平成13年4月11日
金融庁

企業会計審議会第15回第二部会議事録について

企業会計審議会第15回第二部会(平成13年3月16日(金)開催)の議事録は、別紙のとおり。

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企業会計審議会事務局


企業会計審議会第15回第二部会議事録

日時:平成13年3月16日(金)午後1時30分~午後3時35分

場所:中央合同庁舎第4号館10階共用第一特別会議室

○脇田部会長

定刻になりましたので、これより第15回第二部会を開催させていただきます。

早速議事に入りたいと思います。

本日は、監査基準の改訂案の草案につきまして御検討いただくことといたしたいと考えております。

前回の部会以後、山浦委員と友永委員にも御協力をいただきまして、基準の文章化を進めてまいりました。実際に、文章にいたしますと、専門的用語を初めとして、いろいろと考慮すべき事項がございまして、現時点では、まだ「報告基準」に至っておりません。そこで、お手元に配付いたしましたものは、「一般基準」と「実施基準」の草案をお配りしております。

なお、私ども起草メンバーといたしましても、なお検討の必要がある箇所が幾つも残されておりますので、本日、資料としてお配りいたしましたものは、あくまでも委員限とさせていただき、種々御意見をいただきたいと思っております。

それでは、事務局から、草案のポイントを御説明いただきまして、検討に入りたいと思います。かなり分量がございますので、まず、「一般基準」のところまでで1回区切らせていただきまして、それからさらに、「実施基準」の説明をいただきまして、今後、検討をするというように進めてまいりたいと思っております。

それでは、事務局から御説明をお願いいたします。

○多賀谷課長補佐

それでは、お手元の資料に従いまして御説明をさせていただきます。

最初に、資料の見方でございますが、項目の欄に、「第一」とか付してございます。これが一応基準としての項目というふうに考えております。括弧にしてあります事項は、これまでの資料の要目を記しておりまして、必ずしも基準上の見出しということではありません。それから、備考欄は、趣旨あるいは用語の説明を若干付してございます。

それでは、まず「目的」と「一般基準」までを御説明いたします。

「目的」は、前回の部会で、山浦委員から御提案をいただき、内藤委員からも御意見があったところでございます。見ていただきますと、2つのパラグラフがございますが、第1パラグラフでは、前回御意見がありましたように、「すべての重要な点において」という表現を加えております。

また、第2パラグラフは、若干回りくどい表現でございますけれども、備考にございますように、適正意見を表明することの意味を明確にするという趣旨で書いてあります。財務諸表の作成責任は、基本的に経営者にあるわけでございますので、監査人がこれを直接保証する。すなわち虚偽記載があった場合に、すべて結果責任になるということではなく、適切な監査手続を通じて入手された十分かつ適切な監査証拠に基づき、合理的な基礎が形成された結果、合理的な保証を与えるということができるという専門家としての心証を得たことに責任を有するという意味でございます。

逆に言いますれば、余りないことかと思いますが、結果として虚偽記載がなくとも、理屈としては、監査手続に瑕疵があれば、監査人としては責任があるということになろうかと思います。

そこで、文章としては、「適正である旨の監査人の意見は、財務諸表には、全体として重要な虚偽の表示がないということについての合理的な保証を与えることができるとの監査人の判断を表明したものである」というような、少し長いんですが、このような表現になっております。

ここで、「全体として」という表現は、個々の財務諸表項目に仮に虚偽が含まれていたといたしましても、財務諸表が全体として誤った情報提供というには至らない場合には、これは適正意見の範疇であるということ、したがいまして、これは適正意見という範疇の中で、何らかの限定がある場合というものが含まれるという根拠にもなろうかと思います。

また、反対に、個々の項目では、重要とまで言えない場合でも、幾つもの項目に虚偽の表示があり、総合的に見ると誤った情報提供となるという場合には、適正意見とはならないという意味にもなろうかと思います。

なお、「虚偽の表示」という用語は、"misstatement"の意味で使っております。故意にした不正な誤りだけでなく、いわゆる誤謬による誤りも含まれることを前文で明らかにしてはどうかと思います。

「合理的な保証を与える」という表現は、前回の部会でも御意見がございましたが、絶対的な保証ではないということを表わすとともに、財務諸表監査は単なるチェックの請負というものではなく、保証業務の1つであり、公認会計士の独占業務としての位置づけという意味もあるとのことでございます。ここでは、特に強調する意味から、適正意見のことを記述しておりますが、もちろん、監査意見が不適正意見であっても、それも合理的な保証、不適正であるという保証を与えるということは同様でございます。この辺のところは、前文で説明を加えてはどうかと考えております。ここが、「目的」の趣旨でございます。

次に、「一般基準」でございます。これは、監査基準を通して、全体にかかわる基本的な一般事項ということでございます。一応項目ごとに番号を振ってありますが、項目は、先ほど申し上げたとおり、括弧の事柄を見出しとするということではございません。

1は、監査人の能力について。これは、これまで御議論したようなままでございます。

それから、2は、監査人の独立性についてでございます。ここでは、精神的独立性を基本とするということが御議論になっておりますので、そうしてございますが、それに加えまして、外形的な問題という観点から、外形的に疑いを招くようなことがないようにするという趣旨を加えております。

ただし、これまでの御議論でもございましたように、具体的な外形的要件は法律等によって規定されるものということでございます。

3は、監査人の注意義務についてでございます。ここで、「懐疑心」という言葉を使っております。この点については、「正当な注意」との関係について、これまでも御意見がございました。この文章の起草におきましても、種々御議論がございましたが、この案の趣旨としては、「正当な注意」というものが全体をカバーするものであるという認識は基本として持っております。

しかしながら、いわば監査人が監査を行うに当たっての「正当な注意」というものを展開したものが、それ自体がこの監査基準全体であるということも言えるわけでございますので、そういう意味から、国際的な基準の動向をも踏まえて、あえて「懐疑心」というものを強調したいという趣旨で、ここに記述してあります。そういう意味では、「懐疑心」は「正当な注意」に含まれるという表現もあり得るわけですが、他の事項もすべて含まれることになるので、文章としては一応並列的な形になっております。

4は、不正・違法行為についてでございます。ここでは、国際的な動向をも踏まえて、備考にありますように、不正の意味を明確にしております。不正な報告というのは、これは、一言で言えば粉飾ということになろうかと思います。すなわち、財務諸表の利用者を欺く目的というんでしょうか、それと、資産の流用を隠蔽する、こういった2つの不正から重要な虚偽の表示が行われることを監査人は認識しなさいというふうにしております。

また、違法行為については、もちろん、その違法行為自体が不正に当たるということになれば、この不正の範疇で取り扱うということでございますが、違法行為というのは非常に多義的なものでございますので、不正ではないものもたくさんございます。この不正でないものは、必ずしも財務諸表の虚偽の表示につながるものには限られないわけでございますので、一応不正とは区別して、パラグラフを分けて記載をしてございます。この違法行為については、それが財務諸表に重要な影響を及ぼす場合があるということに留意をしなさいというふうになってございます。

5は、文書化についてでございます。これまでの御議論を踏まえ、実施した監査の内容のみならず、その判断の過程及び結果を記録することは重要であるというふうになっておりましたので、そのような文章になっております。この記録を監査調書として保存するというふうにしております。

なお、非常に細かいことでございますが、今では、監査法人では、いわゆる磁気媒体で監査調書を保存するというのが普通とも伺っておりますので、文書化としますと、紙にするというようなイメージが非常に強いので、ここでは、一応「記録」という用語を使っております。

それから、2ページ目でございます。6が、品質管理でございます。ここでは、前回も、どこまでを「一般基準」に入れておくかという点について、まだ議論があるということでございました。草案の作成段階でも、何回も御検討をいただきました。そこで、最終的には、組織的な監査と組織的な管理という意味を込めて、第1パラグラフでは、監査チームというようなイメージで、指揮命令系統や職務の分担を明らかにし、補助者への指示、指導、監督を行うという監査チームの責任者としての監査人の義務と申しましょうか、それを記してございます。

それから、第2パラグラフでは、むしろ監査業務を行う主体としての監査人全体、監査法人ですとか、個人ですとかということではなくて、いわばファーム、監査事務所として、すべての監査が適切に実施されるために必要な管理の方針と手続を定め、これに従って監査が実施されているかを確かめるということを記述しております。個々の監査を適正に行う体制というものと、その行う主体者としての管理体制、両方を監査の質の管理として掲げてございます。

したがいまして、ここでは、監査人という言葉が、ある意味では、第2パラグラフでは、監査事務所なりファームというような感じで意味するわけでございますが、敢えてここだけその言葉を変えるということはせずに、その意味を含めまして、「自らの組織としても」という一文を入れて、これで組織全体というような感じを出しております。

7は、守秘義務でございまして、現在の基準と同じでございます。若干言葉につきまして、もう少し適当な用語がないのかというのがずっと御議論がありましたが、今のところは、現行基準のままにしてございます。

非常に簡単でございますが、これで「一般基準」までの御説明を一応区切らせていただきます。

○脇田部会長

ありがとうございました。

それでは、ただいまの「一般基準」について御紹介いたしましたので、この点につきまして、どなたからでも御発言いただきたいと思います。

○内藤委員

それでは、ちょっとお伺いいたします。

今、「目的」と「一般基準」のところを説明していただいたんですけれども、これは、草案なんですが、しかし、草案が最終的な基準のもとになって、大幅に変えることはできないと思いますので、そういったことも含めて、概念的なところ、それから、若干意味の不明なところ、それから、論点整理で重要な点とされていた点についてどうなっているか、この3つをまず伺いたいと思うんです。

まず1つ目なんですけれども、第1の「目的」のところで、3行目に、「企業の財政状態及び経営成績等を適正に表示している」、この「等」はどういうことを意味しているのかということがまず1つ目です。

それから、第2「一般基準」の不正・違法行為のところですが、これは、文章をそのまま読むと、「財務諸表の利用者に対して不正な報告をするためあるいは資産の流用を隠蔽するため、財務諸表に重要な虚偽の表示が行われることを認識しなければならない」となりますと、財務諸表はそういうために、いつもそうなってしまうというふうになるんではないかと思いますので、ここは「重要な虚偽の表示が行われる可能性を認識しなければならない」必ずしもそうではない場合もあるわけですから、そういう趣旨を出した方がいいんじゃないでしょうか。これが、語句等の問題として申し上げたいことです。

それから2つ目に、備考欄に、さまざまな用語、そして、あと以下、「実施基準」の方でもあるんですけれども、あらゆるところに、前文で対応してはどうか、あるいは定義で対応してはどうかということがいろいろ出てくるんですけれども、そうしましたら、この監査基準の本体よりも前文での説明事項が非常に膨大になるんじゃないかというふうに思うんです。

前文では、改正の趣旨と、それから、基準の体系、あるいは基本的な指向を説明すべきではないかと思いますので、さまざまな語句等については、定義という項を設けて、そこで説明される方がいいんではないでしょうか。そういった整理については、どういうふうになるのでしょうかということです。

それから3つ目なんですけれども、以前、論点整理のときに、監査人の実質的な判断について、これをどう考えるかということを明らかにするということがあったと思うんです。それは、この「目的」で述べるのか、あるいは「一般基準」というものが、監査行為を行うに当たっての行為の原則あるいは判断の原則を示すという立場からは、不正・違法行為、この部分と並列的に、GAAPに準拠するというのは当然なんですけれども、GAAPに準拠しているかどうかの判断を行うという意味が、企業の実態を正しくそれで表わすことになるかどうかという実質的な判断にも踏み込まなければならないという規定をこの「一般基準」の中に設けるべきではないかというふうに考えますが、それはいかがでしょうか。

以上、いろいろ申し上げましたが、お願いいたします。

○脇田部会長

それでは、今3点ほど御質問ありましたけれども、用語は課長補佐、お願いいたします。

○多賀谷課長補佐

用語につきましては、起草委員のメンバーの方とお話ししたところでは、キャッシュ・フロー計算書とか、そういう財務諸表の種類によって使い分けるのかどうかという点でございます。例えばキャッシュ・フロー計算書は、商法の計算書にはない。では、ここでキャッシュ・フローの状況という言葉を財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況というふうにするかどうか。

あるいは附属明細書ですと、例えば財政状態というよりも、財政の変動を表わすような附属明細書もございますので、そうすると、財政状態の変動をとか、入れだすと切りがないんじゃないかということで、監査基準が特に証券取引法の財務諸表を特定した監査という意味でないので、そういう意味では、そこの「等」では、監査対象となった財務諸表の意味するところが含まれるということで、基本的には、財政状態と経営成績というところに、大部分は財務諸表の目的が集約されるのではないか。そのほかに、開示される財務諸表、あるいは監査対象となる財務諸表に違いが生じるということも考慮しまして、「等」ということでそこをカバーしてはどうかということだったかと思います。

それから、不正・違法行為のところの「こと」という表現ですが、これは、可能性というようなことの方がいいということであれば、これはまた御検討いただければいいのではないかというふうに考えております。

それから、前文と定義の問題ですが、これは、まだ起草メンバーの方でも、はっきりとはしておりません。いかんせん前文が長過ぎるなり、あるいは前文で説明するとした場合に、定義的なものが多ければ、定義というのをむしろ設けてやった方がいいのではないか。会計基準でも、最近の会計基準では、例えば退職給付の会計基準ですとか、試験研究費の会計基準では、冒頭に定義というのを置いて、すべてとはいきませんが、基本的な概念の定義をしたりもしておりますので、その辺は、今後どこまで定義的なものを明らかにしていく必要があるかという御意見あるいは御議論を踏まえて、さらに御検討をいただければというふうに考えております。

○脇田部会長

ありがとうございました。今、1と2のところまでお答えしましたけれども、3番目の監査人の自主的判断のところは、山浦委員からお願いいたします。

○山浦委員

内藤委員からの御指摘で、今多賀谷課長補佐からの御説明と若干ダブらせながらお話し申し上げたいんですけれども、1つは、一番最初に御指摘があった「財政状態及び経営成績等」、確かにおっしゃるとおりで、現在の監査基準では、キャッシュ・フローの状況という言葉が入っておりまして、これで、現在我々が考えております監査というのは、証券取引法の監査だけではなくて、商法の監査、あるいはそのほかのいろいろな監査に対するニーズが非常にふえておりまして、それらの監査をすべてカバーできるような形での基準ということを考えておりまして、その意味では、この「目的」のところにキャッシュ・フローまで入れますと、かなり目的が特定されてしまった印象を受ける、こういうことで、当面これについては、キャッシュ・フローに関する用語を入れることを避けているというのが現在の状況です。

それから、2番目の可能性を入れるということについては、もう1回これについては、こういった案も出ておりますので、検討はいたします。

それから、3番目の御指摘であります前文の問題ですけれども、これについては、実は、今の国際監査基準もそうなんですけれども、かなり膨大な用語の定義集があります。そして、その定義集が一緒にドッキングされた形で監査基準ができ上がっているというのが現実でありまして、定義集に相当するものを前文に入れると、御指摘のように、かなり前文がふえる可能性があります。この定義集についてどうするか、実はまだそれを議論しておりませんで、これについては、また最終的なまとめの段階で検討するということになります。現時点ではそういう扱いをしております。

それから、4番目の御指摘で、実質判断の問題ですけれども、確かに論点整理で指摘しております。ただ、今回この会議で改訂草案を紹介させていただきますけれども、ここでは、まだ「実施基準」までしかいっていなくて、この御指摘の点については、報告基準のところで、1つの大きな基準化のテーマだと思っております。そこで扱われた内容によっては、もしかしたら、御指摘の形で「一般基準」のところに入るか、あるいは、また「実施基準」のところでも即影響してくることもあると思われるんです。

したがいまして、現時点で、この実質判断という問題を忘れているわけではなくて、報告基準の論議を重ねた上で、この問題をもう1回見直すという、そういった位置づけになっております。したがって、その点、本日の改訂草案には紹介されておりませんけれども、決してこのことを我々は失念しているわけではありません。

以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。今の最後の点でございますけれども、従来、報告基準あるいは報告準則というものが、監査報告書の様式とか記載の仕方について規定している面が強かったと思いますが、現在検討しておりますのは、報告基準というのも、監査意見を形成していく判断、そういったものの基準として位置づけてはどうかということを考えておりますので、今山浦委員から御説明のあったように、このことをそこで議論するという方向を今考えております。

○内藤委員

どうもありがとうございました。いろいろよくわかったんですけれども、ただ、最初の「財政状態及び経営成績等」の「等」の意味をお伺いしたわけです。キャッシュ・フローの状況というのが、国内を見回せば、今言われた趣旨のことで理解は可能かと思うんですけれども、国際会計基準、それから、アメリカ、ヨーロッパの国々のどの基準を見ても、3つの用語が入っておりますよね。

そうすると、ここで財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況としたときに、では、国内的に本当に困るかというと、財務諸表の内容によって、除かれるものは当然判断できるわけですので、そういうグローバル化といいますか、国際的に見て、それに十分対応できる監査基準だという観点からは、キャッシュ・フローの状況は外せないんじゃないかというふうに思うんです。

それはまた、報告基準のところでもかかわってきますし、それが省令レベルで、そういう監査報告書の文例としてやりなさいということでは、少し弱いんじゃないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。

○山浦委員

これについては、本当に随分と議論して、悩み多いところでありまして、内藤委員の方から御指摘のところは、十分に議論した上であります。ただ、やがてこれが改訂されまして、恐らく英文として全世界に新しい監査のスタンダードとして紹介されることになると思うんですけれども、そのときに、御指摘のように困ることがありそうな気も我々はしております。ですから、これは、これから以後も、恐らく「報告基準」のところで、御指摘のようにかかわってくる問題かと思いますので、そのときに、これは外せないとなりましたら、また、これは入れざるを得ないかもわかりません。そのあたりは、少し流動的に考えております。

○脇田部会長

今御説明したとおりでございますし、内藤委員の御指摘も大変重要なことでありますので、これからまた、検討させていただきます。

○加藤委員

2つあるんですが、1つは、今の「目的」のところの「等」というところですね。私も、内藤委員と全く同じで、少なくともキャッシュ・フローの状況はここへ入れておくべきだという気が非常に強くするんです。というのは、前回の監査基準の改訂以降、キャッシュ・フロー・ステイトメントが基本財務諸表の1つになってきた。これは商法上違うのかもしれませんが、そういう変化がここに何もあらわれていないというのが、今度の監査基準の見直しに何かちょっと時代の変化が反映されていないという気がするのと、キャッシュ・フローの状況が対象にならない監査もあるということなんですが、それは、ここに書いてあるから必ずしもということではないようなが気がしますので、該当するものは入れるということで、基本財務諸表の1つであるキャッシュ・フローをここに入れるという必要性は私は非常に大きな気がしますので、私も内藤委員と同じ意見だということを申し述べたいというのが1つ。

それから、「一般基準」の中に何を入れるのかというのがちょっとはっきりしないんですが、現在の監査基準に比べて、ここに「一般基準」に入っているのがかなりふえているんですが、何をここに入れるべきなのかというのがちょっと疑問に思うんです。先ほどの実質的な判断ということも、先ほどの回答では、実質的な判断が「報告基準」のところに入るかもしれないし、「一般基準」に入るかもしれないということは、基準全体に及ぶようなことであれば、ここに入れるべきじゃないかという気がするのと、逆に、「文書化」ということが、「一般基準」としてふさわしいのかどうか。これは、「実施基準」の方に入るべきものじゃないか。

何か「一般基準」というのは、基準全体を通しての非常に崇高な考え方とかセオリーとかというような気もするんですが、現実的というか、具体的なものもここに入っていますので、ですから、1つの案は、この「一般基準」については、これからほかの基準も審議していく中で、もう1度見直すという条件つきで、とりあえずここはここで置いておくというようなことにしたらどうかという意見を持っているんです。

○脇田部会長

ありがとうございました。ただいまの第1の点につきましては、内藤委員の御指摘と同様でございまして、これからの検討課題とさせていただきたいと思います。御指摘は大変重要なことでありますので、起草メンバーの方でも、そういったことを失念しているわけではございませんので、これを考えたいと思います。

もう1つの実質判断につきましては、今加藤委員の御指摘のように、「一般基準」は、「実施基準」あるいは「報告基準」全体を通じての基本的なものを示しているわけでありますので、そういう位置づけとすれば、そういったこの位置づけということもあるわけで、ただ「報告基準」がまだ原案ができておりませんので、そういう点、今加藤委員がおっしゃったように、全体の位置づけを当然考えなければなりませんので、その中でこの点も検討させていただきます。

それから、「文書化」の点は、今、まさに加藤委員の御指摘のように、非常に実務的な点でございまして、そういった必要性ということがあるという声が大きかったものですから、ここに位置づけておりますが、これも、今同じように、座りのいいところに置くということでの検討は重ねさせていただきたいと思っております。その点、山浦委員、お願いします。

○山浦委員

「一般基準」に関しましては、まさに一般論としまして、監査人のEthics、倫理にかかわる問題、それから、監査実施上のまさに実施あるいは報告、すべてのこういうプロセスにかかわる基本原則という2つのものが中に入っているわけです。例えば、7番目の守秘義務なんですけれども、これは、会計士協会の方でも設けております倫理規則の中でも入っておりまして、恐らくこういう「一般基準」のところで扱うものかどうか。昔から入っているので入れておりますけれども、実は、この問題についても、議論がなかったわけじゃなくて、むしろ逆に、かなり議論をいたしました。

そのほかに、独立性の問題であるとか、こういった問題についても、かなり議論いたしました。例えば、先ほど御紹介しました国際監査基準などでは、1つの監査基準の枠組みの中にEthicsが1つ存在するわけで、ある意味では、日本のこれまでの監査基準の伝統というか、1つの枠組みを引きずっているというところがあるというのも事実だと思うんです。

それからもう1つ、「文書化」については、これについては、特に今の新しい監査基準では、すべてについて記録として残しなさい。単に監査計画、どういった監査を実施したということではなくて、どういった判断をして、最終的な意見をどのように証拠事にして、どういった意見に到達したんだ、そういったプロセスまで書け。こういうことがありますので、どうやらこれは、単なる実施だけでなくて、意見形成あるいは報告基準にもかかるような問題である。そういうことでありましたので、特にこれは、会計士協会の方からも、ぜひにという御希望もありましたし、「一般基準」の方に入れております。

今までの調書は、確かに実施準則で扱われておりますけれども、この文書として残すということの重要さが、近年の監査基準では非常に強調されてきておりまして、これは、「一般基準」の方に格上げした方がいいのだなというのが我々の共通の見解です。これについては、全体を「報告基準」まで審議をした後に、座りが悪いようであれば、また入れかえるということも、もちろん我々は考えております。

○渡辺委員

「目的」のところなんですけれども、一番最初のところで読んで、すっとわかるのがいいというふうに思うんですが、御説明の中でも、少し回りくどいという点が残っているというような御説明があったと思います。何がわかりにくいのかと考えてみますと、1つは、文章構造上こうなってしまっているというのがあるのが1つと、もう1つは、多分二重責任という問題を考えて、少しでもそれのニュアンスが出るようにということで文章をつくられているので、読む方から見ると、よくわからないということではないかと思います。

わからなくなっている理由の1つは、例えば、第2パラグラフですと、縮めてみると、監査人の意見は監査人の判断を表明したものである、こういう文章になっていて、これは、要するに国語辞典のような説明になっていて、実質は何なんだという感じがするわけです。

第2パラグラフの方で言えば、要するに「合理的な」からの後ですが、合理的な保証を与えるものであるというのが言いたいことだと思うんですけれども、そこをやわらかくするために、「ことができるとの監査人の判断を表明した」というのが入っていて、これによって、実質上何が変わっているのか、法律的に何が変わるということがあるのかどうか。もう1つは、そうすると、要するに合理的な保証を与えているのか、与えていないのかということではないかと思うんです。

もし、二重責任の原則というのを何となくにじみ出させたいという意味で、この途中の「ことができるとの監査人の判断を表明した」というのが入っているのであれば、もっとすっきりと二重責任の原則が出るように、ただの思いつきですが、財務諸表の前に、例えば「経営者が作成した財務諸表には、全体として」云々というふうにすっきり書いた方が、読む方もよくわかるし、実質も、結局そういうことではないかというふうに思います。

前段の方も、これもわかりにくいなと思ったんですが、前段の方では、「監査人が自ら入手した証拠に基づいて」という文がありますが、これを前の方に持ってくれば、多分後ろの方にくっついている「判断した結果を意見として表明する」という国語辞書のような表現がもう少し簡単に、「意見を表明することである」というふうになるんではないかと思います。ですから、もし、実質が変わらないのであれば、今、案として申し上げたように、普通の人が読んで、すっとわかる方がいいというふうに思います。

○脇田部会長

ありがとうございました。ただいまの点については、先ほど御説明したときにも、回りくどい表現という言葉がございましたけれども、起草委員の皆さんも、ここは随分、今委員がおっしゃったようないろいろなことを考えて盛り込もうとすることの結果であることでありますので、今後、洗練するという方向も検討させていただきます。

○友永委員

起草委員の方に参加しておりまして意見を述べるのは、ちょっとちゅうちょするところもあるんですけれども、この「目的」の第2パラグラフについて、多賀谷課長補佐の御説明とあわせれば、意図は十分酌めるんですが、この文章を見ただけでは、適正であるということと、合理的保証がイコールであるというような印象がどうしても出てしまうのではないかという点を危惧しております。

合理的な保証というのは、財務諸表の信頼性に関して、監査が提供する合理的な保証ということと、財務諸表が全体として重要な虚偽記載がないという合理的な保証を得るように、監査を意図して計画して実施するんだ。これは、多分「報告基準」の方で議論される監査報告書の文面にそういう文言が入ると思うんですが、そうした意味で使われる合理的保証、それは監査人が監査を計画、実施した後で、監査証拠を積み上げて、そこから入手できる心証のようなもの、そういった意味合いがあると思います。そうしたことで、保証業務としての重要性、そこで監査人が与えられる合理的な保証という意味は、十分に前文で書いていただくことにして、私はここは、監査人の心証の部分、それを表現したものだといった意味にしていただきたいということをお願いしたいと思います。

それからもう1点、違法行為の書きぶりなんですが、先ほど違法行為は非常に広いものがある。財務諸表の作成、会計処理に影響を及ぼさないようなものもすごくたくさんあるわけで、監査人の行為規範としての監査基準で、違法行為全般にわたっての意味だととれるような表現はなるべく避けていただきたいというのが私どもの考えでございます。

違法行為を発見した後というのは、その重要な影響があるかどうかという検討は、私どもは当然するわけなんですが、それを発見するというか、発見するためにといいますか、そういったふうにとられないように、これは、重要な虚偽の表示となるもの、これは、税法ですとか、ごく一般的に財務諸表の作成に関連してくるような部分に関する違法行為といったような書きぶりにしていただきたいということでございます。重要な影響を及ぼす場合があるというんではなくて、重要な虚偽の表示となる場合があるといったような文言が適切かと思っております。

○脇田部会長

ただいまの御意見は、これからの検討の中でいろいろと工夫、考慮させていただきたいというふうに思っております。

それでは、時間も限られておりますので、まだ御意見をいただく機会を持ちたいと思いますけれども、まず、「実施基準」について、その前に事務局から説明をお願いしたいと思います。

○多賀谷課長補佐

それでは、資料の3ページ目からでございますが、「実施基準」について、ポイントを御説明させていただきます。

まず最初に、「基本原則」でございますが、4項目ございます。1は、監査実施の基本とも言うべき事柄でございます。ここで、監査リスクという用語を定義しております。備考欄にありますが、ここでは、今まで議論あるいは御紹介をされたような監査リスクモデルを前文で説明することを前提としております。

ごく簡単に確認をしておきますと、「財務諸表の重要な虚偽の表示を看過して誤った意見を形成する可能性」これを監査リスクという用語であらわしております。この監査リスクがゼロであるのがもちろん理想なわけですが、限られた時間での監査の中で、ゼロまでにせよということは言えません。しかしながら、これをなるべく低くするということが求められるわけでございます。

この監査リスクの内容、要素につきましては、備考にございます企業の固有リスク、統制リスク、発見リスクがございます。こういったリスクの存在を踏まえて、重要性の乏しい事項もありますので、ちょっと観念的ではございますけれども、一定の合理的に低い水準、これは、財務諸表の利用者の判断を誤らせないという観点から、監査人がいわば監査の目標レベルということで自ら設定をする。そして、監査を計画し、実施しなければならないという関係になろうかと思います。この関係の内容につきましては、より詳しく監査計画のところに記述をしてございます。

それから、備考欄にあります固有リスク、すべて読み上げませんが、いわゆる企業のまさに状況ですとか、事業内容、経営者の経営理念、こういったもの、それから、統制リスク、これは、まさに内部統制によって防止または発見されない可能性でございます。この統制リスクについては、内部統制というものの定義が必要ではないかということで、山浦委員から以前御提案がありましたような文章を備考欄に掲げてございます。これも、一応は定義にするかどうかという問題がございますが、前文かどこかに記載してはどうかということを想定しております。

このような関係は、基本的には、企業の固有リスクが低い場合、あるいは企業自らの努力によりまして、内部統制の有効性が高いという場合は、概念的には、残されるリスクはおのずと少なくなりますから、監査はより効率的に行われることになるというような関係になろうかと思います。

それから、2は、十分かつ適切な監査証拠を入手することについて記述しております。ここでは、監査証拠の入手手続として、統制評価手続と実証手続という用語を使っております。これは、備考にありますように、"test of control"と"substantive test"の意味で、これを日本語にして使っております。

内部統制の評価を行う一連の手続、それと、種々の証拠を検証したりする一連の手続、全体をそれぞれあらわしておりまして、現行の監査基準にありますように、例えば実査、立会、確認といった個々の具体的な監査技法を指すものではありません。そのため、個々の監査技法という意味では、単に監査手続という用語を使ってはどうかというふうに考えております。また、現行基準のように、「通常実施すべき監査手続」というような表現は使用いたしません。

なお、論点整理の段階では、会計情報以外の情報に対する注意と経営者とのディスカッションというものもございました。これは、備考の欄にもございますが、なかなか難しい問題があるかなと思っております。これは、また監査計画のところで御説明を申し上げます。

それから、3の不正への対処でございますが、ここは基本原則ですので、特に「懐疑心を持って」という表現を入れて、以下の文章につなげております。すなわち、「不正及び誤謬により財務諸表に重要な虚偽の表示がもたらされる可能性に関して評価を行い、その結果を監査計画に反映し、これに基づき監査を実施しなければならない」ということでございます。ここで誤謬というのを入れておりますのは、ある誤りが不正かどうかというのは、にわかには判断できないということもあるという御指摘がございましたので、誤謬もあわせて、不正及び誤謬というふうな表現にしてございます。

それから、早くて済みませんが、4ページ目でございます。企業の存続能力でございます。ゴーイング・コンサーンについての記載ですが、後ほど実証手続の実施という箇所にも記述がございますけれども、ここでは、そもそものゴーイング・コンサーンの前提、当たり前と言えば当たり前ですが、具体的な事項を論ずる前に、まず財務諸表を作成するに当たり、企業の継続を前提とすることが適切であるか否か、当然適切として通常は経営者の方が財務諸表をつくられるわけですが、それを検討するという総論的、基本的なことを記述をしてございます。

ここまでが、一応基本的な事柄ということで、「基本原則」としております。

それから、2に、「監査計画の立案」でございます。ここは、5項目ございます。我が国は、監査実務は、監査計画の立案段階にかける時間が不十分ではないか。いきなり具体的な監査手続を実施しているというような御指摘が、この審議会の場でも数々あったかと思います。そこで、監査計画の立案にかかる指示をかなり盛り込んでおります。

1は、監査計画の立案に当たってということで、まず、「監査を効果的かつ効率的に実施するため」ということを入れております。すなわち、今申し上げましたように、具体的な監査手続ばかりたくさんやるということが、必ずしも効果的かつ効率的ということにらはならないということも踏まえております。また、先ほど御説明した「基本原則」を受けまして、固有リスクと統制リスクの評価を行い、その結果、例えば残された監査リスクが小さければ、効果的に目標とする監査リスクが達成される。

つまり、監査人が設定した監査リスクの目標を達成するために必要な監査手続は少なくてもいいということになろうかと思います。裏返して言えば、発見リスク――監査手続を実施しても発見できない可能性ということですが、この発見リスクの水準を高くしても、全体のリスクが少ないわけですから、例えばざるの目が粗くても、目標としての監査リスクの水準は確保でき得るということになろうかと思います。

反対に、固有リスクと統制リスクの評価の結果、なお監査リスクが大きい。例えば、内部統制が不十分であるということになると、これは、目標としている監査リスクのレベル、つまり、誤った意見を出さないようにしなくちゃならないレベルということを達成するためには、ざるの目を細かくして、発見リスクの水準を低くするように監査手続を立案するということを示しております。

なお、御送付しました資料では、立案と策定という用語が混乱しておりましたので、全部立案という言葉に事務局の方で統一させていただいております。

また、ここで、監査計画の段階では、固有リスクと統制リスクを暫定的に評価するというふうに、暫定的ということを言っております。これは、監査手続の実施段階で、計画段階の評価を修正する必要がある事象や状況が発見されれば、それはフィードバックされて、「監査の実施」の箇所にその点がございますが、フィードバックされて監査計画を適宜修正して、必要な監査手続をやっていただくというような関係になっております。そこで、この段階では、暫定的というふうに言っております。

また、最後から3行目のところに、「監査上の重要性を勘案した上」というふうな文章が入っております。実際に、あらゆる取引を監査できるわけではございませんので、一応重要性というものを文章の中に入れてあります。

それから、2と3でございますが、これは、固有リスクと統制リスクの評価を通じて、監査の実施につなげていくというリスク・アプローチの枠組みを明確にするため、監査計画段階における暫定的な評価に関する事項を記述したところでございます。

2は、いわば事業環境や事業活動といった情報から、監査リスクを評価するということでございます。事前に御送付した案から若干修正しております。事業環境等の情報からは、基本的に固有リスクの評価が行われる。会社が何をやっているのか、あるいは経営者がどういう方針をお持ちなのか、あるいはどういう経営計画を持っていらっしゃるのかというようなことですから、その固有リスクの評価が行われるということになります。これを受けて、統制リスクの評価、内部統制ではどうなっているかという評価へ進むというのが、わかりやすいリスク・アプローチの枠組みではないかと思います。

ただ、経営方針というもの自体が、統制リスク、つまり内部統制に影響を及ぼすということもあるわけでございますので、必ずしも固有リスクだけに影響を及ぼすとも言い切れないというような御議論がございまして、また、実務上、それぞれ監査業務を、ここは固有リスクの評価、ここは統制リスクの評価ということで、ばらばらに、あるいは区切って行うというわけでもないということでございますので、ここでは、統制リスクに与えるということも考えて、「固有リスクや統制リスクに与える影響を評価しなければならない」というような文章になっております。

さらに、これまでの御審議でも何回か御議論があったかと思いますが、リスクというものが混然となっている結合リスクという考え方や、あるいはビジネス・リスクというような企業全体の状況というんでしょうか、活動というんでしょうか、あるいはその事業というんでしょうか、そういうものから監査リスクをとらえるというような考え方が国際的な監査実務で次第に考慮されるようになってきております。

ただ、こういった新しい取り組みも、それがリスク・アプローチを否定するというものではなく、より発展させていくものであると考えられますので、監査基準としては、まず基本的なリスク・アプローチの枠組みを構築するという趣旨で記述を行っております。こういった新たな取り組みについては、起草の段階でも種々御議論をいただいておりますが、必ずしも国際的に固まっているものでもありませんので、現段階で確定的なことを監査基準として記述するよりも、今後の実務の進展に合わせて、実務指針で対応していけるような余地があればよいのではないかというふうに考えております。

3は、統制リスクを暫定的に評価することを記述しております。ここは、事前に御送付した案では、「内部統制に関する設計と導入」という文章と、それから、「取引サイクル及び監査要点に応じた統制評価手続をする」というような文章になっておりましたが、日本語としてはちょっとわかりにくいのではないか。あえてここまで具体的な用語を使うことはしないようにということで、本日の資料では修正をしております。

また、「財務諸表項目自体が有する固有リスク」とは、ちょっとわかりにくいのですが、例えば、ある重要な経営目標の達成に関して、虚偽の表示が行われるとすれば、どのような財務諸表項目に影響があるのか。ごく単純に言えば、過度の売上目標が掲げられているという状況であれば、財務諸表の売上勘定にそういう売上目標を掲げているという経営方針が影響するおそれがあるわけでしょうということですね。そういうような事柄から、個々の監査項目への影響というものを勘案する必要があるのではないかということでございます。

さらに、監査要点に応じた統制評価手続と実証手続の計画を立てる。すなわち、何を証明するのかということに対して、適切な手続を考えてくださいということを明らかにしております。

4は、いわゆるITに関する事柄を強調する箇所でございます。ITという用語は、現在ではコンピューター・システムを前提として使われているということでございます。ただ、一応ここは日本語で、そういうITという意味を情報技術ということで、ITという英語を並べるのも適切でないと考えられるので、情報技術という日本語を使っております。この「企業が利用する情報技術が監査リスクに及ぼす影響を検討し、その利用状況に適合した監査手続を策定しなければならない」ということでございますので、今までも当然実務ではやっていらしたということですが、これを非常に明確に位置づけるということにしております。

それから、5は、ゴーイング・コンサーンの兆候を確かめるということでございます。これは、「基本原則」のところで、ゴーイング・コンサーンの前提ということの適否を検討するということを監査計画のところで展開したものでございます。監査人は、その監査計画の立案に当たって、財務指標の悪化の傾向、このようなことのほか、企業の存続に重大な疑義を生じさせる事象または状況の有無を確かめなければならないとしております。

これは、備考にございますが、今まで内容につきましては、種々何回も御議論をいただいております。この具体的な内容について、基準に書く案、書かない案、いろいろ御検討いただいたんですが、具体的な内容を基準の中にずらずらと書くということになると、かえって固定的にとらえられることにもなりかねないのではないか。かといって、全然書かないと、極めて幅広くとらえられるというようなこともあろうかと思いますので、前文なりで例示をしてはどうか。

あわせて、これは内藤委員からも御指摘がございましたが、財務諸表において注記すべきと、開示基準についての提言もしてはどうかというふうに考えております。そういうふうな御議論を経て、ここでは「財務指標の悪化の傾向、財政破綻の可能性その他」という程度に止めてあるということでございます。

それから、事前に御送付したものでは、この後の6として、監査計画の修正というのがございましたが、これは、監査の実施の過程で、何か違う事象を発見した、状況が変わったということで、修正されるというふうに考えられますので、「監査の実施」の方の箇所、すなわち、次の3のところに移してございます。

また、御送付したものでは、先ほど申し上げましたように、備考にございますが、会計情報以外の重要な情報に対する注意というのと、経営者等とのディスカッションというのが論点整理で掲げられておりました。ここについては、どういうふうに位置づけるかというのがなかなか難しいことで、何回も御検討を部会長を初めとして起草の委員にいただいたんですが、基本的には、固有リスクの評価とかに含まれる事項である。

それをどこまで取り出して書くかというのはなかなか難しいので、こういうことは前文に書いてはどうか。会計情報以外の重要な情報というのも、これはぜひ注意を願いたいということで、論点整理に入っているわけですが、以前、加藤委員からも御指摘がありましたように、どこで切り分けるのか、区別はどこまでかというようなことになりますと、文章の上で明確に書くというのは非常に難しいということもございますので、ここでは、基準の文章の中には、直接入れるということを避けているということでございます。

それから、5ページでございます。「監査の実施」ですが、ここは、事前に御送付したものでは、まず3として、「統制評価手続の実施」、4として、「実証手続の実施」としておりましたが、まとめて「監査の実施」として、1つの大きな区分にしてございます。

1は、監査要点に適合した監査手続を選択適用するということでございます。ここは、監査要点に応じたという表現が、先ほど御説明しました監査計画のところにございますので、この「実在性、網羅性、権利と義務、評価(見積り)の妥当性」等々、監査要点の例示を前に持っていくべきじゃないか、初めて出てきたところに持っていくべきじゃないかというようなこともございますが、現段階では、そこまで修正をせずに、このままになっております。

それから、2は、統制評価手続のところを要約をしております。従来、3として、統制評価手続として事前に御送付したものでは、2つ入っていたんですが、ここを要約をしまして、特にITに関する統制リスクを強調しているというところでございます。

それから、3は、内部統制に依拠することができない場合を言っております。ただ、やみくもに実証手続だけ実施するということになると、先ほど御説明しました、せっかくリスク・アプローチで固有のリスクを評価して、統制リスクを評価して、なるべく実証手続は効率的、効果的にやりましょうということと齟齬を来しますので、あくまでも監査計画段階で暫定的な評価をきちっとやっていただくということを踏まえて、内部統制がない場合と、これは評価できないんですが、これと統制リスクが高いというような場合、そういった判断をしていただいたことを要件としております。

なお、実務上、実証手続の方が効率的という場合もあろうかと思います。そういう場合は、この基準のレベルで言う必要はないのではないかということで、ここはあくまでも、内部統制が存在しないですとか、統制リスクが高いという場合には、内部統制に依拠するということができませんので、実証手続をして、それだけで十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない。これは、レアケースかどうかということになろうかと思いますが、もちろん、内部統制が有効である会社については、そういうことにはならないということになろうかと思います。

4は、会計基準が非常に変わっておりまして、今後、見積もりの妥当性の監査というものの重要性が増すとの御議論がございました。これを踏まえまして、ここで強調をしてございます。ただ、どういうふうに見積もりの検討、検証をするのかというところは、実務的なレベルの話かなというふうに考えております。

それから、第2パラグラフ、「また」以下ですが、ここは、諸外国の基準にもございますので、こういうような帰結を事後的に評価するという手続と申しましょうか、そういうことを入れております。ただ、過年度の財務諸表の修正、これは、渡辺委員からもいろいろ御指摘もありましたが、過年度財務諸表の修正の問題、あるいはそれに対応する監査意見の修正、こういったものに関しては、必ずしも我が国の制度あるいは慣行というものが、諸外国と同じではないということもございます。過年度の監査意見を後で変えてしまっていいのかどうかとか、そういうことになると、非常に大きな問題にもなりますので、その辺はそういう制度的なものも考慮して、なお検討する必要があるのではないかというようなことも御指摘がございました。

それから、5は、先ほど申し上げましたように、監査計画を修正することが、この監査の「監査の実施」の箇所の方に移されております。

それから、6は、不正及び誤謬を発見した場合、または、それらの兆候を発見した場合、こういった事柄は、仮に監査の過程で気づいても、すぐに不正か誤謬なのかわからないということもありますので、不正と誤謬をここでも並べまして、経営者等に報告をするとともに、監査計画を修正して、そのような不正等が財務諸表に与える影響を評価しなければならないということでございます。

7は、ゴーイング・コンサーンにかかわる事象がある場合の監査手続について記述しております。ここも、内容については、先ほどと同じように、直接は書いておりません。こういう疑義というものが存在すると判断した場合には、「当該疑義に関して合理的な期間について経営者が行った評価」、この「合理的な期間」というのは、いろいろ御意見もございまして、1年とか、もっと長いとか、でも、ここは経営者の判断ですから、そこは経営者の判断ということで、「合理的な期間」ということだけに止めてあります。ただ、最低といいましょうか、1週間しかしないというのはまずいので、基本的には、1年以上ということになるのではないかというふうには思いますが、必ずしも1年でなければいけないというわけではございません。

ただ、ここは非常に何回も御議論いただいて、起草委員の御議論でも、大変いろいろあったんですが、基本的に、こういった事象自体は未確定な事象であることが多いということでございます。したがいまして、結果を問うということよりも、そういう事象が発生していて、それから生じているゴーイング・コンサーンに関する疑義を解消するためにどういった対応がされるのか。その開示の妥当性を検討するということでございます。

ただ、前回の部会で、内藤委員から御指摘がございましたように、監査人が経営者の判断に踏み込むということになりますと、そもそも独立性の問題、自分が関与したそういう経営方針を自分で監査するということは、これはあってはならないことでございますので、独立性の問題というのが生じますから、そういった点がそこまでは踏み込まないというようなことを含めて、この文章で十分理解されるかどうかということも御検討いただければと考えております。

それから、最後の6ページになりますが、8は、経営者からの確認書の入手でございます。ここも御議論いただきましたように、現行基準から変えまして、あくまでも監査手続として位置づけるということでございますので、この箇所に入れております。

それから、現行基準のように、経営者確認書という形で入手しなさいというようなイメージではなくて、監査手続の一環ですから、こういったことを書面によって確認手続をしてくださいというような文章形式になっております。

それから、4の他の監査人等の利用でございます。これは3つございまして、1は、他の監査人を利用する場合。他の公認会計士さんの監査を利用する場合ということで、現行の考え方と大きく違いはございません。

2は、専門家の業務の利用についてでございます。これにつきましても、既に公認会計士協会では一定の実務指針が整備されているところでございますが、ここで言う専門家というのは、監査人の補助者は含みません。つまり、監査人の事務所とか法人に属していない専門家、例えば、どこかのアクチュアリーさんを利用するとか、そういう場合を想定していることでございます。ですから、監査チームに専門家を入れていくという場合には、それは監査人自身の品質管理のところで、適切な指示や指導をするというところで読んでいただくことになります。

最後の内部監査業務を利用する場合ということですが、これも、実際には、企業によって、内部監査業務といっても、特定の形があるわけではないわけで、種々違いがあると思います。また、何を内部監査というものとするかというのも、一義的に決められないので、種々理解があると思いますので、ここでは特定はしておりません。ただ、他の監査人、公認会計士さんとしての監査をしていらっしゃる方とは、利用する場合のレベルといいましょうか、これは本質的に違うという問題でございますので、ここの記述は、かなりそこは慎重な形で記述をしております。

すなわち、「企業の内部監査の目的及び手続が監査人の監査の目的に適合するかどうか」等々、監査人の方がまず評価をした上で利用できると判断した場合には、今度は、どこを利用できるのかというような、あるいはどの程度利用できるのかということを、またもう1度さらに評価して決定をしていくということで、ここは慎重な取り扱いというような形になっております。

以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。

大変量が多いところでございますけれども、早速皆様から御意見をちょうだいしたいと思います。いかがでございましょうか。

○内藤委員

「実施基準」、大変よく練られた規定になっているとは思うんですが、練られている中にあって、重要な点が幾つかまだ残されているんじゃないかと思うので、3つばかり申し上げたいと思います。

まず1つ目は、重要性の問題です。3ページの第3「実施基準」のところ、冒頭に、1の5行目に、「監査上の重要性を勘案しなければならない」この言葉が出てまいります。ここでは、「監査上の重要性」という言葉をあえて使っておられるわけですが、その1の1行目に出てきますこれまでの表現の「重要な虚偽の表示」のこの重要性と、監査上の重要性、これを区別されているというのは1つの見識だと思うんですが、どういう位置関係といいますか、意味の違いを想定されているのか。もし、それがされているとすれば、それを前文で説明されるのか、あるいはこれは非常に重要な点ですので、何か基準の中に明確化すべきではないかというところがまず1点目です。

それから、2つ目は、多賀谷課長補佐の方からも言及があったんですけれども、監査要点の扱いの問題で、監査要点という言葉が、今拝見すると、4ページの「監査計画の立案」の3番目の規定で初めて出てくるんですね。その内容は、5ページの「監査の実施」の中に具体的な内容が出てまいります。先ほど最初に出てきたところでというお話、そういう検討もあるんじゃないかという話だったんですけれども、3ページに戻っていただきまして、監査証拠の2の規定のところです。これは、「自己の意見を形成するに足る合理的な基礎を得るために、十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない」これは、監査論的には、監査人は監査の意見を出します。その根拠となるのは、合理的な基礎がないとだめです。合理的な基礎を得るために、監査人がさまざまな立証活動を行う。その際のポイントとなるのが監査要点、すなわち立証命題ですね。

では、その立証命題を調べて、その証拠となるものが十分かつ適切な監査証拠という並びになると思うんです。そうすると、証拠、監査要点、合理的な基礎、監査意見、こういう段階があると思うんです。そうすると、ここの中に、自己の意見を形成するに足る合理的な基礎を得るために、自らが設定した監査要点に関する十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない。そして、監査要点とは具体的には、これこれ、これこれであるというような規定をこの実施基準の基本原則として明示すべきではないでしょうか。それが2つ目です。

それから、3つ目なんですけれども、4ページの「監査計画の立案」のところで、3番目に、内部統制の状況を把握し、そして暫定的に評価しなさいということが書いてあります。それが5ページにいきまして、「監査の実施」のところで、2の規定で、「企業の内部統制の状況を把握し、統制評価手続により統制リスクを評価しなければならない」というわけで、計画段階の暫定的な評価と実施段階での統制リスクの評価、こういうふうに2段階に分かれると思うんです。

ところが、評価する内容が、この文言だけですと、内部統制の状況、いずれも状況を把握してという表現になっていますので、昔は、内部統制の整備運用の状況と言われた時代がありまして、まず、整備の状況を見て、そして、あと運用の状況を見るというような区別もしていたと思うんですが、それを復活させるということじゃなくて、例えば、計画の方の暫定的な評価ですと、内部統制の全般的な状況を把握して、そして後ろの方では、内部統制の個別的な状況を把握し、というふうにするとか、あるいは計画の段階では、内部統制の整備の状況に重点を置いて統制リスクを暫定的に評価し、とか、そういうような評価する対象の区別を暫定的な評価という意味合いに反映できるような形で規定したらいいんではないかというふうに思うんです。

以上3点、お願いしたいと思います。

○脇田部会長

ありがとうございました。具体的にまた御提案もいただきましたが、まず、重要性の問題については、友永委員から御説明いただけますでしょうか。お願いいたします。

○友永委員

ここは、重要性につきましては、監査人が監査を計画する場合に、重要性の基準値というものを設定して監査を進めていくということがございまして、財務諸表全体の虚偽の表示との兼ね合いは当然あるわけですけれども、そうした重要性と、従来は監査基準の上で、勘定科目の重要性といった意味に重要性が使われていたということで、それを区別する意味で、監査上の重要性――ちょっと説明が足りないと思いますので、山浦委員に後をお願いしたいんですが、そういった意味に使っているんではないかと思っております。

○山浦委員

実務的な経験が私はないので、現場に出ていらっしゃる友永委員を初め会計士の方々のいろいろな現実の監査の実施状況等を見たり、あるいは海外の監査基準とか、あるいは監査マニュアル、そういったものも参照しながら、理解した範囲でお答えいたしますけれども、監査計画を設定するときに、すべての監査対象項目について、同じような重点を置いて監査を実施するということは当然あり得ます。

それについて、リスク評価をするんですけれども、それと同時に、例えば、当期の純利益に対して何%のプラス・マイナスであるとか、そういう監査人として意見を形成するに当たって、許容できる幅みたいなものをあらかじめ監査人は設定する。それを例えば損益計算書項目あるいは貸借対照表項目等にそれぞれその幅を割り振っていく、そういう戦略をとります。例えば売上高については、500億円の売上高がありますと、10億円ぐらいが上限あるいは下限の幅で、その程度の虚偽記載については、監査人としては恐らく免責されるのではないか。自らのそういった意思決定をしていくんですけれども、そういう各監査事項について、一定の幅をずっと割り振っていくという、そういう計画を立てていくようなんです。

許容できる幅という判断が、一番最初に言う重要な虚偽の表示。どのあたりが虚偽の表示で、財務諸表の利用者を欺くことになるのか、あるいは最終的に監査人が責任を問われることになるのか。その幅をいわば各監査項目に計画を立てる段階で割り振っていくとき、それが一般的に監査上の"materiality"という概念でもってとらえる、こういうやり方のようですね。

実際上は、リスク評価と、それから、重要性についての今言ったような各監査項目別の許容範囲の割り振り、この2つが相まって、監査計画が設定されている、こういう段取りのようです。その点を考えて、あえて単に重要性といいますと、会計上の重要性、あるいはディスクロージャー上の重要性という別の面でとらえられる可能性がありますので、あえて監査上の重要性という、「監査上」という言葉を使いました。当然これは、その監査上の重要性についても、もちろん、さっき言ったように、財務諸表の利用者の判断を誤らせないような監査の結果を得られるという、そういうことも考えていますので、それは関係はありますけれども、あえてこれを監査上という言葉を使うことによって区別した、こういう考えです。

○脇田部会長

ありがとうございました。ということでございまして、今の区別につきまして、よろしゅうございましょうか。

それで、その次の2番目の監査要点につきましては、起草委員の間でも、この監査要点の記述につきましては、さらに検討する必要があるという意見もございますので、本日には間に合いませんでしたけれども、さらに、今内藤委員の御指摘いただいた点も十分考慮させていただいた上で、改めて検討させていただきたいというふうに思っております。

それから、第3点の内部統制の状況にかかわる問題につきましては、これも起草委員として加わっていただいている友永委員から御発言いただけるとありがたいと思います。

内部統制の状況が、4ページのところの「監査計画の立案」の3のところに出てまいります企業内部統制の状況の暫定評価、それからもう1つは、5ページのところにありますような、要するに統制リスクとのかかわりでの評価、その関係といいますか、この辺についてのかつては整備運用という区別もあったという御指摘がありまして、これについて、具体的に内藤委員から御発言がございましたので、この点について、御説明ください。

○友永委員

それでは、内部統制の状況という言い方にしてありますのは、3ページ目の欄外、備考のところで、企業の内部統制についての山浦委員の案がございます。内部統制の考え方として、これは基本的にCOSOレポートに沿った考え方、要するに、運用されている仕組みなんだということで、内部統制の目的とそれぞれの目的を達成するリスクの所在を評価して、目的が損なわれるような事実やリスクがあれば、それを的確に是正するとか、あるいはそのために必要な情報が関係者の間にスムーズに伝わっているかどうか。それから、それをモニタリングするといったようなことでとらえるということにしておりますので、従来の内部統制組織という概念と、相当にこれは変わってくるのではないかということで、その内部統制の状況という言葉で、大きくとらえておいていただきまして、具体的な内部統制については、前文で触れるといった書き方をするということだったと思います。

内部統制の状況の把握がまずありまして、それから内部統制の統制リスクを暫定的に評価するといったことが監査の計画段階で実施され、このまとめ方では、統制評価手続を実施して、統制リスクを最終的に評価するというのは、全部監査が終了した時点で、包括的に評価されるわけですけれども、そうした手続は実施過程にあるというふうな切り分けをしたと考えております。

以上でよろしいでしょうか。

○内藤委員

内部統制の問題はそれで結構かと思うんですけれども、先ほど監査上の重要性の御説明もよくわかったんですが、そうだとすると、そういう解釈でいくと、監査上の重要性ということは、重要性をどういう水準に置くかによってリスクに影響を与えますよね。あるいはリスクの方が、暫定的な評価と実際の評価が違っていたら、計画を修正しますよね。それと同じように、重要性も、当初の予定していた監査上の重要性を修正すべき事態もあると思うんです。

そうすると、5ページのところの5の規定でございますけれども、ここに、統制リスクが暫定的な評価と違っていたときに、監査計画を適宜修正しなければならないとあるんですけれども、ここで監査上の重要性を勘案した上で、これを監査計画を適宜修正しなければならないというふうに、監査上の重要性の方も考えた上で、これをするべきではないんでしょうか。そこを影響を与えるんじゃないかと思います。

それから、監査要点を見直されるということなんですけれども、具体的な項目が5ページに挙がっているという御説明でした。ここには、これまでと違って、表示、開示の妥当性の監査要点で、「等」という言葉を抜かしてあるんですね。ところが、けさの日経新聞の報道でもありますように、退職給付信託への子会社株式の信託によって、連結の範囲が連結外しになっていて、それに対して、日本公認会計士協会が会員に対して注意勧告したというような記事もございまして、連結範囲が適正かどうかということとか、それからあと、監査の報告基準の方でも出てくるかと思いますけれども、財務諸表とその他の情報との間の整合性、こういったこともレベルが異なるんですけれども、ここに表示されていることとは少し観点、側面が違う監査要点になるかもしれませんが、そういった監査要点を含めてこなければならないと思いますので、ここは、「等」を入れていただいた方がいいんじゃないかというふうに考えるんですが、いかがでしょうか。

○脇田部会長

その点につきましては、先ほど申し上げましたように、基準の中でのどこに位置すべきかということの議論の中で検討させていただきたいというふうに思っております。山浦委員、この点につきましていかがでしょうか。

○山浦委員

それで結構だと思います。1つは、重要性の問題、もう1回御指摘の点を考え直す必要があるんですけれども、当初、重要性の基準値を各監査項目に割り振って、そして、それについて一定の保証水準で証拠を入手していくという形をとるんですけれども、その段階で、重要性の当初設定値を修正しなくちゃならないのかどうか、そのあたりの実務的な判断については、会計士の方々の御意見も伺った上で、もう1度それについては検討いたします。

○友永委員

内藤委員の御指摘、そのとおりで、当初設定した重要性の基準値というのは、あくまで前年度の数字ですとか、会社が作成している予算の数字といったもので基準値を設定いたします。それは、最後の財務諸表が作成された段階で、大きく変わる場合があります。そうした場合に、利用者の意思決定に影響を及ぼす重要性、我々の基準値は修正されなくちゃいけない。そういう関係は当然ございまして、また、重要性との兼ね合いで、監査上の危険性というものも動いてくるといったことで、監査手続が全体を修正しなくちゃいけないという関係になるというところでございます。それをどこまで基準に書き込むかということは、さらに起草委員会で検討すべきことだろうと思っております。

○藤田委員

経営者とのディスカッションというところなんですけれども、中間で1つ出てきたのが、今度、こういう形で前文の方でというところも残念な感じがするんです。というのは、ここに書いていますように、経営者とのディスカッションは、これは企業の経営活動に関する情報を入手する手段ということであれば、確かに前文でもいいかと思うんですが、私の考えはこういうことです。

今度、ゴーイング・コンサーン監査だとか、あるいはリスク・アプローチという新しい監査手続が入る場合に、どうしても必要じゃないかなというふうに思います。というのは、ゴーイング・コンサーンとしての企業継続性に疑義を得たという場合とか、あるいはリスク・アプローチの結果、重要なリスクに気がついたというようなときに、経営者とディスカッションなしでどう処理されるのかというのがございます。

それから、最後は、経営者の確認書というのをとるわけですが、そこで、新しい会計方針、会計ポリシーを採用したとか、あるいは会計処理を変更したときに、最後は、経営者確認書をとる、こういうふうになっていますけれども、そこのところも、議論を踏まえた上で確認書をとらないと、経営者から見れば、出せばいいんでしょう、監査人から見れば、もらえばいいんでしょうというような、そういうようなことになってしまうんで、実効性に非常に問題がある。せっかく新しい方法を取り入れながら、余り効果は期待できないのではないかという不安があります。

それから、もう1点申し上げたいのは、内部統制とは何ぞやというのが前文に書かれるということなんですけれども、あるいは内部統制のあり方について評価をされるということは書いてあるんですが、内部統制に不安がある場合、この場合どうするのかということですね。

これも、経営者とのディスカッションの1つのテーマではないかというふうに思うんですが、もう1つは、機能しているということであれば、ぜひ内部統制のインターナル・オディターといいますか、内部監査人だとか、あるいはほかの取締役、監査役でもいいんですが――との連係プレーといいますか、これについての表現、つまり、もう1つ、外部監査人である会計監査人は、いきなりどういうリスクがあるのか、内在しているかというのは、非常に難しいと思うんですが、こういう監査上の効率性を高める上でも、内部統制がうまくいっているかどうかを見るだけじゃなくて、そことの連係プレーというのを新しいアプローチとして位置づけるべきではないかと思うんです。そのところが見当たらない。

これは、アメリカの監査の最近の進め方、それから、ドイツの98年にできましたKon Tra法というのも、そういうような連係プレーを義務づけているぐらい。しかも、そこで、内部統制の責任者と、むしろ監査責任を分担し合う、日本ではそこまでなじむかどうかわかりませんけれども、方向としてはそちらの方向で考えるべきじゃないか。一方的に査定するだけじゃなくて――というところまで踏み込んではどうかというふうに思います。

以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。今御指摘いただいた点は、起草委員会でかなり長時間の議論をいたしました。この点について、山浦委員から御説明いただきたいと思います。

○山浦委員

まず第1点は、ディスカッションの問題ですけれども、ディスカッションを日本語でどういうふうに表現するかという、そういったことも含めまして、随分と長い時間をかけました。藤田委員の御指摘の事項はみんなにかかわってくることなんですけれども、今回の監査基準、当然協会側の実務指針も一緒に視野に入れて、それをあわせて、監査の基準として機能する、こういうことを考えておりまして、今回のここで我々の方で出しております監査基準にどこまで入れるかという、入れるにしても、どのレベルのものまで入れるかということですね。

かなり基本的な事項、枠組みに止めるべきだろうとなりますと、ディスカッションというのは、例えば固有のリスクの評価の一部として当然出てくるだろう。当然出てくるものですけれども、具体的な手続になりますけれども、具体的な手続をこの基準で入れるのが適当かどうかということを判断したところ、どうもディスカッションというのは1つの手続だろう。あるいは質問とか、従来から監査手続の1つとしてありますけれども、そういったものの発展形というふうに理解もできる。

そうしますと、これは実務指針レベルで、例えば固有リスクの評価等に関連づけて対応できる問題ではないかということだったんです。その位置づけそのものが、これだけ取り上げるということはなかなか難しいなというのが最終的な結論でありまして、これについては、もちろん論点整理等にでも、随分とこの問題を扱うことの重要性を述べておりますので、我々としても無視したわけではないんですけれども、位置づけとしてはそういう位置づけです。要点はこの基準ではなくて、もっと実務指針レベルで、これについて具体的な対応をできるのではないか、こういうことです。

それから、同じように、確認書についてもまさに同じ問題なんです。確認書については、先般会計士協会の方で、新しい確認書に関する実務指針が出されましたけれども、そこでは、従来の単なる中途半端と――こういうところで適当な表現かどうかわかりませんけれども、監査手続でもない、経営者の方々に求める書面ですということで、非常に形式的にとらえられたんですけれども、これを一歩踏み込んで、監査手続の一部であるという位置づけを協会の方でなされました。

我々も、今回の基準では、その方針をとっておりますし、また、これは国際的な監査基準の流れからしても、当然そうすべきことでありますので、恐らく藤田委員の方での御指摘の点については、協会の今の基準書、あるいはもしかしたら改訂されるかもわかりませんけれども、そういったところで十分対応できるんではないか、こういうふうに考えております。

それから、内部統制の問題から派生して、内部監査等々の連携の問題、それから、経営者への報告、欠陥等がありましたら、それを経営者に対して報告して、是正してもらう。そういった監査人側の内部統制に対する一種の貢献を通して、また、経営者側の対応を通して、次第次第に内部統制が強化されている。こういうシナジー効果でもって、監査そのものにとってもいい結果が得られる、こういうことについては、我々も十分わかっております。

これを監査基準のレベルで入れるものかどうか、やはりまた同じ問題でありまして、「内部統制」という会計士協会の方で出しております監査基準委員会報告、これが恐らく改訂されると思うんですけれども、その段階で、この問題も対応できるんではないか、こういうふうに考えております。

それからもう1つ、これは当然藤田委員のお立場からしますと、非常に大きな関心事であると思われますけれども、内部監査との連携の問題であります。これは、どこまで我々の方で、この監査基準に踏み込むかという先ほどの同じような問題もあるんですけれども、少なくともこれは無視しているわけはない。ただ、日本の内部監査の位置づけ、企業での位置づけ、これは企業によって随分違います。そのファンクションの実態についても、随分企業で違います。

ですから、ここをもう一歩踏み込んで、連携を大々的に謳うというまでに、どうも躊躇するところがまだありまして、こういった表現に止めております。これについても、協会の方で、内部監査についての基準書がありますし、おそらくこれは改訂されるかもわかりませんけれども、そのあたりで具体的な連携が必要であれば対応できるのではないか、こういうふうに考えております。

○脇田部会長

起草委員として加わっていただいている山浦委員から、これまでの状況を御説明いただきました。そういうわけで、ディスカッション等を含めまして、すべて全く関心を持たないわけでなくて、大変長時間議論をしております。そして、今藤田委員の御指摘の点について、ディスカッションは今度は非常に重要な、全般にわたって重要な監査人の方々に考えていただく問題だというふうにして認識しておりますので、今、この部会で御発言いただいたことは非常に大きな意味を持つと思いますので、御了承いただきたいと思います。

○須田委員

3ページに、固有リスクについて、備考欄で定義していただいたんで、リスク・アプローチはわかるようになったんですが、ただ、固有リスクと言ったときの厳密な定義は、ここに書いてあるように、内部統制が存在していないとの仮定の上で、虚偽の表示がもたらされる可能性ということでしか、ちゃんと評価できないんで、そうすると、ここでその先に、実際に立案するときに、固有リスクを考えてみるといったときに、現実の企業というのは内部統制があるわけですね。

内部統制があった上で、どれだけ虚偽の表示が発見されないかということは評価できると思うんですけれども、そこに立って、まず固有リスクといったら、この企業はもし内部統制がない場合には、このときには虚偽の表示がされる可能性がどれだけあるだろうかということをまずそれを評価していく、そんなことをなぜやらなくちゃいけないのか。これは、全体でやればいいんで、わざわざ固有リスクをという――固有リスクは厳密に定義されないと、リスク・アプローチはおかしいと思っています。このように定義した上で、わざわざ固有リスクを表にまず出すということは、何かよくわからない。実際、現実には、やるんですかということなんです。

○伊藤委員

幾つかある中の1つなんですが、つまり、さっきの藤田委員の話もあったんです。私は経営者として、実際に、公認会計士ともお話もし、常任監査役があって、その人たちとも話をするということで、現実の場において、我々は実際に監査をお願いし、やってもらうんですが、日本のコーポレート・ガバナンスというのは、前にも申し上げたと思いますが、世界の中では独特の制度であって、この制度を否定するのか、肯定するのかというのは、将来にわたって、我々は考えなきゃいけないんですが、現実の問題として、今のコーポレート・ガバナンスを前提にする限りにおいては、監査役制度というのが社内にあって、それが内部監査として機能しておるし、そこの強化も、別の形において考えなきゃいけないと言われているときに、それとの連係プレーをきちっとやらないで、実務指針だけでやるというのは、私はちょっと反対ではないかというふうに思います。

したがって、リスク・アプローチの考え方についても、内部統制におけるところを全く無視して、さっき須田委員がおっしゃったように、全く固有のリスクを把握するということ自体も、ちょっと現実離れしているんではないかというのがまず1点目であります。

したがって、これは、日本のコーポレート・ガバナンスを前提にした我々の監査のあり方であって、ここはアメリカとは少し違うんではないか。ここを一挙に崩壊させて、コーポレート・ガバナンスを変えて、アメリカのように持っていくんだということであれば、それはそれなりに、また違ってくるというふうに思います。そういうことが1つですね。

したがって、私は、藤田委員のようなことを考えるべきじゃないかというふうに思います。随分期間をかけて、先生方には大変な御審議をいただいたということは大変感謝申し上げますが、実際の経営者としては、そこのあたりが曖昧では、ちょっと困るんではないかという点であります。

それから、2つ目の議論は、この中の幾つか、妥当性という言葉があって、ちょっと私はよくわからない。欠席したりして、今ごろ、またこんなことを蒸し返してはいけないかもしれません。5ページとか、真ん中のところの4のところに、「会計上の見積りの妥当性」、それから、7の「経営計画等の妥当性」、特に、経営計画の妥当性ということを言われているんですが、つまり、経営をするのは、あくまでも経営者であって、会計監査人の方々ではないわけですね。したがって、リスクをかけてやるのは経営者の問題なんですよ。

したがって、そのリスクのかけ方が合法的であるかどうかですね。法に違反していないかどうか、これはきっちりと見てもらう必要があるし、それが現実の監査人の方々が見て、あくまでも達成不可能性が余り大きいとか、そういうところは私は判断をして大いに結構だと思うんですけれども、その経営者のやっていることに関して、いいか悪いかとか、良かったか悪かったかというのは、経営の問題ではないかというふうに思います。

したがって、この妥当性のことは、もうちょっと合理的に判断され得ることをはるかに超えているとか、何かそういうようなことをちょっと認識をしておいていただけるのかなというふうに思ったのが1つですね。

それから、ここに、合理的な期間については、私は賛成であって、先ほど多賀谷課長補佐がおっしゃったように、1年というように限定すべきものではないな。アメリカのように、大変短い期間だとか、そういうものではないんではないかというふうに思います。特に物づくりをやっている我々メーカーにとってみれば、長期の経営をやらないと、物づくりは実際にできないんであって、ここはネットビジネスとか、そういうものとは少し違うような感じがします。

それから、リスク・アプローチの中身については、須田委員も具体的になったとおっしゃる。私も、ある程度この内容が具体的に書かれているこの4ページですね。もとに戻りますが、長期に営業が停止する等の企業内部の問題とか、営業に必要な重要な影響を及ぼす可能性のある訴訟や重要な取引先の喪失と、おっしゃるとおりで、我々経営者が一番心配しているのは、前にも申し上げたと思いますけれども、リスクが机上に見抜けない、トップに上がらないリスクがあって、それが根本的に会社をつぶしてしまうような、最近の新聞紙上をにぎわした、要するにリコール問題だとか、食品に関する問題とかいうのをものすごく恐れるわけですよ。

それを今まで恐れていなかったというところも問題で、最近リコールがものすごく出てきたということは、きょうの朝のテレビでも出ていましたけれども、つまり、社会慣行がものすごく変わってくるわけです。ですから、世の中の社会慣行に合わせて、つまり、必ずしも合理的でないと思われるようなものは、というようなことを少し入れていただかないと、社会の慣行によって、絶対的な基準が変わっていくんです。ということも考えていただきたい。

以上の点です。

○脇田部会長

ありがとうございました。ただいまの件でございますけれども、日本のコーポレート・ガバナンスの全体構造とのかかわりで、この基準を見るという点は、先ほども縷々申し上げました点で、いろいろと議論を続けております。この点につきましては、今御指摘いただいた点、さらに検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

それから、妥当性の点でございますけれども、確かに御指摘のところですが、今、合理的とか、そういう文章を非常に基準の中に出てまいりまして、重なってまいりまして、その辺の修辞上のいろいろな工夫をさせていただかなければならないというふうに思っております。

○伊藤委員

この言葉がいいのかどうかということですね。

○脇田部会長

そうですね。そういう点での問題をさらに深めてまいりたいというふうに思っております。

○伊藤委員

同じことを考えておられるんだと思うんですけれどもね。

○脇田部会長

大体そういうことでございますが、山浦委員、特に御発言いただけますか。

○山浦委員

時間もないので、1つだけ。先ほどの須田委員、伊藤委員の方から御指摘の固有リスクというのを独立できるかどうか。もちろん、これは我々はこの点の議論もやりまして、それから、最近の実務では、むしろこれは複合リスク、"Combined Risk"とか、そういった言葉を使うことで、例えば固有リスク、統制リスク、これが相乗的な関係を持っているという、そういったこともわかっております。

もちろん、これは教条的な意味で言っているわけではなくて、リスク・アプローチのシェーマでありまして、実際の運用では、会計士の方々は、そういった複合リスク的な観点でこのリスク評価をされるというふうに聞いておりますし、恐らくこういった書き方をしているけれども、必ずしも固有のリスク、それから統制リスク、あるいは発見リスクという、そういうのをきっちりと線引きができるという、そういう理解の仕方ではありません。その点については、表現がしにくいということもありまして、それから、リスク・アプローチについての説明をする1つの便宜的な手段であるということも踏まえて、こういったリスクの区分、そして定義づけをさせてもらっている、こういった理解でいいのではないかと思います。

○葛馬委員

今後、文章はさらに洗練されていくという話がありましたけれども、どうしても気になる点、二、三、4ページのところの上の継続企業の前提のところに、企業の存続を前提とすることが適切であるかどうか、これも恐らく苦労されたんだろうと思うんですけれども、存続というのと継続というのが2つあるわけです。存続というと、あの会社は事業をやめたけれども、休眠会社として存続しているよということがあり得る。英語の場合には、必ず「continue as a going concern」で、「continue」と「going」と、2つ重なっているんです。どうもニュアンスとして、事業継続という感じなんじゃないかと思うんで、存続というのはちょっと違和感があるなと。

それと、次の「監査計画の立案」とありますけれども、立案というのは、まさに提案ですよね。そうじゃなくて、立案するだけじゃなくて、それを立案して、決定して、実行するということですから、普通に監査計画の作成とか策定とかした方が、立案というと、それを実行する前に、もうワンステップそれを採択するというプロセスが要るんで、なぜ、あえて立案になっているのかなという気がするということ。

それと、「一般基準」の方では、これも国語の問題のようなことで恐縮なんですけれども、先ほど問題になった「一般基準」の第2の4のところの「認識しなければならない」云々というのがありましたけれども、ここで「を認識しなければならない」、また、こうこう、こうこう「にも留意しなければならない」ということがありますけれども、留意する前提として認識がある。一方で、認識したからといって、留意するとは限らないということで、留意の方が厳しいと思うんですよね。だから、むしろ、両方とも留意にするか、2つどうしても言葉を違えるんだったら、留意の方が先にこないと、「にも」の方により強い言葉が来ているのは、バランスを失しているなということ。

それと、この言葉だけですけれども、一番上の上から4行目の「監査人が自ら入手した証拠」という表現がここにあって、後の方では、もう全部「監査証拠」というふうになっているんです。しかも、そこで入手するには、「自ら」という言葉は付いていない。ここだけ「自ら」という言葉が敢えて付いているというのは、何か特別な意味があるのか。それと、証拠と監査証拠という用語使い分けの意味があるのか。その辺、できるだけ読みやすくするという観点からですね。

それと、もう1つ中身ですけれども、これは非常にプリミティブなことを今ごろ聞いて恐縮なんですけれども、要するに、今回問題になるのは、ゴーイング・コンサーン監査が非常にテーマになっていると思うんです。そのゴーイング・コンサーン監査については、前提とするのが妥当かどうかということを検討しなければならないというのが4ページの上にあって、それを5ページの一番下のところにまたいろいろ検討しなければならないというのがある。

それらを検討した上で、一番最初に、適正意見というのはこういうことを言うんだという、こういう意見の表明であるという表現があるということは、適正意見を表明しない場合には、こういうことを検討した結果表明できない場合があるよねということを含意していて、その場合に、それをどういう表現にするのかということは、この段階では特に明示しない。それを別の形で別途だんだん収斂させていくという、そういう体系だというふうに理解してよろしいわけですか。

○脇田部会長

まず、ただいまの字句につきましては、私どもも大変工夫といいますか、まだ結論に至っていない点もございまして、大変ありがとうございました。この点については、御指摘のところをこれからさらに収斂させていく中で、検討をさせていただきます。

ゴーイング・コンサーンの監査と申しますか、この点については、山浦委員、御発言いただけますでしょうか。

○山浦委員

今、葛馬委員の方から、最後の御指摘のとおり、これから「報告基準」を検討する過程で、いずれにしても、これは大きなテーマの1つでありまして、その段階で、ゴーイング・コンサーン問題は意見表明にどういうかかわり方をするか、そういったこともかなり書き込む必要があると思うんです。そうなりますと、当然「実施基準」等にもかかわっていくと思いますので、いずれにしても、「報告基準」でこのゴーイング・コンサーン問題を検討した後に、もう1度今御指摘のところについても検討させていただきます。

○脇田部会長

それでは、まだ御意見いただきたいと思いますが、時間的に詰まってまいりましたので、ここで、最後になりますけれども、また、これからも起草委員会等で、今日の御意見を踏まえて、さらに検討し、また、当部会におきまして、御検討いただいて、繰り返してまいりたいと思っております。

ここで、今回の審議の中で、今ゴーイング・コンサーンの問題が出ましたけれども、特記事項につきまして、いろいろと議論をしてまいりました。今回、日本監査研究学会におきまして、特記事項の実証的研究をされまして、ここにまとめられたということでございます。そこで、その点をこれからの「報告基準」をつくっていく上での参考にいたしたいというふうに思っておりますので、ここに皆様にお配りしておきました。

本日は、時間も限られておりますので、山浦委員から簡単に御紹介をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○山浦委員

今、脇田部会長の方から御紹介があったように、日本監査研究学会、この学会自体は、監査論を中心とする学者、それから、公認会計士、そして監査役、あるいは一部内部監査人等が入っておりますけれども、この日本監査研究学会で、課題別研究部会というのを設けております。そこで、一昨年から、名城大学の盛田教授を中心とする研究グループに、特記事項について調査をしていただいておりました。

特に特記事項が、日本ではどういう形でどういう場合に使われ、どういった表現でこの問題が扱われ、そして、監査人はどういうことをこの問題を通してメッセージを送ろうとして、また、それについてどういった責任を負うことになるのか。特記事項について、まだかなりわからないところもあるんですけれども、少なくともゴーイング・コンサーン問題として、それとも関係して、いろいろメディアで特記事項の問題を取り上げられております。

論点整理でも、この改廃を含めまして、問題点が指摘されております。特に特記事項の記載に関しての記載すべき内容とか、記載方法、それから監査人の責任等、こういったものが必ずしも明確な枠組みでとらえられているわけではないのでありまして、実務でどういうふうにこれが使われているのかというのを調べる必要があるんではないか。そういったところに視点を置いて、盛田教授らが随分と詳細な調査をされました。

特記事項に相当するものは、米国の監査基準等でもありますけれども、監査人の保証の枠に入らないような問題がどうしても生じまして、これを改めてまだ我が国でも特記事項として残すのか、また別の形にするのか、これについても、「報告基準」を論議する過程で、我々としても非常に関心を持って、当然またそれを検討しなくちゃなりません。今回のこの参考資料として出されております調査結果、これの背景にあります、また膨大な資料もありますけれども、そういったものも参考にしながら、これから使わせていただきたいと思っております。

本日、名城大学の盛田教授のほかに、同志社大学の百合野教授、それから関西大学の松本教授、お三方がこの資料を提出がてら、傍聴されたいということで傍聴席においででございます。

以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。それでは、今山浦委員が御説明くださいましたように、今後の審議の中で、資料として参考とさせていただきたいと思っております。

それでは、定刻を約5分ほど過ぎておりますので、本日の議事はこれをもちまして終了させていただきます。

次回は、「報告基準」を主といたしまして、その草案を御検討いただきたいというふうに思っております。

なお、次回は4月6日金曜日の午後1時30分から開催することを予定しております。詳細は、事務局から連絡させていただきますが、開始時間が1時30分となりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

それでは、本日の部会はこれで閉会いたします。

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