平成13年5月10日
金融庁

企業会計審議会第7回第一部会議事録について

企業会計審議会第7回第一部会(平成13年4月6日(金)開催)の議事録は、別紙のとおり。

(問い合わせ・連絡先)

金融庁(TEL 03-3506-6000)
総務企画局企業開示参事官室
企業会計審議会事務局


企業会計審議会第7回第一部会議事録

日時:平成13年4月6日(金)午後4時00分~午後5時55分

場所:中央合同庁舎第4号館10階共用第一特別会議室

○斎藤部会長

それでは、定刻になりましたので、これより第7回第一部会を開催いたします。委員の皆様にはお忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

本日は専門家の観点から見た日米企業のM&AについてKPMGコーポレートファイナンスの渡辺参考人より、また企業結合会計の基本論点について大日方委員より御報告いただく予定にしております。

それではまず、渡辺参考人から日米企業のM&Aと企業結合会計について御報告をお願いいたします。

○渡辺参考人

渡辺でございます。よろしくお願いします。

それでは、お手元にあります資料をベースにお話ししたいと思いますけれども、日米企業のM&Aと企業結合会計ということで、主に今日は日本のM&AとアメリカのM&Aで実態的に行われていることがどれだけ違うのかという観点から企業結合会計がどのように考えられるかについて私の実務的な経験に基づいてお話ししたいと思います。

私は82年から94年まで12年ほどアメリカで会計実務、M&Aのコンサルティングを行いながら企業結合会計という問題について実際に実務家の立場からいろいろとやってまいりました。特にパーチェス会計の適用が事例としては圧倒的に多いわけですので、パーチェス会計において実際にアメリカにおいてM&Aが行われた後、どのような形で開始貸借対照表をつくっていくのかといった問題について実際に評価を行ったりしてまいりました。その中での経験に基づくところ、それから最近の日米のM&Aのいろいろな流れの中で企業結合会計がどのように考えられるかということについて話をしてみたいと思います。

まず、米国のM&Aの特徴と最近の傾向をここにリストアップしてみました。これは日本と比べてということだと思うのですが、やはり私の印象としては買収(Acquisition)が多数であり、対等合併、これは"Merger of Equals"という表現がよく使われますけれども、こういったものは極めて少数ではないかと思われます。後ほど申し上げますけれども、日本でもここら辺が最近はかなり変わってきているわけですが、アメリカにおいてはM&Aが株主総会決議事項というよりは取締役会決議事項ということで、取締役会がM&Aの判断を行うときに株主の財務的な利益に対して非常に大きな関心を払うわけです。事実、我々のようなアドバイザーがアメリカの会社のM&Aに関わって、ボードに呼ばれてDCF計算などを例示しながら、この買収合併が自社の株主にとって財務的にいかにフェアか、あるいは利益に結びつくのかという説明を求められるわけです。そういったところに非常に関心を払うことが特色として言えると思います。

それから、必ずどちらかの会社がどちらかの会社に買われるという認識は往々にしてあると思います。その場合に被買収企業の株主に対してプレミアムが払われることがしばしばあります。しばしばというか、それが当然でございまして、そのプレミアムがどの程度フェアであるかということに関して投資銀行のフェアネスオピニオン等が求められることが実務的に慣行となっているわけです。例えば最近の事例で言えばダイムラー・クライスラーのケースなども、対等合併と言いながらどちらかというとクライスラーの方が被買収企業であるという観点からクライスラーの株主に対してプレミアムがより払われている。このようなものが典型かと思います。

今申し上げましたことですけれども、買収プレミアムの正当性について双方の会社の取締役会が投資銀行からのフェアネスオピニオン等を入手する実務慣行が定着しているということです。日本ではそういった議論が余りなされてこなかったように思うのですが、この背景にあるのは Going Private Transaction という基本的な考え方です。つまり、ある上場企業が他の会社によって買収されることは株主の観点から見れば、その会社に投資したい、その会社の成長性に参加したということで株を買ったにもかかわらず、こちらの会社に買われるのがあなた方のベストインタレストですよということが取締役の判断でされるわけですけれども、それはとりもなおさず株主にとって成長の機会からのスクイズアウトであるという考え方です。つまり、その会社にそのまま投資していれば得られた果実が強制的にスクイズアウトされるということで、それに対する対価をどの程度払わなければいけないのかということが問題になるわけです。ここら辺に関してはSECの基準がかなり厳しくなっているというのが私の理解でして、Going Private Transaction においては投資銀行によるDCF計算を行いなさいとか、フェアネスオピニオンを入手しなさいというのがマンデートリーであると私は理解しております。

これは前にそういう話が出たかもしれませんけれども、経営判断の原則の問題です。ビジネスジャッジメントルールが取締役会の判断としていわゆる十分な情報を収集した上で判断したものであれば株主から訴訟を受けても負けないという経営判断の原則があるわけですが、その場合の情報入手・収集を十分に行ったかどうかの判断基準の中でいわゆる第三者からのフェアネスオピニオン、投資銀行とか会計事務所のフェアネスオピニオンをもらったということを十分な情報収集をしたとみなすという判例がかつて出たわけです。それからこういった実務が非常に定着化したということが言えます。

それから、SECファイリングについて申し上げますと、今日お話ししているのは上場企業同士の話を中心的にしているわけですが、米国においても上場企業における合併という形態があるわけです。日本では合併がM&Aで主流になっていますけれども、アメリカのSECファイリング上の考え方というのは、合併であっても株式を用いた買収である、株式を対価とする買収であるという考え方をとっているのが特色として1つあるのではないかと思います。

それから、ここずっと長い間の米国の経営者(management)の関心がどういうことであったか。特に企業結合会計をめぐってどういうものであったかという観点に関して言えば、これも皆さんもよく御存知だと思いますけれども、プーリング・オブ・インタレストが第一義的には望まれるということです。これに関してプーリングができないことになりますと、パーチェス法の場合にはインプロセスR&Dとか、いろいろな手法を使って営業権の償却を少しでも早目に行う実務が非常に過大に行われた傾向がありまして、ここら辺に関してはSECが非常に目を光らせてきたというところにあると思います。

以上のことをベースにしますと、米国のM&Aというのはどちらか一方の会社の株主から信用を得たトップマネジメントによる強力なリーダーシップのもと統合シナジーを出して株主価値の向上を目指す行為と定義できるということです。私の印象としてはリーダーシップが非常に重視されるということで、どちらかの会社のトップマネジメントがリーダーシップを握るということです。ここに特色があろうかと思われます。

最近の傾向としては――この1~2カ月は随分変わりましたが、この数年の高株価を背景にして株式を対価とする案件の増加、それに伴って案件の大型化という傾向があります。今までアメリカでこういうことは余り言われなかったのですが、その案件の大型化に従って対等合併を強調するケースが増えてきました。しかしながら、ダイムラー・クライスラーの例に見られるように、対等合併という掛け声であっても結局はどちらか一方の会社のリーダーが主導権を握るケースが多いのではないか。もう片方のマネジメントはやめるというケースが多いと思われます。

多くの経営者はシナジーを求めてM&Aをやるわけですが、最近ではこれが掛け声だけに終わっておりM&Aは本当は株主価値を破壊しているのではないか、という批判が随分増えております。特に株式を対価とするM&Aはどうしても対価が高くなる、価格が高くなる傾向があるという批判があります。そこで、最近はどちらかというとシナジーよりも統合をいかにうまくやるか、Post Acquisition のインテグレーションをいかにうまくやるかが重視されるようになってきています。

次に、米国におけるパーチェス会計の実務ということで、プーリング・オブ・インタレストが経営者にとっての一番の望みということを申し上げましたけれども、実際はパーチェス法を適用されるケースがかなり多いということです。私自身もアメリカでM&Aの案件で開始貸借対照表の作成までお手伝いした事例は100件くらいありますけれども、95件くらいはパーチェス法で、プーリングはほとんどないということでしたけれども、このパーチェス会計の実務の基本的な考え方をお話ししたいと思います。

これは今さらながらですけれども、前提にありますのはUS GAAPは実態重視であるということ、それから財務諸表は経営者の表明(Representation)であるという考え方、これが基本にあるのではないか。M&Aには、資産買収、株式買収、いろいろな形態があります。基本的な考え方はこういう形態のいかんにかかわらず実態は同じではないか、事業を手に入れるという意味から言うと同じであるわけですから、資産買収をやっても株式買収をやっても結果としては同じ姿で描かれなければおかしいという基本的な考え方があると思います。そうしますと、資産買収をやるということは基本的に事業そのものを買うわけですけれども、その場合には自動的にパーチェス会計が適用されるわけでして、これが株式買収になったからといって途端にプーリングになるのはおかしいではないかという考え方が基本的にあるように私は考えます。

その中で、M&Aの基本的な定義は対価を払って事業を買う行為であるという考え方があろうかと思います。そうしますと、結局は買ったものを貸借対照表に反映させる。取得原価主義の考え方で対価に反映させるのが基本的な考え方でして、例えば機械を1,000万円で買った場合は1,000万円で記帳するのが当たり前であって、相手の帳簿価格が例えば機械を600万円で持っていたからといって600万円と記帳するわけではないわけです。したがって、1,000万円で買ったものは1,000万円で記帳しなさいということがパーチェス会計の基本的な考え方にあるように私は思います。

アメリカにおけるパーチェス会計の実務ポイントということですけれども、基本的な考え方は経営者が何を買ったかということをきちんと認識しなさいということだと思います。例えばタイムワーナーとAOLのケースで言えば、AOLにしてみれば事業を買ったときに、タイムワーナーの過去からのメディアビジネスの蓄積が欲しい、タイムワーナーにしてみればその逆という経営者それぞれが相手方の何かが欲しいからM&Aをやるという基本的な考え方になると、その欲しいものにこれだけの対価を払っても株主にとってはフェアだと考えて買うわけですから、何を買ったのかということを Representation させるのがパーチェス会計の考え方であるわけです。

そうすると、特に無形資産の評価が一番大きな問題になろうかと思います。もちろん有形資産の時価評価という問題もあるのですけれども、無形資産をいかに公正に評価するかということが我々実務家には一番要求されるところです。例えば顧客リスト、ソフトウエア、特許権、製造ノウハウといったありとあらゆるものにいろいろな理屈をつけて評価を行います。有形資産についても Fair Market Value(=FMV)の算定をしますけれども、こういったFMVの算定はかなり精緻に行われているかといえば、実務上はアプレイザル・カンパニー、私どものような第三者がいろいろな評価をするわけですけれども、どうしても主観的な要素がかなりいろいろと入ります。

例えば私が関与したパーチェス会計の評価の中で今から考えれば余りよくなかったかなという実例を申し上げます。映画会社の買収で、あるヒット作の映画についての続編をつくるという権利がありまして、その続編をつくるという価値が大体数百億円あるということで開始貸借対照表にそれを反映したのですけれども、その続編はいまだにつくられていないのです。その意味から言えばこの無形資産の評価は間違っていたということになろうかと思います。

いずれにしてもそういった無形資産の評価あるいは有形資産の評価は買った後、個別的に開始貸借対照表をつくるときに行われるわけです。では買収価格を交渉しているときに1つ1つ積み上げ計算をするかというと、それはないわけです。実際にはエンタープライズ・バリュー(企業価値)全体が決まって対価が決まって売り手と買い手が握手して買収を完了し、買収完了後2カ月、3カ月の時間をかけて後付けで資産鑑定人(アプレイザル・カンパニー)が資産評価するのが実務的な流れだということをよく理解していただけたらと思います。

その中でポイントになりますのは、こういった資産を幾らで評価するかという問題もあるのですけれども、もう1つは償却年数です。それぞれの資産が経済的な有効年数をどれだけ持っているかを推し量るのもアプレイザル・カンパニーの1つの仕事になっています。ここをどうするかによって買収後の償却経費の負担が随分変わってきますので、ここら辺が腕の見せどころということになるわけです。

そのほかにパーチェス会計の中で非常にインパクトをもたらすのは負債のFMVの算定ということで、買収時に認識されていたいろいろな負債、簿外負債、買収前には計上されていなかったけれども、買い手の立場になってみると例えば訴訟裁判があるとか、あるいは環境関係の裁判があるといったものをパーチェス会計の中で反映するような実務があります。こういう計算をしまして最終的には買収価格から純資産金額のFMVを差し引いて、のれんが計算されて、あとはのれんが償却されていくことになろうかと思います。

1つ申し上げておいた方がいいのは、この無形資産の評価実務は日本ではまだまだ一般的ではありませんけれども、アメリカにおいてこの無形資産の評価テクニックは実務的に割と定着してきたという背景があります。余り知られていないことですが、アメリカでは90年代の初めまでのれんの損金算入は税務上認められていませんでした。株式買収のときには当たり前ですけれども、資産買収の場合であっても、のれんの償却は損金算入が税務上認められなかった。そうすると、我々実務家はクライアントから頼まれて何をやるかというと、買収対価ののれんをいかに圧縮するか。いろいろな無形資産をこじつけて、ステップアップと呼ぶのですけれども、いろいろな無形資産に買収価格を配分していき、のれんを圧縮することによって税務上損金算入が可能な無形資産を計算する実務がかなり発展しました。

これは相当命がけでやらなければいけない作業でして、いずれ税務当局から指摘されて裁判になる実例が非常に多かったのです。我々の会社のアプレイザル部門担当者も裁判で証言台に立たされたことが何度もありますし、その意味では無形資産をいかに誰しもが納得できるような評価にするかという技術に関してはアメリカはかなり進んだのではないかと思われます。これがクリントン政権になって、こんなことをやっていては税金の無駄遣いだと。裁判ばかりやっていても結局は和解するのが常でございますので、それだったらのれんの償却を認めようということになって、今はのれんとか無形資産という区分は一切なく、無形資産はすべて15年償却というように法律が変わりました。

一方、日本のM&Aの特色を私なりに勝手にまとめてみたのですけれども、やはりアメリカと比べると対等合併が圧倒的に多いということが言えると思います。その中でその後、たすき掛け人事といったようなリーダーシップがない合併の案件が過去かなり見られてきました。

それから、取締役会が合併を意思決定するときに合併比率の算定が問題となることは余りなかったということです。これは最近変わってきましたけれども、昔はそういったことが余り重視されなかった。特に合併比率1:1という体面を非常に重視し、結果的に株主にとってプレミアムになるような案件であっても、それをあえて捨てて1:1にこだわるような実例が結構見受けられてきたと思います。

合併比率の算定を例にとりますと、仲介者とか双方の会社が第三者機関を1社雇って、そこに決めてもらおうというやり方が非常に多かった。こういう双方代理的なものはアメリカでもほとんど考えられないわけですけれども、日本はそういう実務が多かったということです。

これは商法上の問題ですが、株式売却・買収を除いて多くのM&Aは株主総会の特別決議事項になっている。株式を使った売却とか買収は商法上なぜか特別決議事項になっていないわけですけれども、営業譲渡という形あるいは株式を使った買収である合併の場合には株主総会の特別決議事項にほとんどなっているわけです。これは先ほど言ったアメリカでは合併であっても株式を対価とした買収であるという考え方から見ると、形が変わっただけで商法上の手続が変わるのはアメリカの実務を経験した者からすると非常に奇異に映ります。

それから、Going Private という概念あるいは経営判断の原則に関する判例は存在しないということがあげられます。それから、リーダーシップによる統合シナジーよりも両者の融和が最大の関心事であるというのが日本のM&A、特に合併ですけれども、こういう特色がありました。

それが最近は非常に変わったきたというのが私ども実務家の印象でございます。やはりグローバル競争の中で生き残りをかけた戦略的なM&Aがかなり増えてきたということで、従来のように社長同士が仲良くなってゴルフ場で手を握って合併しませんかというものはほとんどないわけで、やはり生き残り、勝ち残りをかけたM&Aが真剣に議論されるようになってきたということです。それから、たすき掛け人事はなるべく回避しましょう、株主価値向上のための最適マネジメントを重視しましょうということがかなり言われるようになってきた。

この結果、株主重視ということで自社の株主に対する説明責任ということから価値評価、企業価値評価、株式価値評価に対して非常に大きな関心が払われるようになった。おかげさまで私どもも会社の仕事が非常に増えて喜ばしい限りですけれども、この価値評価を重視するものがかなり増えてきた。そのような価値評価の中でも仲介者を間に置いてそこに計算させるということではなくて、それぞれ自社の株主の利益を代表するファイナンシャルアドバイザーをそれぞれの会社が雇って、それぞれのファイナンシャルアドバイザーが計算したものに従って交渉していくというアメリカ的なやり方がかなり増えてきているということが言えます。

それから、フェアネスオピニオンを入手するケースもかなり増えてきています。これはフィーもかなり高いので毎回毎回というわけではありませんけれども、フェアネスオピニオンをぜひ下さいというお客さんも増えております。

それから、株式交換制度あるいは今回の分割の中の吸収分割といった制度の導入によって企業結合方法に関しては選択肢がかなり広がったということで、株式を用いた買収という意識が経営者の中にかなり浸透し始めたのではないか。今まで合併が株式を使った買収という認識はほとんどなかったと思いますが、最近はいろいろなストラクチャー・オルタナティブを考えるときに合併なのか吸収分割なのか株式移転を使うのか、それらはいずれも株式を対価とした企業結合行為であるという意識がかなり増えてきたのではないかという印象を持ちます。

最後になりますが、リーダーシップ不在のM&Aは失敗するという認識の高まりがあります。たすき掛け人事を回避することと同じことかもしれませんけれども、どちらかの会社がリーダーシップを握ってやらないと企業の統合はうまくいかないという意識はかなり高まりつつあると思います。

結論から言いますと、日本のM&Aも今はアメリカ型にかなり近づきつつあるというのが私の印象です。その中では日本の会社にとってみればパーチェス会計というのは確かに償却費の負担が増えるとかいろいろな負担が増えるという観点があるかもしれませんけれども、事業を買うという行為は新しい工場をつくったり投資を行ったりすることと同じように株主資本を使って行う投資行動であるということからすれば、現金を使った買収はもとより、株式を使ったものであっても対価をバランスシートに反映させて、ある程度回収責任を負うという意識を日本のマネジメントの方々に持っていただくという意味から言いますと、私はパーチェス会計の普及が経営者の意識を高める、株主から預かった資本を使って行っている投資行動だということを十分に認識していただくためにはパーチェス会計的な見方は浸透する必要があるのではないかと思います。

まとまらない話で恐縮でございますが、日米企業のM&Aと企業結合会計ということで私の話を終わらせていただきたいと思います。

○斎藤部会長

大変ありがとうございました。

渡辺参考人はこの後御予定がおありと伺っておりますので、この段階で切り離して御質疑を受けたいと存じます。御発言をどうぞ。

○伊藤委員

大変具体的にお話しいただきまして、我々実務界にいる者にとってみればまさしくおっしゃるとおりだと思います。

ただ、結論については若干の異論があります。確かに日本もおっしゃるとおりアメリカ型に近づいて買収の例が多くなってきましたけれども、それは金融とかネットビジネスといった分野に限られてきているわけです。限られているわけではないのですけれども、そういう例が多いわけです。つまり、労働の移動が非常にできているような分野。全体的に言えば、日本の場合はまだポータブルな年金システムができていない。最近でこそ新入社員の給与形態としまして生涯賃金をベースにやっていますけれども、それらが全部定着するには相当な時間がある。もう1つは先ほど問題になりました商法、それから税法との絡みをどう考えていくのか。したがって、会計が基本的に先走りすることが果たして事業経営上いいのかどうか。私はおっしゃることは大変よくわかるし、世界的な大きな流れもよくわかるのですが、会計が先行して企業経営がそれについていけるかどうかということが非常に重要な問題だと思います。

したがいまして、御趣旨のことは大変よくわかりますが、その点はよく御理解いただきたいと思っております。つまり、物づくりをするところは必ずしもまだそうするわけではなくて、やはり一番重要なのは会社を買収した後、成功できるかどうかというところにかかってくるわけです。買収ということは起こりますけれども、成功した事例が日本において本当にあったかどうか。したがって、経営者は極めて慎重な対応をしているわけです。よく御存知だと思いますけれども、そのように御理解していただかなければいけないのではないかと思います。

○斎藤部会長

ありがとうございました。渡辺参考人、御発言はございますでしょうか。

○渡辺参考人

会計が企業経営を変えるという大上段で言うつもりは全くないのですけれども、私がアメリカで会計実務をやっていて、経営者の意識がアメリカの経営者のように例えばビジネススクールで教育を受けてきた人が多いとか、そういう中でも自分がやっている行為が見えない部分が意外とあるかなという印象を持っています。その中で例えば会計原則が変わり、もう少し実態をこういう見方で見るとこんな感じですよということをメッセージとして伝えることによって企業行動がかなり変わってきたというのは私がアメリカで見ていて非常に印象に残っています。

特に、年金会計あるいは退職医療費の関係の問題なども――私は最近、自動車業界のM&Aも盛んにやっていますけれども、GMとかフォードといった会社は退職医療債務だけでも何十ビリオン、何百ビリオンという金額を一気に計上し、それがきっかけで米国で401(K)が普及し年金資本主義へのシフトに弾みがついたという背景を見ていますと、意外と会計システムが変わり、それによって経営者が実態を認識することによっていい意味でいい回転の方にいくケースも見てきました。その意味では、私がここで申し上げたかったことはパーチェス会計を基本に据えることによって株主にとってみれば合併には必ずコストがついているということを認識していただくことが必要なのではないかということでございます。

ちなみに、私のクライアントは今までメーカーが多くて、どちらかというと金融機関がむしろ少なかったのですけれども、最近は商社のいろいろな事業統合といったもののアサイメントが増えてまいりまして、パーチェス会計を適用したとすればどんなバランスシートになるのかということをやっています。今後、例えばパーチェス会計という考え方をとった場合にどんな形になるかをやってみますと、やはり経営者の皆さん方はびっくりされるわけです。資本が本当に効率的な形で使われてきたかということを数字に置き直して見てみると意外とそうではなかったということを改めて認識していただくということを見ますと、ひょっとすると経営者にとっては耳の痛いような結果になるかもしれませんけれども、それによってまた企業経営におけるヒントになるようなものが出ればよろしいのではないかと思います。

ただ、私の個人的な意見から言えば、プーリングを完全に廃止した方がいい、プーリングは絶対ダメでパーチェスだけと言うつもりは全くありません。特に日本の会社の合併とか事業統合においてはまだまだ融和を重視しますというものもありますし、実態的に2つの会社が1つになるようなものもまだまだ多いわけですから、それはそれでそういった選択肢があってもいいかなとは思います。

ただ、私がうがった見方をすれば、恐らく今後はそういう選択肢があった場合に市場は対等合併である、したがってプーリングを使いましたという合併に対しては厳しい評価をするのではないか。アナリストの人はリーダーシップのあるM&A、償却費は増えてもどちらかの会社に軸足を置いたM&Aの評価を高めにするのではないかという感じが何となくするのでございますけれども。

○西川委員

具体的な事例に関して御意見を伺いたいのですが、扱われた100件の中で95件はパーチェス法だったということで、5件がプーリング法として適正と考えられたかどうかが1点。

それから、株式で買うと価格が高くなる傾向があるというのがあったのですけれども、恐らくどれだけ高くなるかを定量化する方法はないだろうと思います。そのあたりを確認したいのですが。

○渡辺参考人

まず、プーリングの事例ですけれども、私が関与した案件を具体的に申し上げるわけにいかないのですが、かなりのケースはプーリングに関して厳格な適用が求められているわけです。ですから、その意味ではプーリングが適用できるかどうかというのがM&Aの意思決定においてしばしば非常に大きな比重を占めていたのは事実です。私が関与した案件の中でも、プーリングを使わないことを理由にM&Aを断念したケースも正直言ってかなりあります。ですから、会計が企業行動に影響を与えるのはいかがなものかというお話がありましたが、事実としてそういうものはあります。その意味ではSECなどの見方からすればその辺がおかしいというか、逆にSECの考え方が読めるコンサルタントがつけばプーリングが使えて、そうではない場合にはできないというのは非常におかしいわけですから、プーリングかパーチェスかという選択肢があることによって、その意味ではフェアでない結果が生まれてきたというのはあろうかと思います。

2番目の株式を用いたものの方が高めになるというのは実証研究が進んでいるわけではないので、どれだけ高めかということはまだわかりませんけれども、この半年ほどはアメリカのマスメディアで株式を使った買収は現金を使った買収に比べると経営者の意識が甘くなりがちだということが指摘されています。現金を使えば、保有現金が減るとか、借入金が増えるとか、実際にバランスシートの中で将来のキャッシュ・フローを相当気にしなければならない。株式買収はある意味から言うと相手の株主とリスクをシェアしているわけです。ですから、株価が下がっても「ごめんなさい」ということで済むわけですので、その意味で経営者の意識が若干甘くなるという問題点が最近は指摘されています。ただし、ここのところ株が随分下がりましたので、実際に株式を対価にしたM&Aがだんだんできなくなってきて、この数カ月はM&Aの案件が激減しております。

○斎藤部会長

ほかに御発言はございませんか。

○長坂委員

パーチェス会計の普及が望ましいということですけれども、今回アメリカで2月に公開草案が出まして、償却しないということと減損会計で行うということが出ていますけれども、それについてはどのような考えをお持ちでしょうか。

もう1つ、無形資産の評価実務が定着というお話があったのですけれども、私どもの会社でも実際にかなり詳しくやっています。前回たしか金井委員から御説明があったのですが、今回の基準改訂によって今までよりも無形資産に評価されるようなものが増えるという意図で改正案を出しているというお話だったのですけれども、今までもかなりやっているので、果たして無形資産になるものが本当に増えてくるのかが私は実務的にわからないのですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。

○渡辺参考人

まず、アメリカの今の公開草案の問題です。私も不勉強で余り細かくは見ていませんが、この議論があったときに私が直感的に感じたのは、これはM&Aの実務という意味から言えば非常に実態に合った考え方ではあるなという印象を持っています。というのが、M&Aをかなり積極的に経営戦略として盛んにやっていらっしゃる会社の典型的なやり方としては早目にのれんをどんどん償却していって、そして事業が苦しくなったとき、あるいはポートフォリオを組み換えなければいけないときにまたその事業を売って、そこで益を出していくという実務がかなりあるわけです。これをアーニングス・マネジメントと称しまして、日本の経営者の皆さんが非常に尊敬される某有名アメリカの会社もそういったことがマスメディアで取り上げられたことがありました。

それは実態から見ると、のれん償却が実態に合っていない部分というのは確かにあります。つまり、DCF計算の中でターミナルバリューの考え方があります。DCFで5年間計算して、5年間プロジェクションをつくって、5年目の価値をどうするか。この価値が全体の価値の7割くらいを占めるわけです。この価値は基本的な考え方から言うと減損しない、ずっと続くという考え方があるわけです。その意味から言えば、よほど経営を間違えない限りは買った会社の事業価値はミニマムの部分がずっと維持される。それをまた売ったときに償却が既に済んでいるから売却益が出るというのは実態から見ると若干おかしいというのが私が常々感じてきたことなので、その意味から言うとのれんを償却しないというのは一見奇異に聞こえる、あるいは経済界に対してFASBが妥協したかのような印象があるかもしれませんけれども、私は実務的にはむしろDCF計算をやって買収価格全体を決めてしまって、その後で個別的な評価をやるという実務の実態から見ると、むしろ実務の実態に合っている、より実態に近づけようという考え方があるように思えます。

ただ、実態に近づけることが果たして本当に実態のある企業情報開示になるかというと、実際はそうではないわけです。特に減損会計をめぐっては、また主観的ないろいろな計算が当然あり得るわけでして、恐らく私どものクライアントの中でも頭のいいところは皆さん買って、買った後しばらくは業績が悪いですから、その間にどんどん償却してしまうようなことはあり得るのではないか。そこでまた新しい会計原則を考えようという流れになるのではないかということを個人的には感じております。

もう1つは無形資産の評価の問題です。無形資産の評価が定着するかどうかということに関しては何ともいえませんが、私がここで言いたかったのは、むしろ無形資産の評価実務が日本ではまだそんなに定着していないという観点からすると、パーチェス会計を適用したときにバランスシートが会社によってそれぞれまちまちになるのではないかという部分です。そこは日米のインフラの違いが相当あるのではないかということがポイントでございます。

先ほどお話がありました企業経営者の意識を高めるという意味から言えば、企業価値をつくり出しているものは有形のハード資産ではなくて、そういった無形の資産である。最近はブランドをどうやってバランスシートに載せるかという議論がありますけれども、まさにM&Aのパーチェス会計の適用段階では、ブランドをどのように評価するかをめぐって、私どももいろいろな知恵を絞って評価を行い、それを経営者に見ていただいて、経営者が「なるほど、ちょっと高いものを買ってしまったかな」とか「やっぱり自分の感覚からすると安い買い物ができたな」といった議論ができるわけです。実務的にそういう技術が定着しなければ、そういうディスカッションにはなかなかなりにくいというところで懸念があるという意味でございます。

○長坂委員

後の方については金井委員にもお答えいただいた方がいいのかもしれませんが、要は今までも無形資産として評価されていたものがかなりあるという認識で私はいるのですけれども、今度の新しい公開草案で本当にもっと増えるようなことがあるのかどうかというあたりはいかがでしょうか。

○斎藤部会長

金井委員、御発言はございますか。

○金井委員

それでは、私のわかります範囲内で答えさせてください。

前回申し上げましたのは、今回の公開草案の中で識別可能な無形資産としての定義を変えて、今まではどちらに入るか識別可能か可能ではないかわからないものがあったのを識別可能な範囲をより明確にすることによって区分しやすくしましたという趣旨です。これが実際に実務で本当にそうなるかどうかというのは私もわかりません。

今おっしゃられている実務の問題に関しては渡辺参考人にお伺いしなければいけないのですけれども、米国では実務といいますか評価のスタンダードがかなり確立されているような気がいたします。そういうものが既に存在して、それに従って例えばカスタマーリストはこう評価するとか、それが確立されているものですから日米比較という意味において米国は日本と比べて現状でも非常に客観的に行われていると私は個人的に理解しています。今回、無形資産自体の定義をより明確にすることによって範囲を広げようという意思がFASBにあるように私は理解しております。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

ほかに御発言はございますでしょうか。

○八木委員

先ほど買い手がはっきりしないケースは余りない、強いリーダーシップがあってというご説明がございましたけれども、日本では例えば3社が絡むようなケースが銀行などでございますね。経営者はずっと継続していたり、誰がリーダーか非常にわかりにくいケースも現実にあると思うのでございますけれども、そのようなものは米国の場合は非常に少なく、黒白がはっきりするのかどうかということが1つ。

それから、パーチェスとプーリングが現在まだ並存していると思うのですが、いろいろな決算書などをご覧になっていて、それが並存していることによる例えば利用者としての不都合のようなことを現実に味わわれたケースはございますでしょうか。

○渡辺参考人

まず、私の知る限りはアメリカに限って言えば3社の統合という形態は余りありません。ですから、そういう取引をやる場合でもまず2社がくっついて、それから3社目を買収するというケースが一般的だと思います。ですから、3社まとめてやることによってたすき掛け人事を回避しましょうというような案件は少なくとも私は見たことがありません。

プーリングとパーチェスでばらばらなのでどうかという問題について言えば、これは確かに実務的にいろいろやって、特にこれからまた買収しましょう、どこかの会社を分析してくださいとお客さんから言われたときに見ますと、過去パーチェスを適用しているのかプーリングを適用しているのかによって貸借対照表の見た目は随分違いますね。ですから、そのような意味から言うと私自身はパーチェス会計がいいですと言いながら矛盾かもしれませんけれども、パーチェス会計では主観がかなり混じるというのが実際です。例えていえばリンゴを1つ描きましょうといったときにピカソ風に描くのか、それとも写実風に描くのかの違いのようなもので、米国の企業結合会計はリンゴだということはわかるけれども、描き手によってかなり変わる部分があるといえます。

私が基本的に日本の会計とアメリカの会計で随分違うのではないかと思うのが、経営者の Representation という考え方です。つまり、例えば機械を買ったときにもアメリカにおいては償却年数は経営者が決められるわけです。日本の実務は今までそういうことがずっとなかったわけですから、どの会社も基本的には耐用年数表に従ってIBMのコンピュータを買えば何年償却と決まっていたわけです。しかし、私がアメリカに行ってびっくりしたのは、同じコンピュータを買ってもA社は2年で償却し、B社は10年で償却しているわけです。要するに財務諸表というのは経営者の Representation だということで、経営者が購入したコンピュータを何年使うのか、何に活用するのかによって償却年数が変わってもいいではないかという考え方があるわけです。だから、その考え方に従うとパーチェス会計というのは極めて自然な考え方でして、事業を買って、その事業のいろいろな無形資産は何年で償却しようが、それは経営者の判断の問題だという意味から言えば非常にすっと入るわけです。しかし、日本のようにこの資産はこういう償却年数で、この資産はどういう区分でという環境の中でずっとやられてきた方からすると、このパーチェス会計は極めて居心地の悪い安定しない実務という感じをかなり持たれるのではないかと思います。

○黒川委員

渡辺参考人にお聞きしたいのですけれども、新設合併のようなもの、あるいは新設で1つのホールディングカンパニーをつくるような御経験はありますでしょうか。

○渡辺参考人

アメリカでということですか。

○黒川委員

ええ。

○渡辺参考人

パブリックカンパニーの新設合併で私が関与したものはありません。

○黒川委員

では、御自分がということではなくてもいいのですけれども、新設のときにパーチェス法ということになればどれかが存続していると判定することになるのではないかと思うのですけれども、そういうときでも新設であろうが、あるいはどらちかが存続していようが同じだということでよろしいですか。難しさ、あるいは認識の違いがあるということは同じだと考えていいかどうか。

○渡辺参考人

新設合併というケースが果たしてアメリカの実務の中でケースとして多いかというと、私の理解ではほとんどないと思います。よほどのケースでないと新設でやる意味はないと思います。もちろん上場企業の買収でテンダーオファーをかけるときに新設法人を作るケースというのはありますけれども、御質問にありますいわゆる新設合併的な考え方が実務的にケースとしてあるかというと、多分ほとんどないと思います。

○山田委員

1つ、若干突飛な質問になるかと思うのですけれども、先ほど購入したシナジー効果という点を少し強調されていたかと思います。その場合に買った側と買われる側の規模がそれほど大きく違わないようなときに逆にシナジー効果を測ろうとすると、両方ともその時点の時価で測定した方がいいのではないかということを感じられたようなケースはございますでしょうか。

○渡辺参考人

シナジー効果をバランスシートに反映すべきかについていえば、現実的に多くのケースで買収価格は交渉で決まるという事実を考える必要があります。M&Aの実務では私どもがDCF計算をしたりといった理論的な計算をしたもので価格が決まるわけではありません。現実的には最初にここくらいがFMVですよというように私どもが計算したものをめぐって交渉が行われて、実際にその価格以上で買われるケースが多いわけです。パブリックカンパニーであれば株価に対して20%、30%上乗せといういわゆるプレミアムが支払われるわけですけれども、そのプレミアムの正当化の理由として使われるのが一般的にシナジーであるわけです。

アメリカのボードというのは皆さんも参加されたことがあるかどうかわかりませんが、最近は極めて機械的な議論が多いのです。というのは社外取締役が中心になってしまっており、社外取締役の方はビジネスのことは余りわからないですね。ですから、結局は最後のよりどころは投資銀行とか我々が計算した財務的な分析ということになるわけです。そのときに使う手段としてはDCFとか、最近はAPVというやり方とか、いかにシナジーをうまくもっともらしく説明するかということにポイントがあるわけです。その意味から言えば、ほとんどの買収対価は多かれ少なかれシナジーをある程度含んでおります。そのシナジーというものを含んでいるわけですけれども、それが100%かというと、シナジーを100%払ってしまったのでは余りにもリスクが高いですから、そういう案件はほとんどないと思います。その意味では、パーチェス会計が適用されたM&Aといえども貸借対照表に反映された対価というのは基本的には取得原価です。払ったものをベースに考えているのであって、理論的に本当の価値を表しているわけではないわけです。ですから、これは時価会計ではなくまさに取得原価主義会計です。だから、その意味ではシナジーがすべて表象されているか、あるいはブランド価値がすべて理論的に表象されているかというと、答えはほとんどノーだと思います。

○斎藤部会長

渡辺参考人、大変ありがとうございました。

お話の重要なポイントの1つが資産買収と株式買収の整合性といいますか、資産を買ってきても株式を買ってきても同じことだから買った値段で、つまり取得価格で評価すればいい、つまりパーチェスでやればいいというお話でありますけれども、基本的にはそれはいずれも買収ですので、買収をパーチェスでやればいいということをおっしゃっているわけです。その点では八木委員が留保されたような買収に当たらないケースをどう考えるかという論点は依然として残ってしまうのかもしれませんけれども、実務の御経験に則しての示唆に富むお話をいただきまして、大変ありがとうございました。お礼を申し上げます。

それでは次に、大日方委員から企業結合会計の基本論点について御報告をお願いいたします。

○大日方委員

東京大学の大日方でございます。よろしくお願いいたします。

私の報告は研究者の目から見て企業結合会計の基本論点を整理するということでございます。柱は幾つかございますが、皆さんの御関心が高いところ、エッセンスを多少先取りして申し上げますと、多少エクスキューズかという感じもしますけれども、アメリカのFASBが言っているパーチェス一元化論というのは学問的に見るとユニバーサルに万能であるわけではなくて、論理的にはプーリング法が妥当するケースが存在し得ているということであります。

まず、この間この審議会でもプーリング・パーチェスということは盛んに言われているのですが、本当に同じ定義をきちんと理解して皆さんがお使いになっているかというと、かなり疑問であるわけであります。やや形式的なところから入りますけれども、合併の会計処理の仕訳をイメージしていただいて、プーリングあるいはパーチェスという場合に借方側――継承する資産、負債の評価に着目してプーリング・パーチェスということをイメージしていらっしゃるのか、それとも貸方側――合併時に増加する資本勘定のことをイメージされてプーリング・パーチェスということをおっしゃっているのか、あるいは両者セットであって、ばらばらで定義されることはあり得なくて、仕訳ですから貸借は当然均衡するのですけれども、必ず両者をセットで定義しているのか、必ずしもはっきりしていないわけです。ここをめぐって様々なバリエーションがあるわけです。これは私の専門ではありませんけれども、過去、我が国でプーリングと言われてきた方法の中にはのれんが生じるようなケースもあるわけです。つまり、資産側の評価と増加する資本を独立に決めてしまうので、結果的に貸借差額が出ているケースがあるわけです。

そこで、釈迦に説法かと思いますので詳しくは説明しませんが、プーリングの方はいわゆる被合併会社の会計記録をそのまま引き継ぐということでありまして、資産の場合あるいは負債の場合は帳簿価格をそのまま受ける。資本勘定の場合にはその資本の区分、払い込み資本と留保利益の区分をそのまま維持するということであります。パーチェス法の場合、受け入れる純資産の評価に着目した場合には fair value で受け入れるということであります。

パーチェス法の場合は非常に厄介なのですが、貸方に着目した場合は交付した対価の fair value で増加する資本勘定を測定する。かつ、それは必ず全額が拠出資本であって、通常のイメージから言いますとここで留保利益が引き継がれることはないということがわかる。教科書的な意味で言うと、ないという理解になるわけであります。もちろん皆さんも既に御承知のとおり、パーチェス法で言う資産と負債の fair value と交付した対価の fair value が一致する保証はどこにもないわけであります。

そういうことを考えましたときに派生論点が出てまいります。論点整理に向けて多少大きな派生論点も書き留めているのですが、ここでは派生論点が5つほど出てまいります。

1)は増加する資本勘定といったときに、我が国の現在のルールでは計上する資産、負債の評価と増加する資本勘定が独立であります。だから、プーリングとパーチェスの間の折衷法のようなものも存在し得ますが、そのときの増加する資本勘定をどう決めたらいいのかというときに資本金と資本準備金をどう区分するか、あるいは留保利益をどう引き継ぐか。これは法との関係がありますので難しい問題を含んでおりますけれども、さらに法との関連で言えば相互保有株式をどう消去するか。これはある意味では増加させないということになりますけれども、これを通常の減資と同じようにやるかやらないか。つまり、合併だけ固有の問題にするか等々の問題がございます。

2)は先ほど申し上げましたけれども、貸借差額(のれん)が生じるか否かというときにプーリング法の一種であっても貸方と借方に独立にルールを与えてしまうと結果的に生じる場合もあるし、生じない場合もあるわけです。パーチェス法の場合は必ず生じるのかというとそうではなくて、仮に資産、負債を受け入れた fair value に優先権を与えると自動的に、その相手勘定として資本勘定も決めるのがパーチェス法の定義だということであればのれんが生じることはないわけであります。それをパーチェス法でないと言えばまたそれでいいのですけれども、それは定義の問題なので、ここでは論理的な可能性を残すという意味でパーチェス法だからのれんが生じるとか、プーリング法だから生じないというのは予断なのであって、論理的にはいずれもあり得るということであります。

それから、パーチェス法における取得企業を決めなければいけないわけです。プーリング法は対照的なシンメトリーですけれども、パーチェス法はアシンメトリーなので、どちらかがどちらかを合併する。吸収するとか取得すると言うわけですが、決めなければいけない。この件についてはこの審議会で出たか出ないか記憶が定かではないのですけれども、法律上の存続会社と会計上の実質優先と言っていいのかわかりませんが、実質的に取得した会社が一致しているかどうかというのは難しい問題がありまして、ずれている場合は一体どうしたらいいか。これも新聞報道ですけれども、関西の方では逆さ合併によって上場基準を維持できているかどうか、トラブルになるケースがあるやに聞いておりますけれども、それもこの問題かもしれません。

引き継がれる資産、負債の範囲とその評価基準というのはプーリング法の場合には丸飲みしているわけですから比較的簡単で、合併に当たって特段の制限条項を設けないというのはプーリングの考え方だと思いますが、パーチェス法の場合にはそのまま引き継ぐことも当然可能ですし、合併に当たって引き継げないと規定することも可能かもしれないわけです。これは御承知のように従来からいろいろもめてまいりましたのは、繰越欠損金の控除のようなものがあったときに合併で法律上存続できなければ引き継ぎもないわけですけれども、そういうものが引き継げるのか引き継げないのか。あるいは会計上のアクルーアルというか経過勘定で乗ってくる引当金もそうですけれども、例えば年金債務の未認識分について fair value で評価することになったら、合併に当たってやる場合には即時に全額償却し、かつそれを資本チャージすることになるわけですが、そういうことを強制するかどうかという点も問題になります。

話があちこち飛んで申し訳ないのですが、5)はパーチェス法が非対照であるということで問題になってくることがあるのですけれども、問題の出発点はこういうことだったのです。いわゆる債務超過企業は被合併会社になれないか、そのときにプーリング法は絶対に無理か。債務超過企業を合併しようと思ったら評価替えをして、少なくとも純資産がプラスになっていないと受け入れられないのかということです。

このときにふと思うわけですが、仮にパーチェス法一元化を強制することになると、債務超過企業は合併することによって結構救われるわけです。そうすると、合併の形を借りて quasi reorganization(準更生)する。そうすると、ややアウトレージといいますか、仮装的な合併事例があるのではないかという気がしてならないわけです。この問題は評価益の資本組み入れですけれども、逆もまたあります。

この具体例は差し障るので余り言わない方がいいのかもしれませんが、通常の決算で損失を計上しない、含み損がある。ところが、合併に当たって fair value にするので切り下げる。それはどうなっているかというと、資本が削られているわけです。通常の決算で損失を出しておけば利益が減っているのですけれども、それをしない。合併に当たって fair value に評価替えして、実は評価損を資本チャージする。通常の決算というのは利益チャージですけれども、これが資本と利益の区分を曖昧にしてしまうという意味でパーチェス法を簡単に強制していいかというと、悪くはないのですけれども、そのときに随分と気をつけないと利益操作に利用される危険があるということであります。

マル2はプーリング・パーチェスの出自といいましょうか、由来をおさらいしておきたいと思うわけであります。どうしてかといいますと、恐らく私も責任の一端は多少あるかと思いますけれども、プーリング・パーチェスを教えるときに大体APB16号以降のことを頭に置いて使い分けると教えているわけですが、もう少しさかのぼるとそういう方法ではなくて違う面が見えてくるので、その点をお話ししたいと思います。

合併においてはよく持分の継続の面がある――これはプーリングの考え方ですが、それと事業の取得――これはパーチェスの考え方ですが、これをどう理解したらいいかということです。持分の継続というのは基本的には実現と同じ考え方でありまして、リスクが変わっただけでは会計上の成果を認識するわけではない。それはキャッシュの裏づけがないとダメだと。もちろん合併によってリスクが変わり、持分構成も変わるわけです。被合併会社・合併会社の株主間の持分割合の大小も問題になるわけですが、その問題は会計の外側の問題であるというのが会計上の基本的な考え方であります。これは別にプーリングに固有の問題ではありません。

最近は余りないのですが、それを例えば新株を割引発行、時価以下発行した場合に増加する資本を時価で計上してしまうと、それ以下でしか現金は入ってきませんから、費用なり無形資産を計上しなければならなくなってしまうわけですが、会計はそういうことをしていないわけです。つまり、そこで既存株主の持分にダイリューションが生じるわけですけれども、それを費用だと考える考え方は会計上は存在していないわけであります。

そして、もともとプーリングはAPBによって状況別に使い分けられて、日本ではどちらかというと対等な合併のときにはプーリングがいいのではないかというイメージがあるようですが、プーリングのもともとの考え方は相対的規模は問いません。100対1だろうが1万対1だろうが、要はそこに書いてありますようにリスクの変化から利益が生じないということと、持分構成の変化からも利益は生じないという考え方に立っているわけであります。

その持分の継続というのは、プーリング法は全面的に適用されているわけですが、パーチェス法はこれを否定しているのかというとそうではありませんで、パーチェス法であっても評価替えしない部分があるわけです。それは合併会社、存続会社ですけれども、そこにはこれが適用されているわけであります。つまり、パーチェス法は持分の継続を部分的に否定し、部分的に肯定しているということであります。

次に、事業の取得をどう考えるかということですが、これはパーチェス法の考え方です。これも釈迦に説法かもしれませんが、エッセンスはマル2であります。当たり前のことですが、パーチェス法も他の会計基準と整合的につくられてきたわけであって、合併に固有の特殊な方法ではありません。どのようにでき上がっているかというと、まず株式交換を非金銭取引だととらえる。これは当たり前ですけれども、現金は介在していませんから株式交換による合併は非金銭取引である。非金銭取引の場合には現金を媒介としていないので支払額という概念がありませんから、fair value で取引価格を測定したいと考えるわけです。

次が問題ですけれども、基本的には交換ですが、非貨幣財同士の交換、非金銭取引のときに fair value をつけなければいけないのですが、このときの大原則があって、より流動性の高いものの fair value がつく。どうしてかというと、入手が容易だからと言っているわけです。それで信頼性が高いということです。つまり、流動性が高いというのはより換金しやすい、取引費用がかからないということです。そうすると、合併の場合にはビジネスで受け入れた設備などに比べたら交付した上場株式の方が流動性が高いわけでありまして、こちらが優先的に測定額としてつけられるという論理になるわけです。

次に、合併で取得するのは結合財になっているわけです。結合財の取得原価の決め方というのは基本的には個々の時価をもって配分するということです。ただし、時価を超えることはない。そうすると、時価を基準に配分しつつも残りが出たらのれんになるということです。つまり、古いテキストを見ると割り当てられなかった残余という形でのれんが定義されているわけです。どうしたことかよくわかりませんけれども、負ののれんについてはイメージが余りなくて事例がなかったのかもしれませんけれども、十分な説明は伝統的に与えられてこなかったわけです。

それに対して、御承知のとおり先ほど渡辺参考人からも御説明があったと思いますけれども、最近ではパーチェス法を現金買収になぞらえる。一たん新株発行、時価発行増資をしてキャッシュを手に入れて、それを支払って被合併会社側の資産と負債を購入したという考え方であります。現在、アメリカではこの点がかなり強調されているわけですが、これを強調するとかなりややこしい問題が出てくる。あるいは、現にアメリカは自己矛盾を起こしているわけです。すべて自分が現金で買ったのと同じだと言ってしまうと、識別可能無形資産のうち繰り延べが認められていない部分、例えば開発研究費でもいいですが、それは支出時に費用にするわけです。確かにインプロセスR&Dのようなものは振り分けられたら直ちに償却されているわけですけれども、先ほどお話があった映画の製作権など通常オンバランスが否定されているような項目については当然に合併時にも償却されるべきであって、合併のときだけ認めるのは論理矛盾です。それはアメリカでは実際に決まってはいませんけれども、そうなりそうな気配があるということです。

我が国ではパーチェス法についてマル2と違って現物出資のような言われ方がされることがあったわけですけれども、現物出資というのは便利なようでいて結構不便でして、何が不便かというとのれんの計上、営業権の計上を正当化することは非常に難しいわけであります。つまり、日本ではどちらかというと無形資産の出資を基本的に否定する傾向にあるわけです。これは私の推測ですが、詳しくは法律論の方にお聞きしなければいけないところだと思いますけれども、でたらめに会社を設立して取り込み詐欺をして詐欺破産してしまう。それは大抵発起人が問題ですけれども、発起人に労働出資のようなものを認めると資本が空洞化する。基本的には労働出資を認めないというのが日本の法の精神だったと思いますけれども、それからすると無形財・のれんの出資を認めるのはかなり奇異でありまして、説明に困るわけであります。いずれにしてもパーチェス法のフィクションは被合併会社の株主は旧持分を清算(liquidation)して新しい持分を取得したとみなされるわけであります。

これは派生論点ですけれども、既存の会計ルールと整合的に考えていった場合には先ほども何回かお話が出ているようにパーチェス法は別に時価評価益を計上するような継続的な評価基準としての時価論とは違っているわけで、取得時の fair value をつけるという方法であります。その論理からすると、存続する会社の資産、負債を fair value に変える論拠はかなり考えにくいわけです。つまり、自分で自分を買うとかお互いに買い合うというのは論理としてややこしい。ですが、新設合併、双方が清算・解散してしまって新たにつくるというのであれば会社が新たにシンメトリーにでき上がってくるわけですから、両者を fair value で評価する可能性はないわけではないと思われます。

2)と3)は分けていますけれども、基本的には同じ問題であります。確かに株式交換で現金で買収すればいいようなものを代わりとして株式を使った場合もあるのですけれども、そればかりではなくて、現金であったら合併できなかったけれども、株式交換であるが故に合併できたという事例があるのではないか。そういうときに全部を通常の金銭取引というか、一たん新株発行をして現金を手に入れて、それを支払いに充てたという形で分解してしまっていいのか。もしもそれをすると、合併の会計問題は合併の会計問題として議論する必要はないのであって、通常の会計処理のルールでやればいいわけであります。逆にパンドラの箱を開けかねないわけですが、通常の会計処理に対して飛び火がいろいろ出てくる。合併の会計問題がほかの領域に飛び火する典型例は無形資産の会計処理であります。あとは引当金ですけれども、通常の金銭取引に分解した結果、その見直しが必要になる可能性もあるという感じを持っております。

論点2ですが、ここは先ほど冒頭に申し上げたエッセンスであります。パーチェス流の事業の取得の側面を優先するとなりますと、被合併会社側の持分の継続を無視することになります。事業の取得という側面を推し進めていけばパーチェス一元化論になるのですが、それは言葉を変えれば持分の継続を完全に無視するという論理になるわけです。言ってみればどちらかを優先する、どちらを完全に無視するというのはかなり乱暴な感じがいたしまして、少なくても論理的にどちらが優れているということは言えません。

適用されるケースの多い少ないということであればパーチェス法のケースの方が多分かなり多くて、プーリングは稀なケースなのかもしれませんけれども、皆さんも御承知のように減価償却の生産高比例法のようなものを考えてもらえばいいわけですが、ある状況によっては生産高比例法をやるべきだと言われているわけです。生産高比例法に該当するようなケースはむしろ定率・定額法よりも生産高比例法を使った方がいいということはわかっているわけですが、日本ではほとんど例がないわけです。そのときにケースが少ないから間違っているとか、ケースが少ないからなくしていいということには全くならないわけでありまして、それと同じようにプーリング法も論理として残さざるを得ないと思うわけです。

ところが、さはいえ定額法や定率法、先入先出法、後入先出法のように同時にどちらかから選んでいいよという方法ではなさそうである。これは異次元の方法ですから、さすがにAPBが考え出したのは多少の落ち着きどころとしてはいいのかもしれませんが、状況別に使い分けることになるのだろうと思われます。ただし、状況別に使い分けるときの規準はよく言われている規模規準あるいは継続性規準――本来プーリングというのは継続性を前提にしますから、継続性がないということになるとプーリングを使う根拠にならないのですけれども、そういうものは政策的な判断によって決める以外にはない。学者として責任を放棄しているような感じがしますけれども、決め手がないだろうと思われます。

派生論点に飛びますけれども、使い分けたときの問題点、弊害は何だろうか。これは既に御指摘があったかもしれませんが、利用者から見て使いづらいとか、会社側に利益操作の機会を与えかねないというのは周知のことかもしれません。パーチェス法に一元化しないときに国際的調和の観点で何か問題がないかというと、これはかなり難しい問題があります。これは単に注記でソフトランディングさせるわけにはいかないわけです。先ほど申しましたようにプーリングとパーチェスというのは代替的方法ではありませんから、こういう方法をとっていたらこういう利益の数値になりますということを言うのは無理です。つまり資本と利益の区分が変わってしまいますから、注記するとしたら永久にやらなければ解消し切れないわけです。定額法・定率法だったら経済的寿命が来れば終わってしまいますから解消してしまいますけれども、注記というのは意味がないのです。

リースのように状況別会計基準の典型例は日本にも既にあるわけです。どこかで使い分けの定量性を入れないといけないのですが、それをうまく決めることができるだろうかというのが問題になるだろうと思います。あるいは、これはアメリカでは実際に行われるわけですが、例えば規模規準を入れて、規模規準でプーリングを一部容認した場合に、その後、自社株買いを禁止することになるわけです。つまり、株式交換しておいて株式交換だからプーリング法だと言っておきながら、後で被合併会社の株主から全部自社株買いをしてしまうということはキャッシュで渡すことに等しくなってしまうわけです。だから、株式交換の後で実際には現金買収に戻してしまうことを禁止するために自社株買いを禁止するのですけれども、どちらかの会計ルールを採用すると、その制約がかかってくる。アメリカではできているのかもしれませんが、日本ではやったことがないわけです。どちらかというと事実が先に決まって会計は後で追ってくるのであって、会計が事実を規制することは考えられないというのが常識ですから、これができるかどうかというのも問題かもしれません。

マル3はのれんですけれども、非常に難しい問題を含んでいるわけです。パーチェス法がユニバーサルに万能ではないという論拠が論点1ですが、のれんの本質というのはいろいろある。1番目はその投資プロジェクトが持っている超過収益力、これは当然のことであります。それから、先ほどもお話に出てきましたシナジーも当然に反映されているでしょう。3番目が非常に難しくて、合併会社、存続する会社側が元から持っている超過収益、元から持っているのれんです。これが厳密な意味で言うプレミアムです。つまり、これを消滅する株主に与えてわざわざダイリューションを起こすということです。合併会社側の株主から見たらダイリューションが起こるということです。つまり、割引発行するのに等しいということでございます。本来の価値よりも多少高めに買ってあげているということです。

この部分が幾らかかったか計算しろというのはかなり難しいのですが、合併のれんにはこの部分が含まれているので、これをパーチェス法によって資産計上するということを義務づけるとしますと、実は自己創設のれんを資産計上することに等しいわけです。通常のケースですと、自己創設のれんを計上した場合は相手方の利益になる程度ですから、それは期間帰属の違いで済んでしまうのですけれども、合併の場合にはパーチェス法だから自己創設のれんを計上して相手方は資本だということになると、これは大問題、会計の根幹からひっくり返ってしまうのではないかという気がするわけです。論理的にこういうケースが幾らあるかということはわからないわけですけれども、パーチェス法は必ずしもハッピーな方法ではないのです。つまり、資産、負債を取得したときの fair value という側面だけを見ているとまあまあおかしくはないのですけれども、よくよく考えてみると影の部分がかなりあるわけです。

次に論点2の償却問題ですけれども、この類型は皆さんも御承知のようにここに書き出したくらいの方法があるわけです。ここで3の3、アメリカで昨年末くらいに提案された通常償却をしないで減損処理をする方法について触れますけれども、これがのれんの減損処理の問題になります。アメリカは自己矛盾がかなり多いのですけれども、アメリカの提案は通常の減損処理だったらのれんを優先的に切り下げるということを言うのですが、それは通常の償却をしないということとかなり矛盾しているわけです。

さらに難しいのは、従来なぜ償却してきたかというと、取得時に存在したのれんはそれ以上何もしなければ必ず劣化する。年数はわからないけれども、必ず劣化する。それが維持されたり増加したりするのはその後の追加投資でのれん価値をメンテナンスしているか高めているのであって、少なくとも買ったときのものは放っておけば劣化する、だから償却するという議論になっているわけです。そうすると、それを償却しないというのはその後の追加的な投資支出によって当初の価値が維持されていると考えることであって、それは自己創設のれんの計上と全く同じです。何も違いません。償却しないということは非常にインダイレクト、インプリシットでありますけれども、自己創設のれんの資産計上を意味しているわけです。だから、論点2の自己創設のれんを計上しない会計処理との整合性というのはそういうことであります。

派生論点が出てきますが、厄介な問題がいろいろあるので正ののれんはできるだけ識別可能資産に振り替えたらどうか。それを義務づけるか容認するか禁止するかというアイデアはいろいろありますが、これは評価額の妥当性をどのように確保するのかということと新たな裁定機会を提供しないのかということであります。アメリカの場合には多少これがマーケットに任されていて、ルールの空白部分を実務界側が埋めているようであります。この点については先ほどもいろいろ御紹介があったと思います。ただし、そういう環境がないところでこれをやってみても始まらないのでしょうから、多分アウトレージを利用されるだけで終わってしまって、かなり混乱するのではないかという気がするわけです。そうすると先ほどの無形資産一般の会計処理にも飛び火して、これを再検討するのかしないのか。少なくとも連結調整勘定の償却年数くらいは変わってくるか変わってこないかわかりませんけれども、あるいは普通の営業権も変えないといけないというようになるわけですが、難しいかもしれません。

3番目は審議会の議論に関わるところでありますけれども、減損は減損で独立に動いているわけであります。そこでのれんを含めるかどうかというのはわかりませんけれども、そのときに償却しないでのれんについては非償却で減損処理するとした場合、また新たなアジェンダと申しましょうか検討を要するのではないかという問題がありますので、これは慎重にならざるを得ないと思われます。

次に負ののれんですけれども、これは学問的には議論の蓄積が余りありません。最近のことになるかもしれませんけれども、FSABを見ますと会計ルールは非常に多いことは多いです。ほとんどはコンティンジェンシーの漏れはないかということです。合併に当たってコンティンジェンシーの漏れがないように必ず計上しなさいということのようですけれども、負の場合に一体どうやって生じるのかという問題があります。そのときに利益処理するか、利益処理するときには即時に利益にしてしまうか分割して取り崩していくという方法をとる場合もあります。あるいはインプリシットですけれども、資産の減額に充てようと。つまり、表立って負ののれんは計上しないでおく。この場合は即時に利益に算入することは不可能でして、償却パターンに応じて配分されることになります。設備であれば減価償却ですけれども、土地のようなものになると売却時まで放っておかれてしまうことになります。

派生論点ですが、これはコンティンジェンシーの規定を整備する必要があるかもしれませんし、あるいはよくわからないのですけれども、アメリカでは引当金規定に日本ほどシビアなヒストリーがないのかもしれません。リストラ引当金というものがあるわけですが、これはよく考えれば利益留保性引当金なのではないか。将来、リストラでそれが出たときに取り崩して見合いで消すというのは利益留保でないのか。我が国で言うアクルーアルの基準を満たしていないのではないか。つまり、リストラが必要だというのがアクルーアルだとしたら仮に傾いてきてリストラが必要な会社はその費用を全部計上しなければいけなくなってしまうわけですが、通常はリストラについてアクルーアルの発生基準は適用しませんから、多分これは我が国では相当規制する必要が出てくるだろうと思います。

最後は結構早目に形式的に決めなければいけないところだと思うのですけれども、企業結合会計の適用範囲であります。際限なく広がっていく可能性もあるのですが、連結とどう違うのか、同じなのか。つまり、持分を取得したまま完全子会社のまま放っておくのか継承してしまうのかという違いでしかない場合もあれば、それ以上の違いがある場合もありますから、必ずしも連結を取り込むのが賢明だとは思われません。あるいは企業分割ですけれども、リバースという形からするとコンシステンシーを求められるのかもしれません。そうすると、今あるルールの再検討が必要になるのかもしれません。

グループ内企業間の合併は我が国では非常に多いので早急に手を打つ必要があると思いますけれども、グループ企業再編で合併するときに合併の問題と言うのか、それとも外側の問題と言うのか。合併の問題なのか外側の問題なのかという議論の立て方がいいのか、簡単に言えばプーリング法とパーチェス法の使い分けの問題と言った方がいいのか、難しいわけです。これは多少脱線ぎみですけれども、例えばプーリング法が存在意義のあるケースを探してこいと言われたときに、100%子会社の合併はどうなるのでしょうかといったときに、それは合併事例なのかどうか。企業結合の話なのか。それをプーリングと呼ぶこと自身が問題なのかもしれないわけです。ですから、そこら辺はきちんと整理しないと議論が混乱すると思われます。

以上、十分に整理できていないのですけれども、私が考えました比較的大きな基本的な論点について説明させていただきました。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

後ほど事務局から御説明があります資料3の前段階として大日方委員に詳細な論点の整理をしていただいたわけでありますけれども、御発言がございましたらどうぞ御自由にお願いいたします。

○葛馬委員

非常に論理的に突っ込んだお話をありがとうございました。聞けば聞くほど、この世界を科学的・演繹的に追求していこうとするといろいろな袋小路にぶち当たるということで、今あったパーチェス法でやると自己創設のれんは計上しないというのと矛盾してしまうとか、のれんを償却しないというのも同じく自己創設のれんは計上しないという基本的な会計の公理と矛盾してしまうという話。減損会計もそうですけれども、いろいろ出てくるというのはずっとさかのぼっていくと結局、会計が入口で保守性の原則を採用していて、それから派生して、減損会計では損失は繰り延べない。しかし、自己創設のれんは計上せずに利益が実現して初めて計上するということも出てくるのかなと思うわけですけれども、そもそも保守性の原則は科学ではないと思うのです。いわば先憂後楽という倫理の話であって、そういう倫理の原則を入口で持ち込んでしまったために、その入口の会計の公理の系として今言ったようないろいろな矛盾点が出てくる。

これは極端な例で、物理の世界であればリンゴが落ちる原理をどんどん演繹していけば人工衛星を飛ばせるし、もっときれいな例では幾何学の世界で2点を通る直線は1本しかない、直線外の1点を通って平行な直線は1本しかないという、これだけの公理をずっと演繹していけばすべてのユークリッド幾何学の定理が生まれ、系が導かれるわけですけれども、それと同じように科学的演繹の手法をこの会計に当てはめると、そもそも入口の公理的なものが利益は計上しないけれども損失は認識しろというのはおかしいではないかということを言わずにそれを認めしまって、あとを演繹していくといろいろな袋小路にぶち当たってしまう。したがって、そこで何か便宜主義的に弥縫策を講じなければならないことになるのではないか。

どこか間違っているかもわかりませんけれども、そういうことで結論的に最後は政策的な判断によって決める以外にないというのは、結局これに尽きるのではないかというので、非常になるほどと。本当に論理的に追求していった結果こうなるというのを先ほどの伊藤委員の話にもありましたように会計学というのは結局もともと経営のツールだと、これを忘れていろいろやってもらっても困るよという我々の考えとしては我が意を得たりという非常に心強いお話を聞かせてもらって。しかし、そう言ってしまうと企業会計審議会でいろいろやっているのが自己否定するようなことにもなりかねなくて余りおもしろくない面もあるのですけれども、今のような考え方で根本的にそれはおかしい、会計学というのはもちろん立派な学問ではあるのですけれども、そこに科学的な演繹という手法をびちっと自然科学と同じように当てはめられるかのようなことを考えてしまうとしんどくてしようがないということかなという感じを抱きながら聞かせていただきました。

○斎藤部会長

私の立場からすれば会計基準とそれを対象とする会計学は分けていただきたいと思いますけれども、何か御発言はございませんでしょうか。

○八木委員

イメージの湧かない部分があって、レジュメのマル1の派生論点の3)のところでパーチェス法における取得企業の決定基準ということと法律上の存続会社との関係ということで、取得会社と存続会社が違うことがあり得るという意味ですね。

○大日方委員

はい。

○八木委員

このイメージが具体的にわからなくて、これはイコールなのかなという感じがしたので。そういうケースはあるということですか。

○大日方委員

そういうことが起こり得るのではないかという感じです。

○斎藤部会長

よろしゅうございますか。

○八木委員

わかりました。

○黒川委員

今のことは逆取得の例で、多分起こり得るのですね。そのときにアメリカの例ですと、法律上の存続会社でない方であってもそちらの方が取得した方だと考えれば、そちらを継続させるということで解決しているようですね。

そこで私の質問は、大日方委員のレジュメは大変おもしろくて、また非常に同意できる点も多かったのですけれども、1つ教えていただきことがありましたので質問させていただきます。

3ページののれんの一番最後のところの合併会社の既存の投資プロジェクトの超過収益力、3ページの一番最後から4ページの初めのところです。それぞれに個別のれんがあってシナジーがあるというのは私も全く同意しますが、そのときにパーチェス法だと取得会社の方の個別のれんが反映されていないのでダイリューションが起こるということをおっしゃいましたね。そのときに私の中のイメージですと取得側と被取得側それぞれの個別ののれんも含めた上で1株当たりの利益が算定されていて、それで企業評価が行われて取得側の会社の株式を相手に何株渡すということでいけばダイリューションが起こることになるのかしら。要するに、被取得側の会社の株主に多めに渡してしまうようなことにはならないのではないかという気がするのですけれども、その辺を教えていただけますか。

○大日方委員

これはプレミアムというわけですが、先ほども渡辺参考人から御説明があったと思いますけれども、例えば合併とは全く関係ない第三者が被合併会社について評価した額というのはあると思うのです。ところが、それを提示したときに合併に「うん」と言わない可能性もあるわけです。全く単純に駄々をこねて取れるものは取れるということだとすると、そのプロジェクトの評価以上のものを払わないと合併できない。そのときにあたかも現金でやっていれば、それ以上払ってしまったわけですからコストは明らかです。

ところが、株を発行しているときは議論が非常にややこしいのですけれども、先ほど例として出した時価以下発行のようなイメージがかなり近いのです。つまり、マーケットで100円の株価がついているけれども、80円の払い込みでいいよと言って1株渡してしまった。そうすると、旧株主はその分ダイリューション、損してしまうわけです。自分たちは100円で買ってきたのに一部には80円で持っている人がいる。80円で取得した側はプレミアムという形で得をするわけです。それは定量化できないのですが、何割が幾らかというのはわからないのですけれども、合併のときに起き得る。先生がおっしゃるように両方が対等なバーゲニングパワーを持っていればそういうことは余り起きないのかもしれませんけれども、議論の可能性というか起こり得るということからすると、こういうことがいつ起きてもおかしくなくて、かつ起きたときに非常に厄介な問題を持っているという意味です。

○黒川委員

そうしますと、ここは論理的というよりも現金買収に比べて非常に緩くなるというか、取得側の方が安易に応じると理解しておけばいいということですか。

○大日方委員

そうです。

○黒川委員

それなら私も全く同感です。

○斎藤部会長

ほかに御発言はございますか。

○安藤委員

先ほどの葛馬委員の御発言は大変興味深く拝見しまして、私もフォローする形で発言させていただきたいのです。

保守主義の原則は企業会計原則の一般原則にありますけれども、あれは企業の論理、企業の立場からできていると思います。それに対して最近の保守主義否定論というのは市場の側、マーケット側から言えば企業の実態を反映しないので有害である。これは市場の論理でありまして、私が見るところ歴史的に会計あるいは会計基準と言ってもいいですが、これは両方の論理のバランスの上に成り立ってきたというのが歴史です。最近は市場の論理が優勢ですので企業側は押されている、取得原価主義を否定するとか時価会計化というのは市場論理側が勝っているのではないかと思いますけれども、歴史的に見ると片方が他方を全部飲み込んでしまうことはあり得ないのではないかと思います。ですから、基本的には論理一貫性といっても限界があるのではないかという点では葛馬委員の御発言の趣旨と同じことでございます。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

○渡辺参考人

片方が片方を全く吸収することはあり得ないのではないかというお話があったのですけれども、実際にそうですが、アメリカのマーケットの考え方というのは基本的にコーポレート・ガバナンスということを前提とすると、あるA社という株主の観点から見ればA社のマネジメントに対して信任投票しているわけです。ですから、信任投票しているA社のCEOが自分の戦略を持っているわけです。その信任に対して投票して国会議員を選出したようなもので、自分は自民党に投票したのだと。ところが、最近は国会でもそういうことがよくあるわけですけれども、ふたを開けてみるとほかの党と一緒になってしまったということに対してA社が主導権をとるのであればその戦略は変わらないわけですから、その株主は別にポジションが変わらないのですけれども、片やCEOが変わるB社のケース、いわゆるCEOがリーダーシップをおりなければいけないケースはコーポレート・ガバナンスの観点から言うと、信任した株主からしてみれば自分が信任したジャックウィルさんという経営者を信用してその戦略に投資しているわけですので、飲み込まれる方は合併によって大きく変わるわけですね。

ですから、会社全体が飲み込まれるかどうかわかりませんけれども、戦略は飲み込まれるという意味から言えば信任が大きく変わる。それに対して本来であったらB社にずっと投資し続ければ自分は将来これだけの利益が得られると思っていたのが、その信任から外されて新しいフレームワークの中での経営が行われるので、それに対する対価を払う。スクイズアウトされることに対する対価を払うという考え方が随分あるのではないかと思うのです。その結果として先ほどお話があったようなダイリューションという問題が起きると思うのですけれども、我々実務家の観点から言うと株式の合併比率の計算をするときは飲み込まれる相手の株主は飲み込まれた後すぐ株を市場で売却するだろうという想定を常に考えます。ですから、やはり現金ですぐに処分できるとすれば幾らかという観点を必ず見ます。その上ですぐに市場で処分してもプレミアムはつくような形は十分に配慮しているというのが実態としてはあるのではないかと思います。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

○山田委員

1点わからなかったので教えていただきたいのですが、3ページの論点2の派生論点の4)ですけれども、ここで企業が採用した会計処理いかんでその後の企業活動は拘束されるか――例えばプーリングを採用した場合には、それ以後対象になったものはすぐ売ってはいけないというニュアンスだったのか、私ははっきりとその辺がわからなかったものですから御説明いただけますでしょうか。

○大日方委員

自社株買いの方は後で株を買い戻して、実は現金買収であって株式交換でなかったという弊害があるので自社株買いを防ぐというお話をしたのですが、資産処分というのは現にそうなっているという話ではないのですけれども、仮にプーリング法を認める。その使い分ける基準として継続性規準を入れる。つまり、ビジネスが合併前と合併後で継続している、事業が継続しているという言い方をするときがありますけれども、もしもそれを要件にプーリングを認めたとすると、例えばその後何年間は重要な資産についての売却を制限するとか重要なビジネスユニットについては処分できないようにすることを制約として与えないと、そのときの口約束だけになってしまうという問題があるわけです。そういうルールをつくった方がいいとか、そういうルールになるというのではないのですが、仮に状況別といったときに合併時点まで判明した状況ですべてが片づいていればいいのですけれども、その後の状況に連動して使い分けが決まることになりますと約束をきちんと守らせるような方策が必要になるのではないかという話です。

○伊藤委員

ちょっと教えてほしいのですけれども、最近のアメリカの例で、これは上場会社ではないのですが、非上場会社の場合の合併で基本的にはパーチェスでやるのですけれども、あるいは場合によって我々のところはプーリングでやった例がありましたが、その後、リミテッドライアビリティカンパニーに切り換えてしまうわけです。その場合は学問的にどのように理解しておいたらいいですか。これは全く税務上の問題と考えたらいいんですか。

○大日方委員

事例の意味がよくわからないのですが、どういう事例ですか。

○伊藤委員

合併して、そしてしかも有限責任にしてしまうわけです。したがって、持分比率に応じて利益をシェアしているわけです。ですから、普通に合併したらアメリカの場合はマジョリティをとった方が配当もしませんし、内部留保も出なさい。自分の親会社と合併させるとか、要するに税務上メリットがあるから連結納税していくわけです。したがって、それを我々が合併すると同時に条件としてお互いに責任を分担しましょうと。だから、有限責任にしましょうという形の形態が非常に多くなってきているのです。つまり、あたかも無限責任の組合のような形式のもので、かつ有限責任にさせるような形態のものに振れてきているのです。そのような例は御存知ありませんか。

○大日方委員

その事例はよくわからないのですけれども、そのときにプーリングとパーチェスのどちらが理論的に適合するかという御質問ですか。――すみません。今のはすぐお答えできません。

○斎藤部会長

予定した時間がそろそろ近づいてきたのですが、特にお差し支えなければ事務局から資料3について簡単に御説明いただきたいと思います。

○辻前企業会計専門官

それでは、資料3をご覧ください。

ある程度これまで7回御議論いただきましてレジュメも相当たまりましたし、議論も蓄積されてきたということで、ある程度ここで交通整理のような形で一たん並べ替えてこの後の議論を続けるのが効率的ではないかと考えまして、皆様からいただきました御意見をある程度項目立てて並べているような形になります。これはいただいた御意見のすべてではなくて、ある程度参考的なものを議事録からピックアップしてきたところであります。どちらかというと会計基準を厳密に考えた場合に本体ではなくてその周辺にあるようなものは、その他として別にしております。

この資料は次回用に整理中のものを参考までに配布したものであります。次回はこれに本日の御議論を反映させて、それからもう少し議論しやすいような形に整理し直したものを配布いたしまして、その上でもう一度過去の議論で中途になっている部分などがあると思いますので、その点についてさらに深く御議論いただきたいと考えております。

簡単ですが、次回までにもう少しきちんとしたものをおつくりいたしますので、よろしくお願いします。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

先ほどの葛馬委員のアジテーションにございましたけれども、ここで論点を整理するというのは決して論理的に整合した会計基準をつくることが目的ではないわけでありまして、ある基準を選択したときの重要な結果とか副作用をできるだけきちんと分析していく。そのことによって一面的にこういう基準を選択すべきだという基準論に流されないようにするための論点整理だと私は理解しておりますので、結果的に選択される会計基準が最後ぎりぎり詰めたときにロジカルにコンシステントである保証は何もないということはやむを得ないと思っております。

それでは、概ね予定した時間もまいりましたので、本日の部会はこれで終了させていただきたいと思います。

なお、次回以降の日程は席上に配布しております資料に記載しておりますので、御確認いただきたいと存じます。他部会との調整等がありますので、時間等の詳細につきましては改めて事務局から御連絡いたします。

本日はお忙しいところを誠にありがとうございました。これで閉会させていただきます。

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