平成14年8月28日
金融庁

企業会計審議会第31回第二部会議事録について

企業会計審議会第31回第二部会(平成14年7月4日(木)開催)の議事録は、別紙のとおり。

(問い合わせ・連絡先)

金融庁(TEL 03-3506-6000)
総務企画局企業開示参事官室
企業会計審議会事務局


企業会計審議会第31回第二部会議事録

日時:平成14年7月4日(木)午後1時59分~午後2時28分

場所:中央合同庁舎第4号館9階金融庁特別会議室

○脇田部会長

それでは、おそろいになりましたので、これより第31回の第二部会を開催させていただきます。

委員の皆様には、ご多忙の中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

それでは、これより議事に入らせていただきたいと思います。本日は、前回の部会でいただきましたご意見を踏まえまして、起草メンバーの皆さん方のご協力を得まして、改訂案の修正をいたしました。これからそれにつきましてご検討いただきたいと考えております。

まず、本日のその案につきまして、事務局からご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○多賀谷課長補佐

それでは、ご説明させていただきます。本日は、お手元の資料1の方が基準の部分の修正案、資料2の方が前文の部分の修正案、ちょっと順番が逆になっております。内容にわたる部分と、文書あるいは字句、てにおはの修正等もございますが、まず基準にかかる修正事項が若干ございますので、そちらからご説明し、あわせて必要な部分について前文の方をごらんいただきたい。その後で、その他の前文のところのご説明を簡単にさせていただきたいと思います。

まず、資料1の冒頭、「中間監査の目的」の第2パラグラフの最後の部分の文章でございますが。前回は、左側をごらんいただきますと、「意見表明のための合理的な基礎を得た」というふうになっております。これは、その前は「合理的な保証」となっていたところを、前回一応修正をしてご意見をちょうだいしたところでございますが。この点、今回の修正案では「合理的な保証」という用語に戻しております。

この点は、前文の方ですと、資料2の3ページをごらんいただきたいと思うんですが。3ページの「主な改訂点」の1、そこの最後の部分、第3段落のところでございますが、ここに対応するところでございます。ここも同じく、「合理的な保証を得たとの中間監査人の判断を含んでいる」というふうに直しております。

そうしまして、ここの文章が非常に長くなりましたので、一旦切りまして文章を区切って、中間監査における合理的な保証の意味と、前回では途中に入っていた下線の部分ですが、「本中間監査基準に基づく監査手続きを実施する中で」となっている部分を、もう一つ後ろに文章として区切って整理をしまして、中間監査における合理的な保証の意味ということを、ここに、内容としては同じでございますが、文章は区切って記載をさせていただく形になっております。

次に、また資料1をごらんいただきたいと思うんですが。その中間監査の目的の、ただいま申し上げました下線の上の部分でございますが、前回「中間財務諸表の有用な情報の表示に関して」というのが入っていたのを今度は取ってあります。これは特に他意はないんですが。その上の第2段落の冒頭の部分も同じフレーズの文章がありまして、繰り返しになっておりますのでこれがなくても文章として読める、非常に冗長な文章になっておりましたので、ダブりを省いたという趣旨だけでございます。

それから、資料1の2ページでございます。「実施基準」のところでございますが、ここに3を追加しております。これは、監査基準の構成と比較いたしまして、中間監査における監査要点と監査の実施との関係、これを一応整理をした方がいいのではないかというご指摘がございましたので、文章的にはほぼ監査基準の文章と同様の規定でございますが、要は監査要点に適合した監査証拠を入手するという趣旨の同様の趣旨ですが、ここも実施基準の構成上、この一文、この規定を追加をして監査基準との整合的な基準とさせていただいたということでございます。

ここに1項目を追加いたしましたので、前文の方ですと資料2の4ページになりますが、4ページの一番最後の2行のところでございますが。「中間監査に係る監査要点を自らの判断で設定し、監査要点に適合した十分かつ適切な監査証拠を入手しなければならない。」これも監査基準の前文とほぼ同じ文章でございますが、一応実施基準の方に入りましたので、ここにその同様の趣旨を挿入させていただいております。

それから、また資料1でございますが、同じく実施基準の、番号がずれておりますが、6、前回の資料では5をここに、継続企業の前提に係る記述がございます。ここですが、内容的には変えるというものではございませんが、非常に文章が長く、冒頭に「前事業年度の決算日において」とございまして、また3行目にこれこれの場合においてというふうに、ちょっと文章がうまくできておりません。そこで、このダブりを省きまして、右のように、「これらに係る経営者の判断及び経営計画等の変更について検討しなければならない」というふうに入れております。

内容的には、前事業年度末において、いわゆるゴーイング・コンサーンに疑義を抱かせる事象が存在している場合には、当中間期、翌中間期において、その事象の変化あるいは経営計画が変わっているかどうか、そういうことについて検討する。この趣旨は変更はございません。

それから、1枚おめくりいただきまして3ページでございますが、「報告基準」の1、ここは下線がございますが、「企業の」という言葉の順番を入れ換えただけでございます。ちょっと文章がここも非常に長いので、2行目、「中間財務諸表の作成基準に準拠して」で切りまして、「企業の中間会計期間に係る財政状態、経営成績」と、このように文章を語順を入れ換えて整理をさせていただいただけでございます。

それから、その下に2として、中間監査報告書の記載内容がございますが、そこの一番最後、(2)の最後の行でございます。ここも「合理的な保証を得る」ということで、目的の文章の修正に合わせて用語を修正しております。

それから、それに続きます文章で、4ページ目に続きますが、上から3行目のところに、「監査手続との相違」というところがございました。ここは前回、相違があれば何でも書くのかというような趣旨にとられかねないということでしたので、一応「重要な相違」ということでそういう趣旨ではないということで入れてございます。

それから、(3)の監査意見の最後のところでございますが。「有用な情報を表示していると認められること」と、これは監査基準の方の表現と合わせた方がいいというご指摘がございましたので、そのように監査基準と合わせた表現に直しております。

それから、5ページ目でございます。報告基準の7でございますが。ここは、監査基準にある4項目を7ということで1つの項目にまとめておりますので、冒頭にそういう旨の記載をしておるわけでございますが。ここの「重要な疑義を抱かせる事象又は状況が存在している場合には」というのを、「重要な疑義が認められる場合には」と、これは監査基準の方の表現では、監査人の判断のところはこのような表現がとられておりましたので、これも監査基準の表現に合わせたものでございます。

それから、その下に、「次のとおり意見の表明及び中間監査報告書の記載を行わなければならない。」と申しますのは、この(1)から(3)に規定してありますことは、監査意見と報告書の書き方が両方ございますので、念のためにこのように表現をさせていただいております。

それから、その中の(2)の3行目に、「限定意見」とございますが、これは「限定付意見」でございまして、「付」の字が脱字でございましたので、これを直したところでございます。

そのほかは修正はございません。

次に、資料2の方の前文で、ただいまご説明しました関係以外のところをご説明させていただきます。大部分は文章や字句の修正でございますが、てにおは的なところはちょっと若干省かせていただきます。

まず1ページ目でございますが、上から3行目の下線の部分は、これは「中間財務諸表」という用語の定義の場所を、下にあったのを上にもってきたというだけでございます。

それから、中ほどの下線のところは、「中間財務諸表の作成基準」、この言葉に前回統一したんですが、前回の資料で修正漏れでございましたので、修正をしております。すべてこの用語で統一されているということでございます。

それから、資料2の2ページ目の「改訂の基本的考え方」でございますが、2行目の「監査意見の明確化」を「監査判断の規準の明示」と直しましたのは、特に大きな意味があるわけではございませんが、その前に「明確化」という用語が出てきますので、ちょっと文章的に同じ用語が繰り返しになると。それから、監査意見の明確化ではなくて、「監査判断の規準の明示」ということが適切であろうということで用語を修正しております。

それから、第2段落の部分でございますが、これも内容的には中間監査基準で特に規定がない事項は監査基準を準用すると、このような趣旨はかわっておりません。ただ、文章の表現がもう少し整理をして明確にした方がいいのではないかというご指摘もございましたので、まず一般基準については当然中間監査人も守るべきものだと、規範であるということを述べまして、その他の事項で本基準に特に指示のないものについては実施基準、報告基準の指示に準じて適用されるものということで、一般基準、実施基準、報告基準と整理しつつ、文章を整えたところでございます。

それから、下から2行目、左側に「しかしながら」とありますが、これはつながりが悪いというご指摘を前回ちょうだいしましたので、削除しております。

それから、3ページ目に文章が続いておりますが、3ページのところ、若干文章が長いので切っております。また、上から4行目の、「監査手続の一部を省略する」という、この「省略」は、前回「省略」という形に「簡略化」からかえようということでございましたで、直しもれでしたので、ここは直したところでございます。

それから、その文章の最後でございますが、「中間監査人は中間監査に求められる信頼性の保証を得ることができる」。これは前回は「相当程度の保証を得る」となっていたんですが、「相当程度」といいますと、また程度の理論というのはなかなか難しゅうございますので、むしろ基本的考え方における中間監査の位置づけを踏まえまして、「中間監査に求められる信頼性の保証」ということで、特に違うことを言うわけではないということの趣旨から修正をしています。

次の「主な改訂点」の1のところは先ほどご説明をしたとおりでございます。若干字句の修正はございますが。

それから、4ページの「実施基準」でございますが。最初のところは、ちょっとこれは文章を整理しただけでございますが。第2段落の中ほどのところに、「分析的手続」の定義をしました。これは、「分析的手続等」という「等」が何かよくわからない。ついていたりついてなかったりするというご指摘がございましたので、ここにつきましてはまさに現行の中間監査基準を踏まえまして「分析的手続、質問及び閲覧(以下「分析的手続等」という。)」ということで、用語の定義を明確にさせていただいたところでございます。

それから、4ページの最後の行のところは先ほどご説明した監査要点のところを挿入したということでございます。

それから、5ページ目の続いております文章の最後、適切な指示を行うことを求めることとしたと、これはこの前のご指摘で文章の語尾を直しております。

それから、3の「報告基準」の第2段落の中ほどですが、ここも「限定付」の「付」の字が脱字になっておりましたので、直しております。

修正箇所はそれだけでございます。

以上でございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。

それでは、この案につきまして、ご意見がございましたらご発言をいただきたいと思いますけれども。奥山委員には、ご都合があると伺っておりますので、最初にご発言いただけませんでしょうか。

○奥山委員

恐れ入ります。きょうは研究大会やっておりますので、途中で退席させていただきます。

私は、当初申し上げた監査基準と中間監査基準との関係を変えない中で監査基準の改訂に伴う中間監査基準の改訂と、そういうふうに了解をしておりましたので、今般のこの案は、先にも拝見しましたけれども、大体その趣旨に沿っているのではないかというふうに理解をいたしまして、私自身はこれで賛成という形で席を退かせていただきたいと。一言申し上げます。

○脇田部会長

ありがとうございました。公開草案としてはよろしいということでご発言いただいたと思います。ありがとうございます。

それでは、どうぞ皆様方にご発言くださいますようにお願いいたします。いかがでございましょうか。

特にご発言はございませんでしょうか。では、遠藤委員、どうぞ。

○遠藤委員

意見表明のための「合理的な基礎」というのは、「合理的な保証」にかわっているわけですけれども。私は監査の専門家ではないのであれなんですが。保証というのはどうも言葉として何かなじまないような感じがいたしておりまして。代案を出せと言われると特にないんですけれども。これ、監査基準をとかく外国の基準の翻訳とか何かでこういうことがありがちだというふうに話は聞いているんですけれども。ちょっと違和感があるなという感じをもっております。

もう一つは、公開草案をこれから出されるということで、その説明はこれからあるのかもしれませんが、いつごろからどの程度の期限でやられるのかということと。

公開草案の過程で、今般東京証券取引所が四半期の概要についてのアクションプランというのを出しましたので、どうしてもそれとの関連についての質問とか意見が出てくるのではないかと思うんですが。それについてはどういうふうにお答えになるんでしょうか。

○脇田部会長

今3つほどご指摘いただきました。最初の「保証」、つまり「合理的な保証を得た」ということにつきましては、これからのところで字句あるいは、これは内容、質的な問題にもかかわりますけれども、検討させていただくということにしたいと思います。

そこで、あと2つの点につきましては、あとの公開草案の公表の期間、それから四半期報告書についての東証のいろいろなプランなどが公表されております、ここのと関連につきましては、細田参事官からご説明いただきたいと思います。

○細田参事官

1つ目の公開草案のスケジュールでございますが、いつから公開草案を出すのかということは、まさにこの部会でのとりまとめが終わった後に決定させていただくと、そういうことかと存じます。ただ、その公開草案のパブリックコメントの期間につきましては、やはり通常1カ月を上回る期間は必要かなと思っておりますので、1カ月は超える期間かと思います。それを受けた後、また当部会でご審議をお願いしたいと思っております。

それから、2つ目にお話がありました証券取引所による四半期開示の検討の問題でございますが、一応私どものこの監査基準は現在の制度のもとでの年度末監査あるいは中間監査ということで整理してございますし。今話題に出ました四半期開示の問題につきましては、これは証券取引所の方での、あるいはそういう意味では会員上場企業に対するものという位置づけでありまして、必ずしもまだ制度、法定化ということで進んでいる話ではございませんので。これはこの中間監査基準の整理に当たりましても、今現在の制度、これを前提としたものとして整理してまいりたいというふうに考えてございます。

○脇田部会長

ありがとうございました。遠藤委員、いかがでございますか。

○遠藤委員

ここで議論する話なのかどうかわかりませんけれども、東証で要求されるものについて、何らの会計基準的なもの、あるいは監査法人の関与についての考え方が出されないままに一般の投資家に流れていくということになるわけなんですけれども。そういうことでよろしいのかどうかということなんですよね。

○脇田部会長

細田参事官、どうぞ。

○細田参事官

これ、整理の考え方ということになろうかと思うんですが。私どもこの場におきましては、証券取引法の規制ということを念頭に置きまして、そこにおいて規定されております年度監査あるいは中間監査ということでまず整理するということで位置づけてございます。したがいまして、そういう意味で今の証取法の制度のもとでの監査基準ということでご議論していただきましたし、そこでの整理ということかと思います。

一方、今おっしゃられた四半期の企業の財務情報開示につきましては、これは現時点ではあくまでも証券取引所において会員、上場している企業との間の整理ということでございますので、現時点におきまして法制度上のものという整理ではございませんので、現時点においてそことの関連を整理するという段階には至っておらないということで、これはこれで今の制度のもとで整理をさせていただくということで考えてまいりたいというふうに思っております。

○脇田部会長

ありがとうございました。ただいま遠藤委員から重要な問題提起をいただいておますが、中間監査基準につきましては、現行の証券取引法の制度の中での案として検討させていただきたいというふうに思っております。この点の、今問題提起していただきました部分については、細田参事官を初め、また事務当局においてご検討いただきたいということにお願いしたいと思います。

それでは、ご発言ございますでしょうか。渡辺委員、どうぞ。

○渡辺委員

すごく字句のことなんですが。資料1の2ページのところで、真ん中あたりで線が引かれているところなんですが。「当該事象または状況の変化並びに」の次の、「これらに係る経営者の判断及び経営計画等」というのは、何か最初読むとわかりにくいんですが、左側にある、既に示されていた経営計画あるいは判断というのを意味しているわけですか。「これらに係る」というのは。

○脇田部会長

この点は多賀谷課長補佐からお願いします。

○多賀谷課長補佐

そこも含まれるわけでございますが、ここの趣旨は、そもそもがある事象があった場合には経営者の方が経営判断なり対処案を示していただいて、監査人が検討するという、そこまでは逆に言うと前期末でやっているはずのことというんですか、監査基準で規定してある部分であると。それが残っているときに、その状況が続いていなければもちろんいいわけですけれども、続いていれば、前期末から、その状況の方は変更というか、自然に変化があるでしょうと。「これらに係る」というのは、当然そういう状況や変化も含めてですね、経営者の判断というのは、当然前期末に示した判断等の変更ということで、それも含んでおります。

ただ、この左側の文章ですとちょっと、「合理的な経営計画等を提示する場合において」というのは、何か提示してない場合があるんですかというような読まれ方をすると、ちょっと監査基準の趣旨、そもそもの監査基準の規定と何か矛盾するような読まれ方がされるとちょっとおかしいのではないかという感じでしたので、当然そこまでは監査基準でカバーをしてあるという前提の文章に少し短くしました。

○渡辺委員

私もそういう意味かなと思ったんですが。あくまで字句のあれなんですが。「これらに係る」というのはちょっと大ざっぱすぎてよく意味が通らないような気がしまして。例えば、「変化並びにこれらに対して示された経営者の判断」とか、何か書いていただいた方がすっきりわかるんじゃないかと思います。

○脇田部会長

ご指摘いただいた点は字句の問題でございますし、表現を明確化する意味で検討させていただきたいと思います。

ほかにこ発言ございませんでしょうか。特にさらにつけ加えてのご発言ございませんでしょうか。

それでは、これまで非常に時間をかけてこの中間監査基準の案につきましてご意見をいただいてまいりました。ここに一つの案として、おおむねご意見が集約されてきたというふうに思います。ただいま渡辺委員からもご指摘、あるいは遠藤委員からもご指摘いただきました点ございますけれども、ご意見をさらに参考にさせていただきたいと思いますが。

本日の修正案に基本的にご賛同いただくことができますでしょうか。

ありがとうございました。(異議なしの声)

それでは、この後の字句の修正等につきましては、私にご一任いただきたいというふうにお願いいたします。よろしゅうございましょうか。

ありがとうございました。

それでは、今後字句修正等を行いまして、公開草案の形に整えさせていただくことにいたしたいと思います。

なお、公開草案の公表につきましては、会長、本日ご欠席でございますけれども、会長ともご相談いたしまして調整してまいりたいと考えております。

恐縮でございますけれども、公表されるまでの間は本日の資料のお取り扱いにつきましてはどうぞご留意いただきたいと思います。

それでは、本日はこれにて第二部会を閉会させていただきたいと思います。

なお、今後の日程につきましては改めて事務局からご連絡させていただきます。委員の皆様にはご参集いただきましてありがとうございました。

それでは、閉会とさせていただきます。

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