保険商品の販売勧誘のあり方に関する検討チーム(第14回)議事要旨

1.日時:

平成17年11月8日(火)18時00分~20時00分

2.場所:

中央合同庁舎第4号館9階 金融庁特別会議室

3.議題:

保険契約における適合性原則の遵守について

4.議事内容

  • 生命保険文化センター、日本損害保険協会より「購入者手引」(バイヤーズガイド)の検討状況について、説明が行われた。

  • 事務局より、これまでの議論を踏まえて作成した「自由討議のたたき台」に沿って、説明が行われた。

    (自由討議のたたき台に挙げられた主な論点)

    • 保険契約における適合性原則とはなにか
    • 適合性原則の実効性を担保する方法
    • ベストアドバイス義務について
    • 募集人等の質の向上
  • 「購入者手引」(バイヤーズガイド)の検討状況について自由討議が行われた。主な内容は以下のとおり。

    • 募集人や代理店が保険会社から与えられている権限には、媒介や代理といったものが存在することを明確に記載しておく必要があるのではないか。どのような権限が与えられているかによって保障開始時期等にも影響があることから、消費者が正確に理解しておく必要があるのではないか。

    • 傷害保険や医療保険といったいわゆる第3分野の保険商品は、生命保険会社、損害保険会社の双方において販売を行っていることから、例えば、生命保険会社から購入した場合はこういった特徴があります、損害保険会社から購入した場合はこういった特徴がありますという違いなどがあるのであれば、横断的に記述を行った方が消費者のためになるのではないか。

    • 告知義務や契約の転換・乗換といった項目は非常に重要であり、例えば、契約の転換では既契約のキャッシュバリューが保障されないといったような、消費者にとって注意喚起が必要な事項を明確に記載しておく必要があるのではないか。

    • 全体の分量、記載内容、構成については、例えば、ホームページによる公表を前提とした工夫の仕方もあるだろうし、今後も見直しを重ねながら、より良いものにしていくという取組みが必要なのではないか。

  • 「自由討議のたたき台」について自由討議が行われた。主な内容は以下のとおり。

    • ベストアドバイス義務については、顧客に対してベストなものを勧めなければならないというような結果責任を求めるものではなく、例えば、仲立人に課せられた義務に鑑みれば、顧客のニーズや要望にできるだけ応えなければならないといった義務として考えるべきではないか。その場合には、むしろ商品を比較分析のうえ、理由を示して、提案するというようなそれぞれのプロセスの中で、どのような行動をとるべきなのかについて議論をすることが重要ではないか。

    • 一定の適合する商品を推奨するという義務であれば、仲立人だけでなく、乗合代理店にもかかるだろうし、保険会社の営業職員や乗合でない代理店であっても、一定の商品プランを推奨するのであれば同様の義務がかかると考えられるのではないか。適合的な商品の推奨が求められるかどうかは、契約上の規定だけではなく、商品の提案を行うプロセスにおいて、その勧誘の状況から同様の行為を行っていると考えられる場合は当然求められるのではないか。

    • 顧客との直接のコミュニケーションがないような場合を除き、凡そ全ての販売形態において、募集人の側で明らかに顧客に不適合と判断できる商品の推奨は行わないと考えるべきではないか。

    • 顧客のニーズは、顧客の主観的な意向まで把握するのか、それとも客観的な状況のみで判断する必要があるのか。諸外国の例も参考にすると、顧客の客観的な状況に加えて、主観的な意向がある程度示されている場合は考慮の要素と考えてよいのではないか。

    • 保険契約における適合性原則を考える場合、どのような問題を解決するためにどのような行為規制が必要なのか、その効果や実効性はどうなのかということも検討する必要があるのではないか。また、まずは顧客に対する説明義務を本当に追求していくことにより解決できる問題もかなりあるのではないかと思われ、その上で更にどのような課題があるのか、説明義務との関係からも併せて検討が必要となるのではないか。

    • 顧客の側にある募集人等に対する不安や疑念を解消するためには、仮に保険への加入を断った場合に何か不利益を受けるのではないかといった不安感が誘発されるような勧誘が行われない環境が必要ではないか。

    • 募集人が勧誘時にどんなに説明を尽くしても、実際に保険金の支払請求が行われる時にはそんな話は聞いていないといった苦情が多いのが実情であり、それを解決するためにも、募集人が勧誘時に顧客に適合的な商品を推奨したという事実を適合性の判断のための書面として顧客へ交付することが必要ではないか。

    • 適合性原則とは、それだけを規定しても実効性があるとは言えず、それを支える具体的なルールがあって初めて意味があるものと言えるのではないか。特に、広義の適合性原則というものは、そもそも保険契約は商取引であるということを考えると、保険会社と消費者の間に情報格差や判断力の差があるということだけで顧客に適合的な商品を販売しなさいとの結論を導き出すのは困難であり、募集人が顧客に対して助言するというような状況が認められなければ成り立たないのではないか。

    • そのような観点からどのような行為規制をかける必要があるのかについて検討すれば、結果として顧客に適合的な商品が販売される環境が整えられるのではないか。例えば、顧客が募集人に依存していたかを客観的に示すためのルールとして、募集人がどのような立場で勧誘を行っているのか、助言のような行為を行うのかどうかを明示させるということも考えられるのではないか。

以上

【内容についての照会先】

金融庁 電話:03-3506-6000(代表)
監督局保険課  錦野 (内線3740)
小畠 (内線3336)
本議事要旨は、暫定版であるため、今後修正があり得ます。

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