平成15年3月13日
金融庁

企業会計審議会第24回第一部会議事録について

企業会計審議会第24回第一部会(平成14年1月29日(水)開催)の議事録は、別紙のとおり。

(問い合わせ・連絡先)

金融庁(TEL03-3506-6000)
総務企画局企業開示参事官室
企業会計審議会事務局


企業会計審議会第24回第一部会議事録

日時:平成15年1月29日(水)午後3時00分~午後5時10分

場所:中央合同庁舎第4号館9階金融庁特別会議室

○斎藤部会長

それでは、定刻になりましたので、ただいまから第24回の第一部会を開催いたします。

委員の皆様方には、お忙しいところをお集まりいただきましてまことにありがとうございます。

審議に入ります前に、企業会計審議会の会長に異動がございましたので、ご報告させていただきます。平成10年の8月以降、高千穂大学教授であられる若杉先生が、当審議会の会長を務められまして、会計基準や監査基準の設定等に多大なご尽力を賜ってきたわけでありますけれども、今月15日付で会長を退任しておられます。

後任には、今月16日付けで、早稲田大学教授の加古宜士先生が就任しておられます。本日は、加古会長にご出席をいただいておりますので、加古会長から一言ごあいさつをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○加古会長

早稲田の加古でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

幸いおみかけしたところほとんどの方々とは既に顔見知りでございまして、安心感も強いわけでございます。いずれにしましてもこれから大変お世話になることの方が多いかと思いますが、何とぞご支援賜りますようよろしくお願いいたします。どうぞよろしくお願いします。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

続きまして、当部会に関係のあります委員の異動についてご報告させていただきます。今月15日付けで、北村委員、中島委員が退任されました。また、森委員は臨時委員に就任された上で、所属部会を変わられておられます。

また、今月16日付けで、下田卓志氏が企業会計審議会の委員に任命され、当部会に所属されることになりました。下田委員をご紹介申し上げます。

○下田委員

下田でございます。よろしくお願いいたします。

○斎藤部会長

下田委員には、今後の審議へのご協力をよろしくお願いいたします。

また、同じく16日付けで、引頭委員が専門委員から企業会計審議会の委員に就任されておられます。引頭委員には、引き続きよろしくお願いいたします。

○引頭委員

よろしくお願いします。

○斎藤部会長

なお、新しい当部会の名簿及び審議会全体の名簿をお手元にお配りしておりますので、後ほどごらんください。

それでは、早速ですが、本日の審議に入りたいと存じます。

前回の部会では、ワーキンググループでの検討結果について、ご報告をいただき、意見交換を行ったところでございます。次いで、公開草案のとりまとめに向けて、ワーキンググループを継続して、部会にあげるタタキ台の準備作業を進めるということで、皆様のご承認をいただきました。

その後、ワーキンググループを何回か開催いたしまして、前回の部会での議論の結果を踏まえつつ、お手元にお配りしております意見書と基準の両方のタタキ台を作成いたしました。本日は、これらの資料をもとにして、ご審議をいただきたいと考えております。

なお、これらはタタキ台の段階ではありますが、公開草案に盛り込まれるであろう項目を一通り取り上げておりますので、資料は委員限りの取扱いとさせていただきたいと思います。

それでは、会計基準の設定に向けてのタタキ台についての審議に入りたいと思います。

事務局から、資料1と2を、簡単に説明していただきたいと思います。よろしくどうぞ。

○辻前企業会計専門官

それでは、お手元の資料1と2の方をごらんいただきたいと思います。資料1の方が、意見書のタタキ台でございまして、資料2の方が会計基準のタタキ台になります。

前回の部会では、ワーキンググループの検討結果についてご報告をいただきまして、このワーキンググループの検討の方向で、公開草案のドラフトを整理する方向でご承認いただいたところでございます。

資料の1と2の方は、前回の報告をもとにしまして、さらにワーキンググループで検討を続けていただきまして、ドラフトの形態にしたというものでございます。細部については、文章の表現などについては議論を要する点も残っておりますが、基本的な部分につきましては、前回の資料を組み込んで、マージしてつくり上げたという形になっております。

なお、でき上がりが直前となってしまいまして、皆さんにお渡しするのが直前になってしまいまして、余り読む時間がとれなかったという方もおられるかと思いますが、そのような方々につきましては、この場でお詫び申し上げておきたいと思います。

それで、こちらの資料1と2の方なのですが、非常に大部のものでして、これを読み上げておりますと時間がほとんどなくなってしまうと思われますので、基本部分については前回の資料と同じということで、今回文書化するに当たって補った部分とか、前回の報告では論点の段階でとどめておいて、内容を検討して加えたもの、それから、前回の部会でご指摘をいただいた事項につきまして、どのように検討したかというような点について、それらを中心にしましてざっとご報告させていただきたいと思います。

それでは、まず資料1の1ページの方からお願いいたします。

こちらの方の右側に摘要と書いてございますが、右側の摘要欄の1ページ目に、検討の背景の説明と書いてございますが、これは前回の部会で、この第一部会での審議の経過について詳しく書き込んだ方がよいのではないのかというご指摘をいただきましたので、ここの左側、2.となっておりますが、そこのパラグラフの中について、検討の経緯とか、どのように考えたかを書き込んだというところでございます。

次に、2ページの方をお願いいたします。2ページの摘要欄の一番下に、企業結合等の定義を検討(資料2参照)と書いてございますが、前回の報告では、定義のところについては、内容を検討するということで、項目だけご報告させておいていただいたのですが、その後、ワーキングの中で定義を詰める作業を行いまして、資料2の方になりますが、そちらに、後ほどご説明いたしますけれども、定義を記載しております。

ここの2ページをめくっていただきまして、資料1の3ページ目の方ですが、文案の一番上が、「企業とは」ということで、企業結合の定義に沿って、前文案の方は記載を始めているということでございます。

ここを読み上げますと、企業結合とは、ある企業が、他の企業又は企業を構成する事業を一つの報告単位に統合することをいい、一般的には「連結財務諸表原則」のいう他の会社の支配の獲得も含む、というような形で記述を始めさせていただいております。

次に、同じく3ページの摘要欄の二つ目でございますが、パーチェス法と持分プーリング法の選択制の考え方はとらないこととしたとございますが、前回の部会に出させていただいた資料では、継続適用を条件として、一定の場合についてはパーチェスとプーリングの選択制を認めるというような書き方になっていたわけなのですが、それについて、その後、ワーキンググループで検討いたしまして、そのようにしておくと、状況によって都合のよい方をその場その場で選択するというような取扱いが発生する虞がある、基準の適用が恣意的になる虞があるので、ない方がよいのではないのかという議論になりまして、その部分につきましては削除をしております。

次に、資料1の5ページの方をお願いします。ここの摘要欄の方に、判定の手順の説明とございまして、左の文案の方に、マル1マル2マル3とございまして、パーチェス法と取得と持分の結合の識別の判定手順の説明部分がここから始まっておるわけですが、文章にしてはおりますけれども、前回の12月の部会でご報告いただいた内容から、ここは変わっておりません。

それから、7ページの方をお願いいたします。7ページの摘要の一番上ですが、支配の要件の具体的な説明と書いてございますが、前回の部会で、支配の概念について、わかりにくいというようなご指摘がございまして、その後、ワーキンググループの方で、支配の概念についてご検討いただきまして、支配の定義の方を、資料2の定義の中に入れてございますが、そのような形で支配を考えて、それに沿ってここの左側の文案の記載の方を整理したという状況に今なっております。

それから、摘要欄の二つ目の幅の具体的数値の議論ありとございますのは、こちらのすぐ左の文案の方ですが、上下2.5パーセント、あるいは上下5パーセントという数値がどちらがよいのかということについては、まだ議論があるという状況にございます。

それから、その下の摘要欄ですが、時価総額との関係と書いてございますが、これは前回の部会でここの部分をご審議いただいたときに、時価総額が等しいということと、議決権の比率が等しいということはどのような関係になるのであろうかというようなご指摘をいただきましたので、ここの左側の文案の「なお」以下のところですが、株価を用いて株式の交換比率を決定している限り、議決権比率が等しいという要件を満たせば、結合当事企業の公正価値も自ずと等しいことになると、両者の関係をここで記載したという状況になっております。

7ページの一番下のところに、3社以上の場合の判定方法ということで、前回は3社以上については検討課題だという形で出させていただいておりましたので、3社の場合、どのように考えるのかというのを、7ページの一番下のところから、8ページに書いておるわけでございますが、本文の方にかなり詳しく書いてございますので、お読みいただければ大体わかっていただけるのかなというようには思います。

基本的には、3社の場合であっても、2社の場合の原則を適用していくという考え方になるかと思いますが、ここにありますように、いくつかの考え方があるということで、ここの文案の方では、分析を加えているわけですが、一つの考え方としては、3社あったときにどれか大きい1社が過半数、100分の50を超えているかどうかということを判定の基準にする方法というのも考えられるわけですが、この8ページの一番最初のパラグラフに書いてございますように、このように考える場合には、1社対2社の組み合わせのような考え方をもってこざるを得ないと、そのように考えますと、独立した企業の間での結合の取引という原則というか前提と相入れないことになるのではないか。それから、この一番最初のパラグラフの後半で書いておりますように、形式的に操作の余地を残してしまうということから、大きい会社が一つあって、そこが過半数をとっているかどうかというのを基準に考えるという考え方は採用しておりません。

それから、8ページの「次に」からのパラグラフですが、ここでは、例示として40対40対20という例を挙げて、それを個別に検討していったらどのようになるのかという分析がここで加えられているわけでございますが、このように考えますと、小さい20の方は、持分の継続が絶たれてしまったので、ここについてはパーチェス法。それから、大きい方の会社については差がないので、例えばプーリング法というような形で、一つの取引で、パーチェス法とプーリング法が併用されてしまうということになりまして、これも少しおかしい。

それから、ここに書いてございますように、組み合わせの過程で様々な問題が生じてくるのではないかということで、結局、結論部分につきましては、9ページの方になりますが、「本基準では」ということで、結合当事企業が3社以上の場合は、議決権比率上位2社の比率を結合当事企業が2社の場合の比率に還元した上で判定することとしたという、今は結論を得ております。

ここの摘要欄に書いておりますように、この場合も、2社の場合と同じように、上下の幅が何パーセントがよいのかという議論は同様にあるということでございます。

それから、10ページの方に行っていただきまして、ここは摘要欄は記載していないわけなのですが、前回の部会の中で、従業員の引き継ぎ、従業員の処遇についてどのように考えるか検討してほしいというようなご指摘がございまして、ワーキンググループでも検討していただきましたが、ここの最初の次のパラグラフの後半の方、事業を処分する計画とか、事業についてここで述べられておりまして、例えばここに従業員についての基準を入れるという考え方もあったわけなのですが、そのように考えた場合、事業と従業員を密接に結びつけてしまうと、この基準の中で考える場合、事業を処分したり移転する場合には、必ず従業員も含めて実行しないとならないのかというあたりの議論が出てくるのかなというのが一つと、それから、持分の継続が投資の観点から整理されておりますので、そのような意味では、従業員を引き継いでいるかどうかというのはどうも考え方として、持分の継続から導き出すのは難しいのではないのかというような議論もございまして、今のところ従業員の引き継ぎについては記載をしていないという状況にございます。

それから、11ページの方に行っていただきまして、11ページの摘要の方は、逆取得の場合の考え方ということで、逆取得がどのような場合になるのかというのを左のパラグラフの方で書いていっているという形になっております。

それから、13ページの方に行っていただきまして、ここの摘要に、原則と例外の関係を会計方針とすべきか否かについては議論ありとございますが、原則というのは、企業結合の主要条件について合意・公表した日を基準とするという考え方でございまして、例外の方は、実際に結合が起こった結合日の方を基準とするという考え方でございます。ここで書いてございますのは、そのような取り扱いが、企業の方が継続的に適用しなければならないようなものなのかどうかということについては、まだ議論があるという趣旨のことでございます。

それから、14ページの方に行っていただきまして、14ページの適用の方に、交換比率算定上の評価額の取り扱いについては議論ありとございますが、これは上場会社同士の場合は考えやすいと思いますが、例えば非公開会社の結合の場合はどのように考えるのかというような議論でございまして、ただ、今のドラフトでは、資料2の定義の中に時価の定義がございまして、時価の定義が、従来の金融商品の基準とかと同じように考えておりまして、時価の範囲を非常に幅広く考えておりますので、そのあたり、時価をどのようなものと考えるかというところと関係してこようかと考えております。

それから、次の14ページの真ん中位の結合関連費用等の取り扱いということで、まず、この「なお」以下のところで、最初に社債・株式発行費用ということで出てきておるわけですが、前回の部会では、この社債や株式の発行費用について、手取り金額から直接控除するような方法についてどう考えるかということを論点として出させていただいておりましたが、その後、ワーキンググループで検討していただきまして、現在の日本の制度や実務からみると、そのようなやり方は少しなじみがないであろうということで、左側の取り扱いでは、結合した年度の費用として処理するという方向で整理しております。

それから、その後、引き続き外部のアドバイザー等に支払った報酬手数料等の取り扱いを、ここに書いてございますが、この報酬とか手数料につきましては、内容によっては対価性があるものとないものがあって、対価性のないものを取得原価に入れるのは不健全ではないかというような議論がございまして、今の現状では含めることができるという扱いにしておりますが、これは対価性があるものについては取得原価に含めるという趣旨でございます。

それから、16ページの方に行っていただきまして、ここはパーチェス法の個別の論点について記載しておるわけなのですが、ここの、左記に記載のない個別項目の取り扱い等については議論がまだあるということでございますが、例えば退職給付の場合の取り扱いをどうするかとか、それから、税効果の場合の取り扱いをどうするかというような点について、まだ議論がある可能性があるという趣旨でございます。

それから、17ページの方に行っていただきまして、ここで土地の評価について基本的な考え方を記述とございますが、基本的に今のドラフトでは、今の説明でもございましたように、個別の項目について説明を加えるということはしていないわけなのですが、前回の部会で、土地については非常に重要であるというご指摘がございましたので、ここ以下のところ、17ページについては特に土地について記載しているということでございます。

特に問題となってございますのが、大規模な工場用地とか郊外地で、取引事例がほとんどない場合が問題であるということで、このような場合には、不動産鑑定士の鑑定評価額にも問題がないわけではない。そのような状況の中では、企業が独自で見積りを出さなければならない場合もあるのではないのかというように考えてございます。

ここの下の、「企業が自らの~」という左側の文案の1文については、なお検討中とございますが、このように企業が独自の見積りを行うという場合で考えますと、例えば使用価値的なものが考えられるわけですが、実際には使用価値以上の価格で、企業が資産を取得するということは考えられないということから、ここの左側の文章の中では、「上限値となりうるが」という書き方を今しているということでございます。ここについては、議論もあるように感じております。

それから、ここの「上限値となりうるが」という後、「時価の見積りに当たっては独立第三者間取引があれば付されたであろう価格から大きく乖離することがないように留意が必要である」と、書いてございまして、ここのパーチェス法の趣旨に照らすと、使用価値を見積もってくださいと言っているわけではないということをここで述べているという形になっております。

それから、飛びまして20ページの方をお願いいたします。20ページの、ここはのれんの処理について書いているわけでございますが、ここの取得年度の考え方については議論ありというのは、結合した年度において、左側に書いてございますように、過大評価とか過払いがあった場合に、のれんが過大に評価されて、過大計上されているという虞があるわけですが、このときに、ただちに減損の兆候ありという考え方もございますが、この場合、どれぐらい過大、過払いが生じていたら減損の兆候になるのかというような議論もございまして、ここの左側の方では、減損の兆候が存在すると判定される場合もあるというような記載に今はとどめているという状況になっております。

それから、21ページの方に行っていただきまして、ここの摘要の方の、合併差益を資本準備金とする商法との調整が必要というのは、前回の部会でご指摘をいただいた事項をここに記載しているということでございます。

それから、次に、23ページの方に行っていただきまして、ここに持分プーリング法の具体的な適用方法ということで、左側に説明がついてございますが、ここの摘要の一番下に、自己株式の取り扱いを、下2行から記載しているわけでございますが、その他にも、例えば税効果との関係をどうするのかというようないくつかの論点がまだ残っている可能性があるかもしれないというような状況になっております。

それから、24ページの方に行っていただきまして、ここの(2)のところが、前回のご報告以降検討して追加した部分でございまして、プーリング法を適用する場合に、遡及して過年度の財務諸表を合算するかどうかという論点でございますが、現行の、そのような修正再表示をしない確定決算でやっているという制度を考慮いたしまして、連結財務諸表の方の結合した年度のみ、期首に遡って結合する処理を導入してはどうかということで、左の方に意見を書いていっているということでございます。ここの摘要欄の方の、結合日前の合算は求めないとの考え方もあるというのは、合併であればその合併期日以降の業績を合算すればよいという、従来の実務の取り扱いでございまして、この場合は、例えば結合前の期間の取引を相殺消去する必要があるわけなのですが、そのようなことが負担であるというようなことが根拠として挙げられております。

それから、25ページの方に行っていただきまして、ここの(3)の三つ目のパラグラフで、これは摘要欄は記載しておりませんが、前回のご報告以降に追加した部分で、結合前の取引から生じた重要な未実現損益については、相殺消去しなければならないという考え方をここで入れてございます。

それから、26ページの方に行っていただきまして、ここは共通支配下の取引等のところでございますが、前回の部会では、基本的な考え方をお示しして、あとはこのような論点があるというようなご報告をいただいたわけですが、その後、論点について検討を続けて頂きまして、基本的には一連の論点については文案を得ているという状況にございます。

ここの摘要欄の二つ目の方の、企業再編のうち企業結合に該当しない取引の取り扱いとございますが、左側に書いてございますように、企業集団内における企業再編のうち、企業結合の定義が「統合すること」となっておりますので、統合しないタイプの再編取引につきまして、2行目の株式移転による持株会社の設立とか、新設分割による子会社の設立については、基準でカバーされないという可能性がございますので、そのような取引については、この共通支配下の取引に準じて処理するのが適当であるという意見をここで追加してございます。

それから、27ページの方に行っていただきまして、(1)の共通支配下の取引の方の最初の出だしのところが、定義。共通支配下の取引はどのようなものかという定義を書いておりまして、摘要欄の親会社の立場と子会社の立場の関係は、前回は論点という形でお示ししていたわけですが、このすぐ左にございますように、親会社の立場からは、内部取引であるというような整理をいたしまして、その場合の移転にかかわる損益などは認識しないという取り扱いにしております。

摘要の2項目目の帳簿価額の引継ぎにつきましては、左にございますように、帳簿価額、移転先の企業が移転元の帳簿価額を引き継ぐのを、原則的な処理としてここで考えているということでございます。

その下の、連結財務諸表上の金額とございますのは、これは例外的な取り扱いになろうかと思いますけれども、連結財務諸表の作成に当たって、例えば子会社の資産とか負債とかを修正している場合については、その結合の結果、親会社が受け入れた事業とかについては、連結財務諸表上の金額を付すべきであるという考え方で、左のように文案を書いてございます。

それから、一番下のパーチェス法に準じた処理方法というのは、少数株主との取引については、パーチェス法に準じた処理方法を適用してくださいということと、それから、その後書いてございますように、左側の個別財務諸表上の取り扱いとして、取得した子会社株式の評価についても、考え方をここで明らかにしたということでございます。

それから、28ページの実施時期等につきましては、右の摘要にございますように、前回の部会では、基準実施までの準備期間が1年位必要であるというご指摘がございまして、現状ではここの左にございますように、平成17年4月1日というあたりが適当ではないかというような、暫定的な結論をいただいているところでございます。

それから、2番目の、前回の報告では早期適用のことも書いていたのですが、今の制度下でも、この基準の内容は実行可能であるというようなご意見もいただきまして、早期適用についての言及は削除いたしました。

それから、下の、これは前回の部会でご指摘いただいた事項なのですが、特定の日以降に合意した企業結合から適用を開始するという考え方があるわけなのですが、そのように考えると、ある期間について、適用対象のものと適用外のものが同時に存在するということで、基準の運用が困難になるのではないかというようなご意見がございまして、結合日が特定日以降のものを適用対象とするというような考え方で、現在整理してございます。

それから、29ページの方に、適用指針の開発に当たりまして、企業会計基準委員会にお願いする事項をいくつか書き出しておりますが、これらについては、なお検討が必要ではなかろうかと考えております。

量的には、非常に適用指針が大部なものになるのではないか、それから、例えば項目がもっとあるのではないのかというようなご意見をいただいております。

それと、補足ですが、左にポツが四つございますが、ポツの三つ目の方は、前回の部会でのご報告では、論点として挙げていたわけでございますが、今のこのドラフトでは、企業会計基準委員会に検討をお願いするというような扱いにしてございます。

それから、次に資料2の方をお願いしたします。

まず、1ページ目に、各項目の定義ということで、企業結合、それから支配、共同支配、取得、それから、持分の結合とか、時価とか、重要な項目について定義を検討した上で、このような形で整理してございます。

それから、4ページに飛んでいただきまして、4ページの摘要欄の方に、前回の部会での資料では、「結合前の事業の業績に対価が連動する取り決めがないこと」という条件が入っておりましたが、これにつきましては、ワーキンググループで検討していただいた結果、他の項目と内容がダブっているのではないかと考えられましたので、この条件については削除したということでございます。

それから、次に8ページの方に行っていただきまして、8ページの(4)ののれんの会計処理につきましては、前回のご報告に沿う形で、20年以内の期間で償却というようにしておりますので、今の商法の制度が合併のれんについては5年以内の償却としているため調整が必要という点につきまして、摘要欄に記載しているという状況になっております。

それから、9ページの方に行っていただきまして、こちらのマル2合併等の場合とございますが、前回のご報告では、ここを逆取得というようにしておりましたが、マル1の内容の方にも、逆取得の場合を追加いたしましたので、ここのマル2の方は、合併等の場合というような整理に変えさせていただいております。

それから、11ページに、共通支配下の取引等の会計処理案ということで、前回以降ご検討をいただいた文案を左の方に書き出してございます。

真ん中ぐらいに(注15)がございますが、これにつきましては、前回の部会にてご報告した資料では、子会社を吸収合併した場合の従来の連結調整勘定の償却残については、どのように取り扱うかが論点として挙がってございましたが、ここの(注15)の方では、そのような連結調整勘定も含めて受け入れなければならないというような取り扱いで整理させていただいております。

それから、12ページの下半分以降、2番のパーチェス法を適用した場合の注記事項以下につきましては、具体的な開示項目について、タタキ台ということで整理して、項目を挙げているという状況でございます。 非常に駆け足で、ポイントしかご説明することができなかったのですが、以上で事務局からの説明は終わりにさせていただきたいと思います。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

それでは、ただいまの事務局からの説明に関しまして、ご質問、ご意見等、承りたいと思います。ご自由にご発言ください。

伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員

それでは、今まで議論をしてまいりまして、特に前回私の方からお願いをいたしまして、検討の背景について入れていただきたいということで、最初の1ページ目、タタキ台の方の、資料1の1ページ目の経緯のところで詳しく書いていただいたことは、大変私は結構だと思っています。

特にこの中で、真ん中のところですけれども、そこでの審議は、何よりも我が国の実態に適合し、かつ、その考え方が国際的に理解される企業結合会計の基準を設定する必要があるという基本認識に立つものであったということで、このようなことは大変に私は、結構ではないかと思っております。

それから、その最後のところに、我が国の企業結合会計のあるべき姿についてさらに審議を進め云々というのも大変よいのではないかと思うのでございますが、これが、では今度は本文に入ってきますと、少し色濃くこれが出ていないというように感じられるわけですね。

例えば3ページ目のところで、真ん中のところで、パーチェス云々の話があって、最初、持分の話があってパーチェスになって、例えば、他の結合当事企業から受け入れる純資産を評価するのが現行の一般的な会計処理と整合するからであると、ここまではよいのですが、他方、企業結合のなかには稀ではあるがというのが、いずれの結合当事企業も他の結合当事企業に云々と、つまり、持分プーリングは極めて稀であるということをここで言い切るということが、果たしてよいのかどうかですね。

つまり、今までやっているのは、我々が延々と時間をかけてきたのは、稀であったから延々と時間をかけているのではなくて、日本のやはり経営の実態とか、企業の合併のあり方というのは、単に数字上の50を超えているかどうかということではなくて、まずは、これは要するに、特に製造業の場合を私は仮定して申し上げているわけですが、ベンチャーだとか、あるいは金融機関とかは少し違うと思いますけれども、事やはり製造業に関しては、ゴーイング・コンサーン基準というのを前提に色々考え、経営すれば、まずは合併というのは、恐らく対等でどうだろうかという上においてやるのであって、もちろん吸収するときは最初から吸収するという考え方でやりますけれども、通常の場合は、そのようなものが日本の経営実態であり、それから、日本の経営のやはり年功序列だとか終身雇用とか、企業内組合というような3点セットというものは、今は確かにそれが崩れつつありますが、では、完全に崩れているかというと、私はそうではないと思うんですね。変形はしているけれども、日本人のやはりネットワーク社会というのはそう崩れるわけではないので、そのようなことを踏まえて、我々は今まで長々と議論をしてきたわけで、それが少しこのようなところになると、本音が出てきているというか何というか、少しおかしいのではないか。

同じことが、5ページにも出てきているわけですね。5ページの真ん中のところから少し下、持分の結合と判断される企業結合が稀であるとしてもとか、このようなものは私は要らないのではないかというわけですね。書くとすれば、特に日本の経営実態を反映し、持分と判断される企業が存在する場合とかいうように、もう少しやはり、日本の経営実態からそのようなものは当然あるのだという前提であって、稀とかいうのは、私に言わせれば、50:50という比率に拘泥するから、これは結果として稀だと思うんですね。50:50というのは非常に稀だと思います。しかし、日本の場合の支配というのは、やはり実質支配というものが連結決算上入っているわけで、そのような点を我々は考えているわけですね。そこをぜひご検討をいただきたい。

例えば7ページのところの数字も、これは恐らくこのようなことで会計学者としてはお書きになったのだと思うのですが、50:50でなければならないと、それで、上下は2.5パーセントポイントと、これはそうですけれどもね、経営というのは、それは結果としてそうなのであって、やはり取締役の人数とか、先ほど言った人の問題とか、そのようなものを総合的に判断して、実質支配かどうかを我々は実際の経営においてやっているということをよくご認識いただき、そのようなものが随所に色濃く入るというようにならないものかと、以上、大変観念的で恐縮でございますが、よろしくお願いいたします。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

○八木委員

関連でよろしいですか。

○斎藤部会長

どうぞ、八木委員。

○八木委員

今の伊藤委員がおっしゃったことにつながるのでございますけれども、ちょうどこの7ページのところに色々盛られているのでございますが、ここで支配・被支配の関係が生じたときに、被支配側の持分の継続は絶たれる、このような考えが上の2行でございますけれども、これはもう当然だと思っております。

それは問題ないのでございますけれども、この後に出てくる手順のところで、形式的に議決権比率が等しいこと・同等が、実質的支配を獲得していないことという要件の必要条件とされているわけでございまして、ここに少し運用上と申しますか、我々としては少し問題があるように思うのでございます。

50対50とか、その後書いてある、あるいは、プラスマイナス2.5というようなところは、ある意味では規模の問題というのは、ある種のプーリングの濫用防止につながると、これはどこかに他にも書いてございますが、これはもうそのとおりであってですね、ただ、結合の支配の有無を判断するのは、もう少し実質的な判断が行われなければならないのではないかと思うのでございますが、この50対50プラスマイナス2.5で判断されてしまいますと、実質的判断の検討をする前に、形式的に議決権の多いところの企業集団が持分のシェアを取得したのだというようになってしまうように受け取れるわけで、それでは少し経営者性悪説と申しますかそのようなところが匂ってくるわけで、私は、やはりこの実質的支配の有無というのをいわゆる量的な規模的なものとあわせて、これを一つの要件としてやはり判断をするのだよという、実質的な判断のニュアンスをもう少し強めてもよいのではないかと、先ほどの伊藤委員がおっしゃったのにもつながるのでございますけれども、決して例えば議決権のバランスというだけでなくて、例えば総会を開く云々、提案したり何だり、それを決めるのは今度は取締役の力関係とか様々な、議決権だけでない部分も色々これはあると思うのでございまして、そのような意味でもう少しそこら辺を少し考えていただいて、実質的支配関係というものをもう少し重きを置いて考えていただく必要があるのではないかなと、このように思いました。

したがいまして、文章的にどうするかということでございますが、結合当事者間の議決権の大小自体は、持分の継続とは直結しない概念であるということで、実質判断の中に含めて、その一つの要素として大きく相違しなければ云々というような制約をつけて、それで判断をするということが、より実務的ではないかなと、ぜひこの実質的判断というものをもう少し重くみていただくように、舵を切っていただければというように、我々の畑の方からお願いするところでございます。よろしくお願いします。

○斎藤部会長

今の問題に関連してどうぞ。辻前専門官。

○辻前企業会計専門官

最初に、稀かどうかというような点についてご指摘いただいたわけですが、今のドラフトとしては、基準の本体があってそれの解説を書いているという形になりますので、結果として稀がどのぐらいか、どのような数字かというのは別といたしまして、全体についてみると稀という結果になると思われますので、文章の前後というか、記述の、表現の細部は別として、大枠では今の記載でドラフトには一貫性があろうかと思います。

それで、今考えております持分の継続云々というのは、株主側の投資が変質しているかどうかというところに着目しているわけですので、そういう意味では、50対50のところまで行ってしまえば、どちらの持分が継続しているのかわからなくなってしまう、そのようなところでは、実質的な判断をする必要があるということでございます。

理論的には、50対50で終わりにしてしまってよいわけなのですが、そうは言っても実際には交換比率でもその後変動する場合もあるようですし、いくつか変動的な要素があるということで、実務的な観点から、今は幅を持たせているということでございます。

考え方としては、持分の継続をそのように考えたということと、それから、数値で基準を置いているというのは、会計基準の客観性・信頼性、どなたがやったとしても同じ状況については同じような結論が得られていくようにしておく必要があると、これは、そもそもこのような形で検討を開始すればという、今回の検討の出発点になるわけでございまして、そのようにワーキング等では検討したということでございます。

○斎藤部会長

他にご発言はございますか。伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員

たびたび恐縮なのですけれども、例えば2ページのところで、真ん中のところですが、「例えば消滅会社から引き継いだ資産を時価以下の範囲で任意に評価替えするような余地はなく」というようになって、つまり、海外の今の基準には持分プーリングを廃止する傾向が認められるものの、いずれの方法であってもと、これは事実だろうと思うのですけれども、「例えば」云々以下のところについては、つまり日本の場合には時価以下でという商法の原則に基づいて適当に企業がやっているではないかと、確かにそのような企業があるかもしれませんけれども、つまり余りにも性悪説に立っているのではないか。

やはり企業経営というのは、基本的には性善説に立って我々やっているわけであって、つまり、それぞれの企業の経営の実態がその都度変化することに応じて、要するに評価替えを行っているのであって、適当に任意で、法を悪用してやっているわけではないわけで、そのような点では少し先ほど来から申し上げているように、少し日本の会計基準ということについて、あるいは会計実務ということですかな、それについての悲観的というか、それほど日本の会計実務はいいかげんではないという前提は、やはり我々は持つべきではないか。

ですから、我が国の現行の会計事務と大きく隔たっているというのは、つまりアメリカと、IASの方は大変、そのような任意ではやっていないので、我々だけが任意でやっているようなここの文章というのはいかがなものかなという感じがするのですがね。

○斎藤部会長

任意にというのは、恣意的という言葉を使わなかったということなのですね。

○伊藤委員

ですから、恣意的に行われているという。

○斎藤部会長

恣意的という意味ではないという意味で任意という、つまり法の規定した基準に一義的に規定されるという状態ではないという意味でありまして、必ずしも伊藤委員がおっしゃったような価値判断を含んでいるわけではないということです。

○伊藤委員

ないと、そのようなことでとらえてよろしいわけですよね。

○斎藤部会長

それから、先ほどの、確かにこの「稀ではあるが」というものが、あるいは「極めて稀であるが」というものが前のバージョンにありましたけれども、それには様々な判断が、私はあると思います。ただ、この基準では、支配の獲得というものを持分で定義しているんですね。持分比率で定義している。

したがって、持分比率上は、支配した側が特定できないというケースは少数であることは間違いないんですね。ですから、それを稀と呼ぶか、極めて稀と呼ぶか、少数と呼ぶかというのは、これは表現の余地がありますけれども、少数であることについては、否定のしようがないということですね。

それから、先ほど来、形式基準がやや実質判断に対して優先する面があるとのご指摘が八木委員からございました。それが経営者性悪説だということでございましたけれども、そうではありません。決してそのような価値判断を含んだものではないのであって、先ほど辻前専門官の方からお答え申し上げましたように、実質基準1本では、基本的には人々を納得させるようなルールができにくいということであって、ある範囲の形式基準で、まず第1次のスクリーンをかけて、そのスクリーンに入ったものについて、実質判断を求めようという方針をとったということでございます。

関連して、ご発言、ございませんでしょうか。遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員

先ほどの持分の継続のところを、まず必要条件としてみて、その後で実質支配の状況をみるという考え方についてですけれども、議決権比率がどの程度変わると、先ほどの辻前専門官の言葉だと、投資が変質するというわけですけれども、変質するのかということは一義的に言えないのではないかと私は思うんですね。

したがって、2.5だとか5パーセントポイントだとか、そのような数字を出すのではなくて、やはり一番の問題は、実質的な支配を獲得しているかどうかが問題なわけですから、そこの基準1本にすべきではないかというように考えております。

それから、3社以上の合併と申しますか、統合というのでしょうかについて、この議決権比率をまず適用するとなると、非常に適用が難しいというように思われますので、その観点からも、実質的な支配基準に私は1本化すべきだというように考えております。

○斎藤部会長

他には、ご発言はないでしょうか。大日方委員どうぞ。

○大日方委員

しばしば企業結合と連結との整合性が問題になっているわけですが、現在の連結ではどのようにして支配を考えているかというと、原則持株比率であり、それで不都合が生じるときに、補完的に実質を入れているはずでありまして、その観点からすると、この原案は、それを踏襲しているというように私にはみえるわけであります。

それが一つと、もう一つは、皆さんもご存じの昨今の海外の状況の中で、プーリングを残すということが一体、海外からみてどのような目でみられているのかというときに、自己規律が働く、つまり自制的に、かなり抑制的にきちっと運用できるということがやはり担保されない限り、ルールそのもののクレディビリティーは、海外からみて低くならざるを得ないだろうと思われます。

したがって、産業界の方のご心情はよく察しますが、やはり国際的情勢を踏まえると、形式基準の優先で、そこで不都合がある場合に、補完的に実質判断を入れるという方がよいのではないかと思います。

○斎藤部会長

他に。遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員

今、連結原則のお話が出ましたけれども、連結原則の考え方を企業結合に適用するということについては、前回も多分この議論があったと思いますけれども、単純には企業結合の原則基準に使えないということが結論だったと思うんですよね。したがって、そのような文章はここから削除されていると思います。

それから、国際的調和の議論があるようですけれども、ここにも国際的な水準に調和とか、様々な文言が登場してくるわけですけれども、国際会計基準への対応とか、あるいはその裏返しとして、日本の会計基準はどうあるべきかという問題については、どこかしかるべき機関できちんと検討しなければ答えは出てこないのではないかと思います。

さらに言えば、ここでは証取法上のディスクロージャー制度について書いていると思いますけれども、それでは商法適用会社について、この基準を適用するのかどうかという議論もまだ残っているのではないかと思います。以上です。

○斎藤部会長

ご発言、ございますか。どうぞ、下田委員。

○下田委員

すみません、今日から参加させていただいているのですけれども、最初に2年半近くにわたりまして審議を続けてこられて、大変立派な公開草案のタタキ台が提示されるということは、大変なご努力だったと思います。大変敬意を表したいと思います。

少し立場が変わりまして、私ども、実は証券市場サイド、いわゆる財務諸表の利用者サイドから少し、これはあくまで1点、お願いなのですけれども、お願いの域を出ないと思いますけれども、実は証券市場が大変、いわばグローバル化しているというその実態を踏まえて、例えば会計処理面だけでなくて、例えば開示面、いわゆるディスクロージャーについても、いわゆる整合性のとれた対応が求められているのだと思うんですね。

その点で少しお願いなのですけれども、それは、企業結合前の期間について、24ページに、持分プーリング法を適用した場合には、任意に過年度の業績を修正再表示して開示することを妨げるものではないと、大変、非常にご苦労された表現を使われているのですけれども、国際的な開示慣行というのを踏まえて、例えば財務諸表形式でのいわゆる修正再開示を原則とする形でお願いできないかなと。

私ども、少し調査してみますと、今アメリカだけでなくて、イギリス、フランス、スイスなど、ヨーロッパのもう各国も、いわゆる開示されている全期間にわたって、企業結合をしていたと仮定して、例えばその修正作業がなされているわけです。

また、例えばパーチェス法を適用した場合においても、これは会計基準案の方ですけれども、14ページにおいて、当該企業が前期首に完了したと仮定したときの前期の損益計算書への影響額というものを注記するような形になっておりますが、会計基準上は、これら注記での情報提供を行うというのも大変理解できるわけなのですが、開示上は、例えば海外の例を参考にしますと、可能な場合には、財務諸表形式で、いわゆるプロフォーマな財務情報の開示ができないものかというお願いでございます。

現に私どもの新規上場会社をみてみますと、上場会社の中にも、グローバルなオファリングを実施するに際して、いわゆるプロフォーマの情報を開示している会社もございます。このような情報開示をしていただかないと、例えばあたかもその業績等が急拡大しているような状況を呈するのではなかろうかということでございまして、例えば過年度の情報は将来予測に資する重要な情報であるという認識に基づいて、財務分析を行うに当たっては、財務諸表形式で開示していただくことが望ましいと考えておりますので、例えば22ページの4に、持分の結合の会計処理の前に例えば盛り込むとか、このようなことで、例えば、証券市場は大変グローバル化していますので、国際的に遜色のない、これは開示の面なのですが、実施をお願いできたらということでございます。これは、あくまで意見でございますが。

以上でございます。

○斎藤部会長

今の下田委員のご発言については、事務局からご回答はありますか。

○辻前企業会計専門官

今のところは、今回このような形でお出ししたのは初めてですので、皆様からご意見があれば伺っておきたいと考えております。

(2)のところ、下田委員が最初におっしゃったところは、ワーキングでも意見が分かれていたところでございますので、そのような点についてご意見をいただいたので、この後、ワーキングで検討をしていく上で参考にさせていただきたいと思います。

基本的に、ここで書いております1個1個の項目については、今の国際会計基準とか、新しい米国基準とかをみながらというか参考にして、ある程度同じような項目を開示するというような考え方で整理しております。

○斎藤部会長

辻山委員、どうぞ。

○辻山委員

実質基準の判定と形式基準の判定のここで言っている進み方、三つは並列的なものではないというとり方ですけれども、この問題というのは、今回のこの基準のかなりコアになる部分です。一概には結論は出ないと思いますけれども、例えばアメリカの企業結合会計というのは長い歴史を持っていて、ARB40号からずっと進んできた歴史があり、それを受けたAPB16号の適用の時期はものすごく長くて、この企業結合についてはかなりよくできた基準であったというように言われていたと思います。かつ、持分プーリング法についても、その濫用の抑止にかなり効果があった。にもかかわらず、なぜ新しい基準になったのか。やはり、APBでは形式基準と申しますか相対規模基準が、公開草案で盛られていたのが、最終的にAPB16号にはそれが入らなかったというそのような反省があって、そのことのために、持分プーリング法の抑止には一定の役割を果たしたのだけれども、社会の疑念が払拭できなかった。そこで一気にパーチェス法1本になったという、そのような経緯がございますので、形式基準について上下何ポイントをとるのかということについては、慎重に議論してもよいと思いますけれども、今後使われていく基準、特に内外の注目が集まっているときに、形式基準を全くなくして、実質的判断だけでやるというのは少し、将来についても禍根を残すのではないかというように思います。

○斎藤部会長

他にご発言はないですか。

先ほど遠藤委員からご指摘がありました、連結との問題でございますけれども、連結と合併とが完全に同一の問題として扱えないことは自明でございますが、これはかなりオーバーラップしている部分がございます。少なくとも連結と実質的に同質の企業結合に関しては、それと首尾一貫したルールは当然要求されるわけでございますので、そのような考え方はこの基準では当然組み込まれていると、私は理解しております。

それから、国際対応について、つまり海外の基準に対してどのようなスタンスをとるべきかということについて、しかるべき機関でというご発言でございましたけれども、少なくとも現在の仕組みでは、国際対応の問題は一般的には企業会計基準委員会の方に委嘱をされているわけでございまして、恐らくそこで一般には議論されるわけであります。ただ、この問題、企業結合に関しては、あくまでもこの企業会計審議会が取り扱うということでございますので、国際対応の論点を含めて、この企業会計審議会の一部会において議論をしているということでございます。

何かご発言はないでしょうか。安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

商法についてですけれども、負ののれんについて、商法との調整が必要だという、摘要欄に何カ所かありますね。これは、この調整という意味は、商法は改正するというように私は読めるのですけれども、そのように理解してよろしいでしょうか。

○辻前企業会計専門官

ここで書いておりますのは、備忘的にというか、論点というか、忘れないように書いているということでございまして、前回、以前、神田先生にご報告いただいたときには、この処理で商法上、法律の改正とかは不要であろうというようなご見解はいただいたわけなのですが、その方向で法務省の方にお願いをするというか、何もしないで認めていただくという方向でお願いしたいということです。

○斎藤部会長

どうぞ。

○神田部会長代理

恐らくこれは、今の点以外にも、商法の問題は出てきますけれども、私の感じでは、まずこれは公開草案を出して、世の中の意見を聞こうということだと思いますので、そのような意味では、そのような点が問題としてはあり得るということで書かれているので、このままの文章で出るのかどうか少しよくわかりませんけれども、摘要のところはないというようなことで結構ではないかと思います。

負ののれんに限ってい言いますと、意見は分かれ得ると思いますけれども、こちらの会計で言う負ののれんが、商法に言う合併差益概念に当たるのかどうかということですよね。それが当たる場合もあるし、当たらない場合もあるということなのかもしれませんけれども、前に申し上げましたように、私の感じでは、これはむしろこちらでこのようなものを――こちらというのでしょうか、公正な会計慣行として負ののれんに当たるということであれば、商法上の合併差益――商法上の合併差益というのは少し厳格な言い方ではないかもしれませんけれども、資本準備金とすべきとそこに定義されている概念とは違った整理もできるのではないかというように思いますけれども、その点は意見は分かれ得るところだと思いますので、そのようなことも含めて、今後、所管官庁とお話し合いをされるという趣旨ではないかというように理解しました。

○斎藤部会長

ありがとうございました。安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

今、神田部会長代理からご報告いただきましたけれども、私は提案したいのですけれども、今この摘要のところだけで商法との調整ということを言っているんですよね。これは、どこでもよいので、商法との調整を要するこのような問題があるというのは、独立項目でも、あるいはこの中にはめ込んでもよいのですが、ぜひ言わないと、必ずこれは、パブリックオピニオンの中に出てきてしまうと思うんですよね。ですから、事前に封じるためにも、そうしたらいかがでしょうか。提案いたします。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

他にご発言はありませんか。大日方委員、どうぞ。

○大日方委員

これは意見ではなくて、質問ということですが、パーチェスの場合であってもですが、被合併会社の側に、例えば発行した社債についての例えば配当制限のようなものがあって、発行後の利益しか配当できないというような債務契約があったときに、その留保利益・蓄積してきた分を、契約上とか合併は包括的に継承されるということで移転すると思いますが、留保利益の引き継ぎを認めてあげる必要はないのかどうか。

仮に資本勘定の総額が交付株式の公正価値であれば、必ずしもすべてを拠出資本にしなくても、一部留保利益でも、パーチェスの趣旨が満たされると考えれば可能ですし、中身は全部拠出資本でなければだめで、もう留保利益の引き継ぎはパーチェスではあり得ないということであれば否定されるのですが、その点、まず一つは、産業界の方のニーズがないということによるのか、あったとしてもやはりパーチェスの本質に反するため、できないということなのかを確認させていただきたいと思います。

○斎藤部会長

まず、お答えいただく前に、逆に大日方委員にご質問いたしますけれども、ご質問の論点は、会計上の拠出資本と留保利益の区分の問題をおっしゃっているのか、そうではなくて、商法上の配当可能財源と配当できない部分との区分をおっしゃっているのか。恐らく後者だと思いますね。

ということは、会計上の拠出資本と留保利益とのコンセプトの分割と、商法上の配当財源と配当できない部分とのすみ分けが一義的に連動するとお考えなわけですか。

○大日方委員

現行の商法の規定の原則を与件とすると、会計上の構成要素にリンクして決めていって、例外的に除くという規定は追加的に当然ありますけれども、そのことを考えたときに、理想はやはり余りくい違わない方がよいだろう。余り例外的に個別限定項目が増えていくのは、将来大変なので、できれば連動した方がよいということですが、文字どおり分けるということも選択肢の一つかとは思いますけれども。

○斎藤部会長

その上で、ご質問は両方に向けられて、一つは商法上の配当制限の観点の問題と、もう一つは経済界からのニーズの問題でありますので、どちらからでも結構でございますが、商法に関しては幸い今日は神田先生がご出席なので、申しわけありませんが、適宜必要なコメントをいただければと思います。

○神田部会長代理

ご指摘の点ですけれども、商法の考え方は、もうずっと今後不変であるとはとても思えませんし、会計制度も変われば、それに応じてさらに見直しということもあると思いますが、今の考え方は、配当可能とか配当規制とかいった、剰余金規制と呼ぶべきでしょうけれども――利益以外のものも配当可能になっていますので、これは確かに剰余金の引き継ぎを認めているというのはプーリング的ではあることは確かですけれども、会計の方でパーチェス法をとるか、プーリング法をとるかという話と、商法でどこまで剰余金の引き継ぎを認めるのかというのは次元が違う話でありまして、つまり、それはその趣旨が、商法の方の剰余金分配規制というのは、先ほど社債契約の話もございましたけれども、今は商法は制度として、会社債権者と株主の間の利害調整の線引を法律上しているわけでありますので、したがって、そのような意味では次元が違う以上、会計の方がパーチェスになったとしても、商法は会社債権者と株主の利益調整の線引として、現在のような剰余金というか、分配する財源を規制するという規制手法そのものを大きく見直さない限りは、その引き継ぎは引き続き認められる。もちろん、引き継がない自由もありますけれども、引き継ぎは引き続き認められることになるであろうというように私は思っています。直接、お答えになっていないかもしれませんが。

○斎藤部会長

梅山委員、ご発言ございますか。どうぞ。

○梅山委員

商法上と会計上というのは余り整理できていないのですが、前回のこの場でも確か申し上げたと思いますが、特に金融機関の場合には優先株を大量に調達しております。今後も、あるいは企業結合ということが起こる可能性は否定できないと思いますが、このようなときに、将来、配当可能利益、商法上も会計上もそうですが、これによって返済するときに、極めて困難な事態が生ずる可能性が極めて高いなというように個人的には思っております。

したがって、会計上も、もし仮に商法でいわゆる剰余金でしょうか、その引き継ぎが認められるのであれば、会計上も同様の考え方を持っていただきたいなというようには思っております。

○斎藤部会長

商法上、配当財源が引き継がれる場合には、会計上のディスクロージャーもそれに合わせなければならないというご指摘ですか。

○梅山委員

そのようにしなければならないということが、ニーズです。

○斎藤部会長

ニーズと言われると、もう一言もないのですけれどもね。余りそれを強調しますと、逆に、会計上の剰余金でないものは配当できないということになってしまいますけれども、それでよろしいのですかね。つまり、商法、法律には法律の観点があって、どのようなところで配当の限度を設けるかということは、企業会計の問題とは独立に考える余地があるわけですね。それは、今、神田先生がおっしゃったとおりだと思いますけれども。それを、会計が商法にあわせるということを余りにも強調しすぎると、逆に商法を会計にあわせなければならなくなるということを、私は産業界のために心配いたしますけれども。

○梅山委員

すみません、ご質問について、今直ちにお答えできないので、そこは十分に検討させていただきたいと思います。

○斎藤部会長

他にご発言はないでしょうか。時間はまだ十分にございますので、西川委員、どうぞ。

○西川委員

一つ、負ののれんの中身の話なのですけれども、一応、正ののれんと対称的にするというところまでは理解できるのですけれども、原因を特定することはしないとしても、大体の原因というのはわかっているとした場合に、それが正ののれんのように長期的に償却するというような内容というのはほとんどないと思いますが――連結原則をいじりたくないというのもわかるのですけれども、それに対して20年以内と、もちろん大は小を兼ねるで、20年にしておけば、短くする分にはいくらでもよいのでしょうけれども、何か、同じ、余りにも対称にしていると、何も考えていないのではないかなというように思われるのが気になるのが1点ございます。

○斎藤部会長

これは、ワーキンググループのメンバーの方から特にコメントはありますでしょうか。金井委員、どうぞ。

○金井委員

ご質問のことにつきましては、考え方かと思います。ですから、西川委員は内容がわかっているのにという前提でお話しされていますけれども、本当にわかっているか、どの程度わかっているかということですね。

あいまいであるならば、ある程度対称性を重視して、規則的償却を行うというのも一つの考え方ではないかという整理でございます。

○西川委員

わかっているというのは、特定はできていなくてもよいのですけれども、リストラ引き当て的なものであれ、将来損失であれ、そんなに長い先のことまで加味した話は多分ないのだろうと、それだけのことなのです。

○斎藤部会長

では、ご意見を承ってということでよろしゅうございますか。

他にご発言はないでしょうか。伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員

つまり、これが公開草案で今度出るということで、実際にこれが発令・法制化された場合の日本の産業に対する影響度合いとか、そのようなものは別途、ワーキンググループでやはり検討しておくということも重要ではないかと思うのですがね。どのようなインパクトがあり、どう出てくるのかというようなことは想定されることで結構ですが。いや、もうこれはないのだということなのかそのあたり、産業の今再生、色々産業界で一応行われていて、それについての影響度合いはよいのかとか、そのあたりのところは、この審議会とは少し違いますけれども、ご検討を別途されていただくとありがたい。以上です。

○斎藤部会長

これはなかなかの難題でございまして、企業会計審議会の中のワーキンググループでございますので、会計基準の変更が、実態に対してどのような影響を持つかという実証まではなかなか守備範囲が及ばない可能性もございます。むしろ、そのようなことに適した専門家が集まったところで検討した結果を教えていただく方が、大変助かるのですけれども。

八木委員、どうぞ。

○八木委員

先ほど申し上げたことを一言申し上げて、あとは別のテーマで一つ申し上げたいと思いますが、形式基準の50プラスマイナス2.5というような厳しさでございますけれども、議決権のバランスだけでない他のものも、やはり企業同士の対等と申しますか、そのバランスで、そのようなものをみる、もっと他の手だてもあるので、それが実質ということなので、ぜひ50プラスマイナス2.5をなくせということではなくて、それも大きな一つの要件で、たまたまシリーズで、これがだめならもうあとはだめというようなものは、やや現実の問題としてはかたすぎるのではないかということでありまして、50プラスマイナス2.5、それより大きく相違しないとか、例えばそのようなものが現実的な解決法ではないかなと、このように思っているので、そのような意味で実質的な判断をもう少しご検討いただければというのを付言しておきたいと思います。

それから、もう一つは、先ほど辻前専門官のご説明の中にあった、前文の方の17ページに、土地の評価がございますけれども、ここでもかなり厳しい表現がございまして、例えば真ん中より少し下に、企業が自らの固有の事情を考慮した前提に基づき見積もった価格は合理的な時価の上限値となりうるが、時価の見積りに当たっては独立第三者間取引があれば付されたであろう価額から大きく乖離することがないように留意が必要である。そのとおりなのですけれども、非常にかたいわけでございまして、この辺は、監査なども含めて考えますと、実行が非常に困難だと思います。

それで、鑑定云々もあると思うのですが、私は、例えば当事者たちが納得すれば、今ブックバリューに載っている簿価というものを、そのまま使って比較することがなぜ悪いのかなというような、そのようなことも、当事者同士の判断ならあり得るのではないかなというようにも思いますし、昨今の例でみると、やはり工場の設置場所などによって、どちらが支配・被支配になるかによって、このB/Sが大きく狂うというような現実の問題もあるので、当事者が悩んでいるというのを聞いておりますので、ぜひこの土地の問題というのは、日本独自の問題であるがために、それなりに幅広い面からのご検討をよろしくお願いしたいなと、このように思っております。よろしくお願いします。

○斎藤部会長

ありがとうございました。ただいまの八木委員の第1点は、ここで機械的に50プラスマイナス2.5というような一応の数値基準の幅の目安が書いてありますけれども、それについて、もう少し弾力的に検討せよという、このようなご指摘でよろしゅうございますか。

○八木委員

と申しますよりは、まず、これをこのまま読み下しますと、50プラスマイナス2.5に合わないと、あとはもう検討の余地はなしと、もうパーチェスしかないという、そちらの道しか本当に残されていないのかどうかということで、これは大事な基準だと思うものですから、これも色々実質的な判断をするときの一つの大きなファクターとしてはよいけれども、パラに、それも大きな要因として検討できないか。

そうすると、一声、例えばそこで大きく相違しない限りにおいて、例えば実質的にこうこうこうならよいのではないかというような判断が生まれないかなというような、少し幅を持たせるわけにいかないかと、このような趣旨でございます。

○斎藤部会長

ご意見承りましたけれども、先ほど辻山委員のご発言にもございましたような、一応の、第1次スクリーンとしての数値基準としての役割ということを強調する観点もございますので、なお検討をお願いします。辻山委員、どうぞ。

○辻山委員

今、プラスマイナス2.5というご発言があったのですが、括弧の中に5も入っておりますので。

○斎藤部会長

逆瀬委員、どうぞ。

○逆瀬委員

今の議論になりますが、ワーキンググループの一員なので、余り提案資料に乖離することを言うと問題になるかもわかりませんが、完全合意をしたわけではないので言わせていただきますが、今の手順でやりますと、プーリングと認められるためには、まず第1条件として議決権付普通株の交換である。次に、今言われている同等の規模だと、次に、実質基準だと、それぞれ必要条件だと、こうなっていますが、明らかに規模は例えば四分六だとなったときに、四の方が実際のアグリーメントで、ジョイント・ベンチャーではないですけれども、合併の支配権を持ったときにはどうするのですかという話があるんですね。

何も形式で物事が決まるわけではないので、現に実質条件をみたときに、少数の方が支配権を持っている場合があったときにはどのような判断をするかと、このような疑問には答えていないわけで、頭の整理にはよいのですけれども、少し現実に働かない場面も出てくるのではないかなと、そのような意味では、結局総合的な実質判断しかないのではないかと思われるんですね。その数値基準の方が優先するという論理はないはずなんですね。もともと支配の継続に、議決権の大小そのものだけで結論が出るという論理性などないわけですから。

○斎藤部会長

黒川委員、どうぞ。

○黒川委員

今のこの基準のところの読み方なのですけれども、要するにプラスマイナス2.5か5かということの問題はさておき、フィフティーフィフティーであるかないかというところと、それから、その後、どちらが取得した、支配するかどうかは、すぐには、そこで一緒には決まらないというように思うんですね。一応読み方としては、プーリングかパーチェスかとこう読んだ後で、パーチェスになったときに、もう1回、どちらが支配しているのかということを読むのだろうと思うのです。

それで、今、逆瀬委員がおっしゃったのは、実質的に40対60で、それで40の方が実質的に支配したらどうするのですかとこうおっしゃったならば、それはパーチェスなので、そのときに本当に40の方がそうであれば、40の方を生かす道というのも読めるのではないかと思うのですけれども、そこはどうなっているのでしょうか。多分、私はそのように、まずはパーチェスかプーリングかの判断のところだと思ったのですけれども、どうなのでしょうか。

○斎藤部会長

では、辻前専門官、お願いいたします。

○辻前企業会計専門官

多分、というか、ここで考えているのは、普通の議決権株式を議決権株式と交換するというタイプの、一般的な上場会社の結合を考えておりますので、少数側の権利が確保されるということになりますと、何か交換条件の方に、何か配当についての優遇とか議決権についての優遇とかと、色々条件はついてくると思いますので、そうすると、最初の何か持分の継続の建て前である、同じ権利内容の株式同士を交換するというところに引っかかってくるような可能性も考えられるのですが。

○斎藤部会長

逆瀬委員、どうぞ。

○逆瀬委員

ですから、事業の価値とか企業の価値が、支配と結びつけて今議論されているわけですけれども、その関係が現実の問題としてきれいに出るかどうかという議論ですね、今、辻前専門官が言われたのはね。

先ほど私が申し上げたのは、例えば小さい方が実際の結合した法人の株主を代表する経営者群で、やりとりがあって小さい方が事実上の支配権をとるというようなこととは別に、対等で行きましょうということだってある。その方が多いわけですから、今は極端なことを言っただけですけれども。

ですから、議決権の数にすべてを委ねるという形で、次の論理を、次の要件に検討を移すのをストップするというのは、何だかそこで遮断してしまう理屈がわからないだけなんですよ。そこに、何か論理がありますかとお伺いしたので、論理性があるのでしたら、それで結構なのだけれども、どうもそうではないような気がするんですよ。

ですから、米国等での濫用があった、そのための反省かとは思いますけれども、完全に数字が一緒でなければだめとか、逆取得の場合のことを考えるからそうなのだとかいったような論理だけでは、少し違うような気がするんですよね。その後の事実をみれば、手に持てばすぐわかるわけなもので、それほどおかしな会計処理が行われるわけでもないとは思いますが。事実として明らかになりますから。少し時間がたてば。

○斎藤部会長

黒川委員、どうぞ。

○黒川委員

先ほどの私のは少し間違っていたかもしれません。すみません、基準の方の4ページの最後から5ページ、少し確認ですけれども、パーチェスと判定された後、取得企業の決定方法で、まず議決権比率が大きいと判定された結合企業を取得企業とすると、こうなっているものですから、やはり一応連動するというように、この文章からいくと理解できると、このように思います。

それで、逆瀬委員の議論について反論しようかと思ったのですけれども、それは少し、この問題についてはそこで反論はできなかったと思うのですが、ただ、別の論点で少し違う意見も述べたいと思うのですけれども、先ほど辻山委員がおっしゃったのと同じで、やはり私はもう少し強く、もし仮に形式基準を導入するのであれば、やはりそれはそれを厳密に適用すべきだと思っています。数値基準を導入するのであれば、厳密にやった方がよいと思っています。それは、過去においても、例えば47.5対52.5というようになったとしても、それはもう厳密にそこでそれを緩めてしまっては、それであれば47対53は限りなく近いではないかという事例を一つ認めてしまうと、その次がまた、事例を一つ認めてしまうとずるずる行くという、これは過去の歴史でもあったと思うんですね。アメリカでもあったと思うのです。

ですから、数値基準を導入したら、それは厳密にやって、八木委員には申しわけないけれども、それを参考にというようなことをすると、実質的に数値基準の意味が崩壊するのではないかというように懸念いたします。ですから、導入するのであれば厳密に、導入しないのであれば導入しないというぐらいのつもりで、導入した方がよいと、このように思います。

それと、もう一つ、辻山委員がおっしゃったものの他に、APB16の問題点として、12個も要件があったのですけれども、12個もありますと大変でありまして、それの運用指針のようなものをつくろうなんていうと、それぞれそれぞれに実務界は色々なことを考えだすということで、もぐらたたきのようなことが大変になるというか、そのようなこともあったように思うのですね。ですから、そのような点でもすぱっという基準の方が、後々、運用においての大変さというのでしょうか、危うさは少ないように思います。

○斎藤部会長

今、黒川委員がおっしゃったように、この現在のタタキ台のつくり方は、パーチェスとプーリング、つまり取得と持分の結合とを使い分ける基準と、パーチェスにおいて取得側を決定する基準とを連動させているんですね。ですから、黒川委員が後で修正された方が正しいということでございます。その点が、まず第1点です。

あと、逆瀬委員がおっしゃられたことについて、この基準ではどのような考え方を示しているかということでありますが、資料1の7ページのところをごらんいただきたいのですが、右側の摘要のところの下の方に、幅の具体的数値の議論ありというところがございますね。そのすぐ左側の文章、「議決権比率の」というところを少しごらんいただきたいのです。

議決権比率の小さい側が実質上の取得会社として法的にも存続する可能性はあり、その可能性はもちろんあるわけですが、50パーセント基準を機械的に適用するとそれを後述の逆取得として処理せざるを得なくなる。そのような実務上の不都合を減らすにはと、なくすにはとは言っていません、減らすには、議決権の数値基準に多少の幅を持たせて実質的支配の判断を加味するほうが合理的とみられるからであると、このような文章を加えておりまして、その観点から、50を基準にして、プラスマイナスどの幅をとったらよいのかということを、これからご判断いただきたいと、そのような趣旨でご提案申し上げているわけでございます。

他にご発言はないでしょうか。どうぞ。

○黒川委員

今のところ、もう1回確認なのですが、プラスマイナス2.5だとすると、例えば47.5対52.5と、このようなところになったとすると、これは取得企業はまだわからないという段階ですね。その後、47.5の方が取得企業になる可能性は、支配力基準で言ってあり得るということですよね。そこを先ほど私少し混同――40対60という例で逆瀬委員がおっしゃったので、それはだめでしょうけれども、47.5と52.5であれば、その場合には少数の方が取得という可能性もある、そのように読んでよろしいわけですね。

○斎藤部会長

それから、先ほど来、数値基準と申しますか、形式基準が強調されることについての違和感が繰り返されているわけでありますけれども、このタタキ台の考え方では、まず、前提にありましたのは、プーリングとパーチェスというものを対立的にとらえる前に、前にこの審議会の論点整理に書いておりましたとおり、プーリングとパーチェスにはある共通点がある。それは、いずれにしても、少なくとも一方の企業においては、簿価を承継するわけですね。それを、継続的な継続企業とみているわけです。パーチェスであれば、取得側の簿価は承継される。そこは評価替えしないわけですね。それから、プーリングであれば、両方とも簿価は承継される。

ここでは、その根拠として、持分の継続という概念を使っているわけであります。その場合に、持分の継続というのは、あくまでも相対的な概念ではありますけれども、少なくともパーチェスのケースであれば、取得側の持分を継続するとみているわけですね。それとの比較において、被取得側の持分をどうみるかということを議論しているわけです。

そのために、どうしても取得側と申しますか、一方に対して他方の持分が継続するかどうかということを、持分の比率、議決権の比率で考えるという、数値基準で考えるという体制をとっているわけであります。

もし、これを全部とりはずして実質だけで行けということになりますと、これは、例えばパーチェスに該当するようなケースでも、もしかしたら持分の継続とは全く無関係に議論されますので、実質判断で簿価の評価替えが起きるようなフレッシュ・スタートに行く可能性ももちろんあるわけでありますし、プーリングに該当するとみられるケースでも、やはり一種の実質判断だけに依拠した場合には、両方とも簿価を評価替えするという、フレッシュ・スタートの方に行く可能性も排除しきれない。

我々は、あくまでも現在のパーチェスを基本としながらも、プーリングに該当するケースについてはプーリングを適用すると、そのような枠組みで考えておりますので、その理屈として、持分の継続というコンセプトを持ち出して、それをある種、議決権、持分の比率で考えようという、そのような構成をとっているわけであります。

他に何かご発言はないでしょうか。特にワーキンググループに関係しておられる方々で、補足的なご発言があると大変参考になると思いますがいかがでしょうか。都委員、どうぞ。

○都委員

先ほど来議論がある中で、やはりこの議決権比率だけでいかがかということ、たしかにその辺のところは私も感じるところではあるのですが、一方で、それでは実質的支配というところはかなり客観性を持ってすべてを仕切れるかというと、ここでの、資料2の4ページにもありますけれども、実質的支配の見方というのは、例えば役員の構成の仕方とか、あるいは重要な財務、営業の方針を決定する契約等があるとか、やはりこれだけでまた第三者が判断できるようなものにも、なかなかなりにくい。

やはり、先ほど来ありましたように、国際的な基準に機械的に従うということは、これは私はないと思いますが、日本の基準がやはり少なくともある程度、日本の考え方に従うものであっても、基準としてかなり実践のルールとして十分機能するという意味であれば、この実質的支配の項目に挙げられたものをみると、これだけでやはり完全には仕切れないなと、やはり議決権比率というものをある程度、重要視せざるを得ないと、その関係とか幅については、皆さん方のご議論を踏まえる必要があるかとは思いますけれども、やはり実質的支配というものが、頭の中で考えても、ここに挙げているような項目であれば、ある程度議決権比率というものについての一定の考慮をせざるを得ないと、このようなことであります。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

他にご発言はないですか。神田先生、どうぞ。

○神田部会長代理

間抜けた質問になって申しわけないのですけれども――欠席が若干続いてしまったこともありまして、基本的なところで考え方が、対立しているというのではないのだと思いますが、今ひとつ合っていないような感じがしまして、そのような意味で質問なのですけれども、既に検討されたということだと思いますが、非常に難しい問題でありますし、どこで考え方が分かれているのかというのは、私なりに表現させていただきますと、持分の継続という類型はよいと思うんですね、例外を認めるとして――例外という言い方がよいのか、プーリングを認めると言ってもよいと思いますが、それが稀かどうかはともかくとしまして。

ただ、先ほどから産業界の方がおっしゃっているのは、持分の継続という類型ではない類型がある、そのような類型のことをおっしゃっているのではないかと思うのです。

持分の継続という考え方は、一つ成り立つ考え方ですし、その場合には50%プラスマイナスというのでよいと思いますが、そうでない類型というのは、例えば、余りうまくは表現できませんけれども、共同事業ととりあえず呼んでおきますけれども、持分でみるのではない類型で、どちらが取得でどちらが被取得か判明できないのだと――そうだとすると、それを第2類型と仮に呼ぶとしますと、もちろんその第2類型を数値基準にできればした方が望ましいと思います。今、都委員がおっしゃったことも、方向はともかくとして、それに関係するのかもしれません。

そこで、ご質問なのですけれども、どちらが取得側で、どちらが被取得側かを判明できない類型というのは、持分の継続というものに、様々な議論が出て一本化されていったというように理解してよろしいのでしょうか。

あるいは、複数の類型があり得て、例えば持分の継続という類型、それから、少し今便宜上使わせていただきますけれども、共同事業という類型、あるいは第3類型もあり得るのかもしれません。しかし、それは、先ほどのアメリカの経験とか、濫用防止とか、様々な、財務諸表への信頼性とか、そのような観点もあって、例えばそこでは数値基準をつくりましょう、それをもう少し重視していきましょう。それはそれ自体として、私は筋の通った考え方だと思いますが、持分の継続という類型に一本化したところで、どうもすれ違っているように思いますが、私の誤解かもしれません。その点をご質問させていただければと思います。

○斎藤部会長

では、まず万代委員どうぞ。

○万代委員

私は、論点整理のときに入っていませんでしたので、私にとっては、持分の継続というのは、実は所与のお話でした。

ただ、ここでの議論は、基本的には持分の継続という類型を基礎に置いて、ずっと議論されてきたというように私は理解をしております。したがいまして、共同事業の類型というものは、余り議論してこなかったのではないかと思っております。以上です。

○斎藤部会長

論点整理のときのメンバーだった大日方委員から補足していただけるそうです。

○大日方委員

論点整理のときの状況を振り返っておきますと、まず、プーリング、パーチェスというものをどのように整理するかというところから議論が始まりまして、まず真っ先には、海外で言っている説明方法というのを検討したわけですが、その場合には、ありとあらゆる合併について、パーチェスがよいというのが現在の海外の状況です。当然、学問的にはもう一方で、ありとあらゆる合併についてプーリングがよいということも言える学説も、当然存在しているわけです。そうなりますと、真正面からぶつかって何の比較にもならないだろう。

もう少し議論を整理分解していったときに、もともとは会計が株主に帰属する利益を計算するということで、持分の継続というものはこの審議会が持ち出した用語ではなくて、昔からある用語でして、いつの間にかそれがなくなってしまったために、パーチェス一元化という方向に舵がとられてしまったわけですが、そこへ論点整理のときに、持分の継続に着目した場合に、うまくパーチェスとプーリングの類似点・異同点がわかるだろうと――つまり、共通点もあるわけですね、それは、パーチェスの中でも取得企業については評価替えしないと、そこに着目して整理し直すことで、何とか、使い分けとか、あるいは、並立までは何ですけれども、そのような可能性がないかということで整理が始まっておりまして、この持分の継続という考え方が多少復古調だったために、公表当初は新しい横根のような受けとめ方をされた感がないでもないのですけれども、様々な交換とか実現とか、他の会計上の処理にも使われているというか、ベーシックなフィロソフィーとしてあるものですから、でしたら、突出して企業結合だけエクスキューズを要して説明すると、恐らく制度は持たないだろうということですから、できるだけ汎用的な、オーソドックスな持分の継続という形で説明するということで、これは他の方の印象はわからないのですけれども、そこを会計上理論的にジャスティファイできたということで、一応、我が国においては、パーチェス一元化の論理には乗らないという防波堤にはなっているという役割を果たしているんですね。

神田先生がおっしゃっているように、これは広く会計処理における合併観と言ってよろしいのでしょうか、企業結合観というか、会計処理をベースとした結合観であり、それはもっぱらパーチェスとプーリングを説明し、使い分ける、あるいは制約を課すための概念ですから、必ずしも経営学的、あるいは日本経済の、産業界の方における企業結合観、合併観とマッチしない面があることは事実です。ただし、これはあくまでもプーリングとパーチェスの論理と、それを使い分けるための会計学の道具立てであるということです。

○斎藤部会長

ありがとうございました。どうぞ。

○辻前企業会計専門官

神田先生のご質問から少しずれてしまうかもしれないのですが、ジョイント・ベンチャーの取り扱いというのを、このドラフトの中では入れておりまして、そのジョイント・ベンチャーの場合は、ジョイント・ベンチャー本体の他に、親というか共同で支配している人たちがいて、その人たちが合意をして重要事項を決定していると、そのようなイメージになるわけなのですが、そのジョイント・ベンチャーの形成については、数値基準という考え方はとらないで、そのような実態として、共同事業になっているようなものについては持分の継続を認めましょうという取り扱いを、後からというか、ワーキングで検討を始めてから追加しております。

○神田部会長代理

先生のお話も伺って、私も前の方から参加させていただいているのですけれども、部会で思い出したりもして恐縮ですけれども、持分の継続という考え方が会計学から言って成り立つ、これはもう私、完全な専門でもありませんけれども、全くそのとおりでよくわかるんですね。

むしろ私が少しお聞きしたかったのは、持分の継続という類型があることはよくわかりますが、もう一つ別の類型として、事業の継続という考え方から切れないものなのか。これは会計学的にそれは無理だと、あくまで会計理論の理屈というのは株主との関係というのでしょうか、持分という方だけでしか来ていないのだというように整理されたなら、それはそれとして、公開草案をお出しになることは大変結構なことだと思いますけれども、先ほど最初の方から企業・産業界の方がおっしゃっていたのを伺っていると、どうもそこのところに抵触している部分があって、持分の継続という類型ではない類型が、むしろ日本の実態としてはあるのかもしれない。また事業の継続でも、先ほどは共同事業と申しましたが、事業の継続とも言っておきますけれども、そのようなものだとすれば、そこは何か会計理論として世界にない理論なのかもしれませんけれども、何か日本発のものがつくれるのかどうか、あるいはそのようなことは非常に難しいのかということを聞きたかったんですね。

それで、今、辻前専門官からお話があった、ジョイント・ベンチャー等でそのような共同事業という発想を入れておられるということだとすると、そこのものの考え方というのは、もう少し詰めてみる価値があるのかもしれない。公開草案は公開草案として、これまでの審議の結果ということで世に問うというのは重要で、もうそのような時期ではないかというように思いますけれども、これは詰めてみる価値はあるのかなとも思いまして、何か私が全く的外れたことを言っているのかもしれませんので、少し長くなって申しわけありません。以上です。

○斎藤部会長

それでは、大日方委員、どうぞ。

○大日方委員

論点整理のときに、私は、個人的な執筆段階では、事業の継続というのを使っていたのですが、それは何名かの方にはもしかしたらごらんいただいているかもしれないのですけれども、事業の定義が非常に難しい。生産手段によるのか、管理者に着目したり、従業員に着目したり、インプットに着目したりアウトプットに着目したりということで、かつ、それが大々的に何かに替え得る、例えばこの面で譲ったらこっちの面で何かを肩がわりで取るとか、損得を合わせるという形で、非常に難しい。

よく考えてみたら、会計というのは、基本的なイメージから申しますと、資産と負債と、それから資本と利益という形であらわれたところでしかつかまえていないのであって、そのような基準をつくってみても、会計上あらわれることのないものについて、実態を規制するというのは、本末転倒の話になる。

そうすると、会計上あらわれてくるものについて概念をつくった方がとてもわかりやすいだろうということで、つまりそれは、この前文でも書いていただいていますが、どのような形で資本利益計算、投資回収計算がそこに実行されることになるかという観点で集約した結果なんですね。事業、ビジネスというベクトルではなくて、持分というベクトルにした理由です。

○斎藤部会長

基本的には、この企業結合の際に、評価替えをするかしないかという話をしたとき、評価替えをしないというのは、それは一種のゴーイングコンサーン、継続事業だからということですね。その場合に、何をもって継続事業とみるか。

これは、今お話があったように、事業でみるということも一つの考え方としてはあり得るのですけれども、しかし、実際問題として、事業の大半が入れ替わってしまうというような企業結合も色々ございます。そのように事業が入れ替わっても、企業会計では残っている分の評価替えはしないわけですね。なぜかというと、持分が清算されなければ評価替えしないからです。

ですから、そのような観点から考えると、やはり一般性のある継続企業の概念というのは、持分で定義するしかないと考えたということでありまして、事業が継続しているということ、あるいは逆に事業が継続していないということによって、評価替えの有無ということを決めるのは、実際にはできないということで、このような概念を選択したという次第でございます。

これは、例えば通常の継続企業でも、従来の事業の大半の部分を入れ替えてしまうということはよくございますし、企業結合の場合でも、取得した企業が被取得企業の事業に特化するということで、従来の事業内容のかなりの部分を入れ替えてしまうということがございます。

しかし、そのときに、やはり持分が継続している方の企業については、残っている部分の事業資産について評価替えすることはしないわけでありまして、評価替えというのは、基本的には持分の清算ということとリンクしているというのが、より一般的な概念であろうというように私どもは考えたということでございます。

○神田部会長代理

そちらはわかるのですけれども。今おっしゃった点はよくわかります。逆の方で、事業が継続している場合、それをどう定義するのかは非常に難しいというお話はわかりましたけれども――もう少し詰められないのかなという気持ちはあるもののわかりましたけれども、事業が継続している場合にでも、持分がかわったら評価替えをするということがもうロジックなのか、それに例外という表現がよいかどうかわかりませんけれども、特にこのような場面で何か理屈というのは正しく打ち立てられないものなのかということなのですけれども。

○斎藤部会長

事業が継続していても、持分が清算されて、評価替えされるというのは、通常のパーチェスにおける被取得側のケースだと思いますね。

ですから、評価替えがあるかないかということは、持分が清算されるかどうかに、やはり依存して決まっているというように考えられるのではないでしょうか。

○神田部会長代理

ただ、それに例外がないかということをですね、今、そのような議論をしているのではないでしょうか。

○斎藤部会長

大変貴重なご指摘をありがとうございました。一応承って検討させていただきたいと思います。

時間が残り少なくなってきましたけれども、特にご発言はございませんでしょうか。引頭委員、どうぞ。

○引頭委員

1点なのですけれども、先ほど西川委員の方から、負ののれんの償却の期間、正ののれんと対称にしていることについてご意見があったと思いますが、少し私も西川先生の意見に賛成していまして、負ののれんについては、もう少し早く償却を終わった方がよいのかなという感じがしています。

やはりリストラ引当金等、予見と申しますか、実際の経済活動をみると、すぐに費用が発生しそうなことが多いと思うんですね。正ののれんの利益の場合には、毎期毎期利益で出てくるということですので、少し時間軸が、負ののれんの発生要件というのは、その個々の企業に起因した部分が大きいような気がしていまして、少しそこはどうかなという感じが一つしていますのと、あと、負ののれん、今回の場合、定期償却と減損処理の抱き合わせということなのですけれども、負ののれんの、では減損処理というのはどうやるのかなと色々今考えていたのですけれども、やはり少し、どうするのかなと、仮になかなかできないということであれば、やはり20年だけしか償却できないということになってしまいますし、本当にでは対称なのかなという感じも少しいたしました。

あと、もう1点なのですけれども、ディスクロージャーのところなのですが、今回も色々細かく書いていただいて、非常にアナリストとしてはよかったなと思いますが、1点だけ、減損の可能性について、リスクファクターの記述が少しなかったと思うんですね。事実に基づいていてですね。要するに減損処理をしなければならないときというのは、言ってしまうと、要するに評価した人しかわからないブラックボックスの中で、のれんの金額が決まっているような気がしますので、評価した人が何に着目してそうしたのれんを決めていったのか、残ったのがのれんなのですけれども、その辺を、一つあると投資家とかアナリストサイドとしてはすごくありがたいなと、これは、リスク情報として別のところにまとめて書くことになるかもしれませんが、こうした取引を発表されるときに、1行あった方が、少しありがたいなというように思います。以上です。

○辻前企業会計専門官

資料2の12ページのところになりますが、そこの下半分、2のパーチェス法を適用した場合の注記事項の(2)のところに、のれん又は負ののれんを認識することとなった取得原価に貢献した要因についての説明をはじめとした、企業結合を行った主な理由という項目を立てておりまして、のれんというか、のれんの背景についての説明は、ここでお書きいただくことになるのかなというようには考えておりますけれども、減損との関係については、確かにカバーしていないというか、減損については減損会計の方にお任せするという割り切りをしておりましたので、そこのところは書いてないという形になっております。

○引頭委員

せっかく新しい基準が二つできているわけですから、少しそれは、使う側としては、一緒にあった方がうれしいということでございます。

○西川委員

ジョイント・ベンチャーで――少しジョイント・ベンチャーというのは何だかよくわからないのですが、議決権比率の判定を行わないということが、要するに議決権比率の判定を行うことがどのような弊害がこの場合、他のことと違ってあるのかが、少しよくわからなかったのですが。

○辻前企業会計専門官

共同で事業を行うということになると、もう比率とかは関係がなくなってしまうというか、その契約の内容自体に重点がかかってしまう、契約の内容と実態の方に重点がかかってしまうので、一律に形式基準を適用するのは適当ではないという考え方ですが。

○西川委員

普通、契約と議決権比率というのは、反する話になるということであればそうかもしれないのですけれども、あるいは、要するに議決権比率なんて何の関係もないということであればそうかもしれないのですけれども、このジョイント・ベンチャーだけがそう言える話なのかどうか。ジョイント・ベンチャーが何なのかよくわからないのですけれども、何か説得的でないような感じがするので。

○斎藤部会長

ジョイント・ベンチャーの話については、ワーキンググループのメンバーの方でご発言はありますか。説明してください。

○辻前企業会計専門官

ジョイント・ベンチャーについては、ここの資料2の方の定義を与えまして、共同支配とはこのようなものを言うということまでは書いてあるのですが、細かい規定までは書き込んでおりませんで、それは何か契約の内容が千差万別であろうという判断で、今のところはこのような書き方になっているということでございます。

○西川委員

例えば、会社分割のようなことをやっても似たようなことができるので、何かこのような違う話が入ってきたときにどうかなと少し感じたので。

○斎藤部会長

ありがとうございました。承って、検討させていただきますが、負ののれんに関しては、金井委員どうぞ。

○金井委員

先ほどからご意見をいただいていますので、一つ正していただきたいのは、資料2の7ページの第2パラグラフなのですけれども、取得後短期間で発生が予想される費用又は損失であってその発生の可能性が取得の対価の算定に反映されている場合云々とございまして、必ずしも負ののれんとなり得るものすべてを20年以内の償却というわけではなくて、先ほど西川委員がおっしゃられました、内容が特定されているものに対する手当も、一応は検討しておりますということをつけ加えさせてください。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

どうぞ、遠藤委員。

○遠藤委員

土地の評価なのですが、17ページです。先ほど八木委員がご発言されたところでございまして、補足になりますけれども、最初のパラグラフのところで、5行目ぐらいになりますが、「市場参加者が利用可能なものと明らかに矛盾しない限り」とありますけれども、ここは、様々な情報を利用できない場合のことを言っておりまして、これは矛盾しているのではないかと思います。要するに、そのような情報がない場合のことを言っているわけでございまして、これは論理的に少し矛盾しているのではないかと思います。

したがって、第2パラグラフのあとの3行は、このような考え方はとれないのではないかということだけ、少し補足しておきたいと思います。

○斎藤部会長

では、それは検討させていただきます。黒川委員、どうぞ。

○黒川委員

もう部会長が一たん引き取ったのですけれども、西川委員がおっしゃったジョイント・ベンチャーのときの問題で、多分ワーキングのときの状況で、少しだけ思い出したことなのですけれども、ジョイント・ベンチャーについては、非常に契約が――当事者がわかるというのでしょうか、先ほどから辻前専門官がおっしゃっているように、中に利益の配分の問題とか、それから、このような状況が起こったときにはどのように相談をするとか、様々な実質的なものがもう契約条項に色々書き込んであってよくわかると、このようなものと、それから、一般的な企業結合の、外形的に――外からみてどちらがどうなるのか、あるいは契約に本当にそこまで細かく、合併した後どのようにするのかというようなことが、ジョイント・ベンチャー契約ほどきちんとしていないようなものとの違い、それをどうもワーキングのときに色々と話し合っていたような気がいたします。

ですから、西川委員のおっしゃっていることはよくわかるのですけれども、どうも少し違う、中身の情報量も違うし、それから、判断のところも違うようなものだということを、今までは検討していたように思います。

○西川委員

最後に、具体的な指針の検討の中で、形式ごとの云々というところで、会社分割が入っているわけですけれども、会社分割の中に、ジョイント・ベンチャーがあるのかないのかとか、そのような判断が出てくるかどうか。

要するに、同じようなことが出たときに、片方は法形式の話で、片方は実質の話なのですけれども、何か少し整理されていないような感じがします。

○斎藤部会長

ありがとうございました。ご意見、承りました。

では、安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

少し何か簿記的な話で恐縮なのですけれども、こののれん、それから負ののれんという言葉が出てきますけれども、これは貸借対照表に計上するときにも、この名称でいくのですか。

○辻前企業会計専門官

そうです。

○安藤委員

というと、では、営業権との関係はどうなりますか。

○辻前企業会計専門官

それは、もうみんなのれんですね。「のれん」と書くということになります。

○安藤委員

そうすると、企業会計原則で言っている「営業権」という言葉をここで置きかえる。

○辻前企業会計専門官

スーパーシードしてしまうということになろうかと思います。

○安藤委員

一応、問題点として。

○斎藤部会長

承りました。ありがとうございました。

よろしゅうございましょうか。色々まだご議論はあると思いますが、既に予定された時間を超過しております。一たんここで打ち切らせていただきたいと思います。

現在のタタキ台につきましては、さらにワーキンググループを開催いたしまして、本日いただきましたご意見を踏まえて、修正、検討を加え、次回の部会に提出できるよう作業を進めてまいりたいと思います。

本日の部会はこれで終了させていただきますけれども、本日の審議においてその後お気づきの点、ご意見等がございましたら、事務局の方に遠慮なくお寄せいただければと思います。

次回の部会は、2月20日、木曜日の16時からを予定いたしておりますが、詳細につきましては、改めて事務局からご連絡いたします。

本日は、お忙しいところ、まことにありがとうございました。これで、散会にさせていただきます。

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