企業会計審議会第1回サステナビリティ情報保証部会議事録

  1. 日時:

    令和8年5月25日(月曜)15時00分~17時00分

  2. 場所:

    中央合同庁舎7号館 13階 共用第1特別会議室

  3. 議題:
    • (1)国際サステナビリティ保証基準の概要説明
    • (2)事務局説明
    • (3)討議
  4. 出席者:
    【委員】
    阪智香(会長)、井口譲二、浅川健一、上田亮子、植村一之、甲斐幸子、後藤敏文、芹口尚子、
    林隆敏(オンライン)、藤本貴子、堀江正之、牧野初美、松元暢子(オンライン)、弥永真生(オンライン)、
    山口奈美
    【金融庁】
    井上企画市場局長、新発田審議官、小長谷企業開示課長、繁本総務課長、反町開示業務室長、
    倉持国際会計調整室長
    【法務省】
    宇野民事局参事官(オンライン)
  5. 議事録

【阪部会長】

定刻になりましたので、ただいまより企業会計審議会第1回サステナビリティ情報保証部会を開催いたします。皆様、御多忙のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。

サステナビリティ情報保証部会長を務めます阪でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

後ほど事務局より説明をしていただきますが、本部会は、本年4月24日の企業会計審議会総会におきまして、国際的な動向を踏まえ、サステナビリティ情報の第三者保証について、国際基準と整合性が確保された基準のあり方について必要な審議、検討を行うことを目的として設置されたものでございます。本日は初会合となりますので、まず、事務局より、サステナビリティ情報保証部会の会議の運営及び公開について御説明をさせていただきます。

【反町開示業務室長】

事務局を務めさせていただきます企業開示課開示業務室長の反町でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

企業会計審議会には、内部規定として、企業会計審議会議事規則が定められております。当部会も本規則に基づき運営することとなっておりまして、部会長は、必要があると認めるときは、情報通信機器を利用して会議を開催することができるとされており、部会長が議長となって議事を運営することとされております。また、部会長は、部会に諮った上で会議を公開することができる旨が規定されており、会議の公開については、部会の都度お諮りする形が取られております。

【阪部会長】

ありがとうございました。本日の会議でございますが、企業会計審議会議事規則にのっとり、対面とオンライン会議を併用した開催とさせていただきます。

それでは、本日の会議の公開についてお諮りいたします。企業会計審議会議事規則にのっとり、本日の会議を公開することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【阪部会長】

ありがとうございます。御了解いただきましたので、本日の会議の模様はウェブ上でライブ中継をさせていただきます。議事録は、作成の上、金融庁ホームページにて後日公開をさせていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。

それでは、会議を始める前に、事務局から各委員の御紹介、会議の留意事項をお願いいたします。

【反町開示業務室長】

それでは、まず初めに、サステナビリティ情報保証部会の委員の方々を御紹介申し上げます。机上にサステナビリティ情報保証部会の名簿をお配りしております。御出席の委員の皆様がお座りになっている順に御紹介させていただきます。

井口譲二委員です。

【井口委員】

よろしくお願いいたします。

【反町開示業務室長】

堀江正之委員です。

【堀江委員】

堀江です。どうぞよろしくお願いいたします。

【反町開示業務室長】

浅川健一委員です。

【浅川臨時委員】

浅川でございます。よろしくお願いいたします。

【反町開示業務室長】

上田亮子委員です。

【上田臨時委員】

上田でございます。よろしくお願いいたします。

【反町開示業務室長】

植村一之委員です。

【植村臨時委員】

植村です。よろしくお願いいたします。

【反町開示業務室長】

甲斐幸子委員です。

【甲斐臨時委員】

甲斐です。よろしくお願いいたします。

【反町開示業務室長】

後藤敏文委員です。

【後藤臨時委員】

後藤でございます。よろしくお願いします。

【反町開示業務室長】

芹口尚子委員です。

【芹口臨時委員】

芹口でございます。よろしくお願いいたします。

【反町開示業務室長】

藤本貴子委員です。

【藤本臨時委員】

藤本でございます。よろしくお願いいたします。

【反町開示業務室長】

牧野初美委員です。

【牧野臨時委員】

牧野です。よろしくお願いいたします。

【反町開示業務室長】

山口奈美委員です。

【山口臨時委員】

山口でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【反町開示業務室長】

続きまして、オンラインから御参加いただいております委員について御紹介させていただきます。

林隆敏委員です。

【林委員】

よろしくお願いします。

【反町開示業務室長】

松元暢子委員です。

【松元委員】

よろしくお願いいたします。

【反町開示業務室長】

弥永真生委員です。

【弥永臨時委員】

よろしくお願いいたします。

【反町開示業務室長】

事務局につきましては、お手元の配席図をもって御紹介に代えさせていただきます。

続きまして、会議の留意事項について御説明させていただきますが、留意事項などを御案内させていただく前に、記者の皆様におかれましては、以降の撮影はお控えいただきますようお願いいたします。

本日の会議におきましてはオンライン会議を併用した開催としておりますが、オンラインで御参加の委員におかれましては、御発言を希望される際にはオンライン会議システムのチャット上にて全員宛てにお名前を御入力ください。そちらを確認の上、部会長から指名いただきます。また、御発言される際には、冒頭にお名前をお願いいたします。なお、対面で御参加の委員におかれましては、お名前のプレートを立てていただければ、部会長から指名いただきます。御発言後は、お名前のプレートを元にお戻しいただくようお願いいたします。

それでは、阪部会長、よろしくお願いします。

【阪部会長】

ありがとうございます。

それでは、議事に移らせていただきます。御案内のとおり、本年4月24日に開催されました企業会計審議会の総会におきまして、サステナビリティ情報保証部会の設置についての審議が行われました。その中で、冒頭に申し上げましたとおり、国際的な動向を踏まえ、サステナビリティ情報の第三者保証について国際基準と整合性が確保された基準のあり方について本部会において審議を行うこととされましたので、御議論を行っていただければと思っております。

まず、甲斐委員より、国際サステナビリティ保証基準の概要について御説明いただいた後、事務局より、サステナビリティ情報の保証基準等の検討に関する資料について御説明いただきたいと思います。その後、まとめて御質問、御意見をお伺いしたいと思います。

それでは、甲斐委員から御説明をお願いいたします。

【甲斐臨時委員】

日本公認会計士協会テクニカルディレクターの甲斐です。本日は、説明の機会をくださりありがとうございます。

ISSA5000サステナビリティ保証業務の一般的要求事項の概要について、説明させていただきます。

次のスライドをお願いします。

本日はまず、基準の特徴を説明しまして、その後、具体的なポイントを紹介したいと思います。

まず、基準の大きな特徴を説明いたします。IAASBはサステナビリティ報告、保証をめぐる国際的な動きや各国の動向を踏まえて、ステークホルダーとの対話を続けてきました。その中で、サステナビリティ報告の保証に特化した国際的な基準を求める声が強く寄せられたことから、ISSA5000を策定いたしました。ISSA5000は、サステナビリティ情報の保証業務に対するグローバルベースラインを提供する基準です。プリンシプルベースの基準でありながら、保証業務の一貫性を確保するために必要な規定が盛り込まれております。また、ISSA5000は包括的な基準になっております。将来的に、ステークホルダーのニーズに応じて、ISSA5000の下に位置づけられる個別の保証基準を開発する場合には、その土台となるということが想定されています。

主な特徴としては、まず、様々なサステナビリティ情報に関する保証業務に適用できる点が挙げられます。つまり、特定の作成報告基準に依拠せずに、多様な情報に対応できるように設計されています。それから、限定的保証と合理的保証の双方を扱っています。さらに、会計士だけではなく、様々な保証業務提供者が適用できる基準になっています。いわゆるprofession-agnosticな基準であるということです。この点に関連して、倫理基準と品質マネジメント基準については、どの保証業務実施者が業務を行う場合でも同等の水準が確保できるような規定になっております。この点につきましては、また後ほど改めて説明させていただきます。

それから、ISSA5000は、契約の新規の締結及び更新から報告まで、つまり、保証業務の開始から完了までの一連を全て扱っている基準です。

次のスライドをお願いします。こちらのスライドは、全体のイメージまでに、ISSA5000の目次を記載いたしました。今申し上げたとおり、ISSA5000は保証業務の開始から完了までの一連を扱っております。加えて、保証業務を行う上での基本的な原則や概念も扱っています。よって、包括基準ではありますが、200ページ超と割と長い基準です。基準の開発に当たっては、既存のIAASBの基準が参考にされました。具体的には、ISAE3000という財務諸表監査とレビュー以外の保証業務に適用となる現行の一般基準や、GHG報告に対する保証基準として策定されていたISAE3410の内容が参考にされております。さらに、財務諸表監査の基準である国際監査基準、ISAの内容も参考にされています。

以降でISSA5000の主なポイントを簡単に説明いたします。

まず、ISSA5000は、いわゆるprofession-agnosticな基準です。保証業務実施者を会計士には限定しておりません。一方で、ISSA5000に従って業務を行う前提として、誰が業務を行う場合でも、倫理と品質マネジメントについては同等の水準を確保することが必要となります。そこで、(2)に記載したとおり、品質マネジメントについては、IAASBが公表している品質マネジメント基準であるISQM1に従うこと、または適切な当局等がISQM1を少なくとも満たすと決定した職業専門家の要求事項や法令等に従うことが求められています。また、倫理については、国際会計士倫理基準審議会、IESBAが公表しているサステナビリティに関する倫理規程に従うこと、または適切な当局等がそれらを少なくとも満たすと決定した職業専門家の要求事項や法令等に従うということが求められております。

次に、マテリアリティを説明いたします。まず、①は、企業のマテリアリティ・プロセスに対する保証業務実施者の理解等についての説明です。サステナビリティ情報で報告すべきサステナビリティ事項や報告バウンダリーを決定するために企業が適用するプロセスについて、保証業務実施者は業務の様々な局面で考慮することが必要になり、関連した規定が設けられております。それから、②は保証業務実施者の重要性です。保証業務実施者は、保証業務を計画・実施し、また、識別した虚偽表示を評価するために、保証業務実施者の重要性を決定、考慮することが求められます。

(2)では、見積りと将来情報について説明させていただいています。両者は異なる概念ですが、いずれも不確実性が伴うという部分で共通していると思います。そこで、両者の違いも踏まえつつ、関連する要求事項をまとめて扱っております。また、将来情報については、適用指針で保証業務実施者の責任を明確にするための説明が行われております。

次に、グループとバリューチェーンについて説明いたします。ISSA5000は、単体のサステナビリティ情報とバリューチェーン企業を含むグループサステナビリティ情報の両方に適用されます。基準の中では、包括基準として適切な範囲で、基本的な概念や要求事項が扱われています。

次に、内部統制の理解とリスク評価について説明いたします。この領域では、限定的保証と合理的保証で要求事項が分けて定められております。まず、内部統制システムの理解については、ISSA5000は、COSOのフレームワークと同様に、内部統制を5つの構成要素に分けて説明しております。限定的保証と合理的保証を比較しますと、まず、実施する手続の種類が違います。限定的保証では、質問を通じて記載した4つを行うことが求められているのですが、一方で、合理的保証の場合には、質問とその他の手続を通じて記載した5つを行うということが求められています。それから、手続が求められる範囲や内容についても、表に記載したとおり、違いが設けられております。

次に、重要な虚偽表示リスクの評価について説明いたします。限定的保証でも合理的保証でもリスク・アプローチが求められます。つまり、どこに重要な虚偽表示が生じるリスクがあるかということをまず評価して、リスクに応じて重点的に手続を行っていくという考え方です。ただ、リスク評価に求められる粒度が異なります。限定的保証では、開示情報レベルで重要な虚偽表示リスクの識別と評価が求められますが、一方で、合理的保証では、開示情報をさらに細分化したアサーション・レベルで重要な虚偽表示リスクを識別、評価するということが求められています。アサーションとは、財務諸表監査で使われている概念です。1つの開示情報について、例えば網羅性ですとか正確性ですとか、虚偽表示の生じ方は様々となります。ですので、合理的保証の場合には、こうした観点でより細分化してリスク評価を行うことが求められております。

次に、サステナビリティ保証業務を実施する業務実施者と財務諸表監査人が異なる場合の連携について御説明します。サステナビリティ情報が含まれる書類に監査対象の財務諸表が含まれる状況において、財務諸表とサステナビリティ情報の間に重要な相違がある、もしくは財務諸表に重要な誤りがあると思われるということに気づいた場合には、保証業務実施者は、法令等で禁止されていない限り、企業の経営者に加えて、財務諸表監査人にその旨のコミュニケーションを行うことが要求されています。

次に、保証報告書の記載内容を説明いたします。保証報告書の規定は、現行の保証基準であるISAE3000とISAE3410をベースに、ISA、国際監査基準の規定を適宜取り入れたものになっています。主な特徴としては、限定的保証業務では、保証報告書に実施した手続の要約を記載することが求められています。これは、限定的保証では合理的保証に比べて保証水準が相当程度低く、また、手続の内容も業務によって様々なためです。そこで、保証報告書で表明している結論の背景を利用者の方が理解いただけるように、手続の内容を説明することが必要だと考えているためです。それから、財務諸表監査で求められている監査上の主要な検討事項(KAM)につきましては、こちらはISSA5000では要求されておりません。

私からの説明は以上となります。御静聴ありがとうございました。

【阪部会長】

ありがとうございました。続いて、事務局から説明をお願いいたします。

【反町開示業務室長】

事務局でございます。よろしくお願いいたします。

資料2ページの目次を御覧ください。

最初に、サステナビリティ情報の開示保証に関するこれまでの制度整備や国際基準の概要等について、次いで本部会における保証基準等の検討について基本的な考え方を説明いたします。その上で、国際基準と調整すべき具体的論点について御説明します。

3ページを御覧ください。

今年1月に取りまとめられました金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」の報告書の概要をお示ししております。プライム市場上場企業を対象に、時価総額の大きな企業から順次SSBJ基準に準拠して有価証券報告書を作成することを義務づけること、また、保証に関しては、保証業務実施者を登録制とすることとともに、企業に対して開示基準の適用義務化の開始時期の翌年から保証を受けることを義務づけることが提案されております。これらの内容を盛り込んだ金融商品取引法の改正案を、4月10日に国会に提出させていただいたところです。

4ページを御覧ください。

サステナビリティ情報の第三者保証については、国際基準と整合性が確保された基準に準拠して実施することとし、保証業務実施者は、監査法人、監査法人以外のいずれであっても、要件を満たす場合には登録可能という制度が提案されているところです。

5ページを御覧ください。

金融審議会において、保証業務実施者が遵守すべき基準のあり方については、企業会計審議会において審議し結論を出すことが適当とされたことを踏まえまして、4月24日に企業会計審議会総会が開催されました。そして、国際的な動向を踏まえ、サステナビリティ情報の第三者保証について、国際基準と整合性が確保された基準のあり方について必要な審議・検討を行うことを審議事項としたサステナビリティ情報保証部会、本部会の設置が認められたところです。

資料7ページを御覧ください。

国際基準の概要になります。甲斐委員から御説明があったとおりですので、詳細は割愛いたしますが、ISSA5000は、IAASBが策定した国際サステナビリティ保証基準でして、原則主義に基づく包括的な基準とされております。公共の利益に資する質の高いサステナビリティ保証業務の実施を支えるものとして、品質管理に関するISQM1やIESBA倫理規程を少なくとも満たす基準の遵守が求められております。

資料8ページを御覧ください。

こちらは、ISSA5000の主な要求事項でございますが、先ほど甲斐委員から御説明がありましたので、割愛いたします。

資料9ページを御覧ください。

ISQM1は、IAASBが事務所の品質管理の強化等を目的として公表したものであり、リスク・アプローチの適用、すなわち品質目標を事務所自らが設定し、品質リスクを識別評価し、評価した品質リスクへの対応をデザインし適用することや、少なくとも年に一度の品質管理システムの評価を要求しております。

10ページを御覧ください。

ISQM1の具体的な要求事項になります。a.事務所のリスク評価プロセスの構築から、h.モニタリング及び改善プロセスの構築実施、に至るまで、詳細な要求事項が規定されております。

続いて、11ページを御覧ください。

国際サステナビリティ倫理・独立性基準、IESSAにつきましては、国際会計士倫理基準審議会、IESBAにおいて策定されたものです。従来のIESBA倫理規定に加えまして、独立したパート5が新設され、サステナビリティ保証に関する倫理・独立性の基準として規定されております。これは、既存の財務諸表監査に係るIESBA倫理・独立性基準と同水準の基準とされております。

12ページを御覧ください。

IESSAの具体的な内容として、職業専門家としての能力や正当な注意、あるいは違法行為への対応といった倫理基準、また、ローテーションや被保証業務との同時提供の禁止といった独立性基準から構成されております。金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」における議論も踏まえまして、財務諸表監査における公認会計士法の規定と同様に、例えば違法行為への対応ですとかローテーションなどの一部の項目については、法令にも盛り込む方針としております。

13ページを御覧ください。

諸外国におけるサステナビリティ開示・保証の動向をお示ししております。フランス、オーストラリアなどにおきましては、開示・保証ともに既に制度が適用されている一方で、ドイツや英国などでは、現時点では未実施となっています。保証基準につきましては、諸外国においても、国際基準と同等な基準の導入に向けた検討がされております。フランス、ドイツにつきましては今後検討と記載しておりますが、欧州では、ISSA5000を基礎とした基準について、欧州委員会による採択に向けた検討が行われているところです。オーストラリア、イギリスにおいては、既にISSA5000と同等の基準が策定されております。

続いて、資料14ページですが、こちらはISSA5000と同等の基準を策定している国の例をお示ししておりますが、先ほど申し上げたとおりですので、説明は割愛いたします。

続いて、保証基準の検討についてです。

16ページを御覧ください。

企業会計審議会総会におきましては、保証に関する基準のあり方、また、基準策定に向けたスケジュールについて、例えば国際基準と整合した基準としつつ、必要に応じて修正できるようにすること、複数の基準を採用することによる投資家の混乱のリスクを避けるためにIAASB等が設定した国際基準のみを採用すべきこと、国際基準の頻繁の改定にも柔軟に対応できるような基準のあり方とすること、2028年3月期から保証が義務化されるために、遅くとも2027年3月までに新基準等を利用可能とすること、といった意見がございました。

17ページを御覧ください。

保証基準等の検討に係る基本的な考え方についてです。まず、1つ目のところですが、総会における御意見と同様に、我が国において第三者保証を実施するための基準は、国際基準、すなわちISSA5000、ISQM1、IESSAと整合的である必要があること、また、2027年3月を目指して保証基準等を利用可能とする必要があると考えられます。こうした方針の下、基準のあり方につきましては、国際基準との整合性を確保する方法として、国際基準を直接告示指定するといった方法も考えられますが、この場合は、我が国の実情を踏まえた対応というのが困難になりますので、国際基準と同等な基準としつつ、必要な調整を行う方法が有用ではないかと考えられます。

次に、本部会における審議の進め方ですが、2027年3月を目指すということを踏まえますと、本部会において、国際基準の要求事項一つ一つについて検討を行うのではなく、国際基準と同等な基準としつつ必要な調整を行うべき点を中心に審議を行い、意見書を取りまとめることが考えられます。また、そもそも国際基準には詳細な手続論が多く含まれますので、作成者である企業あるいは投資家にとっては、サステナビリティ情報の保証に関して重要と考えられる点が分かりにくいとの懸念も考えられます。本制度は、登録要件を満たす者であれば、監査法人、監査法人以外いずれであっても参入可能であることから、保証業務実施者が遵守すべき考え方といった広く基本的な事項を整理することは重要であると考えられます。このため、本部会におきましては、国際基準から必要な調整を行うべき点に加えまして、保証業務実施者が遵守すべき基本的な考え方、保証の意義、目的、特に遵守すべき事項等について意見書を取りまとめられることが考えられます。

18ページを御覧ください。

実務指針と表現しておりますが、取りまとめられる意見書の内容をISSA5000等の国際基準を適切に翻訳したものに反映していく形で保証基準を策定していくことが考えられます。これについては、監査法人、監査法人以外のいずれであっても登録要件を満たせば参入可能な制度であること、また、現時点においては、サステナビリティ保証業務に関する自主規制機関が存在しないことを踏まえまして、当面の間は、金融庁が日本公認会計士協会等の関係機関と連携して策定することが考えられます。

続きまして、目次3、国際基準との調整に入ります。

資料22ページを御覧ください。

国際基準と同等な基準としつつも調整することが必要と考えられる項目について、事務局において検討したところ、4点をお示しさせていただいております。こちらについては、委員の皆様の御意見を踏まえて、必要に応じて論点の追加を検討していくことが考えられます。

次のページ以降で、具体的な中身について御説明いたします。

23ページについて御覧ください。

まず、1つ目の論点は、ガバナンスに責任を負う者です。ISSA5000に準拠した保証業務において、ガバナンスに責任を負う者とのコミュニケーションが重要となります。国際基準におけるガバナンスに責任を負う者、Those Charged with Governanceについては、財務諸表監査であれば会社法における規定を踏まえまして、監査役等が考えられます。サステナビリティ保証においては、現在、こうした会社法における規定は存在しないところではありますが、同様に、一般的には監査役等が考えられますところ、各企業のガバナンス形態等に応じて、保証業務実施者と企業との間であらかじめ合意することが望ましいといった考え方を示すことも考えられるかといった論点でございます。

24ページを御覧ください。

金融審議会での議論を踏まえまして、我が国においては、保証範囲については、当初2年間、Scope1・2GHG排出量、ガバナンス及びリスク管理とされておりますが、こうした部分保証を前提とした場合の考慮事項についてです。

まず、(1)適用される規準についてですが、ISSA5000において限定的保証の結論は、サステナビリティ情報が全ての重要な点において適用される規準に準拠して作成、または、適正に表示されていないと信じさせる事項が認められるかどうかを記載する形式で表明するとされておりますので、適用される規準が明確化されること、また、今回の部分保証の範囲に照らしまして、SSBJ基準のうち、どの項が適用される規準であるかについて明確化されることが望ましいと考えられます。

次に、(2)の保証範囲の明確化につきましては、SSBJ基準に準拠したサステナビリティ情報全体を保証する場合と異なり、部分保証においては、保証範囲に誤解がないよう、保証範囲が明確になることが重要になります。例えば、Scope1・2GHG排出量に関しましても、排出量のみならず、関連する定性情報についても保証範囲に含めることが期待されているものと考えられます。こうした保証の義務化の範囲につきましては、保証基準というよりは、関連する内閣府令等において今後明確化していくことが考えられますが、その上で保証報告書において保証範囲が明瞭に記載されることが望ましいと考えられます。

続いて、25ページを御覧ください。

審査に関してですが、ISQM1では上場会社の財務諸表監査において審査が明示的に要求されております。サステナビリティ情報の保証については、必ずしも明示的な要求事項とはなっていないところ、有価証券報告書におけるサステナビリティ保証業務の重要性を踏まえ、審査についても要求事項とすることが考えられます。

26ページを御覧ください。

保証業務実施者間の引継ぎ・共同保証についてです。我が国においては、監査に関する品質管理基準において、日本独自の要求事項として、監査事務所が交代する場合には、後任の事務所にとって過年度の情報が重要になるために、監査事務所に対して事務所間の引継ぎに関する方針及び手続を定め、適切な引継ぎを行うことを求めております。また、共同で監査を実施する場合には、ほかの監査事務所の品質管理のシステムが品質管理基準に準拠し、監査の質を合理的に確保するものであるかどうかを確かめることとされております。こうした考え方については、サステナビリティ情報の保証業務にも当てはまるところ、同様に、保証業務実施者間の引継ぎ・共同保証に係る規定を設けることが考えられます。

28ページを御覧ください。

御議論いただきたい事項でございます。

まず、基本的な考え方として、保証基準等について、2027年3月を目指して利用可能とし、「国際基準と同等な基準としつつ必要な調整を行う方針」についてどう考えるか。また、本部会における審議の進め方として、こうした国際基準との調整を行うべき点に加えて、保証業務実施者が遵守すべき考え方(保証の目的・意義、特に遵守すべき重要な事項等)を取りまとめる方針について、どのように考えるか。さらに、保証業務実施者が遵守すべき考え方に盛り込むべき要素・論点は何か。実務指針の策定方法について、「金融庁が関係機関と連携して策定する」方針について、どう考えるか。

最後に、国際基準との調整については、本日、事務局から提示しました4つの論点についてそれぞれどのように考えるか。また、ほかに検討が必要な論点があるか。これらについて御議論をお願いできればと存じます。

私からの説明は以上になります。

【阪部会長】

ありがとうございます。それでは、これまでの御説明も踏まえまして、今後議論すべき論点について幅広い観点から御質問、御意見をお願いいたします。限られた時間ではありますが、5分以内で御意見を頂戴したいと存じます。なお、本日の会議では、経過時間をお知らせするため、御発言から5分が経過したタイミングで事務局員よりメモを差し入れさせていただきます。加えて、御発言の順番については若干前後する可能性があるかと思いますが、あらかじめ御了承いただければと思います。

それでは、委員の皆様方から御意見、御質問をお出しいただければありがたく存じます。どなたからでも結構です。いかがでしょうか。では、井口委員、お願いいたします。

【井口委員】

御指名いただきありがとうございます。また、御説明どうもありがとうございました。この最後のページの御議論いただきたい事項に沿って意見申し上げたく思います。

最初の国際基準と同等な基準としつつ調整を行う方針というところにつきましては、企業会計審議会の総会でも発言させていただきましたように、複数の保証基準の採用による市場の混乱を避ける必要があること、開示において海外投資家から支持されるISSB基準あるいはSSBJ基準に準拠した基準が採用される中、この開示基準との親和性も考え、IAASB等が作成した国際保証基準等のみを採用するということを前提とした上で、我が国において必要な調整を行うといった方針が妥当と考えますので、賛同いたします。

その下のところですが、初めての制度的な保証基準の導入となりますので、意見書においては、保証導入の背景とか、保証範囲を段階的に拡大する背景など、この議論に加わっていらっしゃらない方もよく分かるようなことを書くということが必要と思っております。

また、強調すべき論点といたしましては、現状の任意のサステナ保証の状況を踏まえますと、保証のテクニカルな部分というよりも、ISSA5000でも求められております品質管理基準、であるISQM1や倫理基準であるIESSAなど、保証を行うに当たって基盤となるところが非常に重要になってくるのではないかと考えております。財務諸表監査では、既にこういったことが根づいていて、今さら強調する必要もないとは思うのですが、任意で長くやってきたサステナビリティ保証においては根付いていない部分もあると思いますので、ここは非常に強調すべき部分ではないかと思っております。

あと、実務指針の策定方法につきましては、今回様々な議論ございましたが、結論としては、Non-PAの方も入った形での制度導入ということが決まったと理解しておりますので、御記載のように、金融庁が、JICPAなどの関係諸機関と連携され策定されるということが論理的ではないかと思っております。

その次の国際基準との調整というところですが、論点1のガバナンスの記載事項について、方向性については賛同いたしますが、23ページのISSA5000の仮訳のところで1点気になるところがあります。一番最後に、一部の国では、ガバナンスに責任を有する者に経営者が含まれる場合もあると記載されておりますが、ガバナンス的に言えば望ましくないと思っております。保証業務者と企業の間であらかじめ経営者を除くことを合意するということも、実務上、厳しいと思いますので、保証基準などで、我が国においては経営者を除く旨を明確にするという必要があるのではないかと思います。

論点2の部分保証を前提として、どこまでの範囲が保証されたのかということを明確化しておくことは、利用者にとっても重要なことと思いますし、論点3の審査については、先ほど申し上げましたように、品質管理が1つ重要なポイントになってくると思いますので、これも非常に重要になると思います。

あと、最後の論点4も、これも今まで財務諸表監査でも非常に重要なところとなってきたところで、サステナ保証でも同様に重要になると思っておりまして、これを取り入れる方向で賛同したいと思います。

以上でございます。ありがとうございます。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。続きまして、オンラインから御参加の林委員、お願いいたします。

【林委員】

ありがとうございます。関西学院大学の林です。オンラインから失礼いたします。

どうも資料説明ありがとうございました。私も、事務局説明資料の、今映していただいている26ページに対応する形で意見を申し上げます。

まず1つ目、基本的な考え方の1つ目ですけれども、サステナビリティ情報の開示保証に関する法制度との関係がありますので、2027年3月を目指して利用可能とする必要があると考えております。それから、ISSA5000がいわゆるグローバルスタンダードとして受け入れられていること、あるいはSSBJ基準がISSB基準との整合性を基礎として開発されていること、多くの日本企業が、EUその他海外の規制を受ける可能性があること、また、資料にも書かれていたかと思いますが、日本市場が国際的な信頼性を確保する必要があること、もう一つ、必要に応じて柔軟に基準を修正できるようにすべきと考えられること、これらの観点から、国際基準と同等な基準としつつ必要な調整を行うということに賛成をいたします。

続きまして、2つ目の黒丸の前半ですけれども、国際基準と同等な基準としつつ必要な調整を行うべき点を中心に審議を行って意見書を取りまとめるとの御提案、方針自体には賛成いたします。ただ、事前説明でも申し上げたのですが、本部会意見書の位置づけというのが十分に皆さんと共有できていない、理解できていないと自覚をしております。具体的に申し上げますと、皆様も御承知かと思いますが、企業会計審議会の監査部会が作っている監査基準は、金商法の監査証明との関係において、一般に公正妥当と認められる監査の基準に該当すると位置づけられていますが、そういう考え方に照らして、この部会の意見書がどのように位置づけられるのかということが、ちょっとまだつかめていません。

特に、この意見書に取り込むべき要素・論点は何かというところですけれども、先ほどイメージできていないとは申し上げたものの私なりに考えたところ、平成14年に全面改定された監査基準の前文をイメージしております。ですから、経緯とか、今回の意見書の性格、構成、位置づけ、あるいは保証業務一般に関する基本的な事項として目的、独立性、専門性、限定的保証、それからサステナビリティ情報の保証業務に特異な事項について、説明をしたり定義づけを書いたりすることになるかと考えております。サステナ情報の保証業務に特有の事項としましては、業務実施者の専門的能力とか保証対象、その選定プロセス、バウンダリー、マテリアリティ、将来志向情報としての不確実性等々、いろいろものが考えられるかと思います。それから、今般の議論に当てはめますと、本部会が作成する意見書と、例えば監査部会の品質管理基準、JICPAの品管報告書、倫理・独立性に関する法令規則やJICPA規則との関係なんかも候補になるのではないかと考えております。

ただ、これも私の理解不足かと思いますが、スライド18に、保証基準、品質管理基準、倫理・独立性基準のそれぞれについて企業会計審議会の意見書が書かれていますが、これが本部会で作成する予定の意見書なのかどうかによっても議論が変わると思っております。

それから、基本的な考え方の3つ目ですけれども、これにつきましては、本部会が作成する意見書の下で具体的な実務指針を設定する主体として、サステナビリティ情報の保証業務実施者によって構成される自主規制機関というのが論理的には最も望ましいと考えております。ただ、そのような自主規制機関は当面ございませんので、次善の策として、御提案のとおり、金融庁が保証業務実施者等の適切な関係者と連携して作成することが適当であろうと考えております。

続きまして、国際基準との調整の1つ目ですけれども、ここにお示しいただいております4つの事柄につきましては、同意・賛成いたします。それぞれ重要と思います。

最後ですが、その他国際基準の適用に当たって検討が必要な論点ですが、それに当てはまるか、あるいは本部会でどこまで議論するかに関わるのですけれども、品質管理に関しまして、先ほども申し上げましたが、企業会計審議会の品管基準やJICPA品管報告書1号2号との関係とか、独立性規制との関係整理というようなものが重要ではないかと今のところ考えております。

途中で申し上げましたとおり、ちょっと全体像の理解不足があるかもしれませんので、あいまいな点も含まれておりますが、御容赦いただければと思います。

私からは以上です。ありがとうございました。

【阪部会長】

御意見どうもありがとうございました。

続きまして、オンラインで御参加の弥永委員、お願いいたします。

【弥永臨時委員】

ありがとうございます。幾つかの点について発言をさせていただければと思います。

まず、国際基準と同等な基準という方向性は適当だと私も思います。それは、先ほど林委員もおっしゃっていたように、EU向けの規制を日本企業が受けるときに、二重に保証を受けなければいけないというような事態が生じないような基準というものを、今回は定める必要があるのではないかと考えております。

また、意見書につきましては、これは先ほど林委員も御指摘になられていましたけれども、監査基準のいわゆる前文に相当するようなものだというように私は理解して今日の事務局からのご説明を伺っておりました。それぞれの細かい基準、これから金融庁が開発してくださる実務指針において、その解釈を考えるに当たっても、前文というのは実際、これまでの裁判例においても、監査の基準との関係で、監査の基準本体も非常に重視されていますけれども、前文部分もよく裁判所では引用されることがあるということも考えますと、この前文のところで、どういう発想に基づいているのかということを明確にすることには意義があると私も考えております。

最後の4つの点について、そのうち2つの点についてコメントさせていただければと思います。

第1に、審査について記載を明確に行うということには非常に同意したいと思います。とりわけ、今回のこのサステナビリティ情報の保証というのは、我が国にとっても新しく、かつ業務執行責任者になられる方というのは、必ずしも一定のプロセスを経て養成され、あるいは選抜されているわけではございません。そういう意味においては、業務執行責任者となられる方々の能力にはばらつきがあるんじゃないかということをやはり懸念しなければならないわけでして、そこで、財務諸表監査における審査の必要性以上に、今回は審査の必要性というのがあるのではないかと考えております。

第2に、たしかに、このサステナビリティ保証との関係で、ガバナンスに責任を有する者については、確かに保証業務の対象となっている会社との間で合意するという考え方がありえるとは思います。けれども、ISSA5000においてもそうですけれども、保証業務実施者はこの者たちとコミュニケーションを取るということを想定しているので、ガバナンスに責任を有する者は経営者に対して物申すことができる立場にある方でなければ適格性がないという点には留意しなければいけないと思っております。また、現在の金融商品取引法193条の3、財務諸表監査との関係での内閣総理大臣への申出義務を定めている規定でございますけれども、これは今国会に提出されている改正法案によりますと26条の41となるようでありますが、その第4項で特定非財務情報監査証明業者について準用されております。現在の193条の3に対応して監査証明府令の7条が、監査人が通知する相手方として、監査役、監事といったものを具体的に挙げております。もちろん括弧書きの中がありますので、監査役等に限っているわけではございません。けれども、もしも仮に、今後、新26条の41の第4項で規定されているものに対応して、監査証明府令の7条とパラレルな規定が設けられるというのであれば、やはり単純に企業との合意というよりは、むしろ監査役等が原則であるような書きぶりがよいのではないか。つまり、現在の監査証明府令の7条も括弧書きの中で、その他適切なものに通知することもできるとしているので、そこで、原則は監査役等だけれど、しかしながら、より適任な者がいるというのであれば、それを監査証明業務業者と企業との間で合意するという書きぶりのほうがよろしいのではないかなという印象がありました。

いずれにいたしましても、内閣府令との整合性も考慮に入れて、内閣府令をつくるときに、やはり不都合がないように、こちらは定めておいたほうがよいのではないかと感じた次第でございます。

以上です。どうもありがとうございました。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。では、続きまして、堀江委員、お願いいたします。

【堀江委員】

発言の機会をいただきありがとうございます。先ほど林先生のほうから、事務局案の基準の立てつけに関しての御意見がありました。それを踏まえて私の考え等述べさせていただければと思います。

コメント、大きく2つございまして、1つは、資料18ページ目、事務局資料の18ページ目ですが、この「意見書」と「実務指針」との区別についてです。サステナ情報の保証につきましては、これまでにない実務とならざるを得ないので、啓蒙的な役割を持たせるという意味で、意見書というのはとても重要な意味を持つのではないかと思いますので、枠組みとか考え方とか、こういうものが恐らく書かれるのではないかと思います。どういうレベル感でこの意見書というのを想定されているか、大体こんな感じになりますというのをお見せいただかないと十分理解できないんですけれども、先ほど林先生が言われたとおり、恐らく監査基準の前文か、あるいは監査基準の前文プラスアルファでおまとめになられるのではないかと。

その場合、私は3つのことを入れていただきたいと思います。ただ、これはあくまでも私の考えですので、御検討いただきたいということです。

1点目は、保証の目的とか効果です。私の見るところ、保証ありき、最初から保証が必要なものだという前提で、さまざまなことが言われていますけれども、なぜ必要なのか。これはさらに3つあって、1つは財務諸表と一体として利用される、投資家等との対話を促進するための重要な財務関連情報だということです。だから、金商法で縛るというロジックになるわけであります。それともう一つは、サステナ情報の特性です。見積りとか予測情報を含むと。これは、保証の難しさでもあるんですけれども、こういう情報であればこそ専門的な第三者による保証が必要ではないかと。財務情報であれば、井口先生ですと、直感的にちょっとおかしいなとか分かると思うんですけど、GHG排出量とか言われても、本当かどうか分からないと思うんです。だからこそ保証が必要だという、こういうロジックになるのかなというふうに思います。3つは、ぜひ入れていただきたいんですが、保証主体の指導機能であります。SSBJ基準の違反とならないように指導し、それから、こういうふうな開示が望ましいんですという指導。さらに、サステナ経営の実体化との関連づけまで行くかどうかは別にして、より望ましい情報開示に関する指導性が大事ではないかと思います。ちょっと話がそれて恐縮ですが、我が国で、第2次大戦後、財務諸表の監査が導入されたときの話です。太田哲三先生が書かれた『会計側面誌』という本に書かれているんですけれども、当時、監査というのが初めて入ったので、会社は何をやっていいか分からないので、帳簿の清書をしたというんです。そうしたら、当時、監査基準の策定に中心的な役割を果たされた一橋大学の岩田先生が、これでは「髪の毛を切ってから床屋さんに行くようなもの」だと、こういうふうに言われたようです。ぜひ会社側と協議とか十分なコミュニケーションを取るという、これは内部統制の基準でもちょっと踏み込んで書いていますので、もう一歩踏み込んでもいいかなという感じがしないでもありませんが、こういったところをぜひ入れていただきたいと思います。

2点目は、保証業務の要件についての記載です。企業会計審議会から保証の概念的枠組みに関する意見書が出ていますが、その中で特にフォーカスすべき点、例えばこれまでもよく分からないと言われてきた限定的保証と合理的保証の区別とか、適正表示の枠組みと準拠性の枠組みの違い、さらにはクライテリアの適用、これについても意見書でとってもいいことが書いてありますので、そういったものとか、重要性、あるいは業務リスク等について、意見書に書いていただいたほうがいいかなと思います。

3点目は、その他ですけども、特例措置として、2年間保証の範囲が限定されます。一部分の保証となりますと、例えば除外事項等があった場合など、ガバナンスとリスク管理以外のコア・コンテンツにはねる部分があると思うんです。こういったようなことについての十分な注意喚起とか、どういう点に留意すべきなのかについての言及があってもよいのではないかと思います。

今、私は、主体をごちゃごちゃにして申し上げましたけれども、保証主体側とそれから会社側ですよね。会社側でどういうことをしなければいけないのか、保証主体側でどういう点に留意しなければいけないのかを区別された上で、今申し上げました点につきまして御検討いただければ幸いす。

実際、意見書と実務指針との区別について、林先生もちょっとイメージが湧かないというふうな御趣旨の発言なされておられましたけれども、事務局がお考えになられているものとは違うアプローチになりますけれども、例えばISSA5000のリクアイメントという「要求事項」ですよね、これを「基準」とする。そして、適用指針を「保証準則」とか「保証ガイドライン」とするというアイデアです。

なお、ここで「実務指針」という言葉が使われていますけれども、この言葉は避けたほうがいいと思います。理由は2つありまして、1つは、日本公認会計士協会で既に「実務指針」という言葉を使った公表物を出しているということ。それから2つ目は、財務諸表等の監査証明に関する内閣府令の中で、一般に公正妥当と認められる監査に関する基準として5つの公表物を指定しています。サステナでもこれと同じようなものを府令として出されるとされたとき、事務局案の「実務指針」までカバーするようなことになるのではないかと思います。そうしますと、実務指針も一般に公正妥当と認められるサステナ情報の保証に関する基準となり、何となく違和感があります。この辺りは金融庁サイドの問題でございますので、私がとやかく言うべきことではないんですけれども、御検討いただければと思います。

あと、国際基準で規定されていないもので、日本基準に入れていただきたいというのが大きなコメントの2番目です。1つは引継ぎの問題、これは結構いろんな問題が財務諸表の監査でも起こっておりますのでご検討ください。それから共同保証です。PAとPA、Non-PAとNon-PAという、この共同保証の形式がいいんですけど、PAとNon-PAの共同保証、これは実は非常にややこしい問題が起こる可能性を秘めていますので、その点を十分に踏まえられた上で、どういうふうに処理すべきか、御検討いただければと思います。今回の制度では、Non-PAの方々の参入も認めるというこれまでにない形ですので、単に補助者という伝統的な枠ではなく、共同という新しいタイプがあってもいいのではないかと思っています。

最後に、事務局提案の「実務指針」の体系ですが、ISSA5000の体系だと、プロの方々はどういうふうに御覧になるか分かりませんけど、外から見たとき非常に分かりにくい。そこで、例えば「第一契約」、「第二計画及び実施」、「第三報告」と、きちっと分けて、それらの中身を項目ごとにて体系づけられるといいのではないかと思います。

以上でございます。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。では、引き続き、藤本委員、お願いいたします。

【藤本臨時委員】

藤本です。発言の機会をいただきありがとうございます。また、このような議論の場、設置いただきまして、ありがとうございます。

私からは、基本的な考え方の全般的な内容ということでコメントをさせていだだきたいと思います。

まず1点目ですけれども、2027年3月期を目指してということでございますが、保証の初年度が2027年4月1日以降の事業年度からスタートということですので、これはできる限り早いほうが望ましいと考えております。少なくとも、2027年3月期には利用可能な状況になる必要があると思います。やはり、企業様ですとか、あと保証業務実施者の準備期間も考慮しますと、できるだけ早く、また検討のタイムラインを具体的に示していただきながら進めることが重要ではないかと考えております。

この限られた時間の中で利用可能な基準を作成するという観点で言いますと、監査の基準と比較的近しいところにございますので、監査に関する実務指針開発の実績があり、IAASBやIESBAから各法域における監査保証基準設定主体として認められて活動を行っております日本公認会計士協会と連携するという方向性に賛同いたします。

日本公認会計士協会としましては、保証基準を策定しておりますIAASBやIESBAとは長年連携もしておりますし、基準の作成の知見、経験を踏まえて保証基準も作成できる十分な能力を有していると考えております。また、既に先ほど堀江先生からも御指摘ございましたけれども、ISSA5000と整合する実務の指針であるとか、ISQM1と整合する報告書につきましては、既に関係するステークホルダーの御意見も踏まえた上で、パブコメも含む一定のデュープロセスを経て本年の3月に公表しております。また、IESBAと整合する倫理規則の改正案につきましても、今年の7月に定期総会で付議をする予定のものを先月公表させていただいているところでございます。

先ほど説明にもございましたように、それぞれの国際基準というのは数百ページに及ぶようなかなり大変な労力をお使いになることになると思っておりまして、時間的な制約や資本市場全体のコストから見ても、日本公認会計士協会が公表している実務の指針を利用するということも効率的と思っております。また、今回の意見書で重要な考え方についてはおまとめいただけるということでございますので、その内容に沿って日本公認会計士協会が保証の実務指針を作成する方法も考えられるのではないかと考えております。

国際基準は頻繁に改定することもございますし、それに対する柔軟な対応というのも求められてくると思います。また、基準だけでは実務的に適用が難しい内容につきましては、ガイドラインやFAQなども、IAASBやIESBAなどからも公表されておりますので、こういったものも参考にしながら、実務に対応していくことが必要ではないかと考えております。

それから、国際基準と同等な基準としつつ必要な調整を行う方針に関しましては、これはグローバルベースラインということでございますので、そこから我が国として調整が必要な部分というのはあるとは思いますが、特に日本だけ厳しい規定にするということは競争力の低下を招くことも考えられますし、また、カーブアウトしてしまうと、グローバルとの整合性から、海外投資家等からは信頼性が担保できないということになりますので、論点が幾つかで出ていると思いますけれども、基本的には加除をすることは限定的な範囲にとどめていただくのが重要と思っております。

また、先ほどからコメント出てございますけれども、このISSA5000を適用するにあたりましては、ISQM1やIESSA、それと同等の基準の遵守を求めていまして、この基準は必ず守らなければいけないという建付けになっております。そのうち品質管理基準に関しましては、もともとのISQM1というのは、監査と保証一体となっている基準になってございまして、今回は別途作成するという形になりますと、監査の品質管理基準と別個でつくる形になると思っておりますが、この点、先ほども整合性をどう取るのかというコメントございましたけれども、十分に整理をしていただく必要があると考えております。

また、IESSAに関しましては、先ほど18ページ目のところにもございましたように、意見書のほかに実務指針と、法規制ということで、金商法もその内容に含まれると承知しております。ここで、どこで何を決めるのかということですが、やはりIESSAというのは1つの体系立った基準になっていると思っておりますので、そちらとで整合性ある形でまとまったものを1つつくっていただいたほうがよいと考えておる次第でございます。

私からは以上でございます。

【阪部会長】 

どうもありがとうございました。

続きまして、ほかの委員から御意見などございませんでしょうか。それでは、甲斐委員、お願いいたします。

【甲斐臨時委員】

日本公認会計士協会テクニカルディレクターの甲斐です。発言の機会をくださりありがとうございます。

私からは、まず、御議論いただきたい事項1つ目のほうの基本的な考え方については、実務指針の策定方法についてのみ簡単に発言させていただきます。

国際基準と整合的な実務指針に関しては、日本公認会計士協会が策定している実務指針を使用いただくのが適切ではないかと考えております。協会の公表物は、デュープロセスを経て策定されています。日本のサステナビリティ保証業務をグローバルと整合的な形で、かつ、現時点で想定されている時間軸で円滑に導入していくためには、日本公認会計士協会の実務指針を利用いただくのがいいのではないかと考えました。

それから、国際基準との調整につきましては、スライド22ページに記載の4つの論点に関してそれぞれコメントさせていただきます。

まず、1点目のガバナンスに責任を負う者につきましては、ガバナンスに責任を行う者の役割というのは、投資家に有用なサステナビリティ開示、保証の前提として非常に重要だと思います。ですので、日本の統治機関において、どの機関が一般的には該当するのかといった基本的な考え方が示されるとよいのではないかと考えました。

それから、2点目の部分保証に関しましては、スライドにも記載くださっているとおり、ISSA5000は、部分保証も想定した基準になっております。ですので、保証基準や実務指針上での調整は、必ずしも必要ないかもしれないと思います。一方で、ISSA5000においては、保証報告書上で、適用される規準や保証範囲を明確に記載することが求められていますので、我が国における部分保証を前提とした保証報告書の記載のあり方というのを明確化するための手当てというのは、やはり必要だと思います。ただ、この点は先ほど御説明くださったとおりですが、どちらかというと有価証券報告書とか保証報告書における記載の論点となりますので、保証基準とか実務指針上での調整とかではなくて、府令等での手当てというような話なのかなと考えました。

なお、保証報告書の文例に関しましては、日本公認会計士協会におきましても、IAASBから公表されている文例に基づきまして、規範性のない文書を公表する予定で準備を進めております。

それから、3点目の審査については、説明資料に記載されているとおり、サステナビリティ保証業務の質の重要性の観点から、結論の表明に先立ち、審査を受けることを明示的に要求するということに賛成いたします。なお、審査を要求する場合、スライド25のISQM1の仮訳でお示しいただいているとおり、ISQM1上、審査というのは、ISQM2という審査担当者の選任や審査担当者の責任を扱っている基準に従って実施することが求められます。よって、ISQM1に加えてISQM2に相当する実務指針を設定することが必要になると思います。

それから、4点目の引継・共同保証については、品質管理基準報告書第1号で求められている水準での規定化は必要だと思います。引継については、交代によって業務の質に影響が生じないようにする必要があり、よって品質管理基準報告書第1号のレベルは求めることが望ましいと思います。なお、監査の場合には、さらに日本公認会計士協会の監査実務指針である監査基準報告書900で、より具体的な引継の規定を定めていますが、監査基準報告書900の水準での引継を、現時点でサステナビリティ報告書に要求することは不要ではないかと思いました。

それから、共同保証については、当面は実務の状況を把握するということも必要になると思いますが、共同保証が行われるということは可能性として考えられますので、業務の質を合理的に確保するための方針手続を設定するということは重要だと思います。ですので、追加するということに異議はありません。

私からは以上となります。ありがとうございます。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。

では続きまして、後藤委員、お願いいたします。

【後藤臨時委員】

御指名ありがとうございます。それでは、御議論いただきたい事項に沿いまして述べさせていただきます。

まず、1点目でございますけれども、国際基準と同等な基準という考え方に賛同するところでございます。資料の13ページにいろんな資料をまとめていただいておりまして、他国においてもISSA5000などの国際基準と同等の基準を策定しているというところが多いと思われますので、日本においても同様という考え方でよろしいと思います。

ただ一方で、資料の例えば注の4を見ますと、英国においては長期的に保証の義務化の必要性を考慮する予定というふうにもありまして、実質的に保証の義務化が先送りされているというような印象もあります。したがいまして、保証制度を実施した後の話になるのかもしれませんけれども、これに対する企業、あるいは投資家の評価、反応といったものはよく見ていく必要があると思いました。

次に、2点目ですけれども、必要な調整を行うべき点、あるいは遵守すべき考え方というところで、これも基本的には提示されました論点に異存はございません。②の点ですけれども、ISSA5000と同等の実務指針を策定するということであれば、別途基準を策定するということはなくて、考え方を整理した意見書という取りまとめをするということに賛同します。②で取り組むべき要素ということですけれども、財務情報等に係る保証業務の概念的枠組みに関する意見書等に示されている独立性や専門性といったものは、サステナビリティ保証人にも同様に求められると考えられますので、この意見書、あるいは監査基準といったものと同様の要素で取り組むべきと考えます。

それから、3点目ですけれども、この点についても賛同するところで、日本公認会計士協会だけでなく、様々な諸団体がこれまで培ってきた自主規制機関としての制度や仕組みといったものを参考にしつつ策定するということで、安定した指針となるものではないかと考えます。

一方で、既にこれも先ほどから何度か出ておりますけれども、サステナビリティ保証業務実務指針5000といったものが既に出されておりますので、これらとの整理といったものは必要になると考えます。

それから、その次の国際基準との調整というところですけれども、特に①ガバナンスに責任を有する者は、これも先ほどから出ておりますけれども、サステナビリティ保証業務実務指針5000、あるいは改正倫理規則といったものが日本公認会計士協会から出ておりまして、この公開草案に対して、日本監査役協会としても意見を出しています。各企業のガバナンス形態に応じて保証業務実施者と企業の間であらかじめ合意すると、そういう考え方は特に異論はございませんけれども、これも日本監査役協会の意見書でも述べておりまして、保証業務実施者が場面やケースに応じて誰が適切なガバナンスに責任を有する者に該当するのか判断するというのは、これはなかなか実務的には難しいであろうと思われます。

実務においては、例えば合意の時期や合意のために誰と協議するのかといった点に苦慮することが想定されます。また、一方で財務諸表監査におきましては、ガバナンスに責任を有する者というのは監査役等が該当するということで、これは実務上支障なく運用されています。また、財務諸表を監査する監査人は、有価証券報告書におけるその他の記載の内容について、監査役等とのコミュニケーションを実施するということが求められるケースも生ずるところでございますので、有価証券報告書に記載されるサステナビリティ情報がその他の記載の内容に含まれるということであるとするならば、保証業務実施者が監査人と同一である場合には、おのずとコミュニケーションの相手方というのは監査役等となるだろうということが実務的に想定されます。

ということで、この点に鑑みましても、ガバナンスに責任を有する者には原則として監査役等が該当すると理解することが、実務指針のスムーズな運用に資するものと考えます。

また、Non-PAも保証業務に従事するということが考えられるということになりますと、日常的に監査役等とコミュニケーションをしている会計監査人と比べまして、ガバナンスに責任を有する者の判断や合意の協議がさらに困難になるケースも考えられます。したがいまして、今後はガイドラインの作成などによる支援も必要になるのではないかと考えます。

私からは以上でございます。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。

では、引き続きまして、山口委員、お願いいたします。

【山口臨時委員】

発言の機会をいただきましてありがとうございます。SSBJ委員の立場からということで、部分保証を前提とした考慮事項に関連いたしまして、1点コメントいたします。

保証の範囲を限定するということになりますので、有価証券報告書の中でSSBJ基準に準拠して開示されるサステナビリティ関連の情報の中に、第三者による保証が付されている保証済みの情報と、保証対象外の保証が付されていない情報が混在することになるというふうに理解してございます。この点、利用者の誤解を避けるという観点からは、保証が付された情報であるかそうでないかにつきまして、有価証券報告書の開示の中で明記することを御検討されるべきではないかと考えてございます。

SSBJ基準の定めの中には、サステナビリティ開示は明瞭に識別可能でなければならず、財務報告書に含まれる他の情報によって不明瞭にならないようにしなければならないといったような原則的な定めがございまして、例として、法令の要求事項などに基づいて、SSBJ基準上は重要性がないというふうに判断される情報を開示するようなケースというのが挙げられておりまして、そういった場合には、重要性がない情報によって、重要性がある情報が不明瞭にならないようにしなければならないというような例が示されているところでございます。こちらは、ISSB基準のほうにも同様の定めがあるところでございます。

御案内のとおり、SSBJ基準では、部分的な準拠というのは基準上は想定しておりませんで、SSBJ基準に準拠するには全ての定めに従うということが必要になってきますので、それゆえに部分的な準拠を行う場合の開示については定めがないというところでございますし、また、SSBJ基準に準拠した開示について、保証の範囲が限定される場合の何らかの開示ということに関する具体的な定めが設けられているわけでもないところではございますけれども、今御紹介しましたような原則的な定めについては、保証が付された情報なのか、保証が付されていない情報なのかというのを識別するような観点からも関連があるかと考えましたので、あえてコメントさせていただきました。

以上でございます。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。

続きまして、芹口委員からお願いいたします。

【芹口臨時委員】

御指名いただきましてありがとうございます。それでは、御議論いただきたい事項につきまして、順にコメントさせていただきます。

まず、基準のあり方につきまして、国際基準と同等な基準としつつ必要な調整を行うという方針に賛同いたします。第三者保証が国際基準と整合的である必要性につきましては、サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ、総会でも示されているところでございまして、国際基準をベースラインとした上で、日本の実務の状況を踏まえて、必要な場合には手続を追加する、あるいは明確化することは、実務のばらつきを小さくして、質の向上につながるのではないかと考えております。

また、2点目の審議の進め方について、①と②を意見書としてまとめていくことにつきましても、異論はございません。

②の保証業務実施者が遵守すべき内容につきましては、利用者として、担い手にかかわらず高い品質の確保を保証に期待しているという観点から考えますと、これまでの金融審議会における担い手の資質に関する議論とも関連いたしますが、少なくともサステナビリティや財務をはじめとする業務の専門性の確保、構成員としての品質管理の維持、倫理・独立性の確保は不可欠な要素ではないかと考えております。

また、これに関連して、意見書に盛り込むのか、もしくは少なくとも関係者の共通認識としておいてはどうかと考えておるところが2点ございます。第1に、今回保証基準を策定しないということで、この理由を明確化されてはどうかと考えております。監査基準の位置づけに照らして考えますと、法令に基づくサステナビリティ保証の実務はこれから始まるということで、実務を帰納要約するものがない状況であると理解しまして、この点については異論はないところでございますが、理由を明確化されてはどうかと思っております。

また、第2に、高い品質の確保が不可欠であるとは思っておりますが、新しい制度の立ち上げ期にございますので、導入当初から実務の蓄積がある財務諸表監査と同じように、成熟度の高い保証を求めるのではなく、実務の浸透に応じて段階的に成熟させていくという姿勢が重要だと考えております。開示と同様に、制度の導入当初は試行錯誤することもあろうかと思っております。何らかの形で共通認識にされてはどうかと思っております。

また、第3の実務指針の策定方法につきましては、御提案に賛同いたします。日本公認会計士協会様には、財務諸表監査で培われた実績とリソースがあり、高いクオリティーが担保されると考えられます。新しい保証制度では、監査法人と監査法人以外の方の両方が担い手となりますので、連携して策定を進めていただきたいと考えております。

続きまして、国際基準との調整を検討する項目ということで、御提案の4点については全て賛同いたします。特に利用者といたしましては、開示を拝見する側として、特に2点目の部分保証は非常に不可欠な点だと思っております。制度上の保証と従来から行われている任意保証が混在し、企業によっては制度上の保証の対象を拡充していく可能性もございますし、資料でも御提案いただいておりますとおり、関連する記述も当然カバーいただきたいということを考えますと、明確化のための実務上の工夫が非常に重要な点であろうかと思っております。

また、追加の論点となり得る事項ということで、必ずしも国際基準との調整項目に該当するか分からないところはございますが、2点気になっているところがございます。1点目は、保証が適正性か準拠性のいずれの枠組みに基づくかについてでございます。意欲的な企業におきましては、適正表示の保証を行うこともあり得るとは思われますが、基本的に制度上求める部分保証は、準拠性の枠組みになると理解をしております。この点を明確化しておくとともに、個別の保証報告書でも明示していただくことが必要であると思っております。

また、2点目は、部分保証について資料に記載があったところと関連いたしますが、保証報告書を分かりやすくするための工夫も必要だと考えております。今申し上げました適正性、準拠性のほかに、開示と保証のワーキング・グループの第9回で示されました任意保証、そこでは制度上の保証の範囲を拡充したり、前倒しで行うことが制度上の任意の保証と定義されておった理解ですけれども、企業によって対応の違いが出てくる中で、それらの違いを保証報告書にどのように記載していくか、検討が必要であると思っております。加えて、利用者は保証手続の詳細まで確認ができませんので、どのような手続がなされたのか、保証報告書の記載の充実を検討いただく余地もあろうかと思っておったところでございます。これらを明瞭に記載いただく一方で、複雑な記載とならないように検討が必要ではないかと考えております。

コメントは以上でございます。ありがとうございます。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。

続きまして、浅川委員、お願いいたします。

【浅川臨時委員】

御指名いただきまして、ありがとうございます。一般財団法人日本品質保証機構(JQA)の浅川でございます。事務局の皆さんにおかれましては資料御説明いただきありがとうございました。私からも、御議論いただきたい事項に沿ってコメントさせていただければと思います。

まず、1つ目の保証基準等について、2027年3月を目指して利用可能とし、国際基準と同等な基準としつつ、必要な調整を行う方針並びに国際基準と整合性を確保する方法として、我が国の実情を踏まえた対応を考慮し、国際基準と同等な基準とする必要な調整を行うという事務局案に賛同いたします。また、具体的な審議の進め方につきまして、国際基準と必要な調整を行うべき点を中心に、意見書を取りまとめるという事務局の方向性にも賛同いたします。

非財務に関する制度は、今回初めてできる制度ということになりますので、目標の日時を目指して、まずは一旦制度を策定して、必要があれば、必要に応じて見直しをする等のアプローチが実務的かなと思います。その場合、13ページに示されるような国際基準の動向や国際的なサステナビリティ開示、保証の動向につきまして、先ほども少しお話ありましたが、いろいろ動いているというところもあるかと思いますので、そういった内容も踏まえて適宜調整等を行うと望ましいと思いました。

次に、具体的な審議の進め方として国際基準と必要な調整を行うべき点ということで、国際基準と同等な基準としつつ必要な調整を行うべき4点、ガバナンスに責任を負うもの、部分保証、それから審査、引継・共同保証を対象とすること、それから、保証業務実施者が遵守すべき事項の考え方を審議、取りまとめたいという方針につきましても、事務局案に賛同いたします。

実務指針の策定について、金融庁さんが関係機関等と連携して策定されるという方針についても賛同いたします。その上で、実務指針の策定に当たりましては、非財務情報審査は財務監査とは異なる独特の事象も伴うところがありますので、これまでの任意保証等で得られている様々な知見も十分に反映するということが必要なのかなというふうに思いました。

また、具体的に国際基準と同等な基準としつつ必要な評価・調整を行うべき4点の中で、事業者さん側の準備としてのガバナンスに責任を負う者、あるいは非財務情報についての審査の具体的な範囲・手法等については、こういった非財務情報について初めての制度として実施する観点から、意見書、あるいは実務指針に具体的な事例や手法の提示としてぜひ入れるといいのかなと思いました。

また、部分保証につきましては、先ほどもお話ありましたが、開示基準、審査の判断基準となるSSBJの基準につきましては、これを全部網羅して初めて準拠という考え方だと思いますので、その中で、保証の範囲についてどこまでなのか、それを報告書にどうやって明確にするのかというようなすり合わせというのは非常に大事なのかなと思いました。

さらにこの非財務情報、GHG排出量といったような指標等は、物量データ等に由来するというところも鑑みまして、検討の項目の1つとして、専門性というところも要素として検討、考慮されるとよいかなと思いました。私どもJQAは、いわゆるNon-PAの機関、ISOの機関で、ISOでは、例えばGHGの審査では、審査機関あるいは審査人に対して、セクター等による専門性を認定するという制度の運用がずっと行われておりますし、また、実際の審査員についても必要な力量を明確化した上で、同様に専門性を付与するというところが要求されております。

また、IESSAさんの倫理独立性のうちの自己レビューについて、被保証業務の提供との観点から、いわゆる昨今行われているようなSSBJ等に係るコンサル業務が実際どういったものが該当するのか、非該当なのかという明確化、あるいは組織レベル、人レベル等での切り分けの考え方等についても、事例等を整理するとよいのかなと思いました。こちらもISOのほうでは、コンサル業務に該当する業務を具体的に特定して明確化して運営しているというところになりますので、御参考までにお伝えしたいと思います。

私からのコメントは以上となります。ありがとうございました。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。

続きまして、植村委員からお願いいたします。

【植村臨時委員】

御指名ありがとうございます。植村でございます。私からも、28ページの御議論いただきたい事項につき、コメントを申し上げます。

1つ目のポイントの保証基準等について、国際基準と同等な基準としつつ、必要な調整を行う方針については、方向性として賛同いたします。しかしながら、2027年3月に利用可能とすることには、必ずしも丸ごと賛同できるわけではなく、スケジュールありきで進めてしまうことには同意いたしません。理由は、時間軸ありきで進めると、どうしても十分な議論、検証等が行えないことになり、保証サイドに保守的、コンサバなほうに寄ってしまう懸念があるためです。サステナビリティ情報の保証基準としては、原則的な考え方のレベルを基本として、無理に現在の財務諸表用の監査基準を追いかけない、目指し過ぎないでよいと考えています。

これは財務諸表の監査基準、限定的手続のレビューと、今回のサステナビリティ情報の保証基準、限定的保証では、第三者が保証するという点は共通するものの、そもそも要求内容やレベルは大きく異なると考えています。何十年もの歴史がある財務諸表中期のオーディットレビュー手続は、非常に専門的な内容を精緻・綿密に手続するものだと理解しています。一方、サステナビリティ情報の保証については、限定的保証、合理的保証であろうが、定量情報だけでなく定性情報、将来情報が非常に多く、証拠の不確実性が高く、見積りへの依存が大きいこと。また、対象範囲の広さ、単位・度量衡の多さなどがあり、財務諸表への監査・レビュー手続とは大きく異なる立ち位置にあると考えています。

続きまして、2つ目の保証業務実施者が遵守すべき考え方を審議し、取りまとめる方針については、以下を前提として同意いたします。事務局案の審議取りまとめ方針に同意して進めるためには、13ページで取りまとめていただいている、諸外国におけるサステナビリティ開示保証の動向につき、一部追加検討していただきたいと思っています。先ほど話が出ましたけれども、英国についての第三者保証の取得義務というのは、一部ペンディングになっているという理解もございますし、また、米国連邦、この状況を書き加えて、バランスの取れた形としていただきたいと思います。改めて申し上げることでもないですけれども、米国連邦では、機構開示規制の効力が停止しており、第三者保証の取得義務についての議論ができない状況であります。我が国の保証基準と国際基準は基本的には同等なものであり、調整の検討は国際基準に明確に規定されていないもので、我が国の保証基準を分かりやすくするものだけにすべきで十分だと思っております。詳細化、規定化により、国際基準より保守的な保証基準、指針にしてしまわないことに留意が必要だと考えております。

黒丸2つ目のポイントでは、保証業務実施者が遵守すべき要素として、独立性、専門性に加えて、リスクベースのアプローチ、過度な保証の回避などを今一度明記してもいいのかなというふうに考えております。重要な虚偽表示リスクが高い領域に重点的に手続を行うリスク・アプローチを基本としていくということで、先ほど御説明したような財務諸表等へのオーディットレビュー手続と合わせようとするあまり、過度な保証手続とならないように、すべきで、最初の段階から過度な保証手続とならないように明確にしておくことが必要かと思います。

そして、基本的な考え方の最後のポイント、実務指針の策定について、金融庁が関係機関と連携して策定する方針には、基本的には賛同いたします。ただし、職業会計士以外であっても、登録要件を満たせば参入できるということから、財務諸表監査等を担う監査人の日本公認会計士協会様の内容や枠組みに寄せ過ぎるのは、あまり正しくないのではないかなと考えております。サステナビリティ情報保証は、そもそも財務諸表のオーディットレビューとは異なるということがあるので、金融庁様が保証協会や作成者の意見を十分取り入れた上で、金融庁さんが主体者となって実務指針を策定していただきたいと思います。

続きまして、国際基準との調整の1つ目、ガバナンスにつきましては、会社法上の機関に固定せずに、企業とのサステナビリティ情報に関する執行、監督の実態も考慮し、責任主体は柔軟に、企業と保証業務実施者が合意していくことが基本となると考えています。

2つ目の部分保証につきましては、限定的保証が適用される基準、SSBJ基準の項番等の明確化は必要であって、また、保証範囲についても誤解が発生しないように、保証範囲の対象範囲についての明確化が必要だと思います。

審査につきましては、品質確保のため、審査を求める方向性にはもちろん理解はできるのですけれども、オーディットレビューの水準とは差異が基本的にありますので、審査の立てつけの明確化、その辺りも必要だと思っており、過度な審査手続にならないようにすべきではというふうに考えております。

最後のポイント、国際基準の適用に当たって検討が必要な論点はあるかにつきましては、時間軸ありきで形式的な議論にとどまり、十分な議論が実施されないままに、出来上がりとしまして、国際基準に対して必要以上に保守的に上乗せされることがないよう、すなわち我が国の成長戦略、競争力確保が阻害されないように、国際基準よりも上乗せされた形にならないような、そういうふうな留意をする必要があると考えております。

以上です。ありがとうございました。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。

続きまして、牧野委員、お願いいたします。

【牧野臨時委員】

ありがとうございます。ソニーグループの牧野です。よろしくお願いいたします。私からは、企業作成者として保証を受ける側の立場から述べさせていただきます。この順番につながって言わせていただきます。

1点目の国際基準と同等な基準としつつ必要な調整を行うという点について、賛同いたします。海外子会社など、CSRD等現地の開示規制の対象となる場合に、親会社の連結サステナビリティ報告を利用することがあると思いますので、同等の基準ということは求められているものだと思っております。一方、専門性に関してなんですけれども、検証機関と監査法人の専門性という定義が本当に合っているかというところに少し疑問がございまして、専門家として要求される素養ですとか要件というのを明確にしたほうがよいのではないかと考えております。

弊社では財務諸表の監査を依頼している監査人にSSBJ基準の保証もお願いしますけれども、専門性のある人材は単価が高くて、全体的な単価の引上げにもつながっていて、恒久的にこの先有報の開示が行われるという前提に基づくと、サステナビリティ関連全体を専門性と分けて、恒久的に単価が高い状態が続くのも企業として負担になると思っております。

2点目でございますけれども、1点目とも深く関係いたしますが、独立性の基準も財務諸表のそれと同等の水準が保たれることを期待しております。国際基準の水準と合わせることで、日本国内のみならず、グループ構成員単位に関しても一定の水準が保たれることで、保証人の交代などの安心感が生まれると思っております。

一方で、基準の記述が性質上ボイラープレートになってしまう場合に、クライアントやそのグループ企業の株保有など、監査法人の内部ルールで決められているところもあると思いますので、解釈の余地がないようにしていただきたい。実務指針のつくりに御配慮いただきたいなと思っております。

また、保証の度合いですけれども、植村委員もおっしゃっておりましたが、過剰保証の回避ですとか、作成者の負担、それから、投資家の有用性などバランスを考慮してつくっていただきたいと思っております。

3点目の実務指針の策定方針に関しては、賛同します。ただし、策定プロセスにおいてですけれども、最初の導入段階で、過度に保証の実務者の観点に偏ると、保守的な実務が形成される可能性もありますので、作成過程においては作成者である企業ですとか、想定利用者である投資家の意見も、継続的に配慮いただけたらなと思っております。早期の指針明確化の着手と、それから準備期間というのは十分な確保が求められていると思いますけれども、制度定着後は、皆様もおっしゃっておりましたけれども、なるべく自主規制の枠組みの移行が望ましいと考えております。

4点目について、ガバナンスですけれども、まず、ガバナンスの責任を有する者をあらかじめ合意すること自体は賛同なんですけれども、会社の都合上、4月1日などで新会計年度のタイミングで人事の入替えなどがありますと、あらかじめの合意の深度というところに若干懸念が残ります。あとそれから、この措置は、今の企業の例で、財務におけるガバナンス、経営層のガバナンスと、サステナビリティの監督・執行のガバナンスが違うということが往々にしてあるとは思うんですけれども、これに対する疑問としては、財務諸表とのコネクティビティや一体感、そういうところはどうなっているんだというところ、課題が潜在的に生まれてしまうと思うんですけれども、それに対する措置、それを示唆するところの措置だと思いますので、あらかじめ合意できる以上、過度な説明責任が作成者側に生まれないように御配慮いただければなと思っております。

②の部分保証に関してですが、こちらは項目がきちんと明確化されるところは賛同いたします。保証基準書にSSBJ基準の項目番号を記載するしないはあるとは思うんですけれども、適用部分の平仄を企業間、保証人間でどう合わせていくのか、また、本項目ではない別紙ABCですとか結論の背景はどうするのか、そういったところも、扱いがどうなるかも、書かない部分といいますか、保証人間で書かない部分の整合、そういういった議論の補足みたいなところも、扱いが保証人間で整合してあるべきように思います。

それから、SSBJのユニバーサル基準も該当するのかというところで、ここには多分、重要性の判断ですとか、企業のマテリアリティのプロセスのことも書いてありますけれども、ISSA5000に、それを企業のマテリアリティ・プロセスを理解するということは書いてある以上、ユニバーサル基準に書いてあるところとどう整合させるのかですとかも少し気になるところではあります。

いろんな項目を決めるとは思うんですけれども、保証人が実質的な解釈権を持っていると思いますので、そこら辺が過度なものにないように、何かあらかじめストッパーといいますか、過度にならないような対策というのを今からやっておくべきなのではないかと思っております。

③の審査ですが、明示すべきだと考えておりますけれども、開示が国外でも有効である場合や、企業の国外上場の状態によって、審査が国外から行われる場合に、そういった過度の国外メンバー、SSBJの詳細や国内保証基準の知見がないメンバーによる過度の審査というのも少し懸念があるところでございます。

引継に関してですけれども、これも保証人へのお願いになるかもしれないんですけれども、引き継ぐデータの制限を過度にすることは避けていただきたい。企業のデータ収集プロセス、報告、算定方法、拠点別実務、過年度の論点、内部統制などは引き継がれるべきかなと思っております。

すみません、以上です。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。

続きまして、上田委員、お願いいたします。

【上田臨時委員】

御指名ありがとうございました。私も28ページの御議論いただきたい事項に沿ってコメントさせていただきます。

まず、上の基本的な考え方のところの部分なんですが、保証基準等につきまして、2027年3月期を目指して利用可能としていくということ及び国際基準と同等の基準としつつ、我が国の実務に合わせて必要な調整を行うという余地を残すという方針に賛同いたします。その上で、特段②に関係してくる部分ですけれども、独立性、専門性、倫理規定に加えて、併せて品質管理のところについても重要な要素と思います。したがって、18ページで整理いただいているかと思いますが、ここの整理に賛同するところでございます。

今後の進め方についてなんですが、18ページにありますように、保証については意見書と実務指針ということを親基準ということで進められるということなんですが、時間的な制約があるということとともに、実効性は確保されている国際基準を準拠する形でというところで、これもよろしいのではないかと思います。

ただ監査と異なりまして、保証についてはNon-PAも入るということ、また、自主規制機関も存在しないということでございますので、これを金融庁において取りまとめるというところについては、ここも賛同するところでございます。

ただ、そうはいっても18ページとか28ページにありますが、金融庁が関係機関と連携して策定するという場合に、会計士協会以外に関係機関というのがどれぐらいあるのかなというのは正直思ったところでございます。現実として本日御報告いただいたように、会計士協会においては既に国際会計基準団体に実際参加してサポートして、今まで知見を深めていって知見の積み重ねがあると、実務の積み重ねがあるということ及び独自の実務指針というものも作成されているということを御報告いただいたところでございます。この点、18ページの実務指針との間できちんと、先ほど堀江先生からもありましたけれども、しっかり混乱しないように整理いただきたいところでございます。

そうはいっても保証業務実施者には監査法人以外も入ってくるわけですので、会計士協会さんが作られたのをそのまま利用するというわけにはいかないと思いますけれども、他方で2027年3月期からのスタートということになると、どうするのかなというところを少し思いましたので、ぜひ金融庁さんにおいて、全体を俯瞰して制度の作成をいただきたいと思うところでございます。

次、2つ目の下のほうの国際基準との調整の4点の部分でございます。まず、1点目のガバナンスに責任を負う者についてですが、これは企業との間であらかじめ合意するということですが、企業って具体的に何をイメージされているのかということです。この点、23ページを見ますと下に経営者とあるわけですが、執行サイドも含まれるのかなというあたりが正直混乱というか、投資家から見るとあまり信頼感がないような記述になっていると思いました。財務情報と非財務情報の質を整合的に維持するという観点からは、監査と別にする必要というのはないようにも思いますので、監査と同様に監査役会、監査等委員会とか監査委員会等がガバナンスの責任を有するということを明確にするということが望ましいのではないかと思います。

さらに踏み込みますと、会計監査人という会社法上の仕組みの中で、総会で承認されている方たちが、これが結果として金商法上の有価証券報告書についても監査を行っていただいているということで、全体としての信頼性を担保されているわけです。したがって、同じ有価証券報告書におけるサステナビリティ情報の保証についても、一義的には同じような、会社法とは違うとはいえ、信頼のあるガバナンスプロセスを経た仕組みというのが期待されるところでございますので、一義的には監査役会等、さらには取締役会にどう関与できるのか、承認とか報告が必要なのかについてもしっかり御議論をいただければと思います。

第2点の部分保証については、これもほかのメンバーからも既に御指摘ありましたけれども、投資家の誤解を避けるという観点からは、その範囲については明確に報告書で記載いただくということが望ましいと思っています。

③の部分なんですが、審査の部分ですが、そもそもISQM1にあるように、監査人の品質管理の観点ということは大変重要でございます。この点、有価証券報告書の一部であるサステナ情報についても、同様に品質管理システムというものは構築されるということが求められると思います。中でも審査というのはこれを確保する仕組みとして重要でありますし、今回新たに初めて登録される法人も出てくるであろうということが推測される中で、この仕組みの重要性はあろうかと思います。

4点目、引継・共同保証についてですけれども、これは財務諸表監査と別に扱う理由がよく分かりませんので、これも同様でよろしいかと思っています。あわせて、ちょっと少し広げますと、有価証券報告書において、財務情報と非財務情報のコネクティビティという観点からは、別々の法人が監査、保証した場合に、ISSA5000にあるように、両者の連携というのが大変重要です。ここについてもどこかのところでしっかりと明記していただくのが重要かと思います。このように申しますと、保証業務というのは監査と同様に独占的な業務が制度上認められているということで、その前提というのは企業情報の信頼性であって、ひいては日本市場の信頼性というところにつながるわけでございます。したがって、監査法人であれ、それ以外のPAの法人であれ、信頼性確保に関わる部分については、共同の共通の水準で制度整備されるということを期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

以上でございます。ありがとうございました。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。

それでは、オンラインで御参加の松元委員、お願いいたします。

【松元委員】

発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。

私も「御議論いただきたい事項」に沿って発言させていただこうと思いますけれども、まず、国際基準と同等な基準としつつ必要な調整を行う方針という点については、私も賛成でございます。それから、審議の進め方につきましても、御提案いただいた方法でよろしいのではないかと思いました。実務指針の策定の方法について、金融庁が関係機関と連携して策定するという点についても賛成いたします。

その上で、残りの点についてちょっと気づいた点というか気になった点だけ発言をさせていただきますと、「ガバナンスに責任を負う者」をあらかじめ合意するというところの考え方について、私もほかの委員の先生方と同様で、若干よく分からないなと思っているところがあります。今日御説明をいただいた、甲斐様の資料の5ページ目を拝見しますと、ISSA5000の目次の仮訳というのをつけていただいていますけれども、「ガバナンスに責任を有する者」というのは、仮訳の中の左の列の下から5つ目の、「経営者及びガバナンスに責任を有する者とのコミュニケーション」というところと、それから、真ん中というか1個右の縦列の下から4行目の、「経営者及びガバナンスに責任を有する者の確認書」と、ここに出てきている概念と同じということでいいのかなと理解したのですけれども、そうだとすると、「ガバナンスに責任を負う者」という言葉とは別に、「経営者」とのコミュニケーション、あるいは「経営者」の確認書というのを要求されるという理解でよかったのかどうか。もし違うのであれば教えてくださいという質問ですけれども、仮に今の理解でよろしいのだとすると、執行側と監督側、どっちの立場なのかというお話が先ほども出てきたと思いますけれども、執行の責任者を求めているのか、監督の責任者を求めているのか、それとも実際に一番詳しい実務担当者を求めているのかというところで、まず、ちょっと整理をする必要があるのかな、あるいは整理は既にされているんだとすると、御説明いただいたほうが、分かるのかなと思いました。

監査の責任者ということであれば、やはり監査役会とか監査委員会、監査等委員会とかそういうことになると思いますので、「あらかじめ合意する」だと何となくフリーハンドのような感じがして、実務の担当者だとしても、確認書にサインをするということになると、実務に一番詳しい人という話でもなさそうな気がしますので、そこは原則としては、例えば監査役会だとか監査委員会だとか、監査等委員会とかというところでお示しをいただいたほうが、やはりいいのではないかなというふうに思いました。

それから、3点目というかもう一つだけなんですけれども、これもやはり今日御説明いただいた甲斐様の資料の中で、サステナビリティ保証人と財務諸表監査人との連携という話が10ページに出てきたと思うのですけれども、この連携という話を拝聴していて、イメージがよく分からなくなったのですけれども、仮に財務諸表監査人を依頼しているのと同じ監査法人にサステナビリティ保証を頼む場合には、財務諸表監査人に対して提供する情報と、サステナビリティ保証人に対して提供する情報というのは、それぞれ、ファイアウォールみたいなものを引いて別々に出すというイメージなのか、それとも、同じ法人が受けるのであるから、両方からもらった情報というのは、全部その法人の中の担当者はみんな見られるという状況なのか。恐らく分けるのかなというふうな感じもしたんですけれども。ちょっとその辺りの実務的な情報の取扱いとかそういったところのイメージ、あるいは留意点についても、何かどこかでお示しいただけるとありがたいのかなというふうに思いました。

以上です。よろしくお願いいたします。

【阪部会長】

御意見いただきまして、どうもありがとうございました。

1点目のガバナンスの責任について、追加的に御説明お願いいたします。

【反町開示業務室長】

事務局でございます。御質問ありがとうございます。

まず、ISSA5000において、経営者及びガバナンスに責任を有する者とのコミュニケーションと規定されているというところでございますけれども、こちらはISSA5000の要求事項としては、経営者及びガバナンスに責任を有する者それぞれとのコミュニケーションの要求があると認識しております。その上で、サステナビリティ保証に関しまして、ガバナンスに責任を負う者についてどう考えるかというところでございますが、本日、委員の皆様方から御指摘ございましたとおり、原則的には監査役等が該当することが多いということが想定されるのではないかと考えてございます。同時に、執行サイドではない、サステナビリティ情報の監視を行うガバナンス委員会を設置するなどの形も考えられるところではございますので、そういった様々なガバナンスの構造を踏まえた考え方というのを示していく必要があると考えております。

2点目につきましては、実務のことや、ISSA5000の規定の詳細等は確認させていただきたいと思います。

【阪部会長】

どうもありがとうございました。

以上で、全ての委員から御意見を頂戴いたしました。時間もちょうど終了の時間に近づいてまいりまして、皆様、御協力いただきましてどうもありがとうございます。本日頂戴いたしました貴重な御意見に感謝をいたします。

次回のサステナビリティ情報保証部会では、本日いただきました御意見等を踏まえまして、引き続き、委員の皆様より御意見を伺ってまいりたいと思っております。

それでは、最後に、次回の日程等につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。

【反町開示業務室長】

今後の日程につきましては、皆様の御都合を踏まえた上で、最終的に決定させていただきたいと思いますので、御案内をお待ちいただければと思います。

【阪部会長】

それでは、以上をもちまして、第1回サステナビリティ情報保証部会を終了いたします。皆様、どうもありがとうございました。

以上

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