平成15年1月16日
金融庁

企業会計審議会第23回第一部会議事録について

企業会計審議会第23回第一部会(平成14年12月6日(金)開催)の議事録は、別紙のとおり。

(問い合わせ・連絡先)

金融庁(TEL03-3506-6000)
総務企画局企業開示参事官室
企業会計審議会事務局


企業会計審議会第23回第一部会議事録

日時:平成14年12月6日(金)午後1時29分~午後3時20分

場所:金融庁9階特別会議室

○斎藤部会長

それでは、おおむね定刻でございますので、これより第23回の第一部会を開催いたします。

委員の皆様にはお忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

前回の部会では、部会内にワーキンググループを設置して、主要な論点についてそこで集中的に検討する件についてご承認いただきました。その後約2ヵ月ワーキンググループで検討を行ってまいりましたので、本日はまずその検討結果について各委員及び事務局にご報告をいただき、その後に主要な論点を中心にご審議いただいて、方向性を確認していきたいと考えております。

なお、昨日、IASBから企業結合の公開草案が公表されております。本日は山田委員にお越しいただいておりますので、まず最初にこの公開草案について簡単にご報告をいただきたいと思います。

それでは、山田委員、よろしくお願いします。

○山田委員

では、お手元の中に「資料」とあるのが一番下についているかと思いますが、これが昨日公表されましたIASBプレスリリースの日本語訳でございます。財団法人財務会計基準機構で翻訳していただきまして、現在そこのホームページに掲載されているものをここで使わせていただいております。

12月5日に公表しましたが、まず第1パラグラフのところにございますように、企業結合会計に関する提案は三つに分かれておりまして、本提案は、公開草案第3号「企業結合」という形で、現在のIAS22号を完全に変えてしまう公開草案、現在の36号「資産の減損」にかかわるもの及び38号「無形資産」を改訂するものという三つになっております。

中身でございますが、3つ目のパラグラフのところにございますが、「当審議会の提案の主な内容は以下のとおりである」ということで、最初に、第3号の適用範囲内のすべての企業結合を、パーチェス法を用いて会計処理するということで、プーリング法の使用は禁止するというのが1点目でございます。

2点目は、企業結合の結果として被買収企業の事業活動のリストラクチャリングのために発生が見込まれるコスト、いわゆるリストラ引当金と言われるものですが、これは企業結合後の費用として処理するということで、原則として企業結合によってリストラ引当金の計上は認めないという処理をしてございます。

3番目でございますが、取得した無形資産は、それが資産の定義に合致し、かつ分離可能であるか、または契約その他の法的権利から生じるものである場合には、のれんとは別個の独立した資産として認識するということで、企業結合のときだけこのような形で無形資産を認識することを考えています。

その次は、取得した識別可能資産及び引き受けた負債と偶発負債は、公正価値をもって当初測定するということです。

最後ですが、のれん、または耐用年数を確定できない無形資産については、償却を行わずに、基本的には減損テストのみということになっております。

その他細かいこともございますが、主要な点は以上のとおりでございまして、この公開草案を来年の4月まで公開するということで公開してございます。

3ページ以下に多少細かいことが書いてございますが、それは適宜ご参照いただければと思います。

以上でございます。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

本日は、議事が大変多いため、非常に時間が少ないのですが、ただいまのご報告についてもしご質問があれば承りますが、いかがでしょうか。

よろしゅうございますか。――それでは、後で戻ってご質問いただいても結構ですので、次の議事に移りたいと思います。

最初に、私の方から、ワーキンググループの実施状況につきまして簡単にご報告いたします。

まず、ワーキンググループのメンバーでございますが、辻山委員、遠藤委員、黒川委員、小宮山委員、万代委員、逆瀬委員、都委員、市川委員、金井委員、松岡委員の各委員にご参加いただきました。お忙しい中をご協力いただきました委員の皆様には、この場をかりまして重ねてお礼を申し上げたいと思います。

ワーキンググループの会議は、10月・11月で合計5回開催いたしまして、前回の部会でご提示いただきました課題につきまして、また主要な論点を中心にして毎回議論を重ねてまいりました。

主要な論点として、パーチェス法とプーリング法を併用する場合に、どのような識別規準が考えられるかという論点と、パーチェス法を適用する場合の取得企業の決定方法との関係をどう考えるかという論点について検討いたしました。また、のれんの会計処理方法や、ジョイント・ベンチャーの取り扱いなど、前回の部会で提示されておりました論点についても検討いたしました。

また、それとともに、これから作成すべき企業結合の会計基準の全体像あるいはイメージにつきましても検討いたしましたので、後ほど事務局から報告していただきたいと思います。

それでは、本日の審議に入ります。

まず、ワーキンググループの検討結果の報告を受けたいと思いますが、それぞれの論点につきましてご参加いただいた委員の方々に取りまとめをお願いしておりますので、分担して順次ご報告をお願いしたいと思います。

前回の部会では、先ほど申し上げましたように、パーチェス法とプーリング法を併用することとした場合の識別規準の検討がワーキンググループの重要課題として提示されておりました。そこで、最初に、この点につきまして万代委員からご報告をお願いいたします。よろしくどうぞ。

○万代委員

万代でございます。

まず、ワーキンググループでの議論をもとにしまして、取得と持分の結合を識別する際の基本的な考え方をご説明し、次に、資料に基づきまして具体的な識別規準をご説明いたします。

なお、これからお話しする基本的な考え方の概略は資料1にお示ししております。

論点整理でも述べられておりますが、従来から企業結合には取得と持分の結合と呼ばれるものがあり、それらは異なる経済的実態を有すると言われてきました。企業結合が取得と判断されれば、結合企業の資産・負債は帳簿価額で結合後も引き継がれるのに対して、被結合企業の資産・負債は公正価値に評価替えされます。他方、企業結合が持分の結合と判断されれば、すべての結合当事企業の資産・負債は帳簿価額で結合後も引き継がれます。これは、持分の継続が断たれた側では、投資家はそこで一たん投資を清算し、改めて再投資を行った、このように考えるからにほかなりません。

取得の場合には結合企業の持分は継続しておりますが、被結合企業の持分は継続を断たれたとみなされております。他方、持分の結合の場合には、すべての結合当事企業の持分は継続しているとみなされております。

このように持分の継続・非継続により取得と持分の結合は識別され、それぞれに対して異なる会計処理が使い分けられてきたわけです。持分の継続・非継続は、投資家の観点に立った説明であって、ワーキンググループの中でも、若干わかりにくいというような意見もございました。そこで、これを企業の損益計算の観点から言いかえますと、次のようになると思われます。

持分が継続しているならば、そこでは投資の清算と再投資は擬制されておりませんので、結合後の企業にとっては、これまでの結合前の帳簿価額がそのまま投資原価となります。この投資原価を超えて回収できれば、その超過額が企業にとっての利益であります。これに対しまして、持分の継続が断たれてしまえば、そこで投資家は一たん投資を清算し、改めて再投資を行い、それを結合企業に現物で出資した、このように考えられます。したがいまして、再投資額が結合後の企業にとっての新たな投資原価となるわけですが、それは再投資を行った時点、すなわち企業結合時点での資産・負債の公正価値にほかならないわけです。そのような投資原価を超えて回収できれば、その超過額が企業にとっての利益である、このように言えます。いずれにしましても、持分の継続・非継続は、企業にとっては投資原価の回収計算、すなわち損益計算の違いを意味しているわけです。

取得と持分の結合は、このように異なる経済的実態を有していると考えられますので、それぞれを映し出すのに適した会計処理を使い分けることが望ましいわけです。持分が継続しているとみなせるならば、資産・負債を帳簿価額で引き継ぐプーリング法が、持分の継続性が断たれていると判断されるならば、資産・負債を公正価値で引き継ぐパーチェス法が、企業にとっての投資原価の回収計算、すなわち損益計算の観点からすぐれております。持分の結合と判断される企業結合が仮に非常にまれであるとしましても、そのような企業結合が存在する限り、それに適した会計処理法を残しておくことは必要であると考えました。

もちろん持分の継続・非継続それ自体は相対的な概念でありまして、現金等の財産を対価として結合企業の株式を取得した場合を除きますと、具体的に明確な事実として観察することができない場合が多いわけです。そこで、持分の継続を「対価の種類」と「支配」という操作可能な二つの観点から判断することといたしました。

具体的には、マル1対価の種類が議決権付普通株式であること、マル2結合当事企業間の結合後の議決権比率が等しいこと、マル3結合当事企業の一方が実質的支配を獲得していないこと、この三つの要件をすべて満たせば持分は継続していると判断し、そのような企業結合に対してはプーリング法を適用することとしました。もしどれか一つでも要件を満たさなければ持分の継続性は断たれたと判断し、パーチェス法を適用することとしました。これは、国際会計基準のように取得企業を識別できない場合に持分の結合と判定する方法とは異なりまして、異なる経済的実態を有する取得と持分の結合のうち、持分の結合を積極的に識別し、それ以外の企業結合を取得と判定するアプローチであります。

なお、マル1からマル3までの要件は、いわゆる並列関係にあるのではなくて、前者は後者の判定へ進むための必要条件である点には注意を要します。具体的に言いますと、マル1を満たして初めてマル2の判断に進み、マル2の条件を満たして初めてマル3の判断を行う、このような関係になっております。

最後に、持分の結合であると判定された場合でも、パーチェス法で処理することも許容することといたしました。それは、海外で資金調達する場合、パーチェス法への修正を要求される可能性がある、あるいは資本コストが高くなる可能性がある、このようなことを考慮したからであります。

次に、資料1及び資料1-1に基づきまして具体的な識別規準をご説明いたします。両者は基本的には同じ内容でありますが、資料1-1はフローチャートで示しておりまして、こちらの方がわかりやすいと思いますので、こちらを用いてご説明いたします。

資料1-1の左半分は、持分の結合を判定するためのフローチャートであります。右半分は、判定のための具体的な識別規準となっております。なお、ここで挙げております具体的な識別規準は、諸外国の規準のうち該当すると思われるものを中心に挙げておりまして、これで必要十分というわけではございませんで、さらに検討を加える必要があることを申し添えておきます。

まず、フローチャートにつきまして、大きく二つのステップに分かれております。ステップ1は対価の種類の判定であり、2枚目のステップ2は支配の判定であります。

企業結合に際して支払う対価の種類としては、色々考えられるわけですが、現金等の財産、これは負債の引き受けも含みますが、これを対価とするものと、結合会社の株式を対価とするものに大別できると思われます。現金等の財産を対価として被結合企業の株式を取得した場合には、被結合企業の株主の持分が継続していないことは明白であります。したがいまして、ステップ1-1では、株式を対価とするもの以外はすべて取得と考え、パーチェス法を適用することといたしました。

また、形式的には株式を対価としておりましても、現金のかわりに株式を使用していることも考えられます。しかし、それは実質的には現金等の財産を対価とした企業結合と同じと考えられますので、そのことも識別しなければなりません。これは諸外国で言われているプーリング法の乱用を防ぐためにも必要であります。さらに、例えば多額の現金配当を行うことで企業規模を等しくすることなど、識別規準を満たすように事前に調整することも防止しなければなりません。

そこで、それらのための識別規準として合計で9つ設けております。資料1-1の右側では、株式交換を偽装した結合等でないことの規準として下側の五つ、株式を対価としているということを積極的にみる規準として上側の四つを挙げております。

次に、ステップ1-2では、企業結合がジョイント・ベンチャーか否かの判定を行います。ジョイント・ベンチャーについては、本基準の対象外とすることも検討しましたが、その場合、ジョイント・ベンチャーかそれ以外かという法的な形式によって本基準の対象範囲を区別することになり、そこに裁量の働く余地が残ることになります。そこで、ジョイント・ベンチャーも本規準の対象範囲に含め、それ以外の企業結合と一貫した考え方を適用することといたしました。

ただし、ジョイント・ベンチャーにつきましては、通常、共同支配であることが契約上等から明らかでありますので、2枚目のステップ2では、議決権比率の判定は行わず、実質的支配関係のみの判定を行うことといたしました。

次に、2ページ目をお開きいただいて、ステップ2の支配の判定でございます。

持分の継続と支配の関係についても、種々の考え方があり得ると思われますが、ここでは支配をより重視する最近の国際的な動向に配慮いたしまして、企業結合に伴って支配・被支配の関係が生じたときは、支配される側の持分はそこで継続性を断たれる、このように考えることといたしました。

支配の考え方は、我が国の連結財務諸表原則においても、連結範囲の決定に際してとられている考え方でございます。支配・被支配関係の判定は、議決権比率が等しいことと実質的支配を獲得していないこと、という二つの要件を満たしているか否かで行うことになります。ただ、注意が必要なのは、この二つは並列的な関係にあるのではないという点です。議決権比率が等しいという要件は、持分が継続していくための必要条件であり、この要件を満たして初めて実質的支配の判定を行うこととなります。

まず、ステップ2-1の議決権比率が等しい。これは、結合当事企業が2社であれば、議決権比率が50:50であることを意味いたします。これは、連結財務諸表原則では、50%超の株式を取得すれば、親子関係、すなわち支配・被支配関係が成立して連結対象となり、連結財務諸表上はパーチェス法による処理が行われることとの整合性を考慮したものであります。したがいまして、議決権比率が50:50でなければ理論上は支配・被支配の関係が成立することとなりますが、実務的な観点からは若干の幅、例えば上下2.5%ポイントないし5%ポイント程度の幅をもたせることが必要であろうと考えました。このような数値基準を導入することについては、ワーキンググループ内で必ずしも全員の合意が得られたわけではございませんが、国際的な会計基準との比較及びプーリング法の乱用の防止等を考慮すれば、必要であるというように考えました。

議決権比率が等しければどちらの株主も支配を獲得したとは言えませんので、どちらの持分も継続していると考えられ、次の実質的支配関係の判定に進むこととなります。議決権比率が等しくなければ多数の議決権比率を有している側の株主が支配を獲得し、少数の議決権比率を有する株主の持分は継続を断たれることとなりますので、この企業結合は取得に分類され、多数の議決権比率を有している株主側の企業が取得企業と判定され、パーチェス法が適用されます。

次に、ステップ2-2の実質的支配関係では、結合後企業の意思決定機関を通じて、または財務上もしくは営業上の重要な契約等を通じて、結合後企業を支配しているかいないかを判定いたします。これも支配力基準を採用している連結財務諸表原則との整合性を考慮したものであります。ただし、ステップ2-2に進むためには、議決権比率が等しいという数値基準を既に満たしているわけですから、株主総会の支配関係について改めて実質的支配関係を判定することは行わないことといたしました。

また、結合後2年以内に一方の結合当事企業の大部分の事業を処分する計画がある場合にも実質的支配関係が存在すると考えました。すなわち、事業を処分する計画がある結合当事企業は実質的に支配されると考え、持分の継続はそこで断たれるというように考えました。

また、株式の交換比率の決定に際して多額のプレミアムが発生している場合、交換比率を恣意的に調整している可能性が高いと考えられますので、このような場合も持分の結合には当たらないと考えました。

これらの識別規準としまして、お示ししている資料で五つ挙げております。今述べたことでございます。

結合当事企業の一方が実質的支配を獲得していないと判定されれば、この企業結合は持分の結合であり、プーリング法が適用されることになります。他方、結合当事企業の一方が実質的支配を獲得していると判定されれば、この企業結合は取得であり、実質的支配を獲得していると判定された企業が取得企業と判定され、パーチェス法が適用されることとなります。

最後に、取得企業の決定方法でございますが、今述べましたところでも若干触れてはおりますが、まとめて次のような考え方をとっております。

取得企業の決定は、取得と持分の結合の識別規準と整合した形で行うことといたしました。すなわち、識別規準のマル1からマル3は、前者は後者の判定に進むための必要条件でありますので、マル1対価の種類で取得と判定された場合には、対価を支出した企業を取得企業といたします。次に、マル2の議決権比率の判定で取得と判定された場合には、議決権比率が大きいと判定された結合当事企業を取得企業といたします。最後のマル3実質的支配関係の判定で取得と判定された場合には、実質的支配を獲得した結合当事企業を取得企業といたします。ただし、持分の結合と判定された場合でもパーチェス法を用いることが認められております。したがいまして、そのような場合には、実質的支配関係のほか交換の条件、議決権比率を考慮して取得企業を決定するというように考えました。

少し早口で申しわけございませんでしたが、以上でございます。

○斎藤部会長

大変ありがとうございました。

それでは、ただいまの万代委員のご報告に関しましてご意見またはご質問がございましたら、ご発言ください。

八木委員、どうぞ。

○八木委員

今伺いまして、実務をやっている人間として、まず一つ、ジョイント・ベンチャーを正面から取り上げる方向にしていただいているのは非常に結構だと思います。私の身の回りでも、実質的に部門をカーブアウトして一緒にするケースで、ジョイント・ベンチャーをとるケースが非常に多いものですから、これは非常に実務的だなというように感じております。

それから、ここで行われている50%プラスマイナス2.5あるいは5%という数値による判定基準について一言なんでございますが、今、委員のご説明では、そのような数値基準と同時に、実質的な判定基準はどうであるか、これを併用して決める。これはそのとおりだと思うのでございますが、このルールの中に一方で連結原則といいますか、それがあって、ここにおいては、50%以下の持株率であっても、40%超であればという一つの基準があって、その上で色々な実質基準を判断して子会社を判定してもよいという考え方もあるわけなので、そのような実質基準というものの考え方と、50プラス・マイナス2.5もしくは5、微妙に数字は変わるところがあるので、この辺の平仄を合わせておく必要がないかなというように感じたところでございます。

以上です。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

ほかにご発言はないでしょうか。山田委員、どうぞ。

○山田委員

一つ、三つの要件が挙がっておりますが、IASの場合ですと、結合当事企業の公正価値がほぼ等しいという要件が入っているわけですが、そのような要件は今回検討されたのでしょうか。それから、検討されて、そのようなことはだめだということであれば、どのような理由かというのを教えていただきたいと思います。

○斎藤部会長

万代委員から回答されますか。

○万代委員

公正価値が等しいということでございますと、株価で交換比率がほぼ決まっているということを前提としますと、結果として議決権比率が等しければ公正価値は等しいことになるだろうというように考えています。ですから、この中に既に含まれているというように理解いたしております。

以上です。

○斎藤部会長

山田委員、どうぞ。

○山田委員

そうしますと、このようなことが現実的に起こるかどうかわかりませんが、A、Bとかなり大きさが違うような企業が三つの要件を満たしてプーリングの対象になることはないという理解でよろしゅうございましょうか。

○万代委員

株価で交換比率を考えている限り、そのようなことはあり得ないだろうというように思います。

○斎藤部会長

万代委員が作成されました資料1-1の2枚目でありますが、右側の枠で囲っているステップ2-2の一番最後、「株式の交換比率の決定に際して多額のプレミアムが発生している」という条件がありますと除外されますので、結果的に万代委員の説明された結果に落ちつくような気がいたします。

ほかにご発言がございますか。伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員

私も実務の観点から申し上げまして、八木委員と同じなのですが、我々としましては50%から40%というものが連結のルールということで考えていたのが、ここで2.5%というものが新しく入ってきた、これは一遍よくそのあたりのところを調整していただきたい。

もう一点目は、税制の問題にも関連するのですが、税制適格企業というものがあって、そこの思想は、人の問題が入っていたと思います。つまり、日本の企業が合一的な結合であるというところは、今は破れていますが、企業内組合であり、年功序列であり、終身雇用でありというのが日本の3点セットで、依然として色濃く残っておる。そのような中で、民族的にも一つだから対等合併というものがあるという日本独特の国民性、そのようなものがベースにあって、それがこの前の税制適格企業によって税の繰り延べが認められておる。

もちろん税と会計は違いますが、そのあたりに入っている思想というものがここには入っているのかどうか。税のことを言っているのではなくて、人を切らない。逆に言えば、それは単に出資比率云々の問題かもしれませんが、短期には人は切らないということがこの前の税制適格の条件に入っていたと私は記憶しているんですが、そのあたりも少し教えていただきたい。

以上です。

○斎藤部会長

これは万代委員から回答されますか。どうぞ、お願いします。

○万代委員

資料1の3枚目をお開きください。真ん中ぐらいに(注3)があると思いますが、それの三つ目、「結合後2年以内に一方の結合当事企業の大部分の事業を処分する予定がある」、ここである程度今、伊藤委員がおっしゃったことは考えたということです。もし処分する予定がない、リストラしなくて引き継ぐということであれば、ここには少なくともひっかからないというような理解でおります。

以上です。

○斎藤部会長

よろしゅうございますか。

安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

このフローチャートで最後まで行き着く分は継続してプーリング法で処理する。最近の事例でこれが全部かなうという例はどのぐらいあるのでしょうか。もしもあったら、興味として知りたいのですが。

○斎藤部会長

これは万代委員でいいですか、それとも事務局にお願いした方がいいですか。

○万代委員

辻前専門官にお願いします。

○辻前企業会計専門官

今ここで2.5%という形で数字を出しておりますが、このように考えた場合は、かなり数は少なく、年間数件とか、そのような感じになるのではないかなというように思います。

○斎藤部会長

ほかにご発言がございますか。どうぞ、伊藤委員。

○伊藤委員

少しくどいようですが、万代委員のご説明でよくわかったのですが、事業をやる我々経営サイドから言えば、人を切らないというのが経営者の誇りであり、そのような点では、大部分の事業を処分するというのはもちろん人が絡むわけですが、そのようなところの趣旨をもう少しわかりやすく、これからまとめていくでしょうから、後でまとめる最終案のときは若干色を出していただくとありがたい。

以上です。文学的表現で恐縮です。

○斎藤部会長

ご返事は少し留保させていただきます。

梅山委員、どうぞ。

○梅山委員

意味の確認ですが、結合後の議決権比率というところの意味をもう一度確認したいのですが、結合後というように書いてありますので、例えばA社の発行株数が100で、B社の発行株数が200、このときに交換比率はA社が2で、Bが1、このような場合、結合後ではA社の株主の持分とB社の株主の持分が一緒になると思いますが、交換後の議決権比率がおおむね同じである、そのような意味で理解したらよろしいわけでしょうか。

○斎藤部会長

そのはずだと思います。

○梅山委員

わかりました。

○斎藤部会長

ほかにご発言はないでしょうか。山田委員、どうぞ。

○山田委員

資料1の2ページのところで、持分の結合であると判定された場合でもパーチェス法で処理することも許容するという扱いがございますが、この扱いを適用した場合には何らかの開示といいますか、そのようなものは予定されているのでしょうか。

○斎藤部会長

では、辻前専門官。

○辻前企業会計専門官

位置づけとしては会計方針という形になりますので、そのような扱いで継続的に適用していただくということで、その旨を開示していただく、そのような方向で考えております。

○山田委員

そうしますと、会計方針の採用ということになりますと、一つの企業に対して例えば2回企業結合があるとして、1回目はパーチェスで、2回目はプーリングでということではなくて、企業の方針として選んで、それを開示して、以後継続適用。そのような考え方でございますか。

○辻前企業会計専門官

一つの企業がこのような事態に何回も出くわすというのは考えにくいのですが、基本的には継続的に適用していただくということです。

○山田委員

くどいようですが、その場合は会計方針の開示だけであって、国内の同じような状況の企業との比較のようなことは必要ない。つまり、会計方針だけを明示すればよい、そのような扱いでございますか。

○辻前企業会計専門官

今日お手元にある案では、そこまで要求するような文言は入れておりません。ご意見があれば伺っておきます。

○斎藤部会長

ほかに。さしあたりよろしゅうございましょうか。

色々とご発言も多い部分ではないかと思いますが、後でまた戻ってくださって結構ですので、少し先へ進ませていただきたいと思います。

次に、松岡委員から、パーチェス法の会計処理についてご報告をお願いいたします。よろしくどうぞ。

○松岡委員

それでは、私の方から、主にパーチェス法の会計に関する論点についてお話し申し上げますが、説明の都合上、一部先ほど万代委員の方からご説明があった事項と重なっているところがございますので、適宜その点については割愛させていただきたいと思います。

それでは、お手元の資料の方を見ていただきたいと思います。

まず、会計基準の要点と考え方についてですが、これは先ほど万代委員の方からご説明いただきましたし、先ほど山田委員の方からご質問があったかと思いますが、持分の結合であると判定された場合でもパーチェス法を容認するとはいうものの、その企業として一度持分の結合についてもパーチェス法を適用するというような選択をした場合、基本的には継続適用が条件となるのではないかというようにワーキンググループ内では考えてございますが、ほかの注記については具体的に検討しておりませんので、必要であれば別途そのような対応をさせていただきたいと思います。

また、3番目のところでございますが、フレッシュ・スタート法は、今回、企業結合の会計処理としては採用しないというように考えました。

その主な理由といたしましては、論点整理の中でも触れられておりましたが、フレッシュ・スタート法の採用に合理性が認められるためには、新設合併のようにすべての結合当事企業が一たん解散し、すべての株主持分が清算された上で、新たに設立された企業へ拠出するというような経済的実態が必要ではないかという意見があったことと、国際的にも検討はされているものの、実際には採用されてございませんので、現時点においては結果として採用しないというように考えました。

次に、パーチェス法の基本的な考え方に関してでございますが、この点については、第2パラグラフ以下のところをご紹介申し上げます。

パーチェス法の下では、被取得企業の資産及び負債を時価で受け入れ、かつ取得原価だけ資本を増加させ、その増加額のすべてを拠出資本とするとともに、取得企業の受け入れた被取得企業の時価純資産に対する取得割合相当額と取得原価との差額をのれんとすることになります。具体的には、取得企業は、取得日より、取得企業にとっての取得原価、つまり取得企業にとっての投資の原価と考えるわけですが、その投資原価を基礎といたしまして被取得企業の収益及び費用等の業績を損益計算書に取り込むとともに、被取得企業の資産及び負債並びにのれんを貸借対照表上認識する、というように考えました。

ここでは、右の摘要欄に記載しておりますとおり、企業結合をいかに定義すべきなのか、その関係で、支配ですとか取得、持分の結合等どのように定義することが望ましいかということについては、色々検討いたしましたが、必ずしもまとまった見解はございませんので、必要であればご意見等をいただきたいというように考えてございます。

次に、対象取引でございますが、当然のことながら、企業結合の定義にもよりますが、まず企業結合それ自体、それとジョイント・ベンチャーを形成する取引、共通支配下の取引、これは企業結合の定義には該当しませんが、対象取引として扱うべきではないかというような考え方でございます。四つ目に、個別決算上の少数株主との取引が挙げられますが、これも企業結合の定義には該当しません。また、連結財務諸表上の取り扱いにつきましては、既に連結原則・同注解で定めがございますが、個別の取引について検討すべきではないかというようなご意見が多かったということでございます。

次に、具体的に取得の会計処理に移らせていただきたいと思います。取得企業の決定につきましては、先ほど既に説明申し上げさせていただいておりますので、ここではその中の3番目から簡単にご紹介申し上げます。

読ませていただきますと、例えば商法上の吸収合併の場合、存続会社が議決権付普通株式を交付するが、消滅会社の株主グループが合併後存続会社の議決権総数の過半数を保有する結果、取得企業に該当する場合がございます。このような事象は、議決権付普通株式を交付した企業と企業結合会計上の取得企業とが一致しないという意味で、国際的な会計基準では「逆取得」と呼ばれているものでございますが、そのような場合でも消滅会社を取得企業とすることに留意が必要ではないかという意見でございました。

また、その関係で、現行商法では、存続会社のすべての資産・負債を時価評価することは認められないと解釈されてございますので、存続会社が企業結合会計上の被取得企業に該当するような吸収合併の場合においては、個別財務諸表上パーチェス法を適用し、存続会社の資産・負債を時価評価することを強制できないことから、個別財務諸表上はプーリング法に準じた方法により会計処理する、というようにいたしました。

関連する論点といたしましては、右側を見ていただきまして、まず1点目として、企業結合の当事者が3社以上の場合も、先ほどご説明があったようなロジックで取得企業を決定することができるかどうかということが一つのポイントとなると考えました。

また、商法上の制約から、個別財務諸表上プーリング法に準じた方法により会計処理するといったような際に、パーチェス法との重要な差異を永久開示させることといたしました。しかしながら、そのような場合にはどのような項目をどの程度開示させるかどうかについては検討が必要ではないか、というような意見がございました。

続きまして、取得原価の算定に移らせていただきたいと思います。

1番、支払対価が現金の場合は、当然ですが、現金で測定を行い、支払対価が現金以外の資産の引渡、負債の引受、持分証券の交付の場合は、支払対価の公正価値と取得した資産の公正価値のうち、より高い信頼性をもって測定可能な価値で測定する、というようにいたしました。これは通常の交換取引の場合に適用されている基本的な考え方との整合性を重視したものでございます。

次に、「取得」が単一の取引ではなく複数の取引の結果達成されるような場合、その際の取得の対価は、原則として各取引日時点ごとに算定を行い、それらを合算したものとする、というようにいたしました。

社債・株式発行費用など結合に直接要した費用は結合年度の費用として処理を行い、それ以外の結合に要した費用は発生の都度期間費用処理する、というように考えました。今の点につきましては、持分証券の時価から控除する方法が国際的には採用されてございますので、そのような方法についてどのように考えるべきかという意見があったことを申し添えさせていただきたいと思います。

4番目に移らせていただきまして、ここでは主に公開企業を念頭にしてございますが、支払対価が自己株式の場合、原則として、その結合の主要条件が合意・公表される前の合理的な期間における株価を基礎に測定を行う。しかしながら、合意・公表日から自社株式の交付日までに株価が重要な影響を受けていない場合には、交付日の株価を基礎に測定することができる、というようにいたしました。これは、主要な条件等が公表された後の株価におきましては、本来の対象企業の事業価値そのものとは必ずしも関連しない要因によって株価が動き得るという可能性を考慮したものでございます。

次、5番目に移らせていただきまして、これは注意的な内容でございますが、交換比率の算定に当たっては、当事企業がお互いの事業価値をいくつかの方法によって評価を行っているというのが一般的な実務ではないかと考えます。そこでの評価額はあくまで交換比率算定上の評価額と考えられますので、取得原価の算定値とは基本的に相違するものである。したがって、交換比率算定上の評価額をもってそのまま取得原価とするというようなことは基本的にはないことに留意が必要である、ということでございます。

次に、条件付き取得原価が将来利益に関連する場合は、具体的に申し上げますと、企業結合の中におきましては、将来の特定年度において特定の利益水準を維持または達成できるかどうかという条件によって、追加で対価が支払われるというような契約がございます。そのような場合には、その支払いが合理的に決定可能となった時点で支払対価を取得原価として追加的に認識する、というように考えました。今申し上げたような場合は性格的に取得原価の公正価値自体の事後修正項目であるというような考え方に立ってございます。

他方、条件付き取得原価が証券価格に関連しているような場合、具体的には特定の証券の市場価格が将来の特定の日に特定価額を下回っているかどうか、下回っている場合には追加で支払対価を交付するという契約条件のような場合でございますが、そのような場合、追加で交付可能となった証券については、その時点の時価に基づき認識するとともに、取得日時点で既に交付している証券につきましては、追加で証券を交付可能となった時点の時価で、あたかも当初から交付されていたかのように当初交付の際の会計処理を遡及的に修正する、というようにいたしました。これは先ほどの例とは相違いたしまして、将来の特定の証券価格に関連するような条件というものは、当初合意した取得原価の特定の公正価値を維持する、いわばそのようなための事後調整項目ではないかというように考えたからでございます。

8番目に、これも留意的な意味合いで書かせていただいておりますが、取得日時点で決定可能な条件付き取得原価は、取得日時点で取得原価に含めるということと、条件付き取得原価が証券価格に関連しているような場合は、取得日時点で既に事実上合意された特定価額をもって取得原価とする、というように考えました。

続きまして、三つ目の識別可能な資産及び負債への取得原価の配分方法についてでございます。

まず、取得企業は、被取得企業から取得した資産及び負債の公正価値を基礎として、それらに対して取得原価を配分することになります。

今申し上げました被取得企業から取得した資産及び負債は、国際的な会計基準では、被取得企業の識別可能な資産及び負債と呼ばれるものでございます。

そのような被取得企業の識別可能な資産及び負債の範囲についてでございますが、それにつきましては、被取得企業の取得日前の貸借対照表に計上されていたかどうかを問わず、それらに対して対価を支払って取得した場合、原則といたしまして、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準の下で認識されるものに限定する、というようにいたしました。

追加的な説明といたしまして四つほど書かせていただいておりますが、まず一つ目、法律上又は分離して譲渡可能な権利は、適当な科目を付して無形資産として計上する。これは、現行の我が国の実務でも、このような権利等については無形資産として計上される場合を考慮したものでございます。

次に二つ目でございますが、取得後短期間で発生が予想される費用又は損失であって、その発生の可能性が取得の対価の算定に反映されているものは負債として認識する、というようにいたしました。その理由といたしましては、そのような取得の対価を決定する際に考慮されているものについては、負債として認識した方がその後の投資の回収計算を適切に行い得るのではないかという考え方に基づいたものでございます。

また、配分の結果、期間費用処理される研究開発費に配分された金額は、結合年度において費用処理を行うというようにいたしました。

四つ目といたしまして、配分の結果、取得原価が取得した資産及び引き受けた負債の評価額を上回る場合にはその差額をのれんとして、下回る場合にはその差額を負ののれんとして、資産または負債として計上するというようにいたしました。

次に、被取得企業の識別可能な資産及び負債の時価に関してでございますが、そのような時価は、強制売買取引や清算取引ではなく、いわゆる独立第三者間取引を前提とした公正な評価額とする、というように考えました。

具体的な考え方でございますが、まず、観察可能な市場価格がある場合には、その市場価格とする。そのような市場価格がない場合でございますが、原則といたしましては、市場参加者が利用するであろう情報や前提等に基礎をおくことといたしました。そして、そのような情報等を利用できないときには、企業独自の情報等が市場参加者のそれら等と明らかに矛盾しない限り、企業独自の情報等に基礎をおいて見積もることといたしました。これは、見積もることというより、むしろそのような場合にはそうせざるを得ないという実務を考慮した面もございます。

次に、識別可能な資産及び負債を特定し、それらに対して取得原価を配分する作業は、企業結合が完了した後1年内に確定させることといたしました。例えば、中間決算や年度決算の直前に企業結合が完了した場合には、その中間決算や年度決算時点で入手可能な情報等に基づき、少なくとも暫定的な処理を行うということにいたしました。その後追加的に入手した情報等に基づき正確な数値へ確定させていくことに留意する必要があるというように考えてございます。

最後に、開示に関してでございますが、まず企業結合にパーチェス法を適用した場合の注記事項として、企業結合の完了年度においては、記載のとおり10通りの項目を考えてございます。その開示内容は、基本的には米国のFAS141を参考にしてございますが、この開示内容すべてについてワーキンググループ内で合意が得られたわけではございませんで、追加すべきものがあったら追加すべきであろうし、逆に必要がないというものがあるのであれば、当然削除を検討すべきであるというように考えてございます。

簡単に読んでいきますと、まず一つ目は、被取得企業又は取得した事業の名称及びその事業の内容あるいは結合の法的形式、結合後の企業の名称及び取得した議決権比率を注記するというものでございます。

二つ目といたしましては、仮にのれんを認識する場合には、その認識に至った取得原価に貢献した要因についての説明を初めとして、企業結合を行った理由でございます。

三つ目は、取得日及び財務諸表に含まれている被取得企業の業績の期間。

四つ目といたしまして、被取得企業の購入価格とその内訳。株式を交付した場合には、株式種類別の交換比率、発行又は発行予定の株主持分の評価額及びその評価額の算定根拠。対価として株式を発行した場合には取得原価の測定日、合意の公表日なのか、あるいは交換日そのものであるのかということでございます。

五つ目としては、発生したのれん又は負ののれんの金額及びその会計処理方法。

六つ目として、取得日時点における被取得企業又は取得した事業の主要な資産及び負債を区分掲記した要約貸借対照表。

七つ目、結合契約に規定される条件付き取得原価の内容及びそれらの今後の会計処理方針。

次に、取得原価のうち研究開発費に配分され、期間費用処理された金額と、その項目が含まれている損益計算書上の科目。

九つ目といたしまして、取得原価の配分が完了していない場合には、その旨及びその理由。次年度以降において取得原価の当初配分額に重要な修正がなされているような場合には、その修正の内容と金額を注記することといたしました。

十項目目といたしましては、当該企業結合が前期首に完了したと仮定したときの前期の損益計算書への影響額及び当期首に完了したと仮定したときの当期の損益計算書への影響額。これは国際的にはプロフォーマ情報と呼ばれているものでございます。

次に、のれん及びその他の無形資産が重要な場合には、二つほど注記してみてはどうかというように考えることといたしました。

まず一つ目は、認識されたその他の無形資産の総額及びその主要な種類別の内訳、全体及び主要な種類別の加重平均償却期間でございます。

もう一つは、認識されたのれんの総額及びその償却期間でございます。

最後に、永久開示してみてはどうかというように考えた逆取得の場合に関連する注記でございますが、連結財務諸表を作成しない場合において、逆取得に該当する企業結合をプーリング法に準ずる方法で会計処理したときは、パーチェス法を適用したとした場合の貸借対照表及び損益計算書に与える影響額を注記してみてはどうかというように考えました。

私の方からは以上でございます。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

それでは、ただいまの松岡委員のご報告につきましてご質問やご意見等、ご発言があれば承ります。

中島委員、どうぞ。

○中島委員

逆取得の場合、プーリング法に準ずる方法というのは、多少違ったところが出てくるということなのですか、それともそのものですか。

○松岡委員

基本的には、資本の部を除いて資産・負債を簿価のまま引き継ぐという意味でプーリング法に準じた方法というように考えてございます。

○斎藤部会長

よろしゅうございましょうか。

どうぞ、長坂委員。

○長坂委員

先ほどの山田委員の質問の続きですが、持分の結合と判定された場合でもパーチェス法を容認するということですが、ほとんど事例はないかもしれませんが、仮にパーチェス法を選択した企業と以前にプーリング法を選択した企業がまた同様にプーリング法を選択できるような条件で結合した場合には、継続性といった場合、どちらか継続性がなくなってしまうと思いますが。

○辻前企業会計専門官

そこまでは検討しておりませんでしたので、また検討したいと思います。

○斎藤部会長

ほかにご発言、ございますか。

八木委員、どうぞ。

○八木委員

取得原価の配分のところで、これはお願いでございますが、色々な資産がある中で、日本においては土地の評価のあり方というのはどの会計処理でも一番問題だと思うのでございますが、ワーキンググループでも色々あったように伺っておりますが、評価の方法を検討されるとき、具体的なイメージがわきやすいように、そのような設例をもとにしてやっていただくといいなというように感じております。

それから、プーリングでもパーチェスでも、処理した次の決算期にすぐ減損処理をやらなければならない、そのような見積もりをやることもやり方によってはあると思いますが、そのようなことが生じないように、なるべく実行可能な処理、実行可能な監査という観点から、土地に関しては、よく動きますので、そのような設例での検討をぜひお願いしたい、こう思っております。よろしくお願いします。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

梅山委員、どうぞ。

○梅山委員

パーチェス法の基本的な考え方のところで、要するに取得原価で資本を増加させる場合に増加額のすべてを拠出資本とするというところですが、拠出資本とは何かというところについて理解が及んでいないのですが、今までの議論の中でも、日本では配当可能利益について厳しい制限があるということを考えると、資本の内訳というところについては、例えば利益剰余金というものとか資本剰余金について、それを継承させるようなことが考えられないかというところについてお願いしたいと思います。

○斎藤部会長

ご意見を承りましたが、松岡委員から回答されますか。

長坂委員、どうぞ。

○長坂委員

松岡委員の4ページ目の3番、取得後短期間で発生が予想される費用、これはいわゆるリストラ費用のようなものも含まれるわけですか。

○松岡委員

はい。

○長坂委員

その場合、今度は山田委員にお伺いしたいのですが、IASBではリストラ費用は費用処理とするようですが、この辺の根拠はどうなっているのでしょうか。

○斎藤部会長

山田委員、どうぞ。

○山田委員

IASB側の根拠は、リストラ引当金は、結合される被買収企業の負債でもなくて、買収する側の企業の負債でもない。つまり、被買収企業においては、買収される前は過去の取引の結果として生じている負債ではない、それは被買収企業の負債として計上することは不可能である。今度、リストラするというのは、買った企業のこれからの予定であって、過去の取引の結果として起こっているものではないので、いわゆる負債の定義を満たさないということから、ここにありますようにそのような要素が例え考慮されていても、企業結合を機に引当金の計上はしないというのが結論です。

○斎藤部会長

よろしゅうございましょうか。

西川委員、どうぞ。

○西川委員

今の確認ですが、企業結合の合意日以降、実際に企業結合されるまでの間に被結合企業の中で意思決定をしたということになれば、それは認識されるということでしょうか。

○山田委員

それは、被結合企業の財務諸表でまず負債としてあがって、それが引き継がれるということになりますので、企業結合で起こるのではなくて、被結合企業の方で負債に該当する事態になったという理解になるかと思います。

○斎藤部会長

決めてみて、オンバランスになっていなければだめということですね。

山田委員、どうぞ。

○山田委員

今の点にも少し関連しますが、先ほど万代委員のご説明の中で、持分の結合であると判定された場合でもパーチェス法で処理することを許容するという取り扱いがされていましたが、その理由として、海外で資金調達する場合、パーチェス法への修正を要求される可能性がある、そのようなことを考慮したからだということでございますが、今の松岡委員のご説明を聞いていますと、いくつかの点で今、国際的に議論されている点と異なる処理が提案というか、考えられております。

そうしますと、例えば松岡委員の資料2の1ページのところ、パーチェス法のもとでののれんというのも、今議論されているのは、部分のれんではなくて、少数株主を含めた全部のれんを計上しようとしているとか、3ページの4で、支払対価が自社株の場合の決定についても、ここでは合意日を採用されていますが、国際的な議論では実際の結合を行った日の株価というような形になるとか、4ページの3のマル2については長坂委員の方からあったかと思いますが、それ以外にもいくつか、小さなところで少し差異があるようです。

いずれにしても、この基準におけるパーチェス法を採用した場合でも、海外の起債ではなお修正が必要だというようなことになろうかと思いますが、そのあたりは先ほどの万代委員の説明との関係ではどのようにお考えになっておられるのでしょうか。

○斎藤部会長

これは万代委員から回答されますか。

○万代委員

今のすべてに回答できませんが、3ページ目でご指摘された支払対価の決定日、これは国際的な基準ですと、確かに合意日ではなくして、実際の結合日だということのようですが、そもそもそれが間違っているのではないですかね。つまり、本来お金を払おうと決めたときの対価で測定するのが理屈が通っているので、実際に払ったときの対価は、株式ですから、後でどう変動するかわからないわけです。むしろ合意したときの方が理屈の上では正しいはずなので、原則として理論的に正しい日、ただし書き部分で結合日を認める。基準としての書き方はこの方が筋が通っているのではないか、このように判断したわけです。ですから、結果としては、ただし書きで処理しておけば、今おっしゃったような問題は少なくとも起こらないというように考えます。

以上です。

○斎藤部会長

松岡委員からご発言、ございますか。

○松岡委員

私の方からもすべてはコメントできませんが、誤解がないように申し上げておきますが、4ページ目の3番のマル2、いわゆるリストラ費用に関連するようなものでございますが、ワーキンググループ内の議論では、例えば意思決定だけで認めるですとか、そのようなことは考えておりませんで、基本的には結合当事者間の合意で取得の対価を決めるわけでございますが、契約の条項ですとか、明らかに書面等で反映されているというものを客観的に確認できる場合については、そのようなものが対価の決定に反映されているのであるからして、そのような内容を反映させて認識する方が投資回収計算をより適切に行い得るのではないかという考え方に立っている、ということだけこの場では申し添えさせていただきたいと思います。

○斎藤部会長

山田委員、どうぞ。

○山田委員

私の趣旨は、個別の取引の際についてお聞きしたかったのではなくて、もともと持分の結合であると判定された場合もパーチェス法を認めるという処理が、海外での起債の際、海外でパーチェス法が強制されているからという理由で許容されるわけですが、そのパーチェス法自体がここに言われているような会計処理だと国際的なルールと違って、私の理解では、多分その場合でも何らかの修正作業を必要とすることになると思います。パーチェス法を採用すれば、何の調整もなく海外で使えるかというと、決してそうはなっていないように見えるので、そのあたりのところはどのようにお考えなのでしょうかという質問でございます。

○辻前企業会計専門官

そのあたりですが、例えば国際会計基準に準拠するとか、米国基準に準拠するということになりますと、そちらの方の詳細な規定を逐一満たさないとならない、それは当然ではございますが、そのようなわけでもなくて、日本基準でそのまま出ていくという場合もありますので、必ずしも国際会計基準に準拠した場合のことだけを考える必要もないのかなというように思われます。

考えますに、プーリングとパーチェスだと、財務諸表の数字的には非常に大きな差が出ますし、項目はバランスシートの全項目にわたるということで、調整という意味では大変であろうという判断があったのと、例えば部分的にどこかが少し違うというぐらいの調整であれば、それはそのときにやっていただくということでもよいのではないか、その程度の判断でございます。

○斎藤部会長

今のご説明のように、プーリングでやってしまったものをパーチェスにしろ、これはかなり大幅な修正であって、その問題と、パーチェスを選択したときの個々の基準の相違の調整とは同列ではないというように考えております。ましてや今、検討されているという少数株主分ののれんを計上せよとか、そのような話を先取りしてこの基準で合わせるというのは無理な話でありまして、そこまで配慮するのであれば、我々は基準をつくらないでIASBにお任せするという話になってしまいますので、その辺はご了解いただきたいと思います。

○山田委員

私が挙げたのは例として挙げただけで、今、検討中のものに合わせる必要があるという主張をしたかったわけではございません。

○斎藤部会長

ほかにご発言がございますか。

どうぞ、長坂委員。

○長坂委員

4ページの次の研究開発費ですが、費用処理しますが、マル4で、配分の結果、資産・負債の評価額を取得原価が上回る場合、研究開発費に配分された費用の部分もここには入ってくるのか。つまり、取得した資産及び費用計上された費用から引き受けた負債のネットを差し引いた分を上回る額がのれんになるという解釈でよろしいですか。

○斎藤部会長

松岡委員、どうぞ。

○松岡委員

研究開発費に配分されたものも加味するということでございまして、そのような理解で結構だと思います。

○斎藤部会長

よろしゅうございましょうか。

ほかに。さしあたりよろしゅうございますか。

それでは、これも後で戻っていただくことは結構だと思いますが、さしあたり次のご報告をお願いしたいと思います。次は金井委員からのれんの会計処理について、続いて市川委員から共通支配下の取引について、順番にご報告をお願いしたいと思います。よろしくどうぞ。

○金井委員

それでは、私の方から、のれんの会計処理と負ののれんの会計処理についてご報告させていただきます。資料3をごらんください。

まず、のれんの会計処理につきましてですが、のれんは、20年以内の期間にわたって、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却する。また、当該のれんは「固定資産の減損に係る会計基準」の適用対象資産になるということで、ある意味で規則償却と減損の併用ということになるかと思います。この方法を採用した場合には、右の摘要にございますように、償却年数につきまして商法との調整が必要となってまいります。

この結論に至りました考え方ですが、それを以下に述べさせていただきます。

のれんの会計処理方法としては、「規則的な償却」を行う方法と、「規則償却をせず、のれんの価値消滅時に減損処理をする」という二つの方法が考えられるかと思います。ワーキンググループで検討いたしましたのは、株式を取得した後の連結財務諸表作成手続と、直接資産・負債を受け入れ、当該会社を消滅させた場合――すなわち企業結合の場合ですが――の経済的な同一性に着目し、正ののれんと投資差額(連結調整勘定)の会計処理との整合性をとる観点から、規則的な償却が合理的であると判断いたしました。

また、「規則的な償却」を行うことによりまして、以下のようなメリットが考えられます。

1番といたしましては、企業結合の成果たる収益、企業結合後の収益と、その対価の一部を構成する投資差額の償却という費用との対応関係が可能となります。

二つ目は、取得したのれんは時間の経過とともに自己創設のれんに入れ替わりますが、取得したのれんを償却することにより自己創設のれんの資産計上を防ぐことが可能となります。

三つ目、のれんの効果の及ぶ期間及びその減価のパターンは予測可能なものではなく、一定の期間にわたる償却が可能な選択肢の中では合理的であると考えました。

ページをめくっていただいて四つ目、のれんのうちには価値が減価しない部分があるということもございますが、その部分だけを切り出すのは困難と言えることから、全体を規則的に償却する方法に一定の合理性があると判断いたしました。

他方、もう一つの選択肢であります「規則償却をせず、のれんの価値消滅時に減損処理をする」方法でございますが、これに関しましては以下の三つの問題点が考えられます。

一つ目は、のれんが超過収益力を表すとみるなら、競争の進展によって通常はその価値が減耗するはずであり、非償却の処理はその点を無視する。

二つ目は、先ほど申し上げましたことと裏返しですが、自己創設のれんを計上するのに実質的に等しいと考えられる。

三つ目としまして、減損処理を実施するためには厳格で適用可能な減損レビューの方法の確立が不可欠でありますが、その実行可能性には疑問点が残るということであります。

他方、もう一つの可能な選択肢といたしまして、「規則的な償却」と、「規則償却をせず、のれんの価値消滅時に減損処理をする」という方法の選択適用を認めてはどうかという議論もいたしましたが、利益操作の手段として用いられる可能性もあることから、好ましい方法ではないというように判断いたしました。

それから、四つ目、相対的に多額ののれん及びその他の無形資産が計上されている場合の対応ということです。どのような場合かといいますと、のれんを規則償却とした場合、例えば株式交換による企業結合のプロセスにおいて、買収対価(発行株式金額)の過大評価、すなわち新規に発行した株式が過大に評価された場合や、過払い、いわゆる評価ではなくて払い過ぎた場合に、のれんが過大に計上されるという問題が生じます。

このような取得原価と比較して相対的に多額ののれんやその他の無形資産が計上されていると判断される場合においては、取得年度においても「固定資産の減損に係る会計基準」の適用上、減損の兆候があるものとすることといたしました。この過大部分については、別途減損会計において減損の必要性を判断するというプロセスになるかと思います。

続きまして、負ののれんの会計処理です。会計処理といたしましては、負ののれんのうち、別途取り扱いを定める将来予測される費用・損失であって、負債の認識基準を満たさないものや、偶発損失に起因するものを除き、繰延利益として負債計上し、正ののれんと同様20年以内の期間で規則的な償却を行う、ということにいたしました。

途中で書いてございます「別途取り扱いを定める」というのは、先ほどから議論が出ていました松岡委員がご報告された4ページの3のマル2、「取得後短期間で発生が予想される……」云々のところがございますが、それがこの部分です。

先ほどの松岡委員のこちらの内容につきまして少し補足させていただきたいと思いますが、この部分を負債計上しませんと、負ののれんの取り扱いとも関連するのですが、結果として負ののれんが計上されるような形になるわけです。この後、負ののれんの会計処理についてご説明させていただきますが、その場合、負ののれんを計上して、負ののれんが規則的に償却されるなり、もしくは利益に計上されるなどの会計処理があるわけですが、片やその支出の目的となった費用なり損失が発生したときに、負ののれんの処理のタイミングと、目的となった費用または損失のタイミングもしくは会計処理のアンバランスが生じるということがありまして、負債計上が一つの考え方ではないかということが背景にあるかと思います。

次に、考え方ですが、負ののれんの会計処理方法は、負ののれんがある特定の原因により発生するものとみなし、その原因に即した会計処理を行う方法と、正ののれんとの会計処理方法の対称性を重視し、規則的な償却を行う方法に大別されるかと思います。

発生原因に即した会計処理を行う方法では、負ののれんの発生原因に関する仮説が用いられますが、その仮説が必ずしも絶対的な合理性を見出すことはできないことから、正ののれんとの会計処理方法の対称性をより重視し、規則的な償却を行うことが妥当であると判断いたしました。

ということで、次に、ご参考のために、発生原因に即した会計処理を行う方法の考え方を付記いたしました。発生原因に即した会計処理を行う方法といいますのは、以下にありますような、負ののれんはこのような原因で発生しましたから、その実態に一番適合するような会計処理を行いましょうという考え方でございます。

発生原因に即した会計処理を行う方法には、企業結合によって取得した非流動資産に負ののれんを比例的に配分し、残額が生じれば繰延利益もしくは発生時の利益として計上する方法や、もしくは全額を認識不能な債務やバーゲン・パーチェスとみなし、発生時に利益計上する方法等が考えられます。

非流動資産に比例的に配分する方法の根拠ですが、負ののれんは本来的には生じるはずがなく、その発生はパーチェス法の適用時における識別可能資産の公正価値測定上の不備によるものとみなし、この過程で測定を誤る可能性の高い資産から比例的に控除することが妥当であると考えるものです。

それから、発生時に利益計上する方法の考え方ですが、識別可能資産の公正価値の測定が適切に行われていることを前提にした上で、負ののれんの発生を認識不能な債務やバーゲン・パーチェスであると位置付け、現実的に異常かつ発生の可能性が低いことから、異常利益として処理するのが妥当であると考える考え方であります。

また、異常利益として処理させることは、時価評価を適切に行うインセンティブにもなるという見解がございます。

私からは以上でございます。

○斎藤部会長

ありがとうございます。

続いて市川委員からお願いします。

○市川委員

市川です。私の方からは、お手元の資料4に基づきまして、共通支配下の取引、少数株主との取引につきましてワーキンググループの中で紹介しました論点をご説明させていただきたいと思います。

まず、共通支配下の取引でありますが、要は、この取引は企業結合を前提としておりまして、結合した企業同士の取引というものを想定しています。(1)にありますとおり、企業集団内における株式移転、合併、分割等々の取引というようになります。したがって、親会社の立場から考えれば、これは一種の内部取引であるということになりますから、会計処理的にはプーリング法に準じた処理ということで、簿価引き継ぎといったような格好の会計処理になろうかと思います。

ただ、厳密に申し上げますと、なお書きにありますとおり、少数株主との取引に絡む部分もございますので、部分時価、全面時価といったような連結原則との関連を考えますと、全く連結には影響しないということは言い切れませんが、基本的には簿価引き継ぎといったような会計処理という意味で、プーリング法に準じた処理というものが適用されるかと思っております。

帳簿価額を引き継ぐという言い方だけで済めばよいのですが、この辺、よく考えてみますと、悩ましい論点がいくつかあろうかと思います。ここでは主な論点ということで、三つほど紹介させていただきたいと思います。

まずマル1でありますが、共通支配下の取引は内部取引ですから、簿価引き継ぎ。結果として売却損益の計上は認められないということになろうかと思います。例えば、具体例を挙げて申し上げますと、親会社が持っている土地を子会社に現物出資しましたといった場合には、親会社の土地に対する投資というものは子会社株式に化けて継続しているといったような考え方ができるので、親会社の立場からすれば、このような簿価引き継ぎという処理は非常に理解しやすい処理かと思います。

ところが、子会社にとってどうかというように考えてみますと、親会社から出資された土地と、外部から出資された土地と、支払対価はいずれも変わらないのですが、親会社から出資される土地に関しましては親会社が付した帳簿価額を付さなければならないのに対して、外部から出資された土地に関しては外部の帳簿価額ではなくて時価で引き継ぐことになります。プーリングといっても、親会社にとってはプーリング法的な会計処理は理解できるのですが、子会社の個別財務諸表におけるプーリング法のあり方というのは議論する余地があるのではないか、ということが第1点目の主な論点ということになります。

2点目の論点は、帳簿価額は具体的に何を意味しているかということです。早い話、連結上の帳簿価額を意味しているのか、個別財務諸表上の帳簿価額を意味しているのかということです。

ここでは子会社同士が合併した場合を例に挙げていますが、決定的な違いは何かと申しますと、親会社が子会社株式を取得したときには、連結上、子会社の資産・負債について時価評価をするわけでありますが、時価評価額が連結上の取得原価として一種の帳簿価額を構成するというように考えれば、親会社が連結上付した帳簿価額を引き継ぐのか、それとも、もともと親会社が個別決算ないしは子会社が個別決算で付した帳簿価額を引き継ぐのかといった点、これも議論になる点かと思います。

三つ目の論点は、次のページですが、仮に連結上の帳簿価額を引き継ぐというように考えますと、例えば連結財務諸表におきまして連結調整勘定を計上している子会社を合併した場合には、個別決算の企業結合の会計処理におきまして、連結上計上した連結調整勘定を営業権として個別決算書上も引き継ぎ処理をしなければならないのか、この辺も含めて検討する必要があるのではないかというように考えております。

以上が共通支配下の取引の論点でありまして、次に少数株主との取引の論点です。

これも基本的には企業結合しているということを前提としていますが、違いは何かと申しますと、先ほどの共通支配下の取引は結合している企業同士の取引でありますが、こちらの場合には、結合している企業の株主間の取引ということになります。したがって、ここの株主としましては親会社と子会社の外部株主である少数株主ということになりますが、この場合は基本的には外部取引という形で位置づけられますので、パーチェス法に準じた処理になろうかと思います。

この辺の連結上の手当ては既に連結原則でなされていることになるわけでありますが、一つ主な論点として挙げれば、個別決算において子会社株式を現金でなく株式交換で取得した場合の会計処理は、現在、明確になっておりません。子会社投資という形で考えるのであれば、現金で取得した場合と同様に現金相当額、時価ということで、交付株式の時価で測定するのが適当というように考えております。

ただ、この点、実際、商法の規定が357条にありますが、子会社に現存する純資産額という形で規定されているわけですが、これとの対応は、等価交換ということを前提にすれば矛盾は解決するのではないのかというように個人的には思っているところでございます。

以上でございます。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

それでは、ただいまの金井委員と市川委員のご報告につきましてご意見等がございましたら承ります。

私の手元のスケジュール表では、あと数分辛うじて時間がとれるという感じでございますが、その後にまだ議題がございますので、ぜひかいつまんでご発言いただきたいと思います。

西川委員、どうぞ。

○西川委員

市川委員の2ページの少数株主との取引で、パーチェス法に準じた会計処理を適用するということは、連結調整勘定部分だけを言っているのか、資産・負債の時価を部分的あるいは全面的に見直すことを含んでいるのかということを確認させていただきたい。

○斎藤部会長

市川委員、どうぞ。

○市川委員

ここで申し上げているのは、連結上はあくまでも手当て済みという理解でありまして、個別決算における子会社株式の測定の問題としてパーチェス法という形で考えています。したがって、下の主な論点に直結するというように考えていただければよろしいかなと思います。

○斎藤部会長

よろしゅうございますか。

ほかにご発言――安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

金井委員の資料3の3ページ、負ののれんの会計処理の1のところですが、繰延利益として負債計上し、償却する。これですと商法の資本準備金の合併差益の扱いと完全に抵触するということになりますね。

○斎藤部会長

金井委員、どうぞ。

○金井委員

そうですね。その辺の手当てが必要かと思います。

○辻前企業会計専門官

これは、前回6月の部会だったと思いますが、神田先生にその論点をご報告いただきまして、繰延利益――バランスシート上は負債として計上してあるのであれば、商法上もそれは認められるであろう、そのような解釈をいただいておりますので、基本的にはその方向で考えたいなというように思っております。

○斎藤部会長

実はこれは、繰り返し出ている議論ではあるんですね。特に安藤委員からコメントがあったら、どうぞ。

○安藤委員

要するに、商法側と調整してくださいというお願いです。

○斎藤部会長

ほかにご発言がございますか。よろしゅうございましょうか。

パーチェスをとった場合の基準が国際的な基準と異なることについて先ほど危惧が出されましたが、のれんに関しては全く違っているわけでありまして、いかんともしがたいということであります。

ほかにご発言、よろしゅうございましょうか。

それでは、議題としては最後になりますが、事務局から、会計基準全体のイメージについて、また各委員からのご報告に含まれていないその他の事項とあわせてご説明をお願いしたいと思います。

○辻前企業会計専門官

それでは、資料5の方をごらんいただきたいと思います。

現在の部会は、来年の3月に公開草案を取りまとめたいということでお進めいただいているわけですが、そのようなスケジュールを考えてみますと、現時点、12月のこの時点において、会計基準のイメージについて何らかの案をお示しする必要があるというように考えまして、ワーキンググループにおきましても全体構成のような形でご検討いただきましたので、ワーキンググループの資料をもとに資料5を作成しております。

具体的な内容につきましてはこれまで資料1から4という形でご説明いただいておりまして、そこから漏れている点、細かい論点につきましては資料5の方に入れてございますので、それもあわせてご報告していきたいと思います。

まず、「会計基準(公開草案)のイメージ(案)」ということで、仮称として「企業結合に係る会計基準」という名称を使わせていただきました。

1番の対象取引につきましては、右の要検討事項の列にありますが、資料2で先ほどご説明いただきましたが、そのような内容として考えられるのではないか。

2番の定義につきましては、企業結合、支配、取得といったキーワードが並ぶわけですが、こちらの内容については、現在検討中ということで、中身は書いてございません。

3番目の項目として企業結合に係る会計基準ということで、1番、取得と持分の結合の識別、2番、取得の会計処理、取得企業の決定方法、このあたりについては資料1でご報告いただいたところでございます。下の取得原価の算定あるいは識別可能資産及び負債への取得原価の配分方法、のれん、負ののれんのところにつきましては、資料2及び資料3でご報告されたような内容になろうかというように考えております。

(6)個別財務諸表上の取り扱いでございますが、これは前回の部会で、株式交換とか移転についても検討してほしいというようなご提案がございましたので、このような形で現在入れておるということですが、1番、株式交換及び株式移転の場合として、これらにパーチェス法を適用する場合、完全親会社の個別財務諸表上では、パーチェス法を適用して計算した場合の取得原価で被取得企業株式を計上してはどうかという点。

下の点の方は、共同持株会社の場合でパーチェス法を適用する場合は、完全親会社というか、新設される親会社ですが、そちらの個別財務諸表上の取得企業株式は、結合時の簿価純資産額のベースで計上してはいかがかという形で入れております。

2番目の逆取得の場合につきましては、資料2の方で先ほどご報告いただいたのと内容は基本的に同じでございますので、ここでの説明は省略させていただきたいと思います。

3番目の持分の結合の会計処理については、先ほどの資料4まででカバーされておりませんでしたので、ここにこのように書き出しておりますが、(1)として、資産、負債及び資本の引き継ぎは、基本的には結合当事企業の簿価を引き継ぐということになろうかと思います。

(2)会計処理方法の統一ということですが、基本的には、会計処理方法の変更に準じて、適切と考えられる方法に統一する必要があるのではないかということです。

(3)結合関連費用、支出した費用については、結合した年度の費用として処理する必要があるのではないかということです。

(4)ジョイント・ベンチャーの場合でございますが、資料1の方でもジョイント・ベンチャーを取り上げられておりましたが、この場合はプーリング法に準じた処理方法を適用する必要があるのではないかということでございます。

3ページの上から二つ目の点の方は、ジョイント・ベンチャーを共同支配する親会社というか、出資側の企業の場合の持分の評価ですが、その投資額は移転前の事業の帳簿価額とすること、このように入れておりますが、ワーキンググループの方で、JVについては投資側の処理も規定する必要があるのではないかというようなご提案がありましたので、ここに追加的に記載しているということでございます。

4番目、共通支配下の取引等に係る会計基準ということですが、これにつきましては、内容的にはただいま資料4でご報告いただいたところになろうかと思います。

5番目の開示でございますが、こちらにつきましては、現在入れておりますのは、のれんの表示ということで、この内容は、無形固定資産又は固定負債の区分に表示するものとし、借方、貸方双方に生じる場合には相殺して記載できる、これは連結調整勘定の規定をそのまま流用したものでございまして、連結調整勘定をのれんに含めて表示する案を現在考えているということでございます。

2番目のパーチェス法を適用した場合の注記事項につきましては、先ほど資料2でご報告いただいたとおりでございます。

3番目は、プーリング法を適用した場合の注記事項でございまして、こちらにつきましても、要検討事項の列の方に、個々の注記事項についてはさらに検討の余地があるというように書いておりますので、今は暫定的にこのように入れているというようにご理解いただきたいのですが、チェックマークのところが内容ということになります。1番、結合当事企業の名称ですとか、2番目として引き継いだ資産とか負債、資本の内訳、3番目のチェックマークは会計処理方法の統一の内容について。4番目のチェックマークは、当該企業結合が前期首に完了したと仮定したときの前期及び当期の財務諸表への影響額ということで、現在の案では海外の基準のように遡及して財務諸表をつくり直させるという方針はとっておりませんので、そのかわりそのように仮定したときの影響額を注記していただいてはどうかという考え方で、ここにこのように入れているということでございます。

4ページ目の一番上の点ですが、プーリング法を適用したジョイント・ベンチャー、親会社以外の共通支配下の取引の当事企業は、具体的には子会社の財務諸表、親会社ではない方の財務諸表ということですが、こちらの方は今のご説明に準じたような注記を行うことになるのではないかということでございます。

4番の共通支配下の取引に係る注記事項として、1番目の点ですと、完了した事業年度において、親会社の方で、どのような企業が対象になったか、対象になった事業の名称とか、その事業の内容とか、そのようなことを注記していただくことになるのではないかということ。2番目の点の方は、共通支配下の取引には該当しないけれども、持分の結合と判定したジョイント・ベンチャーを共同で支配する企業、投資する側の企業については、上の項目に準じたような注記を行うのが適切ではないか、そのようなことが考えられるということでここへ入れております。

5番目は重要な後発事象の注記ということですが、当然ですが、重要な後発事象に該当する場合には注記をしていただく必要があるのではないかということです。

6番の適用時期でございますが、今、暫定的に出ておりますのは、平成17年4月1日、2005年度以降開始する事業年度から開始してはいかがかというような形で入れております。要検討事項の方には、平成16年4月1日以降事業年度についてどうするかというのも検討の余地はあるかなということで、参考的に入れております。

簡単ではありますが、以上でございます。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

では、ただいまの事務局のご説明につきましてご発言――八木委員、どうぞ。

○八木委員

今の一番最後のところでございます。暫定的ということでございますが、二、三お願いとしては、2005年4月というのは、まさににくいタイミングだなと思いますが、この手の取引は非常に時間もかかりますので、新規の適用は、この後、新規に始まるプロジェクトからこれを適用するというように、いわゆる経過措置をぜひよく議論していただきたいなというように感じました。

それから、相当大部の実務指針をつくられることになると思うのでありますが、色々なことを考えると、いつもそのようなお願いで恐縮ですが、実務指針が出てから1年ぐらいのゆとりを考えてお決めいただければなと、このようなことでございます。よろしくお願いします。

○斎藤部会長

伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員

私、しばらく休んでいまして、大変立派な資料、色々お話しいただきまして、内容等については決して反対ではないんですが、3年にわたってこの会議をやってきて、いよいよ大団円を迎えるということになったわけです。もちろん公開草案は、私はこれで結構だと思いますが、別に1枚か、あるいはその先か、これに至る経緯というか、つまり、なぜ日本が結合会計、プーリングを残してやっているのかというところのことをきちっとこの委員会として世にうたう。単に国際会計基準に従った、それも長々時間をかけてやったとか、最後タイミングよく向こうのレポートに合わせたということではないわけであって、ここはこの委員会の見識というのをきちっと出すべきではないかというように思います。

先ほど私、申し上げたのもそのようなことであって、日本の特質の中で、あるいは社会的基盤の中で企業結合会計を我々はこのように考えたというなお書きというのか、そこが1枚あってほしいなというのをぜひお願いしたい。

以上でございます。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

ほかにご発言、ございますか。よろしゅうございますか。

それでは、もう一件ですが、今後の部会の進め方について事務局からご提案がございますので、お願いいたします。

○羽藤参事官

それでは、今後の進め方に関してですが、一言、提案を申し上げたいと思います。

前回この部会でお集まりいただきまして、冒頭もご紹介がございましたが、斎藤部会長を初めワーキンググループのもとに各委員の方々に入っていただきまして、集中的に、専門的にまとめていただきまして、今までご紹介いただいたところであります。あわせまして、ご参画いただいたことについて改めて御礼を申し上げたいと思います。

今日のご議論のように、いくつかクラリファイすべき点、これまでのことを全体的に振り返りながら、国際的な動向の中でこれをどのように位置づけるかという点については、確かに重要なことだと思いますので、そのようなところも含めながら、今後引き続きワーキンググループを継続していただいて、作業を行っていただければというように思っております。おおむねご賛成いただいているのではないかとは思いますが、残された論点もございます。したがって、ワーキンググループの場で公開草案のタタキ台をつくり始めていただくということでお願いしたいと思います。そして、その上で部会で審議をさらに継続していただくというようなことで、次回1月の部会の場で公開草案の原案といいましょうか、今日ご議論いただいたものをベースにしてタタキ台の検討をぜひお願いできればと思っております。

そのために、繰り返しですが、大変ご多忙なところを申しわけございませんが、そこに向けてワーキンググループの作業の方をぜひ継続していただければというように思っております。

なお、今日ご議論いただいております資料につきましては、そのような意味で、方向性としては公開草案に大分近いものだとは思いますが、まだ中途段階ということもございますので、委員限りということで取り扱いの方はお願いしたいと思います。

以上でございます。

○斎藤部会長

ただいまの事務局からのご提案についてご意見、ございますでしょうか。

安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

今日の日経に出ていましたよね、これと委員限という扱いはどのような関係なのですか。

○羽藤参事官

今日の日経新聞については私ども全く関知しないところでございますし、一部不正確な点もございますので、はなはだ誤解を招きかねないもので、遺憾に思っております。そのような意味では、一部のメディアの中には、年末になるものですから、色々なところで色々なレポートというものがまとまるのではないかということで、追いかけておられる人もいるのですが、我々の方できちんと公表すべきときは公表するということで、もちろんこの件についてはこの場で議論していただいているものでございますので、繰り返しになりますが、そのような意味で今朝の日経新聞の報道については、全く我々事務局としては関知しないところでございます。

○斎藤部会長

いつも部会の当日の朝になるとああいう記事が出るというのは、非常に不快でありますが、しようがないですね。よろしゅうございましょうか。

それでは、今日出たご議論に対してワーキンググループ側からお答えすべくしてお答えしていない点が1件ございますので、簡単にコメントを一つだけ追加させていただきます。

先ほど八木委員と伊藤委員から、連結と合併とで実質的な支配を判定する際の議決権比率が違うではないかというご指摘がございました。しかし、例えば取得会社と見られるA社がB社の株の何%持っているかという問題と、A社とB社が合併したAB社の株を取得側のA社が何%持っているかというのは、同じ問題ではないのですね。それが私が申し上げるべくして忘れていた点でございます。それだけ追加させていただきます。

それでは、本日ご審議いただきました結果を踏まえまして、ワーキンググループにおいて公開草案のタタキ台の準備を進めるということでご了承いただけますでしょうか。

――ありがとうございました。

それでは、ワーキンググループの会合は、私の判断で必要に応じて開催させていただきたいと思います。ワーキンググループに参加されている委員の方々には、引き続きご負担をおかけすることになりますが、どうかよろしくお願いいたします。

本日の部会はこれで終了させていただきたいと思います。

なお、本日の審議につきましてその後お気づきの点やご意見等があれば、事務局の方にご遠慮なくお寄せいただきたいと思います。

次回の部会は、1月29日水曜日の14時からで予定しておりますが、詳細につきましては改めて事務局からご連絡いたします。

この後15時50分から企業会計審議会総会が開催されますので、当部会の審議状況については私の方から総会に報告する予定でおります。

本日はお忙しいところを大変ありがとうございました。これで散会させていただきます。

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