評定制度研究会(第6回)議事要旨

1.日時

平成17年3月16日(水)13時30分~15時30分

2.場所

中央合同庁舎第4号館4階 共用第2特別会議室

3.議題

  • 評定制度に係る論点

4.議事内容

  • 事務局より、評定制度に係る論点についての説明があった。

【自由討議での主な意見等】

(評定結果と行政対応について)

  • 被検査金融機関に対する評定結果の通知、評定基準の公表を行うことによって、検査後の監督上の措置や検査周期の長短等の選択的行政対応に対する予見可能性を与えることは重要である。

  • 評定結果に対するインセンティブの付与については、監督上の措置が伴う悪い結果の場合のみを論じるのではなく、良い結果の場合は許認可等の審査の際に配慮するといったような対応の可能性についても、この研究会の場では難しいかもしれないが、検討はできないか。

  • 主要行の場合、通年・専担制なので、検査周期は年1回であるが、検査の深度、範囲、さらに期間などで、メリハリを考えるべきではないか。

  • 被検査金融機関においては、監督上の措置に繋がる評定制度が新たに導入されるとの認識を持つのではなく、検査結果の通知が、文書によるアナログ的な通知から記号によるデジタル的な通知になることにより、金融検査の透明度が従来より高まるとの認識を持つことが必要。

  • 米国において、評定結果と行政対応の関係については、評定結果が直接的に業務改善命令等の処分にリンクしているのではなく、より詳細なモニタリングを実施するか否かの判断基準となっていると理解している。

(経営管理について)

  • たとえ個々のリスク管理が良好であっても、ガバナンスが欠けていることによって、金融機関経営が危うくなるということもあるのではないか。特に重大な問題が生じたときに、トップが如何にガバナンスを発揮できる態勢になっているかどうかが、重要である。このような観点から、ガバナンスを独立した評定項目とすることの適否を検討する必要がある。

  • ガバナンスは重要ではあるが、そもそも検査マニュアルのチェックリスト自体の中にガバナンス的要素が溶け込んでいるので、敢えて独立させる必要もないのではないか。

(地域貢献について)

  • 立入検査において地域貢献に対する検証を行うのは難しいのではないか。地域貢献については、オフサイト・モニタリング等も通じ、総合的に評価するべきものではないか。

  • 地域貢献や収益性については、本来、自主的な経営判断に委ねる事項であり、地域貢献として行われている施策が金融機関の健全性等に影響を及ぼしているような場合には、検査対象とするなど、銀行法等の目的を踏まえた検討が必要ではないか。

  • 地域貢献については、本来、市場規律の下、金融機関の経営判断に委ねられるものであることを念頭におき、今後の検討に当たっては、金融審議会の報告等を踏まえ、地域貢献に対する評定上の考え方を明確にする必要がある。

  • 地域貢献を独立した評定項目とすることに対する検討に当たっては、中小企業金融に対する評定事項との整合性に配意する必要がある。

  • 地域貢献に対する検討に当たっては、中小企業金融への取組みだけではなく、ペイメント・システムや消費者金融に対する金融機関の取組みについても勘案する必要があるのではないか。

(収益性について)

  • 収益性に対する評価は、重要な事項であり、本来的に金融検査の一環として実施すべきとの考えもあるのではないか。ただ、当面は、検査マニュアルの枠組みを踏まえた評定制度を目指すべきということであれば、収益性は中長期的課題ということか。

  • 立入検査においては、自己資本比率に係る水準の検証後に今後の収益動向の検証等を行っており、また、オフサイト・モニタリングにおいても様々な収益指標を報告徴求対象としているなど、現行の検査・監督行政において収益性について全く検証対象としていないということはない。ただし、収益性について独立した評定項目とすることについては、今後の検討事項であるものと考えられる。

  • 健全性の観点からは、リスクプロファイルに見合った収益性を確保することが重要。これから平時の議論をしていく中で、改めて収益性をどのように位置付けていくかという議論をするタイミングではないか。

(評価段階数について)

  • 中間レベルの評価を設けた場合、金融機関に対する経営改善に向けたインセンティブが弱くなる懸念がある。

  • 限られた検査の期間の中で、検査官に評価の甲乙が明確となる偶数段階の評価が本当にできるのかを良く考える必要がある。

  • 総合評価をしないのであれば、個別評価で偶数段階の評価をし、甲乙を付けるのは、比較的容易となるのではないか。また、その金融機関の優れた部分と劣っている部分とが明確になり、その後の経営改善に向けた取組みにより役立つのではないか。

  • 評定項目・基準を明確化することにより、検査官による判定のバラツキが生じるとの懸念は防げるのではないか。

(評価手法について)

  • 評定を行うに当たっては、プロセス面だけでなく、資産内容等の実態面も勘案する必要があるのではないか。

(意見申出制度について)

  • 誰が最終的な評定結果を決めるのか、ということは重要な点である。検査結果通知の時点までに評定結果が被検査金融機関に通知されないのであれば、監督上の措置が行われる前の段階での意見申立の機会を設ける必要がある。しかし、エグジットミーティング等の検査現場において十分双方向の意見交換を行い、レベル感のようなものを予め示すのであれば、現行の意見申出制度でも対応可能ではないか。

  • 検査結果通知まで評定結果を伝えないとした場合、被検査金融機関との間の緊張関係の期間がいたずらに長くなる懸念があり、経営改善に向けた取組みが後手に回ってしまいかねないのではないか。

  • リスク管理態勢自体の評価に対して意見申出があった場合、極論すれば再度検査を実施するということにもなりかねず、従前以上に検査現場における双方向の意見交換・共通した認識形成が重要であり、個々の共通認識を積み上げたうえで、エグジットミーティングの場において、できる限りの双方の共通認識の下での評定結果を伝えることが必要か。

お問い合わせ先

金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
検査局総務課 瀬戸口(内線2575)
横山(内線2576)
木村(内線2517)
本議事要旨は、暫定版であるため、今後修正があり得ます。

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