話がリスクマネジメント高度化に寄与してきたという点は大変参考になったと感じている。日本でも同様の市場環境を踏まえてリスクマネジメントが高度化していくことを期待している。
- (今後の対応)
- 制度整備には時間がかかるため、法律制定だけでなく、ガイドラインや指針の改訂など、運用面でスピード感を持って改善を進められる手法を組み合わせることが有効ではないか。
- 事業会社を取り巻く環境は変化が速く、リスクマネジメントの実務も迅速な対応が必要である。法改正には時間を要するため、可能な事項はガイドライン改正などで早期に対応を進めていただきたい。他方、実務面では、損害保険会社のシステム整備の遅れにより、仲立人手数料の直接払いへの対応が遅れた事例や、キャプティブを活用したグローバル保険プログラムで現地元受から本社への出再、その後キャプティブ出再となることにより手数料が二重発生する課題がある。このため、事業会社・損害保険会社・仲介者それぞれが早急に実務面のアップデートを進める必要があり、対応が遅れれば、事業会社の国際競争力が損なわれる可能性がある。
- (報告書案の修正に関する意見)
以上
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