平成15年11月26日
金融庁

企業会計審議会第28回第一部会議事録について

企業会計審議会第28回第一部会(平成15年10月3日(金)開催)の議事録は、別紙のとおり。

(連絡・問い合わせ先)

企業会計審議会 事務局
(金融庁総務企画局内)
金融庁(TEL 03-3506-6000)
総務企画局企業開示参事官室


企業会計審議会第28回第一部会議事録

日時:平成15年10月3日(金)午後2時00分から午後3時43分

場所:中央合同庁舎第4号館9館金融庁特別会議室

○斎藤部会長

それでは、定刻になりましたので、ただいまから第28回の第一部会を開催させていただきます。

本日は、皆様方にはお忙しいところを多数ご参集いただきまして、大変ありがとうございます。

本日、加古会長は所用で欠席であります。

また、事務局の方で異動がございまして、辻前さんが退任されまして、後任として金子企業会計専門官が着任しておられます。ご紹介申し上げます。

○金子企業会計専門官

金子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○斎藤部会長

審議の再開に当たりまして、まず今後の当部会の運営についてお話を申し上げたいと思います。

前回の部会以降の経過を簡単に確認しておきますと、8月1日(金)に公開草案を公表いたしました。公表に当たり、コメントの締め切りは9月3日(水)とさせていただきました。公開草案に対して寄せられたコメントにつきましては、事前に当部会のメンバー全員にお送りしておりますが、本日も資料1として皆様のお手元にお配りしております。本日は、これらのコメントをもとにご審議をいただきたいと思っております。

なお、寄せられたコメントは多岐にわたることもありまして、当部会における審議をより効率的に進めるために、ワーキンググループにおいて分析・検討を行いました。既にワーキンググループの会合を先月18日及び本日午前中の2回開催いたしておりますので、その検討状況も後ほど事務局から紹介してもらいたいと思います。

ワーキンググループの会合につきましては、審議を効率的に進めていく観点から、今後も随時開催していきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。部会につきましては、次回以降は、部会の公開草案に対して寄せられた意見を踏まえ、企業結合に係る会計基準の設定に向けて審議を進めていくことになりますが、既に審議期間も相当長期にわたっておりますので、迅速に進めていきたいと考えております。

先ほど申し上げましたとおり、本日は、公開草案に対して寄せられたコメント及びワーキンググループ会合における検討状況について説明をしていただき、意見交換をしていただきたいと思っております。

お手元にお配りしてあるように、コメントは21件参りました。これからその内容を紹介させていただきます。まず事務局からコメント及びワーキンググループ会合での検討状況について簡単にご紹介いただき、当部会の委員に関係の深い団体からのコメントにつきましては、関係委員からもご説明をお願いしたいと思っております。なお、お手元の資料集、黒表紙のものでありますけれども、この中に公開草案及び公開草案を公表した際の関係資料が綴り込まれております。ご参照いただきたいと思います。

それでは、まず、公開草案に寄せられたコメント及びワーキンググループ会合における検討状況等について、事務局からご紹介いただきたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。

○平松企業会計調整官

それでは、簡単にご説明をさせていただきたいと思います。

まず、コメントにつきましての概要のご紹介でございます。お手元に資料2というのがございますが、コメントを項目別に要約したものでございます。それに基づきまして、すべてを紹介すると大変時間がかかるものですから、主なものにつきまして、ないしは、主要な団体のものを中心にご紹介をさせていただきたいと思います。

それでは、1ページをごらんいただきたいと思います。

まず、この「会計基準全般について」でございます。順番に読み上げていきます。

企業会計審議会において2年半の審議を経て取りまとめられた本公開草案に関しては、我が国の実情を勘案した上で、国際的にも理解される基準として作成されていると考えられる。特に持分プーリング法の適用要件や本基準の適用時期等について一定の考慮が図られており、適切であると支持できると、経団連からのコメントでございます。

次に、日本証券アナリスト協会のコメントでございますが、パーチェス法を原則とし、持分プーリング法の適用を限定する公開草案の考え方は、以下の点から高く評価したい。マル1パーチェス法を原則として適用することで、企業が他企業を取得する際の「のれん」等のコストが投資家に明らかにされる。マル2持分プーリング法の適用要件を客観的かつ限定的に規定している。マル3連結の場合の会計処理と整合性が取れている。マル4企業の恣意的な会計処理を排除することで企業間の比較可能性が保たれる。

また、「のれん」を償却資産とする公開草案の考え方も、以下の点から高く評価したい。マル1「のれん」は被取得企業の超過収益力を示すものであり、事業から実現する収益と対応して費用計上すべきである。マル2「のれん」は取得費用と被取得企業の時価純資産額との差額として計上され、理論的にその価値を精査して算出されたものではなく、こうした項目を貸借対照表に計上し続けるのは好ましくない。こういったコメントがございます。

それから、1ページめくっていただきまして、次に「会計基準の基本的考え方」に対するコメントでございます。

まず、中央大学の梅原先生のコメント。マル1「持分の非継続」から資産・負債を公正価値で測定するパーチェス法を導くために、「投資家の清算と再投資」を擬制していますが、これは子会社取得の場合に当てはまらない。また、持分が継続している場合にも、「投資家の清算と擬制がないこと」を前提として資産・負債の引継ぎを主張しているが、企業結合以外で絶えず株式は売買され投資家の清算と再投資が行われているが、なぜ、企業結合に限って清算と再投資が資産・負債の再評価の契機になるのか理論的に明らかにする必要がある。それから、「企業結合に伴って支配・被支配の関係が生じたときは、支配される側の持分はそこで継続を断たれる」というふうにしているわけですが、「支配」とは本来企業間の関係を意味し、株主の行動(利害)と企業間の支配・被支配が一致するとは限らない。したがいまして、支配・被支配の有無によって株主の行動を画一的に擬制するのは困難。マル3持分プーリング法を認めるにしても、支配の移転ないし第三者間取引の有無を想定すれば理論的根拠は十分であり、「投資家の清算・再投資」といった株主行動を基礎とした「持分の継続」という概念は不要であるというようなご意見でございます。

次に、弥永先生のコメントです。マル1企業結合を「取得」と「持分の結合」の2つに分けることができ、かつ、排他的な関係にたつことを前提にしているが、「取得」の主体は「企業」であり、また、「持分の結合」の主体は「企業の株主」であり、両方の定義を満たすケースがあるのではないか。マル2「取得」を持分の継続が断たれている場合と解しているが、投資家にとって合併において議決権比率が等しいことを「持分の結合」と判定する不可欠な要件とする説得力は乏しい。マル3被取得企業と判定された企業の株主について投資の清算と再投資を擬制される場合には投資の内容が変質したと解するのであろうが、合併の多くの場合は、取得企業と判定された株主にとっても投資の内容は変質しており、フレッシュ・スタート法が理論的であり「取得」とするのは無理だというようなご意見でございます。

それから、次のページでございます。3ページ目で、上から2つ目のポツ、真ん中の辺ですが、梅原先生のコメントです。「公開草案」では、パーチェス法適用時に生ずる被取得企業全体の対価ないし取引額を「取得原価」としているが、我が国では伝統的には資産一般の測定属性を示す用語として用いられている。レベルの異なる概念が同じ用語で表現されており、「買収価額」あるいは「買収原価」が妥当である。

次は中央青山のコメントです。意見書において「公正価値」という用語が使用されているが、「時価」または「公正な評価額」を使用すべきである。

それから、その次の4ページ目でございます。3の「対象取引」。これは信金中央金庫からのコメントですが、株式会社と異なる企業間(協同組織金融機関)の結合に適用する会計処理方法について、別途指針を示していただきたいというようなご意見が参っております。

それから、4番の「定義」のところでございますが、(1)、最初のポツですが、企業結合の定義を、「ある企業(会社及び会社に準ずる事業体をいう。以下同じ。)又はある企業を構成する事業と他の企業又は他の企業を構成する事業とが一つの報告単位に統合されることをいう。」というふうに修文すべきであるという意見が公認会計士協会から来ております。この件につきましてはワーキンググループで議論しておりますので、後で述べさせていただきます。原案のままだと事業と事業の結合が読みづらいという趣旨です。

次は5ページ目です。5ページ目の(3)ですが、「ジョイント・ベンチャーの定義」というところです。建設業振興基金というところから、建設業界において「ジョイント・ベンチャー」は「建設工事共同企業体」として限定的に用いられている用語であるため、草案の「ジョイント・ベンチャー」を他の適切な用語に置き換えることが適当であるというコメントが来ておりまして、この点につきましてもワーキンググループで議論をしておりますので、後ほどご紹介をさせていただきます。

次に6ページ目でございます。5の「取得と持分の結合の考え方」、(1)、最初のポツです。本質的・実質的に持分の結合と判断される企業結合を行う場合、普通株主以外の株主に対して企業結合の対価として普通株式以外を交付する場合であっても「持分の結合」に該当すると考えるべきであることから、「議決権付普通株式以外の株式を企業結合前に発行している場合の、取得と持分の結合の識別の判定方法は、企業会計基準委員会において適切に措置していく」等の文言を入れていただきたいと、全銀協のコメントです。

それから、次は、日本公認会計士協会、新日本監査法人ですが、「持分の結合」の判定要件の一つとして議決権比率要件を設け、注解(注3)では、「当該比率が50対50から上下概ね5%ポイントの範囲内にあることをいう」として許容数値規準が示されている、こうした具体的な許容数値基準は削除すべきである。また、議決権比率が50対50でなくても、実質的に議決権比率が等しいと判断して持分プーリング法により会計処理した場合には、その根拠を開示させるべきである。

同じような趣旨で、その下のポツも、2.5ポイント等に縮小すべきであるというようなコメントが来ております。

それから、次のページの7ページ目ですが、7ページ目の下から4つ目のポツです。トーマツですが、「取得」と「持分の結合」の判定に際して、結合当事企業の事業規模は要件とされていない。当該判定の一つとして、事業規模を要件とする考え方もあると思われるので、意見書の基本的考え方を理解するために、事業規模を要件としない理由を前文に記載してはどうか。

次に九州大学ですが、注4の要件4について、「一定以上の乖離」や「多額のプレミアム」は、誰が何を基準にどう判断するのか不明であるといったコメントが来ております。

それから、その下はトーマツのコメントですが、注解4は、支配関係を示す一定の事実を限定列挙したものと解されるが、連結財務諸表原則のように支配関係を実質的に判断することを考えると、例示列挙として規定する方がよいのではないかというコメントです。

それから、その下ですが、株式の交換による企業結合の場合は被結合企業の株主が結合後も結合前と同額の持分を維持していると見るのが自然であり、当該株主が被結合企業の株式を売却して結合企業の株式を新たに取得したとみなすことになるパーチェス法の適用は合理的ではなく、プーリング法によるべきであるとの意見があったというコメントがアナリスト協会から来ております。

それから、8ページの一番上のポツですが、注2、7の文章表現を直したらどうかというコメントです。「結合の合意成立日前1年以内に当該結合目的で……」というふうに、この問題についてはワーキンググループで議論をしましたので、後ほどご紹介をいたします。

それから、(2)のジョイント・ベンチャーのところで、2番目の、ジョイント・ベンチャーの形成の判断を行う基準、要件を具体的に示してほしいというコメントが波多野さんから来ています。

それから、その(3)でございます、「基準三」というところなのですが、これは基準の構成といいましょうか、(3)として、(2)がジョイント・ベンチャーで、その下に(3)を設けて、「(3)共通支配下の取引」を追加し、「結合の前後で当該純資産等の帳簿価額が相違することにならないように……」というのをつけ加えた方が構成が明確になるというご意見がございました。

9ページ目です、「取得の会計処理」。まず、「取得企業の決定方法」というところですが、日本貿易会から、逆取得の場合には、連結財務諸表上はパーチェス法を適用するが、個別財務諸表上は持分プーリング法に準じた処理方法により会計処理をするとされているわけですが、商法においても連結計算書類制度が導入されたことに鑑み、連結・単体双方の処理の整合や商法の規定との調査などについて関係各方面との間で検討を進めてほしいというコメントでございます。

それから、また1枚めくっていただきまして、10ページ目の(3)ですが、「取得に要した支出額の会計処理」でございます。取得原価に含める支出額は、等価交換取引であるとの認識から、「取得の対価性が認められる外部のアドバイザー等に支払った特定の報酬・手数料等」に限られている。通常の資産の取得に比し範囲がかなり狭いことから理由を明確にすべきであるというコメントが日本公認会計士協会から来ております。

それから、(4)の「条件付取得対価の会計処理」でございます。中央青山からですが、条件付取得対価が結合契約締結後の将来の業績に依存する場合において、追加的なのれんの計上金額は「結合日時点で認識されてその後償却又は減損処理されていたならば、追加認識される事業年度で認識されていたであろう金額」とされているが、この方法を採用した理由を明確にすべきであると。

それから、その次の11ページ目です。「取得原価の配分方法」。まず、経団連からのコメントですが、「発生時に費用処理される研究開発費(ソフトウェア制作費を含む)に配分された金額は、配分時に費用処理する」とありますが、マル1研究開発費等の具体的な内容及び費用処理を強制すべき理由が明確でない、マル2研究開発費のみに費用配分を強制するのは適当ではない場合があると考えられる、マル3費用処理すべき金額を客観的に把握する手法が確立されていないことなどから、費用処理を強制する取扱いが適切ではないため再検討が必要というコメントでございます。このコメントにつきましてはワーキンググループで検討しておりますので、後ほどご紹介いたします。

それから、次に公認会計士協会のコメントですが、取得原価は、結合日時点の時価を基礎として配分されることになっているが、市場価格のある取得企業等の株式が取得の対価として交付される場合には、取得の対価となる財の時価は、原則として、その結合の主要条件が合意されて公表された日前の合理的な期間における株価を基礎にして算定することとされているということで、時間的な差異があるということなのですが、その時間的な差異があることによる時価の変動がのれんとして会計処理されるということについて合理的な説明を記載すべきであるというコメントがございました。

それから、その次のポツですが、我が国において、無形固定資産を「法的権利」と「営業権」に分類している場合がほとんどであり、両カテゴリーに当てはまらない「分離して譲渡可能な無形資産」に関する説明は皆無である。「分離して譲渡可能な無形資産」の採用根拠はどのようなものか例示と説明をする必要があるというようなコメントが梅原先生と日本貿易会から来ています。

それから、1つ飛ばしまして下から2番目のポツですが、のれんの測定を正確にするために、資産に法律上の権利又は分離して譲渡可能な無形資産が含まれる場合には、取得原価を当該無形資産等に配分することを「できる」ではなく強制すべきである、これは中央青山と九州大学です。

それから、「取得後短期間で発生することが予測される費用又は損失」について、「当該費用又は損失に対して取得原価を配分することができる」ではなくて強制すべきであると、これはリストラ関係の負債のことなのですが、強制すべきではないかというコメントが中央青山、九州大学等から来ています。

次の12ページです。今のリストラ負債の問題なのですが、公認会計士協会の方から、負ののれんとして計上を強制し、費用又は損失の発生状況に応じて償却を行うべきであるというコメントが来ています。

同じくリストラ負債に関しまして、中央青山から、通常の引当金の認識要件とは異なるものとなっている。本基準において、通常の引当金の認識要件とは異なるものを採用した理由を明記すべきというコメントが来ています。

それから、その次、3つ目のポツですが、今のリストラ負債につきまして具体的な項目、要件を示すことが必要というコメントがトーマツ等から来ております。

(6)、「のれんの会計処理」です。最初のポツですが、のれんの償却方法として、定額法以外の「その他の合理的な方法」が示されているが、具体的な償却方法を明確にすべきであると、公認会計士協会から来ております。

それから、13ページ目です。13ページ目に、のれんの続きなのですが、(7)の上から2つ目のトーマツのコメントです。注解20において、「連結調整勘定及び営業権のうちのれんに相当するものは、のれん又は負ののれんに含めて表示する。」とされているが、この表現からは連結調整勘定及び営業権には、のれんに相当しないものがあるのではないかと解することもできるので、規定ぶりを明確にする必要があるというコメントでございます。

それから、14ページ目です。(9)、「パーチェス法適用時における増加資本の構成」。全銀協のコメントですが、「取得」を重視すれば、増加資本は資本金又は資本準備金に限定されるとの考え方になろうが、その場合は、合併後に留保利益が減少し株主の配当請求権を毀損することになる。商法が認める限りにおいては、留保利益の承継を従来通り認めるように配慮いただきたいというコメントがございます。

それから、下の方です。「7.持分の結合の会計処理」。(1)、「資産、負債又は資本の引継ぎ」です。日本公認会計士協会から、持分の結合の会計処理というのはすべての結合当事企業の資本金、資本剰余金、利益剰余金はそのまま引き継ぐということになっているわけなのですが、分割型会社分割では、分割会社の資本がすべて引き継がれるわけではないため、何をもってそのままかということについて明確にすべきであるというようなコメントが来ております。

それから、15ページ目ですが、(2)、「結合年度の連結財務諸表」。公認会計士協会とアナリスト協会のコメントですが、持分プーリング法が適用された場合、持分の結合は結合前の年度から結合企業であったと仮定するものであるため、結合年度の開示書類に記載された過年度の連結数値については、開示年度の一番最初の年度の期首に企業結合が行われたとみなして連結財務諸表を作成すべきであると。それが不可能な場合には、少なくとも主要データを注記すべきということです。これはリステートないしプロフォーマ情報を出すべきであるということでございます。

それから、(3)の「会計処理の統一」です。最初のポツですが、持分の結合時の会計処理方法を統一すべき場合を明確にするために、前文19頁部分にある「同一の環境下で行われた同一の性格の取引については、会計処理を統一する」という旨を会計基準又は注記に明記すべきということが経団連等から来ております。

それから、16ページです。「ジョイント・ベンチャーの形成」というところで、経団連のコメントです。前文におきまして、「……ジョイント・ベンチャーの持分法の適用に際して、ジョイント・ベンチャーへの投資と、ジョイント・ベンチャーの資本のうち投資会社の持分比率に対応する部分との差額は処理しないこととなる。」とされていますけれども、そのように結論付けた理由や考え方を教えてほしいといったコメントが来ております。

トーマツも同じようなことを言ってきています。

それから、その次のページ、17ページです。共通支配下の取引の会計処理ですが、ここで子会社株式の追加取得につきまして、一番上のポツなのですが、経団連からです。親会社が自社の株式を対価として子会社株式を追加取得した場合には、現行の実務に与える混乱を最小にする観点から、共通支配下の取引として適正な帳簿価額に基づき個別財務諸表上で会計処理することが、現行実務における通常の処理と考えられているということで、時価ではなく簿価ということだと思います。

それから、18ページです。18ページの「10.その他」というところです。最初のポツですが、経団連から、税務に関して企業組織再編税制との整合性を保つために、申告調整により課税問題が生じないように調整が必要であるというコメントが来ています。

それから、1つ飛ばしまして3つ目ですが、これは、公認会計士協会、アナリスト協会から、基準は、結合企業の会計処理方法を定めているが、被取得企業及び株主の会計処理方法についても規定すべきである。マル1取得の場合の被取得企業の会計処理方法、マル2結合当事企業の株主の会計処理方法、そういったコメントが来ております。

コメントに関しまして主なものをご紹介させていただきました。大変端折って申しわけないのですけれども、事前にこの資料も送ってあるかと思いますので、時間の都合で省略をさせていただきました。

次に資料3でございます。ワーキンググループにおけます検討状況を、簡単で恐縮なのですが、取りまとめたものでございます。

まず2ページ目をごらんいただきたいのですが、先ほどもコメントでご紹介しました日本公認会計士協会からのコメントということで、定義規定の文意を明確にするために修正してはどうかということです。これにつきましては、ワーキンググループで議論しました結果、ご指摘どおり修正をしてはどうかということで、左側の方で修文を提案しております。

続きまして、ジョイント・ベンチャーの用語の問題ですが、これにつきましては確かにうなづける点があるものですから、混用を避けるために、例えば「共同支配企業」というふうに修正をしてはどうかというご提案でございます。

それから、3ページ目ですが、これは用語の問題ですが、前文中に「結合」という用語が対応されているのですが、「結合」という用語には定義は特にしておりません、という観点から、なるべく「企業結合」に統一しようということで、不必要なところ以外は統一をしております。

それから、その下の持分の継続のところの横のポツなのですが、これは先ほどご紹介しました梅原先生ないし弥永先生に対するコメントについてワーキンググループで検討したわけですが、特に現状の考え方を変える必要はないのではないかというのが結論です。その理由といたしまして、投資の清算・再投資の擬制は、合併を前提に何故パーチェス法と持分プーリング法の会計処理の違いが生じるかを説明したもので、何らかの判断基準を提供するものではなく、要するに考え方を述べたものであるということを確認いたしております。

それから、4ページ目です。4ページ目は、全銀協の方から、優先株の取扱いについては実務指針として検討していけというようなコメントがあったわけですが、それに基づきましてワーキンググループの方でもいろいろと検討をした結果、幾つかの問題が出てきたわけです。その1つの問題といたしまして、公開草案では、「議決権付普通株式」というふうに書いてあるわけなのですが、議決権に関して普通株式と同一の権利を有する優先株式の発行というものが現に行われているということがわかりまして、議決権付優先株式というのがあるということがわかりましたので、普通株式という表現は適切ではないということで、議決権のある株式と言う表現に変えてはどうかという修正でございます。

それから、5ページ目です。同じく優先株式の問題なのですが、優先株式等の潜在株式を企業結合に際し発行する場合や、企業結合前に既に発行している場合には、持分の結合と取得の判定に当たりどのように取扱うかについて、基本的な考え方を整理した上で適用指針に委ねてはどうかということです。非常にさまざまな対応とかさまざまな種類とかさまざまな状態があり得るでしょうから、基準ないし前文で基本的な考え方を整理した上で適用指針に委ねたらどうかという提案です。

それから、上記の一案として、潜在株式の行使の可能性を考慮すべきことについて前文で記載してはどうかということで、その右側に2行ばかりありますが、「なお、議決権比率判定にあたっては、潜在株式の議決権行使の可能性を考慮することが必要である。」といった一文をつけてはどうかということです。

それから、しばらく飛びまして、9ページです。9ページは文章の表現の問題で、同じ表現が繰り返されているので、この後段の部分を削除してはどうかということです。

それから、11ページですが、下の方の、「条件付取得対価の会計処理」の最初のパラグラフですが、これは取得対価につきまして条件が付されている場合ということをより明らかにするために、「財」というところを「取得対価」に改めてはどうかという提案でございます。

それから、12ページ目ですが、ここは、条件付取得対価の場合ののれんの償却方法につきましてコメントがありまして、わかりづらいというようなコメントがあったものですから、もう少し明確にしてはどうかということでございます。要するに、「企業結合日時点で認識したものとして仮定して計算し、追加認識する事業年度以前に対応する償却額及び減損損失額は損益として処理する」ということで、要するに遡及することを明らかにしてはどうかということでございます。

それから、15ページ目です。15ページ目の真ん中のあたり、これも修文ですが、文章の問題なのですが、ここはのれんの非償却につきまして問題点を指摘している部分なのですが、減損会計基準との関係上、必ずしも適切でないと思われるということで、原案では「その実行可能性には疑問点が残る」というような言い方になっているのですが、少しそこを緩和しまして、「のれんの価値の評価方法を確立する必要があるが、そのために対処すべき課題も多い」というふうに書いてはどうかということです。

それから、17ページです。これは全銀協からの先ほどご紹介しましたコメントに対しましてワーキンググループで議論を行ったわけですが、商法上は留保利益の引継ぎが認められておりまして、まさにそういったものを会計基準で否定してしまうということについてはいろいろと問題があるだろうということで、パーチェス法適用時の個別財務諸表において留保利益の承継を認めてほしいというコメントに対しまして、右側のように一文をつけ加えまして、「資本の部の記載についても、法令に定めがある場合を除き同様である」ということですから、そこの「法令」というところを、法令に特段定めがある場合には連結財務諸表上も個別財務諸表上も同様にならない場合があるということなのですが。そういう趣旨でございます。

それから、19ページです。19ページは、プーリング法をとった場合の企業結合年度の連結財務諸表のところです。この右の欄にありますように、今年の9月22日に中間配当限度額の計算に関する商法施行規則の改正がありまして、合併日が期中の場合、期首から合併日までの利益を配当可能利益に取り込むために、期首でのみなし合併処理が可能な余地のあることが解釈上明らかになったということですので、個別財務諸表においても期首まで遡って1つの事業年度として考えることが解釈上可能であるということになったということがございます。ですから、そこは文章の表現を変えておりまして、ここは2つのことを、修正再表示と結合企業の収益と費用の合算の問題の2つを扱っているのですが、まず、商法上の問題ということを理由にできなくなったことからその部分を削除するということと、連結財務諸表に限るというところが少しわかりにくいものですから、2つの意味があって、期首に遡るという話と過年度に修正再表示するという話があってわかりにくいものですから、そこを整理してこのような表現にしてはどうかということです。

それから、次のページです。20ページですが、20ページの(6)のマル2の「合併」というところです。ここで、先ほどの商法施行規則の改正によりまして、結合日における処理だけではなくて、みなし処理ということで、期首において合併したというみなし処理も認められることになっているようですので、そこを特定せずに選択的に読めるように「企業結合日」というのを削除しております。

それから、そこの下の部分ですが、これにつきましてはコメントがありまして、先ほどもご紹介しました、ジョイント・ベンチャーの投資額と投資会社の持分比率の差額を処理しないということについては前文でしか書いていないのですが、それを基準で明らかにすることにしてはどうかということです。

それから、22ページです。「少数株主との取引」につきまして、これは経団連からコメントがあったのですが、親会社株式を対価とする子会社株式の取得について、簿価純資産で計上すべきとのコメントがありましたので、この問題については検討を続けております。

それから、23ページ目、「実施時期等」のところの2.ですが、これにつきましては主に商法との関係につきまして記載している部分ですが、特に明示的なものがあるわけではないのですが、今後のことも考えまして、「等」を入れて少し幅を持たせたらどうかということでございます。

それから、次のページ、基準の方でございます。基準の方の最初のところは、前文と同じでございます。ジョイント・ベンチャーの問題、企業結合の定義の問題です。

それから、25ページですが、ここにつきましては34ページの注2の方とあわせてごらんいただきたいのですが、原案で、「基準」の方のマル1の内容と注2の内容が重複して読めること。ここはいずれも企業結合に際して支払われた対価のことを言っているのですが、「対価のすべてが原則として議決権のある株式であること」というところと、2.の「事実上すべての議決権付普通株式同士が交換される」というところの内容がダブっているということで、整理をした方がいいということで、注2.の方を削りまして統一するということと、それから、先ほども触れましたように、結合の対価として優先株式や合併交付金が交付される可能性もあるわけでして、そのことが少し読みづらくなっているということで、「すべてが原則として議決権のある株式であること」というふうに直してはどうかということです。

それから、25ページの下の方は、先ほどご紹介しましたジョイント・ベンチャーの持分法の適用に対するところを基準の方に追加したということです。

それから、28ページです。これは経団連の方からご提案がありました、研究開発費及びソフトウェアについては、費用処理を強制するのは適切でないというコメントがありました。この点につきましてワーキンググループの方で検討いたしておりまして、現在もなお検討中です。とりあえず修文をしてはどうかということで、右のように、「取得企業が取得対価の一部を研究開発費等(ソフトウェアを含む。)に配分したときは、当該金額を配分時に費用処理する」というふうにしてはどうかと。これは本当に先ほど書き出したところなのですが、趣旨といたしましては、研究開発費等だけではなくて、無形資産等に配分される可能性もあるのではないかということをこういった表現で明らかにしてはどうかということでございます。

それから、30ページです。これは先ほどコメントがありましたように、会計処理方法の統一につきまして、そこにあるように修文をしてはどうかということです。

それから、30ページの下は、先ほどみなし結合日の話をしましたが、それの基準の部分についても「企業結合日において」というのを削ってはどうかということです。

それから、34ページです。注2のところですが、注2につきましては、「企業結合に際して支払われた対価のすべてが原則として議決権のある株式と認められるためには、同時に次の要件のすべてが充たされなければならない」ということで、先ほど基準の本文の方はご紹介しましたが、この1~7までの要件が議決権のある株式と認められるための要件ではなくて付帯的な要件であることから、「同時に」というのを追加してはどうかということです。

それから、注2の7については、これは自己株式の取得の規制の問題なのですが、類似の経済効果のある配当等に制限がないことから、現在、ワーキンググループでその必要性を検討しているところです。

それから、注3につきまして、これは例の50対50のところなのですが、会計士協会から、数値基準を削除すべきというようなコメントがありまして議論いたしましたが、とりあえず原案のままでいいのではないかということになっております。

それから、35ページです。注4の要件は例示列挙にしてはどうかというトーマツのコメントがあったわけですが、それにつきましても議論しまして、原案のままでいいのではないかということになっております。

それから、36ページです。注12ですが、これにつきましては、前文の方は先ほど修正を提示いたしましたが、それと同じように注解の文章も直してはどうかということです。

それから、37ページ、最後、一番下の注20ですが、これにつきましては、営業権につきましてはのれんに相当するものとそうでないものがありますが、連結調整勘定はのれんということになっておりますので、誤解がないように順番を入れ替えてはっきりさせてはどうかということでございます。

足早で申しわけなかったのですが、以上でございます。

○斎藤部会長

大変ありがとうございました。

公開草案に対して寄せられたコメントの概要と、それを受けたワーキンググループでの検討状況についてご説明をいただきました。このうち、前者の公開草案に対するコメントについてでございますけれども、それに関連する委員の方々から追加的なご説明をいただければと思います。

まず初めに、日本経団連のコメントにつきまして、逆瀬委員からお願いをいたします。

○逆瀬委員

それでは、資料1の一番上が経団連のコメントでございまして、ご参照いただきまして、概略をご説明申し上げます。あわせて、お願い事項も申し上げます。

まず、コメントの1枚目の冒頭に記載してございますけれども、持分プーリング法の存置、あるいは、本基準の適用時期につきましての合理的な考慮が図られておるということで、基本的に適切であると支持を表明しております。個別の事項が続けて書いてありますけれども、まず冒頭の最後の方に、本基準の適用に際しましては、企業組織再編税制との整合性をとるため、申告調整によりまして課税問題が生じないようにその手当て、調整方をくれぐれもよろしくお願いしております。

個別の事項ですけれども、会計基準の三2.(3)で、「取得原価の配分方法」についてであります。ただいま平松さんの方からご説明がありましたけれども、パーチェス法におきまして、「発生時に費用処理される研究開発費等(ソフトウェア制作費を含む。)に配分された金額は、配分時に費用処理する。」とありますけれども、ここのマル1マル3に記載しましたような事情を勘案していただきたいという要望であります。マル2に記載してありますように、一定条件を満たせば無形資産としての資産計上が認められることにはなっております。一方、海外の方に目を転ずれば、IASBではそもそも資産計上と、米国のFASBの方も資産計上を前向きに検討中というふうに仄聞しておりまして、企業結合のパーチェス法の会計において、無形資産への配分あるいはR&Dへの配分に事実上大きな差異を設けない取扱いとなる可能性も否定し得ない状況かと類推いたします。M&Aは国外において行うことも多く、ここのところで彼我の差がありますと企業買収の局面において遅れをとるといった影響をなしとはいたしません。そこで、イコールフッティングが可能となりますよう、意見書の修文をお願いしているものであります。

続きまして、会計基準の三3.(3)で、これは配布資料3の30ページですけれども、会計処理方法の統一のところですけれども、ここは文字通り、前文19頁の内容を基準の方にも明記していただくようにお願いしたものであります。ただいまそのような修文のご説明がございました。

続きまして、会計基準の四4.(2)マル1、「少数株主との取引」。これは共通支配下における取引ですけれども、資料3の22ページでありますが、ここは共通支配下の取引と外部取引と2通りの考えがあるということを踏まえつつ、取得原価を時価で測定する方法を採用されております。理屈面では理解し得ないものではありませんけれども、個別財務諸表に関してこのような要望が出ますのは、1つには、単純に現行実務の踏襲を望む声が作成者サイドにあるということ、あるいは、何よりも我が国では個別財務諸表におきましては持分法がそもそも導入されておらない事情がありますので、個別において連結上の手続と同様のことをこの局面でやったとしましても、事後、個別と連結の評価は離れてまいるという運命にあるわけなので、ここで個別におきまして時価評価をそのまま導入しても余り実益もないというようなことでもありまして、この点をご検討いただければというふうに思っております。

最後ですけれども、会計基準の三4.(7)、「ジョイント・ベンチャーの形成」の項でございますが、これは資料3の21ページ、25ページでありますが、これは差額を処理しない方法につきまして理論的な理由を明示していただきたいというお願いが1つ。もう1つは、明示していませんけれども、実務的にはこのようなオフバランスの金額を未来永劫に基調事務として維持し続けるということは大変に面倒なことということもありますということで、必ずしも差異が出るのはジョイント・ベンチャーだけではないので、それ以外のケースも含めまして、プーリング法におきましてこの不一致分について、例えば適用指針等で実務的に簡便法がとれるような対象のご検討をお願いしております。

以上です。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

それでは、引き続きまして、全国銀行協会のコメントについて、梅山委員から追加的にご説明をお願いいたします。

○梅山委員

それでは、私の方から全銀協の意見書に係る補足説明をさせていただきます。

私は全銀協における意見集約の節には直接関わってはおらなかったのですが、この全銀協の意見書にある3つの意見を見ますと、私が今まで審議会でご質問なりお願いをしてまいったものとその趣旨においては同じだと思いますので、私の方から補足説明をさせていただきます。

資料は資料1の7ページ~9ページにございます。

まず第1番目は、企業結合に際して支払われた対価としての「議決権付普通株式以外の株式」と取得・持分の結合の識別方法についてということでありまして、「議決権付普通株式以外の株式を企業結合前に発行している場合の、取得と持分の結合の識別の判定方法については、企業会計基準委員会において適切に措置していく」等の文言を入れていただきたいということでございます。端的に言えば、議決権がない例えば優先株式、こういったものが企業結合前においてありますと、企業結合が起こった場合にこの議決権を持たない普通株主以外の株主に対して企業結合の対価として議決権のない普通株式以外の株式を交付するというケースでありまして、こういったケースであっても議決権のある株式の比率におきまして実質的に持分の結合が判断されるのであれば、それとは別な状況において優先株式が対価として交付される場合であっても、それをもって持分の結合に当たらないというようなことにはならないようにしていただきたいという趣旨でございます。

ご存じのように、今まで大手銀行は企業組織再編を行ってきているわけですが、企業結合前に発行されております消滅会社側の言ってみれば公的資金に係る優先株式、これは結合前に償還は実際にはほとんどのケースで行われておらなくて、結合時に存続会社が発行します優先株式を対価としてそれが交付されているわけです。こういうケースが今後も想定されることも否定できないと思いますので、対価としてこういう議決権のない優先株といったものが対価として交付される場合において、その辺のご事情をよくご理解いただきたいという趣旨でございます。これが第1番目であります。

第2番目は、共通支配下の取引等の会計処理に関する件でありまして、これは企業結合時の抱合せ株式の処理に関する注解18の規定ぶりについてでございます。いわゆる抱合せ株式の適正な帳簿価額というのは企業結合時において増加資本から控除されるわけですが、その増加資本を超過する場合にどうするのかということにつきましては、この注解18では、そもそも超過するに至った原因というのは子会社の累積損失であろうと、そういうことからそれの処理というのは親会社の利益剰余金に賦課するのがそもそも当然ではないかということであろうというふうに理解しておるわけですが、そこにつきまして、その超過する金額について、その他資本剰余金というのも賦課対象として認めていただけないかという意味でございます。

この資料にも書いてあるのですが、増加資本を超過する部分の金額が発生する要因としては、子会社の累積損失というのも当然考えられるわけですが、支配を獲得した時点で発生するのれんに相当するものもあるいは考えられるのではないかと。そうだとすれば、パーチェス法が適用されるケースではのれんの計上とそれを20年以内に均等償却していくということが容認されるわけですが、そういったものと比較してバランスを失することにはならないだろうかということであります。ただ、それでは配布先を利益剰余金に限定しない場合にどうするかとなると大変全く悩ましい話でありますが、ここでは自己株式の消却財源として「その他資本剰余金」というものが考えられるので、こういう要望になったということでございます。

第3番目でございますが、これは既に修文を予定されておるような説明をいただいております。したがって、余り詳しく言う必要もないかと思いますが、「パーチェス法適用時における増加資本の構成」のところであります。先ほど議決権のところでお話し申し上げましたように、大手銀行の場合には、すべてではありませんが、公的資金による優先株というものが入っておりまして、将来こういった優先株を有償で消却していく場合には、配当財源、株式の消却財源というのが重要不可欠なものでございますので、仮にパーチェス法を適用した場合の資本の構成については十分にご配慮いただきたいということでございます。

以上、3点でございます。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

それでは、続いて、日本公認会計士協会のコメントにつきまして、小宮山委員からご説明をお願いいたします。

○小宮山委員

小宮山でございます。この協会からの意見書につきましては協会の内部の会計制度委員会というところで担当しておりまして、私は直接関わってはいないわけですが、これは理事会での説明と意見の中についての担当の常務理事等の意見を聞いて、補足説明をさせていただきます。

お手元の資料の12ページの頭からが具体的な意見になりますけれども、先ほどの概要説明の「企業結合の定義」というところで、事業と事業が合体した場合というのがカバーされていないというコメントが一番最初のコメントでございます。これは修正の方向というふうに先ほど説明をいただいておりますので、細かい点については省略いたします。

それから、(2)といたしまして、「のれんの定義」というところで、コメントの中身としては、「取得した資産」には研究開発費が含まれるということを明記すべきであると。これは読みようの問題でございまして、最終的には協会のこの「理由」のところに書いてございますような解釈でよろしいのでしょうけれども、その「取得した資産」というものの意味で、研究開発費自体は配分をすぐに費用処理するということになりますので、「取得した資産」というのはどの時点のものかというのがわかりづらいというような意味でございます。

それから、次のページに参りまして、「議決権比率の要件」というところで、「上下概ね5%ポイントの範囲内」という許容数値基準は削除すべきであると。また、議決権比率が50対50でなくても、実質的に議決権比率が等しいと判断して持分プーリング法により会計処理した場合には、その根拠を注記させるべきであると。理由の方をお読みいただけるとおわかりになると思いますが、最大10%の乖離を許容することは望ましくないという趣旨でございまして、このコメントの最後のところで、「実質的に議決権比率が等しいと判断して」という意味は、基本的にはこの50・50という以外にないから、より厳しく基準を判断すべきだというふうな趣旨でございます。

それから、その次に、基準三の「取得の会計処理」。協会のコメントは、会計説明が前文では必ずしも読み取りづらいという部分と、それから、会計士協会の方で企業結合に関係してさまざまな研究報告を今までに3本ほど出しておりますけれども、その辺と違うところについてコメントしているというものが幾つか混ざってきております。この中では、「取得の対価に含める外部のアドバイザー等に支払った特定の報酬又は手数料」と、この辺の考え方は、通常の固定資産とかこういうものの取得に要した費用の資産計上の中身がかなり狭いということで、その理由を明確にしてほしいということでございまして、この等価交換うんぬんという判断要素が入っているわけですけれども、通常は、等価交換で言いますと当事者同士の価格ということでその付随費用が入ってこないということになるわけでして、そうするとどうして外部のアドバイザー等に支払った特定の報酬・手数料というのだけが入ってくるのか、この辺の関係がどうもわかりづらいという趣旨のコメントでございます。

それから、3ページ目に参りまして、「取得原価の配分方法」というところで、対価の算定について、結合日の合意の公表の数日前のもので対価を算定して、入ってくる資産は結合日現在になると、最終的にその差額というのがのれんになるのですが、その辺についての説明を追加いただけないかというのがこのコメントでございます。

それから、次に、「短期的に発生する費用又は損失」ということで、契約等で明らかになっている短期的に発生する費用又は損失については計上するということになっておりまして、その後差額として負ののれんが出てくるというのが基準の構成になっているわけですが、この引当金として立てる部分というのがそもそも一般的な引当金の計上要件を必ずしも満たさない場合があるのではないかということで、1つの考え方として、負ののれんにすべて含めてしまって償却方法の中身を多様に変えると、ある意味では表示の問題になってしまうのかもしれませんが、こういう処理も考えられるのではないかというコメントでございます。

それから、(4)として、「のれんの会計処理」というところで、この規定自体は現行の連結原則の考え方と同じなのですが、定額法以外の「その他の合理的な方法」、この具体的な中身というのを明確にしてはどうだろうかというコメントでございます。

それから、4ページ目に参りまして、これは先ほど来出ております「資本の引継ぎ」ということでございまして、この「引き継がれる」というのは具体的にどういうことかというのを明確にしていただきたいと。実は会計士協会の会計制度委員会の方で今から2年ほど前に研究報告第7号という「会社分割に関する研究報告」というのを出しているわけですけれども、この中では、資本の部の引継ぎについては、この分割のときの契約等で決まってくるので、余りそれ以上は触らないというふうな考え方がとられて、その辺との平仄で協会としてこのようなコメントを言っているということでございます。

それから、「結合年度連結財務諸表」ということで、基本的に、過去の期首に遡及した1年分だけではなしに、いわゆるプロフォーマ情報という過年度の情報についても出すか、もしくは主要なデータの注記をすべきではないかというコメントでございます。

それから、5番目として「共通支配下の取引等の会計処理」、「連結調整勘定の受け入れ」ということでありまして、共通支配下の企業結合が行われたときに連結上の帳簿価額をのれんに含むというのが公開草案の考え方でして、この辺が従来の我が国でとらえてきた会計慣行と異なるということで、その辺の説明が必ずしも明確ではないのではないかということと、それから、固定資産の減損会計の適用指針というのが企業会計基準委員会で検討されておりますけれども、一応その中では子会社株式なり関連会社株式というのは金融商品の会計基準で処理をするということで、直接に減損の金額を把握しないという考え方になっているわけですが、企業結合が起きてきたときだけ本来は連結財務諸表の部分に出てくる減損というのが個別財務諸表に取り込まれると、この辺の説明がどうも必ずしも平仄が合っていないのではないかというコメントでございます。

それから、「その他」といたしまして、これが本公開草案ないしは最終基準の範囲に入ってくるかどうかは必ずしも明らかではありませんけれども、株主の会計処理ですとか、企業結合の反対側の当事者の会計処理、この辺について明確にしていただきたいと。1つは取得の場合の被取得企業の会計処理、それから株主の会計処理、それから被合併会社が保有する合併会社の株式の金額の算定方法、この辺について指針をお示しいただけないかということでございます。

以上です。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

最後に、日本証券アナリスト協会のコメントにつきまして、引頭委員から追加的なご説明をお願いします。

○引頭委員

お手元の資料の30ページ目になります。

日本証券アナリスト協会では企業会計研究委員会というのがございまして、11名で構成されております。そちらの方では、6名の証券業界からの委員、5名の公認会計士の方、大学の教授の方からなっております。そちらの方で話し合いが行われましたが、結論から申し上げますと、今回の公開草案は、アナリスト協会としては、非常に高く評価しているというのが結論でございます。

背景といたしましては、1つは、国内の企業の中での、従来はプーリングだったりパーチェスだったりばらばらだったのですけれども、今回基準が明確化になったことで比較可能性が担保されたという意見が非常に多くなってきております。もう1つは、のれん関係です。これに関しましては償却をするということになりまして、超過収益力との二重計上の防止ということができる、あるいはバランスシートの健全性が保たれるということで、プラス意見が非常に多かったということでございます。

しかしながら、次のページの31ページ目でございますが、幾つか意見がございます。ここでは5つの意見がございますが、アナリスト協会として非常に強く申し上げたいのは(1)のところでございます。あとはそれほど強い意思表示ではございません。(1)の「過年度の財務諸表」。今、公認会計士協会さんの方からご説明がございましたように、やはり、アナリスト、分析の立場としては、過年度の財務諸表をぜひとも開示していただきたいと思うのですが、なかなか監査の問題等があるかと思いますので、「注記等」というふうにはここには書いてございますが、例えば、参考情報とかそういったことで、企業の任意開示ということで有価証券報告書とかそういったところで開示していただけると非常にありがたいと、これはかなり強い形の意見でございます。

それから、(2)の方の、基準三1.における「共通支配下の取引」についてというところですけれども、これははっきり言って書きぶりでございまして、三1.のところに、「ジョイント・ベンチャーと共通支配下以外」というのが(1)で、(2)が「ジョイント・ベンチャー」というふうになっていましたので、(3)の「共通支配下」というのも入れたらいいのではないかという程度でございます。

それから、(3)の「資本の部の会計処理について」ということですが、これは先ほどの公認会計士協会さんのご意見と同じで、やはり資本の部の会計処理については書いていないので、どうにかあらわしたらいいのではないかということでしたが、商法等に準じることでもございますので、ここは強い意見ではございません。

(4)の「株主の会計処理」、これも公認会計士協会さんと同じなのですけれども、こちらについては、これは証券業界としてはやはりこうした会計処理が明確になった方がよろしいかと思いますので、何か適用指針等でお示しいただければ非常にありがたいというふうに考えます。

5番目につきましては、率直に申し上げて、企業会計研究会の中のある公認会計士さんからのご意見でございましたけれども、協会としてはこれは全面的な意見ではございませんので、ここでは説明を省かせていただきます。

以上でございます。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

それでは、ただいまご説明いただきました、日本経済団体連合会、全国銀行協会、日本公認会計士協会及び日本証券アナリスト協会のコメントに関しましてご質問等がございましたら、まずご発言をいただきたいと思います。

八木委員、どうぞ。

○八木委員

ありがとうございます。先ほどの逆瀬委員の説明とも若干ダブるところがあるのでございますが、全般的な感想も踏まえてお願い申し上げたいと思います。

この企業結合会計の意見書でございますけれども、経団連コメントの冒頭にも記載しておきましたが、持分プーリング法の一定の要件のもとの存置、あるいは、のれんを償却資産にしたこと、我が国の企業結合のさまざまな局面に周到にご配慮をいただいていること、そういったことなど、我々が我が国の企業再編を進めているその実態に照らして非常に理にかなったものということで高く評価しておるところでございます。いまひとつ、13年度の企業組織の再編税制との調整でございますが、これも申告調整によってスムーズに行われることが本意見書を施行する際の前提になりますので、この辺に関しましては金融庁の皆様方にはかねがねお願いしているわけでございますけれども、このあたりへのご配慮を重ねてお願い申し上げたいと思います。また、意見書への記載ということにはかかわりませんけれども、実質面での対応がいろいろこれから出てまいりますので、ぜひご協力、ご検討をいただきたいと、こういうことでございます。

2番目に、経団連から先ほど3点ばかりコメントをお願いしたのでございますけれども、実務面を中心とする要望でございまして、ぜひ内容をお汲み取りいただきたいと思います。意見書あるいは適用指針のいずれかでご対応いただければありがたいというふうに存じております。

それから、要望の中で、最近の国際的な動きということで先ほども説明がございましたけれども、買収の取得原価のR&Dへの配分についてということで、既に午前中のワーキンググループでもご検討いただいたというふうに先ほど伺いました。そういうことで、この点はいろいろと海外で買収企業側でその資産計上をする方向での検討があるというようなことを仄聞しておりますので、先ほどの説明にもありましたけれども、M&A等が結構頻繁に行われるようになりましたので、イコールフッティングの見地からお願いしているものでございますので、これもよろしくご検討をお願い申し上げたいと思います。

最後でございますが、私はこの場でもう既に一、二回お願い申し上げたのでございますけれども、意見書自体はエッセンスがまとめられているというふうに存じます。今後ASBJで適用指針等に展開されるわけでございますが、これは非常に膨大なものでございますけれども、実務的な側面を十分にご勘案いただいて、例えば、合併とか会社分割とか、株式交換、株式移転、ジョイント・ベンチャー、そういった企業結合のいろいろな形態別に、また、個別と連結の別に、そして、税務上と会計上の処理といったようなことで具体的に明示いただきまして、さらにでき得ればこの説例なども設けていただいて、明確で使いやすいものになるようにご配慮をお願い申し上げたいということでございます。

長くなりましたが、以上でございます。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

そのほかには。

特になければ、今までのご説明、ご発言を全部踏まえまして、コメントや公開草案の内容につきましてご意見を承りたいと思います。特に順番は設けませんので、ご自由にご発言ください。

長友委員、どうぞ。

○長友委員

すみません、証券取引所の立場から一言お願いを申し上げたいと思います。

2年余にわたる作業、また、こういった企業結合に関する会計基準の公開草案がついに出たということに対しまして、これまでのご苦労とご努力に対しまして心から敬意を表したいというふうに思います。

私どもが運営しておりますマーケットの中でも、上場会社もしくは非上場でも、企業結合、合併、M&Aというのが相当多発をしていることだけは事実でございまして、それに関して私どもとして一番重要だというふうに考えておりますのは、的確なそれに関する情報というのがディスクローズされること、つまり、情報の開示ということが一番重要であるというふうに我々自身考えております。特に、先ほどもご意見、ご説明を受けておりましたときに、公認会計士協会さん及びアナリスト協会さんからなのですけれども、過年度の財務諸表、いわゆるプロフォーマ情報の開示というのは非常に重要であるというふうにおっしゃられておりました。投資家の方々にとってみて一番重要なのはまさしくそこであろうと。今回の公開草案の中でも「この情報について任意に開示することを妨げるものではない」という記載が入ったという意味では、私も大きな一歩であるというふうに認識いたしております。

もちろん、現在でも、例えばですけれども、アメリカの基準その他を参考に、自発的にこういった企業結合に関して遡及データといいますかプロフォーマ情報を開示していらっしゃる企業さんも多く見かけるようになってまいりました。今後、任意開示とは言っても、それでは点々ばらばらでやればいいのかというとそうではないということを強く認識いたしておりますので、将来を見据えた形で、ぜひこのプロフォーマ情報についても、ASBJさん等を中心に、何かガイドラインであるとか、いわゆる他の企業結合の場合とのデータと比較可能な感じでお出しいただきたい、もしくはそういったガイドライン等の作成にお力を発揮していただければというふうに私からも強くお願い申し上げたいと思います。

以上です。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

ほかにご発言はないでしょうか。まだ時間は十分にございます。

伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員

せっかくのあれでございますので、時間もあるということだから。

先ほどの経団連の要望等の中の税との調整の問題というのは大変重要でございまして、企業にとってみれば完全に二重計算をすると、それはもちろん必要なことはやらなければいけないので。ですから、できるだけ混乱を避けるとか、それらの調整等について、ご当局のご意見をいただきたいと、こういうことであります。

以上です。

○平松企業会計調整官

まだ先のことになると思うのであれなのですけれども、基本的に、そういう調整ということについての重要性というのは認識しているつもりです。ですから、今年も減損会計の問題でかなり金融庁はやっているところなのですが、この結合会計についてもなるべくそういう余計な負担とかというようなことがないようなものにしていきたいとは思います。

○斎藤部会長

どうもありがとうございました。

ほかにご発言はありませんか。

西川委員、どうぞ。

○西川委員

言葉の問題なのですけれども、「個別の識別可能資産・負債に取得原価を配分する」というその「配分」という言葉なのですけれども、この「配分する」というのは大きなある金額を小さなものに配分していくということだとすると、この場合はそうではないような感じが受け取られるのですけれども。というのは、大きな取得原価を識別可能資産に全部配分してしまいますと残りがなくてのれんがなくなってしまうと、ではのれんがわかっていて残りを配分するかというと、のれんというのは識別可能資産がわかって初めて出てくる差額だということがありますので、1つは、「配分」という言葉を、そういう大きなものを小さく分けているという意味ではないという使い方をされているということであればそういうことなのかもしれませんけれども、1つの対案は、例えば「割当てる」とか、そういうのがあるかなというふうに思いました。

○斎藤部会長

わかりました。それは、特にこの場で別段のご意見がない限りは引き取らせていただいて、ワーキンググループで検討させていただきます。

山田委員、どうぞ。

○山田委員

資料3の28ページの先ほどご説明いただきました研究開発費及びソフトウェアに関するところなのですが。結局、今回直された文章でいきますと、取得対価の一部を研究開発費等に配分しない場合には結果としてのれんに含まれるということと理解するのですけれども、そうしますと、のれんになると、のれんはその効果の及ぶ期間で20年以内で償却するということになりますと、ほかの研究開発費を基とするのれんとそれ以外ののれんとの間に多分差はつけられないようにも思うのですが、ひょっとすると私の考えが間違っているかもしれませんが、そのあたりで、資産に残るものと費用に行くものというのはどういう考え方になっているのかもう少しご説明いただければと思います。

○斎藤部会長

ワーキンググループでどなたにお答えいただきましょうか。松岡さんですかね。

○松岡委員

それでは、ワーキンググループ内で、結論ではございませんが、おおむねこんな考え方ではないかという共通項的なお話をさせていただきたいと思います。

基本的には、今の山田委員のお話にありましたように、研究開発費に対応する金額は研究開発費として費用処理されるものと、今おっしゃられたように、のれんに結果的に行くものと、あるいは無形資産的に行くものの3つの可能性があるのではないかというような意見が出ております。

それで、基本的には、買収をされる企業の側から見ますと、当然価値を認めて金額を算定してお支払いになっているというのが経済的実態と考えられますので、当然何らかの価値があるということが基本的に大前提であろうというように考えております。そして、日本の研究開発費の基準に従った場合、ある一定時点の要件を満たしたもの以降の費用については資産計上になると思いますが、仮にそういったような内容物に対して支払ったという実態であれば、そういったものは基本的にのれんとは別に識別できるのではないかと。そういったものについては、今の文章で申し上げますと、価値があるわけですから、同様の需要がある他企業にも売買し得るのではないかというような考え方ができるというように考えますので、そういったものは企業と分離して譲渡可能な無形資産に類するような性格を有するものもあるだろうということで、そういったものは恐らくそういったような処理も当然理論的にあり得るのではないかと。

一方、日本の研究開発費基準に従った場合に、期間費用が強制されるような費用見合いとして支払ったものがあるのであれば、それは企業結合以外の場合と同様の会計処理で整合性を保つということで、期間費用処理になるというようなことも考えられるということでございます。

したがいまして、逆に申し上げますと、今申し上げた2つの内容に該当しないものは何らかの価値はあるのですが識別できないということで、結果としてのれんに計上されることになるのではないかというような考え方で大ざっぱに申し上げますと分けております。

以上でございます。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

ほかのワーキンググループのメンバーの方で補足的にご発言はございますか。

逆瀬委員、どうぞ。

○逆瀬委員

松岡さんの話はおおむねそういうことだと思うのですけれども、もう一歩踏み込んで、M&Aの局面で、買収側と被買収側の合意でもってR&Dとしてどういうものを取引すると、そういうふうに非常に明示的にその合意の中にあらわれている場合は格別対価の対象にして取引をするということであるので、それは、今、松岡さんが言われたお話の中に「譲渡可能」というのがありましたけれども、さらに譲渡可能かどうかということについては問う必要はないのではないかと、当該M&Aにおいて取引されたという事象で十分なのではないかと、さらに第三者に転売されなければだめだという可能性も含めて要件に入れるとなるとなかなか難しいのではないかということで、そこのところについてはもうひとつ検討を重ねていただきたいという意見を持っております。

○斎藤部会長

ほかに。

安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

全然別の観点というか質問になるかと思うのですけれども。

先ほどから税との調整というのが言われているのですけれども、これは商法との調整ということは起こるのかどうか、ちょっとその辺を。

○平松企業会計調整官

商法とのことにつきましては、資料3でいきますと23ページの漢数字四の「実施時期等」の2のところでのれんの償却期間の問題等につきまして言及をしておりまして、「本基準の実施によって商法との関係に支障が生じないように措置する」と。これは法務省との調整とか、あるいは会計基準の問題というのもあるかもしれませんが、ということを予定しております。

○斎藤部会長

どうぞ。

○安藤委員

この点はわかるのですけれども、こんな具体的なものが商法規則に入るとはとても考えられないのですけれども、例えば商法側でただここだけ調整すれば足りるのか、はっきり言えば中小会社はどうするんだということなのですけれども。その問題はいろいろな面で今起きていますよね、減損会計ので。それについて当審議会のスタンスはどういうことなのか、そこまでは関知しないということで、つまり公開会社というかレベルを考えているというふうに、そういう考えでいいんですかね。

○平松企業会計調整官

基本的にそういうふうに考えておりまして、会計基準ですから、最近よく言われているのですけれども、特に最近は会計基準はかなり高度なものになってきておりまして。こちらで会計基準をつくるわけなのですが、この会計基準をどのように実際に適用するかというのは基本的には法律の問題になってくるのではないかと思うんですね。ご存じのように、証取法ではこれをそのまま適用するということになりますし、商法におきましては、斟酌することにはなるのですけれども、これが絶対ではないということになると思うんですね。ですから、そういったようなふうに考えていただければいいのではないかと思います。

○斎藤部会長

ほかにご発言はどうでしょうか。

引頭委員。

○引頭委員

検討違いの発言だったら恐縮なのですけれども。資料3の4ページ目のところで、今回、全銀協さんの方で議決権付普通株式以外ということで優先株の話が出されたと思うのですけれども、これは別にそのとおりだと思うのですが、商法の改正によって種類株が自由にいろいろ出せるようになりましたよね。その中で、ちょっと仮定なのですけれども、多分、多議決権株、例えば1株でほかの普通株に比べて10倍とか5倍とか2倍とか、そうした株式も一応発行できることになっているんです。それは100倍でも、要するに、株主総会の特別決議で決まれば、みんながいいと言えばいいことなので、それはもう自由にできるのですけれども。その自由にできる中で、公開企業だと余りないと思うのですけれども、ただ、未公開のときにはいろいろなことがあるかもしれないなとちょっと思っていまして、従来は議決権付普通株式でしたからこれは全然関係ないと思っておったのですが、今回、議決権のある株式ということになりますと、そうした多議決権株というものの取扱いがもしかしたらちょっと問題になるかもしれないので、だからどうしたらいいというソリューションは全然ないのですけれども、一応そういうものもありますということでございます。

○斎藤部会長

わかりました。ありがとうございました。

ほかにご発言はないでしょうか。

西川委員。

○西川委員

さっきの研究開発費の記述というのは、あれは合意されたものなのかどうかなのですけれども、まだ見たところ経団連の要望には答えていないようにも思えるのですけれども、現段階では合意されているということなのでしょうか。

○平松企業会計調整官

そうですね。最終的な合意ではもちろんないわけなのですが、それなりに合意されているということです。

○山田委員

その件に関して、先ほど逆瀬委員の方から、契約で明示されていればそれでもって資産として計上できるという方向だというご発言があったのですけれども、逆に言うと、その金額の妥当性とか、少なくとも無形資産的に分離できるためには法的権利ないしは何かの分離ができるような権利であることと同時に、その公正価値がある程度信頼をもって測定できる必要があると思うのですが、その辺のところが単に当事者の契約だけで、というのは、その辺は今後詰められるのかもしれませんが、ちょっとその辺がいまひとつよく理解できませんでした。

○斎藤部会長

逆瀬委員。

○逆瀬委員

一言だけ。基本的に、独立、第三者間の取引として明示的に合意された対価というのは契約にはっきりうたわれると、そこで取引が行われるわけですから、これ以外に何か別格の評価方法があるいはあるのだろうかという気はしますが、少なくとも買収契約の中に明示されるというのは前提条件だと思っておりますけれども。それ以外の方法が何かあるのかどうか。

○斎藤部会長

ちょっと間に入りにくいのですけれども、買収の対価の総額は与えられているわけですね。ですから、この部分が研究開発の部分に割当もしくは配分されることがなければ、黙っていればのれんに行ってしまうか、そうでなければ無形資産かという話ですよね。のれんに行くか無形資産に行くかという話は、現時点では特に詰めていないわけでして、のれんすらも疑問だというご意見であれば当然検討になりますけれども、そこはいいわけですよね、対価の総額が決まっているわけですから。そうすると問題は、さっき山田委員がおっしゃった、のれんにそれを含めてしまったときに、他の性格のものと償却等について分けることができるのかという点に帰着するわけですね。その点については特にワーキンググループの方でお答えになる方はいらっしゃいますでしょうか。

これは、しかし、のれんについては何年以内にという上限の償却年数があるだけですから、それ以上は差し当たって工夫の余地があると考えていいわけですよね、今工夫しているかどうかは別にして。というくらいでワーキンググループの方に一遍持ち帰っていいですか。

ほかにご発言はございますか。

どうぞ。

○辻山委員

コメントの中で、もう機会がないと思いますので1カ所だけ、持分の継続ということと、この資料3の4ページにつながるところのコメントがありましたので、念のためということなのですけれども。

今回のこのペーパーで持分の結合というのが残った、そのベースになっている持分の継続というところで、コメントの中に、投資家の入れ替えということと持分の継続という何か非常に混乱したコメントがありましたので、ここのペーパーで言っている持分の継続というのは、持分を集合でとらえた概念であるということを一応。それと、それは観察可能な事実ではないということで、それを今度はこの4ページのところで、次に、対価の種類と支配という操作可能な2つの観点からそこに移したという、その2つのことについてかなり混乱したコメントが見受けられたので、念のためご報告させていただきました。

○斎藤部会長

大変ありがとうございました。

ご発言ありますか、万代委員。

○万代委員

やっと終わったかなと思っていたのですけれども、後ろから球が飛んできました。

この公開草案の考え方というのは、取得と持分の結合を一応支配という観点で見ていこうと、その支配は議決権比率等の基準で判断しますよと、これが多分この公開草案の骨子だと思うんです。そこでは投資の清算とか再投資ということは全く持ち出していないはずなんですね。むしろ投資の清算、再投資というのは今までは会計処理としてパーチェスとプーリングと2つあるのだけれども、何でそういう違いがあるのかと、その背景としての考え方、特にパーチェスの場合は資産・負債の差額というのはすべて資本と原則としてなるわけで、それを説明するためには清算、再投資が多分必要であろうと、こういうことを前文では述べているだけでありまして、決して個別の企業結合を見て投資の清算、再投資が擬制できるから、それならばそういう企業結合が取得である、こういう論法は全くとっておりませんので、若干コメントは公開草案での考え方を何か逆に見ている部分もあるのかなというふうに感じております。

以上です。

○斎藤部会長

ありがとうございました。

特にこの点でご意見が出なければ黙っているつもりでおりましたけれども、確かにいただいたコメントの中にやや誤解をされたようなコメントがございまして、今の辻山委員のご指摘の部分もそうですが、継続企業における株主の交代の問題と企業買収における持分の清算と混同したようなコメントがございました。これは、簡単に言えば、株主が1人のまま変わらないケースで企業結合を考えてみれば理屈の上では整理できる問題ではないかと思います。

それからもう1点で、ついでですが、取得と持分の結合では主体が異なるから相互に排他的ではないというご指摘もございましたけれども、そうではないのであって、持分の結合と持分の清算とに二分した上で、この後者の持分の清算によって取得を定義しているわけですので、主体は違っても定義は完全に排他的だと思っております。そういう点でちょっとコメントに一部誤解があるのかなという印象を私も持ちました。

ほかにご発言ないでしょうか。

安藤委員、どうぞ。

○安藤委員

全然内容にかかわることではないのですけれども、これだけの意見が提出されたと。それで、この扱いなのですけれども、もちろん我々はこれを持っているんですけれども、これはホームページか何かで開示されているんですか。

○平松企業会計調整官

これはホームページには載らないのですけれども、会議の資料ということで、基本的には欲しい人には差し上げるという、そういうスタンスになっています。ですから、委員限と書いたものにつきましてはまさに委員限なのですが、それがついていない資料につきましては取りに来ていただければお渡しする扱いになっています。

○安藤委員

特に私はこうすべきだという意見を持っているのではないのですけれども、例えば、法制審議会あたりの商法の改正の草案なんかは意見を出すと、あれは別冊か何かで全部出すんですよね。そういうことをやっている審議会もありますから。あと、学会のためにはこれは出した方がいいんだよね。こちらは当事者はご迷惑かもしれないけれども。私の1つの見方です。

○斎藤部会長

お出しくださる方がそれを想定してお出しくださっているかどうかもちょっとわからないので、ちょっとそこは。

ほかにご発言はないでしょうか。

それでは、まだ多少時間は残っておりますけれども、本日の部会はこれで終了させていただきたいと思います。

次回は、本日のご意見、ご指摘を踏まえまして、ワーキンググループの会合で検討の上、意見書案をお示ししたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

なお、次回の当部会の日程でございますが、10月21日(火)の午後2時からを予定しておりますので、これもよろしくお願いいたします。正式に改めて事務局からご連絡をさせていただきます。

本日は、皆様方には大変お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。これで散会させていただきます。

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