平成14年1月15日
金融庁

企業会計審議会第14回第一部会議事録について

企業会計審議会第14回第一部会(平成13年11月30日(金)開催)の議事録は、別紙のとおり。

(問い合わせ・連絡先)

金融庁(TEL 03-3506-6000)
総務企画局企業開示参事官室
企業会計審議会事務局


企業会計審議会第14回第一部会議事録

日時:平成13年11月30日(金)午後2時00分~午後4時03分

場所:中央合同庁舎第4号館9階金融庁特別会議室

○斎藤部会長

それでは、定刻になりましたので、これより第14回の第一部会を開催いたします。

委員の皆様には、お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

本日は、我が国の企業結合の事例についてご報告をいただきました後に意見交換を行う予定でおりますが、事例のご報告をいただくために、日本製紙株式会社より本村参考人及び西本参考人に、また、カルソニックカンセイ株式会社より小林参考人及び林参考人にお越しいただいております。本日はどうかよろしくお願いいたします。

それでは、まず、本村参考人及び西本参考人の方から、日本ユニパックホールディングの事例についてご報告をお願いいたします。よろしくどうぞ。

○本村参考人

それでは、お手元の「日本ユニパックホールディング事業統合の概要」という資料に基づきまして説明をさせていただきます。

2ページを開けてください。商法の株式移転制度を利用した事業統合という形で、純粋持株会社であります完全親会社を設立いたしました。後ほど触れますが、株式移転比率は、新会社株式1に対して、日本製紙0.001、大昭和製紙0.0006で、日本製紙及び大昭和製紙は完全子会社として存続しております。

新会社の設立は平成13年3月30日で、会社名は「株式会社日本ユニパックホールディング」でございます。本店の所在地は日本製紙と同じ場所でございまして、ビルも同じでございます。経営陣でございますが、前の大昭和製紙の社長であります十河が会長、日本製紙の社長でありました小林が社長という形で、役員は非常勤を含めまして10名でございます。そのうち日本製紙出身が6名、大昭和製紙出身が4名でございます。

次のページでございますが、統合のスケジュールと条件の2点を記載させていただいております。統合のスケジュールでございますが、平成12年3月に事業統合に関する基本合意をみております。平成12年5月に株式移転の契約の承認。株式移転による事業統合でございますので、平成12年6月に両社の株主総会で承認をいただきました。それから、基本合意から1年後の平成13年3月30日に立ち上げ、東京、大阪、名古屋証券取引所に日本ユニパックは上場。そして、メーカーであります日本製紙及び大昭和製紙は1週間前に上場廃止という形でございます。

統合の条件でございますが、完全親会社・純粋持株会社を設立し、今までありました日本製紙及び大昭和製紙は完全子会社として存続をしてございます。株式の移転比率でございますが、額面5万円の親会社の株1株に対しまして日本製紙は額面50円で0.001、50円に相当すれば1対0.6という移転比率でございます。完全親会社は、日本製紙の株主に対しまして従来どおりの期末配当にかわる配当を移転交付金という形で支払っております。ちなみに大昭和製紙はそのときに無配でございましたので、移転交付金はなしという形でございます。上場につきましては3市場に上場いたしました。

4ページの「事業統合の目的」でございますが、これは経営環境の現状認識――産業構造の急激な変化、経済のグローバル化による国際競争の激化――から述べさせていただきたいと思います。私ども紙パルプ業界というのはほかの素材産業から比べれば、これは個人的な私の意見でもございますが、大変恵まれた産業であります。何が恵まれているかですが、ちょうど日本の経済成長率であるGDPとほぼリンクしまして、戦後ずっと――何回かのオイルショック時には若干の対前年伸び率の減はあったのですが、基本的にはずっと量的には拡大をしているような産業でございます。その中でも21世紀に向けて足元の状況を見てみますと、従来は日本のそのような伸びてきた市場においては日本の製紙メーカーがほとんど供給をしており、量としますと多くて4~5%の率でしか輸入品は入ってこなかったわけです。その背景には日本特有の品質の保証とかサービス、具体的には新聞社にも紙を納めておりますが、日本の新聞社は世界でも例にみない発行部数、それも全国同じ記事を大体載せ、なおかつ宅配という形で――限られた時間に日本の全国の印刷所を同時に立ち上げなくてはならない、デリバリーとか品質上も紙が切れて作業が悪くなるようなことにはならない。そのような意味からすると非常に品質が対外競争力になったわけなのですが、昨今、例えばこのようなコピーに使われる用紙や何かをみてみますと、かなりインドネシアなどからきたものが増えてきており、非常に国際的な競争が激化しつつあるというのが現状の認識でございます。一方、紙パメーカーの世界中の情勢をみてみますと、国境を越えた合併を繰り返しておりまして、そういう意味からするとかなり海外勢は強力で大きな形になっているというのが1点でございます。

あと、2点目は、平成12年に立ち上げたときには、ITが発展すれば余り紙が要らなくなってしまうのではないかと想定されたのですが、ありがたいことに今、ITではかなり紙の需要が大きく伸びつつあるというような状勢で、素材産業の宿命としまして、伸びるとすぐに設備投資をして、値段を下げて、減産をしてやっとまた値段を上げてというような収益構造が非常にサイクリカルな産業でございましたので、その辺の業界の構造の改革も図らなければならないというのが2点、これが事業の現状の認識でございます。それをもちまして、日本製紙、大昭和製紙は対等の精神で統合し、自立性・自主性を維持しながらおのおのの強みを生かして迅速な企業集団を目指すという形です。合併という事業統合の手段もあったかとは思うのですが、私どもも平成5年に合併をしたことがありまして、お互いの企業文化とか労働条件を合わせるとかで非常に融和には時間とかエネルギーがかかるわけでございます。迅速な対応のためには、現状の経営組織形態を残して事業統合という形、純粋持株会社でコントロールをするというような形が望ましいのではないかということから純粋持株会社を設立いたしました。

それを受けまして、「統合の目的」でございますが、経営効率向上に迅速に対応して国際競争力を強化する。ある程度大きな規模になって世界的にも競争力を増す。裏返せば、そこから効率経営――具体的には次のページから触れさせていただくのですが――コストの優位性を確保しなければならないというのが1点でございます。あとは、需要動向に即応して――日本製紙及び大昭和製紙は生産構成にかなり似通った部分がございますので、お互いのいいところを学び合うという点があるかと思います。あとは、生産余力の活用、重複投資の排除という形で今までの業界の構造を改革できる、また、生産余力をお互いに持ち合えば、従来ありました過剰な設備投資を繰り返すという形ではなくて、やはり秩序のある競争に向かえるというのが目的の3点目でございます。

その次のページでございますが、実際上の「統合の効果」で、これは平成12年3月の基本合意に達したときに荒っぽくアウトロエンではかられた効果という形で、合計年当たり500億円以上を平成15年には達成するというような目標を掲げました。若干内容を――業界用語等がございますが、内容を説明させていただきますと、1番目は「生産・原料調達面」でございまして、最適な生産配分という形で、後ほどみていただきますが、全国に工場がありますので、どこが一番最適なのか、またどこが一番安くつくれるのかというような最適な生産配分、及び両社の持っている技術的なノウハウ、及び原材料・資材等の共同購入によるコストダウン等という形で、主に人件費とか償却費を除いた製造原価の3%ぐらいを削減できるのではないかとか、また、生産余力の効率的な活用という形で、日本製紙の方がかなり設備余力がもうなかったので、大昭和の設備を活用できたら等々を合わせますと年間250億円という形でございます。

あとは、「販売流通面」という形で、次の地図をみていただきたいのですが、黒く囲っておりますのが日本製紙の工場でございまして、北は北海道から南は九州までございます。点線で囲っておりますのが大昭和製紙の工場でございまして、そこは北海道から、岩沼というのは宮城県にあるのですが、日本製紙の工場群はこれでみていただきますとちょうど真ん中のところの中部地方がなかったわけで、大昭和製紙はここに3つの工場を抱えており、全国の生産拠点が非常にここで整ったという形です。あともう1点、非常に効果がありますのは、例えば、大昭和製紙側であれば北海道でつくった紙も九州まで行かなければならないので非常に輸送費がかかっていたわけですが、この辺は日本製紙の熊本の工場から出せば安く済むというのが2点目でございます。

3点目は大消費地、やはり東京、大阪に近い地区――昔の製紙産業で申しますと、海外からチップ等の原料を購入しまして臨海工業地帯に非常にメリットがございましたが、今後は大消費地、ここはとりもなおさず古紙が出ます、古紙も有力な資源でございますので――大消費地に近い富士地区にある工場が今後コスト競争力を非常に増す可能性がかなり高うございます。この辺の生産拠点の融通と販売・流通面でメリットが50億円ぐらい。

あとは人件費という形で、この辺は研究及び管理部門のリストラ等も含めまして、全体で1,100人ほど減らせるのではないかということで、約100億円。

あとは重複投資という形で、――今の最新鋭の設備投資をしますと製造ラインを1つつくるのに約600億か700億かかりますが、それが1社で済むということで、金利とか償却等の削減のメリットが約70億円。

あとは財務体質の改善という形で、後ほども出てきますが、大昭和製紙は財務体質が若干厳しい会社でございましたので、統合により改善すれば金利減が生まれる等で30億円。これらが約500億の根拠でございました。

平成13年3月末に立ち上げまして、この9月末で半年を迎えたわけですが、この効果が、荒っぽく見積もりますと、半年で約110億出ておりますので、3年後、平成15年度には500億という統合効果も確実な形であらわれるのかと思っております。6ページは省略させていただきます。

7ページは「営業部門の統合」で、メーカー同士が統合しましたが、基本的には紙及び板紙の販売部分も統合しなくてはならないということで、右側の方でございますが、日本紙共販及び日本板紙共販という形で、紙につきましては日本製紙が主体といいますか、日本製紙はほとんど紙が主体でございましたので、日本製紙・大昭和製紙の出資で紙共販を、板紙につきましては、大昭和は一部ありましたが、日本製紙の子会社であります日本板紙と東北製紙の出資で板紙共販という形で販売会社を共同でつくりまして、顧客に対しましては窓口を一本化しております。

ユニパックホールディングは純粋持株会社で、19名の最少スタッフで行っているというような形でございます。

8ページは事業統合後の姿で、統合前でありますと、日本製紙の国内の紙販売高は約2位、大昭和製紙が約3位でございましたが、統合後は、業界1位でございます。ただし、世界ランキングを連結の売上高ベースでみてみますと、2000年暦年でみてみまして、7位ぐらいかと思います。従前、日本製紙の主要株主は、そこに書いてございますとおり日本生命以下で、主要銀行は興銀、三井住友でございます。大昭和製紙の方は、統合前の時点では、日本国内第4位の競合メーカーが筆頭株主で、主要銀行は興銀、富士。統合後の株主は記載のとおりでございます。

9ページは先ほどの、統合後の経営方針ですが、マル1は統合前の基本合意の統合効果を早期実現しましょうということです。2番目は、おのおの3年ぐらいのスパンで中期計画を立ててございますので、各社ともその中期計画に立てたものはしっかりやりましょう――自主・自立という形でおのおののメーカーに課せられた課題にのっとって進んでおります。これ以上は統合後の話し合いでございまして、一部非効率的な製造設備につきましては廃棄、紙以外の事業につきましては分社化というような動きをそれぞれの会社でしております。3番目のところは割愛をさせていただきます。

あとは、統合前の「事業会社の概況」ですが、この辺につきましては先ほどの説明とダブるところがあるので簡単に触れさせていただきます。これは統合前の2000年3月の時点でございます。日本製紙は、設立は昭和24年で、旧王子製紙の1つでございましたが、財閥の解体によりまして王子、十条、本州の3つに分かれた十条製紙が主体となりまして、平成5年に山陽国策パルプと合併をし、日本製紙になりました。総資産は8,280億、従業員6,000人の会社でございました。一方、大昭和製紙は、昭和13年に静岡地区の会社が集まりまして、そのオーナーのもと戦後急速に事業を拡大してきた会社でございます。総資産は6,090億で、従業員は3,300人の会社でございました。

次の11ページにつきましては、これは2000年3月期から過去3年という形でございますが、ここでも、先ほど若干触れましたが、上から4行目ぐらいの「経常利益」の欄をみてみますと、年度によっては非常にサイクリカルに動いており、2000年3月は173億円でございましたが、12年度は日本製紙は441億円まで上がっており非常にサイクリカルです。一方、大昭和も日本製紙と同じような動きをしてございますが、残念ながら1999年3月には赤字が出まして、若干収益が厳しい時代でございました。下は「紙・板紙事業のシェア」でございますが、1999年でみてみますと、日本製紙が17.3%、大昭和製紙が10.6%で、合わせれば28%ぐらいの紙のシェアになっています。板紙につきましては、日本製紙はほとんどなくて、大昭和が5%ぐらいの市場シェアを持っています。

以下、「株式移転比率の算定」に入らせていただきます。

12ページでございます。公正価値をどう判定するかでございますが、具体的には、そこに書いてございますとおり、日本興業銀行及びKPMGコーポレートファイナンス、この2社に移転比率の算定を依頼し、それを受けまして、日本及び大昭和の両当事者の協議で決定しました。日本興業銀行につきましては、株価の比率という株式評価法、時価純資産法及びディスカウント・キャッシュフローという3つの観点からやっていただいております。KPMGにつきましても、株価を参考にした株式市価法、あとは修正純資産法。超過収益均衡モデルという、日本では余り耳慣れないのですが、基本的には修正純資産法に近い形に将来の収益力を加味しております。

そのような結果を受けまして株式の移転比率を中心に算定をいたしました結果、日本製紙1に対しまして大昭和製紙が0.6という形でございます。結果的には統合前の平均株価比率と大きな乖離はなかった、統合発表前の6カ月平均でみますと1と0.63でございますので、結果的にはこれらを反映した形になっております。

「企業結合の資本連結」ですが、日本ユニパックグループは、この半年が1期の決算でございました。1期といいますのは、連続して配当を支払う、従来でありますと中間配当に見合う部分も払いたいため、変則的な半年決算をいたしました。企業結合の資本連結につきましては、日本ではまだ会計基準が固まらない段階でございましたが、一応資本連結をいたしました。その辺が13ページに書いてございますが、基本的には公認会計士協会研究報告を使わせていただきました。ここでは共同の持株会社は取得に当らないため、一応日本製紙を取得会社にいたしまして、大昭和製紙を被取得会社にいたしました。

この根拠でございますが、研究報告に書いてございますとおり――これが下に出てございますが、統合前の両社の公正評価額が著しく異なるというような文面に当てましたという形ですが、公開草案には両社の比率的なものが80~125の範囲であればプーリング、それ以外ならというような文面もあったかと思いますし、IAS22号でも45・55ぐらいならばというような等々を参考にいたしまして、1対0.6であれば公正な評価額が著しく異なるのではないかというようなところを論拠にとりまして、ユニパックの連結では日本製紙及びその連結子会社は持分プーリング、大昭和製紙及びその子会社につきましてはパーチェス法を採用いたしております。

次の14ページが「投資原価と時価純資産額の測定」でございますが、投資原価、公正価値をどうみるかでございます。ここで移転比率公表日の数日前の市場価格という考えもあるかと思いますが、日本の市場は必ずしも――これも個人的な意見もあるのですが、全部が企業の公正価値をあらわしているとは限りません。また、大昭和製紙はかなり流通する浮動株がございませんでした。また、ライバルメーカーが筆頭株主でありました等々、株価だけで評価するのは若干企業実態をあらわしていないのではないかということになりまして、第三者の算定をしました評価額、1株当りの純資産額をもとにいたしまして大昭和の発行済株数を加味したところで、ここには記載しておりませんが投資原価を算定しております。

それに対します時価純資産でございます。大昭和製紙は、決算では、統合の1年前に土地の再評価をしております。あとは、直近の13年度3月期には退職給付会計も全面的に取り入れたり、関係会社に対する債務保証等の損失という形で、基本的には時価会計に先取り対応した会社でございました。そこに対しまして何が違うのかですが、それから土地の再評価をしたその1年後の土地の時価価額の見直しとか、また、海外の子会社の為替の評価替え等々をいたしまして時価純資産として評定をしまして、投資原価と時価純資産の差額につきましてはのれん代という形で無形固定資産の方に計上してございます。

15ページの辺は飛ばしまして、16ページ、最後のページになりますが、「のれんについて」でございます。こののれんの本質でございますが、将来の統合効果を期待したプレミアム、超過収益力の評価額と考えました――先に述べました、両社の事業統合によりまして、両社のいいところが伸ばせられますし、両社で欠点のあるところはお互いに負担できるという形で、大昭和グループと一緒になったことによって超過収益力が生まれたということがのれんの本質かと思っております。そうしますと、そののれんの評価は即時に消滅するのではなくて、効果はかなり長期に及ぶものという形で、すぐになくなっていくのではなくて、減価はすると思いますが、徐々に消滅していくものというような期間的な考えをとっております。そこの考えに基づきまして、超過収益の実現期間の策定が非常に困難なわけでございますが、その辺は会計基準の定めでがない時点でございますので、現行の連結財務諸表原則にのっとった最長の20年で定額で償却するということになりまして、この償却に見合う以上がその統合効果という形で収益の方も実現するというような、費用収益の実現の対応関係というようなものも想定してございます。

あとは、今後の会計処理が決まったところになりますと、検討課題として2点残っております。1点目は、事業が統合したわけですが、これからグループでまた再編が行われたり、また、合併とかというような選択になった場合とかいろいろあると思うのですが、そのときに未償却の残高をどうするのかとか、新会計基準が本当にできたときに、例えばのれんは、今アメリカや何かの流れでありますと、非償却原則というような考えもあるのですが、この辺が遡及してどうなるのかというのが今後の当社にとっての課題かと考えております。

大変長々となってしまいましたが、以上で私どもの説明を終わらせていただきます。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

それでは、ただいまのご報告につきまして、ご質問等がございましたらご自由にご発言ください。

どうぞ、中島委員。

○中島委員

3ページのところで、株式移転比率が日本製紙が0.001で大昭和製紙が0.0006と、また1対0.6というお話がありましたが、その辺のところをもう少しご説明お願いします。

○本村参考人

従来でありますと、日本製紙、大昭和製紙は昔の会社でございますので額面50円の株でございました。今度新しく立ち上げました日本ユニパックホールディングは額面1株5万円の株でございますので、従来であれば1,000倍した部分が流れかなと思いまして、額面5万円が、1株に対しましては、日本製紙の株では従来1が1,000分の1の0.001で、50円株に相当しますと1と大昭和が0.6という、1株当たりの額面の違いでございます。

○斎藤部会長

1,000株を1株に統合したということですね。

ほかにご質問はございませんか。

どうぞ、黒川委員。

○黒川委員

それでは、6ページの生産拠点で、大昭和の白老と岩沼、この辺が旧日本製紙の石巻とか釧路と若干近いというようなこともあって、計画時点あるいは今の段階で何か事業統合とかリオーガニゼーションに関連するような計画がおありかどうか――私がほかの情報を調べればよかったのでしょうけれども、教えていただければと思います。

○本村参考人

この辺は両社近いという形で、技術交流を非常に盛んにしておるという形と、具体的には原料の木片のチップでございますが、その辺を共同で、日本製紙の例えば北海道でありますと勇払から白老の方に向けているとか、また、日本製紙の石巻工場から岩沼の方に向けているという形で、従来、大昭和の白老、岩沼で使っていた原料よりかはかなり安いもので製造できる等、今のところはメリットがございます。あとは、基本的には、白老工場でありますと、例えばここでは板紙もつくっておるのですが、例えば東北地区に行っている板紙は東北製紙も板紙を持っていますのでその辺でつくるとか、あとは、岩沼工場というのは新聞をつくっておりますので、東北地区の新聞は、日本製紙は従来は釧路から送っておりましたので、この辺のところに振り分けていくというような地区別の最適生産に向かいつつございます。

○斎藤部会長

よろしゅうございますでしょうか。

○黒川委員

そうすると、今のところ工場閉鎖というようなものは存在しないということですか。

○本村参考人

今のところは存在はいたしません。ただし、先般、大昭和製紙の白老工場と吉永工場の数台のマシーン、及び、日本製紙の小松島というのが四国にあるのですが、この辺の老朽化マシーンは止める計画でございます。

○斎藤部会長

黒川委員、よろしゅうございますか。

伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員

私は経済界の者ですけれども、大変この内容がよくわかるので、少し立ち入ったことを聞きまして恐縮なのですけれども、それぞれの会社についてシェアはどのぐらいだったのでしょうか。

○本村参考人

先ほどの11ページのところに、これは生産量で、これが、即、販売と。17.3%と10.6%。生産品目が高いのは新聞で、これが40%ぐらいございます。あとは、PPCというかコピーの用紙が45%ぐらいあります。

○伊藤委員

シェアは落としたのですか。

○本村参考人

シェアはそんなに落ちた形にはなってございません。

○伊藤委員

生産は一緒にしないで、販売会社を一緒にしたということですね。だから、公取は問題なかったわけですか。

○本村参考人

生産シェアの高い高度情報用紙につきましては生産設備の約8%強を外部に3年後をめどに売却することを検討しております。

○伊藤委員

3年後に売却するという前提になっているんですね。それは時価評価するときにはどのように評価したのですか。

○本村参考人

これからですね。

○伊藤委員

その時価純資産を評価するときには、それは一応カウントして入れてあるということですか。

○本村参考人

これはまだ評価していません。

○伊藤委員

そうすると、大昭和製紙の株価は時価純資産を相当下回っていたはずでしょうね。大昭和製紙の時価純資産と株価がアンバランスだったと考えていいんですかね。

○本村参考人

それは言えます。

○斎藤部会長

ほかにご発言はございますか。

小宮山委員、どうぞ。

○小宮山委員

さっき聞き逃してしまったのかもしれないのですけれども、14ページの「時価純資産の測定」のところですが、「みなし取得日直前期の大昭和製紙グループ各社B/S簿価を」と、それから、マル1のところで「直前期から13年3月末への修正と」と書いてあるのですが、これは、時価を算定するときは12年3月期のものを基本的には使って、それに修正を加えたという意味でしょうか。

○西本参考人

そうでございます。

○小宮山委員

ということは、恐らく株式移転の比率を出すのが、これは公表日が12年3月ですから、株価の算定時期と受け入れる純資産の算定のベースで時期が同じものを処理したというような考え方になるのですか。

○西本参考人

はい、時期を整合させる補正の処理をいたしております。

○斎藤部会長

ほかにご発言はないでしょうか。

大日方委員、どうぞ。

○大日方委員

細かいことなのですけれども、14ページにあります投資原価のところに、株式価値に加えて、取得の直接要した費用ということが加算されているのですが、これは次の15ページで言うマル1の投資原価と同じと考えてよろしいのでしょうか。

○本村参考人

これは金額的には1億にも満たない数字です。

○西本参考人

投資原価自体は多額でございますが、実際に取得に直接要した費用ということで、これは移転比率の算定費用及び若干の弁護士費用等で1億程度でございますので、15ページの方の投資原価のマル1のところからは表現上も割愛させていただいております。

○大日方委員

それで、もしも――ここの投資原価は計算上額が小さいので気にすることはないのかもしれませんが、その費用を含めると、その分のれんが大きくなっているという理解でよろしいのでしょうか。

○西本参考人

はい。

○大日方委員

別にこれでもう会計処理が済んでいるのでそのこと自身を論評するつもりはないのですが、この取得に直接要した費用を新会社の日本ユニパックの設立費用として5年以内で償却という案は出てこなかったというか、最初からもうこののれんを膨らますという形の処理しか選択肢がなかったのでしょうか。

○本村参考人

これは設立にかかわる費用でもないですよね。設立というのはユニパックの設立でございますので。これはその投資原価、大昭和の公正価額という形でございますので、ユニパック設立の繰延資産ではないという考えでおりました。

○大日方委員

今の件はそれで結構です。

○西川委員

最初に、会計士協会の研究報告に従っていただいたという話なので、それによれば投資原価に加算されるということになっていますので、それによっていただいたということだろうと思います。

○斎藤部会長

そういうお答えだと、大日方委員の質問はそっくり会計士協会に行くのですが。

○西川委員

要するに、会計士協会の考え方は、日本ユニパックが設立されたという考え方ではなくて、日本製紙が大昭和製紙を取得したという視点に立ちますので、投資原価を構成するということだと思います。

○斎藤部会長

いいですか。

○大日方委員

そうなると問題が飛び火するのですが。日本ユニパックの設立費用でないということは直ちにのれんに含めていいということには直接いかないはずでありまして、その部分を分離して、つまり、取得会社側の費用であるということからすると、極端な話ですが、即時償却ということもあり得るわけでして、多分この点は今後我が国の基準でも考えなければならない点ではないかと考えております。

○斎藤部会長

これは関連問題が実は非常に多い議論で、それを視野に入れてご発言になっていると思いますけれども、当然検討課題になると思います。

伊藤委員、ご発言ございますか。

○伊藤委員

私もそのあたりが一番お伺いしたいところに関連するのです。要するに、時価純資産を採用していない会社が結構多いわけですね、私の知っている会社でも何社か、我々の子会社にもありますけれども。そういうところは海外からみるといわゆる買収のターゲットになるわけです。しかしながら、それはのれんという形で企業結合したときにのれんの価値を一応持っていくのだけれども、その場合の旧株主の納得性とか、従業員の納得性などが非常に関係してくるのです。先ほどの大日方さんのお話の即時償却という観念もずっと経営に関係してくるような問題なんですよ。その株主がこれに応じたというのは。4ページの、日本製紙・大昭和製紙の両社が対等な精神で独立性・自立性を維持しながらこれを一体化するというところがよくきちんとお互いに話し合いができて納得できたんですね。そのあたりが経営者として聞きたいところなのですが。

○斎藤部会長

今のお話ですが、さきほど大日方委員が出された取得費用とはまた別の議論だと思いますが、今のご質問に対して本村参考人の方からご発言はございますでしょうか。

○本村参考人

やはりこれは会社も株主も納得したという形かと思います。それが株価を反映したといってもやはりその辺は、企業の価値というのはおのおのの関係に対して納得をしたという形かと思います。

○斎藤部会長

よろしゅうございますでしょうか。

○伊藤委員

はい。

○斎藤部会長

ほかにご発言ございますか。

どうぞ、市川委員。

○市川委員

14ページのところの投資原価の計算式のところに、興銀評価・KPMG評価を足して2で割るというところがあると思うのですけれども、その興銀評価・KPMG評価につきましては12ページの方で3つとか2つそれぞれありまして、具体的にどれかを教えていただけたらと思うのですが。

○本村参考人

具体的な評価額でございますか。

○市川委員

評価額ではなくて、例えば12ページに興銀であれば3つありますが、そのうちの1つを持ってきたのか、それとも、それをまた足して割っているのかということです。

○本村参考人

興銀とKPMGを足して2で割っているわけですが、興銀の方はこの1番の株式の評価方法の比率が50ぐらいですか、結構高いですね。KPMGの方もこの辺の比率は高いですね。この割る2といいますのは、それぞれのディスカウント・キャッシュフロー純資産、株価の興銀の評価とKPMGの評価を合わせたところを2分の1にしたという形です。

○市川委員

ということは、興銀の方はマル1マル2マル3の3つの価額を3で割ってというように理解していいのですか。

○本村参考人

いえ、3で割ってはおりません。

○市川委員

1番ずつやっているということですか。

○本村参考人

はい。

○斎藤部会長

市川委員、よろしゅうございますか。

黒川委員、どうぞ。

○黒川委員

要するに、今のところは、重みづけ平均をしたという、それは外には今はご返答できないということですよね。

○本村参考人

はい。ですから、比率的には株価重視です。

○斎藤部会長

ほかにご発言はございますか。

伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員

時価純資産と株価との関係でいくと、本来、時価純資産は株価が反映すべきなんですよ、資本市場の考え方で言えば。きちんとはいかなくても、2割ぐらいは反映すべきなんです。それがかなり相当離れておるというのは何らか理由があるのではないかと普通は判断されるんですよね。ここにアナリストの方がいらっしゃいますけれども。したがって、そのあたりについては、のれんという形でこれは償却にも関連していくのだけれども、最初からプラスののれんが本当にあったと判断できるんですかね、そこなんですよね。

○斎藤部会長

時価純資産と株価は必ずしも一致しないですね、株価というのは期待ですから。

○伊藤委員

したがって、例えば、財産があっても、含み益を持っていたとしても、将来の経営に対する不安とかいろいろなものが影響しますけれども、しかしながらそれは必ずそういう意味でのマイナス効果があるはずだろうし、何かがあるんですね。つまり、事業経営のマイナスとか何らかの要因があって、株価に反映しているわけですよ。したがって、そういうものがあった場合は、のれんの償却はどうあるべきかということも考えておかないとならないということです。つまり、必ず株価と時価純資産というのは離れてあることはあるのですが、そんなに大きく離れるのはおかしいんですよ。私は離れている会社も知っていますけれども、それはある理由がついて一歩離れているわけですね。本来は株価というのは会社の鏡であって、基本的にはその会社の実力を反映すべき類のものだと思っているのですが。先生の意見と同じことを言っているんですよ、将来の期待値も全部含めてそこに反映してくるんですけれども。

○斎藤部会長

このケースですと、時価純資産に対して株価総額が高いわけですね、マル1が大きいわけですから。

○伊藤委員

一方の方はそうではないんでしょうね。大昭和は違うでしょう。

○斎藤部会長

大昭和の株式と交換をするわけですから、交換の対価として発行するユニパックの、つまり親会社の持株会社の株式の時価総額は交換する大昭和の株価総額と一応等価であると考えますと、のれんが生じているということは大昭和の時価ではかった純資産に比べてその株価が大きくて差分がのれんになっているということでございますね。

○伊藤委員

合併する前の大昭和の方は小さかったのではないですか。大昭和の持っている時価純資産を大昭和の株価がきちんと反映していなかったのではないですかということを申し上げているわけです。

○斎藤部会長

何かご発言ございますでしょうか。

○本村参考人

斎藤先生のご意見だと思います。大昭和の株価が時価純資産と比較して高かったと、そういう意味だと思います。

○斎藤部会長

そうでなければ、異常なプレミアムを払ったとしか考えられないですね。差し当たりペンディングにさせていただいて、ほかにご発言はございますか。

大日方委員、どうぞ。

○大日方委員

時価純資産の計算なのですが、聞き逃しているかもしれませんので私に間違いがあるかもしれませんけれども。

大昭和の土地については、この合併の前の期間か何かに土地再評価をされているので、やったとして微調整ということですか。

○本村参考人

再評価したよりかは1年後に下落したという形ですね。これは再評価後の下落額ということで、13年3月期の決算短信にも記載をいたしておりまして、その金額をそのまま計上しました。

○大日方委員

有価証券は会計基準でいずれ時価評価される。それとお話に出てきた退職給付については未償却分を既にという認識ですね。気になったのはこの借地権を時価評価した理由ですけれども、これは土地に準じてという趣旨だったのでしょうか。つまり、セレクティブに設備は除いているわけですが。

○西本参考人

金額的なウエートはかなり小さいものですけれども、土地に準ずる扱いということで評価をいたしました。

○大日方委員

わかりました。

○斎藤部会長

次に進みたいのですが、その前に大事な点ですので確認だけいたしますが。実は先ほど小宮山委員が確認された論点です。このケースですと、投資原価を移転比率公表日の直前の段階で決めておりますので、そうしますと、それに対応して承継する純資産の時価についても基本的には投資原価決定時点をベースにしてその後の入り繰りを加減していると、そういう方式をとっていらっしゃいますね。それは先ほど公認会計士協会の定められた方式に従っているということでありますが、それは公認会計士協会のお考えとしてもそうなっているということですか。

○西川委員

そこは違います。公認会計士協会の方とはずれているわけですね。個別の資産については実際の取得日で、投資原価については、ここにありますように、公表日直前と。ずれているのはそうせざるを得なくてということだと思います。

○斎藤部会長

ずれているのは、取得日で承継する時価の純資産を評価しているということが、いわばプロクシーといいますか、便宜的にそこでやらざるを得ないということなのか、理屈でそこにしたということなのか、そこはいかがですか。

合併比率決定時点で一応決めたとして、承継する純資産については、考え方としては、合併比率決定時点の評価をベースにしてその後の取得日までの増減を加減する方式と、取得日時点で承継する純資産の時価を決めてしまう方式と2つあり得ますね。今のお話ですと、公認会計士協会の方式は後者であると。その後者を選んだということは、便宜としてお選びになったのか、理屈があってお選びになったのか、そこはいかがでしょうか。

○西川委員

それぞれこうせざるを得ないということで、要するに、現実のものは取得日で買ったのだからそのときの時価で取得したと考えざるを得ないし、もう1つの取得原価の方ですけれども、公表日以降になると株価がお互いに影響し合ってのれんの価値や何かも数字がおかしくなってしまうのではないかということで公表以前にせざるを得ない。それぞれ両方をみて整合していないのではないかということはあるのですけれども、それぞれ別々に考えるとそうならざるを得ないと。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

それでは、時間も大分経過いたしましたので、続きまして、小林参考人及び林参考人から、カルソニックカンセイの事例につきましてご報告をお願いいたします。

○小林参考人

それでは、お手元の資料の「カルソニックカンセイの合併の概要」に基づきましてご説明申し上げます。

1ページ目をお開きいただきたいと思います。「合併当事者の会社概要」ということで、旧カルソニック株式会社と旧カンセイ株式会社の概要をまずごらんいただいております。左側が旧カルソニック株式会社、法的には存続会社でございますが、そちらの概要。右側が旧カンセイ、消滅会社、被合併会社の状況でございます。これは合併したのが平成12年4月でございまして、その直前の平成12年3月31日の状況でございます。

ここで特徴点として申し上げたい点は、両社とも自動車部品の製造業でございますが、大株主のところをみていただくとおわかりになりますとおり、旧カルソニックは日産自動車株式会社が33.4%の株主でございました。また、旧カンセイの方も日産自動車が28.6%、及び、日産自動車の100%子会社でございます日産不動産が6.3%を保有してございまして、旧カルソニックは33.4%、旧カンセイは実質的には34.9%を日産自動車が保有する会社同士の合併でございました。また、一方、一段下でございますけれども、「取扱製品」の下に「主要顧客」と書いてございますが、そこをみていただきましてもわかりますとおり、日産自動車圏への売上高はカルソニックで75.9%、旧カンセイでは81.5%という比率でございまして、まさに日産の系列会社同士の合併というようにみていただきたいと思います。ただし、1つの自動車部品というセグメントでみると同じセグメントの会社の合併のようにみえますが、その中盤に書いてございますとおり、取扱製品は全く異なってございます。旧カルソニックは熱交換器製品、これはラジエーターとかモーターファン、それからカーエアコン、カーヒーター、マフラー、コンバーター等の部品を製造しておりましたけれども、旧カンセイの方は計器についておりますメーター類、エアバック、インストルメントルパネル等の製造会社でございました。したがいまして、日産自動車が筆頭株主であり、3分の1以上を支配している。また、両社の主要顧客、大部分の売上先が日産自動車であったという点では同業の合併でございますけれども、自動車部品の中のもう1つ細かいセグメントでみてみますと、全く違う部品をつくっている会社の合併でございました。したがいまして、我々といたしましては、いわゆる垂直の合併ではなく、水平的な合併をしたというように認識してございます。また、自動車部品会社でございましたので、両社とも特に海外にいろいろ拠点を設立してございました。したがいまして、一番下に書いてございますとおり、両社の連結子会社は合わせまして43社、持分法適用会社が14社でございますが、このうちの半分以上が海外に存在している会社でございます。

続きまして2ページ目、「合併の骨子」でございます。私どもの合併は、今ユニパックさんからご報告いただいたような、持株会社を設立した企業統合ということではなく、単純に企業同士が合併するという選択肢をとってございます。その際に、我々の合併方式といたしましては、あくまで対等な立場で合併するという精神のもとに仕事を進めてまいりました。法的な面、商法関係の上でも、手続き上はカルソニック株式を存続会社とした合併でございましたけれども、対等な立場で合併するということを両社合意の上で合併いたしました。後ほど触れますが、合併比率につきましては1対1ということで、お互いの株1株に対しましてカルソニック株式会社の株1株を割り当てております。合併後の称号は「カルソニックカンセイ株式会社」、合併期日は平成12年4月1日でございます。本店は旧カルソニックの本店がございました東京都中野区に置きまして、経営陣につきましては、旧カンセイの高木が取締役社長に就任いたしまして、旧カルソニックの社長でございました大野が取締役会長に就任いたしました。

続きまして3ページ「合併までのスケジュール」でございます。まず、平成11年3月に両社合併をするということの基本合意を行いました。この時点で、約1年後でございます平成12年4月1日をめどに、合併することを対外的にも発表いたしました。また、同じ年の6月1日に合併比率を除いた新会社の概要、これらを含む基本事項の合意をみております。そのあたりから具体的な合併比率の算定の作業が始まっておりまして、同年の7月27日に合併比率を定めた覚書を締結し、この時点で1対1の合併比率が決定いたしました。また、同じく11月に合併契約を締結し、その時点で翌年の平成12年4月1日以降の役員人事の公表をいたしております。ちなみに、その時点での役員の数でございますけれども、合併前で、旧カルソニックの役員数が、取締役の数でございますけれども、16名、旧カンセイが10名でございまして、合計26名の取締役がおりましたけれども、この役員人事の発表では合併後は19名という体制で経営陣の体制を発表してございます。また、同年12月13日には、公正取引委員会による合併の承認が行われております。また、同じ月の12月22日には、それぞれの会社におきまして、臨時株主総会を開催いたしました。そこで合併契約書についての承認を取っております。それを経まして、翌年、昨年になりますが、4月1日に合併期日を迎えまして、4月3日に合併の登記を行っております。この間に何度か合併に伴います臨時報告書を提出してございますけれども、その記載は割愛してございます。

続きまして4ページ目、「合併の目的」でございます。先ほど冒頭にも申し上げましたとおり、同じ日産系の系列部品メーカーでございまして、最大のお客様が日産自動車という会社同士の合併でございましたけれども、やはりこの合併の一番のポイントは、同じ部品メーカーですけれどもつくっているものが全く違うというところでございました。水平的な結合をすることによってさらに力のある部品メーカーに生まれ変わっていくんだということが最大の目的でございます。そのことを表現したものがその文でございまして、これもご利用の方はご存じかと思いますけれども、車もいろいろと非常な進化を遂げております。高度情報化を踏まえ、世界的に競争力を有する新商品の開発・生産及び部品のモジュール化、システム化を通じて商品力を強化していきたいということがまず1点目でございます。モジュール化、システム化につきましては、若干業界用語でございますので、後ほどまたご説明申し上げます。

また、中盤でございますけれども、それを両社推進することによりまして、その合併を通して開発とか生産の効率化を進め、グローバルレベルでの技術競争に打ち勝っていきたいというのが合併の目的でございます。

繰り返しになりますけれども、自動車業界というのは非常な進化を遂げておりまして、その中で今後とも両社が別々の会社で進んでいくよりも、合併してお互いの違う商品を組み合わせて、さらに力強い競争力のある会社を目指していくということが合併の目的でございました。

続きまして5ページ以降は若干会社のアピールも含めておりますけれども、我々が求めた合併の目的を若干図をもってご紹介しております。先ほどモジュール化が合併の目的の1つであると申し上げましたが、5ページ目に書いてございますのがその1つの合併した成果のものでございます。左側にございますものが自動車の運転席のところで、ハンドルを除いた部分でございますけれども、現在、自動車メーカーからはこういった形で、すべてをアッセンブルした形で納品するように求められてきております。この運転席周りのアッセンブルしたものをモジュール部品と呼んでおりますが、この自動車運転席周りのものをコックピットモジュールと呼んでおります。それを、右側に書いてございますとおり、このモジュールを構成する部品をつくり上げているものは旧カルソニックと旧カンセイですべてが賄えます。例えば上の方が旧カルソニックがつくっておりました、HVACと書いてございますけれども、これはカーエアコン関係の部品でございます。それから、インストルメントルパネルの内側に入ってまいりますけれども、ステアリングメンバー関係の製品、これらは旧カンセイで製造しておりました。また、一方、その下にございますとおり、旧カンセイではインストルメントルパネルとかその他の樹脂部品の製造をしておりまして、お互いの会社が1つになればこれらのコックピットモジュールを1つの会社で生産できる、供給できるということを示してございます。

また、6ページ目はもう1つの複合商品でございますフロントエンドモジュールというものでございますが、これは車の前面の1つ内側に入ってくるものでございます。これも旧カルソニックの商品でございますコンデンサー、ラジエーター、ラジエーターファンのようなものと、旧カンセイの商品でございますラジエーター――「ラジコア」と書いてございますが、ラジエーターコアの意味でございますが、そういうものを融合してモジュール化してお客様にフロントエンドモジュールとして納めるということでございまして、このような効果を統合した会社で求めていくということでございます。

7ページ目がもう1つの部分で、昨今、ようやく普及してまいりましたけれども、車が高速道路に入った際に高速道路の料金を自動的に機械で読み取って収受を行うETCというものができてきておりますが、それらは、車の高度情報化につきましては、ITSと呼ばれております。私どもも、こういった通信の技術とか、車内の車載器の製造技術がございますので、こういったITS化に向けた商品も開発を進めております。これらも先ほどご説明いたしましたコックピットモジュールの中に組み込んでいくというところで、ここでも旧カルソニックと旧カンセイの技術並びに商品が融合されて含まれてきております。

具体的な写真でごらんいただくのが8ページからでございますが、今年の6月ぐらいに発売されました日産自動車のスカイラインという車に初めてこういったフロントエンドモジュールとコックピットモジュールを納めることができております。今年の6月に初めてでございますので、昨年の4月に合併した旧カルソニックと旧カンセイという会社が合併して、その効果を求めた姿が初めて商品となって日産自動車に納められるようになったということでございます。9ページ目がコックピットモジュールのスカイライン向けのもののもう少し大きな写真でございまして、10ページ目がフロントエンドモジュールの写真でございます。こういったランプをつけた状態で納品してございます。11ページ目が先ほど若干触れました高速道路の自動料金収受システムのETCでございます。まだまだインフラの整備が遅れておりまして普及が進んでおりませんけれども、ようやくそのインフラの整備も整ってまいりましたので、これからは車にこのETCが多数据えつけられるものと思っております。

以上が合併する目的を一部お話とビジュアルな面でみていただきました。

12ページでございますけれども、合併比率は先ほど1対1と申し上げましたが、それらの決定までの理由書でございます。まず私どもの合併比率を算出するに当たりまして、公平性・妥当性を確保する観点から第三者でございます太田昭和監査法人にその算定を依頼しております。2番目、評価方法ですが、両社とも上場会社でございまして、自動車業界の中では部品メーカーを含めまして一部上場会社同士の合併は非常にまれでございます。旧カルソニック、旧カンセイも一応一部上場会社でございましたので、こういうことも1つ配慮した点でございます。したがいまして、市場株価の比較方式を中心的な評価方法とすることにいたしました。ただ、市場の株価が連結ベースの1株当りの純資産よりも低い状態でございまして、株価が総合的な企業価値を反映していると言いがたい点もございましたので、時価による純資産価格方式を補完的な方法として採用いたしております。

続きまして13ページでございますけれども、市場株価の比較方式と時価純資産の価格方式を併用したわけでございますが、市場株価の比較方式につきましては、平成11年4月12日~7月9日までの約3カ月間の平均株価を使用してございます。また、時価純資産の価格方式につきましては、平成11年3月31日現在の帳簿上の純資産に対しまして、一般に入手可能な公表された価格が存在するものにつきましては時価評価替え行った上で算定をしてございます。この2つの評価方式を、市場価格の比較方式の方は90%、時価純資産の方は10%算入するということで進めております。その結果、両評価方式を併用した場合の比率でございますけれども、1対0.996というのが算定の結果でございました。

次に14ページでございますけれども、平成11年7月27日に開催いたしましたおのおのの会社の取締役会におきまして、この太田昭和監査法人による合併比率の内容が妥当であると判断いたしまして、両当事者において協議いたしました結果、旧カンセイの株式1株に対しましてカルソニックの株式1株を割り当てることに決定したわけでございます。

15ページ目でございますけれども、合併当事者の合併前3年間の業績を記載してございます。ここで特徴点を何点かお話し申し上げておきたいのですけれども、まず下に書いてございます旧カンセイは、1999年の3月期におきまして決算期の変更を行ってございます。第60期が98年2月と書いてございますとおり、そこまでは2月決算会社でございました。ですから、第61期は7カ月の決算を行いまして、第62期を99年3月期として6カ月決算を行ってございます。そういう決算期の変更を経た会社でございました。もう1つの特徴点でございますが、2000年3月期の両社の当期利益をごらんいただきたいのですけれども、旧カルソニックで71億8千万円の赤字、旧カンセイは60億8千万円の赤字でございます。これは、先ほどのユニパックさんの事例の中にも出て参りましたけれども、2000年3月期におきまして、旧カルソニック、旧カンセイとも、退職給付会計の導入に備えた移行時差異の相当額につきまして、その年の3月期に一括償却を実施してございます。その金額は、厚生年金基金、適年を合わせまして、旧カルソニックで156億円、旧カンセイで114億円でございます。これらの額を一括して特別損失で処理をしてございます。合併直前の両社の財政状態はそのような非常に大きな期間損失を出したところで合併を行ったということでございまして、この時点で、旧カンセイにつきましては未処分利益が消滅し、未処理損失の状態でございました。また、旧カンセイの2000年3月期の1株当たり配当金は5円でございますけれども、これは合併交付金として支払ったものでございます。上の一番右側に書いてございますのが、合併初年度、2001年3月期の損益状況等でございます。

続きまして16ページ「合併承継処理の概要」でございますけれども、私どもの合併は非常に単純ないわゆる両社を足すという合併処理でございまして、非常に単純でございます。左側が合併直前の旧カルソニックの帳簿でございます、2番目が旧カンセイの帳簿でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、下から3行目のところ、未処理損失、旧カンセイは44億2千5百万の未処理損失、旧カルソニックの未処分利益も8億7千9百万という状況でございまして、上の方の資産・負債につきましては、旧カンセイの帳簿価額を全くそのまま承継してございます。一方、資本の部でございますが、資本金につきましては、旧カンセイの発行済株式総数が約5千3百万株でございますけれども、この額面相当額のみを資本金として承継いたしまして、残りの57億5百万円につきましては資本準備金に組み入れてございます。また、旧カンセイにございました任意積立金のうちの研究開発積立金1億2千万、並びに、別途積立金をもって未処理損失と相殺した上で承継してございまして、承継後の剰余金相当額が376億1千9百万ということでございます。受け入れた資産のうち、若干の組みかえはございましたけれども、ほぼ全額帳簿価額で受け入れているということでございます。

次に17ページでございますが、旧カルソニック、旧カンセイにおきまして、会計処理基準等で相違点は確かにございました。その中で大きなものについてのみそちらに記載してございますが、例えば一番上にございますのが財務会計システムでございます。旧カルソニックは、例えば経理部隊は全部本社におります。旧カンセイは工場に原価計算の部隊がおりますけれども、これはお互いに、論議の結果、旧カルソニックの財務会計システムを使用するということで、本社集中型のオンラインシステムに変更してございます。ちなみに、旧カルソニックは本社以外に6工場、旧カンセイは4工場、合計10工場の状況でございます。大体日産の工場がある付近には当社の工場がございまして、栃木県から神奈川県、それから九州地区等に分散してございますけれども、10工場ございます。それらの部分で原価計算を本社集中型にすることで両社で運営を始めました。また、会計基準の部分でございますが、会計基準とまでは言えないところもございますが、海外の子会社等から受け取るロイヤリティーにつきましては、旧カルソニックは営業外の収益で計上してございました、一方、旧カンセイは売上高で計上してございましたが、合併後は売上高に計上することにいたしました。また、部品とか原材料の評価方法でございますけれども、後入先出法に基づく低価法と総平均法に基づく原価法というように分かれてございましたけれども、総平均法に基づく原価法に統一してございます。また、売上の計上基準につきましても、検収基準、出荷基準という違いがございましたが、検収基準に統合いたしました。また、サプライヤー等への支払い条件でございます――これは会計基準とは全く関係ございませんけれども、旧カルソニックは手形サイトは95日、旧カンセイは90日でございますが、合併後は95日ということで、旧カンセイ側のサプライヤーは若干資金繰りが悪化しました。また、会計監査人でございますけれども、旧カルソニックは、国内は中央青山監査法人、海外はKPMG等でございましたけれども、旧カンセイは、国内は太田昭和監査法人、海外はアーンストヤングほかでございました。統合後は、日本は一応存続会社の監査人ということで中央青山監査法人に監査を依頼いたしまして、海外はそれぞれの、KPMG並びにアーンストヤングが中心となってそのまま監査を続けております。

以上が当カルソニックカンセイ株式会社の統合の概要でございますけれども、その後、合併のスケジュールの中で具体的にどのようなリリースをしたかをご参考までにつけてございます。そのスケジュールの網掛けのしていない部分につきましては、このようなリリースをしたというようにご参考までにみていただければと存じます。

雑駁でございますけれども、以上でございます。

○斎藤部会長

大変ありがとうございました。

それでは、ただいまのご報告につきまして、ご発言がございましたらご自由にどうぞ。

黒川委員、どうぞ。

○黒川委員

それでは、少し立ち入ったことをお聞きすることもあるかと思うので失礼はお許しいただきたいのですけれども。

株式比率が1対1ということでうまくなったというような感じも受けるのですけれども、私はこのいただきました資料だけをみたときに、この合併比率が限りなく1対1に近づくという原因は2つあると。13ページの理由書のところなのですけれども、まず、市場株価比較方式の計算期間、平均株価の計算期間が4月12日~7月9日までの3カ月間、これは非常に細かい数字になっているものですから、どうしてこういうことになったのか、何かスケジュールとの関連も含めてここの根拠を、なぜこの日にちになったのか。

それからもう1つ、算入割合が、市場株価が90%で、時価純資産が10%だと。これがフィフティー・フィフティーだと多分違う数字になってきて、時価純資産の方をふやせば多分――間違っていれば申しわけないのですが、カンセイの株主の方がもう少し有利になったのではないかという気もしないではないのです。それはどうしてかというと、1株当たりの簿価の純資産だけみていると、カンセイの方が1株当たりの簿価純資産が非常に大きい。15ページの図をみると、これは2対3ぐらいでカンセイの方が多い。ただ、含み益などが違うだろうということはわかるのですけれども、もしこの比率で何かあればもう少しカンセイの方が多くなる。ただ、株価が、カルソニックとカンセイの株価は非常に近寄っていたので90%対10%ぐらいで、株価を重視すればかなり限りなく近づいたのではないかと。そのようにうがった見方をすればできなくはないので、本当に失礼だったかもしれないのですけれども、どうして9対1になったのか。

最後に、普通、先ほどのユニパックさんでも2つの別々のコンサルタント会社あるいは第三者にお願いする。それはそれぞれの会社の株主を代弁するわけですから、交渉ときにはそれぞれの会社がお願いをして――この合併比率は非常に株主の利害というのに関係しますので――ともかく2つぐらいの会社にお願いするのではないかと思っていたのですが、1つの会社にお願いしたのはどうしてかと。失礼かもしれませんけれども、お答えいただければと思います。

○小林参考人

まず期間の話でございますけれども、特にここの場面で私どもとして申し上げる内容としてはお答えを持っていないというのが現状でございます。ただ、太田昭和というところに一任をいたしておりまして、ここで理由として――私は個人的には聞いていないのですけれども、この期間をとったという部分を――明確なものではないかと思うのですけれども、発表の時期とか株価の動き、その発表した後の株価の動き等のおさまった時期の部分というところでこの時期から始めたということを聞いているのですけれども。それが1つでございます。

それと、資産の繰り入れの部分でございますけれども、確かに1株当たりの純資産額という形でいきますと旧カルソニックとカンセイではかなりの差が出てきている部分があるのですけれども、含み益等を勘案した場合、かなり近い数字になってきていたという部分がございます。ただ、その含み益等については実現するものではないという部分で、一応市場株価を大前提で考えていたわけなのですけれども、株価と1株当たりの純資産額がかなりかけ離れている状況がございましたので、補完的という意味で若干繰り入れるというところで90対10という割合をとっております。

あと、太田昭和というところ1社というところでございますけれども、ここにつきましては、先ほど冒頭にもご説明させていただきましたとおり、私どもとしては対等の立場ということで、旧カルソニックは中央青山で、旧カンセイが太田昭和ということであったわけですけれども、状況から考えますと、太田昭和でもなく、中央青山でもなく選択するという考え方もあったわけですけれども、我々としては一番どこにすればいいかという部分の中で、我々を知っている太田昭和が最適ではないかと、第三者的にも、日産自動車ともお話をさせていただいたわけですけれども、ご紹介いただいたのが太田昭和採用の一番の理由になっております。

○黒川委員

知っているということであれば2社でもよかったわけですけれども、これはお答えにくければいいのですが、なぜ1社だったのか少し納得いかないのですが。

○小林参考人

これではお答えにはならないかもしれませんが、特に1社にしかしなかった明確な理由はその時点では持っていなかったという状況でございます。2社にしようという話も出てはおりませんでした。

○斎藤部会長

ほかにご発言はございますか。

どうぞ、長坂委員。

○長坂委員

今お答えを持っていらっしゃらないかもしれませんが、発表後の株価を使われていますけれども、前のユニパックさん等とか、たしか会計士協会の報告でも、発表以前の株価を使うような形になっていた気がするのですが、発表後のものを使われたのは特に何か理由があるのでしょうか。発表前のものを使うことについて何か問題があったとか、そういったことはあるのでしょうか。

○小林参考人

特にそういう状況ではなくて、やはり合併は12年の4月というところを考えておりますので、公表に近いところの数字を使っていくと、ただ、発表した後に大きな動きがあった部分は外すというところだけで考えておりました。

○長坂委員

納得はしませんけれども、理解はしました。

○斎藤部会長

ほかにご発言はございますでしょうか。

どうぞ、大日方委員。

○大日方委員

瑣末なことかもしれませんが、16ページのところで、合併の承継処理が一応全部閉じている感じもするのですけれども、旧カンセイ株主に払われた合併交付金はどの項目――現金が減るのはいいのですが、どの項目が影響を受けているのか教えてください。

○小林参考人

旧カンセイの合併交付金につきましては、平成12年3月31日の決算の中におきまして未処理損失となっておりますけれども、別途積立金を取り崩す形で処理してございます。ですから、未処理損失に含まれていると考えればよろしいでしょうかね。

○斎藤部会長

旧カンセイの留保利益から払ったという形になりますね。

○小林参考人

そうです。

○斎藤部会長

ほかにご発言はございますか。

どうぞ、小宮山委員。

○小宮山委員

今お話を伺っていると、例えば役員数でみるとこちら、社長はこちら、自社株総額でみるとこちらで、会計士はこちらと、非常に悩ましい事例だと思いますけれども、存続会社を決める決め手はどういうことだったのでしょうか。

○小林参考人

現実に決めた部分というのは非常にわかりにくいところなのですけれども、実際の株価の状況とか会社の財政状態、こういったものを総合的にみた場合、やはり旧カルソニックの方が存続にふさわしいということだったと思います。旧カンセイの方は非常に帳簿上の財務体質はいい会社でした、借入金も少なく、1株当たりの純資産も非常に大きいと。ただ、発行株数が非常に少なくて、浮動株も少ないという状況でございまして、一般の上場会社という中では旧カルソニックの方が比較的パブリックに評価をされているというような判断もございまして、そういうところから旧カルソニックを存続会社とするという方向になったものと思われます。

○斎藤部会長

よろしゅうございますか。

このケースは基本的に類型でいけばプーリングですから、どちらが存続会社になるかはそれほど決定的な違いをもたらさない、いわば名前の問題ですよね。発行済株式総数からいけば圧倒的にカルソニックが多いわけで、1対1でありますから、合併後の持株のシェアでいきますと旧カルソニック株主の方が断然マジョリティーになるわけですね。

ほかにご発言はないでしょうか。

黒川委員、どうぞ。

○黒川委員

この自動車のモジュール化というのは確かに今非常に重要な問題になっているわけですけれども、何か2つの工場群で、リオーガニゼーションというようなことも含めた一体化といったことが起こる計画があるのかないのか、あるいは統合の前にあったのか、あるいは統合の後に起こっているのか、その辺を少し教えていただきたいのですが。

○小林参考人

このモジュールと言っておりますそのアッセンブルに関しましては、現時点では、日産自動車のラインサイドで行っております。スカイラインにつきましては日産自動車の栃木工場の生産車種でございまして、その栃木工場のスカイラインのラインサイドにカルソニックカンセイのモジュールアッセンブルラインを敷設してございまして、そこでカルソニックカンセイの社員が日産自動車の工場の中でモジュールを組み立てているというのが実態でございます。これは同期生産とかいろいろな車種がそのラインに流れておりますので、タイムリーにそのモジュール部品をラインのスピードに合わせて供給するということが目的でございまして、なるべくラインに近いところでモジュールを生産するのが一番効率的という判断のもとにやっております。したがいまして、モジュール化になったことだけでは工場の統廃合は考えられない状況でございます。つまり、例えばラジエーターとラジエーターコアというものを旧カンセイと旧カルソニックでつくっているわけですけれども、それはそれぞれの工場のラインでつくるわけでございまして、そのアッセンブルが自動車メーカーのラインサイドということであれば、すぐには工場の統廃合には結びつかないということでございます。

とはいえ、昨今、やはり自動車の生産台数というものは、特に日本国内においては、日産以外のメーカーは非常に伸びておりますけれども、当社の主力顧客は余り伸びのない状況でございまして、この合併を契機にやはり現在ございます10工場につきましては、極力必要な部分は1つの工場に寄せ集め、今後そういった生産面での効率化を図っていかなければならないという考えはございまして、現在そういう面での統廃合の検討は進めているところでございます。

○黒川委員

申しわけございません、もう少しだけ、経営サイドのご質問になるかと思うのですが。そうしますと、取引コストの面でどういうことになるのかという気がいたします。取引コストを最小にしようということで分散化と統合の意思決定がなされるということだと思いますが、そうすると、この場合はどこまで取引コストが下がるのかということなのですが。今お聞きした理解ですと、今までも多分同系列の会社だったから開発段階でもより密接に、例えばスカイラインならスカイラインの部品をつくるときに、日産本社の方と一体となって部品も開発されていたと思うのですが、よりさらに密接にお互いのモジュール部品の同時開発が起こる。今回のもう一回統合してくるということで取引コストは下がるだろうということでしょうか。ただ、問題は、今までもすべてを1つの会社でやった場合には取引コストがむしろ大きくなる、あるいはリスクが大きくなるという場合があったために分散化ということもあったわけですよね。それぞれの会社が分散して、そこを別の顧客に対しても売れる形にするとか、スパン・オブ・コントロールの範囲を非常に狭めるというようなこともあって分散化にも行くはずなのですけれども、この場合は要するに、今の段階では開発段階ぐらいと考えてよろしいのでしょうか。

○小林参考人

今おっしゃられたことと重複したお答えになってしまうかもしれませんけれども、まずやはり合併したことの最大の目的はモジュール化の対応でございまして、その一番の大きな部分は開発の効率化です。当然、生産面も、1社で生産ができるということももちろんなのですけれども。

5ページの表をごらんいただきたいのですが、このモジュール商品と申しますのは、左側にございますこのアッセンブルした状態のものをカーメーカーが求めているわけでございまして、カルソニックとカンセイが別々の会社であり続けた場合は、カルソニックかカンセイのどちらかがこの完成品のアッセンブルした状態のものを納めなければならないわけです。つまり、別々の会社ですと、たとえばインスト製品をカンセイはカルソニックに納めることになります、もしくは、カンセイがモジュールを受注すれば、カルソニックがHVACとステアリングメンバーをカンセイに納めることになります。ですから、コックピットモジュールというものをカーメーカーが求めた際には、お互いが研究開発を進めていました。コックピットモジュールはどういうもので納めればいいのか、別々の会社で研究開発を進めていたというのが実態でございまして、これを1つの会社にすることによってカルソニックカンセイで左側のアッセンブルなものを納められるし開発もできるということでございまして、そういう面でのコストメリットは非常に大きなものがあると考えております。

○斎藤部会長

よろしゅうございましょうか。

○黒川委員

よくわかりました。ありがとうございました。今言いましたディスアドバンテージの方のリスク分散というんでしょうか、それはそれほど重要でないということでしょうね。

○小林参考人

そうですね。

○引頭委員

12ページ目の評価方法についてですけれども、「時価純資産価格方式を補完的な方法として採用し、企業の潜在的な体力についても」と、「体力」と書いてあるのですが、評価方法を拝見すると、一般的に価格があるものについてのみ時価評価を行ったというようになっております。端的に言うと、土地とかわかりやすい含み益を換算したということかと思うのですが、やはり株価が純資産と大きく離れていたということは、つまり将来の超過収益に対する期待値が非常に下がっていて、そうした点では設備の減損処理とかそうしたことももし時価純資産という考え方であれば取り入れる可能性もあったのかなと思うのですけれども、潜在的な体力というところについてその辺のお考えについてはいかがでしょうか。

○林参考人

今のご質問の内容のところは理解できるのですけれども、私どもとしてここで表現しておりますのは、潜在的な体力というのは確かに、土地だとかそういうものの現在の価格を言っているだけではなくて、例えば設備の能力等も勘案しているような状況というのは必要であろうかと思いますが、とりあえず、棚卸というような形をとったわけではないのですけれども、現状の設備が簿価と合っているのかどうかという部分については若干の評価を加えてあります。

○斎藤部会長

大分時間も迫ってまいりましたけれども、本日のご報告両方を全部ひっくるめまして特にご意見等ご発言がございましたらお願いしたいと思います。

松岡委員、どうぞ。

○松岡委員

日本ユニパックさんのケースにつきまして、1つ事実関係の確認と、それと、経理サイドからの事務負担あるいは感想という観点で教えていただきたいと思います。

まず事実関係の確認でございますが、資料を拝見させていただく限りユニパックさんの設立登記日が3月30日で、先ほどのご説明で、中間配当を従前ベースで行いたかったのでというお話があったので、恐らく初年度の会計期間は3月30日~9月30日。それで、日本製紙さんと大昭和製紙さんの従前の3月決算が閉まったベースでみなし取得日を4月1日として会計処理されていらっしゃると思いますので、現行の開示のスケジュールからいくとそれほど問題ではなかったように考えておりますが、そのような認識で間違いないのでしょうか。

続きまして、仮に別の考え方で、3月30日に設立登記されていますので、3月31日をみなし取得日といたしまして、日本製紙さんが取得者というような前提に立って、13年の3月決算でそのような開示を仮に強制された場合に時間的な余裕はどれぐらいあるとできるのか、あるいは、仮に強制されたらスケジュール自体変更せざるを得なかった可能性があるのかどうかを教えていただきたいと思います。

最後の質問といたしましては、今私が申し上げたのは設立登記という一応法的な側面に着目してお話をさせていただきまして、仮に、今回のケースだと、6月29日に株主総会が通っておりますので、そのまま反対決議がなかりせば、結果として6月29日の時点で実態的には大体おさまっていたとしたならば、6月29日から例えばさかのぼって処理をすべきではないかというような考えを持たれる方もいらっしゃるかもしれないのですが、そういったような考え方に対してはどのようなお考えを持たれるのか教えていただきたいと思います。

○本村参考人

まず、スケジュールの事務処理的な部分でございますが、やはりかなり事務処理とすれば負担が多かったというのは事実でございます。基本的には各グループ会社の簿価をベースに時価をずっと足し込んでいって、持分も勘案して、海外の部分もあってという形で、かなり実務的には労力を要したという理解ではおります。

あとは、最後の、株主総会決議という形でございますが、実際には設立開始というのはその後でございますから、その事象がやはりあってからという形で私どもは解釈をしております。

○斎藤部会長

松岡委員のご質問は、株主総会の議を経た段階で、合併の会計処理をさかのぼってやれということですか、それとも、そうではなくて、合併の会計処理をするのは取得日なんだけれども、そのときの評価のベースを株主総会以前の当初の契約時点にさかのぼってやれというケースを想定していらっしゃるのか、どちらですか。

○松岡委員

私が想定いたしましたのは評価ではございませんで、例えば損益計算書の利益を取り込む開始日はいつかという意味です。

○斎藤部会長

どうぞ、中島委員。

○中島委員

この合併のケースは非常におもしろいと思ったのですけれども、1ページからすると、両方とも上場会社だと思いますけれども、日産自動車がほぼ3割それぞれ所有していて圧倒的ですし、主要顧客のところも日産自動車の割合がほぼ7~8割と非常に大きいわけですよね。ですから恐らく日産自動車がかなり支配的な立場にある合併のケースだと思うのですけれども、日産自動車の連結上はほとんど影響がないと理解してよろしいのでしょうか。

○小林参考人

合併後もほぼ持株比率は33.4%になってございますので、いわゆる日産自動車における持分法適用会社としての存在としては特に大きな変化はないと思っております。

○斎藤部会長

伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員

両方の方にお伺いしたいのですけれども。

合併前の人員がそれぞれ出ておりまして、最初の例ですと6,000名と3,400名ですか、あとの場合が4,200名と2,700名ですけれども、合併後の今の人員というのはどのようになっていますか。大体のところで結構です。

○本村参考人

13年9月、直近でございますが、日本製紙5,048名、大昭和は3,023名です。

○伊藤委員

カルソニックカンセイさんの方はどうでございますか。

○小林参考人

正確な数字はございませんけれども、この9月末で約6,700名ぐらいになっているかと思います。我々の数字の減少は、合併後に一部事業部門を分社化等してございまして、私どもの合併の精神としてはリストラの合併ではないということで強制的な人員の削減は行っておりませんので、あくまでそういった分社とか自然減によるものでございます。

○伊藤委員

分社と自然減ということですね。最初の方も、基本的にはそういことですか。

○本村参考人

そうです。それが大きいかと思います。あとは採用を控えております。

○伊藤委員

基本的には人には手をつけていないということですか。正社員の人については希望退職とか何かをおやりになりましたか。

○本村参考人

希望退職はその前の年に日本製紙側はやっております。

○伊藤委員

カルソニックカンセイさんの方はどうですか。

○小林参考人

今のところ実施してございません。

○伊藤委員

そうでございますか。どうもありがとうございました。

○斎藤部会長

それでは、おおむね時間になっておりますので、特にどうしてもというご希望がなければこの辺で意見交換を終了させていただきたいと思います。

よろしゅうございましょうか。

それでは、本日の部会はこれで終了させていただきます。

次回の部会は、12月14日(金)午後を予定しておりますが、詳細につきましては改めて事務局からご連絡いたします。

本日はお忙しいところまことにありがとうございました。また、参考人としてお運びいただきました方々には大変貴重なお話を伺わせていただきまして、ありがとうございました。

それでは、これで散会させていただきます。

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