企業会計審議会 第4回会計部会議事録

1.日時:平成28年7月22日(金曜日)13時00分~15時00分

2.場所:中央合同庁舎第7号館 13階 金融庁共用第一特別会議室

○安藤部会長

定刻になりましたので、これより企業会計審議会第4回会計部会を開催いたします。皆様には、ご多忙のところご参集いただき、誠にありがとうございます。

今回から新たに川村委員、中川委員、挽委員に会計部会に所属していただくことにしましたので、事務局より紹介をお願いいたします。

○田原企業開示課長

企業開示課長の田原でございます。

本日より委員をお願いいたします両委員についてご紹介をさせていただきます。

まず中川委員でございます。

○中川委員

中川です。よろしくお願いいたします。

○田原企業開示課長

挽委員でございます。

○挽委員

挽でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○田原企業開示課長

なお、川村委員におかれましては、所用により、本日、到着が遅れるということでございます。

○安藤部会長

ありがとうございました。

また、本日は、参考人として、新日本有限責任監査法人から紙谷孝雄経営専務理事品質管理本部長、有限責任あずさ監査法人から金井沢治専務理事品質管理統轄、有限責任監査法人トーマツから丸地肖幸執行役経営企画本部長、PwCあらた有限責任監査法人から井野貴章執行役常務品質管理担当にご出席いただいております。

企業会計審議会理事規則に則り、本日の会議の公開についてお諮りいたします。本日の会議を公開することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

○安藤部会長

特にご異議ございませんので、そのように取り扱います。

それでは、議事に入ります。

会計部会におきましては、「IFRS任意適用企業の拡大促進」、「IFRSに関する国際的な意見発信の強化」、「日本基準の高品質化」、「国際会計人材の育成」の4つの課題について審議を行ってまいりました。

本日は、会計部会でこれまで審議してきた4つの課題のうち、まず「IFRS任意適用企業の拡大促進」、「IFRSに関する国際的な意見発信の強化」、「日本基準の高品質化」をめぐる状況について、関係者からご説明いただいた後、4つ目の「国際会計人材の育成」について、参考人としてお越しいただいている4つの監査法人の方々と財務会計基準機構から、それぞれの取組み状況等をご説明いただきたいと思います。これらをまずご説明いただいた後に、審議、意見交換を行いたいと思います。

まず事務局より、IFRSの任意適用企業の拡大促進に向けた最近の取組み状況について、ご説明をお願いいたします。

○田原企業開示課長

それでは、お手元の資料1に基づきまして、最近の状況についてご説明をさせていただきます。

1ページおめくりいただきます。日本におけるIFRS適用状況でございますけれども、前回の会計部会、昨年の11月になりますが、当時、非上場5社を含み97社ということでございましたが、現在は121社ということで、前回から24社増加したという状況になってございます。

なお、時価総額につきましては、現在111兆円で、全体の時価総額の21.5%ということで、昨年の19.5%からやはり増加しているという形になっているところでございます。

ページを6ページまでおめくりいただきまして、IFRS財団についてアップデートさせていただきますと、本年の7月に河野議長が退任いたしまして、当庁の氷見野金融国際審議官が議長に選出されております。任期は来年の2月までということで、河野議長の残りの任期を引き継ぐ形となっているところでございます。

1ページおめくりいただきまして、本年の『日本再興戦略2016』におけますIFRS関連の記載についてご説明をさせていただければと思います。6月2日に閣議決定されたものでございますけれども、本日ご議論いただくものと同じ形でございまして、大きく4点について閣議決定をいただいております。

1つ目がIFRSの任意適用企業の拡大促進ということでございまして、関連機関等と連携いたしまして、IFRSに移行した企業の経験を共有する機会を設けるとともに、IFRSに係る解釈について、発信・周知することによって、IFRS適用企業や、移行を検討している企業の実務の円滑化を図り、拡大を促進するということが1点目でございます。

2点目といたしましては、IFRSに関する国際的な意見発信の強化ということでございまして、のれんの会計処理やリサイクリングなどに関しまして、我が国の考える「あるべきIFRS」について国際的な意見発信をさらに強力に行うこととされております。

3点目は、日本基準の高品質化でございまして、企業会計基準委員会における我が国の収益認識基準の高品質化に向けた検討が加速されるよう、必要な支援を行うこととされております。

最後が、本日もご議論いただきます国際会計人材の育成でございますけれども、関係機関等と連携して、IFRSに関して国際的な場で意見発信できる人材のプールを構築すること、また、日本公認会計士協会を通じて、IFRSに基づく会計監査の実務を担える人材やその育成に係る監査法人の状況について把握し、監査法人に対して適切な取組みを促すこととされているところでございます。

以上が『日本再興戦略2016』におけるIFRS関連の記載ということでございます。

1ページおめくりいただきまして、こちらは昨年の日本再興戦略に基づく取組みでございます。前回にも少しご紹介させていただきましたが、「『日本再興戦略』改訂2015」におきまして、IFRS任意適用企業の拡大促進に資するという観点から、IFRS適用企業の実際の開示例や、最近のIFRSの改訂等も踏まえまして、IFRSに基づく財務諸表等を作成する上で参考となる様式の充実・改訂を行うこととされたところでございます。

これを受けまして、財務会計基準機構、ASBJの協力をいただきまして、改訂作業を行い、本年3月に「IFRSに基づく連結財務諸表の開示例」、7月に「四半期連結財務諸表の開示例」を公表させていただいたところでございます。

ポイントにつきましては、下の四角の囲みにございますけれども、28年の3月期までのIFRSの改訂を反映し、また、従前は表形式による開示例と根拠となる規定を記載したものでありましたが、それを結びつける説明を追加することでわかりやすくしまいした。また、実際の開示を参考にいたしまして、企業の実務に即したものにして作成し、さらに、多くの企業に必要となると考えられる項目にできるだけ絞り込むということを通じまして、企業の負担にも配慮した形で開示例を作成させていただいたということでございます。

お手元に冊子の形で配付させていただいておりますので、よろしければご覧いただければと思います。

なお、公表に合わせまして、9月末まで意見募集を行っておりまして、いただきました意見も踏まえて、今後も継続的に開示例のあり方については検討してまいりたいと考えているところでございます。

以上、駆け足でございますが、国際会計基準をめぐる最近の状況につきまして、ご説明差し上げました。ありがとうございます。

○安藤部会長

ありがとうございました。

次に、山澤委員より、IFRS適用に関する検討を実施している会社数等について、補足説明をお願いします。

○山澤委員

JPXグループから参りました山澤でございます。東京証券取引所では、IFRS任意適用企業の拡大促進策の一つといたしまして、2015年3月期の決算短信から「会計基準の選択に関する基本的な考え方」を記載するよう、上場会社に対してお願いしてきた経緯がございます。ちょうど一昨日でございますが、2016年3月期の決算短信までの開示内容を分析して公表いたしました。お手元の資料2「『会計基準の選択に関する基本的な考え方』の開示内容の分析」と題する資料でございます。本日はお手元の資料に沿って、概要を簡潔にご説明させていただければと思います。

ページをおめくりいただきまして、まずスライドの6ページをご覧いただきますと、IFRS適用会社数の推移を記載しているということでございます。6月末時点で、東証上場会社のうち、IFRS適用済みの会社が85社。それから、適時開示でIFRS適用を決定したと公表している会社が30社。IFRS適用決定を適時開示していないけれども、「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の開示の中で、IFRSを適用する予定である旨を公表した会社が26社ということになっているということでございます。

冒頭、開示課長のほうから121社というご説明がございましたけれども、この26社というのが121社の外数として加わるというようなイメージということでございます。この26社を加えますと、IFRS適用を予定している東証上場会社は141社ということでございまして、前回公表時に比べますと、前回公表時128社でございますから、13社の増加になるということでございます。

続きまして、1ページおめくりいただきまして、スライドの7ページでございます。これはIFRS適用会社を時価総額ベースで示した円グラフということでございます。IFRS適用済、適用決定、適用予定会社までを含めますと、時価総額ベースで見まして、東証上場会社全体の3割弱、29%ということでございまして、これも前回公表時と比べますと、2%ほどの増加となっているということでございます。

また、「会計基準の選択に関する基本的な考え方」の中で、IFRS適用に関する検討を実施しているという記載をしていただいている会社が、このほかに233社存在しているということでございます。

この検討を実施しているという会社の検討の具体的な進度という意味では、区々でございますけれども、いずれにしましても、こちらも前回公表と比べまして、20社増加しているということで、東証の上場企業につきましては、徐々にIFRS適用に動いているということが言えるのではないかということでございます。

最後にスライドの9ページでございますけれども、業種別のIFRS適用状況でございます。IFRS適用会社は、33業種中、23業種でございまして、大きな傾向といたしましては、前回4月の公表時と変わっていないということでございます。

簡単でございますけれども、以上、ご説明いたしました。

○安藤部会長

ありがとうございました。

続きまして、IFRSに関する国際的な意見発信の強化について、ASBJと経団連より説明いただきたいと思います。ASBJからは、日本基準の高品質化についてもあわせて説明をお願いいたします。

まず小野委員よりお願いします。

○小野委員

企業会計基準委員会の委員長の小野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

お手元の資料3を使ってご説明をさせていただきます。2ページをあけていただけますでしょうか。ASBJでは現在、中期運営方針を策定中でございまして、今後3年間の日本基準の開発の基本的な方針と国際的な会計基準の開発に関連する活動を行うに当たって、基本的な方針を取りまとめるための議論を行っております。ASBJは、設立以来、我が国の上場企業等で用いられる会計基準の質の向上を図るべく活動を行ってきておりますが、中期運営方針では、その目的を達成するために日本基準を高品質で国際的な整合性のとれたものとして、維持向上を図るとともに、国際的な会計基準の質を高めることに貢献すべく意見発信を行っていく必要があると考えております。

まず国際的な意見発信に関する最近の取組みにつきまして、ご説明をしたいと思います。3ページをあけていただけますでしょうか。

のれんの償却についてご説明をいたします。IASBにおける議論の状況ですが、IFRS第3号「企業結合」の適用後レビューが行われまして、2015年2月より、のれんの償却、減損テストの改善等をリサーチ・アジェンダとして審議を行っております。

昨年の秋から、IASBはほぼ毎月、のれんに関する議論を行っておりますが、のれんの償却の再導入の是非につきましては、IASBのボードメンバーの中で大きく意見が分かれております。また、会計基準アドバイザリー・フォーラム(ASAF)におきましても、最近はほぼ毎回、のれんの償却が取り上げられておりますが、ASAFメンバーの間でも大きく意見が分かれている状況でございます。

一方、FASBにおきましては、フェーズを分けて議論が行われておりまして、現在は、のれんの減損の簡素化の検討を行い、米国会計基準のいわゆる2ステップアプローチを簡素化する公開草案をこの5月に公表しております。のれんの償却の検討については、今後、IASBと協働して進めることとしております。

4ページをあけていただけますでしょうか。ASBJはこれまでスライドに記載しましたような意見発信を行っていることをこの会計部会におきましても報告をしておりますが、最近の取組みといたしましては、IASBからの依頼によりまして、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)と共同で、日本市場、米国市場、欧州市場に上場されている企業ののれんの残高や減損金額の推移等に関するデータのリサーチを、この5月のIASB会議と今月開催されましたASAF会議で報告して審議が行われております。

データのリサーチでございますため、直ちにのれんの償却に結びつくものではございませんが、特に米国市場と欧州市場におけるのれんの残高が巨大となっていることをエビデンスとして示すことができまして、この問題に対する何らかの対応が必要であることは、会議の参加者と共有できたものと考えております。

このように、のれんの会計処理の検討が大変重要な局面を迎えていることもございまして、ASBJでは、経団連、日本公認会計士協会、アナリスト協会と連携して、さらなる意見発信の方策を検討しているところでございます。

次に、当期純利益の審議の状況についてご説明をいたします。5ページをあけていただけますでしょうか。現在、IASBでは、概念フレームワークの公開草案に対するコメントを踏まえた審議が行われておりまして、今年の6月のIASB会議では、スライドの5の3つ目の黒丸のところに記載されているような暫定決定を行っております。純損益の重要性につきましては、概ね異論のないところですが、我々が主張しております純損益の定義はなされておりませんで、また、原則リサイクリングするとされながら、例外を認めるような内容になっております。

これまでこの会計部会におきまして、IASBの概念フレームワークの見直しの中で当期純利益の問題が取り上げられ、6ページに記載しました意見発信を行っている旨をご報告しております。のれんと同様に、当期純利益の問題につきましても重要な局面にあり、ASAFのメンバーでもASBJの意見と似通った主張を行っている国もございますので、それらの他の会計基準設定主体等と連携しまして、ASAF会議等で対応を図っていく予定でございます。

次に、日本基準の高品質で国際的に整合性のとれたものとする取組みについて、ご説明をいたします。7ページをあけていただけますでしょうか。

ASBJでは、我が国の市場で用いられる会計基準が高品質で、国際的に整合性のあるものとする取組みを行ってきておりますが、現在、昨年の4月の会計部会にて着手することをご報告しました収益認識に関する包括的な会計基準の開発を行っております。この2月には、「収益認識に関する包括的な会計基準の開発についての意見の募集」を公表いたしまして、IFRS第15号を出発点として議論を進めることと、適用上の課題につきまして広く意見を募集いたしました。

この意見募集文書を公表した後、20弱の業界の方々にご説明をさせていただきまして、その結果、33通のコメント・レターを受領することができました。そこでは、総論といたしまして、IFRS第15号を出発点として開発を行うことについて、大半が賛意を示されましたが、各論では色々な意見が聞かれまして、とりわけ基準を開発することの便益をより説明すべきであるとか、現在の実務、取引慣行に配慮すべきであると、そういった意見が聞かれております。ASBJといたしましては、これらの意見に対応すべく慎重に議論を重ねていきたいと考えております。

8ページをあけていただけますでしょうか。収益認識基準以外の今後の取組みにつきましては、現在、中期運営方針の策定の最中でございまして、議論を行っております。これまでの取組みによりまして、日本基準は一定程度、国際的な会計基準との間で整合性が確保されておりますが、国際的な会計基準におきましても新基準の開発や既存の基準の改正が継続的に行われております。したがいまして、今後も日本基準を国際的に整合性のあるものとするための取組みを継続的に行う必要があると考えております。

ただし、国際的に整合性のあるものとする取組みは、国際的な会計基準を自動的に日本基準に取り入れることを意味するものではなくて、国際的な会計基準における個々の会計処理について、日本基準に取り入れる範囲を適切に決める必要があると考えております。

いわゆる東京合意におきまして検討対象とされました会計基準より、その後にIASBにより公表された会計基準のうち、企業の財務情報に大きな影響を与えるものとしましては、IFRS第9号「金融商品」、10号「連結」、13号「公正価値測定」、16号「リース」がございますが、現在、中期運営方針の中で、これらの進め方につきまして、議論を行っているところでございます。

私からの報告は以上でございます。

○安藤部会長

ありがとうございました。

続きまして、野崎委員より説明をお願いいたします。

○野崎委員

経団連の企業会計部会長を務めさせていただいております、住友化学の野崎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。特に資料という形では用意しておりませんので、口頭でご報告を申し上げます。

まずIFRSに関する国際的な意見発信につきまして、経団連の立場からの取組みでございます。

これまで経団連は、のれんの償却、それから、純利益・リサイクリングの2つを中心に、ASBJと連携をとりながら、IASBに対して意見発信をしてまいりました。具体的に申しますと、IASBの概念フレームワークの討議資料、これは2014年の1月ですが、それから始まり、14年9月のASBJ、EFRAG及びイタリアの基準設定主体(OIC)ののれんに関する討議資料、それから15年11月のIASBの概念フレームワークの公開草案、そして昨年12月のIASB、アジェンダ協議の2015年度版、これらにつきまして経団連としてコメントを提出しております。

それから、IASBのフーガーホースト議長が日本に訪問される際には、必ず経団連の会合にお招きをいたしまして、特にのれんの償却と純利益・リサイクリングについて、ある意味、しつこいほどに要望させていただいている次第でございます。

実際、今年の4月にフーガーホースト議長が来られた折には、私ども住友化学にもわざわざお越しいただき、意見交換を私自身とも行っております。その際には、日本における、さらなるIFRSの適用拡大のためには、のれんの償却、純利益・リサイクリングについて、さらに深く議論をしていくということに意味があるということを強く申し上げた次第でございます。

実は、先ほどの東証の資料にもございましたが、私ども住友化学も2018年3月期からIFRSを任意適用することを表明いたしております。その際に社内でも色々議論になりましたのが、いわば長期的経営の安定性を考える上で、のれんの定時償却というのは非常に大事であるということ、あるいは、経営の規律というような面からも、これが大事であるということが非常に議論になりましたので、そのあたり、議長にもご理解をいただくようお話しをしたということがございます。

それから、先月の6月でございますが、IASBの鶯地理事をお招きいたしまして、経団連の企業会計部会を開催し、IFRSの動向について説明をしていただきました。その際にも同じく、のれんの償却、純利益・リサイクリングというものにつきまして、経団連の会計部会の各委員から問題提起を行っております。

これらの問題につきましては、地道に繰り返し日本の考え方を伝えるということで、仲間を増やしていくということしかないのかなと思っております。伝え聞きますに、この前のASAFの会議では、中国がのれんの非償却により、膨大なのれんがたまっている、その一方で減損による費用化が著しく少ないという問題意識をお持ちで、中国としてのれんの償却に賛同する意見を述べられたということも伺っておりますし、FASBの委員の半分ぐらいの方ものれんの償却に賛成という話もお聞きします。欧州でも償却に前向きな国もあると伺っておりますので、そういう地道な取組みというのは非常に大事だと思います。

非償却派の方々の意見も聞いていますと、定時償却を否定する十分な根拠があるとは、あまり私自身は感じられないなと思っております。むしろ滞留した過去ののれんは償却したくない、償却ということで否定をされている、非常に多額ののれんを抱えていらっしゃる方が減損から償却に急に切りかえますと、自己資本が大きく毀損してしまう、というようなこともあろうかと思いますので、そういう意味では、何らかの激変緩和措置のようなものが提案できれば、償却への賛同も得やすいのではないかなという議論をいたしております。いずれにしても、経団連としましては、今後ともそういった国際的な意見発信に協力させていただきたいと考えております。

以上でございます。

○安藤部会長

ありがとうございました。

続きまして、国際会計人材の育成に移りたいと思います。第3回会計部会、これは前回ですが、昨年の11月19日に開催いたしました。この第3回会計部会におきまして、企業・財務諸表利用者の委員から、次のような意見がございました。ご紹介いたします。2点です。

1点は、「IFRSを任意適用しようとしている企業が不安を感じないよう、IFRSの監査に対応できる人材がどれくらいいるか、外部にわかりやすく説明してほしい。」、もう1点は、「監査法人がIFRS人材の開発についての全体的な計画やロードマップを取りまとめ、公表していくことが、今はIFRSを採用していない企業にとっても有益ではないか」と、こういった意見がございました。

こうした意見を踏まえ、前回の審議の最後に、私から次のように申し上げました。

「会計人材の確保については、IFRSの任意適用企業の拡大という課題の最大の障害の一つになりかねない要素であると考えられ、その裾野の拡大に向けて、企業と、監査人・日本公認会計士協会双方において、さらなる取組みの必要があること。監査人・日本公認会計士協会におかれましては、IFRS適用企業の増加傾向を見通しながら、IFRSに習熟した公認会計士の育成確保の取組みを一層強化していただくことが重要である」と、こう申し上げました。

本日は、大手監査法人より、IFRSに基づく会計監査の実務を担える人材の育成に向けた取組み状況について、説明をいただきたいと思います。

まず新日本有限責任監査法人の紙谷孝雄経営専務理事品質管理本部長より説明をお願いいたします。

○紙谷参考人

新日本監査法人の紙谷と申します。本日はよろしくお願いいたします。

私のほうでは、資料4を用いまして、当監査法人におけるIFRS監査を担う人材の育成について、ご説明させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

1ページをおめくりいただきまして、IFRSの実務を担う人材の育成・確保の方針・現状について、まずご説明させていただきます。

方針としましては、当監査法人は、リスク管理方針を定めまして、こちらに基づきまして、IFRS監査に従事するパートナー及びマネジャー、現場責任者がシニアの場合にはシニアなのですが、こちらが業務開始前にIFRS認定資格を取得するということにしております。こちらの認定資格につきましては、後ほどご説明させていただければと思います。

人材の状況について、こちらの表にまとめさせていただいております。こちらの会社数につきましては、先ほど資料2で山澤委員がご説明された東京証券取引所調べの会社数を用いさせていただいております。まずIFRS監査の適用済み企業につきましては、弊法人で31社監査させていただいております。こちらの31社に関与しているパートナーの数及びマネジャーの数でございますが、パートナーの数としては110名、マネジャーの数としては100名となっております。

次に、実際にはまだ適用済みではないのですけれども、適用に向けて取り組んでいらっしゃる企業の数でございますが、こちらが79社となっております。こちらの79社につきましては、ほぼほぼ適用直前のかなり準備ができている企業と、まだまだ検討が初期の段階の企業と両方含まれているというところでございます。そちらで合計で79社となっております。こちらに関与しているパートナーの数としては約100名、マネジャーの数としては約110名という形になっております。

また、パートナー、マネジャー以外につきましては、下のブレットポイントで記載させていただいておりますが、適用済み企業につきましては、約370名の公認会計士が関与しているという状況でございます。

1枚めくらせていただきまして、このような人材をどのように研修しているかについてが次のページでございます。

先ほどご説明させていただきましたとおり、弊法人ではIFRS認定資格制度というものを設けております。こちらはこの資格を取得するためには約40時間の研修を受講することになっております。また、一度取得した後は、毎年開催されるアップデート研修を受講することで、知識の維持を図っております。こちらの取得者については、過去3年の推移を記載させていただいておりますが、直近では3,200名という形になっております。

さらに、より実践的、かつ応用力を要する論点を分析するための知識を習得するために中級研修というものを実施しております。こちらが2016年3月現在で、1,100名受講済みという形になっております。さらに、それに追加したところで、最新の論点に関するような研修を適時開催しているという形でございます。

1枚おめくりいただきまして、IFRSに関する検討を実施している企業への対応でございますが、先ほどの1ページ目の合計の会社数が110社となっております。監査業務ごとに関与するパートナー数、マネジャー数は、会社の規模等によって異なるところですけれども、平均で申しますと、弊法人として、パートナー数については、今、絞ったところで関与するということにしておりますので、平均で2名と考えておりまして、マネジャーを平均で3名と考えた場合には、延べパートナーが220名、マネジャーが330名必要となると考えております。

こういった必要とされる人数に対しまして、先ほどの資格取得者及び中級研修の受講者等を考えますと、十分に対応できるものと考えているところでございます。ただし、研修を受けただけでは実際には知識として不十分な点もあろうかと思いますので、実際の個別の監査業務を行うに当たっては、監査チームの組成の中で、既に経験している者とそうでない者を組み合わせ、最適な監査チームをつくったところで業務に当たっていきたいと考えているところでございます。

続きまして、4ページ目でございます。IFRSの適用、解釈等に関する組織体制でございます。弊法人におきましては、IFRSの専門部隊としまして、IFRSデスクというものを設けております。こちらは2002年に設立しまして、2016年3月現在では22名の専門家が所属しております。こちらは2012年当時は15名でございましたので、昨今のIFRSの任意適用の拡大に伴いながら、人員を増強してきているところでございます。

こちらのIFRSデスクでは、IFRSに関する調査研究や情報提供のほか、IFRSの解釈や適用に関するコンサルテーション、財務諸表のテクニカル・レビュー等を行っております。また、後ほどご説明させていただきますとおりEYと連携し、情報交換しながら業務に当たっているところでございます。下に組織図を書いておりますが、IFRSデスクは品質管理本部の中の1部門という位置づけになっております。

次のページがIFRSを監査するときの審査体制でございます。監査チームが監査しただけでは、監査報告書は発行することができないという形になっておりまして、IFRS財務諸表が一旦、監査チームで監査し終わりますと、IFRSデスクにテクニカル・レビューという形で専門家のチェックを受けることになっております。さらに、1監査業務に対しまして、1名の独立審査担当社員がついておりますので、こちらの審査を受けたところで監査報告書を発行するというシステムになっております。

ただし、監査チームが実際に監査している中で、IFRSの解釈等で不明な点があるといった場合には、右側のコンサルテーションという専門的な見解の問合せをするという仕組みになっております。多くの場合は、このIFRSデスクへのコンサルテーションで解決するのですが、一部、他国への影響があるような重要な論点があった場合には、EYグローバルにも照会するという形になっておりますが、件数としては極めて限定的でございます。

また、独立審査担当社員が審査している中でも個別案件の中で重要なものがある場合には、IFRSの専門審査会、さらに本部審査会の審査を受けるという場合がございます。

最後に、EYグローバルとの関係をまとめたものが6ページ目でございます。

EYにおきましては、IFRS政策委員会、こちらがEYのIFRSに関する最高意思決定機関となっております。ここに日本からの代表者が入っておりますので、グローバルで決まったことをそのまま受け入れるというよりは、我々も意思決定に参加したところで色々なことを決めて、それを実行していくという形になっております。

政策委員会の下には、論点別グループというものと業種・産業別グループという2つの軸の中で、さらに専門的な研究をしているグループがおります。その下に、先ほどのIFRSデスクがつくという形でして、EYにおきましては4つエリアがありまして、米国、欧州、アジア・パシフィックと、あと日本が1国で1エリアとなっておりますので、日本の先ほどIFRSデスクはここに存在しているという形になっております。

当監査法人としましては、このように人材を育成しながら、組織を構築しながら、IFRSの任意適用に合わせたところで十分に監査できる体制を構築していると考えているところでございます。

私からの説明は以上でございます。

○安藤部会長

ありがとうございました。

続きまして、有限責任あずさ監査法人の金井沢治専務理事品質管理統括より説明をお願いいたします。

○金井参考人

あずさ監査法人の金井でございます。よろしくお願いいたします。資料5に従いまして、私どもの取組みをご説明申し上げます。

まず1枚めくっていただきまして、2ページでございます。私どもの取組みの方針でございますが、当法人では、IFRS監査の実務を担う人材として、適切な専門知識だけでなく、適度な実務経験を積んだ人材を育成するために、IFRS認定資格制度を設けて人材育成に取り組んでおります。

IFRS監査に従事する監査チームの主要メンバー、私どもは、エンゲージメントパートナー、それからエンゲージメントマネジャー及び協議審査員でございますけれども、研修だけでなく、実務経験も要求した高いIFRS認定資格レベルAを要求し、高度な知識と経験を持った人材の確保に努めております。

次のページでご説明いたしますが、認定資格には、レベルA、B、Cとございまして、レベルAが一番高いレベルでございます。この下の表にございますのがパートナー及びマネジャーの従事者数でございます。既に適用済みの会社23社につきまして、パートナー110名、マネジャー100名が従事いたしております。これに対しまして、適時開示済み、適用予定、それから検討を実施すると記載している企業56社を含めた計76社につきましては、パートナー約280名、マネジャー310名が従事いたしております。これは人数が少し多く見えますが、その理由は実際に今、監査しておりますパートナー、マネジャーと、IFRSへの移行支援を行っておりますパートナー、マネジャーの両方が含められますので、少々、人数が多く見えるかと思います。

それでは、3ページを見ていただけますでしょうか。こちらが先ほどご説明申し上げたIFRS認定資格制度です。対象はパートナー及びマネジャーになります。監査チームの主要メンバー及び協議審査員は、アクレディテーションの認定を受けなければならないとされており、レベルA、B、Cそれぞれ必要な場合と、それから要件が記載してございます。

レベルAは、IFRSに準拠して作成された財務諸表/財務情報を対象とする意見表明業務、かつ一定の要件を満たす場合で、この一定の要件と申しますのは、外部に監査意見を出す場合でございます。一方、KPMGグループ内での意見表明の場合はレベルBとしております。

レベルAに戻りまして、資格要件ですが、まず従事要件としまして、過去12カ月間に200時間以上の関与する必要がございます。それから、研修要件としまして、基本的な研修でございますIFRS Baseline研修、それから年次のアップデートのIFRS Periodic Update研修を受講する必要がございます。IFRS Baseline研修は大体30時間ぐらいですね。それからUpdateは年間で5時間ぐらいかと思います。

レベルBは、ほぼレベルAと同じですが、違うところは従事時間です。これは12カ月間で150時間以上の関与となってございます。 それから、Cは、それ以外の場合でございます。

それでは、4ページに移っていただけますでしょうか。現在のIFRS認定資格制度を満たしている有資格者の推移でございます。まず上の段が、A、B、Cの合計です。2014年6月がパートナー、マネジャーが合計しまして、1,040人でした。これが2016年6月現在で1,190人になっています。この右端のパーセンテージは、それぞれのランクの所属員数に対する資格取得者の割合でございます。このうち、先ほど申し上げました、一番レベルが高いA資格の取得者は下段になります。2016年6月現在は、パートナー約160人、マネジャー約270人、合計430人となってございまして、このパーセンテージを見ていただければおわかりになりますように、ほぼ25%、4分の1の所属員が、一番厳しい資格Aを有してございます。

それでは、5ページに参りまして、研修制度です。さきにも述べましたが、アクレディテーション制度に関連しまして、知識の向上を含めまして、2つの種類の研修がございます。一つは、IFRS Baseline研修です。これは過去5年で、延べ人数が3,620人と書いてございますけれども、これは一度受ければ、基本的なことですから、要件は満たしますので、そういう意味で何人これまで受けましたということを記載してございます。

それから、Update研修は毎年受けなければいけませんので、年間で約1,400人が受講しているという状況でございます。

上記以外に、より実践的かつ応用力を要する論点を分析するための知識を習得するための個別研修や、期末直前の決算留意事項研修などを実施してございます。

それから、通常の海外赴任者制度(GJP)、私どもGlobal Japanese Practiceと呼んでいるのですが、その通常の赴任制度とは別に、海外の会計基準等の研修目的とした海外派遣制度(SDP)、Senior Development Programと呼んでございます。34名、6月末現在で派遣いたしております。

それから、私どもがこれまで人員の育成が十分であるかどうかということにつきましてのサマリーでございます。1つ目のところが、先ほど2ページのところでご説明いたしました99社が合計でございまして、2つ目に参りまして、アクレディテーション制度のもとでは、監査チームごとに、先ほどのAレベルの資格を有するエンゲージメントパートナー1名、エンゲージメントマネジャー1名が必要となります。上記の99社が全てIFRSを適用したと想定する場合、単純計算で、延べパートナー数約100人、マネジャー数約100名が必要となります。このリソースは、先ほど4ページでご説明いたしましたレベルAの認定資格取得者の人数、パートナー約160名、マネジャーの約270名を勘案すれば、十分に対応できるものと考えております。

また、3つ目に参りますけれども、監査業務ごとに関与パートナーを3名、マネジャーを平均4名と想定した場合でも、単純計算で、延べパートナー約300人、マネジャー約400人が必要となり、先ほどの4ページで見ていただきました全体のIFRS認定資格取得者人数、520名、670名を勘案すると、十分に対応できるものと考えております。

高品質のIFRS監査を提供するためには、研修を通じた各プロフェッショナルの底上げのみならず、現場での実務経験と専門知識を豊富に兼ね備えた人材の投入が重要であると認識いたしております。品質管理部門、特に会計プラクティス部と監査事業部との間での人事交流、ローテーションや兼務をすることや、相互に情報交換をして緊密な連携を行うことで、現場での実務経験を踏まえたIFRSの高度な専門知識を監査事業部に適時に提供いたしております。

それから、7ページが私ども組織の体制でございます。先ほど会計プラクティス部と申し上げましたが、下の組織図は、ごく簡単な組織図でございますけれども、品質管理本部の中に、会計プラクティス部と監査プラクティス部という2つの部がございます。監査に関する情報提供等を行うのが監査プラクティス部、会計に関するアドバイス、情報提供等を行うのが会計プラクティス部です。IFRSの適用につきましては、この会計プラクティス部が所管部署になっておりまして、会計プラクティス部は、IFRS、日本基準、米国基準の全てを取り扱ってございます。

2016年7月1日現在、監査事業部との兼務者も含め、44名のIFRSの専門家が会計プラクティス部に所属しておりまして、これは人数を見ていただければおわかりになりますように、所属人員は右肩上がりで増加いたしております。

それから、審査体制でございますが、これは日本基準の審査体制と大枠ではあまり変わるところはございません。監査事業部では、監査チームと協議審査員が適時に審査を実施いたします。監査チーム、協議審査員の意見が異なる場合には、必ず専門的見解の問い合わせが必要になります。また、一般問い合わせという通常の質問窓口もございます。

それから、左側の財務諸表レビューというのは、IFRSを初年度適用した場合には、会計プラクティス部の中でその財務諸表を必ずレビューするということになってございます。それから、事案によっては、上級審査会に意見具申する場合もございます。これが全体像でございまして、通常の日本基準の意見形成と大きく異なるところはございません。

それから、9ページに参ります。私どもは日本で完結できるIFRS品質管理体制を敷いてございます。会計プラクティス部は、IFRSについて、IFRSの解釈や適用に関するコンサルテーション、IFRSに準拠した財務諸表等のテクニカル・レビューやIFRS認定制度の管理・運営のほか、調査研究や情報提供も行っています。

それから、いまほど日本で完結する制度と申し上げましたものは、もちろんKPMG Globalとの連携もございます。KPMG GlobalのIFRSの解釈は、次のページで全体像の表が出てまいりますけれども、KPMG ISG(International Standards Group)より出されます。あずさ監査法人からは、パートナーまたはマネジャーをこのKPMG ISGに2名常駐させてございます。現在、出向している者も含め、これまで7名がISGに出向の実績がございます。

KPMG ISGは、IFRS Panelのもとに9つに分類された会計領域ごとに、Global Topic Teamと呼んでおります会議体を有しています。ここでは定期的にミーティングが開催されています。

日本からは、KPMGによるIFRSの解釈の最終承認機関であるIFRS Panelに1名、これは11分の1が参画しております。また、9つのTopic Team、大体1Topic Team10名程度なのですけれども、9つのうち7つには日本からのメンバーが参画いたしております。監査の現場で問い合わせ事項が生じた場合、会計プラクティス部が対応しますが、ISGとの協議が必要と判断されれば、ISGと適宜意見交換を行っております。

最後に10ページでございますけれども、今お話申し上げた内容を図にしたものでございます。現在、日本人が2人駐在、それから、IFRS Panelにもメンバーを送っておりまして、あと、Topic Teamも多数の日本人が参画いたしております。

以上、ご説明させていただきました内容を含めまして、私ども十分な適用体制ができているものと認識いたしております。

○安藤部会長

ありがとうございました。

続いて、有限責任監査法人トーマツの丸地肖幸執行役経営企画本部長より説明をお願いいたします。

○丸地参考人

それでは、お手元の資料6に基づきまして、説明をさせていただきます。私は有限責任監査法人トーマツの丸地と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

表紙をおめくりいただきまして、まず最初に、当法人のIFRS監査の実務を担う人材の育成及び確保の方針につきまして、3つの方針として取りまとめてございます。

まず1点目でございますけれども、当法人では、IFRSを私ども監査プロフェッショナルの必須の技能と認識してございまして、当法人の研修体系に組み込んでおります。さらにIFRS監査を担います中核的な関与者に対しまして、必須研修の受講と、そして、監査実務経験を要件としますIFRS監査資格認証の取得を要請してございます。

2点目でございます。IFRS人材の育成におきましては、監査現場におけるOJTが重要と考えてございまして、本部のIFRSテクニカル部門に対する専門的な見解の問い合わせ等を通じまして、実践力のある人材育成に取組み、あわせて高度な専門性を持つ人材の育成にも取り組んでございます。

最後の3点目でございます。監査対象企業のIFRS適用の計画の把握に常日頃から努めてございます。経営として必要なIFRS人材のボリュームを経常的に把握することで、中核的関与者の育成スピードに反映させることで、今後もIFRS監査人材の基盤を継続的に拡大・強化していく方針をとってございます。

以上、3点が当法人の方針でございまして、次に、その内容をご説明させていただきます。1ページめくっていただきまして、3ページ目から5ページ目にかけまして、当法人のIFRS監査人材の現状について取りまとめてございます。

まずこちらの3ページでございます。左上のこの青く塗らせていただいたところでございますけれども、2016年3月期までに既にIFRSを適用済みの企業22社、これにつきまして、IFRS監査の関与者数の情報を取りまとめてございます。パートナーとマネジャーをあわせますと、ちょうど300名ということでございます。

これに欄外の注記に記載してございますけれども、スタッフが約500名おりますので、合計800名のプロフェッショナルが現在、既に適用済みのIFRS監査に関与しているという状況でございます。

4ページ目にお進みいただけますでしょうか。今申し上げましたことが1つ目のブレットに記載してございます。22社の関与人数800名に加えまして、2つ目のブレットにありますが、将来のIFRS開示に向けて、今監査を実施している企業、あるいは海外企業の日本子会社のIFRSパッケージの監査、これもIFRS基準で、実際の実務として実施しておりますので、これらの関与を含めますと、約1,370名の監査プロフェッショナルがIFRS監査の業務経験があるという状況になってございます。

これは監査を実施しています監査事業本部のプロフェッショナルの35%を超える水準となり、3分の1以上が既にIFRS監査実務に携わっているという水準になってございます。

さらに3番目のブレットでございますけれども、これらIFRS監査業務経験者のうち、監査をリードします中核的関与者には、当法人といたしましては、IFRS資格認証の取得を要請しておりまして、現在、その取得者数は600名を超えているという状況でございます。

この資格認証の詳細につきましては、5ページに記載させていただいているとおりでございます。3段階の資格認証ということで、数字等を記載させていただいているということでございます。

最後に、次の6ページで、今後のIFRS適用会社数が増加するという傾向の中で、当法人の対応方針についてご説明申し上げます。

上のほうの箱に記載してございますように、既に適用済みの22社に加えまして、当法人の監査対象会社のうち、66社についてIFRS適用をする可能性があるとした場合、88社という会社数でございます。会社数でいいますと、当法人の金商法監査企業の約9%程度に相当するということでございます。

一方で、人数規模なのですけれども、先ほどご説明いたしましたとおり、既に35%以上のプロフェッショナルがIFRS監査のご経験がございます。さらに、既に600名の資格認証者がいるということから、現在の人材基盤でも十分対応が可能なレベルにあると考えてございます。

こちらの箱の一番下にありますが、パートナー3名、マネジャー4名程度の関与を平均的に想定しますと、88社に対して616名の関与ということでございます。

しかしながら、今後もIFRS導入を検討する監査対象会社数が増加することが想定されております。当法人としては、引き続き、包括的な研修体系に沿った人材育成を継続するとともに、経験者の知見を継続的にアップデートするための研修機会もあわせて設けてございます。さらにマネジメントといたしまして、IFRS適用会社数の増加に対応した中核的な関与者数を維持拡大するために必要な人材ボリュームというのも常に把握する体制を整えてございまして、この育成スピードにきちんと反映させていただく予定でございます。

7ページ目以降につきましては、当法人の研修制度の概要でございます。続いて最終ページには、IFRSの適用解釈などに関する組織体制についての説明資料でございますが、これは第3回の会計部会で、当法人の参考人よりご説明済みのものになりますので、本日は説明を省略させていただきます。

私からのご説明は以上となります。ありがとうございました。

○安藤部会長

ありがとうございました。

続いて、PwCあらた有限責任監査法人の井野貴章執行役常務品質管理担当より説明をお願いいたします。

○井野参考人

PwCあらたの井野でございます。よろしくお願いいたします。

私ども今年で10周年を迎えました。発足のときの志が、国際的な監査ができる法人になるということでございまして、IFRSの監査につきましては、その特徴を生かして、日本経済の発展に貢献していきたいというように考えてございます。

1枚めくっていただきまして、スライドの2でございます。私どもの人材の育成・確保の方針ということですけれども、オレンジのボックスにありますとおり、現場力の向上、法人としてのサポート体制の向上、グローバルネットワークの活用、そして、何よりも事業に対する理解ですとか、取引・事象の経済的実態の理解力を向上させていかないといけないと、こういった問題意識で取り組んでございます。

1枚めくっていただきまして、監査クライアントに関わるIFRS人材の状況ですが、他法人と同様に表記をいたしました。私どもは設立後の期間が短いため監査クライアントの数が相対的に少ないこともございまして、こちらに記載できる人数が少なくなっております。一方で、監査先でないアドバイザリー業務の提供先も含めまして、こちらに記載の無い人材の育成を図っているところでございます。

監査業務という点でいきますと、1行目の現在9社に対して、パートナー30名、マネジャー30名の計60名、そして、下のほうにございます「IFRS適用企業の監査については」というブレットポイントでございますが、110名の専門職員が現在、監査業務に従事してございます。

1枚めくっていただきまして、私どもの人材の育成の状況でございます。オレンジのボックスでございますが、1年以内にIFRS関連業務、監査でありますとかアドバイザー業務に従事する者につきまして、IFRSの必須研修を受けるべき者という認定をした上で、研修の受講を義務づけております。2016年6月現在では、合計1,360名のパートナーを含めた職員がこの認定をされて、研修の受講義務がございます。この人数は、私どもの専門職員のうち、約65%となっています。この受講状況はモニターをいたしておりまして、結果は人事評価にも反映しております。

次のスライドにいっていただきまして、私どもの研修制度の概要でございます。当法人では、職階、年数、それから、監査チーム内での役割といったところを勘案いたしまして、数年をかけて研修を行っております。一定年次以降はアップデートの研修を実施しております。研修のボリュームといたしましては、こちらにありますとおり、実践研修という形でワークショップのスタイルで、1年目から5年目まで実施しております。

大型のIFRSコンバージョンプロジェクトの実施においては、通常、分科会を設けまして、領域別のリーダーが決まりますけれども、そういったリーダーが研修講師を務めて、どういう形で問題を見つけて、どういう形でその問題を調査して、どういう形でその問題の結論を導いたのか、こういった問題解決の思考プロセスも含めて、事例の共有と実践の共有ということに努めております。

また、それぞれの実践研修に先立って、eラーニングの形で事前の学習が義務づけられております。こちらは全部で今、23コースございますが、大体平均しますと、1コース当たり90分の内容となっています。

次のスライドにいっていただきまして、私どものIFRS監査への対応力という論点でございます。現在、IFRS適用を検討している企業のうち私どもに関連するとされている数字を踏まえますと、現状31社が想定されております。1社当たりの平均の必要人員につきましては、規模、業種によって異なりますけれども、パートナー3名、マネジャー3名、それから、スタッフ12名程度というように考えた場合に想定される必要な人数は、一番右のボックスにありますとおり、パートナー90名、マネジャー90名、スタッフ370名となってございます。一方で、私ども研修の受講者数というところでは、これを上回る人数が実施しておりますので、十分に対応できるというように考えてございます。

続きまして、次のスライドでございます。今度はサポート体制です。品質管理本部の一部門である、アカウンティング・サポート部(ACS)と呼んでおりますが、こちらがIFRSの適用と解釈をサポートしております。

次のスライドにいっていただきまして、このACSがどのように活動しているかということのご説明になります。PwCにおきましては、IFRSの解釈、そして、適用方針を決定するのは、Global ACSというグループとなっています。スライドのちょうど真ん中あたりにある箱の中にあるものです。このGlobal ACSは、PwCのパートナー140名、それから、コンサルタント270名で構成されておりまして、バーチャルな組織体になっています。

私どもの法人からは、現在3名のパートナーと6名のコンサルタントがメンバーとして認定をされ、日常的にPwCのGlobal ACSメンバーと意見交換を実施し、PwCとしての実務ガイドの作成等にかかわっております。このGlobal ACSに入るためには、私どものGlobal ACSリーダーシップチームというところで認定を受ける必要がございます。これは私どもの、世界の中で10名のトップコンサルタントから構成されたリーダーシップチームでございますが、基本的に紹介によって承認の申請がなされております。

したがいまして、候補者本人の資質もさることながら、紹介者の日ごろの行動ですとか、信用がとても重視されるようになっています。すなわち、PwCとしての実務ガイド、それから、国別の実務のあり方の議論等において、しっかりとした貢献がなされているかどうかというようなところを紹介者のバックグラウンドとして見た上で検討がなされます。したがいまして、知識があるかどうかということに加えて、いわゆる課題に対して同じように問題意識を持ち、同じように不安を感じ、同じように調べたり、相談をしたり、また、判断をする責任を理解した人が同じ文化を共有する人材であるとして紹介しているかどうかというところで認定が行われます。そのようなプロセスを経て、私どもパートナー3名、コンサルタント6名を持っておりますが、こうしたACSのパートナーはそれぞれの国のIFRSの会計処理の結論を出す責任があるとされております。

次のスライドにいっていただきまして、左にIASBとございますが、このIASBにコメントレターを出しているのは、Corporate Reporting Task Force(CRTF)と呼ばれる世界の20人ぐらいのメンバーで構成されるPwCの会議体でございます。こちらには、弊法人から2名が参加しております。このCRTFを技術論を議論するトップに置いたGlobal ACSという組織は、会計領域としまして、企業結合のグループ、金融商品のグループ、それから、収益等のグループという3つの会計領域に分かれて活動しています。それぞれの領域につきまして、全ての業種を担当するという建てつけで、グローバルと同様の運用を私どもの法人でも実施しております。

また、日本におきましては、日本基準を適用している会社がIFRSの調整をするということでございますので、日本基準とIFRS両方の基準を領域ごとに担当するというようにして、人員の配置をしてございます。

この3つの会計領域のトピックグループの中にはそれぞれ分科会がございまして、合計で20程度ございます。そのうちアクティブなものとインアクティブなものがございますが、大体14から15ぐらいのアクティブなものにつきまして、弊法人のメンバーも全て参加をしております。

続きまして、最後のスライドでございます。私どもの監査における品質管理体制ということで、日本基準の通常の監査業務における審査体制に加えて、IFRSの監査に固有のトッピングの部分をこちらに表現いたしました。下に2つ黄色いボックスがございますが、独立レビューというものと専門的な見解の問い合わせということから構成されております。これは他法人でもご説明がありましたけれども、私どもも同様に財務諸表の独立したレビューをACSが行うということ、また、適用上の複雑な論点に対しては、専門的な見解の問い合わせとして、アカウンティング・サポート部のパートナーが日本における結論を出す責任を有しているという状況でございます。

私からのご説明は以上になります。

○安藤部会長

ありがとうございました。

続きまして、IFRSに関して、国際的な場で意見発信できる人材プールの構築について、釡委員から説明をお願いいたします。

○釡委員

財務会計基準機構の理事長を務めております釡でございます。当財団の国際的な会計人材の育成に関する取組みについて、ご説明をさせていただきます。資料8をごらんください。

冒頭に田原課長からご説明がありましたとおり、『日本再興戦略2016』の中の国際会計人材の育成の項に、関係機関等と連携してIFRSに関して国際的な場で意見発信できる人材のプールを構築するとされており、それに関連いたしまして、2つご報告させていただきます。

ページをめくっていただいて、スライド2をご覧ください。1つ目は、IFRSに関して国際的な場で意見発信できる人材のプールの構築でございます。これまでに非公式には関係者により人材の把握が行われてきましたが、今後広く会計にかかわる関係者が人材の選任、交流等に活用できるよう、当財団において人材のプールを構築し、管理していきたいと思います。それに当たっては、会議体を創設し、そこで内容について協議を行った上で、関係諸団体からリストの提供を受ける形で進めていきたいと思います。

続きまして、スライド3をご覧ください。2点目は、当財団で実施しております会計人材開発支援プログラムの第3期の開始でございます。このプログラムにつきましては、昨年11月の会計部会でもご説明させていただきましたが、当財団が2012年から取り組んでいるもので、第1期、第2期の修了者は、その後、IASBのスタッフに複数就任するなど、成果を上げてきております。

第3期の目的は、IASB等の組織の活動に直接参加し、意見発信及び議論を行うことができる人材を育成し、人材のプールを形成することと設定しており、この目的に沿って、スライドに記載した内容で9月から開講すべく準備を進めているところでございます。

いずれの取組みにおきましても、関係者の皆様のご協力が不可欠なものとなりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

私の報告は以上でございます。

○安藤部会長

ありがとうございました。

それでは、これまでのご説明を踏まえ、質疑・意見交換に移りたいと思います。残されている時間は大体45分でございます。今日ご出席の委員の数が21名でございますので、それぞれご勘案の上、ご発言いただきたいと思います。

それでは、ご自由に挙手をお願いいたします。はい、岡田委員。

○岡田委員

ありがとうございます。ただいまの財務会計基準機構の釡委員からのご説明に関係して、IFRSの財団の評議員をやっておりますので、若干ご紹介と意見を述べたいと思います。

まずIFRS財団では、今、Structure and Effectivenessに関するレビューを行っていまして、一部Constitutionを改定する予定です。現在、公開草案(Exposure Draft)に対する意見を募集中で、9月15日の締め切りとしております。今日出席されている皆様にもご意見を戴き、結果としてトラスティとボードの人数については大きな変動はございませんでした。

現在のトラスティ22人に対して、新しいConstitutionでは、総人数は変えずに、地域割をアジア・オセアニア6名、欧州6名は変更なし、米州は北米と南米を合体して1名減で6名、アフリカ1名、At Largeを3名とすることとしています。ボードメンバーは原則、今の16名から13名にするということで、3名減。ただし、At Largeは追加で1名を指名可能です。また現在の各地域4名という地域割は変えない予定です。

トラスティとして日本からは、日本取引所自主規制法人の佐藤理事長と私が参加しておりまして、ボードには鶯地理事が参加しております。

そのほかにもIFRS関係では、IFRICには現在、日本からは出ておりませんが、Advisory Councilや財務諸表作成者フォーラム(Global Preparers Forum)には日本から参加しております。さらに、日本にはアジア・オセアニアオフィスがございまして、ここには常駐で1人、また会計事務所から2名の出向をいただいているという現状でございます。

私が申し上げたいのは、すぐ派遣できる人材のプールも重要ですが、その前に若手でIASBのスタッフとして出向するとか、あるいは財務諸表作成者フォーラムのようなものに参加して、意見を発信していくとか、場数を少しずつ踏んでいくことで、顔も広め、勉強もして貰う。そういった機会をつくることで、人材をプールしていってはどうかと思います。財務会計基準機構では、これらの会議に出張する際に、出張旅費を半額補助するという取組みもされておりますので、ぜひ企業の方にはそういうものも利用されてはいかがかと思います。また、アジア・オセアニアオフィスはいろいろな意味で皆さんの相談に応じられるキャパシティがあると思いますので、どんどんご利用されてはいかがかと思います。

一般の企業の場合、ライフイベントが、つまり、転勤とか昇進がございますので、長いサイクルで人材を育成していって、うまくタイミングを合わせて、そういう人材をIFRSに関係する国際機関に送り出すという対策ができればいいかと思いますので、人材のプールも若い人からある程度育てていくという方針を立ててはいかがかと思います。

以上でございます。ありがとうございました。

○安藤部会長

ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。野崎委員。

○野崎委員

ただいまの岡田委員の意見に全く賛成でして、経団連のほうからは、先ほど岡田委員がおっしゃられたように、IASBの鶯地理事をはじめトラスティの方、あるいはIFRS諮問会議、世界作成者フォーラムといったところでも活躍していただいております。

ただ、そういうCFOとか経理部長クラスの人材というのは、実態としては見つけていくのは非常に難しい。当然、企業としての負担というのがありますし、またそういう方というのは経営とか、あるいは実務経験もあり、かつ専門知識もあり、その上、英語力も必要というようなことでございますので、やはり長期的な視点で継続的に人材をプールするということが非常に大事なことだと思っております。それについて、先ほど岡田委員もおっしゃったように、経団連として各企業に呼びかけていくといったことが必要だと感じております。

先ほど釡理事長からもご説明ありました若手の人材プールというようなプログラムはこういう場では説明をしていただけますが、広く周知されるというのがなかなか難しいといいますか、今のところされていないというようなこともございますので、これは経団連の役割として周知にご協力を申し上げたいというふうに思っております。

以上でございます。

○安藤部会長

ありがとうございました。

森委員、お願いします。

○森委員

ありがとうございます。釡理事長のご提案の、人材をプールして管理、そしてまた、再構築という、その会議体の創設は大変すばらしいことだと思います。この会議体の創設に当たっては、やはり求められる人材の特徴を考える必要があります。例えばトラスティ・メンバーとしての人材、IASBの委員、IFRICの委員、あるいはIASBの事務局の人員等です。そういった人材を探し出してプールすることを考えていくことが必要なのではないかと考えています。

それと国際組織に人材を出すということになりますと、その組織の委員のメンバー構成の公平性が求められるということがありまして、これは企業から出てくる人、それと監査人から出てくる人、あるいは学会等のパブリックと、その他もありますが、そういった人材の公平性、バランスというのが重要になってきます。ですから、必ずしも監査人からいつでもそういう国際組織に人が出せるのかというと、必ずしもそうでもないということもありますので、プールした人材がどういう形で国際会議体であるだとか組織に出られるようにするのか、そこまで管理をしていく必要があるのではないかと考えている次第です。それと会議体の設置運営について、会計士協会としても今後、協力していきたいと考えています。

次に、IFRSの会計監査を担う人材について、4法人から丁寧な説明がありましたので、不安が大分払拭されたのではないかと思いますが、会計士協会では、4法人以外に中堅、中小の会計事務所・監査事務所がIFRSにどのように対応できるのかというところも一つの注意点として考えておりまして、その育成を今、図っているところであります。具体的には、アンケートを実施し、ヒアリングをするという形で、会計事務所、監査事務所の中でIFRSにどの程度関与しているのか、そういう実態をつかみながらその分析を行い、必要な支援をしていくということで今考えています。

それと適用企業の範囲の企業数の問題も一つ申し上げておきたいと考えています。グローバル企業を中心に順調に適用企業数が増えているということは、ご説明で非常によくわかりました。ですから、時価総額も大分増えてきて、50%を超える時期も近いのかなということだと思います。しかしながら、数でいうと、やはりまだまだだということがあると思います。これは日本基準の高度化とも関係してくるとは思いますが、いわゆる中堅中小、上場会社で中堅中小というのはないのかもしれませんが、そういったSME、スモール・ミディアムの企業の層の適用というものを中期的に推進・促進していくことも考えていく必要があるのではないかと考えています。

以上でございます。ありがとうございました。

○安藤部会長

ありがとうございました。

次にいかがでしょうか。熊谷委員、お願いします。

○熊谷委員

利用者の立場で何点かお話したいと思います。実は以前もこの場でお話ししたことはあるかもしれませんが、このFASFの会計人材育成プログラム、私、1期生ということで出させていただきまして、大変勉強になりました。そのおかげもございまして、現在、IFRSの諮問会議の委員として出まして、その後、今、副議長をさせていただいております。それから、IASBの、先ほど財務諸表作成者フォーラムのお話ございましたけれども、利用者の会議体でCMAC(Capital Market Advisory Committee)のほうに出させていただいております。

このFASFの人材育成プログラムと、概念フレームワークですとか、あるいはディスカッションの訓練をしていただきまして、それがやはり実際その場に行きまして、大変役立っているといいますか、非常にありがたいことだなと思って、改めて釡理事長に感謝したいと思います。

その上で、やはりこれは、財団としても相当コストのかかっている話ではないかと思います。一方で、そこに人材を拠出する企業、あるいは監査人等のご理解もないと、参加者も時間的に非常にコミットしなければいけないお話でもあります。派遣元の組織の皆様にはそこのところのご理解・協力というのは引き続きお願いしたいと思います。

次に、今この人材プールのお話ございましたけれども、ここのプログラムを受けたような人たちで人材プールを管理していくのだろうと思います。その際、今どういう方々がこのプログラムに参加している、企業名とかお名前とか個人情報の類いのものもあるので、大変難しいことと思いますが、ただ、そこにどういう企業が積極的に参加しているとか、あるいはどういう方が参加されているかというのは、これは非常に重要な情報として、皆さんで共有していくということがその輪を広げていくという意味でも結構効果があるのではないかなと思っております。

ですから、色々難しい問題はあるのかなとも思いつつ、どんな方がそのプログラムに参加しているか、その方々のモチベーションを上げるという意味でもご検討いただけないかなと考えます。

以上です。

○安藤部会長

ありがとうございました。

窪田委員、お願いします。

○窪田委員

各社、ご説明ありがとうございました。まず国際的な意見発信のための人材プールという話ですが、2つ、目的があると考えます。国際組織に人を出していくための候補者を挙げるという目的の他に、財務諸表作成者、監査法人、利用者がそろって、オールジャパンで意見発信していくためのコミュニケーションを強化するという意味もあると思います。作成者は作成者の中で、利用者は利用者の中で、監査法人ではそれぞれの中で、どういった人がIFRS関連でノウハウを持っているかお互いの中ではわかっておりますが、横のコミュニケーションがとれていないという問題があります。ここで提案されている人材リストをつくることによって、そういうコミュニケーションを活発化させて、オールジャパンでの意見発信に貢献する。その上でさらにそういったところから国際法人への候補者を挙げていくと考えたらいいと思います。

あと、4法人からIFRSの監査体制、また、人材の拡充についてご説明いただきましてありがとうございました。これで外部から見てキャパシティがわかりにくく、不安があったという状況がかなり改善されたと思います。

あえて言うと、IFRS担当者の人数の数え方が、4社で統一されていない問題はあります。人数が、多ければ多いほど能力が高いというわけではないと思うのですが、人材の人数の数え方で、多少定義の違いもあり、その結果、4社で数の横比較がしにくくなっています。そこを改善していただければ、なおありがたいと思います。

あと、4社ともIFRSの解釈を原則日本でできる体制を構築している点が、評価できます。当然、海外とも協議しなければならない事項については、協議するということですが、原則国内だけで解釈できる体制を構築していると4社ともうたっていることに意義があります。IFRS任意適用の初期には、解釈を求めたときに海外に問い合わせるために時間がかかり過ぎたという問題もごく初期にありましたが、そういった問題も改善してくるという安心感が持てるような内容になっています。今回4社とも開示いただきまして、どうもありがとうございました。

以上です。

○安藤部会長

ありがとうございました。

次に、万代委員。

○万代委員

日本基準の高品質化ということで、ASBJの小野委員長のご説明の最後のところで、資料3の8ページになると思うのですけれども、今後の取組みのところで、日本基準に取り入れる範囲の適切な選択の最初に、日本基準の品質の向上に資するかという視点が述べられているというのは、私は非常に重要なことだろうと思っています。

えてして、コンバージェンスというと、コンバージェンスすること自体が目的化して、とにかく一緒にしましょうという視点が重視されてしまうということがあるわけですけども、決してコンバージェンスというのはそれ自体が目的ではございません。これは委員長がおっしゃったとおりだろうと思っています。これは個人的な見解ですけれども、現在、検討が始まっています収益認識基準、それから、今後検討されるであろうリースというのは、かなり理論的には問題を含んでいる基準だろうと私は理解をしておりますので、ぜひ、単純に一緒にするという発想ではなくして、日本の基準をいかに高品質にするかという視点をしっかりとご検討をしていただければと思っています。よろしくお願いいたします。

○安藤部会長

ありがとうございました。

ほかにいかがですか。谷口委員。

○谷口委員

監査を担う人材の育成について、4社のお話を伺い、様々なご準備されているなというところで大変強い認識を受けました。特に教育、研修という制度が非常に充実されておられて、4社ともかなり意図的に取り組まれているなというのは印象深いのですが、これに加えて、ご指摘もありましたけれども、OJTというか、実地訓練に関して、実際の監査のエンゲージメントで経験されるという点は多分、日本の監査クライアントに対しても非常に重要なインプットになると思います。

では、それを具体的にどのように行うかというところで、まだ日本での適用企業の数も限界がある中で、そういった経験をされる方を養っていくというのは非常に大変だと思います。この中で皆さんそれぞれ海外のアフィリエイトファームとの人材交流というのを既に実施され、実際にスタッフも派遣されておられるということを伺いました。実は私も海外に駐在して、そのような方々とのお付き合いもありましたが、彼ら、彼女らが日系企業の出先の現地法人のエンゲージメントに従事されているケースが結構見受けられました。ここで仮に、既にIFRSが適用されて既に何年か実績を持っている欧米の、特にヨーロッパの企業の監査チームに何らかの形で関与されるような機会が与えられれば、そういった方が日本に帰ってこられると、その知見を生かして、相当バリューを出されることが可能なのでは、という印象を受けました。このようなことが可能かどうかは、もちろん現地の会計士資格の問題等も存在するので難しいかもしれませんが、私見として述べさせて頂きます。

○安藤部会長

ありがとうございました。

川島委員、お願いします。

○川島委員

ありがとうございます。国際会計人材の育成について1点申し上げます。

前回、11月の会議の場で、この国際会計人材育成の重要性が確認をされまして、それに基づいて、今年の6月にこの日本再興戦略に人材のプールを構築するということが具体的に盛り込まれたということは非常に意義のあることだと思います。そして、その役割を財務会計基準機構が担われて、具体的にこれから動き出すということで、今後その実効性というものが期待されるところだと思っております。

そうした視点で申し上げますと、今後新たな会計人材の育成に関する会議体が創設される中で、この人材のプールをいかに広げていくのか、具体的な議論がされると思います。その中で、例えば将来的にどの程度プールの人数を広げていくのかといった中長期的な数値目標の設定だとか、こうした人材の輩出に協力、貢献をされる様々な主体の自発的な取組みを促すような仕組み、例えば協力する民間企業を評価するような仕組み、さらには財政的な補助、支援といったようなことも検討されると、人材のプールというものがより実効あるものになるのではないかと考えております。

その中にあって、金融当局におかれましても、そうした予算ですとか、あるいは様々な仕組みについても検討される必要があると思います。繰り返しになりますけれども、こうした人材プールの構築がより意味あるものになるように、各般の協力、検討をお願いしたいと思っております。

以上です。

○安藤部会長

ありがとうございました。

平松委員、お願いします。

○平松委員

ありがとうございます。今日は4法人の方からIFRSを適用でき、かつ、監査をできる国際会計人材について、特に監査という側面からお伺いしたわけですが、その中で教育・研修についても十分に論じていただきました。その際、教育・研修の内容が国際会計士連盟の国際会計教育基準(IES)に準拠していることをもう少し明示的に述べると、おそらくその教育・研修の仕組みが国際的に認知されるといいますか、承認される、信認を得るのではないかと思いました。

もちろん日本公認会計士協会は、IESに準拠するという義務を負っていますから、当然、4法人の方々の教育・研修についてもIESを遵守しなければならないわけです。私の個人的な要望といたしましては、各法人での教育・研修がIESに準拠して行われていることを見えるようにすることが大事じゃないかなと思いました。意見です。

○安藤部会長

ありがとうございました。

西村委員、お願いします。

○西村委員

私どもは昨年からIFRSの任意適用をいたしました。その関係で、この1年間の会計士側の先生方の対応とか、あるいは当社側の対応について若干申し上げますと、やはり準備をしている期間は、会計士側の先生もまだ明確ではないというか、色々な問題に対して、時間がかかるというのが実態でありましたが、最近は大変素早い対応をしていただいていると思っております。そういう面では、先ほども夫々の監査法人の先生方からお話がありましたが、きちっとした体制整備をしていただいているなと感じておるところでございます。

一方、我々、企業側といたしまして、IFRSそのものをしっかりと勉強して理解をし、それを実務でやっていくというのがまだなかなか追いついていないというのが実態であります。人材プール等については、我々のようなところから出すのも難しいわけで、むしろ社内でどうIFRS人材を育成していくかというのが大きな課題でございます。特に、私は名古屋でございますが、名古屋とか大阪の企業は、きちんと系統だって勉強する機会がなかなかないということであります。

ぜひ、こういう点について、ウェブを使うということも可能だと思いますので、金融庁、協会、ASBJにおいて、そういう仕組みをぜひしっかりとつくっていただければと思っているところでございます。

なお、開示に関して若干申し上げますと、四半期等の開示についての考え方も金融庁から先に示していただきました。そういう面では大変明確になってまいりましたが、それにしてもやはり開示の負担が大きいのは我々企業側にとっては事実でございます。日本基準と比較しますと、相当のボリュームになりますので、ぜひさらに一層の開示の簡素化等についてはご検討いただければと思っているところでございます。 以上でございます。

○安藤部会長

ありがとうございました。

他にいかがでしょうか。はい、橋本委員。

○橋本委員

今日は監査法人のIFRS対応の現状をご説明いただき大変ありがとうございました。この人材の育成確保の問題は、任意適用企業の拡大促進にとっても、国際的な意見発信にとっても、日本基準の高品質化にとっても、人の問題は非常に重要だと考えております。特に質の面でも、量の面でも、そして、サクセッションプランといいますか、長期的に日本の意見を次世代にわたって発信できるような、そういう計画的な体制をオールジャパンでつくることが必要だと思います。

特に会計教育に身を置く者として、IFRSの場合にはやはり判断力とか、コミュニケーション能力とか、そういったものも求められますので、今まで日本の教育はどちらかというと、座学といいますか、一方的な講義が中心だったわけですけれども、IFRSの現場ではケーススタディとかそういうものを取り入れながら、今までとは違った国際的に通用するような、そういうIFRS教育あるいは会計人材育成というものを目指していくための体制を整えることができたらいいなと思っています。 以上でございます。

○安藤部会長

ありがとうございました。

ほかにいかがですか。はい、関根委員。

○関根委員

ありがとうございます。私は国際会計人材の育成について3点お話ししたいと思います。

まず先ほどから話が出ている人材プールの構築につきましては、皆様からご意見がありましたように、私も非常に重要なことと思っておりまして、会議体をつくって検討するということに関して積極的に進めていきたいと思います。その中で、人材プールを構築して、その人たちが国際的な意見発信をできる人材になるためには、先ほども話が出ていましたが、場数を踏むといいますか、経験を積むということが非常に重要だと思っております。経験を積んでもらう仕掛けというのは現実に難しい面もあると思いますが、しっかり検討していく必要があるのではないかと思っております。

また、先ほど4法人から、特に研修を中心とした説明がありました。これに関連して、先ほども谷口委員からもご意見が出ていましたが、OJTや、実際に現場で経験することというのも重要です。研修は準備運動のようなもので、実際に経験していくというのが非常に重要です。海外のIFRS適用企業の監査チームに人を派遣するというのは、今回、監査法人の説明で特段の言及はございませんでしたが、私が聞いているところでは、そういったこともしているという話もあります。したがって、そういったことも活用されているのではないかと思いますが、同時に、日本でIFRS適用企業が増えてくれば、さらに日本で色々経験をしていくということが必要かと思っています。

3点目ですが、そうはいっても、最初というのは誰でもありまして、力がつくまでに時間がかかるということは、どうしても出てくるのではないかと思っています。それをカバーするためのものとして教育研修があると考えています。私は会計教育研修機構に設置されているIFRS教育研修委員会の委員長を務めていましたが、この委員会では昨年、「IFRS教育・研修のあり方に関する課題と今後の方向性」という報告を出しました。方向性といっても、それはまだ非常に柔らかい形のものなので、これからさらに具体的に進めていく必要があると思っております。本日は色々といただいたご意見を踏まえて、教育研修についてもさらに検討していく必要があると思っております。

以上です。

○安藤部会長

ありがとうございました。

辻山委員、お願いします。

○辻山委員

ありがとうございます。本日は色々と監査法人からご説明いただきまして、非常に参考になりました。ただし、本日のメインテーマの人材プールということについては、2つの人材を分けて考えておく必要があると思います。つまり現行のIFRSを熟知してIFRS適用会社の監査を担当できる人材を養成していくということと、会計基準、IFRSについて意見発信する局面で、そのIFRSが動いていくことについて的確な意見発信をできる人材を養成していくということ、ちょっとこの2つの人材育成は性質が違うのかなと考えております。

そういう意味では、本日、冒頭に出ましたのれんの償却の問題が一例ですけれども、のれんを償却すべきか否かということでは、ヨーロッパでも今、のれんを償却すべきだという意見が非常に大きくなりました。日本は従来からのれんは償却すべきだと主張しております。これもどういう見方が正しいのかというと、M&Aで、のれん含みの企業を買収して、その企業を転売する目的ではなくて、例えばメーカーがそういう企業をM&Aでグループの中に取り込んで、永続的にその企業を抱えていくことになりますと、その場合ののれんの償却というのは、これはやらないと、その投資を行った経営者が次の経営者にのれんのコスト負担や減損リスクをそのまま負わせるということですので、これはちょっとよろしくないと思います。一方で、これは例えばPE的な発想ですと、短期に買ったものを売るわけですから、その保有期間にのれんを償却する必要がないといったように、色々な見方があります。そういうことが今、世界的に見方が定まっていないといいますか、そういう中でこのIFRSを適用するわけですから、基準開発に的確に意見発信できる人材の育成が非常に必要とされていると思います。

本日の議論も、再興戦略に書かれているからということもあるわけですが、これもそもそも本来のゴールは、やはり日本市場により上質な情報を提供していくということが最終的なゴールになるはずで、ここでは本来その問題を議論すべきであって、日本基準からIFRSにスイッチさせることがそれに適っているのかどうかという点を忘れてしまうと、IFRS適用企業が多ければ、日本が再興するという、こういう短絡的な話になってしまいます。いつの間にか、IFRS適用企業を増やすこと自体が目的化してしまうことになってはいないか、ここはやはり非常に重要な点かなというふうに思います。

そういう意味では、先ほどSMEまで含めてIFRSをできるだけ広めていくということですけれども、そのSMEについては特に税とのリンクというのはものすごく大きい問題で、これをIFRSに転換させていくことが社会的なゴールに適っているのかというのは、これも見解が分かれるところだと思うのですが、個人的にはそうは考えられないということでございます。

申し上げたいことは、日本基準からIFRSへスイッチすることが、我々が目指すべきゴールに本当に適っているのかどうか、それが適っていないとしたら、適うような内容のIFRSにしていかなければならないということで、人材プールとしては、IFRSに対しても批判的な意見発信をできる人材、IFRSを熟知している人材というよりは、むしろそういう面での人材プールこそが必要なのかなと思います。

以上でございます。

○安藤部会長

ありがとうございました。

他にいかがでしょうか。中川委員、どうぞ。

○中川委員

今日初めて参加させていただきました中川です。どうぞよろしくお願いいたします。

先ほどからご紹介くださっています、これまでのIFRSへの取組みに対し、改めて敬意を表し、感謝申し上げます。私の立場は、財務諸表作成者側に立つのが適切と考え、発言させていただきます。

弊社は今の時点でUS-GAAPを適用しており、業務上、英語環境、つまり英語を共通言語として使う機会が多くなります。また、英語力や知識だけでなく、国際的な発信力や、コミュニケーション力や高度な判断基準を求められますので、そうした能力を持つ人材を育成し、それを維持しながら、かつ、サステナビリティという観点から後継者のプランニングも求められます。

日本で、学生を新入社員として採用をさせていただき育てていく、その過程で海外での勤務も経験させていくとなりますと、非常に時間がかかるもので、その分人材を多く必要としています。

従いましてお願いごととなりますが、企業側の努力は引き続き続けてまいりますものの、教育の現場におかれましても、企業ではこうした人材へのニーズが非常に高いのだ、ということを学生の方に伝え続けていただきたいと思っております。

また、今、私が担当しております業務は、インターナル・オーディット、つまり内部監査ですが、こちらも同様の人材を必要としています。ドキュメンテーションの収集・保管から、議論・レポートの作成まで、どうしても英語をベースに使うこととなりますし、グローバルで、内部監査の内容の統一、質の均一化、全体の高度化を進めようとする場合も同様です。人材プールがそもそも小さく、採用も難しい、育成に時間がかかります。会計だけでなく、内部監査の世界でもこうした人材へのニーズが非常に高くなっておりますことからも、引き続きご尽力、ご協力いただければと考えております。

私からは以上です。

○安藤部会長

ありがとうございました。

他にいかがですか。はい、弥永委員。

○弥永委員

私は大学で教えさせていただいておりまして、人材のプールが必ずしも十分であるようにはみえないというのは本当に私たちの責任でもあると思います。ただ、どのような人材が必要なのかを必ずしも学生は認識しておりません。例えば、この審議会でしばしば話題になる、国際的に発信していく能力、あるいはIASBなりに人材を送って、発言をし、日本の主張を伝えていくというような活躍の仕方があるのだということは、あまり学生にとっては知られていないように思います。

そこで、このような人材が必要なのだということ、そして、このような活躍の道があるのだということを、私ども大学で教えさせていただいている者も、学生に伝えていきたいとは思うわけでございます。しかし、人材プールをつくっていただくと同時に、このような活躍の方法があるのだということを、ぜひ、企業あるいは日本公認会計士協会その他さまざまな方々が、もう少し発信していただく、目立つ形にしていただけると非常にありがたいと思いました。

○安藤部会長

ありがとうございました。

山澤委員、お願いします。

○山澤委員

山澤です。ありがとうございます。国際会計人材の育成に関しまして、一言コメントさせていただければと思います。本日、4つの大手監査法人の方からIFRSに対応できる監査を実施できる人材の育成ということで、大変熱心に取り組んでおられるということをお伺いいたしまして、大変参考になったところでございます。

冒頭ご紹介いたしましたように、現在、IFRS適用に関する検討を実施している会社ということでいうと、合計233社とご紹介いたしましたけれども、本日いただいた資料には社数が入っておりまして、それを足しあわせると4つの監査法人で大体190社ぐらいということでございますので、その差の43社ぐらいというのは中堅ないし中小監査法人の方がそれぞれ対応されていらっしゃる企業ということでございます。今後またその233社という母集団自体がどんどん広がっていくということを考えますと、そこへの対応というのが極めて大事なのではないかなと思っております。

先ほど森委員から、協会でのサポートと、研修ですとかノウハウの底上げということでご紹介いただいたのは大変に良いアイデアだと思っておりますが、あわせて4つの大手の監査法人以外の会計事務所の方の対応というのもおそらく急いでやっていく必要があるのかなというように改めて感じたということでございます。

○安藤部会長

ありがとうございました。

他にいかがでしょうか。川村委員、お願いします。

○川村委員

意見というよりも感想で、一つは前段のほうのIFRS採用企業の増加傾向、これは基本的には結構なことだというふうに申し上げたいと思うのですが、かつて、その基準が何重にもなるジャパンIFRSをどうするみたいな議論もここで随分、侃々諤々やった記憶が新しいわけであります。やはりその場合に、例えば投資とかTOBであるとかM&Aだとか、こういうものになったときに、その相手方企業をどうやって評価するか、いわゆるバリエーションの世界になったときに、会計基準ではできない世界がたくさんあります。日本のIFRS採用会社がIFRS採用企業をM&Aするとか、統合するとか、これは比較的容易であっても、そうではないケースのほうがむしろ多くあります。またジオグラフィカリィには、新興国、中国であれ、大半のASEANであれ、IFRSを採用していない、あるいはアメリカ企業もIFRS採用していない。結構抜けてくる部分というのがあるのではないか。

国内に目を向けてみると、まだ大半の企業、とりわけSMEは全くIFRSを適用していないと考えたほうがいいと思うわけです。そうなると、結局キャッシュフローに引き直して価値を算出するみたいなことをやっていく中で、いわゆるソフトのアセットやライアビリティをどのように評価するのか、どうしてもそこでよくわからない部分がでてきます。端的にのれんなんかはそうだと思いますし、金融取引もそれに類するものだと思います。

ここをどういう形で、そのままにして置いておく平行線がいいのか、いわゆる国内でも海外でもコンバージェンスの方向を目指していくのか、まだまだ色々テーマがあるのだということを感想的に思ったことが1点目です。

それから、2番目の教育、研修に関しては、各監査法人あるいは協会等、非常にきっちりやっておられて、また、この場で提示されたようなご提案も参酌されつつ、さらにチューンナップされたものができていくと非常にありがたいなと思っています。

ただ、その場合に、先ほど大学の先生方からも幾つかご指摘がありましたが、学生の立場になってみると、大変だなと思います。例えば我々の世代のように、貸方、借方から入っていって、それがまず全部頭の中に染み込んでいってしまった後、これと違って、こうだよという、ある意味で基準があって、勉強し直すみたいなところがあると思いますが、いや、実はこういうのもあります、ああいうのもありますということを両方勉強しなければならないみたいな部分もあり得るのではないかと思います。

要するに、とりあえず手に職を得て、実務をやって、その場合に地方の企業がクライアントになっている、それは会計士に限らず、企業に就職する場合もそうですけれども、現状の会計制度の勉強をする、いわばすぐ役に立つ勉強というのと、5年、10年先になったら、こうなるよ、こうだよみたいになったときに、そのダブルスタンダードみたいな勉強をしなければならないようなケースも現実にはあるのではないか思います。ですから、特に若い人に対する教育ということを考えたときに、過渡期ゆえの非常に難しさもあると思います。そういう意味で前段の部分と絡みますが、あまりのんびりもできない議論なのだろうなという気がした次第です。

以上です。

○安藤部会長

ありがとうございました。

挽委員、お願いします。

○挽委員

ありがとうございます。人材プールのお話ですけれども、そもそも人材が相当数以上いないと、プールしようにも優れた人材が集まらないわけで、そういう意味でいきますと、やはり大学時代の教育というのも非常に重要かと思います。

国際会計人の育成問題だけではなくて、一般企業におきましては、ミスマッチ問題が非常にこの数年増えています。ミスマッチというのはどういうものかと申しますと、会社に入ってから1~2年でやめてしまう方がものすごく多く、人材育成の観点から問題になっているところであります。

ミスマッチを防ぐために、一般企業がどういうことをされているかというと、インターン制度を活用されています。例えば外資系企業の例で申し訳ありませんが、そこの会社はマーケティングが強くそこに力を入れておりますが、その部署にインターンで雇った人たちを実践力として活躍できるような場を設けてくださっています。学生は即戦力となり活躍することによって、その職能やその企業に、大いに魅力を感じています。それが大学でのその後の学習と卒業後の就職につながっています。

非常に高度なお仕事をされているので難しいと思いますし、監査法人あるいは日本企業でもインターン制度を導入されているとは思いますが、実は制度を導入していても、インターンが重要な職能、重要なポジションで実際に活躍させていただいているかというと、必ずしも外資系企業に比べるとそうでもないという、学生からの報告があります。それが事実だとすると、改善の余地があるのかなと思っております。

以上です。

○安藤部会長

ありがとうございました。

それでは、まとめもございますので、これにて質疑の意見交換は終わりにさせていただきます。

本日はIFRSをめぐって、幅広くご審議いただきました。関係者において、IFRSの任意適用企業の拡大促進、IFRSに関する国際的な意見発信の強化、日本基準の高品質化の課題に引き続き努めていくことが重要です。国際会計人材の育成に関しては、監査法人において引き続きIFRSの監査を担う人材の育成確保の取組みを着実に行っていただくことが重要です。本日ご説明いただいた各監査法人の取組みのもと、実際にIFRSの監査を担うことのできる経験、力量を備えた会計士の育成、確保が進んでいるか、各監査法人において引き続き検証していただきたいと思います。

こうした取組みについて、会計部会においても引き続きフォローアップしていくこととしたいと考えております。事務局においても、各監査法人の取組み状況の検証をお願いいたします。また、IFRSに関する意見発信を含め、国際的な人材を育成、活用していくためには、そうした人材の見える化を進めていくことが必要です。そうした意味で、本日、財務会計基準機構からのご説明にあった、IFRSに関して国際的な場で意見発信できる人材のプールの構築は重要な取組みであり、人材の見える化という視点から、これを公表していくことも含めて検討していくべきではないかと考えております。

次回の会計部会の開催については、事務局より改めて連絡させていただきます。

それでは、定刻間近になりましたので、本日の議事はこれにて終了させていただきたいと思います。

本日は、お忙しいところご参集いただきましてありがとうございました。これにて散会いたします。

以上

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(内線3810、3672)

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