評定制度研究会(第12回)議事要旨

1.日時

平成17年5月11日(水)13時30分~15時30分

2.場所

中央合同庁舎第4号館9階 金融庁特別会議室

3.議題

  • 各評定段階基準及び着眼点

4.議事内容

  • 事務局より、各評定段階基準及び着眼点についての説明があった。

【自由討議での主な意見等】

(自己資本管理について)

  • 評定に当たって、検査前後における自己資本比率の乖離率は必要な指標であるとは考えられるが、年度等によりブレがあることをどう考えるか。

  • 乖離率は、業態や規模の違い、経済環境などで変化するものではないか。

  • 乖離率は、むしろ検査官と金融機関の目線がどの程度統一されているかによるものであり、マニュアル検査が3巡目、4巡目となると、乖離率はおのずと少なくなっていくのではないか。

  • 評定制度を経営改善に向けての動機付けにするという観点から考えると、大半の金融機関が簡単にクリアできるようでも、また逆にほとんどがクリアできないようでもいけない。乖離率の基準は、過半数以上の金融機関がクリアしており、また、残りの金融機関も少し努力することによりクリアできるくらいが良いのではないか。

  • 乖離率の「大」「小」の判断基準は、金融機関側から見れば、大きければ大きいほど有難いが、金融機関にインセンティブを与えるという評定制度の趣旨から考えれば、合理的な水準とする必要があるのではないか。

  • 乖離率は相対評価の指標であるとすれば、金融機関のカバー率を固定し、全体の乖離率の変動に伴い、判断基準は適宜更新するべきではないか。

  • 乖離率を相対評価の指数とした場合、乖離率が大きいと判定された金融機関が改善に努めたとしても、全ての金融機関の乖離率が縮小したために、上位評価が得られない場合も想定され、金融機関に与えるインセンティブの効果が減じることが懸念されるのではないか。

(信用リスク管理態勢について)

  • 市場取引に係る信用リスク管理態勢について、内部監査部門による監査の状況に着眼するとあるが、統合リスク管理の一環として管理が行われていれば良いのではないか。

  • リスク管理部門と内部監査部門とは役割を異にしており、内部監査部門による監査の実効性に着眼すること必要であると考えられる。

  • 適正な貸出金利体系の構築に係る評価に当たっては、その時々の市場における競争環境や営業施策なども勘案する必要があるのでないか。

(「顧客保護等」における地域貢献について)

  • 地域貢献等について、どのような計画を立てるかは各金融機関の自主性にまかせるとしても、開示された情報が正確か否かについては、監督当局としてはしっかり見ていく必要があるのではないか。

  • 地域貢献にかかる情報開示は、法的に義務付けられているものでなく、開示内容も任意となっているにもかかわらず、銀行法等に基づく不良債権比率等の情報開示と同列に扱い、オフサイトのみではなくオンサイトにおいても検証する必然性があるのか疑問。

  • 開示すべき内容やその基準が明確にされておらず、また、どのような内容を開示するかについても任意としている現行の制度では、どのような場合に金融機関の情報開示が不正確であると判断されるのかが不明確であり、検査実務面において支障が生じるのではないか。

  • 各金融機関が任意に目標等を設定し実行する地域貢献について、その情報開示の正確性を評定項目とした場合、各金融機関は検査を意識するがために達成が容易で検査官に対する説明が行い易い目標設定に陥る懸念があり、リレーションシップバンキングの本来の趣旨に沿わないものとなってしまうのではないか。

  • 地域貢献については、本来、プラス評価の要素とすべき事項であり、オフサイトにおいて十分に検証できないからといってオンサイトで検証し、不適切な事例があればマイナス評価とすることはリレーションシップバンキングの趣旨にそぐわないのではないか。

  • 設定した目標自体を検査の検証対象とはせず、目標の進捗状況にかかる開示情報の正確性に絞って検証するとした場合においても、目標の設定内容自体が検査において立証し易いアウトプット的なものとなる懸念は拭えず、顧客満足度を高める等のリレーションシップバンキングの趣旨に沿うような目標が設定しにくくなるのではないか。

(評定結果と選択的行政対応について)

  • 評定結果を検査周期にのみ反映させるのでは不十分であり、検査範囲、検査深度にも濃淡を付ける必要がある。その場合、どのように濃淡を付けるのか、具体的に示す必要があるのではないか。具体性が乏しい場合には、金融機関に与えるインセンティブが弱まるのではないか。

  • 評定結果によって検査周期に濃淡を付けるとしているが、その際には、金融機関の規模、金融システムに与えている影響度なども勘案するべきではないか。

  • 破綻が懸念される場合には、規模や金融システムに与える影響度に関係なく、検査周期は短くならざるを得ないのではないか。

お問い合わせ先

金融庁 TEL 03-3506-6000(代表)
検査局総務課 瀬戸口(内線2575)
横山(内線2576)
木村(内線2517)
本議事要旨は、暫定版であるため、今後修正があり得ます。

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