保険商品の販売勧誘のあり方に関する検討チーム(第18回)議事要旨

1.日時:

平成18年1月26日(木)18時00分~20時00分

2.場所:

中央合同庁舎第4号館2階 共用第3特別会議室

3.議題:

保険契約における適合性原則の遵守について

4.議事内容

  • 事務局より、これまでの議論を踏まえて作成した「自由討議のたたき台(2)」に沿って、説明が行われた。

    (中間論点整理案に挙げられた主な論点)

    • 販売・勧誘時における適合性原則のあり方
    • 保険商品の販売に際しての、募集人等と消費者との認識の格差
    • 格差を埋めるための方策について
    • 中期的な課題
  • 「中間論点整理案」について自由討議が行われた。主な内容は以下のとおり。

    • 募集人が、保険商品が顧客のニーズに合致することを確認する書面を顧客に交付することとした場合、このような確認書面を作成するに際して顧客から提供を受けるべきニーズに関する情報をどのような詳細なレベルについてまで求めるべきかについて、検討すべきではないか。

    • ニーズに関する情報を、主契約や特約ごとの具体的な保険金額や保険料等のような詳細なニーズについてまで記載することとしてしまうと、確認書面に記載すべき量が大幅に増大してしまうのではないか。むしろこのような詳細なニーズの確認は、顧客に最終的な契約内容の確認を求めることにより、顧客の側でそのニーズに合致しているのかどうかを確認することの方が、効率的といえるのではないか。従って、ニーズに関する情報については、一般的には、死亡保障や、医療・傷害保障等のどのような分野の保障を必要としているかに関するニーズを記載する程度まででよいのではないか。

    • 交渉の過程の中で、特に顧客が強くこだわったニーズがあった場合や、顧客のニーズが個別性の強いものであった場合のように、交渉の過程において重要なポイントがある場合には、そのニーズのレベルに関わらず確認書面に記載しておくことが有効ではないか。

    • どのようなものが重要なポイントであるかの判断について明確な基準を設けることは難しく、そのような記載を募集人に徹底させることは困難な面があるのではないか。その実効性を確保するためには、例えば、確認すべき項目を限定列挙し、その中から該当する場合を選択するといった方法も考えられるのではないか。

    • 確認書面について、確認すべき項目を限定列挙する等により一定の定型化をなすこととしても、例えば備考欄を設ける等により、交渉の過程における重要なポイントを記載できるようにしておくべきではないか。そのような備考欄に記載すべきか一律に規定することは実務的に難しい面があるにしても、重要なポイントがある場合には、それを記載することがより望ましいということを募集人に周知徹底していくことが必要ではないか。

    • ニーズに関する情報の提供については、告知義務のように顧客に法律上の回答義務が生じるものではなく、また募集人には告知受領権が存在しないことから、ニーズに関する情報の提供と告知義務との関係をどのように考えるか検討すべきではないか。

    • このような確認書面の書式を各保険会社が独自に作成した場合、例えば乗合代理店で複数の保険会社の商品を検討した後に最終的に一つの保険会社の商品を顧客に推奨することとなった場合には、最終的に決定された保険商品についての書式を利用することになると思われる。ところが、その書式の内容如何によっては他の保険会社の商品を検討したという経緯を確認書面に反映させることが難しくなってしまうおそれもあるのではないか。各保険会社において書式を作成する際には、そのような利用に耐えられるように書式について一定の統一化を図ることや、乗合代理店用の書式は代理店が独自に作成するというようなことも検討し、実務において利用しやすいものとしていくべきではないか。

    • このような確認書面の交付までも要しないとされる場合であっても、顧客ニーズを慎重に確認しなければならない重大な事項(例えば自動車保険における若年運転者不担保特約についてのニーズ)を申込書等の中で確認する等、顧客が自らのニーズに合致した保険商品を適切に購入できるような仕組みが求められるのではないか。

    • あくまで、募集人等は適合性原則を遵守すべきなのであって、顧客の自己責任原則や、募集人等と顧客の共同作業が過度に強調されることには問題があるのではないか。また、適合性原則に関連して、保険仲立人に関するいわゆるベストアドバイス義務を、他の募集人等にも及ぼすことが適当かどうか検討していくことも今後の課題としては重要ではないか。

以上

【内容についての照会先】

金融庁 電話:03-3506-6000(代表)
監督局保険課  錦野 (内線3740)
小畠 (内線3336)
本議事要旨は、暫定版であるため、今後修正があり得ます。

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