平成14年4月22日
金融庁

企業会計審議会第27回第二部会議事録について

企業会計審議会第27回第二部会(平成14年3月28日(木)開催)の議事録は、別紙のとおり。

(問い合わせ・連絡先)

金融庁(TEL 03-3506-6000)
総務企画局企業開示参事官室
企業会計審議会事務局


企業会計審議会第27回第二部会議事録

日時:平成14年3月28日(木)午後4時02分~午後5時58分

場所:中央合同庁舎第4号館9階金融庁特別会議室

○脇田部会長

それでは、定刻を過ぎましたので、伊藤委員、角田委員がまだご出席になっておりませんけれども、ただいまから第27回第二部会を開催することにしたいと思います。委員の皆様には、ご多忙のところご参集いただきまして、まことにありがとうございました。

本日の部会は、前回までのご議論を踏まえまして、中間監査基準の改訂案のたたき台を起草いたしました。また、前文も一応作成してみましたので、これらをもとにしまして、全般的にご審議をいただきたいと考えております。

まず、中間監査基準の改訂案のたたき台と前文につきまして、事務局から一通りの説明をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

○多賀谷課長補佐

それでは、ご説明させていただきます。

資料が本日は分かれておりまして、お手元の資料1の方に「中間監査基準(案)の検討(たたき台)」というふうになっております。こちらに中間監査基準本体の案がございまして、資料2に前文の部分だけの案がございます。

まず資料1のたたき台の方をご説明しますと、これは左側に「案」、右側に簡単な説明を付してあります。右側の方に「前文に記載する」とかというふうになっているところもございますので、ここは資料2の「前文案」の方をまたご説明しながら、あわせてご説明をさせていただきたいと思います。

まず基準本体に入ります前に、この中間監査基準の位置付けといいましょうか、あるいは審議の経過について、これは前文の方にございます。資料2の「前文案」の方の冒頭でございますが、「一 経緯」としてございます。ここでは、審議の経緯と背景について述べております。冒頭は、基本的には、監査基準の改訂ということが、今般の中間監査基準を改訂する背景であると、こういうことを導入部分として記述しております。

次に、段落がございますが、「さらに」というところからですが、今般の審議においてご議論のあった事柄も盛り込んでおります。特に、四半期の財務情報の開示が促されるようになりつつあるということから、監査との関係についてご議論がございました。この点は部会の中でもご意見がございましたが、米国においても数年前から種々のご議論があるという状況でございました。そういうことから、保証水準の低いレビューをこの中間監査基準に導入するということは適切ではなく、中間監査の保証水準を維持するというような認識に立って、今般の審議が行われた旨を記述しております。

これに関連いたしましては、レビューとの関係でございますが、前文案では、「一」の次の「二 改訂の基本的考え方」というところがございますが、1枚おめくりいただきまして、資料2の2ページ目になりますが、ここの一番最後のパラグラフでございますが、「なお」のところからでございますが、ここに年度監査やレビューとの関係についてご審議の中で議論されました問題意識を記述しております。ちょうど資料2の2ページの「なお」のところからですが、1つには、「中間監査についても年度監査と同一の監査を行うこと」というご議論、それからもう1つは、「あるいは」ということで、「中間監査はいわゆるレビューと位置付けることなど」、このような議論があるということでございます。ご審議の中でご議論されました問題意識としてこういうことを記述しまして、その上で、中間監査基準の位置付けについては、ディスクロージャー制度全体のあり方に関わる将来的な課題ということもございますので、これらのご議論に関する部分は今般の改訂には直接盛り込んでいないという趣旨を記述しております。

それから、この前文の「二 改訂の基本的考え方」のところをあわせてご説明いたしますと、ここは今般の中間監査基準の改訂に当たっての基本的な考え方をまとめて記述をしております。1ページに戻っていただきまして、「二 改訂の基本的考え方」の最初の部分ですが、ここは、中間監査は年度監査の一環として実施することを前提として、リスク・アプローチの考え方を明確にする、そして、中間監査の一層の充実・強化を図る、このようなスタンスを主に記述しております。

さらに、1ページの下から2ページに続く文章でございますが、リスク・アプローチによるリスク評価に応じた監査手続とその一部の簡略化の考え方、それから、中間監査における監査意見の概要というものを大まかにずっと2ページに記述しております。

それから、2ページの3つ目の段落のところからでございますが、「中間監査基準では、監査基準の構成を踏まえつつ」というふうになっておりますけれども、これは現在の中間監査基準も同じでございますけれども、監査基準については一般基準が置かれておりますけれども、これが中間監査にも当然に適用されるので、改めて規定をしないということでございます。それから、特に定めのないものについては監査基準に準じるということを記述しております。このような取り扱いは現行の中間監査基準も同じでございます。これが基本的な考え方でございまして、この考え方を受けて個々の基準ということになろうかと思います。

それでは、中間監査基準の本体の方を説明させていただきます。資料1の方の基準の本体の方をごらんいただきたいと思います。

まず第一として、「中間監査の目的」を置いております。一応読み上げますと、「中間監査の目的は、中間財務諸表が、中間財務諸表に係る企業会計の基準に準拠して、企業の中間会計期間にかかる財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する有用な情報を表示しているかどうかについて、中間監査を行う監査人(以下「中間監査人」という。)が自ら入手した監査証拠に基づいて判断した結果を意見として表明することにある。

中間監査は、一般に、年度の財務諸表の係る監査と同一の監査人が中間監査人として、当該年度に属する中間財務諸表について実施するものである。したがって、中間監査人は財務諸表の監査と同程度の監査証拠を入手しなくとも、中間財務諸表が有用な情報を表示しているかどうかの保証を得ることができると判断するのが通常であるが、中間監査に係る意見を形成するに当たり、中間監査人が得たと判断する保証の程度それ自体は、一般に財務諸表の監査ほどには高くない」というふうになっております。

この構成自体は監査基準と似たような記述になっておりますが、ポイントといたしましては、中間監査は一般的に年度の途中で監査をするということではなくて、ここではあくまで証券取引法に基づく中間財務諸表を対象としたものであるという前提でございますので、中間財務諸表に係る企業会計の基準に準拠しているかどうかという記述をしている点がございます。それに続きまして、中間期の財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況というものについて、有用な情報を表示しているかどうかというように、有用性の意見を表明するということにしております。これは現在と基本的には同じでございます。ここで、あわせて、一応、年度の監査人と区別するという意味で、「中間監査人」という用語を使っております。

それから、第2番目の段落の部分でございますが、ここでは、年度監査との性質の違い、特に保証水準について言及しております。これらの趣旨につきましては、資料2の前文の方でございますが、この2ページの最後のところに「主な改訂点」というのがございますが、そこの1に「中間監査の目的」という部分がございますので、ここに趣旨について、2ページから3ページの頭にかけてですが、基本的に中間監査を年度監査の一環と位置付ける、また、保証の程度は年度監査ほどには高くはないがレビューよりは相当高いという旨を記述しております。 また資料1の方にお戻りいただいて、1枚おめくりいただきまして2ページ、ここからが「実施基準」でございます。中間監査基準の場合には、全体が短いということもありまして、特に注見出しはつけておりません、ずっと番号順に並んでおります。大体の構成は監査基準の方の構成を下敷きとしております。

まず1ですが、読み上げますと、「中間監査人は、中間監査に係る監査計画を、原則として、当該中間財務諸表が属する年度の財務諸表の監査に係る監査計画の一環として策定するものとする」ということでございます。これは年度の監査計画の一環として策定するのだということで、先ほど申しました前文の趣旨を受けた規定でございます。

次に2~4までが中間監査におけるリスク・アプローチの適用について規定しております。 2は、「中間監査には、中間監査に係る監査リスク(以下「中間監査リスク」という。)を合理的に低い水準に抑えるために、固有リスクと統制リスクを評価して発見リスクの水準を決定しなければならない」となっております。これは中間監査リスクを合理的に低い水準に抑えるために、固有リスクと統制リスクを評価して発見リスクの水準を決定するということで、このリスク評価の枠組みは監査基準と同じ考え方になっております。

3と4はリスク評価の結果を受けてということでございますが、その実施する監査手続についてそれぞれ記述をしてございます。

3は、「中間監査人は、固有リスク及び統制リスクの評価の結果、発見リスクの水準を高くする場合であっても、分析的手続等を中心とする監査手続は実施しなければならない」としております。これは、発見リスクの水準を高くする場合、すなわち、固有リスクや統制リスクが低い事項で詳細な監査手続を要しないという判断をされた場合、こういう場合でも分析的手続を中心とする監査手続は実施しなければならないというふうにしています。現在の中間監査基準では、この点、監査対象の重要性、監査上の危険性、その他の要素を考慮して、通常実施すべき監査手続の一部を省略できるというような形になっておりますが、審議の中でご意見がございましたように、どこまで省略できるのかの判断基準が明確ではなく、監査人の責任の面からは、省略できることも省略せずに実際は監査が行われる場合が多いというようなご指摘がございました。このようなことを踏まえまして、リスク評価の結果としてリスクが低くても、分析的手続を中心とした監査手続、これはレビュー手続に近いものとなるとは思いますが、これは必ず実施しなければならないということになりまして、これが1つのボトムラインといったものになろうかと思います。これを明確にしているところでございます。

次に4でございますが、「中間監査人は、固有リスク及び統制リスクの評価の結果、発見リスクの水準を高くできないと判断した場合には、分析的手続等を中心とする監査手続に加えて必要な実証手続を適用しなければならない」となっております。発見リスクの水準を高くできない場合、すなわち、固有リスクや統制リスクが高い事項については、これは発見リスクを低く設定して詳しい監査を行うということになるわけですが、この場合には必要な実証手続を適用しなければならないというふうにしております。したがって、その手法につきましては、実査ですとか、立会いですとか、年度監査でも行う、それぞれの実証手続を必要に応じて行うということになろうかと思います。

この3の規定と4の規定をあわせますと、リスクが低い事項でもボトムラインとしてのレビュー手続以上の監査手続が行われるということになりますので、全体としてはレビューよりも相当充実したものになるのではないかということでございます。このあたりの解釈につきましては、前文の方では、資料2の3ページになりますが、ここに「2 実施基準」というところがございますが、ここに説明を記述してございます。今ご説明申し上げました趣旨は大体ここに書いております。あと、ご議論がございましたリスク評価のやり方につきましては、ちょうど3番目の段落のところでございますが、「なお、固有リスク及び統制リスクの評価については、当年度の年度監査計画を踏まえ、前期の年度監査における評価を利用することが可能な場合もある」ということで、前期の年度監査における評価を利用することも可能という趣旨を記述しております。改めて全部やるということではないということだったと思います。

それから、また資料1の方にお戻りいただきまして、「実施基準」の5と6でございます。この5と6は、中間監査におけるゴーイング・コンサーンに関する対処について記述をしてございます。

5でございますが、「中間監査人は、直近の決算日において、継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況が存在し、経営者がその疑義を解消するための合理的な経営計画等を提示している場合において、当該事象又は状況並びに当該経営計画等の前提や実現可能性に関する経営者の判断に影響する事項について、変化の有無を確かめなければならない」と記述しております。ここで「変化を確かめる」という形になっておりますけれども、どのようなことを確かめるか、あるいは、どこまでこの監査基準でその点の指示をしていくかということ、あるいは、次の6の規定との区別については一緒にするということも考えられますので、それぞれの指示を分けるかどうかという点も含めましてまたご検討をいただければと思います。

6は、これは年度の監査基準と同じ考え方でございますが、「中間監査人は、直近の決算後、継続企業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況が新たに発生したと判断した場合においては、当該疑義に関して合理的な期間について経営者が行った評価、当該疑義を解消させるための対応及び経営計画等の合理性を検討しなければならない」、これは中間末時点での対処ということで、これは年度と同じであるということになっております。ただ、この評価する期間についてですが、これは年度では翌事業年度末までの1年間ということですが、部会のご議論では、6カ月間、年度末までということだったかと思います。この点につきましては、前文の方の4ページになりますが、ここに「4 継続企業の前提」というのがございます。この下から2行目のところですが、3行目の終わりからですが、「監査基準では、少なくとも決算日から一年間とされているが、中間監査においては、当該中間会計期間の属する事業年度末までの期間とすることとした」ということで、6カ月間は求めるという考え方を示しております。

それから、中間監査基準の本体の方の3ページの7でございますが、これは経営者からの書面による確認についてでございます。読み上げますと、「中間監査人は、中間財務諸表を作成する責任は経営者にあること、経営者が採用した会計方針及び中間財務諸表の作成に関する基本的事項、経営者は中間監査の実施に必要な資料を全て提示したこと及び中間監査人が必要と判断した事項について、経営者から書面をもって確認しなければならない」、基本的には年度監査と同じ考え方になっております。

それから、その下の8でございますが、実施基準の8は、他の監査人の利用に関して規定しております。「中間監査人は、他の監査人を利用する場合には、中間監査に係る監査手続を勘案して、当該他の監査人に対して必要と認められる適切な指示を行わなければならない」ということで、これは年度監査における他の監査人の監査結果の利用と少し相違がございます。この点につきましては、前文の方の3ページをお開きいただきますと、「実施基準」の最後の段落のところでございます。「他の監査人の利用については、中間監査においては、必ずしも他の監査人が子会社等の中間財務諸表の調査を行っているものではないことも踏まえ、他の監査人によって行われた監査の結果を利用することに限らず、他の監査人が行った一定の手続を利用することも考慮して、他の監査人に対して必要と認められる適切な指示を行うこととした」というふうに記述しております。証取法の適用を受けない子会社などでは中間財務諸表を作成するという義務はないわけでございますので、独自に中間監査を受けるということも普通はないわけでございます。外国にある子会社等も同様かと思います。したがいまして、監査の結果をそっくり利用するという前提では記述をしていないわけでございまして、部会でのご意見にもございましたが、一定の手続を部分的に利用するという方が通常であろうと。そうなりますと、その場合に、他の監査人にどういう部分をこういう手続をしてくださいという適切な指示を行うということになるのではないかということで、このような記述になっております。

それから、また資料1の基準本体の方にお戻りいただきまして、3ページの「第三 報告基準」でございます。

報告基準の1は、中間監査の目的を受けまして、意見表明について改めて規定をしております。監査基準でもこのような形になっているかと思いますが、一応読み上げさせていただきますと、「中間監査人は、経営者の作成した中間財務諸表が、中間財務諸表に係る企業会計の基準に準拠して中間会計期間に係る企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する有用な情報を表示しているかどうかについて意見を表明しなければならない」ということでございます。

この1を受けまして2では、監査基準での構成に倣いまして、中間監査で有用性意見を表明する場合の記載項目と記載内容を示しております。また、あわせて、追記情報は意見の表明とは明確に区別することも監査基準と同じですが、ここでもここに記述しております。読み上げますと、「中間監査人は、中間財務諸表が有用な情報を表示していると判断したときは、中間監査報告書に次の記載を行うものとする。なお、中間財務諸表が有用な情報を表示していると判断し、その判断に関して説明を付す必要がある事項及び中間財務諸表の記載について強調する必要がある事項を中間監査報告書において情報として追記する場合には、意見の表明とは明確に区別しなければならない」、監査基準では1項、2項と分かれていたのですが、あわせてここに記載してございます。

(1)中間監査の対象、「中間監査の対象とした中間財務諸表の範囲、中間財務諸表の作成責任は経営者にあること、中間監査人の責任は独立の立場から中間財務諸表に対する意見を表明することにあること」、これは監査基準とほぼ同じ内容でございます。

(2)実施した中間監査の概要、「中間監査の基準に準拠して中間監査を行ったこと、中間監査は分析的手続等を中心とした監査手続に必要に応じて追加の監査手続を適用して行われていること、中間監査に係る意見を形成するに当たり中間監査人が得たと判断する保証の程度は財務諸表の監査ほどに高くないこと」。

(3)中間財務諸表に対する意見、「経営者の作成した中間財務諸表が、中間財務諸表に係る企業会計の基準に準拠して中間会計期間に係る企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する有用な情報を表示していること」となっております。

これも有用な意見ということとはちょっと違いますけれども、基本的には、文章表現の方法は監査基準と同じでございます。(2)の監査手続のところだけが若干違います。これは、実施基準における中間監査の実施の方法が、分析的手続を中心とした監査手続に必要に応じて追加の監査手続を適用するという形になりますので、それを踏まえた内容となっております。また、保証水準についても言及をしております。ここが年度の監査報告書とは若干表現が異なる部分でございます。

次に、資料1の方の4ページ目でございますが、3と4、これは意見に関する除外がある場合の規定でございます。あわせて読み上げさせていただきますと、3が、「中間監査人は、中間財務諸表の表示に関して不適切なものがある場合には、当該不適切な事項を除外した限定付意見を表明しなければならない。この場合には、中間財務諸表に対する意見において、除外した不適切な事項及び中間財務諸表に与えている影響を記載しなければならない」。4としまして、「中間監査人は、中間財務諸表の表示に関して著しく不適切なものがあり、中間財務諸表が有用な情報を表示していないと判断した場合には、その旨の意見を表明しなければならない。この場合には、中間財務諸表に対する意見において、その旨及びその理由を記載しなければならない」としています。中間財務諸表の表示に関して不適切なものがある場合には、除外事項を付した意見、著しく不適切で有用な情報を表示していないという場合には、その旨の意見ということになっております。ここは有用かどうかということですので、年度の監査ですと適正かどうか、適正でなければ不適正ということで、無限定適正意見、除外事項を付した限定付適正意見、それから、不適正意見という区分になるのですが、有用かどうかということですので、有用ではないという意見になるのだと思いますが、「その旨」というような表現にしております。

それから、この判断につきましてちょっと付言をいたしますと、資料2の前文の方の4ページのちょうど4の「継続企業の前提」の1つ前の段落のところの「なお書き」というのがございますけれども、ここに、特に指示のない事項は監査基準に準じて取り扱うということが先ほどの冒頭の方に書いてございましたので、この監査意見を表明する場合の判断におきましても、監査基準で言われております実質判断、あるいは、意見を表明するに当たって意見審査を受けるというようなことも、これも中間監査でも求められるということは念のため前文の方に記述をしてございます。

また、資料1の方にお戻りいただきまして、4ページの5でございます。5は監査範囲の制約があった場合の規定でございます。読み上げますと、「中間監査人は、中間監査に係る重要な監査手続が実施できなかった場合には、意見の表明をしてはならない」となっております。これは非常に簡単な規定なのですが、また前文の方の4ページをごらんいただきたいのですけれども、上から5行目ぐらいの2つ目の段落のところでございますが、中間監査では限定した監査手続によるということが実施基準の方でございますので、ある程度簡略化した手続を用いた部分もあるという中で、さらに重要な監査手続が実施できないというような場合には、除外事項を付したとしても意見の表明はできないのではないかと、このような観点から、このたたき台では、監査範囲の制約があった場合には意見の表明はしないということに一応してございます。ただ、この点は監査手続の程度とも関係いたしますし、例えばレビュー程度の手続でさえできなかったという場合もあるでしょうし、また、年度監査と同程度の実証手続をしたのだけれども、その一部ができなかったというような場合も考えられます。

また、次の6の規定との関係もございますが、例えば継続企業の前提に関する規定において、未確定事象ということがございますので、監査基準の方でも未確定事象の影響が複雑多岐にわたる場合には意見を表明しない余地もあるというふうになっておりますので、これとの関係でどのようにこのあたりをするかというところはなおご検討いただければと思います。

それから、資料1の4ページ目の6でございますが、この6はいわゆるゴーイング・コンサーンのところの規定になっております。これは内容的には監査基準と全く同じ内容になっておりまして、特に読み上げは省略させていただきますが、(1)としまして、有用意見を表明する場合でも追記情報としては記載をすると、これは全く年度監査と同じでございます。

5ページ目に参りまして、(2)、ここは、ゴーイング・コンサーンにかかわる注記が適切でないという場合には、除外事項を付した限定意見を表明するか、有用な情報を表示していない旨の意見を表明すると、これも年度であれば限定付適正意見か不適正意見を表明するというところに当たる部分でございます。

(3)ですが、ここも、経営者が当該疑義を解消させるための合理的な経営計画等を提示しないとき、これも監査範囲の制約があった場合に準じるのだと、これも年度監査の規定と同じでございます。

(4)、これは、最終的に継続企業を前提として中間財務諸表を作成することが適切でない場合、これは継続企業を前提とした中間財務諸表は有用な情報を表示していない旨の意見を表明すると、年度であれば不適正意見を表明するという規定と同じ趣旨でございます。

それから、7でございますが、これは追記情報の規定ですが、ここも用語は「中間」ということになっておりますけれども、監査基準と内容的には同じでございますので、省略をさせていただきます。

最後に、前文の方の4ページでございます。「実施時期等」というのが最後に「四」としてございますが、監査基準は平成15年3月決算から適用するというふうになっておりますので、今般、中間監査基準が改訂されるとすれば、平成15年の9月決算から適用するということになると思われます。

以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。

ただいま、中間監査基準の改訂についての前文及び中間監査基準のたたき台について説明をしていただきました。それでは、これよりこの改訂案をご検討いただくことになりますが、前文につきましてはあらかじめお送りすることをしておりませんので、ここで起草メンバーを代表していろいろとお力添えいただいております山浦委員から、検討の要点になる事柄につきまして補足していただけませんでしょうか。お願いいたします。

○山浦委員

山浦でございます。

前回の部会、その前の部会での皆様のご意見を受けまして、今回の中間監査基準の案をこのような形で設けたわけであります。概要については、今、事務局の方から説明があったとおりでありまして、あえて私の方からつけ加えて申し上げるようなこともないかと思いますけれども、こういった基準案や前文をつくるに至った背景となる議論と考え方について、若干説明をさせていただきます。

まず全体の枠でありますけれども、これも何度もこの場で議論をしていただいたように、中間監査を国際的な会計士の実務に合わせてレビューとするか、あるいは、中間監査というのは同じ監査人が行うわけだから、あえてそういう保証水準を変える必要はないのではないかというご議論もありました。ただ、やはり中間監査をどちらにするかによって全然性格が違ってきますし、場合によっては「中間監査」という言葉も使えないようなものになります。ただ、こういった基準案をつくる上で、つまり文章化する上で、ますます実感をしたのは、この中途の保証水準の監査ないし保証業務であるというその位置付けを文書として定着させることが極めて難しいということでありまして、このことについては現在の中間監査基準をつくるときも同じ悩みを抱いて審議したわけであります。

まさに同じようなことで悩んだわけですけれども、今回は幸いにして監査基準でもってリスク・アプローチの仕組みを明確にしておりまして、その切り口といいますか、リスク・アプローチの切り口をこの中間監査に援用した形で全体の仕組みがつくれそうだと、こういうことでこの基準案の策定に着手したわけです。幸いにして今回このような形で皆様の方にお見せすることができたのですけれども、基本的には、先ほど事務局の方から説明があったように、監査ほど保証水準は高くないけれども、レビューよりは相当程度監査に近いそういう保証水準のものになるのではないかと、こういうニュアンスであります。

そして、その上で各基準の項目別に説明を付言していきますと、まず最初に「中間監査の目的」でありますけれども、ここでは特に制度的な枠組みが変わっているわけではありませんので、従来どおり中間財務諸表が有用な情報を表示しているかどうかについて監査人は意見を表明すると。ただ、この「有用」という言葉は、これは何度も学会等でもしょっちゅう議論が行われるのですけれども、これは直訳して「useful」という言葉を使いますと、例えば財務報告の概念フレームワークとか、これはアメリカとかイギリスとか、あるいは国際会計基準等でもその概念フレームワークを設けて、この「useful」というのは使われておりまして、これが非常に重要な役割を持っておりまして、これとダブってしまいます。私自身、これは「useful」ではなくて、例えば「meaningful」とか「informative」とか、そういうニュアンスのものではないかというふうに理解しております。

その上で、この基準の仕組みの第1に措定した点は、年度の財務諸表に係る監査を行う監査人が中間監査人として中間財務諸表の監査を行うんだということであります。これは別個の監査人が中間監査を行うというのと全く意味が違うわけで、年度の監査を行う監査人がやはり全年度末の監査を行っていますし、それなりの証拠を得ている。また、中間監査で行った中身を半年後の年度監査でさらに確かめることができると。そういう意味では、この中間監査の位置付けというのは、年度監査と同じだけの保証水準をあえて求める必要はないと。特に中間財務諸表が一般の投資家等の目に触れて利用される、その利用される程度の保証、信頼性を得ることは今言った年度監査のフルオーディットでなくとも十分担保できるのではないかということであります。とは申しましても、中間監査自体はやはりある程度制限された監査手続のもとで得られる意見でありますので、そのこと自体については財務諸表の監査ほどには高くないと、こういうことをこの中間監査の目的の欄で表現しております。これがこの目的のところの我々が考えたポイントであります。

2番目に「実施基準」でありますけれども、今申しました、年度監査を行う監査人が中間監査人として中間監査を実施するんだということで、しかもリスク・アプローチという考え方をもとにしてこの中間監査の監査実施の枠組みをつくるということで、我々起草委員の中でこの点も随分議論をしたのですけれども、最終的には、やはりこのリスク・アプローチの枠組みは踏襲しようと、ただし、年度監査のオーディット・リスク、監査リスク――これは重要な虚偽の表示を看過して誤って意見を掲載すると、こういうリスクでありますけれども、その考え方はやはりリスク・アプローチを踏襲する限りは変わらないだろうと。ただし、監査リスクのモデルを念頭に置きますと――固有のリスク×統制リスク×発見リスクでありますが、それが監査リスクとなるのですけれども、固有のリスク、統制リスク自体は監査人にとっては主要のものであります、つまり、企業側の問題でありますので、これは監査人としては変えることはできない。

となりますと、要するに発見リスクのレベルで監査人がコントロールすることになるわけですけれども、結論を申しますと、監査リスクほどに低いリスク水準を求める必要はないのではないかと、これの背景は先ほど申したとおりであります。中間監査リスクという概念を新たに設けまして、その中間監査リスクというのは、監査リスクよりは高いものが容認されると。となりますと、結局、発見リスクのレベルで、少し年度監査の発見リスクよりは高くても構わないと――構わないというのは変ですけれども、高いものも容認されるということになります。結果として、発見リスクのコントロールのレベル、つまり、監査手続のレベルで年度監査よりは制限された監査手続でも構わないという、そういうロジックであります。

そのロジックに従ってこの中間監査リスクをコントロールド対象として、そして手続の仕組みをつくっていったわけでありますけれども、その際に、やはりここで一番悩ましい問題が、どのレベルまでこの中間監査リスクを高くすることが容認されるのかということであります。ただ、これを文章でもって表現するというのはかなり容易なことではないわけでありまして、なかなか的確な文章表現ができない。そこで考えたことは、最低でもレビューの手続に相当する分析的手続等、これは最低でも実施すると。だから、これは事務局から先ほど説明があったのですけれども、最低限の担保レベルはレビューであると、そして、IR、つまり固有のリスクあるいは統制リスクが高く、レビューの手続では求める中間監査リスクを低く抑えることができないというときには、それ相応の実証手続を実施しましょうと、こういうことを考えているわけです。

では、どの程度までまたその中間監査リスクを低くするのかと、これは堂々巡りの議論になるわけですけれども、やはりこのあたりになりますと、あとは実務の慣行の中でこれを醸成していっていただくしかないかなという、これが1つの今回の中間監査基準の限界であるかもわかりません。ただ、そうは申しましても、ロジックとしては現在の中間監査基準よりははるかにすっきりしたロジックになってきたのではないかと考えております。それが実施基準のポイントであります。

それから、報告基準につきましては、ほぼ現在の新しい監査基準の枠組みを準用しております。もちろんその「有用性」という意見表明は「適正性」と表現を変えておりますけれども、そこが違うぐらいかなと。ただ、1カ所まだ議論が煮詰まっていないのですけれども、監査手続の制約を受けたときに、中間監査そのものがある意味では手続の制約を受けた、もともとが制約を受けた監査の仕組みでありますので、さらにその中で重要な監査手続が実施できなかったというときに、除外事項を付した限定意見をするというそういう仕組みが許されるかどうかというところは、まだ我々起草委員の中では話が煮詰まっておりません。もちろんこれは早急に煮詰めるつもりでありますけれども、なかなか、新しい中間監査を頭の中で描く、それから、実務感覚で会計士の方々が要望なさる、そのところには恐らく齟齬があるのではないかと思います。ただ、これについてはもちろん鋭意我々は検討するつもりであります。その上で、中間監査意見の仕組みとしては、有用な情報を表示しているという意見、除外事項を付した有用性意見、有用でないという意見、意見を表明しない、こういう4段階の意見表明のパターンを考えたわけであります。

それから、当然この中でゴーイング・コンサーンの問題が次に重要な問題として出てきます。このゴーイング・コンサーンの問題については、恐らく中間期で監査人がかなり前期末のゴーイング・コンサーンにかかわるいろいろな意味での評価を行っていると、それをかなり引き継いだ形で中間期もゴーイング・コンサーンに関する評価を、前年度末の評価結果を引き継いだ形で援用できるのではないかと。そういうことで、監査人が見るポイントとしては、前年度末に行ったゴーイング・コンサーンに関する評価で、その前提条件とか、あるいは仮定とか、そういうものに変化があるかどうかということをまず見てもらいたいと。それで、特に変化がなければ前年度末のその評価をそのまま引き継ぐことができるのではないかと。それから、半年の間に全く新しい事態が生じるというケースもあります。ですから、それについてはやはり別個に監査人には見ていただきたいと、そして、それについてやはり評価を行うと。ただ、その際に、大体、会社というのは事業年度ごとにいろいろな意味での計画を立てるということを前提にしますと、中間監査の段階で、次の年度の中間監査までの1年間を保証するという枠組みよりは、その年度の年度末の時点で、つまり半年間ですね、それだけを保証すると、こういう仕組みが実務的ではないかということであります。

あと、追記情報等についてはほぼ監査基準の仕組みを受け継いでおります。

以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。ただいま山浦委員からこの改訂案の要点、特に問題とすべき中間監査基準にかかわって議論すべき点について補足していただきました。

それでは、これから皆様にご自由にご意見をちょうだいしたいと思います。分量が多いので、まず基本的な事項、目的といった部分、この基本的な事項についてご意見をいただけますとありがたいと思いますが、いかがでございますでしょうか。前文及び中間監査……。

加藤委員、どうぞ。

○加藤委員

幾つかあるのですが、とりあえず目的というかそちらの方を中心ということでよろしいのですか。

○脇田部会長

はい。

○加藤委員

これが目的に該当するのかどうかわからないのですが、まず1つは、先ほど来からお話がありますように、この中間監査基準の大前提として、中間監査と年度末監査が同じ監査人が行うということが、絶対という言い方ではないとはしても、かなり当然だというような感じすら受けるほど大前提になっていると思うんですね。その枠組みの中でこの中間監査の基準ができていると。だけれども、確かに私はそうだとは思うのですが、でも最近の状況はかなり変わってきていると思うんですね。最近はいろいろと監査人が途中で交代する場合も出てくるとか、状況が変わってきていると思いますので、これが汎用性のある監査基準ということであると、では、仮に中間と期末が違う監査人の場合はこういう大前提が崩れるのかということが出てくると思うんですね。ですから、その辺で、もしここまで中間と期末が同じというようなことを前面に打ち出すのであれば、違う場合はどうするのかということの手当てが何か、こんなにたくさんでなくても、何か要るのではないかという気がします。

それからもう1つ基本的なことということなのですが、この資料1の「中間監査の目的」の最後のところに、「中間監査人が得たと判断する保証の程度それ自体は、一般に財務諸表の監査ほどには高くない」ということは、「一般に」という言葉を使っていますから、そうでない場合も少ないケースとしてはあり得るということは、中間の場合には財務諸表の監査ほど、要は年度末監査ほど保証程度が高くないのを大前提としてやっている、あるいは、こういう基準をつくっていると思っていたのですが、先ほどの、今までの審議の中に中間監査と期末監査を同じにしたらいいのではないかという意見も出たというお話はあったとしても、あれは今回は採用しないということに先ほど結論づけられたとおっしゃったわけですから、だけど「一般に」と言うと、そうでない場合もあり得るということは、中間監査と期末監査が同じ保証の程度という場合もあり得るということをここに何か含みがあるような気がするんですね。

それで、今言うべきことかどうかなのですが、どうもこの保証の程度とか保証ということが……、これは後ほど実施基準のところでもお話ししようと思ったのですが、ちょっとここに関連しているのでこの関連性から言いますと、その中間監査リスクというものが中間財務諸表における重要な虚偽の表示を看過して誤って意見を表明するリスクという、これは期末監査と全く同じ発見リスクというとらえ方をしているわけですね。この発見リスクを、期末における発見リスクと中間における発見リスクを分けてリスク・アプローチを採用しようというスタンスだと思うのですが、その重要な虚偽の表示を看過して誤って意見を表明するというこの発見リスクというのは、期末における重要な虚偽表示とか適正性意見を述べるというところでの意見表明に結びついているわけですが、中間監査報告というのは有用な情報、最後の目的は有用な情報かどうかということですね。この有用な情報ということと、この重要な虚偽表示を看過して誤って意見を表明するということは、同じなのかどうかという気がするんですよ。

そうしますと、今のこの「監査の目的」のところでも「保証の程度」とかと言っていますけれども、これは通常の適正性意見を述べる場合の保証の程度のことなのか、あるいは、有用な情報ということを表示するということであれば、有用な情報なんだからそんなに完璧でなくてもいいという、そういう感覚というんですか、もともと目的が違うんだと思うのですけれども、もともと成果物というか、最後の監査報告の意見は全然違いますよね。全然違うのにそこの途中の目的とか実施基準は何か保証の程度はどうだとか、発見リスクというものが全く期末監査における発見リスクと同じ感覚で論じられて、それが高いか低いかということなんですが、私はこの有用な情報ということとの関連性がどうもちょっとすっきりしないのですけれども。

○脇田部会長

ただいまご指摘いただきましたところは、起草メンバーの議論の中でもまさに七転八倒して苦しんだところでございまして、3点ともに非常に長時間かけて議論をし、行きつ戻りつした点でございまして、加藤委員のご指摘は極めて重要な問題でございます。この点については、起草委員会での議論の模様につきまして、山浦委員からちょっとご説明いただければありがたいと思います。

○山浦委員

加藤委員のお話は我々の議論を髣髴させるものでありまして、そういった意味では起草委員の内部での議論をもう一回おさらいするということになるかもわかりません。

まず1つは、年度監査人と同じ監査人が中間監査人として監査を実施する、これは普通だということを言って、実はここが先ほど加藤委員も指摘されたように「一般に」というところでありまして、通常は中間監査人が年度監査人として仕事をしていると、そういうシチュエーションでは、年度監査で保証されたものを引きずって中間監査でもある程度その意見の方に反映することができるということで、中間監査にかかわる監査人の保証水準というのはそういう点では一般にそれ自体は高くないと、ただ、実質的には同じ監査人がやっているということで、かなりのレベルで保証されているだろうということが実は裏にはあるわけです。

ただ1つ、加藤委員のご意見の中で反省点として私自身が今感じたのは、確かに「一般に」という、私たちが考えている意味合いがうまく表現されていないとすれば、これはもしかしたら前文等で説明するか、あるいは、加藤委員がご指摘のように、基準の本体の中に相当のものを入れるか、これは検討しなければならないかと思います。ただ、枠組みとしてそういうのがむしろ特殊な状況ではないかというのが私の理解だったのですけれども、どうやら加藤委員の今のお話では、そうでもないよと、もしかしたら年度監査を、全く新しい監査人が交代して、まっさらの状態で中間監査に最初に取りかからなければだめだと、こういうことになりますと前年度の監査の知識がないわけでありまして、そういう意味ではこの中間監査が求めている保証水準というのは、それ自体は年度監査ほどは高くないとは言っても、現実にはかなり高いものを求めているわけでありますので、もしかしたら最初の年の中間監査はかなり厳密なフルスペックに近い監査を実施しなければならないという場合もあるかと思います。

実はこういうことを申しましたのは、加藤委員の3番目のご意見とかかわっているわけであります。と申しますのは、こちらの方で起草するということを、私自身起草委員のメンバーとして入っていくということを前提で伺っておりますと、レビューというのはまさに財務情報とそれを作成する基準との整合性をチェックするということで、それはそれで話は簡単なのです。ところが、そうではないんだと、もっと高い保証水準のものを要求してくれと、その上で有用性という意見が――ちょっと加藤委員の言葉尻を取るようで恐縮なのですけれども、基準との整合性をチェックすることであるのではないかというふうに言われますと、また根底から議論を繰り返さなければならないと。あくまでも今度の中間監査基準をつくったその枠組みの基本的な考え方は、中間監査リスク、つまり、重要な虚偽の表示を看過しないと、ただし、看過しないといっても例えば90%程度で看過しない、あるいは80%程度で看過しない、あるいは70%というレベルがあります。我々が考えたのは、そのフルスペックの監査は、例えば95%、あるいは90%の――これはあくまで例えばですが、そのレベルで保証するというのであれば、同じく重要な虚偽の表示を看過しないというその保証を例えば80%あるいは70%で担保すると、こういう仕組みであります。

この仕組みそのものが要するに今回の実施基準のポイントでありますし、当然、意見表明の背景となるのですけれども、これを抜かしますと、実はこの中間監査基準そのものをつくるというのが、論理的に汲み上げるというのが、難しくなるということでありまして、であれば結局レビューの手続、つまり、これこれのことをしなさいと、それでその範囲でわかった事柄だけを結論として表明すると、そういう仕組みでやるしかないということでありまして、まさに我々起草委員の間で大激論を交わしたところのポイントであります。

○脇田部会長

ありがとうございました。

そのような経過がございますけれども、加藤委員、どうぞ。

○加藤委員

もう1つだけ、もし可能であればぜひこれはお願いしたいと思うのですが。

中間監査リスクの定義というものをきちんとしていただきたいという。ここでは、「中間財務諸表における重要な虚偽の表示を看過して誤った意見を表明する中間監査リスク」という表現ですが、これは期末における通常の監査リスクと同じ表現だと私は思いますので、多分中間と違うのはそのレベルが違うんだということだと思うのですが、やはりこの中間監査リスク、特に年度監査における監査リスクとの対比においての中間監査リスクの定義、それと、これと有用な情報との関係、有用な情報を開示しているかどうかということの意見を表明するわけですから、それと重要な虚偽の表示を看過して誤って意見を表明するということとの関係はどうなのか。これが今のこの構成からいくと全く切り離れていて、突然有用な情報が出てくると、そこまで行くまでのプロセスはほとんど適正表示に関する期末の監査と同じ概念でずっと行っていて、リスク・アプローチもそうですが。ただ、期末と違うのは、この中間監査リスクにおいて、高くてもいい場合はレビューだけでいいとか、高くできない場合には追加手続をする、そこが違うのですけれども。だけれども、何となく手続と途中と最後の報告における有用な情報との結びつき、接点が、私の個人的な感覚ではほとんどないような気がするんですけれども。

○脇田部会長

ただいまの点も実は非常に議論がありましたところで、今の加藤委員のご指摘のところにつきましても、これからもちろん検討を起草委員の方々にもお知恵を借りて参りますけれども、1つは、やはり前の中間監査基準でも同じ1つの議論があったかと思います。先ほど山浦委員から、特にレビューならば簡単なのですけれども、それでも大変だとは思いますけれども、そういうご発言の中にありましたように、ここも非常に苦労をした、明瞭に区別をつけていくところにかなり苦労を重ねた上で、しかし、今回の基準の改訂が監査基準の改訂というものを受けての改訂ということで、しかも、中間監査というものが我が国の証券取引法に基づく半期報告書のもとでの中間監査として位置付けるということから今ご指摘のところは関係してくると思いますけれども、山浦委員からまた追加のご説明をお願いいたします。

○山浦委員

なかなか社会の制度というのは一長一短には変わらないものでありまして、そういった意味では、今回、中間監査基準を見直す段階でこの有用性意見についてもその仕組みを変えることはできないかという、そこまで考えたのであります、また、そういったことも議論いたしました。ただ、現段階ではこの制度枠は変わらないということでありますので、これは引き継がざるを得ないということです。それが1点。

それから、加藤委員がおっしゃるように、ご指摘の点は実は現在の中間監査基準も同じことを引き継いでいるわけで、その問題点を抱えているわけです。これを今回の新しい中間監査基準の案で解決したかということになりますと、解決したとは私自身も納得はしておりません。ただ、このリスク・アプローチの枠組みの中で今回つくり直そうとしているというところでありますけれども、やはりフルスペックで監査をしたときに財務諸表が適正であるという意見を表明するというその一連のプロット、それと、もっと制約された形での監査手続を通して監査人が意見を表明する、やはりそのときに同じように適正意見というわけにはいかないのではないかと、こういうことであります。もちろんそれは起草委員の中には、いや、それは適正意見でいいんだという議論もありまして、この点も随分と議論しました。ただ、やはり、どうも保証水準が違うレベルでの同じ適正意見というのは表明できないのではないか、それからもう1つは今一番最初に申しました制度的な引き継ぎ、この現実的な問題も考えますと、結局はこの有用な意見という結論を表明する仕組みに落ち着いたというわけでありまして、要は、適正意見よりは保証水準が低いという意味でこの有用性という意見を使うと、このあたりのニュアンス、これがもしかしたら基準案としてうまく表現されていないのかもわかりません。

○脇田部会長

ただいまのように、ここは非常に重要なところでございますけれども、これからもまたこの点についてはできる限り検討を続けたいと思いますが。

よろしければ次に進ませていただきまして、次に、実施基準及び報告基準の部分に……。

友永委員、どうぞ。

○友永委員

中間監査の目的のところなのですが、これは報告基準との関係で、報告基準の1の方でこれと中間監査の目的を受けた記述として、「経営者の作成した中間財務諸表が」という記述になっておりますので、これは目的の方にも入れていただきたいと思います。

それから、確かに私もこの「一般に」とか「通常であるが」とかという表現がこういった中間監査基準に合うのかどうかというところは読み返してみまして疑問に思うところで、やはりこちらの方が保証水準というものを明確に規定して、例外があるとすればそれは前文に書き込むという方式がいいのではないかというふうに思っております。

それから、やはり加藤委員がおっしゃったように、有用な情報というのが説明されていないというのは、これはどこからも内容が読み取れないという、これはご指摘のとおりだと思いまして。現在の中間監査基準では「利用者の判断を損なわない程度の信頼性」という言葉でもって一応有用な情報を表示しているという保証水準をあらわしております。それについてもさまざまな問題があるということではございますけれども、もしも年度監査と中間監査の保証水準の違いを表現するとすれば、別にいい考えが思い浮かばないならば、今の中間監査基準の定義を引きずるということもまた必要なのかというふうに思っております。

○脇田部会長

ありがとうございました。

これからの検討の中でただいまのご指摘も考えさせていただきたいと思います。

次に、今申し上げましたように、実施基準、報告基準の内容につきましてご検討いただきたいと思いますが。まず実施基準では、今、委員の方々からご指摘がありますように、リスク・アプローチを採用いたしました。リスクの評価に応じて監査手続の充実と一定の簡素化を図っております。また、報告基準では監査基準と同様の構成をとっておりますけれども、原案では、監査範囲の制約があった場合には意見を表明しないというふうに、先ほど多賀谷課長補佐のご説明にもございました、また、山浦委員からのご説明にもございました。範囲限定も必要かどうかということも含めましてご意見をいただければありがたいと思いますが、いかがでございますでしょうか。

どうぞご自由にご発言いただきたいと思います。

友永委員、どうぞ。

○友永委員

実施基準の5番のゴーイング・コンサーンの問題なのですが、ここの最後の「変化の有無を確かめなければならない」という表現で果たしていいのかというところなのですが。監査人としては、そういった非常に深刻な問題のある会社であればこの変化がないということはほとんど考えられない、経営者としても、前年度期末に行った評価の見直しというのは必ず浪狼狽しながらやっているはずなんですね。その中間段階で、経営者が更新した評価をしていることを実際に見ていく必要があるのではないか。ですから、実質的には前期末にあった重要な疑義を抱かせる事象または状況に関連した評価あるいは経営計画等の更新されたものを再度見ると、そういった意味では6と同じような合理性の検討というものも求めるべきではないかというふうに考えます。

第5項の方は期間が具体的には書いてある、それは変化の有無を確かめるということで表現していらっしゃるのでしょうけれども、そこにも合理的な期間を、年度末までというようなニュアンスを入れていただいた方がいいのではないかというふうに思います。

○脇田部会長

ありがとうございました。

では、山浦委員、どうぞ。

○山浦委員

この点は、友永委員も含めて、我々が議論している中でまだ煮詰まっていないところであります。案としては、5と6を一緒にしてしまおうと、それで恐らく対応できるのではないかという考え方もあります。一応、非常に素案というか、前年度時点で一たん評価したことについてもう一回それを監査人が評価する、それから、その後、何か起きた新たな事象について監査人は見ると、そういう時系列的なプロセスを一応念頭に置いた上でこの2つを入れているのですが、どうもやはり座りが悪いことは確かですね。ただ、どちらにしてもこれはまだ議論を詰めておく必要があるのではないかと思っています。もしかしたら1つの文章で、結局、年度監査と同じ責任を監査人に負っていただくということがむしろすっきりするのではないかとも考えております。

○脇田部会長

あと、ご発言はございますでしょうか。

伊藤委員、よろしくお願いいたします。

○伊藤委員

経営サイドとしてずっと考えていたのですけれども、この前も私は申し上げたのだけれども、つまり、この作成の責任は経営者にあると明確に3ページの7番に書かれている、これは当然ですよね。その場合、経営者というのは、前も申し上げたのですけれども、半年だからいいよと、年間は責任を持って、半年はまあいいよというようなことは許されないわけですね、経営というのは。つまり、今度のコーポレート・ガバナンスの変化で2年の取締役の任期が1年になっているけれども、例えば事故があっても1年約束されているわけではなくて、不祥事が起これば社長はその場ですぐに交代ですよね。これは新聞紙上で出てきているのと同じとおりです。つまり、経営というのは常にコンティーニュアスに続いている、連続の中において経営が行われていると。それを会計監査人の方々にすべてを担保するということは経営者としてはできないのかもしれないけれども、つまり、経営者としてはそういうことはやはり欲しいんですよね。

そうすると、最初の先ほどの加藤先生の話に戻るのですけれども、「中間監査の目的」のところの「一般に財務諸表の監査ほどには高くない」という、ここから大変引っかかってくるわけですね。つまり、既に前期において会計監査人が同じ人であるか違うかということがまず1つ。非常に単純にいわゆるロジカルにずっと詰めていきますと、まず1つは、監査人が一緒なんですか、違う場合ですか、違う場合にはどういう対応をしますか、同じ場合であればどういうふうに具体的に変わるんですかというところをきっちりとしないとおかしいでしょうということ。

それから、例えば前期においてもう既に、同じ監査人であれば、指摘した事項があれば、先ほどの友永先生の話ではないけれども、必ずそれについては、経営者は当然やりますし――しかしながらやらない経営者もいるかもしれないと、しかし、監査人は必ずそれはチェックすべきではないかと。それから、監査人が変わったとしても、前期に指摘された事項は必ずチェックされるべきではないかと。これは半年であっても必ずやるべきではないかと。問題は、新規の新たな疑惑が起こってくる問題について、リスク・アプローチを少し高めてみるのか、あるいは、年度末と同じように見るんですかということに尽きるんですかと、ロジカルに詰めていくと、そこのところを言いたいんですかということになるわけですね。だから、どこでそのリスクを高めるのかというところを――この文章は大変悩み悩んでおつくりになったということは非常によくわかるので、逆に言えば、大変いろいろと含みが多くて、経営者としては一体どこまで担保してくれるのかというのがよくわかりにくいという点をあえて申し上げたいわけです。

済みません、非常に論理的ではなくて申しわけないのですが。

○脇田部会長

ありがとうございました。大変問題が明確に見えて参りました。

○伊藤委員

いや、経営者としての本当の意味でのそういう責任をやはりいろいろと我々は感じるわけですね。そういう点については、半年だからいいよということは許されないと。

○脇田部会長

山浦委員、ご発言ございますか。

○伊藤委員

どうも済みません、同じようなことを毎回申し上げて。

○山浦委員

実は中間監査基準をなくしてしまえと、全部年度監査と同じという議論もあるわけでありまして……。

○伊藤委員

それは現実的かどうかというのもありますよね。

○山浦委員

つまり、その担保水準まで年度監査と同じということでありますと、あえて中間監査基準を改めて設ける必要もなくなるわけでありまして、それで、年度監査で、中間監査ででもやってくださいということであれば本当に話は簡単であるわけですね。そこで、中間監査についてあえてこれを差別化するという意味で、差別化する今回の案の枠組みのポイントはその保証水準と意見表明でありまして、これについては加藤委員の先ほどのご質問も関係してくるのですけれども、なかなかこの真ん中あたりを、超伝導で物体を途中で浮かすような、ああいう仕組みを文章として表現するというのがかなり難しいと、今の中間監査基準のときもそうだったのですけれども、まさにこうやって悩みの多い基準であるわけです。もし経済界の方から、どうしても年度監査と同じにということであれば、まさに話は簡単なのでありますけれども……。

○伊藤委員

そこは非常に難しいところですね。必ずしもそうではないという人もかなり多いと思いますから。ここは公開草案の結果を待つということも1つの方法だと私は思いますけれども。ですから、そういう点では、ここでいろいろ先生方が苦心をされおつくりいただいたというのは、私はそれなりに大変よくできているとは思うのですが、これはやはり経営者に問いただすべきだと思いますね、というふうには思いますけれども。

○脇田部会長

ありがとうございました。

渡辺委員、どうぞ。

○渡辺委員

前回かなり申し上げたので、きょうはこの点はパスしようかなと思っていたのですが、もう一回言わせていただきます。

前回あった後に、知っている会社さんと、それほど大きくない会社さんの経理の方に聞いて、数社ぐらいですけれども、半期で中間でフルの監査になると会社としては大変かということを聞きましたら、別に大変ではないと、大変だったのは、中間で連結をやるということが決まって、あれは大変だったと、あれをやめるのではなくて、あれはずっと続けるのであれば、それをフルの監査にしても別に何も困らないと――何もというのはあれですけれども、それはもう今まで越えた山を考えればほとんど変わらないというような感じでした。だから、フルでやってもらってもいいというところは結構あるのではないかというふうに思います。そうすると、会計士さんが大変なのかというのは、これは会計士さんがいらっしゃるのでここでお聞きしたいのですが。そんなに大変ではないのではないかというふうに会社の方はおっしゃっていますが、残高を照合か何かするのが年1回だったのが2回になるとかそういうのはあるかもしれないけれども、そんなに大変ではないのではないかと。

そうしたら、利用者から見ると、今までは中間の決算だからいいかげんにやっているとは思いませんでしたけれども、でも、こうじっと有用性とは何かとか眺めてみるとだんだん不安になってきて、そうすると、利益が100億と書いてあるのが有用性だから80ぐらいでもしようがないのかなというふうに考え出すと、やはり有用性というのはどうもすっきりしなくて、前文の2ページの「なお」のところに非常に含みのある表現がありますが、ここを思い切ってしまった方が簡単なのかなというのを再び今思いました。もしこれを公開するときには、この「なお書き」のところの論点をもう少しはっきりさせるというか具体的に、世界に合わせてレビューに移行するとか、あるいは、日本は半期でフルを半年ごとにやると、そういうことをきっちりとこれから考えていくんだと、だからとりあえず――とりあえずというのは変ですが、今度の半期についてはこうやりましたとか、そうするとわかりがいいような気がするのですが、これですと何となく難しいなというような表現になっていると思います。

○脇田部会長

ちょっと待ってください、藤田委員が先に手を挙げていらっしゃるので。

○藤田委員

極めて基礎的な質問というか意見といいますか。

この前の期末監査の意見書では、この対象として考えている監査というのは、証取法監査だけではなくて、商法特例法に基づく監査もという、共通性をうたったわけですね。今度は、資料2のところの2枚目の「中間監査の目的」のところには、「証券取引法に基づき中間財務諸表」という、これは中間財務諸表と言えば証取法というようなことが当然出てくるのはわかるのですが、せっかく商法監査との共通性をうたったにもかかわらず、またここであえて証取法というのをうたう必要があるのかなという極めて単純な質問が1つございます。

それともう1点は、今までの伊藤さんや渡辺さんの発言とちょっと共通性があるかなと思いますが、保証のレベルというのがちょっと期末よりは低いよというこれに関連して、例の経営者の確認書ですが、これは相変わらず取るんだと。これを見ると、やはり企業から見ると、ちょっとアンバランスではないのかという印象が私は持つのですが。せっかく期末と同じように経営者から確認書を取るのであれば、監査の保証のレベルについても同じにするか、あるいは、こういう経営者の確認書そのものももう少し違った内容になるのかなという、何か今のままだとアンバランスな感じがいたします。これは私の意見です。

○脇田部会長

伊藤委員、どうぞ。

○伊藤委員

私も藤田さんと同じ意見なのですけれども。要するに、質を落とすんですかということに関しては、経営サイドは非常に困ると。だから、最初のこの「目的」のところの「一般の財務諸表の監査より高くはない」というのは、質の面においてそれを言うということは、これは許されないのではないかというふうに思うんですよ、経営の監査をするという立場においては。したがって、効率的にやるかどうかですよ。

例えばある監査をする場合に、100%、100のものを全部調べなくても、80で基本的に大きな大差がないという判断はプロの人にはわかるのではないかと。したがって、年度監査と中間監査を見て効率的に行うということをやってもらえないだろうかということを我々は期待しているのであって、質を落としていいということを我々は期待するものではないと。つまり、経営は質は落とさないと、それは一日たりとも落とせない――これは大変哲学的なことを申し上げているのですけれども、それをやはり我々としては、加藤さんのご意見も一遍聞かないといけないのですけれども、私の経営者の立場としてはそういうふうに申し上げたいと。

以上を追加させていただきます。それだけです。

○脇田部会長

ありがとうございました。

ただいまの、特に経営者確認書の点で藤田委員からご指摘のところは、ちょっと意表を突かれました、議論をしておりませんでしたので、この点についてももう一度いろいろと検討する必要があるかと思いますけれども。

第1の点につきましては、多賀谷課長補佐からちょっとご説明をさせていただきます。

○多賀谷課長補佐

中間監査基準の位置付けということですが、今は前文がまだ十分ではないといいましょうか、簡単に書き過ぎて、「従来の」とか「従来と同じ」となっているのですが、結局、現在の中間監査基準も基本的には証券取引法における中間財務諸表を前提としていますというふうになっております。ですから、そういう意味では、現在の枠組みを変えないということ、それ以上の意味はないということと、それから、レビューといいましょうか、四半期といいましょうか、その制度的でない開示、期中における企業からの情報開示一般についての基準を定めているわけではないということで、特に商法ではそういう制度はございませんので、あくまでも対象が証券取引法で求められている中間財務諸表、すなわち、そのレベルと詳細性あるいは内容を踏まえて、それに焦点を合わせた場合には年度監査に非常に近いという意味でやると。その「中間」という意味が、中間財務諸表に対応するような監査という意味であって、一般的な中間、期の途中で出される情報に対する公認会計士さんのかかわり方を一般論で示すという意味ではないですよという、限定的な範囲のものであるということは現在の枠組みと同じであるということを踏襲しているという意味でございます。

○脇田部会長

いかがでございますでしょうか。

山浦委員、ご発言がありましたらお願いいたします。

○山浦委員

また先ほどの話がどうでもよくなってくるのですけれども。伊藤委員がおっしゃる、あるいは藤田委員がおっしゃる意味は、もちろんそれはわかります。わかりますけれども、これは監査人側からの責任の問題でありまして、決してこれは企業側が一生懸命つくっているんだと、それを何で自分たちの努力をおとしめるんだと、そういう一直線の議論をされますと、これまた我々監査の世界には二重責任の原則というのがありまして、財務諸表を作成するのはあくまでも経営者の責任であると、それの信頼性を保証するのは監査人の仕事だと、ただし、その保証の水準にはやり方によっては差があるというだけの話でありまして、決して経営者サイドから一生懸命つくっている中間財務諸表を監査人が保証水準を下げた意見をしたからといって情報そのこと自体が間違っているとか、そういう結論ではないはずなんですね。

つまり、投資家サイドからしますと、もしかしたら、これは中間監査報告書がつけられているから、フルの監査だったら90%ぐらい信用できるけれども、中間監査だから70%ぐらいの信頼性かなと、そういった判断はもちろんされるかもわかりません。だったらもうまさにフルオーディット、それが嫌であればやはりフルオーディットになるのですけれども、まさにそこは先ほど言った議論に戻っていくわけです。ただ1つだけ申し上げたいのは、情報を作成する側の責任、それから、それについてどの程度の信頼性を第三者として担保するかという、その責任とは違うんだということであります。

○脇田部会長

ありがとうございました。

どうぞ、ご発言くださいますように。

やはり年度の財務諸表があり、中間財務諸表があるという、そういう前提に立っているということが大きな違いで、それぞれ企業において最善の努力をされて年度財務諸表をおつくりになり、中間財務諸表をおつくりになっている、監査人においても善管注意義務のもとですべて誠実に監査を行っている、そこにおいては違いはないと思うのですが、今、山浦委員のご指摘のように、そういった差といいますか、情報提供の制度の差というものの前提に立って議論をしているということでございます。

○伊藤委員

それであれば、逆に言えば、こういうことができるんですか。企業にフルオーディットを選択させるということになりますかね、いや、やはり自分のところはきちんとした対応をしてもらいたいと――もちろんそれはコストとの見合いですね、監査フィーとの関係、つまり、監査日数とも関連してきます。しかし、それでも自分のところの会社はフルオーディットをつけたよと、つまり、これは投資家に対して我々の会社の格付は違うよというような、監査の格付は違いますよということをさせるのかどうかということにして、これは要するに最低限のものにしますので、少なくとも中間財務諸表というのはこういうものであると、これは最低基準ですよと、したがってフルオーディットを求めるところはそれでもいいじゃないですかというふうに持っていくかどうかなんですね。これについてはどういうふうに思いますか。

○脇田部会長

課長補佐から。

○多賀谷課長補佐

一応、中間財務諸表というのは証取法の世界しか今制度的にないので、年度の決算は商法の決算がまずあって、そこに証取法も当然適用されるということでございますので、会計基準自体も年度決算と中間と違うというものもございまして、商法の中でも当然経営者の責任も例えば中間配当と年度配当は違うということもございますので、仮に年度と同じ保証水準ということになりますと、恐らく年2回決算を、中間期でも本決算をするということであれば、これは当然制度的にも監査になりますので、それですと非常に制度的な責任の枠組みと監査上の枠組みもぴったり合うと。ただ、その制度的なところを、あるいは会計基準とか、取り扱いが違うところを置いて、監査だけフルオーディットのレベルでということになるとちょっと難しい点が出てくるのではないかということでございます。

ただいまのご議論のところも、起草委員の方でも随分ご議論いただいたところなので、恐らく「高くはない」という表現がどうかという点があるかと思うのですが、言っている意味は、先ほど友永委員からご説明がありましたように、現行の中間監査基準の中で言われております「中間財務諸表に係わる投資者の判断を損なわない程度の信頼性を保証する監査」として位置付けるということは変わっていないと。つまり、年度監査との相対的な関係をあらわした表現として高くはないというふうな表現を使っております。ただ、年度監査のレベルが監査基準の改訂によりまして相当上がると、より向上するということでございますので、絶対的な水準から見ると中間監査も当然上がるんだということになろうかと思います。そこの絶対的な水準の上がるという表現と相対的な部分の観念的な表現とがマッチしないというかうまく表現できないので、ではその上がる部分はどこなんだというところが、先ほどのご議論にもありましたように、具体的に何点というような書き方ができないので、そこはむしろ手続で、今までよりも手続のボリュームを上げなさいというような手続面での規定で結果としてレベルが上がると、その手続を実施したことに伴って保証の水準も担保の水準も上がると。

その年度との相対関係のところと、中間として今までよりも下がるものではないと、より充実するんだというところの関係の表現がうまくかみ合っていない点ももしかしたら読み取れないとすれば、そこら辺はちょっと表現の問題としては考えさせていただきたいとは思うのですが、意味合いとしては、そこは一応別の問題として、ご指摘のような部分を、低くなるというか高くしないという意味ではないということで、ご理解いただければというふうに思います。

○脇田部会長

ほかにご発言はございませんでしょうか。

特によろしいですか。

内藤委員、どうぞ。

○内藤委員

今、この中間監査の性格に関していろいろご議論があったのですけれども、もともとこの中間財務諸表の信頼性をどう担保するかというのが基本にあるわけでして、この監査人が何らかの保証を行うというのは、監査の対象となる情報の性質によって制約を受けるというのが大前提だと思うんですね。

今の有用性の問題がありますけれども、年度決算書、年度の財務諸表では、真実の報告をしなければならない、したがって、今考え得る最高の会計基準によって年度決算書がつくられる、それに対して中間財務諸表というのは、そういう真実の報告をしなさいということが求められているのではなくて、投資にとって有用な情報であればいいですよと、その限りにおいて中間期、しかも上半期の情報をつくりなさいと言っているわけですね。

では、それに対して年度監査と同じ保証をする必要があるのかというのが大前提ですね。つまり、当期純利益が例えば100だというふうに年度財務諸表で出ます、それに対して監査でその100について誤りはありませんと、そういう保証をしますと言ったときに、重要な虚偽記載はありませんという意味は、当期純利益が100というのはイコール100というふうに、自然科学ではありませんから絶対的ではないわけですね、恐らくそこにはぶれがあるはずなんですね。それは1の差があるかもしれないし、2の差があるかもしれないけれども、例えば2だけの差、98~102の間には必ずありますよと、そういう意味では真実ですよというふうに言っているはずなんですね、それに対して98~102の間にあるということを監査では保証しているわけですね。ですから、もしそれが実際10%も違っていましたと、100ではなくて本当は90でした、あるいは110でしたなんていうことになると、それは重要な虚偽記載を看過したということでだめなわけですね。だから、監査としては98~102の間に100がちゃんと入っていますよということを保証できるような手続をきっちりとらないといけない、これが基本だと思うんです。

では、有用な情報でいいということになるとどういうことになるかというと、当期純利益が100だと、でもそれは有用な情報でいいのだから、しかも、上半期の会計基準が少し違うものを適用して計算された100の数字というのは、例えば90~110の間に入っていますよという程度でしか言えない。幾ら頑張って90~110に入っている範囲のものを、いや、私は頑張って98~102の間にあることを証明しましたなんていうことをやろうとしてもできないから、中間監査というものをどうすべきかというので基準が出てきていると思うんですね。だから、有用性というのは私はそういうふうに恐らくとらえるのではないかというふうに考えていまして。

だから、そういう会計基準の側で有用な情報でいいと言っているのに対して、非常に厳しい基準を適用したときと同じ証明の仕方をしても、それは経済的にむだになるのではないかと。ですから、有用な情報に対してはその保証を担保するためのやり方として中間監査というものはどうあるべきかなのかというのが、ここの中間監査基準の位置付けだと思うんですね。それが1つ基本にあるのではないかというふうに思います。

それからもう1つ、アメリカでは四半期情報がレビューであるということがよくこの場でも取り上げられて、日本も四半期情報の開示制度に移っていく可能性がある、さらにはレビューになるということなのですけれども、もともとレビューというのは、考えてみれば、四半期情報に対して本当に監査と同じ手続を取って意味があるのであれば取るんだろうと思うんですね。ところが、四半期情報にはそういう情報がないわけですよね。だから、幾ら監査人が頑張ってやっても意味のある結果には多分ならないだろうということで、手続がレビューになっているんだと思うんですね。恐らくレビューというのは、もともと将来の利益予測情報だとか、恣意的な判断がいろいろ入ってくるような情報に対して、何らかの公認会計士の担保が欲しいということによって編み出された手続だと思うんですね。だから、そういう意味でもレビューとはちょっと違うということが言えると思います。

そして、アメリカではそうかもしれませんけれども、イギリスについて最近の動向をちょっと調べてみたら、2000年に「Financial Services and Markets Act 2000」というのができていまして、それによって証券投資情報サービス機関というものが大蔵省の認可を受けて、法制度として、規制当局として権限を与えられている民間の機関ができているんですね。そこが証券取引場なんかの上場ルールについても規制を加えているのですけれども、その中に「half year report」と言いまして、まさに日本の中間財務諸表と同じような情報の開示を求めていまして、その際にはオーディットかレビューを強制しています。というわけで、その四半期情報の方に全世界が動いているのではないということも1つ考慮しておかないといけないのではないかというふうに思います。

長くなりましたが、以上です。

○脇田部会長

ありがとうございました。

本日は、中間監査基準の改訂案のたたき台について、ただいまいろいろとご意見をいただきました。特にこの中間監査基準の起草委員会でも非常に激しく議論をした大きな重要な点についても、またここでもご提言いただきましたし、ご質疑いただいたと思います。この点につきましてまだご発言がございましたらお伺いいたしますが。

加藤委員、どうぞ。

○加藤委員

今までカバーされていなかったところで、報告基準の方はよろしいんですか、意見などを述べさせていただいても。

この資料1の4ページなのですが、3と4におきまして、「中間監査人は、中間財務諸表の表示に関して不適切なものがある場合」とか「中間財務諸表の表示に関して著しく不適切なものがある」という、ここでは中間財務諸表の表示に関して「不適切」とか「著しく不適切」という表現なのですが、これには2つ考え方があると思うのです。1つは、年度末監査の場合には、会計方針の選択と適用方法と財務諸表の表示という3つを挙げて、それに関して「不適切なもの」とか「著しく不適切なもの」ということを言っているのに対応して、中間なんだから会計方針の選択とか適用方法は関係なくて、単に表示だけ見ればいいという考え方なのか――そうとも表面上はとられてしまうのと、そうではなくて、前の3のすぐ上に、「キャッシュ・フローの状況に関する有用な情報を表示していること」ということを受けて、ここでは有用な情報の表示に関して「不適切なもの」とか「著しく不適切なもの」という意味なのか、その両方があると思うのですが、私は多分後者のことだと思いますので、そうであれば、「中間財務諸表の有用な情報の表示に関して」というふうに言った方が、単なる表示だけの問題ではないというふうに理解してもらえるのではないかというのが1つ。

それから、もう1つだけちょっと。これは語句だけの問題なのですが、資料2の1ページの「二 改訂の基本的考え方」の中に「中間監査人」という言葉が出てくるのですが、これは今までは使っていなかったと思うのですけれども、何となく「中間監査人」と言うと、あえて年度の監査人と違う人、中間の監査だけする人というイメージを何となく受けるのですが、ここの文章からいきますと、同一の監査人が中間監査を行う監査人で、それをわざわざ「中間監査人」と言うということで、先ほども言いましたように、一応前提は中間も期末も同じ監査人という前提でいるのに、あえてわざわざ「中間監査人」と言う必要があるのかということと、すぐ続いて、「年度監査の一環として実施するものである」と、要するに、同一の監査人が年度監査の一環として中間を行うというのに、なぜあえて「中間監査人」といういかにも別の人というようなイメージを与える言葉を使われたのかをちょっとお聞きしたいのですが。

○脇田部会長

ただいまの第1点につきましては、文章表現の上で、先生のご指摘のとおりだと思いますので、表示方法などに関して不適切なものがないということ、要するに、ここでは年度監査と同じことに、誤解のないように改めてまいりたいと思います。

それから、後者につきましては、あえて私たちは中間監査基準というのを小委員会で取り上げましたけれども、この点で何か山浦委員からご発言はありませんでしょうか。

○山浦委員

監査人であります加藤委員からこのご質問が出るとは、ちょっと私は思わなかったですね。というのは、先ほど言うように、中間監査が保証水準を下げているということは、それ自体が意見に対する一定の責任の制限でありまして、それを監査人が中間監査をやっているんだと、だから監査人として証明するんだということになりますと、まさに監査人というところに生きてくるわけでありまして、投資家サイドからしますと、その保証水準の違いということを汲み取ってくれないのではないかと思うんですね。その責任問題という点からしますと、やはり中間監査に関する意見の表明については中間監査人としての責任をまっとうすると、こういうロジックの方が会計士の方々にとってはいいのではないかと思っていますけれども。

○加藤委員

わかりました。監査人にとって、むしろ親切に、責任の程度が違うという程度でつけていただいたのであれば、それは結構です。

ただ、最初の点についてなのですけれども、「中間監査人は、中間財務諸表の表示方法に関して不適切なもの」という表現に直されるということは、3つのうちの、経営者が採用した会計方針の選択と、その適用方法と、財務諸表の表示方法のうちの1つだけということなんですか。

○脇田部会長

そうではありません。その3つを含んだ意見であります。

○多賀谷課長補佐

この表現はまた考えていただきますが、この3つを含んだ監査基準と同じ意味でございます。

○脇田部会長

というように、誤解のないようにもう一度修文いたします。

それでは、今申しましたようにいろいろとご議論をいただきましたけれども、これまでのご意見を伺いますといろいろとまだまだご指摘をいただく点もあるかと思います。恐らくはこれらの点については将来の課題となることもたくさんございますので。ただ、今般の改訂といたしましては、今申し上げてきましたように、大きな枠組みにおいてご了承をいただいてきたのではないか、また、この点につきましても公開草案という形をとるということも用意されておりますので、基本的な方向については一応ご議論いただいたと思いますが、いかがでございますでしょうか。ただ、文章の表現や前文につきましては、なお修正する必要があると思います。そこで、起草メンバーの委員の方々にもさらにご検討をいただき、次回の部会で引き続きご審議いただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。

なお、今後の予定でございますが、なるべく早く公開草案を公表いたしまして、各方面からコメントをいただくことにしてはどうかと考えております。日程が非常にタイトでございますけれども、4月11日(木)に次回部会を開催させていただきたいと思います。4月11日(木)でございます。改訂案の内容をさらに詰めていただきたいと思います。今後も効率的に審議をいたしたいと思いますので、本日ご発言いただきましたけれども、さらにご発言、ご指摘いただきたい点、あるいはご提案などがございましたら、どうぞ事務局の方にご連絡をいただきたいと思います。何とぞこの点もよろしくお願いいたします。

それでは、本日はこれにて第二部会を閉会いたします。委員の皆様にはご多用のところありがとうございました。

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