「気候変動リスク・機会の評価等に向けたシナリオ・データ関係機関懇談会」(第10回)議事要旨

1.開催日時及び場所
日時: 令和6年3月19日(火曜日)10時00分~12時00分

場所: 中央合同庁舎3号館2階国土交通省水管理・国土保全局A会議室 及び オンライン

2.出席者
民間企業(敬称略・五十音順)

大金 義明 東京海上ホールディングス株式会社 リスク管理部 グローバルリスク管理グループ マネージャー
小川 明子 第一生命保険株式会社 責任投資推進部 スチュワードシップ推進室 マネージャー
古賀 喜郎 東急不動産ホールディングス株式会社 グループサステナビリティ推進部 企画推進室 室長
斉藤 圭  日清食品ホールディングス株式会社 経営企画部 次長
中井 義雄 農林中央金庫 統合リスク管理部 部長代理
七星 正史 株式会社京葉銀行 リスク管理部 リスク管理グループリーダー
三木 誠  株式会社日本取引所グループ サステナビリティ推進本部 事務局長

三村 玲緒 株式会社常陽銀行 リスク統括部 信用リスク管理室 調査役
宮下 裕美 株式会社みずほフィナンシャルグループ リスク統括部 サステナビリティリスク管理室 室長補佐
矢野 順一 東日本旅客鉄道株式会社 グループ経営戦略本部 経営企画部門ESG・政策調査ユニット マネージャー

関係省庁等
金融庁
文部科学省
農林水産省
経済産業省
国土交通省
環境省
土木研究所
国立環境研究所
日本銀行

 

3.議事
発表に対する質疑応答やコメントは以下のとおり。

  • 気候変動リスク・機会の評価を実施する上では、評価に用いるツールを理解することが難しい。
  • 気候変動の適応策を開示することで、企業のレジリエンスをアピールすることができる。一方で、例えば生産拠点となる工場における適応策の開示は、各社自由演技になりがちで評価しにくいかもしれない。
  • リスクの評価結果は、クリティカルな数字がでるがゆえに開示しづらい。手法が向上し有用度が増せば増すほど開示が難しくなるのではないか。
  • 国土交通省による企業の水害リスクに関する情報開示の実態調査は、開示に取り組む企業にとっても、リスクの解析ツールの選定などにおいて参考となるのではないか。
  • 国土交通省による調査結果において、財務影響評価の結果を金額の形で定量的に開示している企業は金融業が多いという説明があった。これは、TCFD の成り立ちから金融にバイアスがかかった結果の可能性がある。現在は多様なサステナビリティに関する開示基準があるが、今後はISSB に一本化されていく流れであり、このバイアスも是正されていくのではないか。
  • シナリオ分析にあたっては、目的を考えることが重要。何が重要なリスク因子になるかを特定することが目的であれば、定量的な結果を開示することは二の次なのではないかと思う。
  • いくつかの海外の学術論文によると、前回大きな災害が起こってからの時間が、災害対策を取るかどうかを決める決定的な要因になっている。ハザードマップ上でリスクがあるというだけで行動を起こすのはなかなか難しいのではないか。
  • 気候変動リスク・機会の評価にあたっては、データの関係で行き詰まる点がいくつもある。必要なデータがない、データはあるかもしれないが本当に必要なものに辿り着けない、データは見つかったが理解できない、の全てである。知見のある人がいないと利活用できないし、どこに尋ねるべきか分からない。
  • リスク・機会の評価の結果は、細かな数字を出すところまで分析しているが、将来予測なので荒い情報も含まれており、そのまま開示することに懸念がある。
  • 地球温暖化によって、自然災害の被害拡大もあるが、直接災害の被害を受けない地域でも熱中症により労働生産性を低下させるという影響もあると考えられているが、それをどのように算出すべきか分かりかねている。  
  • 海外の関係者と意見交換したときも、4度シナリオを考慮に入れるのは有意義という共通認識だった。ただ、1.5 度目標やパリ協定を否定することなく、開示ベースで議論するのは難しさもあると思う。  
  • 検討したシナリオを現場に落とし込む際、現場の受け止めに部署間の意識の差がある。コミュニケーションする際の工夫として、非現実的な想定とやや現実に即した想定の違いを分かりやすく伝えるなど心掛けている。また、取組みがビジネスチャンス、利益につながるということも意識して伝えるようにしている。
  • 気象庁の取組について、日本全国を対象にした分析だと、大まかなデータの方がトレンドが見えて良いと思う。他方、対策に落とし込む際には、細かなデータがあればあるほど有難い。
  • 企業の気候変動リスク・機会の評価においては、2030 年、2050 年という形で設定して分析をしている。他方、データとして用いるd4PDF は、2度、4度という温度ベースの表現となっているので、2度、4度の設定がIPCC でいうとどのくらいの年代に相当するかを出していただけると有難い。
  • 極端現象として、大雨だけではなく台風に伴う強風等にも対象を広げて開発いただけると有難い。
―― 了 ――
お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

総合政策局総合政策課サステナブルファイナンス推進室(内線 2920、2840)

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